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災難な通信士?のお話23 の変更点


 作者:[[ぽーにょ]]
作者:[[ぽーにょ]]
スパートかかってたらいいな・・・
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数百年前のシロガネ山、謎の研究室
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「ミュウツー、ついに完成したぞ!」
「何がでしょう?ダミー博士」
ダミーと呼ばれた歳老いたニンゲンの研究者は、やり場の無い嬉しさを持て余してそわそわしている。
「いわゆる強化骨格とでも言おうか・・・?表皮を遺伝子レベルで硬鉄化させる事に成功したのだ。『硬質化』なんてちゃちなものとは違う代物を!」
「・・・で、それが何の役に立つのかな?」
ダミーがにやりと笑い、メガネを上げると蛍光灯に反射して怪しく光る。
「ミュウツー、君がいつも退屈そうにしていたのは知っているよ。そこで、私は対エスパー用のポケモンを創る事にしたのだ・・・」
ミュウツーもにやりと笑う。
「成る程、私も敵が増えれば退屈はしませんしねぇ・・・これでまた暴れられる・・・フフ」
と、二人の会話を誰がが割って入る。
「私は反対です!」
「今更何のつもりだ?ノワール」
白衣を着た若い研究者・・・しかしその外見はギラティナではなく普通のニンゲン。その研究者が怒りに満ちた表情で話を続ける・・・
「そんな身勝手な理由で一体・・・一体どれだけのポケモン達が犠牲になったと思っ・・・!」
言い切る前にダミーが彼を殴り伏せた!
「私の研究を否定するのかね?人生の全てを費やしたこの偉大なる研究を!」
「『偉大なる』だって・・・?やはりお前は・・・悪魔の申し子!」
「黙れ!」
ノワールの頭が思い切り踏み付けられる。
「がっ・・・」
「ノワール、君を助手にした私はやはり愚かだったのかな?」
奴が懐に忍ばせていた拳銃をノワールに突き付ける。
「おや、私の持ってるモノがそんなに珍しいか?『万が一』の為に持っておくべき物だよ」
「・・・」
ノワールは銃を突き付けられてなおダミーを横目で睨みつける。奴が鼻で笑い、引き金に指を掛け・・・
「バシャーモ、ラティアス!来い!」
ノワールが叫んだ瞬間、呼ばれた二匹が隔てていた扉を破り、奴を取り押さえる。
「・・・私とて、『万が一』を想定くらいはしていますよ!」
「ほう・・・『実験材料』どもか」
バシャーモが抑えていた左腕を折った。
「バシャーモ、気持ちは解るが抑えてろ。ラティアス、お前も攻撃するのはまだ早・・・」
突然バシャーモの身体が勢いよく吹っ飛び、壁に叩きつけられる。
「あなた達くらい、退屈凌ぎ程度くらいなればよかったのですが・・・やはり駄目ですね。『鋼タイプ』の完成を待ちましょうか・・・」
ミュウツーが念力でダミーを引き戻す。
「ミュウツー、片付けろ・・・」
「勿論」
バシャーモの身体が宙に浮き、一気に床に押さえ付けられる。
おそらく頭を強打したのか、意識を失った様だ。
「ラティアス、奴の動きを止めるんだ!」
ラティアスのサイコキネシスがミュウツーを捕らえるも、何も無いかのように笑う。
「その程度で私を止められるとでも?」
と、取り押さえた時に落ちた拳銃を拾い上げ、ダミーの心臓に一発撃ち込んだ。
「さすがにここまで気は回らなかったでしょうね。とにかくこいつが倒れれば犠牲者が増えずに済むんだ・・・」
ミュウツーの顔に焦りの表情が浮き上がる。
「彼が死ねばどうなるのか分かってこれを?」
「ああ、ここの自爆装置が作動する事ですか?それくらい承知の上ですよ・・・ラティアス、バシャーモを運んで外へ逃げてくれ」
ラティアスは不安げな表情ながらも、バシャーモを抱えて外に向かう。
「ああ、それから・・・ミュウツー、あなたがこの部屋から外に出れば時間を待たなくとも爆発する事もね」
「なっ・・・!?」
ノワールが走って部屋を出ようとする。
「遺伝子操作なんて・・・生体実験なんて・・・そんな地獄、無くなればいい・・・!」
その時、ノワールの背中を何がが刺さる。
「ノワール・・・あなたにプレゼントをしておきましょう」
ミュウツーが死んだダミーの身体を操り、ノワールの身体に注射器が突き刺さる。そのまま中の薬品が注入された。
「こいつ!」
ノワールは奴の懐に見えたディスクを抜き取り、無理矢理身体を蹴飛ばして逃げた。逃げて、逃げて、シロガネ山の入り口まで到達すると、バシャーモ達が出迎えてくれてる。
「お前達・・・」
バシャーモが自分は大丈夫だとポーズをキメた。ラティアスもニコニコしてこちらを見て・・・
「!?っ・・・!」
急に呼吸がおかしくなる。身体の奥から燃えるような熱、全身が激しい痛みに襲われる・・・と、何処からか声が聞こえる。

『あなたはいい退屈凌ぎになってくれるかな?』

「がっ・・・あぁ・・・」
その場に倒れ込み、のたうちまわる。
「おい!どうしたんだよ!?」
「しっかりしてノワールさん!」
誰がが呼んでいる。誰かは解らない・・・と、時間がきたのか一際大きな爆音が鳴り響く。

「グオオォォォオォン!」


気が付いた時には、バシャーモとラティアスは私が食い殺してしまっていた。ギラティナとなって・・・
「折角・・・助けられたのに・・・私は・・・なんて・・・」
涙で前が見えなくなる。必死に振り払い、私が『着ていた』白衣を持って飛び立つ。
私がニンゲンであった最後の『遺品』だからな・・・

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ジョウト基地、司令室
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「その研究者が持ってたディスクに、鋼タイプ開発におけるデータが記録されてた。
成功した実験体が1998人目だったから・・・私がそう記名した」
シグとクリスは呆気にとられている。
「ノワールが・・・ニンゲンだった!?」
「昔の話だ」
「でも・・・ッ!」
「頼む・・・私の事、皆には黙っててくれないか?」
シグが続ける。
「んじゃどうして俺達に過去を?データの中身さえ見せればよかった筈だ」
「大方・・・予想はつくわね」
「クリスの思っている通りだろうが、お前達を見ていると・・・その、思い出してな」
ノワールが悲しい目で俯く。
「結局、鋼タイプがいるという事は私の妨害も失敗に終わったという事だしな・・・」
「ノワール・・・」
突然、ノワールが二人に向き直る。
「シグ、クリス・・・私の為に力を貸してくれないか・・・?」
シグもクリスも、ため息をつき口を揃える。
「「何を今更っ!」」
「『ミュウツー』が元凶なんだろ?そいつをぶっ飛ばせば解決するんだ!」
「私も出来る限り助力するわ!」
ノワールの目が潤む。
「ありがとう・・・二人とも、これからも頼むぞ・・・!」
「「了解!」」

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どんどん突っ走る!多分止まるけどね。
>>[[災難な通信士?のお話24]]
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