ポケモン小説wiki
流離う緑蛇と寂しがりの虹蛇 の変更点


writer is [[双牙連刃]]

祝、パソコン復活第一号作品! 今作はリクエスト頂きましたジャローダ×ミロカロス作品となります。
注意! 今作には特殊な官能表現(百合)が一部ございます! そういった表現が苦手な方はバックボタンをお押し下さい!
それでも構わん! という方は……お楽しみ頂けましたら幸いです!

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 蒸し暑い森を抜け、一路目指すのは山向こうの草原地帯。だった筈なんだけど……なんで私は海に辿り着いてるんだろう。
 振り返れば、目指していた筈の山が聳えてる。いや、大袈裟に言うほど高い山じゃないんだけど、問題はそこじゃない。目指していた筈の山が後方にある、それ即ち進むどころか元来た道を戻ってきた事に他ならないのだ。しかも海って……着く前に気付きなさいよ私よ。
 別に迷った訳じゃない。いや、厳密に言えば迷ったからこそこんな所に居るんだけど、私から言えばいつも通りだと言えばそうなんだけど……。

「方向音痴とは言え、自分でも引くわー……」

 そう、私には先天的な能力、目的地に辿り着けない呪いとも言う方向音痴という特性が備わっているのだ。川を目指して旅立てば気付けば見知らぬ渓谷を進んでたり、森を目指して進めば火山に辿り着いてたり、山を目指したらこの通り。自分でも真っ直ぐ進んでるつもりでも、気が付いたら木を避けて曲がってそのまま直進したりしてるのが原因らしい。分かってるなら直せって言われるんだけど、なかなかそうも行かないものなのだよ。……いやこれは流石に直さないとなぁ。

「でも来ちゃったし、折角だからこの辺の散策でもしよっかなー」

 これも私の方向音痴を助長している要因かもしれない。迷って辿り着いてた場所でも、まぁいいかで探索を始めちゃう。そして、それで一定の満足を得られちゃうとそれはそれで良しってしちゃう。それじゃあ迷ってもそう困る訳無いよねぇ。
 今回目指してた草原も、そこで新しい地下洞窟が見つかったって言う噂を聞いたから行ってみようかと思っただけだし、正直そこまで絶対行かなきゃならないって訳でもない……今度、明確にそこに行かなきゃならない理由がある場所とか決めて動くようにすれば、多少方向音痴も直るかなぁ。
 まぁいいや、とりあえずこの辺りを調べてみようか。特殊な物は無いかもだけど、木の実くらいあるかもしれないしね。海辺なら、何か流れ着いた珍しい物がある可能性もあるし。
 スルスルと体を動かして、砂浜前の岩場を進む。こういう灰色の中だと私の緑色って目立つよねー……ただでさえ大きいから結構目立つし。まぁ、私がジャローダに進化したのは成長の証だし、仕方ないよね。

「おいしょっと。さてさて、なーにかあーるかなーっと」

 これでもそれなりに(あちこち迷う所為で)探検は出来る方だから、何処でもそれなりに見つけられるでしょ。探検家の端くれだしね。
 しばらく海岸を探索すると、意外にも流れ着いた道具や進化の石なんかを見つけられた。これは、意外な穴場かもしれない。下手をしたら探検隊か探検家がこぞって向かってるであろう草原よりも実りはあるかも。
 そんな物を拾ってる時、私の耳が何かを捉えた。これは、歌声? でも何処から?
 微かに聞こえるそれを頼りに進むと、遠くに小さく何かが見えてきた。んー……なんかピンクっぽい何かだね。歌声だから、ポケモンかなぁ?
 近付くにつれ、段々とそれははっきり見える。あ、間違い無くポケモンだ。それも、私に近い姿のポケモンだね。この辺りに暮らしてるポケモンかな?
 話し掛けようと思って近付いて気付いた。あ、これ私より大分大きいポケモンだ。どうしよう、そーっと離れようかな。

「……誰?」

 うわ、近付き過ぎたかな? 気付かれちゃったか。どうしよ……このまま離れたら怪しまれるよね。となるとこの辺りにまた来る場合不利になっちゃうか。……いや、方向音痴でも流石に分かり易い海岸とかにはまた来れるよ? 流石に。

「こんにちは。つい歌声に釣られて聞きに来ちゃいました」
「あら……貴女は、この辺りのポケモンじゃないわね」
「えぇ、探検家をしてる者です。たまたまこの海岸を通り掛かったんですよ」

 話し掛けてみる事になったけど、悪いポケモンでは無さそうかな? 歌声もそうだったけど、透き通った綺麗な声。見た目も綺麗だし、大きさで少し警戒し過ぎたかな?

「そうだったの。私はミロカロス、よろしくね」
「私、ジャローダです。こちらこそよろしく」

 挨拶が終わると、ミロカロスさんが尻尾の鰭みたいのを向けてきた。まぁ、握手なんかしようにも前足なんて無いしねぇ……私なら、進化前のツタージャやジャノビーなら出来たんだけどね。
 巻き付けるように私の尻尾で返すと、ピクッとミロカロスさんが反応した。どうしたんだろ?

「あの、大丈夫ですか?」
「え、えぇ大丈夫よ。ありがとう」
「ところで、ミロカロスさんは一匹で何故此処に? まぁ危険は無さそうですけど」
「あぁ、少し……疲れてしまったとでも言えばいいのかしら。いつもは海の中に居るんですけど、何かと面倒に巻き込まれ易いものでして……」

 聞いたところ、ミロカロスさんは海中で大人気のポケモンらしく、いつも何かと牡のポケモンに言い寄られたり絡まれたりするんだって。まぁ、これだけ綺麗なポケモンじゃあ仕方ないのかもね。

「お断りしてもしつこく言い寄ってくる方も居て正直疲れてしまって……」
「それでこうして休んでいた、と。それならお邪魔しちゃったかな?」
「いえいえそんな。海の中ではどうにも牝のポケモンには避けられてしまって、少し……寂しく思ってたんです。良ければ少し、話し相手になって頂けませんか?」

 そりゃあねぇ……隣にミロカロスさんが居たら、牝としては比べられて負けるのは目に見えてるし、避けたくもなるよね。けど、それはやっぱり少し寂しいかもね。
 別に私も何かする事がある訳でもないし、お邪魔じゃなければって事で少し付き合う事に。とは言え、私が話せる事なんて迷って辿り着いた先での冒険話くらいだけど。私、そんなに浮付いた話も無いしねぇ。
 けどミロカロスさんは私の話を興味深く聞いたり、目をキラキラさせて相槌を打ったりしてくれてる。そんな様子見せられると、話してる私としてもちょっと嬉しくなってくるね。

「秘境の渓谷探検や火山の冒険! あぁ、素晴らしいですね!」
「流石に火山はもう行きたくないですけどねぇ……草タイプの私じゃ、はっきり言って命が危険なんで。なんとか帰って来た時、あちこち小さな火傷でピリピリしたんですよ」
「まぁ、そんな綺麗なお肌がですか?」
「肌って言うか、鱗ですけどね。一応綺麗に治ってくれて助かりましたよ」

 って、話してる間にミロカロスさんの長い触手みたいのが私の体を撫でてる。あ、あれ自在に動かせたんだ。ならさっきの握手モドキもそれでやれば良かったのに。私も蔓で同じような事出来るしね。
 いや、それにしても撫で過ぎじゃないかな? そんなに撫でられるとくすぐったいんだけど。

「あの、ミロカロスさん? 流石にくすぐったいんですけど」
「あ、ごめんなさい。撫で心地が滑らかで、つい」
「撫で心地の滑らかさなら、ミロカロスさんの方が上だと思いますよ?」
「そうでしょうか? 自分で自分を撫でるというのもおかしいですし、あまり確かめた事は無いですからね」

 確かに。自分の撫で心地を確かめるポケモンなんてそうそう居る訳無いか。けど、さっき尻尾で触れたミロカロスさんはさらっとしてて気持ち良かったけどね。
 そんなやり取りはあったけど、それからしばらくは楽しくお話してた。途中でお腹空いて一緒に木の実食べたりしたんだけど、日も少し傾いてきたかな。

「あら、もうこんなに日が傾いて……海上にこんなに居たの、初めてだわ」
「そうなんですか? あ、ひょっとして地面に居るのが辛かったりしちゃったんでは?」
「そんな事はありませんよ。必要な時は地上を行く事もありますし、その気になったら地上でも暮らせますから」

 へぇ、そうなんだ。ひょっとして無理させてたのかと思って少し焦っちゃった。
 けど流石に戻らないとって事で、今日は別れる事にしたよ。凄くミロカロスさんが寂しそうだったから、つい明日も来ますねなんて言っちゃったけど、まさかあんなに嬉しそうにされるとは……予想外だった。まぁ、話す程度で喜んでくれるならいいか。
 って事で森に入って野宿場所を探す。最悪木にでも登って寝ればいいし、そう寝る場所に困った事は無い。困るのは食事だね、食べ物探すのは大変だけど、どうやってもやらなきゃならないから。だから出来れば木の実の成る木の近くに寝たいのはあるかな。
 って事で条件にあった場所を探す。無かったら諦めるけどね。

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 最初に逢った日から、早一週間……我ながらこんなに一つの場所に居続けた事って無かったなぁ。
 すっかりミロカロスさんと仲良くなったけど、毎日別れ際に寂しそうにされるのが忍びなくてね、また明日、また明日の繰り返しで気付けば一週間も経ってたよ。けど、そろそろ新しい場所に行きたいなーとも思ってるんだよね。
 だから……思い切って今日、ある事を提案してみようかと思ってるんだよね。私としてもここまで仲良くなったポケモンって今まで居ないし、別に拘って一匹で居た訳じゃないしね。
 慣れてきた道なりに進んで、いつもの海岸へ。こうして行き慣れた場所なら迷う事無く行けるんだから、多分私の方向音痴って気の持ちようなんだよね。しっかり行く場所を定めれば迷わない、覚えておこう。
 ミロカロスさんが居るかどうかは、歌声で分かる。私が分かり易いように歌ってくれてるらしいから、それを頼りにそこを目指して行けばいいから、それも迷わない理由の一つかな。
 あ、居た居た。今日も綺麗な歌声が辺りに広がってる。これで私以外此処に来ないんだから、本当にポケモンが居ない場所なんだね。

「お早う、ミロカロスさん」
「お早うジャローダ。それと、私の事もミロカロスって呼んでって言ったのにまださん付けなのね」
「いやぁ、ミロカロスさ……ん、んん、ミロカロスの落ち着いた様子から、ついさんって付けたくなっちゃって」
「ふふっ、いいわ。ゆっくり慣れてくれればね」

 ミロカロスさん、じゃなかったミロカロスの予算では私はこれからも此処に来る事になってるのね。じゃなかったらゆっくり慣れればなんて言わないだろうし。
 ミロカロスさん、じゃなかったミロカロスの予定では私はこれからも此処に来る事になってるのね。じゃなかったらゆっくり慣れればなんて言わないだろうし。
 で、今は専らミロカロスの海の中での話を私が聞くのがお決まりになってるの。私の冒険話もまだあるけど、ミロカロスの愚痴も大分あったみたいなんだよね。

「もぉ、本当に嫌になるわ。私は興味無いって言ってるのに、こうしてジャローダと話した後にわざわざ来る牡まで居るのよ? 困っちゃう」
「え、これが終わった後って、大体暗くなるよね? 危なくないの?」
「これでも少しは戦えるのよ? 変な事をしてくる相手は、少し眠って貰ってるわ」

 おぉ、予想以上に好戦的。なら誘っても大丈夫だね。まぁ、来てくれるかは分からないけど。

「もういっそ、旅にでも出てしまおうかなーなんて、最近は思ってるの」
「あ、そうなんだ。へぇー……」

 あれ、なんだかミロカロスが私の事をじーっと見てる。どうしたんだろ?

「……何も言ってくれないの?」
「何も言ってくれないって? どういう事?」

 誘うつもりだけど、ちょっとだけ意地悪してみようかなって思ってね。そもそも多分、私が探検家なのを踏まえて旅に出るーなんて言い出したんだろうしね。
 私の反応が素っ気無くて、ミロカロスはちょっとむくれてる。こういうところは子供っぽいかなと思っちゃう。可愛げがあっていいんだけどさ。

「確かに、ミロカロスが旅に出ちゃったら寂しくなるね。けど、同じく旅をしてるならまた会えるかな」
「え、あ、その、そうじゃなくて……」
「私もね、そろそろまた旅に出ようかなって思ってたんだ。ついでに、近くに居るポケモンでも一緒に行かないかって誘ってね」
「そ、そうなの……ジャローダも……」

 あ、ちょっとやり過ぎちゃったかな? ミロカロスが凄く悲しそうな顔してる。まぁ、誘う相手が自分だって分かれば機嫌良くなってくれるよね。

「……や」
「ん? どうしたの?」

 え、あ、あれ? な、何!? なんか凄い速さでミロカロスに巻き付かれたんだけど!? う、動けない。

「いや! そんな風にお別れなんて嫌よ!」
「ちょちょ、ミロカロス? ミロカロスさん?」
「折角逢えたのに……本当に一緒に居て楽しくて、ずっと一緒に居たいと思うポケモンに逢えたのに、お別れなんて、嫌よ……」

 なんか、思った以上に私ってミロカロスに気に入られてたのね!? けどだからっていきなりこんな風に巻き付いて来なくても……って、え?
 な、なんで私、ミロカロスとキスして? え?

「……一目惚れなの。私自身自分が変だって分かってるけど、でも……好きなの、ジャローダの事が」
「す、好きって、だって私牝で、ミロカロスも……」
「そうなの。でも私、どうしても牡の事が好きになれないの。気が付いたら牝の子の事が好きになっちゃってて、けど今までの牝の子は私の事を避けちゃっててぇ……」

 そんな時に、特に気にせず接する私が現れたと。けどいきなり好きだって言われても、それがしかも同性だって言われても困るってば! 私は別にそういう気で探検仲間になろうって誘おうとした訳じゃないもん!

「もう、別れたくないよぉ……旅だって、ジャローダと一緒に行きたいの……」
「うぇ、えっと……んんっ!?」

 ま、また、ミロカロスが唇を重ねてくる。体を固定されて逃げる事も出来ない私は成すが儘にされるしかないとはいえ、このままで良い訳は無い。んだけど、泣きながら私にキスしてる、なんて姿を見ちゃうと無理矢理逃げるなんて事も出来ないし……。
 うだうだ考えてる間にミロカロスの舌が私の口の中に入ってきてる。嫌な筈なのに、拒めない。拒んじゃったらそれこそもう弁明のしようも無い気がするし、そもそも私も旅に誘おうとするくらいにはミロカロスの事をその、好きにはなってるし……いや、キスとかする程ではないけど。

「ん……このまま別れるくらいなら、いっそ……」
「ち、ちょっと待って待って! いっそって何する気!? そもそも、多分別れる事にはならないよぅ!」
「……え、ど、どういう事?」
「はぁ、落ち着いてくれた? えっと、さっきはちょっと意地悪しちゃったけど、私が誘おうとしてるポケモンってね? ミロカロスの事なの」
「え……えぇ!?」

 いやそんな驚かなくても。だって私この辺りでポケモンってミロカロス以外に仲の良いポケモン居ないし。あ、寝床にしてる木を見つけた時にその木を独占してたオコリザルとは勝負したりしたけど。
 うわぁ、ミロカロスの顔が赤くなったかと思ったら蒼白になっていく。いやまぁ、現状私はまだミロカロスに巻き付かれてるし、半ば強引に襲われたようなものだから当然と言えば当然か。

「ぁ、ぅ、わ、私そんな風に思わなくて、その……」
「うん、私もからかってこんな反撃に遭うとは思ってなかったよ」
「ご、ごめんなさい! 嫌いに……なった?」

 恐る恐るって感じで聞いてきてるミロカロスが、なんだか可愛いって思っちゃった。って言うか、謝るんなら私を放してほしいんだけどな。

「うぅん、嫌いにはなってないよ。それで、私のお誘いへの返事はどうなるのかな?」
「うん、一緒に行く! ジャローダと、一緒に!」

 私が笑い掛けると、目を潤ませたミロカロスも私に笑い掛けてくれた。ふふっ、新生探検隊発足だね。
 というか……それならいい加減開放してほしいな。なんかその、この巻き付かれてるのってちょっとドキドキしちゃうし。巻き付く側なら私も慣れてるけど、巻き付かれるのなんて初めてだし。

「あのー、ミロカロス? 一緒に行く事になったのはいいんだけど、そろそろ放してくれないかなー?」
「う、うーん……もう少しこのままじゃ、ダメ?」
「どちらかと言えば、ダメ。なんか絞められてる感じが変な感じになってきちゃってて」
「そうなんだ……私もジャローダに巻き付いてるとなんだかドキドキしてきちゃって……」

 あ、さっきの好きって言ったのは勢いで言ったとかじゃなく本心の奴なのね!? でも急にこんなに急接近されても困っちゃうと言うかなんと言うか……。
 あれ、締め付けが少し緩んで隙間が出来た? 放してくれる気になったのかな?

「だから……ジャローダの変な感じも、私もドキドキも、すっきりさせてから放してあげるわね?」
「え? それってどういう……ひゃ!?」

 私の割れ目に何か触れた!? このヒラヒラっとした感じ……ミロカロスの尾鰭!?

「ちょ、ちょっと! そういうのはダメだったら!」
「どうして? これから一緒に旅をするんでしょ?」
「それはそういう意味じゃないったら! め、牝同士でそんな事……」
「あら、少し撫でただけなのに、どんな事するって思ったの?」
「そ、それは……んあぁ!?」

 意識逸らしてからまた撫でるなんて狡い。力入れてないから変な声出ちゃったよ。
 そんな私の様子を見て、ミロカロスの目付きが妖しく変わった。あ、これ私逃げられない奴だ。体格違い過ぎるから力技は無理そうだし。
 私が声を出したのに味を占めたのか、ミロカロスは私の割れ目を鰭で何度も撫でてくる。それに私は捩れない身で、それでも少しでも変な感覚を分散させようとなんとかもじもじしてる。抵抗の甲斐は……ほぼ無いけど。

「んぁ、だ、ダメだったらぁ……」
「そう? でもなんだか、気持ち良さそうな声に聞こえるけれど?」
「そ、そんな事無いもん。んぅ……」
「我慢しなくていいのよ? 今だけ……仲間になっちゃう前のほんの少しの間だけ、私を好きな相手として見て欲しいな……」

 撫でながら耳元で囁かれると、上手く考えが纏められなくなってく。今だけ……今だけならいいのかな……。いや待て待て、心が折れるの早いよ私よ。
 私の理性がまだ頑張ってるのに気付いたのか、ミロカロスは次の手に移った。私の顎の下、胴体と頭の中間の首の辺りをゆっくりと舐めてくる。

「ぅうん……そんなとこ舐めないで……」
「へぇ、ジャローダったら敏感ね。それなら、たっぷり舐めてあげちゃうから。体は私の方が長いものね」

 するするっと動いて、横になってる私の拘束は解かないままミロカロスは体を起こした。大きいとは思ってたけど、まさかここまで大きさが違ったとは……ちょっとショック。
 なんて余計な事を考えて気を紛らわそうとしてる間にも、ミロカロスの動きは止まらない。舐められてた首筋から、徐々に徐々に、隙間を作った部分の私の体を舐めていく。くすぐったいけど、それよりもゾクゾクしたような感覚に体が震える。うぅ、力が抜けていく。

「っと、これがジャローダの……ふふっ、濡れてるって事は、感じちゃってたみたいね」
「だ、だってミロカロスが変な事ばかりするから、勝手になっちゃったし」

 私だって牝だもん、その、エッチな事すれば体は反応しちゃうよ。幾ら自分では我慢しようと思ってもね。

「ふふふ……じゃあ、楽にしてあげる」
「へっ、楽にって……ひゃあぁ!?」

 ぬるっとした物が割れ目の上を這った。ま、まさかそこまで舐める気!?

「だ、ダメだったら! そんな所汚いから!」
「そうかしら? 綺麗だと思うけど……そう言うなら、こうしましょうか」

 あ、舐めるのはあっさり止めてくれた。なんて一瞬思った私が馬鹿だった。舐められはしないけど、ミロカロスは私の割れ目に口を当ててる。な、何する気?
 少しして、お腹に凄い違和感を感じる。み、水? 水が入ってくる!?

「んぅ!? ミロカロス何してるの!?」
「何って、汚いって言うから綺麗にしてあげようと思って♪」
「だからってそんな所に水なんて、ん、んぅぅ……」

 多分弱めた水鉄砲でも使ってるんだけど、それが割れ目の色んな所に当たって、くすぐったいし水がどんどん入ってきてまた変な感じに……。
 ゆっくり、ゆっくり私の割れ目が満遍なく洗われていく。も、もう水でお腹が、お腹が……。

「や、やだぁ……もう、入れないでよぉ……」
「ぷはっ、と。辛かった? 水鉄砲、そんなに冷たくないよう調節したつもりだけど」
「そ、そうじゃなくて、もう、お腹の中いっぱいだからぁ……」
「そう、いっぱいなのね? じゃあもう綺麗になっただろうし、汚れた水も出ちゃっただろうから……」

 え、す、吸ってる!? 私の中にわざわざ入れた水を今度はミロカロス自身が吸ってるの!?
 ずずって音を立てながら、舌で中を舐められて、割れ目が拡げられながら水が飲み干されていく。そんなにされたら、段々頭の中が真っ白になっていく。何も考えられなくなっていく。

「はっぁ、ふぁ、あぁぁ!」

 水がすっかり無くなった頃には、私はもう何も言えないくらい息を荒くして、なんとか空気を吸おうとしてるくらいしか出来なくなってた。こ、こんなの初めて……。

「ぁ、っぁ……」
「ふぅ、ご馳走様。ジャローダの味、美味しかったわ」
「ば、馬鹿……」
「さて、もうジャローダは動けないみたいだし、最後に……一緒に、気持ち良くならせてね」

 一度ミロカロスが巻き付くのを止めて、また巻き付いてくる。ん、私の割れ目に何か、ぬるっとした物が触れた? ミロカロスの頭は私の頭の方に来てるのに?

「分かるジャローダ? 私ももう濡れちゃってるの。流石に舐めてとは言えないから……このまま気持ち良くならせてね」
「な、何を……んっ!」

 触れ合った割れ目が擦れ合って声が出る。舐められるのとは違う、ぬるっとした感触が絡みついてきて、また私の思考が揺さぶられる。

「はぁぁ……気持ち良い。私が牡だったら、もっとジャローダにも満足して貰えたかもしれない、けど!」
「あぁん! ダメだよジャローダ、もっとゆっくりぃ!」

 舐められた事で敏感になってる割れ目がミロカロスの割れ目と擦り合って、少し捲り上がったりする刺激だけで体が大きく反応しちゃう。お互いのあそこから出た液が混ざる音で、どんどん頭の中の何かが壊れていく。
 動きを速めるミロカロスからの刺激に頭が追い付けなくて、段々自分の出してる声すら遠くに聞こえるような感覚に落ちていく。い、嫌、私、どうなっちゃうの?

「ん、っう! そ、そろそろイ、んんん!」
「やぁぁ! 、イ、イッちゃ、あぁぁぁぁぁ!」

 体中に電気が走ったように気持ち良さが突き抜けて、割れ目から盛大に液が噴き出した感じがする。
 頭がふわふわして、もう、何も考えられない。瞼が、重い……。
 ゆっくり目を閉じていく中で、くたっと力無くミロカロスが私にもたれ掛かる重さを感じた。ミロカロスも……気持ち、良かったのかなぁ……。

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「もぉー、私はあんな事するつもりなんて無かったのにぃ」
「あうぅ、ごめんなさい。もうなんだか、ここでやらなきゃいけないって気になっちゃって、つい……」

 ついで済む問題じゃないのは間違い無いよね。で、今はお互い目が覚めて正気に戻って、体を綺麗にして一休みしてるところ。傍、海だしね。
 で、私が盛大にむくれて見せたらミロカロスはたじたじになっちゃってる。まぁ、勢いでとは言え、私汚されちゃった訳ですし? それくらいオロオロしてもらっても罰は当たらないでしょ、多分。

「うぅ……ジャローダ、許してくれないの?」
「うーん、どーしよっかなー」
「ひーん、もう無理矢理はしないから許してよー」

 それはつまり、無理矢理じゃなければする気はあると。これからの旅……大丈夫かなぁ?

「はぁ……突然寝込みとかで襲って来ないでよ? パートナーに襲われるなんてあまり笑えないから」
「じゃ、じゃあ……」
「さっきはああなっちゃったけど、一緒に旅しようって言ったのに二言は無いよ。けど、すぐには出られないよね? 2、3日後にしよっか?」
「う、うぅん! 実は、もう旅に出る用意はしてきてたの!」

 え、っと思ったら岩の影をごそごそしたと思ったらミロカロスの首にはカバンが。あ、これもう今日言って着いて来る気満々だったのねミロカロス。

「どうかな? これで一応木の実とかは持ち運べると思うんだけど」
「うん、いいね。まぁ、本格的に探検隊って事になると他にも色々用意しなきゃだけど、当面はそれで大丈夫」
「やった! じゃあその、不束者ですが、よろしくお願いします!」
「いやいや、ミロカロス? ミロカロスさん? 番いになる訳じゃないんだからよろしくだけでいいでしょ」
「えー……」
「えー、じゃない!」

 ……とまぁ、こんな感じでミロカロスと一緒に旅する事になったけど、本当に大丈夫かなぁ? いや、探検どうこうじゃなくて、私の身がだけど。
 ま、なっちゃったものは仕方ないか。自分の身は自分で守りつつ、とりあえずは……楽しく行こうか。

「ところで、これから何処へ行くの?」
「そうだねぇ……とりあえずあの山を越えて、向こうの草原に行こうか。……そう言えばミロカロスって、道に迷ったりする?」
「え? どうかしら……海の中で迷ったりした事は無いけど?」

 うん、そういう面では大いに助けてもらう事になるかもしれない。はぁ……私も方向音痴、なるべく直さないとなぁ。

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後書き~
まず……リクエスト頂きましてから書き上げるまでにこんなに時間が掛かってしまい申し訳ありませんでした! 作者的に……百合、難しかったッス……。
今作も濡れ場をどうするか思案した挙句なんだかあっさりしたテイストで終わってしまった感が否めないというかなんと言うか……はい、もっと精進しますです。
とにかく、ここまでお読み頂いた皆様には感謝を! これからもまた細々と投稿していこうと思いますので、よろしければお付き合いくださいませ!

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