ポケモン小説wiki
捨てられた太陽3 の変更点


[[トップページ]]

第三話
-------------------------------
「起きてヒール♪起きてってば~」
シーアが爆睡しているヒールを揺すぶって起こそとしている。
しかし、一向にヒールは起きてくれない
それにカチンと来たシーアはシーツごと床に引きずり落とす
ゴツンと鈍い音がしてヒールが目を覚ます
「もうちょと優しく起こしてくれるとありがたいんだけどな」
(だって優しく声を掛けても起きないし揺らしても起きなかったんだもん……
でもこんな事で朝から気まずいのも嫌だしここは、優しく…)
シーアは無理をしてぎこちない笑顔を作る。
「ご、ごめんね…次はもっと優しく起こすから」
でもその言葉を聞いてヒールは驚いている
きっと私が怒ると思ったんだろうな。
実際、怒って反省させたかったんだけど…
この際どうでもいいや…
今日はどこ連れてってくれるのかな?
「さぁご飯作ったから食べよ♪」
ヒールの手を引っ張ってリビングに連れて行く。
今日のメニューはお肉を焼いてあっさりしたソースを掛けたもの
意外に完成までの時間が30分程掛かっている。
下ごしらえをしてじっくり釜で焼き、その合間を縫って作った特製マトマスープに漬け込んでから再度焼く。
最後の仕上げにオボンのソースを掛けたシーアの自信作。
「深みの有る味だね」
深みの有る味ってどんなあじかな
具体的に言ってくれないと分かんないな…
早くご飯食べなきゃ
「ちょっとそれ私の分~」
ご飯を食べ終わった2人はとりあえず外に出る
「ちょっといいかな?」
何故かヒールは申し訳なさそうに話し掛けてきた
「何?」
ヒールの不安に似た気持ちを取り除くように優しく返事を返す
「今じゃつらい過去かもしれないけどご主人様ってどんなポケモンなのか教えてくれない?嫌だったら言わなくてもいいけど…」
「ご主人様はグラエナと言うポケモンでデュークって名前なんです…それで私は、メイドとして雇われたのですが…グラエナに仕える事に抵抗がありました…しかしデューク様は、とても優しい方でいつも私に気を使ってくれました…デューク様は、探検家で私を色んな所に連れてってくれました…メイドと聞いて家事をする者だと思い込んでいましたが実際の所アシスタントと言った仕事でした…まぁ最後には解雇されてしまいましたが…私を解雇する時ご主人様は少し涙を流していました…捨てられたと言うよりも私を切り離したと言った方が正しいです…ざっとこんな感じですね」
シーアは、ヒールに背を向けて話していたが、何となくヒールは悟っていたようで質問を止めた
シーアのほっぺに流れ星のように涙が流れる。その涙は地面に落ちると同時に土に吸い込まれて行った
かなり申し訳無さそうにヒールは、呟く
「ゴメン…辛い過去を思いださせちやって」
シーアは濡れた瞳を手でこすり笑顔で振り向く
その笑顔には悲しみと思いやりがにじみ出ていた
朝からこんなどんよりしてるけど大丈夫かな?
私が原因で空気が重いなんて有っては為らない…だって私は輝くって意味の名前何だから…私が暗くてどうするのよ…私の馬鹿
気を取り直して今日はどこ行くのって聞かなきゃ
「今日は憩いの草原に行こうか」
私が聞くよりも早くヒールが喋る
憩いの草原てどんな所何だろう…
そんな事を考えて歩いていたら…
ドスン!本日二度目の鈍い音が響く
「大丈夫ですか?ちゃんと前を見て歩いて下さいね」
どこかで聞いた事の有る優しい声がする
ふと、シーアが前を見た時に目の前にいた人物はデュークだった。
「ご、ご主人様?!」
「シ、シーア?!」
2人が声を張り上げたのは、ほぼ同時だった…
「デュークさっ!!!!」
シーアが突然言葉を無くす。
「この傷どうしたんですか?早く手当てを」
シーアが言葉を無くすのも無理は無い。デュークは、右股、額、胸の部分に深い傷を負っていた。その傷口からは灰色の毛を紅に染める程の量の血がにじみ出ている。
「俺に構うな……早く…行け」
シーアが差し出した手を払いのけて再び歩き出す。
「そっ…そんな傷を負っている人をほうっておく何て私には出来ません!」
いや……こんなのデューク様じゃないよ…デューク様は私に襲い掛かって来た人達を用意に倒していたし…何よりデューク様は強かった…
これは…まさか…?
デュークが不気味な笑みをひっそりと浮かべる。それをヒールだけが見ていた。
次の瞬間!
「危ない!!」
突然デュークがシーアに襲いかかる。
「っく……」
ヒールはデュークの奇襲からシーアをかばうが、ヒールは背中に深い傷を負う。
なぜ、ヒールは出会ったばかりの私のために自分を犠牲にしてまで守ろうとするの?
それがヒールの優しさなの?私にはわからない……
だけど一つだけ私にもわかる事がある。
それは、私…いや、ヒールを傷つけたあいつはデューク様じゃない!私にはわかる。
だったら確かめるだげの事。
「あなたはデューク様ではありませんよね?」
デューク?はまた不気味な笑みを浮かべる。
「だったらどうする?」
シーアの目つきが優しく穏やかな目から冷たい目に変わる。
「あなたを全力で叩き潰すまでの事よ…覚悟しなさい!」
「先生!宜しくお願いします。」
「あぁ…………………」
先生と呼ばれたポケモンはマニューラだった。
シーアが戦闘体勢をとると同じくマニューラもとる。
先に動いたのはシーア。シーアはマニューラの懐に突っ込み体当たりをかます。
しかし物理攻撃の低いエーフィではダメージを与えられない。
「自滅の道を歩むとは……哀れだな」
マニューラは凍てつく冷気を纏った拳を全力でぶつける。
うたれ弱いエーフィにとっては十分過ぎる一撃だった。
シーアは吐血し、足もぐらついていて戦える状況ではなかった。むしろ、治療を施さなければ命を脅かすまでの危機に陥っていた。
しかし、シーアは右前足で口の周りに付いた血を拭い立ち上がる。
「ヒール…の……仇を…取らなきゃ…」
その姿に心を射抜かれたのかマニューラは止をさすのを辞める。
「これ以上の血はナンセンスだな…
しかし、貴様がそれを望むので有れば俺は容赦なく殺す……」
「ぐぁあ!」
先程のグラエナの叫び声が辺りに響く。
「遅かったか…すまないシーア…
こんなに成るまで戦ったんだな…お前の仇は必ず取る…」
本当のデュークの姿を見て安心したのかシーアが倒れる。
「デューク……様…ヒールを…助けて下さい」
ヒールを助けて欲しい事だけ伝えると涙を流しながら気絶する。
「案ずるな…あいつには連中から頂いた薬を使ったから大丈夫だろ…問題はシーアだな…」
「お話は終わったのか?」
マニューラが話に水を刺すように呟く。
「問題ない…」
デュークは、ぱっちと目を見開き視線をマニューラに合わせる。
「腕にはいささか自信が無いんだがな……掛かって来い」
「謙遜する必要などないはずだ…裏の組織をたった一人で潰した腕だろ?」
デュークは少し右前足をずらし戦闘体勢をとる。
「いくぞ!」
マニューラが掛け声と共に拳に冷気を込め、それを放つ。
デュークがマニューラの手首辺りに前足を重ね、地面に押し付ける。マニューラの拳が地面に接触するのとほぼ同じタイミングで地面が凍る。
マニューラは拳の勢いを殺し、何とか地面と拳の衝突を回避し、もう片方の手で勢いをつけて空中を舞う。
そして、デュークの後ろに回り込む。そして鋭利な爪で一閃を放つ。
「遅いな…マニューラ」
マニューラの攻撃を華麗に交わし、マニューラの肋を蹴り飛ばし、近くの川に放り込む。
「ここなら切り裂いても汚れないな…」
「ここまで強いとはな…化け物が!」
マニューラの顔は死の恐怖で血の気が引いていた。
「貴様はその化け物の大切な人を傷つけたんだ…貴様の命で償って貰う」
「うぁあああああ!!」
川の真ん中でマニューラが叫ぶ。それをお構いなしにデュークが一閃する。
川の澄んだ青が次第に深紅に染まる。マニューラの死骸が儚く川の深層を目指し沈んで行く。
「殺しは本業では無いんだが仕方あるまい」
デュークが川から上がると一目散にシーアの下へと駆け寄る。
そこには、ヒールがシーアを包み月の光という技をしてシーアを治癒していた。しかし、ヒールも気絶寸前で精神だけで体を動かしていた。
「お前…前名は?」
「……ヒ…ル……」
ヒールは目と口だけしか動かせなかっが一応、微かではあるが返事をした。
「お前、自分の家まで案内出来るか?」
ヒールは何も言わずに小さくコクリと頷く。


ふとシーアが目を覚ます。
どれだけの時間が過ぎたのかわから無かったが、取りあえず今が夜明けだという事だけはシーアにも理解出来た。
「デューク様?…ヒール?」
シーアが心配になって辺りをキョロキョロ見回す。ヒールの姿は確認出来たものの、そこにはデュークの姿がなかった。
シーアがベッドを降りると紙を踏んだらしく独特の音が響く。
その紙には、こう書かれていた。
「   親愛なるシーアとヒールへ
お前達を襲った連中は多分darkness assassination 通称darkassassin
下らない仕事ばっかりしてる汚い連中だ。襲って来た理由は恐らく
シーアの家柄が関係していると思われる
俺はそいつらの本部と支部を潰してくる…
勿論ただでは済まさないさ…
絶対に追って来るなよ?
P.S
自分の気持ちに嘘はつくなよ…この際ヒールに告白しろよ?
余計なお世話かもしれないな…
あと、少しは強くなれよ。
ヒールに薬を飲ませるのも忘れるなよ…机の上に置いてある
お前が飲んでもいいんだがな…
      デューク•レノワール            」
「余計なお世話ですよ……」
シーアが顔を真っ赤にしているところにヒールが目を覚ます。
「……シーア…おはよう」
ヒールが半分しか開いていない瞼をこする。
「この前何で私をかばったの?」
「あぁ…君が好きだから…理由はそれだけ」
ヒールは私の事が好き…
私もヒールの事が好き…これって両思い!?
「くっ…お薬…飲まなきゃ」
シーアの顔が更に赤く成っていく。シーアはそれを必死にごまかすがヒールにはお見通しのようだ。
「はい…お薬」
ヒールはかなりビックリしているがシーアには何故なのか理解出来ない。
「チイラの実の粉末?」
「そう見たいね…」
「僕はこの通り元気だから要らないよ」
ヒールが慌てて体を動かして元気な事をアピールする
「勿体無いから私が飲むよ」
そう言って薬を水に溶かして飲む。
ゴク…ゴク…ゴク…
シーアは薬を飲み終えるとヒールの居る隣で眠りにつく。
もともとこの家には大きなベッドが一つだけしか無い為いつも2人で寝ていた。こんな時に限っても…
ヒールはしばらくシーアの寝顔を見つめる
「やっぱりシーアは可愛いな…」
いつの間にかヒールも寝ていた。2人は心地よく眠りにつく。



-------------------------
まだまだ続きますよ
第三話どうでしたか?面白かったでしょうか?
評価の程よろしくお願いします
ストーリー的に違和感がありましたら教えて下さい。あと、なるべく気をつけているんですが、誤字脱字等などを発見した場合も教えて下さい。
宜しくお願いします。
-----------------------------------------
- とても、いいです。早く続きが見たいです!
――[[通りすがりの旅人]] &new{2009-08-29 (土) 22:40:22};
- デュークとシーアがどうなるか楽しみですー
――[[だんご虫]] &new{2009-08-29 (土) 23:42:45};
- いい展開になってきましたね。
――[[ハカセ]] &new{2010-02-09 (火) 05:02:43};
- シリアスな展開になるんですかね?
――[[sky]] &new{2010-02-11 (木) 17:31:29};
- 遺跡でデオキシス?
――[[まさか]] &new{2010-02-12 (金) 21:20:17};
- 同じような話見たことある!
―― &new{2010-02-14 (日) 23:54:05};
- 決して盗作ではありません。御安心下さい。
――[[メラゾン]] &new{2010-02-15 (月) 13:03:05};
- 誤字発見、襲いな→遅いなでは?
――[[sky]] &new{2010-02-19 (金) 00:30:14};
- チイラ!!有名なアレ
おまえが飲んでもいいって
確定!
―― &new{2010-02-19 (金) 13:19:02};
- 発見ご苦労様です。ありがとうございました
――[[メラゾン]] &new{2010-02-19 (金) 18:17:12};
- すごくいいです。これからも執筆頑張って下さい。
――[[かりん]] &new{2010-02-20 (土) 18:24:21};

#comment

IP:202.253.96.229 TIME:"2012-06-23 (土) 14:04:20" REFERER:"http://pokestory.rejec.net/main/index.php?cmd=edit&page=%E6%8D%A8%E3%81%A6%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%9F%E5%A4%AA%E9%99%BD3" USER_AGENT:"SoftBank/2.0/001SH/SHJ001/SN353012043858651 Browser/NetFront/3.5 Profile/MIDP-2.0 Configuration/CLDC-1.1"

トップページ   編集 差分 バックアップ ファイル添付 複製 名前変更 再読み込み   新規作成 ページ一覧 ページ検索 最近更新されたページ   ヘルプ   最終更新のRSS
This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.