From=[[孔明]] ------------------------------ ○はじめに○ 突然思いついた小説ですが、どうぞお付き合いいただければ嬉しいです。 &color(red){※官能的描写が入る予定です。苦手な方はどうぞ「とんぼがえり」を使ってくださいね。}; -------------------------------- ☆登場人物紹介☆ ○ルクス=ピカチュウ。なんでもないただのピカチュウだが人を助けようとする心が強く、自分の朝ごはんを盗ったリーフィをとりあえず助ける。森に住んでいて、電撃以外の攻撃は不得意としている。 ○リーフィ=セレビィ。時を移動する能力を持つ。お腹が減って倒れたところをルクスに助けられて(?)以来、密かに彼を慕っている。けっこう自己中で内面は黒い・・・かも。 -------------------------------- -「時を越えて」- めぐるめぐる風に乗って・・・ 遥かな想いに身を委ねて・・・ ボクらは、時の・・・ 「時の旅人」。 &br; 「う~ん・・・。気持ちいい朝だなぁ・・・!」 木漏れ日が目に入る。朝日に照らされた木々の葉は若々しく輝いている。 「よいしょっと・・・ふぅ。」 木の枝から一匹のピカチュウがすたっと着地する。 と同時に、木の実がひとつ、ぽとりと彼の手に収まる。 彼の名前はルクス。ごく普通のどこにでもいるようなありきたりの平凡なピカチュウだ。 森は彼の一瞬の芸に拍手を送るかのようにざわざわとさざめいた。 彼が木の実にぱくっ、とかぶりつこうとしたそのとき。 ヒュン! がぶっ! 何者かが彼の手から木の実を奪ったのと彼が何も持ってない手をかじってしまったのはほぼ同時だった。 「痛ったーい!!・・・誰だー、木の実取ったのはー!」 かじってしまった右手にはしっかりと自分の歯形がついていた。 ボクってこんなに歯並び良かったのか・・・ってそんな場合じゃない! 「返せー!ドロボー!」 『でんこうせっか』で彼はその何者かを追った。その何者かは、ふらふらとしながら低空で飛行しているが手足があった。・・・まるで妖精のようだ。 それはのろのろと飛んでいるのだが・・・不思議なことに、突然消えたように見えて、すぐそばの別のところに現れるという不可思議な飛び方をしていた。そう、まるで『テレポート』をしているかのように。 そのとき、何者かがふらりとよろけて倒れこんだ。・・・チャンスだ! 「それっ!」 彼はすぐに飛びかかって取り押さえ・・・自分の朝ごはんを取ろうとした泥棒の顔を覗き込む。 「ふえっ・・・誰なんだろ?見たことないなぁ・・・。」 取り押さえたはいいものの、完全に気を失っている上、見たことのないポケモンであった。 その容姿はまるで妖精。なかなか麗しい顔つきをしている黄緑色のポケモンだ。 不覚ながら、ルクスはその顔にしばし釘付けになってしまった。 仕方ない・・・運ぼう。 彼、ルクスはその泥棒を抱えて自分の住処に戻っていった。 ・・・もちろん、盗られかけた朝ごはんも持っていったのだった。 ---------------------------------- 「・・・ここは?」 「あ~!目が覚めたんだねドロボー!」 「・・・な、なんのことかな~・・・?」 だ、誰だろう?ボクを助けてくれるなんて優しいな・・・。 ・・・って、さっきのピカチュウだ! なんでだろう?妙に優しいな・・・。もしかして襲う気? 部屋は片付いているとは・・・とても言えなかった。ところどころにゴミが散らかっていて・・・悪いけど汚い。 「そ、それより、ねぇ・・・。外、出てみてもいいかな?」 この家はどこにあるのだろう。・・・高いところじゃなければ逃げられると思うけど。 「いいけど・・・。逃げる気じゃないよね?」 そう言うと、ピカチュウがボクの手を握ってきた。・・・不覚ながら、ボクはちょっとだけドキっとしてしまった。・・・ちょっとだけだよ!ホントにちょっとだけ・・・なんだから・・・。 「だ、大丈夫さ・・・ボクがそんな風な人に見えるのかい?」 「見える!」 そこって・・・。元気に答えるとこじゃないよね? 連れてこられた家先は・・・もしかして、木の上? と、いうか・・・。木に穴を開けて作られている家のようだ。はしごが架かっているけど、とっても高い。 ここをさっき彼は飛び降りたのだろうか。・・・さっすがネズミ。ウソだけど。 「きれい・・・。」 思わずボクはそう呟いてしまった。 森全体が緑がかった霧に覆われて、木漏れ日が差し込んでいるところは虹色に輝いて。 不思議だよね。どういう風に光が屈折したりすればこんな美しさになるんだろうか。 バルビートの光がところどころで光って、本当に幻想的。 「ボクはね、ここの景色が大好きなんだよね。だから、ここに住んでるんだ。・・・キミはどこから来たの?」 「ん?・・・それは・・・えーと・・・。」 言ったって呆れられるだけだろうね。ボクはときわたりポケモンだから、時を旅しているなんて言っても・・・。 でも、そう言うしかないんだよね。・・・ちょっと気取ってみれば面白い人、と思われるだけで済むかな? 「ボク?そうだな、しいて言うなら、『時の旅人』ってとこかな?」 「・・・・・・。」 あ、もしかしてこの子に非科学的なことって通じない?あらそうですかそうですか。 「すっごおい!ねぇ、良かったらお話聞かせてよ!・・・住むところに困ってるならここにいてもいいからさ!ね!?」 ・・・予想外だなぁ・・・。変わってるのはボクだけじゃないみたいだ。 とりあえずここにいさせてもらおうかな・・・。ここにいてもいい気がしてきたよ。不思議なものだね、心って。 「うん、OK。・・・ここにいてもいいんだね?」 「もちろんだよ!」 そんな目をキラキラさせても、大した話はできないんだけどなぁ・・・。 まずはこの部屋の汚さをなんとかしなきゃ。木もかわいそうだよ。 ボクたちは掃除を始めた。こうして、彼の頭からボクへのドロボーというイメージは完全に消えていた。 意外と単純なんだね、男の子って。 ------------------------------ 「けほっ、けほっ・・・。ボクの家ってこんなに汚かったの?」 信じたくないけど、偽りのない真実。家具をずらした途端、ほこりが舞い上がり、視界をふさぐ。 「はぁ・・・。どうやったらこんな風になるの?信じられないや・・・。」 リーフィも呆れているみたいだ。当然だよ。ボク自身だってこんなに呆れているんだもの。 と、そのとき。タンスの上をタンスの上に乗って掃除していたリーフィのいる方からものすごい音がした・・・。 どんがらがっしゃーん!! 「・・・うわぁ!?助けてよキミぃ!」 はっと目をやれば、体がタンスの下敷きになってリーフィが動けなくなっていた。 「ボクは『キミ』じゃないよ?・・・ルクスっていうんだ。」 笑いながらさりげなく自己紹介をしてみる。・・・と、いうのも、リーフィにはまださっきの件での罰を与えていなかったからだ。要するに、時間稼ぎ。 「そんなことどぉでもいいよぉ!・・・早く助けてよぉ・・・。」 だんだん涙目になっていくリーフィを見て、ボクはこんなもんだろうと決断した。 「よいしょ・・・!」 タンスに手をかけた、そのときだった。 「ふふふっ、いただきっ!『サイコキネシス』!!」 ぐわ~ん、と宙に吊り上げられるような感じがして、世界が反転した・・・というより、ボクが逆さになった。 「ひえぇ!?おのれっ、謀ったな!!」 思わず時代劇のようなセリフを言ってしまった。 「・・・『謀ったな』って・・・あははっ・・・!はははははは!・・・ルクス面白い!!」 しめた、チャンスだ!!リーフィが笑い転げている間に。 見えない念力の糸。それに向かってボクは「でんじは」を伝わせていく。そっと、少しずつ。 「ははは・・・あれ?・・・体が・・・動かない・・・?」 「効いてきた?・・・ボクの『でんじは』。」 してやったり、という嬉しさがこみ上げる。そのまますたり、と綺麗に着地。 妙なニヤけ笑いが顔に貼りついて離れない。まるで策士だね、ボクって。ピンチをチャンスに活かしてる。これなら、諸葛亮孔明みたいになれるんじゃなかろうか?・・・なんて考えちゃったり。 「やっぱり、ボクを襲う気だったんだね・・・?」 涙目になって訴えてくるリーフィ。・・・いいね~、策士だねぇ~、ボク。 「信用するんじゃなかったよ・・・。やっぱりボクはさっさと逃げたほうが良かったんだ・・・。」 ん?襲う?何のことだろう?襲うってそもそも何?・・・ひょっとしてボクは・・・誤解されている!? 「ち、違うよ!!・・・べ、別にそんなんじゃなくてさ・・・!」 慌てて弁明する。・・・自分でも顔が真っ赤になっていくのを感じる。 「え?・・・違うの?・・・じゃあ、襲う気は・・・」 「ないないない!!・・・てか、さっきから襲う、襲うって・・・襲うってどういうこと?」 「えぇ!?・・・い、いや、別に知らないならいいよ!!てか今のこと忘れて!」 「え?・・・あぁ、うん・・・。」 よく分からないけど別にいいか。知らないと死ぬ、なんてこともないだろう。 油断した、そのとき。 バンッ! 「え?え?・・・何?何が起きたのかな?」 再び世界は反転・・・いや、天井が真上に見える。 「知らないならさ・・・教えてあげよっか・・・?」 やっと状況が理解できた。ボクはリーフィに・・・押し倒されている!? 彼女の妖艶な目つきは、さっきまでのそれとはまるで違う。別人の目つきだ。 「い、いいよ・・・。遠慮しておくって・・・。」 心臓がばくばくと高鳴る。なんとか声をだして抵抗したけど・・・その瞳に吸い込まれてしまいそうだ・・・。 いくつもの時、瞬間が見えたような気がした。そのひとつひとつを見ようと彼女の瞳の奥を覗こうとしたら・・・。 口に、柔らかな感覚がした。 二つの唇が、重なり合って。 ファーストキスは、甘くて、ほのかに、新緑の香りが広がって。・・・思ったよりも自分自身は落ち着いていた。 「んっ・・・。」 リーフィがほのかに顔を紅くして顔を上げた。その瞳に妖艶な光はなくて、陽気なリーフィに戻っていた。 彼女はボクの上からどいて、ボクが立ち上がるのを待って、こう言った。 「・・・やっぱ、やめとくよ。こんなボクだけど・・・まだここに置いといてくれる・・・?」 けっこうどぎまぎとした雰囲気。・・・けっこう恥ずかしいよね・・・。 「う、うん。ボクは・・・よろこん」 「は・・・はくしょんっ!!」 「・・・。」 忘れてた。この部屋ほこりだらけだったんだっけ・・・。 ボクの・・・初めての返事が・・・。 「ご・・・ごめん。・・・もう一回お願いできる?」 「無理!!」 そりゃ断るさ。・・・ボクの・・・初めての恋の返事は・・・幻に消えた。・・・リーフィによって。 とりあえず、掃除を進めよう。・・・きっと心の整理もつくさ・・・。 ボクもリーフィも、気まずい雰囲気の中、黙々と掃除を進めていった・・・。 ----------------------------- 「ふ~・・・。ま、こんなもんじゃないかな?」 「うわ~・・・。ここってこんなに綺麗だったっけ?・・・住み始めたときよりも綺麗になってるような・・・。」 「そう思う?・・・疲れたなぁ。ねー、飲み物ちょーだいよ。」 図々しいとは思うけど、部屋がこんなにも綺麗になったのは彼女のおかげだよね。ねぎらいにお茶を淹れるくらいはしてあげなくちゃね。 「何がいい~?コレかコレかコレ、それとコレなんかもあるし、あとコレもあるんだけど・・・。」 「・・・ルクスの体で見えないんだけど。どんなのがあるの?見せてよ。」 そうだったそうだった。こっちに近寄ってくるかと思ったら・・・ん、もう側に来て種類を見てるじゃないか。「テレポート」使う必要ないと思うけどな。 「・・・おっと、こんなのも揃えてるんだ。・・・意外にエッチだね~。」 「はぁ?」 彼女が手に持ってるのは、良く分からないけどこないだ久々に町に出たときにお茶っ葉専門のお店があって、そこで買った「珍しい」木の実のなる木の若葉のティーバッグ。・・・どういう風な味かも飲めるのかも何の葉っぱかも知らない、ただ「珍しい」から買っただけの茶葉。 「とにかく・・・これにするから早く淹れてくれるかな?」 「あ、は~い・・・。」 よく分からない代物だからちょっと怖くて、まだ一回も淹れてなかったのはヒミツ。まぁ、くさタイプで植物には詳しいであろう彼女が飲むというなら・・・悪い物ではきっとないだろうね、多分。 ボクも飲んでみよっかな・・・。 自分のお気に入りのカップにもそのティーバッグを入れて、お湯を流し込んでいく。 ほこほことした湯気が立ち込めて、お湯は・・・不可思議な、透明な紫色に染まっている。 湯気は雲のようで、その紫は朝焼けのようで。お茶にこんな表情があったなんて知らなかったよ。 「お~、遅いよぉ!・・・で、お茶受けのお菓子とかは無いの?」 ・・・なんというわがままな。でも、そこも憎めないのはどうしてだろうか? 「無いけどさ・・・。クッキーなら焼けるよ?」 リーフィは意外、といった様子で目を見開く。男の子がクッキーとか作るのって、そんなに意外かな? 「手作りかぁ・・・お願いしよっかな♪」 「かしこまりぃ!・・・なんちゃって。」 オレンやイア、カイスにカゴなどの木の実の粉末をちょうど良くブレンドして作る生地は、自分で言うのも難だけどかなり美味しい。彼女の味覚に合うかは知らないけどね。 ソファーに座り込んで本を読み耽るリーフィ。・・・そうしてれば知的で愛らしい感じがするのに、なんで実際はこうもわがままなんだろうか。 そんなことを考えながら、鼻歌混じりにクッキーの生地を一口サイズに分けて鉄板に乗せて窯の中へ入れていく。そうそう、ボクはピザとかにも凝っていて、石で窯を作ってしまったくらいだ。普通のポケモンと違うのは、そんなもんかな。 「ねー、ところでさ、焼きあがるのを待つ間に旅の話、聞かせてくれないかな?」 リーフィの横にちょこんと座って、彼女の顔を覗き込む。 ハッ、と驚いたような顔をした彼女はよほど読書に夢中になっていたのか、一瞬その話のことをすっかり忘れていたようだ。本のタイトルは・・・「3匹の神のお遊び」。・・・いつの話だっけか?昔の神話だったような気がする。確か、だけど。 「あぁ・・・そういえばそんなこと言ったね。いいよ、話してあげるよ。」 やったね。どんな話を聞かせてくれるんだろう。 ・・・やがて、彼女はふうと息をついて話し始めた。その顔は、旅人の顔つきだった。 ----------------------------- 「えっとね、ボクは色んな土地を旅してきたよ。それだけじゃなくて、未来や過去へわたれば同じ土地でも違う表情を見せてくれるってもんさ・・・。」 「へぇ~・・・。」 どうしようかな。こんな風に話すのもキライじゃないけど、早くボク的にはルクスを弄んでしまいたいというか・・・。いやいや、いけない。いつもこういう風にハメていってるのに、どうして今日は焦ってしまってるんだろう。 「・・・それよりさ、クッキー焼けた?」 「へ?・・・まだ、だね。後ちょっと。3分くらいかな。」 「・・・そう。」 いつもは・・・っていうのは。そう、分かってるよね。ボクは、旅人。でも、ただの旅人じゃなくて、旅先で出会った男の子にいろいろ親切にしてもらってから、むふふなコトをさせてもらうってことくらい。・・・媚薬を使うのは初めてだけどさ、一応処女は守ってるんだよね。 悪どいでしょ?・・・別にいいでしょっ。 「でさ、早く続きを聞かせてよ!」 「ん~?・・・そうだな、ボクの側に・・・というかキミの側にずっといさせてくれる、ならね。」 「え・・・!?」 かわいいなぁ。顔が真っ赤になってるよ。・・・ただ、不思議なことにボクの顔まで熱くなってるような気がするのは気のせいかな? そのとき。「おっ」と声を上げてルクスが窯に近づいていった。 「・・・クッキー焼けたよ。早く食べよう。」 「えっ?・・・ああ、うん。」 いよいよ計画はクライマックスに近づいているんだなぁ・・・。多分。 ------------------------------ 「うん。…最近焼いてなかったけどまあまあの出来かな…。」 「へぇ~。いい匂いだね、さぁ早く早く。」 急かす様なリーフィの言葉、視線。何でだろう、わがままな癖にそれも悪くないと感じる。 「じゃあさ~、聞きたいことがあるんだけど。」 ボクはクッキーを皿に何枚か並べる。それをテーブルにセットした後に、テーブルの後ろにある本棚へと手を伸ばして一冊の本を取り出した。 「い、いいけど…。あんまり長くしないでよ?美味しそうな物を前にして話をすると頭が変になっちゃいそうになりそうで。」 「誰も話してる間に食べるなとは言ってないよ。…でさ、」 ここで『時の森の戦い』について独り言を…。 ◆◆◆ リーフィはセレビィだ。ボクの持っている歴史資料に、ポケ暦647年に起こった『時の森の戦い』についての物があって、それにもセレビィが関係しているらしくて。…それがこういった戦いでさ。 かつてのウィアク大陸にとても栄えたアフレンディア帝国という国があったそうな。アフレンディアはウィアク大陸の諸国の中でも最も強大な力を誇る帝国で、隣国ミレスの東にある『時の森』を手中に収めんとして軍を進めた。『時の森』は昔からミレスでは神聖な地であり、奥地に張ってある新緑の結界を使うと時を自在に操ることが出来るそうだ。それだけではなく、美しく広大な森林は周りの国すべてが羨む国の宝であった。 ミレスはアフレンディアと戦うことをあまり良しとしなかったが仕方がなく兵を挙げ、両国は『時の森』にて衝突した。アフレンディア帝国の本来の目的は『時の森』を手に入れることだったはずが、その『時の森』を戦場としたという不可解な戦いだった。 木には矢が突き立って、度々夜討ちがあったために松明が用いられた。その火は木に燃え移り、『時の森』の3分の1が焼失する大火事を引き起こしたこともあったらしくて。 そんな戦いが二週間も続いたある日に、セレビィが現れて。名前は記されてないんだけども、言い伝えだとリーフとか言うらしくて。 セレビィは攻め込まれたミレス側に加勢してアフレンディア帝国勢を打ち破った。戦いを早く終わらせてしまうにはミレスを攻めれば良かったものではあったが、アフレンディア帝国は森を地形と割り切って木々をいたわることもせずにいたため、セレビィの怒りを買ったのではないかと言われている。その後セレビィはミレス王国の家臣となって、12代目国王である女王エルフューリアがその座を降りるまでミレスに留まり続けていたそうだ。以後、ミレス王国ではセレビィを称え、祀っていたと言われるが、現在は帝国制度は廃止されたためにミレス王国は幻の王国と言われる。…ということだ。 ◆◆◆ 「この本。これに載っているのはポケ暦647年『時の森の戦い』なんだけどさ、これにはリーフっていうセレビィが関係していたらしいんだ。すごく尊敬しているんだけどさ。リーフィ、キミは時代や時間を、何百年から何分の単位まで行き来出来るって言ってたよね。…キミのご先祖様か何かなのかな?」 「え!?…あ、ああ、それね。あはは…それボクのことなんだよね。」 …え? まさか。 ボクの尊敬していたセレビィって。 こんなにわがままで。 こんなに女の子っぽくて。 こんなに盗人(?)っぽい&ruby(ポケモン){人};だったの!? 「……。」 「……。」 気まずい沈黙。神々しいとまで思っていたのに、その本人がここにいる。…ボクの朝ごはんを盗んだ、その人だった。 「…あはは…。食べてもいいんだよね?」 「あ?…うん、もちろん。」 リーフィが気を遣って話を戻してくれた。もっとも、気まずくなったのは彼女の昔起こした出来事について話したからだったが。 気分を落ち着かせるために…とは言えないが、例のお茶を軽くすすってみる。 「…!ルクス、それは…!!」 リーフィが何か言ったが、ボクは口内に広がった不思議な香りの異常さに咽込んでそれどころではなかった。なんと言うか、マズくはないけど美味しくもない。…でも、不思議なことに癖になるような。 「飲んじゃったね。」 「?」 リーフィが意地悪そうにふふっと笑った。その笑顔にぞくりとするような艶気が含まれていたように見えたのはきっと…お茶、じゃなくて錯覚だな。 「もう戻れない。ボクも、キミもね。」 「???」 一口飲むと体中に熱が広がるマトマのジュースは体が温まることで有名だが、今回はそれを飲んだわけでもなく体が熱く火照って疼く。…なんというか、興奮してくる。そしてこれはとても効果が強い。 「リーフィ、このお茶に何か入れたの?」 段々と内から迫ってくる本能が理性を薄いものとしてくるのを感じた。…リーフィの、体が欲しい。 「入れたわけじゃないよ。元々そういうものなのさ。」 ふわりと宙に舞い上がり、ティーカップを取り上げて中身をすすったリーフィはおそらくボクより効きやすい体質なのだろう。息はすでに乱れて、焦点が合わさっていない目でこちらを見て笑った。 「…さて、寝室へ案内してちょうだい?」 「…うん。」 ふわりと温かい何かに包まれて、ボクたちは寝室へと向かう。これから行われることが永く、永遠のものになることを信じて。 ------------------------------- 冒頭の4行・・・合唱曲「時の旅人」より引用。ですが、まんま載せると著作権とか引っかかりそうなのでちょっとアレンジ。・・・元々の歌詞が台無し。 おそらく二ヶ月ほど放り出していた作品。ここに小説UPするのも一ヶ月振りなので文章力が壊滅的にw…設定すら忘れかけてました。すいません。 まだ続きますよ。・・・この後がどうなるかは・・・もう分かった方もいるはず。 コメント等ありましたらどーぞ。 --------------------------------- - セレビィは小説ではあまりでてこないので、僕としては満足です! -- [[ミスターX]] &new{2008-10-28 (火) 15:52:15}; - ミスターX様、そう言ってくださるととても嬉しいです。ありがとうございます! -- [[孔明]] &new{2008-10-28 (火) 16:01:24}; - 自分もセレビィ好きなので期待させていただいております ガムバレと言わざるを得ない! -- [[62ree]] &new{2008-10-28 (火) 16:08:55}; - 中2の合唱コンでほかのクラスが歌った歌ですね。いい歌ですね。 -- [[ギアス]] &new{2008-10-28 (火) 17:26:03}; - >62ree様&br;応援ありがとうございます!・・・実は、この小説は投稿してから全くコメントが無かったので少々不安でしたけど・・・。小説の価値はコメントの数で決めるべきではないですね。がんばります!&br;>ギアス様&br;いい歌ですよね・・・。最近、頼まれてもいないのにこの曲の伴奏を練習しようとしています。&br;はい、余計な話でした。スルーしてくださって構いませんので。 -- [[孔明]] &new{2008-10-28 (火) 17:43:25}; - いやぁ~好きですねぇ~。いいですねこうゆうの -- [[ブラック★]] &new{2008-10-28 (火) 19:06:18}; - セレビィの性格カナリ悪いなwww -- [[Fロッド]] &new{2008-10-29 (水) 06:48:13}; - >ブラック様&br;お褒めの言葉をありがとうございます。♀→♂へのアプローチ、という形は[[夢幻のイタズラ]]でも試したのですが、こっちの方が気に入ってたりしますw&br;>Fロッド様&br;・・・けっこう悪どい・・・というか、思うままに行動する、というか計算高い、というか・・・。とにかく、自由奔放であり、あとちょっと黒い。そういうやつです。リーフィは。&br;旅人ってもう少しさわやかで正義を重んずる、というイメージがあったのですが自分の中のイメージも壊せましたwww -- [[孔明]] &new{2008-10-29 (水) 18:46:30}; - セレビィ性格悪いけどそこが カワイイ! ピカチュウの戸惑いがちょっと不覚にも…カワイイと…あっククルカレーをかけてスルーしてもらってかまいません…孔明さんガンバレ応援してます(p^-^)pすみません…入りきらなくて孔明さんのコメント消えちゃったんです…すみません… -- [[ナガレボシ☆ミ]] &new{2008-10-29 (水) 21:56:43}; - >ナガレボシ☆ミ様&br;リーフィがかわいいですかそうですか。・・・嬉しいです。応援ありがとうございます。がんばりますね。 -- [[孔明]] &new{2008-10-29 (水) 21:58:50}; - すっかりおなじみの媚薬誤飲ネタ。それを分かった上で止めないリーフィのあくどい事……媚薬を飲まされて行為に至らない術はあるのか? ないでしょうねぇ……&br;それでは続き頑張ってください -- [[リング]] &new{2008-10-29 (水) 21:59:35}; - >リング様&br;やっぱり分かっていらっしゃいましたか。・・・伏線を張るのは苦手です。ここはもう媚薬に流されて、愛の旅人・・・なんて。&br;あーっと、まずいまずい。ネタバレじゃないですかこれ。なにがともあれ、コメントありがとうございました。 -- [[孔明]] &new{2008-10-29 (水) 22:03:06}; - でも…続きを待ってますよ〜^3^←なんだかんだですごく楽しみにしている…《※この先はククルカレーをかけてスルーで》でも…私を楽しみにしている人はいるのか?と 作者欄に↑のらないひと(この先は本気でスルーしてもらってかまいません) -- [[ナガレボシ☆ミ]] &new{2008-10-29 (水) 22:15:08}; - ピカチュウとセレビィのCPとは珍しいですね。媚薬誤飲した2匹のこれからが楽しみです! -- [[ガルトル]] &new{2008-10-29 (水) 23:35:24}; - おぁ!本当だ! 初めてみさしてもらいました!いいですね〜ww偶然がかさなりあって出来た奇跡でしょうか…(オイオイ) これからもよろしく! ですぬ(^-^)p -- [[ガー]] &new{2008-10-30 (木) 19:57:18}; - この先の展開に期待です!! -- [[ミスターX]] &new{2008-12-22 (月) 06:46:53}; - 頑張って下さい!とても素敵です! -- [[☆ミ]] &new{2008-12-27 (土) 23:30:40}; - いいですね、時の旅人。 文化祭で伴奏をした時のことを思い出しました。 -- &new{2008-12-28 (日) 08:13:49}; - 時の旅人って歌ですよね? ―― &new{2010-08-12 (木) 23:15:12}; #comment IP:125.13.222.135 TIME:"2012-07-17 (火) 18:17:53" REFERER:"http://pokestory.rejec.net/main/index.php?cmd=edit&page=%E6%99%82%E3%82%92%E8%B6%8A%E3%81%88%E3%81%A6" USER_AGENT:"Mozilla/5.0 (compatible; MSIE 9.0; Windows NT 6.1; WOW64; Trident/5.0)"