作者:[[28×1]] 月下翡翠 第八話 -------------------------------------------------------------------------------- 第八話 7日目 爽やかな風は颯爽と吹き抜け、暁を大地が受け入れる。空はすでにパステルの色をしていて、黒は世界の裏側だ。 太陽が顔を出し、光は空を駆け抜け、全てを撫でて行く。地平線上の雲は黄金に光り、靄の掛かった世界はまるで幻想の如く。 その中、マグマラシはいつもより早い時間に目覚める。擦った紅蓮の瞳は、しかと眩めく太陽を捉えた。 鳥たちの囀りは辺りいっぱいに広がり、その声に耳を澄ますマグマラシは、目を閉じて清清しさを噛締めている。 それは早起き故ということもあったが、何より昨日の靄の掛かった心の露払いのお陰だった。 自分の罪は許されることが無いと思っていた。彼女に傷を与え、全てを奪い取った、自分のこの罪は。 だが、彼女は全てを許した。例えマグマラシが冷淡に見放したとしても、その温かい背中を信じて止まなかった。 そのことが余りにも嬉しくて、何よりもありがたくて、彼はただ朝焼けを見送り続ける。 ――彼は既に、彼女のことを愛してしまっていた。 それは既に彼もうすうす感じていたことだった筈なのに、改めて彼はそのことを深く想う。 愛情はこの気持ちで証明された。彼女を思えば想うほどに、狂おしく愛しく思えて止まない。この腕で抱いた体の温もりが彼を支えている。 でも――。 そのことを思い詰める度に、彼は悩みを見つけてしまう。それは如何にしても避けることのできぬ障害。 自分が想い続けても、彼女はどう想っているのだろう。自分が幾ら願い続けても、罪を許したといっても、彼女は自分を愛しているのか。 今まで見つけた彼女の表情のどれにも、彼についての思いを示すものは見つからない。 もし・・・もし、彼女がマグマラシのことを忌み嫌っていたとしたら。 心の奥底で、恨み、憎んでいたとしたら。 そのことを思うと、マグマラシの心には切なさが、悲しさが込み上げて来る。 奴隷として連れてきた。だから彼女がうらんでいたとしても仕方が無いのに。 何故愛してしまうのだろう。何故彼女が愛しくてたまらないのだろう。 本来なら彼女を愛してしまう筈は無いのに。そして、彼女が自分を愛してしまうことだってあり得ぬことなのに。 自分は彼女を愛してしまった。 このままの関係が続くのなら――いつまでも、彼の想いがかなうことが無いのなら、彼はどうなってしまうのだろうか。 奴隷と主人という、愛してしまう状況が許されていない。それは、何よりもマグマラシが苦しむ状況だ。 愛してると、一言でも彼女に伝えたい。ただ其れだけをマグマラシは祈り続ける。 彼女と愛し合えるようになりたい、と。 マグマラシは、一通り思い詰めてしまうと、悩みのはけ口を探しに隣の部屋のドアノブを握る。 手首をひねって開いたドアの先、リーフィアは未だ優しい寝息を立てて眠っている。 彼はゆっくりと、静寂を破らぬようにドアを閉めると、そのままベッドのほうに向かった。そしてそのまま腰を下ろす。 彼女は昨日の強姦に疲れ果て、沈んだように深い眠りについていた。彼は起こさないように彼女のことを眺める。 嗚呼、こうして改めて見つめて痛々しい。彼女の足首には昨日拘束された後の縄目が未だ残り、縄に擦れて出来た掠り傷が無数とある。 その上、――気づかなかった。一昨日に起きた襲撃の傷跡。深い一筋の傷、こげた跡が未だ微かに残っている。 それを見つめるたびに、彼の内側には、炎よりより熱いものが滾るのを感じた。怒りが彼の中で煮えぎたる。 ヘルガー。彼はその黒影を忘れることができなかった。リーフィアをこれほどまでに酷い目にあわせた、その犯人を。 強姦によって、何とか彼女の処女は奪われる事は無かったと、昨日彼女に言われたことを思い出すと、マグマラシは少しだけ安心する。 まだ彼女は清らかなままだった。その玉のような体には、まだ傷はついていない。 彼はそのことに安心すると、彼女のことをただ見つめる。と、彼女はその濡れた瞳をうっすらと開いた。 濃い栗色の瞳に、そっくりそのままマグマラシの姿が映り、彼女は安堵したように息をつく。心なしか息が荒いようである。 いや、心なしかではない。彼女の体は汗を掻いて、息は速く、鼓動は高鳴っている。彼女は改めて額を前足で拭った。 彼は少し心配して彼女の顔を覗き込んだ。どうしたんだ、と声をかけようとした刹那、彼女は顔を上げて彼と唇を重ねた。 いきなりの事に驚いたマグマラシは暫く驚いていたが、直ぐに彼女の柔らかな舌を愛撫する。 重ねた互いの温もりを心に染み渡らせると、やっとリーフィアは顔を離した。そしてそのまま横になる。 息はもう治っていた。正常な吐息はマグマラシのものと重なり、二つの息が揃う。 「――どうしたの?」 先ほど訊けなかったことを、改めてマグマラシはリーフィアにたずねる。その彼女の顔が曇ったのを見ると、彼は少しあせった。 しかし、彼女は取り乱したりはせずに彼にゆっくりと語りだす。 「昨日の――夢です。本当に恐ろしくて・・・」 彼女の脳裏にはその夢がまた浮かび上がっていた。そう、昨日の記憶を反映した、恐ろしい夢が。 彼女はその顔を伏せた。目は潤んでいたかも知れない。その言葉しか吐き出せぬほどに、彼女は恐怖を覚えていた。 何しろ、彼女の弱点である炎に服従しなければならず、一歩間違えれば犯されてしまうというほどのことだった。 それに恐怖を覚えぬほうがおかしい。 と、顔を曇らせたマグマラシに、リーフィアはいきなり抱きついてきた。突然のことにマグマラシは驚き、躊躇した。 彼女には見えないが赤面した彼は、驚くと同時に焦ってもいた。先ほどまで悩んでいたことも、脳裏を掠めていく。 彼女は彼にしがみついたまま泣き出し始める。すすり泣いている彼女を、彼は名でさすることしか出来ずにいた。 「怖い・・・怖いです・・・」 嗚咽の中にその言葉を探り出すと、マグマラシもまた、リーフィアを抱き返す。彼女の温もりはそのまま彼に伝わっていた。 彼は――ただ、彼女を受け止めて、慰めるしかなかった。 漸く泣き止んだ彼女は、同時に疲れ果てていた。それは夢による焦燥の疲れも加えられていて、彼女は重みに負けて眠りについている。 彼はその彼女の温もりを名残惜しみながら、彼女をベッドの上に横にした。そしてその上にシーツをかけてやる。 未だ涙の光る彼女の横顔にキスをすると、彼はベッドを立つ。 「今日はゆっくり休んで――」 ドアノブを捻り、手前に開いたドアの奥に消えながら、彼は優しくそう彼女に伝えた。 ドアを閉めた、とマグマラシは直ぐに駆け出す。彼の中で複雑な思いが交錯している。 彼女は自分のことを信頼していることは分かっている。でも、自分のことを本当に受け入れてくれるのか――。 ただそれだけの問題なのに、彼は一歩を踏み出せないでいた。彼が彼女の干渉してはならない気が、する。 今の彼女は、夢にまで見るほどに悪夢に追われている。昨日の悪夢に。 夜通し性の奴隷とされ、命令は全て受諾しなければならず、自由を拘束され、――彼が考えてもおぞましい。 彼が飛び出したときに見た、一瞬の光景は未だに彼の脳裏に刻み込まれ、瞼の裏に焼きついていて離れない。 嗚呼、可哀想なリーフィア。どんな条件で交渉を受諾したかは一切マグマラシには伝えなかったが、相当のことがあったのだろう。 彼女は全ての足を縄で結ばれ、その美しい体は白濁した淫汁で汚され、――口まで、彼らの汚いモノで汚されてしまった。 泣いて嫌がる彼女だったが、逆らってはいけないという条件が彼女を拘束していた。そう、炎を用いて。 口の中に精液を吐きかけられ、其れを飲めと命令され、――飲みきれずに、吐き出したところを助け出した。 もしも彼が助けることが出来なかったら、彼女はどうなっていただろう。夜が明けるまで犯され続けたのだろうか。 ――考えるだに、おぞましい。 彼は、玄関のドアを開け放つ。鳥たちの声はより一層大きく、彼の耳に届いた。 その中を、彼は全力疾走していく。何も考えないようにしながら、彼はただ躍動していた。 林、それを突っ切って町のほうに向かおうとした――その時。 一匹のデンリュウと出会いがしらに衝突した。彼も驚いたが、相手も驚いている。幸い怪我は無いようだが、彼はとり合えず頭を下げる。 「あ・・・すまん!」 とにかく彼は走り去ろうとしたのだが、急にデンリュウに声をかけられて脚を止めた。 「ねぇ!あんた、もしかして森燃やしてたって言われてるマグマラシ?」 其れを聴いた瞬間、彼は凍りつく。――そう、彼が行った、悪行。彼女の未来を変えた、消えない罪。 その紅蓮の瞳に焦燥と恐怖と絶望の色が浮かんだ。そしてそれは、彼女への罪ではなく――森への、罪。 しかし、彼の様子とは裏腹に、デンリュウはあっけからんとして彼に話す。 「いやいや、疑ってるわけじゃないって。っていうか疑いが晴れたの」 彼は耳を疑った。疑いが――晴れた?確かに、あの罪は自分自身が犯した罪だ。其れが何故晴れるというのだろうか。 「この森にいるものすごい悪者のヘルガーのせいだよ。うん。みんなもあんたのこと許してるみたいだから。んじゃ」 いきなり軽いノリでそう話したデンリュウは、そのまま森の奥へ向かう。マグマラシは、ただ信じられなかった。 「あ、来た」 ボルトは、いつもと同じあの木蔭の場所にいた。そのコバルトブルーの瞳には、確かにマグマラシの姿が映っている。 彼はその黒い体毛が覆う四肢を起こす。そしてそのまま、真っ直ぐにマグマラシを見つめた。 マグマラシは息せき切って走ってくる。――いつになく焦っているようだが、気にすることは無い。 と、漸くたどり着いたのを確かめると、彼は息を整えようと深呼吸をする。 「なぁ、ブレイz・・・」 「オ レ の 悩 み を 聞 け !」 唐突に彼がボルトに叫んだため、ボルトはビクッ!と反応する。驚いた ボルトは紅蓮の瞳を覗き込む。 彼は興奮しているようだが、しっかりと決心しているようだった。ともかく、彼はベンチに腰掛ける。 「・・・いや、ブレ・・・じゃない、マグマラシ、どうした。何だ、悩みって」 ボルトはただただ動揺するしかない。無理もない、唐突にあんなこと叫ばれたらいやでもそうなるに決まっている。 「まず発端からな」 「ほう」 ボルトは相槌を入れながら、マグマラシの話を聞く体制に入る。 マグマラシは、悩み――つまり、リーフィアのことについての一切をボルトに打ち明け始めた。 「オレはな、・・・まぁあれでもクソ主人に捨てられたことがショックだったんだ。だから、捨てられた森で怒りに任せて野原を焼き払って回ったんだ。――そこで、焼き払った野原を住処にしていたリーフィアに出会ったわけだ」 ボルトはそこまでを理解すると、一度頷いた。 「俺はリーフィアに交渉を持ちかけた。一緒に来ないか、ってな。――まぁ其れからは想像に任せるが、なんてんだ、・・・つまり、俺はリーフィアを好きになっちまったってわけだ・・・」 『悩み』の全貌を明らかにすると、マグマラシは口をつぐむ。ボルトも、そのまま状況を反芻した。 マグマラシの顔は明らかに悩んでいる。親友として救わないわけには行かない。 「・・・リーフィアって、一応お前の被害者なんだな?許すと思うか?」 「一応、許してはもらったし、相手も信用してるみたいなんだが――俺を受け入れてくれるかどうかは分からん」 「それなら、取り敢えず彼女から意思表示があるまで待ってみたらどうだ?」 その返答を受けたマグマラシは、ふとうつむいていた顔を上げる。目の前には、笑って彼のことを見つめるボルトがいた。 ボルトの冷たそうな千草色の瞳は、このときだけは柔らかな温もりを持っている。 「彼女がお前のこと好きならそのうち意思表示してくるはずだろ?だからもうちょっと待ってみろ」 「あぁ・・・有難う。気が楽になったわ」 と、ここでボルトが笑って立ち上がる。 「おい、ちょうどいいからうちに来ないか?ちょうどルイもいないしな」 ルイはトレーナー、その上少なくとも一度はチャンピオンになったという豪傑である。 地位富ともにある上、たくさんのポケモンを育てるために大きな家を持っている。 ――が、中身は相当なことになっているということは、マグマラシは重々承知しているのだった。 「おぉ、何も変わってねえな。見事なもんだ」 早速入った部屋の中は、物が散乱していてすごいことになっている。 マグマラシは久しく訪れていないこの元住処を眺めると、あの頃を懐かしく思い出した。 兄弟がいて、――其れすらもルイに捨てられてしまったが、彼は憎しみを一時的に忘れて座る。 「うわ、片付けろよ、相変わらずルイは変わんねーな」 彼は思わず踏んでしまった本から足を引っ込めると、ルイに向かって悪態をつく。ボルトはその様子を見ながら呆れ笑いを浮かべた。 座ったのを確かめると、ボルトはなにやらニヤニヤと笑いながら陰から何かを取り出した。しっかりと抱えて、彼のもとに持ってくる。 「・・・?何だそれ」 マグマラシは、ボルトが隠しているものを見ようとするが、ボルトはうまく隠していて見えない。 が、漸く開いた前足、足の間にあるのは・・・ 「卵?!お前の?!」 「そうだ、正真正銘俺の子供だ。この前生まれたばっかりでな、後ちょっとで孵るはずだ」 クリーム色の地、不思議な不規則の柄を持つ卵は、時折動いている。確かに、中にいる。 が、相手は誰なのか。相手によって、生まれてくる子供は変わる。 「相手は誰だ?ラッドか、エミットか、ルーンか」 「あのなぁ・・・。あのさ、ベイリーフのフィールいるだろ?あいつが野生で恋人つくってさ、その恋人の友人ってのがこの母親なの」 呆れ顔で説明したボルトは、さも嬉しそうに卵を覗き込んでいる。その様子がなんだか笑えてきて、マグマラシは噴出した。 と、突然ボルトは卵をマグマラシに押し付けてきた。マグマラシはいきなりの事に驚く。 「ほら、お前のほうが体温高くて卵孵りやすいだろ」 「そういう問題じゃないと思うが・・・」 彼は言われたとおりに卵を懐に抱く。卵の中の命の温もりが、空を通して彼に伝わってきた。 ふと、彼は卵をしみじみと見つめ、リーフィアのことを思い浮かべる。 もしも・・・もしも本当に、彼女と愛し合うことが出来たら。もう一度、卵を抱くことになるのかもしれない。 そう思うと、彼はふっ、と笑いを浮かべた。そう・・・彼女の卵を抱けたら。そのとき、本当に幸せになれる。 「ただいまー」 帰ってきた彼は、快くそう声をかける。そしてそのまま、自分の部屋に入った。 と、隣からリーフィアがとことこと歩いてくる音がする。マグマラシはドアを開け放ち、ベッドにもたれた。 「失礼します」 清楚なその声が聞こえて、リーフィアが現れる。横たわったまま、マグマラシはそれを見つめた。 微笑んだ彼女は彼のベッドまでゆっくりと足取りを進める。そしてそのまま彼の横に腰を下ろした。 リーフィアは不安なく彼の顔を覗き込む。そして彼も、笑って彼女の毛並みを撫ぜた。目を細めた彼女は静かに鳴いた。 鈴を転がしたようなその音は、心地よくマグマラシの耳に触れたと同時に、彼の心を高鳴らせた。 強い鼓動が、彼を焦らしてゆく。溶け合った彼女との距離の間にあった溝は既に埋まっている。 「今日は・・・」 「――マグマラシさん」 マグマラシが何かを言いかけたと同時に、彼女はいきなり話し出した。彼はそれに驚いて身を竦める。 彼女の表情は優しく、まろく、濡れて深い瞳は彼の表情をしっかりと写し取っていた。 何も言えずにいると、ふふっ、と彼女は一度満面の笑みを浮かべる。彼は尚戸惑っていて、彼女はその彼に話し始めた。 「昨日――私はヘルガーに強姦されるところでした。でも、マグマラシさんが助けてくれたお陰で、私はこうしてここにいます」 ここで切った彼女は、しっかりとマグマラシのことを見つめる。マグマラシは真に迫ったようなその言葉に身を硬くする。 しかし、まだよく分からないために、笑う彼女の顔を見つめることしか出来なかった。 「だから・・・お礼をしたいんです。彼方を――気持ちよくさせてあげたい」 彼は一瞬その意味を理解できなかった。しかし、やっと驚くと、彼の唇に柔らかいものが触れる。 それは直ぐに離れるが、もう一度笑った彼女は続きを述べた。 「昨日、昨日はいやなことばかりでした。――でも、一つだけいいことがありました。気持ちよくさせてあげる方法が分かったから。 ――御礼をしていいですか・・・?」 彼は顔が赤くなるのを感じた。熱を持った彼の体は火照り、なんだかとても顔を直視していられない。 彼女は首を傾けて彼の顔を覗き込む。彼は下半身が疼いたことを確かめた。 もう一度、彼は彼女とキスを交わす。互いの舌で愛撫して、重ねて、擽り合った。温かな愛撫を止めて口を離す。 マグマラシはついに決心して首を縦に振る。そして、彼は壁にもたれるようにベッドに乗った。そしてそのまま、足を開く。 彼女は優しい笑みを浮かべて、彼の顔を見つめた。マグマラシとリーフィアの視線が交差する。 彼は彼女が手で扱くもの・・・と思っていたが、彼女が顔をうずめようとしたのを見ると、必死で止めようとする。 「わ!おい、汚いって!止めろ!」 さすがにマグマラシも焦っていた。顔を真っ赤に染めている。が、当のリーフィアは止めようとはしない。 それどころか、笑ってマグマラシにこう言った。 「マグマラシさんのですもの。汚くないですよ。――あんな奴らのものと比べたら、全然」 そういわれたマグマラシは怯む。その隙に彼女は彼のモノの先端に舌をつけた。 「!いっ!」 前回扱かれたときとは比べ物にならない。彼の疼きは納まらず、モノは肥大していった。 彼女は彼のモノを飲み込むように口に含んでいく。その度に彼女はモノが大きくなることが分かった。 彼女の控えめな口はその辺りですでにいっぱいだった。そのまま彼女は、彼のモノを咥えて出し入れした。 強い快感が彼に迫りくる。 レロレロ・・・ピチャァ・・・ 「んっぅ・・・ぅあッ・・・!」 もはや声を出さずにはいられない。彼があえぐ声を聞きながら、彼女は尚モノをしゃぶり続ける。 彼が気持ちいいことを知ると、ますます彼女は嬉しくなった。 少し彼女はモノの先端の方をなめ始める。彼女は彼のモノを巧みに舐め続けた。 チュル・・・レロレロ・・・チュチュ・・・ 彼は耐え切れずに痙攣を始める。真っ赤な顔にある紅い瞳はすでに虚ろ、中を眺めていた。 と、彼女は彼のモノも痙攣し始めたことを確かめた。彼女は裏側を舌でなめ始める。 レロ・・・ピチャピチャ・・・ 「口離せっ・・・限界だ、出るッ・・・!」 切れ切れにそう訴えるが、彼女は一向に離す気配が無い。寧ろ、彼女はより深く咥えようとしていた。 が、これ以上の快感に彼は耐え切れなくなっていた。 一度彼女の口内でモノは肥大し、一気に精液を吐き出す。 ビュルルルッビュウゥッ! 彼女の口の奥に強い感覚があったが、彼女はその精液を何とか飲み込もうと喉を鳴らしている。 熱いそれはなかなか喉をくぐり辛かったが、何とか全て飲み干し、彼女は一息ついた。 絶頂に達した彼は、そこですこしぐったりと横たわっていた。 直ぐに立ち上がった彼は、彼女の顔を見つめる。 「気持ちよかった・・・ですか?」 微笑んだ顔でそうたずねる彼女に、彼は笑って頷く。放心状態の彼は、少し虚ろな目で彼女を見ていた。 「・・・そんな飲み込んでよかったのか?」 「マグマラシさんのものですもの」 彼女もまた、笑って頷いた。幸せそうな顔の彼女を見つめた彼もまた、幸せそうな顔をしていた。 こういう形の幸せもいいものかもしれない。そう思ったときに、彼は深く息をついて後ろに倒れた。 「疲れた・・・今日はこの辺にしておく」 今日の行為は彼にとって少し激しかった。今まで感じたことが無かったほどの快感である。疲れるのは無理もない。 彼女は少し名残惜しそうだったが直ぐに理由を理解すると、笑ってベッドを降りた。 「それじゃ、おやすみなさい」 ぺこり、と下げた頭を見つめた後、閉まるドアには目もくれず彼は目を閉じてため息をついた。 ――疲れた、本当に。そう彼は思った後に、深い眠りにつく。 いつか、結ばれるのか。いつか、幸せになれるのか。 ただただ、――それを思いながら。 ただただ、――それを強く祈りながら。 -------------------------------------------------------------------------------- #pcomment(月下翡翠:米ログ,10,) #pcomment(月下翡翠:米ログ) 以下↓旧コメント もう、神としかいいようがありません -- 交差点 (2007-07-15 23:59:39) マグマラシとリーフィアのキャラが出来上がりすぎててもう降参です!参りました。。。 -- メイ (2007-07-16 15:46:17) グレイトネ申 -- 通りすがり (2007-07-19 01:09:01) この話本当に大好きです!小説がここまで楽しみになるとは!! -- こーが (2007-07-20 00:00:16) IP:61.7.2.201 TIME:"2012-12-06 (木) 22:12:20" REFERER:"http://pokestory.rejec.net/main/index.php?guid=ON" USER_AGENT:"Mozilla/5.0 (Windows NT 6.1; WOW64) AppleWebKit/537.11 (KHTML, like Gecko) Chrome/23.0.1271.95 Safari/537.11"