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災いを伝える者第録話 の変更点


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&size(35){災いを伝える者};第録話
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結局、散々悩んだ挙げ句勝手に決められディーゼルさん達と行動している。
アンペア……さんにはリムと何故かナイトメアがついていった。つまり今、風の結晶が手元にない状況。
これでは素早く鎌鼬が使えない。僕の鎌鼬は風の結晶が持つ強大なパワーを利用してリロードを短くしていた。
とはいっても2秒くらいだが、戦闘では1つの技に2秒もかけていられない。最低、1秒以下に抑えなくてはいけない。
その点では鎌鼬は実戦には不向きな技だ。あれがあったからこそ実戦で使えた。

「……オイ、でぃーぜる」
「ん?どうしたのシュークル」
「ドウヤラ、カクレンボシテヤガッタミタイダゼ」

シュークルさんがそう言い終わるとあたりの樹木が飛んだ。そこから見覚えのある姿が現れる。
茶色く変色した鋼鉄殻、不自然に動く躯、そして動かない瞳。見間違いではない。

永闘兵。感情のない屍の兵士。
また、戦わなきゃならないのか。ざっと見ただけで20はいる。
分が、悪すぎる……唇を強く噛みすぎたらしく口の中に血の味が広がった。

「やるしか……ないわね」
「ダナ」
「放って置くわけにはいきませんからね……!」

まず、動いたのはシュークルさんだった。口のチャックが開くと地面に黒い沼が現れ、そこから無数の細い腕が永闘兵へと延びていく。
永闘兵の躯へと絡み付くとそのまま沼へと引きずり込んでいく。相手が生きていれば、この場に唄が響くだろう。
ボーとしているわけにはいかない。身体中が警告を出し続けてくる。歯を食いしばり痛みを無かったことにして近くにいた屍に一撃をたたき込む。
胴が二つに分かれその場へと崩れた。だが、それで終わりではなかった。分かれた内の頭のない下半部がこちらへと向かってきた。
心臓の鼓動が頭へと直接響いてくる。目の前へと迫ってきたそれに何かが突き刺さった。

「ボーットスルナ! シヌゾ!」

誰かの怒声が聞こえてきた。殺らなくては殺られる。
動きを止めた鉄蛇を盾にして鎌鼬を構える、いくら劣化していても3秒ほどは持つだろう。チャージを終え、盾にしていた屍を今度は踏み台にしてそこから離れる。
そのすぐ後、ボスゴドラがそれを殴り破った。まだ新しい死体らしく、腐敗が始まっていなかった。
それを無視し敵が密集しているポイントに鎌鼬を放つ。相手の四肢が弾け飛び、あたりに青い液体が散る。
ちらりとディーゼルさんの方を見ると先ほどの応急処置の際使っていた五本指の手を装備し、何かを使っていた。
再び視線を永闘兵へと戻し、さっきいた新品を探す。
突然、身体が強い警告を出した。それに従い、急いで右に回避した。
刹那、風を切る音と共に何かの腕が横を掠めた。回避のために飛んだのを利用し、右後ろ足を軸に回転し相手へと向き直る。
だが、相手は思っていなかった動きをした。拳を放っていなかった右腕で防御体勢をとったのだ。
いったん距離をとり相手を見つめる。

「……素人では無いようだな」
「ッ」

喋った…… なるほど、こいつはただの兵士、屍の兵士しか使わないわけではない、ということ。
相手が生きた兵士ということは安直な行動が出来なくなった、ということだ。
下手に動けば殺される。ほかの二人は僕の相手に気づいたらしく、こちらに永闘兵が来ないようにしてくれている。
今はこっちに集中しよう。
見た感じ相手は耐久戦が得意のようだ。身体には無数の傷跡があるが、鋼鉄殻がえぐれている箇所はない。相当な硬さを意味している。
それにあくまでこちらが動くまで動く気がないどっしりとした構えをしている。攻撃を受け止め、そして反撃の好機を作り出す。
もしかしなくても相性の悪い相手だ。鎌の耐久性はそれなりだがそれを振る首の関節は耐久性に欠ける。
それに鎌を掴まれてしまえばそれこそ終わりだ。だが勝算はある。私兵軍のメンツにこの兵士と同じような耐久戦に特化した&ruby(つわもの){兵};がいたため攻め方がわかる。
どう動けばどう来るか、それを参考にすればたぶん勝てるだろう。問題は相手がこちらを凝視したまま止まっていることだ。
視線を一度もずらさず瞬きも極限まで抑え確実に動きを見切る、そんな感じがした。いや、実際そんな予感がするのだ。
動かなければ、いけないな。

姿勢を低く保ちながら斬撃を相手の足元へと向かわせる。自分の鎧に絶対的な自信を持っているのかその場から動こうとしなかった。ねらい通り。
紙一重のところで地面を強く蹴り相手の左側へと進路を変える。
相手はこちらを目で追おうと身体の向きを変えようとした。だが、それを中断すると勢い良く地面に拳をぶつけた。
目眩ましと同時に落とし穴の簡易トラップの設置が目的なのだろう。
少し作戦を狂わされてしまった。作戦は至って単純、撹乱を続けこちらを追えなくなったところでチャージをした鎌鼬を浴びせるつもりだった。
元々作戦など立てなくても鎌鼬を放つことが出来ていたため稚拙な作戦しか浮かんでこない。砂埃の中鈍重な足音を頼りに相手の位置を感じ取る。
が、突然足音が軽くなった、不気味なほど軽快な動きをしているようだ。あたりを警戒しつつ少しずつ移動していく。
少しの沈黙、突然何かに後ろ足がはまってしまった。先ほどの簡易落とし穴だ。
小さな悲鳴を上げてしまい確実に居場所がばれてしまった。そして、鈍く黒光りする腕が鎌を掴んだ。

「&ruby(チェックメイト){決着だ}; 経験が浅いな」
「生憎本調子じゃなかったんでね このまま首をへし折る気? それともなぶり殺し?」

少し笑みを浮かべながら冗談めかしていう。自棄になりながらも強気に構える。
ボスゴドラが僕の胸の飾り毛へ顔を埋めた。突然の行動に顔が引きつる。
呼気が肌へと直接当たる。そして数回呼吸をすると顔を離した。この行動をした本人は純粋に何かが引っかかっているらしく、今度は目を見つめてくる。

「天 黒き翼の如く染まりし時 神塔より来たり黒翼の海神 数多き嵐纏天へ舞う」
「その者白き翼の海神対なる者なり…… 僕の……あの国の黒翼神伝承をなぜ知ってる!」
「なるほど、生かすべき者……か、ここは引くとするか」

そういうと少々乱暴に僕の鎌を離すと林の中へと逃げていってしまった。それとほぼ同時に永闘兵達も引いていった。
思っていた以上に面倒なことになりそうだ。

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あー黒翼神誰だかわかる人いるかな……
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