このお話は、幸せ配達人 ~幸せ、足りてますか?(前編)~の続きになります。 お読みになる際は、前編からお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- 女の子を家に入れるのは、随分久しぶりだった。 そのせいもあって、デリバードの部屋はやけに散らかっていた。 男1匹のひとり暮らしなどこんなものだ。 「あちゃ~・・・どうやら僕らの初仕事は掃除みたいだ」 ははは、とデリバードは笑って見せた。だが、グラエナの表情は相変わらず硬かった。 「ほら、そんなに緊張しなくてもいいよ。別に取って食べたりはしないからさ」 彼は入り口で呆けている彼女の腕を掴み、部屋へと引き入れた。 掃除は大体30分で片がついた。正月休みで溜まっていた洗濯物も、彼女がきちんと片付けてくれた。 門番のカイリューはああ言っていたが、彼女は与えられた仕事はきちんとこなす事ができるようだ。 「あの、デリバードさん。この写真の女性って・・・」 洗濯物を干し終えた彼女が、卓上の写真立てに目をやった。 「あぁ。シャワーズだよ、よくテレビにでる。一応付き合ってるんだ」 「え・・・じゃあ、アイドルと付き合ってるんですね」 彼女の瞳が一瞬曇ったように見えたが、彼にはどうする事もできなかった。 別に隠す必要も無い。彼女とはこれからもただの仕事仲間だ。 「でも実際はほとんど会えないけどね。彼女、売れっ子だし。去年は2回だけかな、会ったのは」 「・・・・・」 彼は無意識のうちに愚痴をこぼしていた。事実、シャワーズに会えないことはつらかった。 デリバードは引き出しから小さな包みをいくつか取り出した。 「彼女、昔は毎月1日が仕事休みだったんだ。いきなり家に遊びに来るものだから、僕はそのたびにプレゼントを用意しておいたんだけど、最近は・・・」 彼は胸にこみ上げてくる切なさを、その包みと一緒に引き出しに押し込んだ。 「ゴメン!こんな話君にしちゃって・・・」 デリバードは苦笑いをして見せた。 そんな彼に、グラエナがポツリと呟いた。 「そうなんですか・・・じゃあ、溜まっちゃいますね」 「え・・・!?」 いきなり何を言い出すんだこの子は、と彼は驚いた。 突然の奇襲に彼は全く無防備だったため、情けない声を出してしまった。 「ええと・・・うん、まぁ溜まってないって言えばウソになるけど、自分でもちゃんと処理してるし・・・」 自分でも何を言っているのか分からなかった。唯一つ、今自分がものすごく赤面しているのは体温の上昇具合で分かった。 だがしかし、赤面しているのは彼女も同じだった。あんな質問をしておきながらなぜ彼女が恥ずかしがるのだろう? 「あの・・・私はそういう意味で言ったのではなくて・・・プレゼントが・・・って意味です」 沈黙が流れた・・・。 「あ・・・そうなんだ・・・。うん、そうだね、プレゼント・・・溜まってっちゃうね」 デリバードはあまりの恥ずかしさに彼女の顔を直視できなかった。 彼は何とかこの空気を変えたかったが、全く方法が思い浮かばなかった。 幸運にも、この空気を変えたのはグラエナの方だった。 「あの・・・デリバードさんはどうして私なんかを選んだんですか?」 彼は彼女の質問に胸をなでおろした。よかった、話題が変わった。 「私なんか」という辺り、彼女らしかった。 「ん・・・ああ。そうだな・・・なんとなく僕に似ていたから・・・かな」 「似ていた?」 「僕もね、サンタクロースの試験にギリギリ合格したんだ。普通、試験の成績のいい方からいい配属先に配属されるじゃない?だから、ビリだった僕は当然仕事があまり入ってこない地区へ配属される事になったんだ。 当然、成績の悪かった奴らは資格を辞退して、サンタになるのを諦めたよ。一度資格を辞退したらもうサンタにはなれないけど、仕事のない地区で働くくらいだったら、他の仕事を探す方がいいからね。・・・でも、僕はどうしてもサンタになりたかったんだ。お陰で、今はこんな山奥で働く事になっちゃったけど・・・」 デリバードは笑って見せた。 確かに生活は苦しい。だけど、ずっと夢見てきたこの仕事を、簡単に諦めるわけにはいかなかった。 「それで、私に似ていると・・・」 グラエナの瞳は相変わらず潤んでいたが、その瞳はいつも以上に輝いていたように感じた。 「収入も少ないし、きっと君にも迷惑をかけるだろうけど、よろしくね」 デリバードは改めて右手を差し出した。先ほどは握手し損ねたからだ。 彼女は、今度はゆっくりと手を差し出した。握った彼女の手はとても温かかった。 「私、一つだけお願いがあるんです」 グラエナが遠慮がちに言った。 「ん?なぁに?」 「あの・・・私に・・・その・・・跨ってみてくれませんか?」 彼女の顔は一気に紅潮した。同時に、デリバードも体が熱くなるのを感じた。 「ど、どういう意味?」 「私、幼い頃によくトナカイとサンタの童話を読んだんです。中でもお気に入りだったのが、ソリが壊れてしまったサンタのために、トナカイがサンタを背中に乗せて町まで運んでいく、っていうお話なんです。それを、ずっとやってみたくて・・・」 彼女はもじもじと前足をこすり合わせた。 デリバードの心臓は音を立てて鳴り始めた。 「えっと・・・じゃあ、僕が君の背中に乗ればいいんだね?」 「はい・・・お願いします・・・」 デリバードは深呼吸を一つして、ゆっくりと彼女の背後へ回った。 彼女の体はデリバードよりも一回り大きめだったが、背後に回ると女の子らしい小さな尻が、嫌でも目に入った。 彼女の腰に手を当てる。とても温かい。 同時に、彼女が小さく身体を震わせた。 デリバードは左足を上げ、馬に乗るような格好で彼女の背中に跨ろうとしたが、思いとどまった。 なぜなら彼の象徴となるものが、少しずつ顔を出し始めていたからだ。 (まいったな・・・興奮してきちゃったみたいだ・・・) それも当然だ。彼はここ数ヶ月は女性との関わりが無い。 そんな状況でいきなり女性の背中に跨るなど、否応無しに期待してしまう。 硬直してしまった彼を不審に思ったのか、グラエナが聞いてきた。 「どうかしましたか・・・?」 彼女が振り向こうとしたので、デリバードは慌てて股間のモノを隠そうとした。そのせいで力が入り、彼の爪が彼女の腰に食い込んでしまった。 「痛・・・!」 「ご、ごめん!大丈夫・・・?」 見ると、彼女の背中からは血が滲み出していた。 女性に怪我をさせてしまった・・・しかも自分自身で。 デリバードはその事実にショックを受けた。 「ホントにゴメン・・・すぐに救急箱を・・・」 その時、彼は彼女の異変に気づいた。呼吸が荒くなっている。 「ど・・・どどどうしたの?まさか、ホントに致命傷だったんじゃあ・・・」 デリバードは慌てた。これはただ事ではない。 「・・・・っと」 「・・・・え?」 彼は彼女の発言が俄かには理解できなかった。うまく聞き取れなかった事もあるが・・・。 「もっと、お願いします・・・」 やはり聞き間違いでは無かった。彼女は顔を真っ赤に染め、相変わらず息遣いも荒い。 (まさか・・・マゾヒスト?) ためらっていると、彼女は大きくなったデリバードのモノに触れた。 「!?」 「これを・・・私に、下さい」 「ちょ、ちょっと待ってよ!僕は別にサディストじゃないし、君の期待に答えられるとは・・・」 「じゃあ、今からサドになればいいじゃないですか・・・」 どうやら彼女は完全にスイッチが入ってしまったらしい。 デリバードはどちらかというと攻める方は苦手だった。他人を虐めることで快感を得るというスタイルは、彼には合わなかった。 「ほら、言ってくださいよ。「これが欲しいんだろ?って・・・」」 「えぇ!?そんな事・・・言えないよ!」 そんな事言った事も無いし、一生言う事も無いと思っていたようなセリフだ。 「お願い・・・」 「・・・分かったよ。やってみる」 彼はついに折れた。やるしかない。 もともと開いてはいけない彼女の扉を開いたのは彼自身だ。自分で何とかするしかない。 「こ・・・これが欲しいんだろ?」 実際に口に出してみると、顔から火が出るほど恥ずかしかった。だが、彼女は満足しているようだ。 その証拠に、彼女の表情は早くも悦に入っている。 「下さい・・・私に・・・」 「いや・・・まだ早いよ」 デリバードはおもむろに彼女の傷口を掴んだ。彼女の顔が苦痛に歪む。 彼自身としては全く気持ちの良い行為では無かったが、痛みを好んでいる彼女には気持ちがいいらしい。 「あッぅぅ・・・!い・・痛い」 「もっとやって欲しいって言ってたじゃないか」 デリバードは慣れない口調で、徹底してサド役に徹した。 「はぅぅ・・・ぐ・・・」 彼女はぎゅっと目を瞑り、痛みに耐えている。 さすがにこれ以上やるのも可愛そうな気がしてきた。サドって難しいな・・・。 「じゃあ・・・じっくりと味わわせてもらうよ」 デリバードは彼女を仰向きに寝かせ、全身を舐め始めた。 「ふぁ・・・あふぅぅん・・・」 彼女の体毛は、すぐさまデリバードの唾液で湿りだした。 やっているうちに、彼のほうも何だか楽しくなってきた。 セックスにおいて主導権を握る事は案外気持ちのいいことなのかもしれない。 「どこを舐めて欲しいの?」 「・・・そんなの・・・言えません」 「言わないとやめちゃうよ」 デリバードは彼女の首筋から舌を離した。 「・・・もっと下の方です・・・」 彼女は恥じらいながら後ろ足をゆっくりと開いた。彼女の割れ目はすでに十分な湿り気を帯びていた。 彼はその割れ目に沿って羽を這わせた。彼の柔らかい羽が彼女の秘部を優しく愛撫する。 羽はあっという間に粘性を帯び、粘液で濡れた羽はより一層滑りを増した。 「あっ・・・あぁ・・・んぅ」 彼女は口から唾液を垂らしていた。デリバードはその粘液を舌で舐め取った。 「ふふ・・・そんな顔されたら、汚したくなっちゃうよ」 デリバードは愛撫をやめ、自分のモノを彼女の顔の前へ持っていった。 「今度は僕を気持ちよくさせてよ・・・」 グラエナは体を起こすと、ゆっくりとデリバードの股座へ顔を近づけた。 彼女はフェラは不慣れなのか、少しだけ躊躇しながら彼のモノをゆっくりと口に含んだ。 滑らかな舌が彼の肉棒に絡みつく。 「ん・・・んはぁ・・」 デリバードもつい声を漏らす。 あまりの気持ちよさに、彼は膝から崩れそうになるのをこらえなければならなかった。 彼女のぎこちないフェラチオに彼のモノは限界まで膨張し、間もなく絶頂を迎えそうだった。 (う・・こういう場合どうすればいいんだ・・・?彼女に伝えるべきだろうか・・・) 攻め慣れていない彼は、口内で発射してよいものかどうか迷った。だがそうして迷っている間にも、彼女の奉仕により今にも発射しそうだ。 「・・・グラエナちゃん・・・もう・・・」 「あ・・・!!」 とうとう彼のモノは限界を向かえ、白い粘液が彼女の口内から顔の周りまで飛び散った。 「ゴメン・・・!!大丈夫・・・?」 デリバードは慌てて彼女の顔にかかった精液を羽で払った。 「・・・もう・・・謝らないでください。せっかくサドに徹して下さってたんですから」 彼女はプイ、と顔をそらした。その表情は僅かに笑っているように見えた。 「ゴメ・・・ええと、うん。僕も攻めるのは初めてだったからさ・・・どうも、上手くいかないもんだね」 「じゃあ、シャワーズさんがいつも攻めてるんですか?」 デリバードは急にシャワーズの話をされて少し戸惑った。 「ん・・・うん、まぁね。やられっぱなしってのも男として情けない話だけど」 デリバードはぎこちなく笑って見せた。 全く罪悪感が無いわけではない。こんな展開になってしまったのはあくまで事故ではあったが、自分に責任がある。 だが、久しぶりに女の子を家に上がらせた事で、全く期待していなかったといえば嘘になる。 シャワーズの事を考えると気持ちが一気に沈んだ。 それから数日、2匹は何事も無かったように仕事を始めた。 2匹は今年のクリスマスへ向け、既に計画を練り始めなければならなかった。 あの日の行為以来、彼女から誘ってくる事も無かったし、デリバードの方も今日まで何とか自我を保つ事が出来た。 サンタクロースとトナカイの奇妙な関係は、まだ始まったばかりだった。 -------------------------------------------------------------------------------- あとがき 最期まで読んでくださってありがとうございます。 このお話で特に苦労したのは言うまでも無くエロシーンです。 普段Sではない男性にS役を演じさせるというのが予想以上に難しかったです。 最期何だかしまらない終わり方になってますが、この次のお話のためにいろいろなスパイスは取っておく事にしました。 ですので、シャワーズちゃんの登場は次回作になります。次回作をお楽しみに。 - 復旧とリンク完了しました -- [[ギコニクル]] &new{2008-08-16 (土) 11:29:48}; - とてもおもしろいです! 僕は、年齢はかなりアウトなのですが、こういうのはけっこう好きでよく親に隠れてみています。次回作期待しています! ちなみに、僕は二次元者であります! -- [[アンジェラス]] &new{2009-06-01 (月) 01:48:16}; - とてもおもしろいです! 僕は、年齢はかなりアウトなのですが、こういうのはけっこう好きでよく親に隠れてみています。次回作期待しています! ちなみに、僕は二次元者であります! -- [[アンジェラス]] &new{2009-06-01 (月) 01:49:35}; - そのスパイス、じっくりと味わいたいのでゆっくり話しを練ってください! -- &new{2009-06-22 (月) 22:00:41}; - ↑↑↑の名前 -- [[アキ2]] &new{2009-06-22 (月) 22:03:13}; #comment IP:133.242.146.153 TIME:"2013-01-30 (水) 14:09:05" REFERER:"http://pokestory.rejec.net/main/index.php?cmd=edit&page=%E5%B9%B8%E3%81%9B%E9%85%8D%E9%81%94%E4%BA%BA%E3%80%80~%E5%B9%B8%E3%81%9B%E3%80%81%E8%B6%B3%E3%82%8A%E3%81%A6%E3%81%BE%E3%81%99%E3%81%8B%EF%BC%9F%28%E5%BE%8C%E7%B7%A8%29" USER_AGENT:"Mozilla/5.0 (compatible; MSIE 9.0; Windows NT 6.1; WOW64; Trident/5.0; YTB730)"