アイツに出会わなければ、僕はこんなにも悲しむ事はなかっただろう。 でも、アイツに出会わなければ、僕は他人を愛する事なんて出来なかっただろう……。 事の発端は今から4年も前だった…。 ''1 ~全ての元凶~'' 「ふぅ……、結局今日も飯抜きって結果になった訳だが。」 と、人間が歩く商店街から住処の森へ戻ってきた様子のポケモン。 9本の尻尾に金色のような色をした肌というか毛、 キュウコンである。 「流石にお腹が持たないな……、もう一週間ぐらい経つか。」 「おーい、そこの君ー。」 深刻な顔でこれからどうするか悩んでいる時に、彼女はやってきてしまった。 彼の元へ……、 ''この後に何が起こるかもわからずに…。'' 謎の声がした方に振り向くと、それはそれは毛並みが綺麗なマグマラシが一匹立っていた。 「誰だお前は、食い物を恵んでもらいに来たなら生憎だがないぞ。 とっととどこかへ行け。」 「むー……、勘違いも良い所だね! あたしはラスティ。 君が食べ物を探してるのを街中でちょいちょい見つけてさー、ここまでついてきたら案の定食い物の収穫がないみたいだったんで。」 どうやら商店街で忙しなく動き回り、食べ物を集めようにも集められない彼を見かねて追いかけてきたらしい。 素っ気ないというか暗い彼の言葉にかわいらしく頬を膨らませながら自己紹介をする。 「それをあざ笑いに来たという事か? ラスティと言ったか、俺はラーm…じゃなくて真牙だ。」 「あざ笑いに来たって訳じゃないよー、君の分の食べ物を持ってきてあげただけだよー、ラーミィ君。」 ラスティはどうやら彼の分の木の実まで余分に持ってきたらしい。 それに、彼の旧名もどうやら知っている……、彼女の正体は何者なのか…? 「何でお前が俺の名前を知っている……。」 ラスティを警戒するような目線で思いっきり睨みつける真牙。 恐らく、そのへんのラッタぐらいなら普通に逃げ出すであろう。 「いやいやー…、そんな目で私を見つめないでよー。」 &size(30){「私は君の御母さんに頼まれてきたんだ♪」}; と、軽々しいようなふざけているような、とても不思議な声が森中に響き渡った……。 真牙は心の中で色々と考えているようであった。 &color(Maroon){「あいつが…俺の母親から…?何を頼まれたってんだ!?」}; &color(Navy){「死んだんだぞ!? 俺の母親は…人間に殺されたんだ!」}; &color(Olive){「どう考えてもこいつと俺は同年齢……、母親が殺された時にはまだ俺は赤子だ! 」}; &color(Green){「何者だコイツは……、 こいつが母を殺したトレーナーのポケモンか!?」}; 「だとしたら……、 &color(Maroon){&size(20){ぶッ殺さナきゃ母親ハ報ワれネぇ…。」};}; 彼の心に何かが執り付いたようであった……。 一瞬にして彼の目の色は変わり、明らかに様子がおかしい。 それはまるで、 &color(Maroon){他人を殺す事};だけを考えた悪魔のように…。 「どーしたのラーミィ? 生きてる?」 そんなことは知るはずもなく、様子の変貌に違和感を感じたラスティは安易に真牙の元へ近づいてしまった。 「お前が母親ヲ……。」 「ふぇ!? ラ、ラーミィ!?」 真牙がラスティと出会った時とは違う、全く違う雰囲気を醸し出している。 今こそ復讐の時、母親を殺された怒りに完全に飲み込まれてしまっている真牙。 「お前が殺したんだああああああああああああッ!!!」 ズシュッ…という肉が斬れる鈍い音が森の中へまた…響き渡った…。 IP:202.253.96.242 TIME:"2012-06-17 (日) 20:21:15" REFERER:"http://pokestory.rejec.net/main/index.php?cmd=edit&page=%E6%B0%B8%E9%81%A0%E3%81%AB%E5%90%9B%E3%82%92%E6%8E%A2%E3%81%99" USER_AGENT:"SoftBank/2.0/001SH/SHJ001/SN353012043858651 Browser/NetFront/3.5 Profile/MIDP-2.0 Configuration/CLDC-1.1"