Writer:[[&fervor>&fervor]] ---- #contents ---- &color(red){注意};:&color(red){R-18};、&color(white){♀×♀};、&color(white){人間×ポケモン};の表現があります。 *御社に我が身を捧げます [#hssXg4e] 『残念だけど、私の所じゃ雇ってあげられないの。ごめんね、役に立てなくて』 「で、でもあたし、どんな仕事だって大丈夫ですから! 先輩、そこをなんとか」 『そこをなんとか、って言われても……私は社長でもなんでもないし。人づてに色々聞いといてあげるから、今は我慢して』 「うう……分かりました。あ、でもせめて先輩のとこに挨拶だけでも行かせて下さい! どこに勤めてるんですか?」 『え? あ、今ちょっと忙しいから! とにかく、また連絡してあげるからそれまではバイトでも探してみて! じゃ!』 「ちょ、ちょっと先輩! ……切れてるし」 ポロロン、と言う音と共に画面が切り替わる。握っていた光る板をベッドにぽいと放り投げ、続いてあたしもベッドに倒れ込む。 バイトを探すくらいならすぐ出来るけど、そこから正社員に、なんていうのはなかなか難しいよね……ブラックなとこなら入れるだろうけど……いやいや。 「ブラックじゃない仕事なんて、今時どこにでもあるものじゃないよね……どうしよっかなぁ」 あれこれ考えてもどうせ答えなんて出やしない。腕立て伏せの要領でまた起き上がり、壁に掛けてある帽子を掴んで被る。 白と水色の涼しげなワンピースに、同じ白の鍔付き帽子。それなりにお洒落にしているつもりだけど、友達からの受けはあんまり。 もうちょっと肌を見せてもいいんじゃないの、と言われたけど、日焼けなんてしたくないし、変な男を寄せたくもないし。 「……今欲しいのは仕事。男じゃないもんね」 選り好みしなければいくらでもバイトはあるんだけど、どうせならそれなりの給料が欲しい。あとなるべく楽な感じで。 アパレル系ならお洒落も勉強できるかな、でも田舎だし……なんて考えながら、あたしは玄関の扉を開けて、町の方へと歩き出す。 こんな時にはちょっとポケモンが欲しくなるけど、残念ながらあたしはトレーナーじゃない。今さらポケモンと一緒に暮らすっていうのも……。 そうだ、ポケモンセンターとかってバイト出来ないかな。ジョーイさん見たいな資格職じゃなくても、裏方作業とか。 そしたらポケモンとも戯れたりできそうだし、資格の勉強とかさせてもらえたりすれば就職には困らないよね。 ジョーイさんってなんかブラック臭するけどどうなんだろ。厳しそうならやめれば良いんだもんね。よし、そうしよう。 ☆ 「そう、ですか。分かりました」 早速ポケモンセンターに来てみたものの、割とすぐに断られてしまった。結構人手あるんだなあ、ポケセン。 やっぱり当初の予定通り、その辺りのショップでバイトさせてもらうのが現実的かな。でも給料厳しそうだなあ。 ポケモンセンター内にあった掲示板をぼんやり眺めていると、ちらほら求人広告が目に入ってくる。 マラサダショップ、レストラン、スーパー……どれもいまいちぱっとしない。書いてある時給を見ては次のチラシに目を移す。 「何これ、変な紙……」 その中に一つ、異様な雰囲気を放つ古ぼけた和紙が。何々、神社の巫女を募集中……へえ、年末年始でもないのに。 聞いたこともない名前。地図から察するに町外れの小さな神社、と行った感じだ。田舎ならではの求人広告だよね、こういうのって。 新人大歓迎、交通費支給、制服支給、時給は……要相談、か。安くはないような気がするけどどうなんだろう。巫女服……ちょっと着てみたい、かも。 電話番号すら書いていないそのチラシを、とりあえずパシャリとカメラで写しておく。町で良い求人がなかったら、一回行ってみようかな。 スマホに表示されている時間を見るともう結構時間が経ってしまっている。どうせ無職だから時間なんて気にしなくてもいいんだけど、暗くなったら危ないし。 あたしは手に持ったスマホをバッグにしまい込んで、まぶしく輝く太陽の下へと駆け出していった。 ☆ 結局仕事は見つからずじまい。橙に染まる空を見上げてみると、うっすらと月が白く光っているのが見える。 とぼとぼと住宅街の細い路地を歩いていると、鳥居が一つ、ぽつんと立っている。その奥には木々が生い茂る林が。 そういえば、あの神社ってこの辺だったっけ。ついでだし、話だけでも聞きに行ってみようかな。 鳥居をくぐり、石畳の上を転ばないように歩いて行く。どうして寺とか神社ってこうも足下悪いんだろ。 ヤミカラスの鳴き声にちょっとびくっとしながら、更に奥へと進んでいく。住宅街の外れだけあって、人気が全然感じられない。 ……これ、時給は期待できないかな。大きな神社ならともかく、こんな辺鄙なところの小さな神社なんて誰も来ないでしょ。初詣以外。 やがてもう一つ鳥居をくぐった先に、ようやく神社らしい建物が見えてきた。いつもお参りするところを拝殿、っていうんだっけ。 あたしの神社の知識なんてその程度だけど、それで巫女やってて良いのかな。でも初詣のバイトってそんなもんだよね。 それにしても、人が住んでいそうな小屋が見当たらない。神主さんとかどこにいるんだろう。まさか誰も住んでないとか? と、催し物の掲示板の所に、バイトの問い合わせは本殿へ、と書いてある。ご丁寧にどこを通ればいいかまで。 本殿って、確か神様が住んでる所のはずだけど、入っても良いのかな。書いてあるんだから良いんだよね。あたし、入ったことないなあ。 書いてあるとおり、拝殿の横をぐるっと回って、小さな入り口から中へ入る。きちんと靴を揃えて、一応気持ちを引き締めて。 ぎしぎしと鳴る古い廊下の床。外がいよいよ暗くなってきたせいで、何か出てきてもおかしくなさそうな雰囲気だ。 「お化け……出ないよね? だ、だってお祓いするところだし、出るはずないよね」 あんまり怖すぎて、誰もいないのに一人で喋るあたし。不安なときこそ声を出したくなる。賑やかなところってお化け出ないって言うし。 やがて本殿の扉の前に出ると、再び張り紙が。一礼してから入るように、と書いてある。入っていいのかな、ほんとに。 「し、失礼しまーす……」 古びた引き戸をがらがらと開けると、その奥には九つの尻尾の獣の像が祀ってある。立派な蝋燭が数本点されていて、その炎に揺らめき照らされている。 どうやらここはキュウコンを祀る神社みたいだ。来る途中も怖すぎて全然見てなかったけど、もしかして像とか飾ってあったのかな。 けど、この本殿の中には誰もいる様子がない。辺りを見回しながら、徐々に部屋の奥へ入っていく。その内誰か来てくれるとか……ないかな。 もしかしたらただ単に留守なだけかも。だったらこんな所からはさっさと出て行かないとね。なんか神聖な雰囲気だし。 一応ごめんなさいの気持ちも込めて、キュウコンの像の目の前で二礼、二拍手、一礼をしておく。賽銭箱はこんな所には無いから、形だけ。 「うむ、感心感心。最近の女子にしては真面目じゃな」 後ろから声がして、驚いて振り向くと。そこには神主さん……ではなく、金色に輝く獣が。 「ひっ、お、お化っ」 あたしは恐怖のあまりばっと後退りして、部屋の壁にぺったりとくっつく。何、どういうこと、あたし、夢? 「お化けとは、これまた失礼なやつじゃのう。わらわはこの社の主、つまり神様じゃな。そしてそちはこの社の巫女となる女子じゃろ?」 そんなあたしの様子を呆れ眼で見ている目の前の獣。九つの尻尾をゆらゆらと揺らめかせ、四つ足であたしに近づいてくる。 さっき見ていたキュウコンの像と同じ姿形。本物は初めて見るけど、これがキュウコンっていうポケモンなんだよね。 けれども普段トレーナーと一緒にいるポケモンとは違って、威厳があるというか、貫禄があるというか、なんかちょっと怖い。 「しかしまあ、あの紙切れに引っかかる奴が今時いるとは、正直わらわも思うていなかったぞ」 「ひ、引っかかる……?」 あの広告を一体どうやって作ったのかは知らないけど、この神社を管理してる人間もいるはずだから、その人にやらせたのかな。 それより、アレが罠だったとするなら、もしかしてあたし、食べられちゃうとか……そんなのやだよ、あたし、まだ死にたくない! 「案ずるな。そちを取って食おうなどとは思っておらぬよ」 恐怖に引きつるあたしの顔を見て察したのか、金色の狐は幾分か優しい表情であたしにそう言ってきた。 今起こっていることが未だに理解できないあたし。祀られているポケモンが直々に現れて、あたしを誘い込んで、それで……? 「ただし、辞める事は出来ぬがな。これから長い付き合いなのじゃ、よろしく頼むぞ、ええと……ふむ、自己紹介がまだじゃったな」 冗談じゃない。こいつの目的はどうやらあたしを一生扱き使う事みたいだ。神様だかなんだか知らないけど、あたしにはあたしの人生がある。 今すぐこの場から逃げるしかない。ここで起こった事を話しても誰も信じてくれないだろうけど、とにかく人のいる場所まで行かないと。 「あたし、あの、一生続けるつもりなんて無いんで! その、ええと……し、失礼しました!」 言うが早いか、あたしはそいつの横を走り抜け、後ろにある引き戸を勢いよく開き、外へと飛び出すようにして逃げ出した。……つもりだったのに。 引き戸はうんともすんとも言わず、まるでただの壁のようにぴくりとも動かなかった。ごつん、と扉に頭を打ち付けて、あたしはその場にしゃがみ込む。 「……ここに来た時点で、そちはもう詰んでおる。なに、心配は要らぬ。禊が済めば、そちも立派な神の遣いじゃ」 神の遣いだかなんだか知らないけど、そんなのに一生付き合わされるなんてたまったもんじゃない。 でも、後ろに佇むこの九尾の狐は、どうやらあたしを逃がしてくれる気なんかさらさら無い。何とかスキを見つけて逃げないと。 「ほれ、早く立ってこちらに来んか。俗世の服もなかなかに似合うておるが、禊となれば着替えてもらわねばならぬのでな」 恐る恐る振り返ると、いつの間にか狐の前には巫女服らしきものが用意されている。これを着ろ、ということか。 妖しく笑う狐の紅い目があたしを誘う。這うようにして神様に近づくと、艶やかなその毛並みがより鮮明に映る。 「ふふ、わらわに見とれるのも良いが、先ずは着替えじゃ。ほれ、着付けはわらわがやってやるでな」 はっと気づくと、狐があたしの服を口で引っ張って催促している。脱げ、ということらしい。とりあえず帽子を脱ごうとするが、どうやらさっきのドタバタで落としていたみたいだ。 あたしがあたふたしている間も、お座りの姿勢のままあたしを見つめ続けるその狐。今は刃向かうよりも従っておいた方が良さそうだ。そうすればきっとスキを見せてくれるはず。 あたしはゆっくり立ち上がると、着てきたワンピースをぐっと持ち上げ下着姿に。乱雑に折り畳んでそれを巫女服の隣に置いておく。 「これでいい……ですか? あの、着付けってどうやって」 ふと胸が涼しく感じて下を見ると、ブラが浮かび上がっている。いつの間にかホックが外れていた……というわけではなく、本当に宙に浮いている。 「きゃあっ! な、何これ、待って!」 「そのような肌着は不要なのでな。ほれ、下のそれも脱ぐのじゃぞ?」 目の前で起こった事がまだ理解できずに、何となく胸を隠してしまうあたし。別にこの狐以外の誰かに見られてるわけじゃないけど、恥ずかしい物は恥ずかしい。 あたしがまごついていると、なにやら足下をするすると這う感触がして、ひっ、と悲鳴を上げてしまう。下を見ると、今度はパンツが勝手に脱がされていた。 もう一度大きな悲鳴を上げて後退るあたし。足首にパンツが絡まって、尻餅をついてしまう。パンツはブラと一緒に宙に浮かぶと、部屋の端まで飛んでいった。 「さて、巫女服を着せてやろうかの。ほれ、いくぞ?」 腰が抜けて立てないあたしを真剣に見つめる狐の目。すると突然、裸になったあたしの体が宙へと浮かび上がった。目に見えない何かに支えられているような、そんな感じ。 そして畳まれていた巫女服がさっきの下着のように浮かび上がると、薄手の肌着、白い布きれ、赤いスカートのようなものがあれよあれよという間に着せられていく。 すとんと足から地面に下ろされたあたしは、自分の体を支えられずに再び尻餅をついてしまう。狐がその上に覆い被さるように近づいてくる。 「改めて自己紹介じゃな。わらわはこの社の主、名は……いつかの巫女に、&ruby(しるね){識音};、と名付けられた事があったかの」 識音と名乗るそのキュウコンが、あたしの頬にその前足を寄せる。柔らかな毛並みが肌に優しく触れた。温かくて、気持ちいい。 こういう状況じゃなかったら、きっと喜んでその体を撫でていたんだけど、生憎あたしにそんな余裕なんてどこにもない。 「……&ruby(なでみ){撫実};、っていいます。あの……あたし、その、何をすれば」 あたしなりに頭をフル回転させた結果、今はおとなしく仕事をするフリをしておく事にした。外の掃除とかあれば、頑張れば逃げられそうだし。 目の前の狐はううむと考え込む様子を見せている。掃除でも何でもやりますから、とあたしは一言付け加えておいた。 「そういう雑用の前に、まずはそちに禊を済ませてもらわねばならぬ」 禊……っていうと、滝に打たれたり川に浸かったりするアレだろうか。季節的にはまだ耐えられるかもしれないけど、ちょっと寒いかな。 でもそれなら、移動中とかスキを見て脱出できるかもしれない。願ったり叶ったりのチャンス到来かも。 「はい、頑張ります! それで、どこに行くんですか?」 「どこにも行かぬよ。ここでそちがわらわと契りを結ぶ事こそ、禊なのじゃ」 未だ覆い被さられたままのあたしの顔に、狐の口元がそっと近づいてくる。思わず目をつぶると、あたしの口に何かが触れる感じがした。 うっすら目を開けると、狐はあたしとキスをしていて。今起こった出来事がまだ理解できずに、あたしは呆然とその顔を見つめる。 狐は口元を離して妖しく笑うと、その前足をあたしの胸の上に乗せてきた。装束の上からとはいえ、ブラもしていない状態では乳首の感触も丸わかりだ。 その突起を服越しに見つけ、肉球でくにくにと刺激してくるその様子に、ようやくあたしは何をされているのか理解した。 「や、やめてっ! あたし、あたしはこんなの無理、無理だからっ!」 その体を乱暴に手で突き飛ばして、這う這うの体で部屋の隅っこまで逃げ出す。これ以上逃げられないのは分かっているんだけど、それでも。 体を丸めて膝を抱え込み、震える体を何とか押さえ込む。そんなあたしの方へ、じりじりと寄ってくるその狐。 「……なんじゃ、折角楽しもうというのに。そのように縮こまっていては楽しむものも楽しめぬぞ?」 そんなこと言われても、この状況ではいそうですかと出て行ける人なんてそういないと思うんだけど。 ほれほれ、と九つの尻尾の内の二本が手招き……ならぬ尾招きしている。紅い瞳は真っ直ぐあたしを見つめていて、逃げるスキなんて与えてくれそうにない。 「とはいえ、無理強いは良くないかの。そちも気持ちを落ち着けて、ゆっくり考えてみるのじゃ」 落ち着いて考えるまでもなく、あたしがポケモンと性行為なんてするはずもない。というかそもそもあいつも雌なんじゃないの。 このままあたしがあいつと睨み合っていたら、いつか諦めて帰してくれたりしないかな。そう思って、あたしはその狐を強く睨みつけてやる。 その紅い瞳は変わらずあたしを見つめたまま、静かに煌めいている。部屋の奥に置かれている蝋燭の火が、ゆらゆら揺れる九つの尻尾を照らしている。 金色に輝くその毛並みをじっと眺めていると、ちょっと手を這わしてみたくなる。つやつやで気持ちが良さそうなその体に、寄り添ってみたい気持ちもある。 吸い込まれそうなその瞳に免じて、ちょっとだけなら、なんて。いやいや何考えてるんだろ、あたし。でも、神様の体を触れるチャンスなんて、そうあるものでもないよね。 それに、もしかしたらご利益もありそうだし。試してみるのも悪くはない……かな。そういう趣味があるわけじゃないけど、でもなんだか、やらなくちゃいけない気がする。 紅い瞳が徐々に近づいてくる。その凜々しい佇まいに、あたしは男にすら感じた事のないときめきを感じてしまう。何だろう、この気持ち。 でも、あたしは巫女になりに来たんだから、当たり前……だよね。神様と契りを結んで、神様に仕えるんだから。識音様の事、好きになっても……いいんだよね。 契りを結んだら、その後で、チャンスを見つけて……何だっけ。何か忘れているような気がして、あたしは識音様の目を見つめてもう一度考えた。 紅い目があたしに教えてくれる。あたしは巫女として一生を捧げなきゃいけないんだって。それがあたしの幸せなんだって。 ぶつかるんじゃないかというほどに近づいた識音様の顔。今がチャンスだ。そっか、あたしが探してたチャンスは、これだったのかな。 あたしは自ら識音様の頭に手を伸ばして、その口元にあたしの唇を重ねる。手で後頭部を撫でると、柔らかな毛並みがあたしの手のひらをくすぐった。 「ふふ……決まりじゃな。優しくしてやるから、安心するが良い、撫実」 「……はい」 そして識音様の体が、あたしの体を押し倒した瞬間。言いようのない安心感と幸福感が、あたしの体を包み込んだ。 心の中に残っていた靄がふっと消えて、識音様に仕えることの喜びで満たされていく。何か考えていたような気がしていたけど、今はもう、どうでもいい。 識音様、あたしを……愛して下さい。 ☆ 「んっ……ぁ」 肌着一枚に覆われたあたしの胸。正直ほとんど成長していないそのわずかな膨らみに、識音様の前足が這わされる。 両方一遍に触るのは、識音様の体じゃ難しい。だからあたしはもう片方の胸を、自らの手で揉んでみる。乳首に指を這わせて、くりくりと弄ってやる。 「そちもずいぶんと淫乱じゃの? わらわはその方が嬉しいがの」 「だって、識音様が焦らすから……あたし……ぅん」 未だ胸しか弄ってもらえていないあたしはどんどんと体に熱が溜まるばかり。それを何とか発散しようと、もう一方の手を股に伸ばす。 薄い肌着は膝の上までを覆っている。その上から割れ目にそって手を這わせると、布に液体がしみこんでいくのが分かった。 そのまましゅる、と布の上で手を滑らせてみるが、微かな快感しか得られない。それでも、あたしは夢中で手を動かす。 「……全く、自分の事ばかり夢中になりおって。ほれ、分かったから手を退けんか」 識音様にそう言われて、あたしは仕方なく手を離した。ぐっしょり濡れた肌着からは、割れ目と陰毛が透けて見えている。 こんなになってたんだ、あたし。まじまじとその様子を識音様に見られて、思わず顔を赤くして目を背けてしまう。 「これなら十分じゃな。次はわらわを喜ばせる番じゃ。しっかりやるのじゃぞ?」 識音様は九つの尾をぶわっと床に広げて仰向けに寝転がった。お腹の毛に手を伸ばして撫でてみると、言いようのない肌触り。 あたしはさっきやられたのと同じように、今度は識音様の胸の突起を探して指をその毛の中へ。 探り当てた突起を爪でぴんと弾いてみると、識音様はくすぐったそうに腰をくねらせた。どうやらここで合っているらしい。 反対の手でも胸から腹にかけてを撫でてみると、同じような突起がいくつか見つかった。そうか、左右一つずつじゃないんだ。 あたしは両手を開き、いくつかの指で上手く突起を押さえられないか試してみる。三つは手が届くかな。 そうして複数の乳首に同時に指を当て、まるごと手を動かして擦ってみる。床に投げ出された尻尾がかさかさと揺れている。 「ふっ、ぁ……うむ、いいぞ、撫実……」 くりくりとその突起を弄りながら、あたしは更にその下にある割れ目の辺りに目線を映す。その部分だけ毛がややしっとりしているような気がする。 片手はそのまま胸を弄りつつ、もう片方の手をその部分に沿わせてみると、ねっとりとした液体が、あたしの指に絡みついてきた。 「識音様のここも、凄い……きれい」 「……ほれ、見惚れるのも良いが、どうすれば良いのかは分かるじゃろう?」 手で弄るのも良いけれど、あたしはもっと直接識音様を味わいたい。そう思ったから、その割れ目に両手を添えて、ぐっと開いてみる。 中は綺麗なピンク色をしていて、あたしを誘うかのように光り輝いている。顔をそこに近づけると、むわっと濃厚な識音様の香りが。 堪らずあたしはその割れ目に舌を這わせる。じんわりと零れる蜜を舌で掬って味わうと、あたしの頭の中が蕩けそうなほど甘かった。 「あぁ……そうじゃ、撫実……んぅ」 更に奥へ舌をねじ込んでみたり、割れ目の周囲を舌でなぞってみたり。緩急を付けて識音様を悦ばせていく。 識音様が時折上げるうっとりとした嬌声が耳に届く度、あたしは嬉しくなる。割れ目の奥の方がきゅんと切なくなる。 「識音様ぁ……あたしも……ぉ」 ついに我慢できなくなって、あたしは識音様を上下逆に組み敷いた。識音様の顔には、たぶんあたしの濡れそぼった割れ目が見えているんだろう。 そんなあたしを叱ることなく、優しく太腿を前足で撫でてくれる識音様。その刺激にひぁぁ、と情けない声を上げるあたし。 識音様の優しさに応えるべく、舌と手で今度はクリトリスを弄ってみる。あたしはここがめちゃくちゃ弱いけど、識音様はどうだろうか。 「ふぁっ、あぁ……んぅ!」 どうやら当たりだったようだ。今までに無いくらい大きな声で喘いだ識音様の尻尾が、ぱしんと床を叩いている。 そのまま識音様の突起を舌でこねくり回しながら、二本の指を割れ目の穴へとねじ込んでいく。ぐちゅ、とそれを飲み込む識音様は、足をぴくぴく震わせている。 「ひっ、あぁ……っ、撫実、なかなか……上手じゃな」 「ふあああっ! や、やっ、ら、しる、ね、さ、まぁっ!」 このまま識音様を絶頂に、と思っていた矢先、あたしの割れ目に大きな舌が這わされた。更に前足が器用に突起を撫でている。これが識音様のテク、なのか。 悲鳴とも嬌声とも付かない声を上げながら、ガクガクと足を震えさせるあたし。それでも識音様は許してくれず、舌をあたしの中へとねじ込んでくる。 「あっ、や、だ、だめっ、ふっ、あぁぁっ!」 きゅう、と割れ目が収縮する感覚。中に溜まっていた熱が弾ける感覚。あたしは識音様の体に倒れかかるようにして、絶頂を迎えた。 割れ目からはじんわりと蜜がしみ出してくるのが分かる。その快感に酔いながらも、あたしは識音様の割れ目を闇雲に刺激する。 「んっ……あぁ……は、う、っ……ぁっ!」 識音様の様子がにわかに変わり、少し苦しそうな声を上げた後、急に割れ目から蜜が噴きだした。あたしの顔にぴちゃり、とその液が跳ねる。 濃厚な雌の香りと、甘く蕩けそうなその味に浸りながら、あたしは識音様の尻尾に手を延ばし、それを抱きしめる。 「ふふ……甘えたがりじゃな、撫実。ほれ、よしよし」 「しるねさまぁ……あたし、もっと……もっとぉ」 ぽんぽんと余った尻尾で頭を叩かれ撫でられると、堪らなく識音様が愛おしくなって。思わず出たその言葉にも、識音様は優しく応えてくれる。 あたしはその神通力でふわりと体を浮かされると、再び仰向けに寝かされた。あたしを抱きしめるように覆い被さる識音様の口に、あたしは自らの口を重ねる。 開かれたその口の中へ舌を入れると、識音様の大きくてざらざらした舌があたしを受け入れて絡め取ってくれる。 目を閉じて、その感触と、匂いと、味をじっくりと楽しむ。識音様の温かい体が、肌着がはだけたあたしの体に直接触れる。さらさらとした毛があたしの乳首に擦れて気持ちいい。 「貝合わせ、というのじゃが……撫実は初めてじゃな? ゆっくりやってやるから、今はただわらわに身を委ねるが良い」 はい、とだけ返事をして、あたしは識音様にぎゅっと抱きつく。識音様はあたしの足を後ろ足で絡め取ると、そのまま後ろ足を折るようにしてあたしと重なった。 くちゅ、と触れ合う割れ目と割れ目。何をするのかは何となく想像が付く。ドキドキが止まらなくて、識音様の名前をもう一度呼んで頬をすり寄せた。 識音様はあたしの耳元であたしの名前を優しく呟くと、そのまま腰を動かした。ちゅく、と粘液で割れ目同士が擦れ合い、お互いのクリを刺激する。 「は、あぁ、あっ、んっ、うぅ、ぁ」 「撫実……いい顔じゃな……んぁっ」 識音様の顔が目の前で揺れ動く。激しく腰をくねらせる度に、あたしは悦びに悶えて声を上げる。あたし、今、どんな顔してるのかな。 識音様も時折切なそうな声を上げながら、あたしをこれでもかというほど責め立ててくる。ぐちゅぐちゅと液体にまみれたその股から溢れた蜜が、あたしと識音様を濡らしていく。 ほとんどはだけた肌着がべっとりと皮膚に張り付いているのは、汗のせいじゃなく、きっとあたしたちの愛の滴のせいなんだろう。 「だめ、イく、イっちゃうよ、しる、ね、さまぁ、しる、ねっ、さ、あああぁぁっ!」 識音様の名前を呼んで、識音様をぎゅっと抱きしめて、あたしは識音様の割れ目に向かって、ぶしゅ、と潮を噴いて絶頂を迎える。 こんなに激しく潮を噴いたことは今までない。それ位にこの行為が気持ちよくて、魅力的で、刺激的だった。 絶頂の余韻に浸っていると、識音様はあたしの頬を優しく舐めてくれた。ざらっとした舌の感触が忘れられず、今度はあたしが識音様の口元へ舌を入れに行く。 「……ふふ、まだ足りぬ、といった表情じゃな。わらわもまだイっておらぬし……今度はそちが動く番かの?」 とろんとだらしなく笑みを浮かべて座り込んだあたしを、識音様は仰向けになって誘っている。濡れそぼった尻尾が、あたしを誘っている。 惚けた頭でも、あたしが何をやらなくちゃいけないかは分かった。もっと気持ちよく、もっと激しく、もっと素直に、もっと愛し合いたい。 「識音様……あたし、この体、識音様に……この神社に捧げます。だから、あたしを……愛して下さい」 割れ目から流れた滴が、陰毛を伝って床へと落ちる。金色の体に誘われるがまま、あたしはふらふらと四つ這いになって識音様に近づいていく。 あたしの禊はまだ始まったばっかり。だから、もっと清めてもらわなきゃ。あたしの全部を、識音様に、捧げなきゃ。 ☆ 「どうも、お守りは、こちらで承っ、ております」 朝の外掃除を済ませて、あたしは拝殿横の小さなスペースでお守りを渡していく。といっても、そんなに参ってくれる人はいないんだけど。 ただここ最近、あたしが巫女になった事をみんなに伝えたら、ぽつぽつと友達やその知り合いが来てくれるようになった。 巫女服を着てるのを羨ましがってくれる友達や、あたし目当てで来る男の人もいるんだけど、今は仕事中だから真面目に。 「にしても、撫実ちゃん、雰囲気変わった? ちょっと大人っぽくなった気がするよ。巫女服のせいかな」 そんなことを言ってくれる友達もいるけど、あたし自身はそんなに変わったつもりはない。生活はすっかり変わっちゃったけど。 あの日以来この神社に住むことにして、住んでた部屋からいろんな物を移してきた。運んでくれた業者さんには驚かれたけど。 でも、あたしは巫女としてこの神社に仕える身。昼の間だけしかいません、じゃ話にならないもんね。 それに、識音様も待ってくれてるし。人前に姿を見せることはないけど、あたしにだけは毎晩必ず会いに来てくれるから。 「……撫実ちゃん大丈夫? なんか顔、火照ってない?」 「ん……あ、大丈夫、大丈夫。気にしな、いで」 じっとりと湿る股ぐらを隠しながら、あたしは友達に手を振って見送る。識音様も結構意地悪だ。どこから見てるのかは知らないけど、なにもこんな所で。 あたしの中で小さく震えるその刺激に悶えながら、あたしは再び拝殿の中へと戻っていく。これから中の掃除と洗濯と、ご飯も作らなきゃね。 そして今晩もまた、識音様とまぐわう事になるだろう。あの体が、あの温かさが恋しくて、あの蕩けそうな快感を思い出しただけで……。 じわりとしみ出す蜜を感じながら、あたしは一人賽銭箱の前に立ち、二礼、二拍手、一礼をする。今日も一日、識音様への感謝を込めて。 「……この体、我が身をこの社に。識音様に、捧げます」 『ああ。心ゆくまで愛してやろうぞ、撫実』 めでたしめでたし。 *あとがき [#g5xxnFQ] ここまで読んでいただきまして誠にありがとうございました。 いつもwikiでお世話になっております。感想会ではありがたいお言葉も頂けて恐悦至極に存じます。 今回投稿させていただきましたこのお話ですが、タイトルでほぼ全てオチてしまっているので、中身に関しては非常に難産でございました。 方向性は決まっていたのですが、それを上手く形にするのがとても難しく……結果として書き始めが遅くなってしまいました。 本当であればもう少し続きを、と思っていたのですが、今のこの文章量でもそれなりにまとまっているので暫しこのままで。 皆様も是非、百合の花を育ててみては? -2018/1/29 追記 いい加減お名前明かしました。 当時のwikiチャットでも感づいてる方いらっしゃいましたがやっぱ分かりますかね( *投票コメントへの返信 [#5UEyN88] お返事が遅くなりまして申し訳ございません。投票いただいた皆様、どうもありがとうございました。 >やっぱり百合はいい 作品数としてはやはり少ないのですが、百合の良さを皆様にお伝えしたかったのです。それを少しでも感じていただければ幸いです。 >シンプルにエロかった。 官能小説として必要な部分に全ての時間を割いております。本当はもっとじっくりねっとり書きたい気持ちもあったのですが……。 >ヒトポケ百合とは珍しい…… >今後が気になりました。 あまり見ない組み合わせだからこそ書きたくなったのですが、あまりらしさを出せなかったのは反省しております。 恐らくこれからもこの社と彼女たちは栄え続けるのだと思いますよ。 *コメント欄 [#2GKeCJD] #pcomment(御社に我が身を捧げます/コメントログ)