ポケモン小説wiki
変態郵便配達 の変更点


山をひとつ越えるとそこには小さな町があった。  
いつ来ても爽やかに吹く風は新芽と花々の香りを運んでくる。  
町の通りでは小規模ながらも賑やかなバザーが開かれ、新鮮な木の実や魚、手作りの雑貨などが売られている。  
だが、山の向こうから遥々やって来たオドシシは、観光や買い物に訪れたのではない。  
白い肩掛け鞄を首に提げたそのオドシシを見たはピカチュウは、  
「オドシシさん、ごくろうさま」  
と優しい声をかけた。  
「こんにちはピカチュウさん。お手紙が届いていますよ」  
笑顔を交わしたオドシシは鞄から手紙を取り出し、ピカチュウに手渡した。  
オドシシは郵便配達の仕事をしており、このようにして手紙を待っているポケモン達に一連の流れを行うのが日課であるのだ。  
「あら、郵便屋さん。この手紙を届けてくださいな」  
「はい、お任せください!」  
「いつも助かるわぁ。あ、これ持ってって!」  
バザーを開いているガルーラは時々店の商品をくれる。  
ガルーラはオドシシの鞄に大きく真っ赤に色付いたリンゴを入れた。  
「これは美味しそうなリンゴですね……ありがとうございます!」  
「いつもお世話になってるからねぇ。こんな辺鄙な所、来るのも大変でしょう?」  
「とんでもない、僕は皆さんの笑顔を見るのが楽しみなんですから!」  
オドシシは仕事に真面目で信頼も厚く、この町のポケモン達からとても愛されていた。  
手紙を届けると、どんなポケモンであってもこの町に活気が溢れるのであった。  
 
 
町中のポケモン達に手紙を配達し、郵送を承り終えた頃、オドシシにはまだ仕事があった。  
これより先に町はなくただの山しかないのだが、踏みしめられた草は薄っすらと下の地面の色を見せていた。  
実はこの道に用事があるのだ。  
オドシシは腰を下ろし、鞄の中のリンゴを食べて腹を満たし、上流から流れている湧き水で喉を潤した。  
暫しの休憩の後、オドシシは道を歩き始めた。  
脇に生えている花は歓迎するかのように風でなびき、短い草も今から行く方向へと風で流れた。  
それらは目の保養となり、眺めているとあっという間に目的地へと着いてしまう。  
目的地とは丘の上にあり、すぐ先は崖となっている場所である。  
そこには一軒だけ家があった。  
土で作られたドーム状の家は周りの景観に不釣合いな気もするが、外見は新しく小奇麗だ。  
オドシシは花のリースで飾り付けられた扉を前足でノックし、  
「ごめんくださーい」  
と挨拶をした。  
「はーい、どなたー?」  
扉の向こうからは少し甲高いメスのポケモンの声が聞こえる。  
「こんにちは、郵便屋です。お手紙を届けに参りましたー」  
その声に待ってましたと言わんばかりにすぐに扉が開き、その家に住んでいるオオタチが姿を見せた。  
「まぁ、よくいらっしゃい。どうぞ、ゆっくりしていって」  
「いえいえ、お構いなく……」  
「何言ってるのよ、いつもそうしてきたじゃない」  
「そうですか、それではお言葉に甘えて……」  
オドシシはオオタチに勧められ、毎度のようにして彼女の家へと入っていった。  
家の中に入れ、オオタチが扉を閉めた時に、扉のリースが大きく揺れた。  
 
家の中は綺麗に整頓されていて、オオタチが手作りをした小物で素敵に飾られている。  
ふかふかとした藁のクッションにオドシシを座らせ、オオタチは地下に掘られた食料庫へきのみを取りに行った。  
幾つかきのみを絞り、その果汁に花のエキスを加え、山の天然水で濃さの調整をする。  
オドシシが飲みやすいよう、木で出来た皿のような器に注ぎ入れ、オドシシの前へと置いた。  
「特製ジュースよ。最近はブレンドするのに凝ってるの」  
「そうですか、それではいただきます」  
オドシシが器に口を付け、上品に味わってジュースを飲んだ。  
飲み終えるのを待たずに、オオタチは待ちきれない様子でオドシシに催促した。  
「ねぇ、手紙って誰からかしら?」  
もう本当は送り主は分かっているような、そんな笑顔を隠しきれないでいる。  
口を離し、オドシシは柔らかく微笑んで、  
「えぇ、旦那様からですよ」  
と言うと、オオタチの顔が更に大きく華やいだ。  
「あちらでも元気になさっていましたよ」  
オドシシは一通の封筒を取り出し、オオタチへと差し出す。  
受け取る時は光の速さで、しかし奪い取るのではなくあくまで上品に。  
葉の封筒から木の皮の便箋を出し、脇目も振らずにそれに目を落とす。  
それを見てオドシシは小さく笑った。  
 
 
彼女、オオタチは一年位前から結婚し、この住まいに同居していた。  
オオタチは普通体を生かした細長い巣穴を作って生活するのだが、この周辺に悪いポケモンはいないからと、皆と同じような家に住んでいる。  
離れた場所に建てているのも、厄介者として見られているのではなく、仲睦まじく生活したいからであった。  
ところが、すぐに彼女の夫は山を越えた大きな街での仕事を頼まれた。  
今のところは夫が単身で町で暮らし、暫くの間は手紙でやりとりをすることとなったのだ。  
そこでわざわざこの家まで来て手紙を介してくれるオドシシとも仲良くなった。  
オオタチはよくオドシシを家に招き入れ、お茶を出しているのだ。  
 
 
手紙を読んでいる間、僅かにオオタチの口角が下がったと思うと、読み終えた頃には随分と残念そうな表情を浮かべていた。  
「どうなさったんですか?」  
オドシシが心配して声をかけると、オオタチは少し気を取り直した。  
「何て書いてあったと思う?」  
「さぁ、何て書いてあったんですか?」  
「仕事はまだまだ続きそうだって。……はぁ、早く帰ってきてくれないかしら」  
オオタチは夫のことを溺愛しており、毎回のように寂しくしている。  
言ってしまえば、このことはお決まりのパターンだった。  
「早くお帰りなさるといいですね」  
「そうね……」  
そう言いながらオオタチは細い木の棒とインク、色の薄い木の皮を持ってきた。  
手紙を配達するのには数日かかり、再びこの場へ戻ってくるのは少なくとも一週間後となってしまう。  
そのため、夫からの返事が早く欲しいオオタチは、その日の内に手紙を書き配達してもらうのだ。  
配達を待ってもらうためにお茶を出している、というのも実は家に入れる理由の一つだった。  
オオタチは手紙をすぐに書き終え、大きな乾燥した葉で包み込んだ。  
バラバラにならないよう膠で封をし、封筒に宛名を明記する。  
「切手がなくなっちゃったわ。十枚頂戴」  
「合計800ポケです」  
しかし、オドシシには1000ポケが手渡された。  
「たった200ポケだけどお駄賃にしてね」  
「ありがとうございます……」  
これもいつものことであった。  
鞄のポケットに代金を入れ、切手を渡した。  
まだずっと手紙のやりとりは続くと分かっているのだろう。  
オドシシも変に断って気を触れさせたくなかった。  
オオタチは糊の付いている小さな切手を舐め、封筒の隅に貼り付けた。  
 
オオタチが深い溜息を吐いたかと思うと、急に元気を見せた。  
「なんてね、じゃあ配達よろしくね!」  
オオタチは手を鳴らし、この話を終結させた。  
「はい、かしこまりました」  
全て全ていつものことで、オドシシは安堵の息を漏らした。  
残りのジュースに手をつけ、上品の飲みはやめて一気飲みをする。  
最後に残った汁がズズーッと大きな音を立てた。  
「とても香りがよく美味しかったです。ごちそうさま」  
オオタチはそれに喜び、器を下げた。  
 
片付けるオオタチの後姿をオドシシはずっと見ていた。  
いつもは少し談笑をした後に家を出て配達へと向かう、だが今日は違う決意を胸に秘めていた。  
気付かれないよう気配を殺し、そろりとオオタチの背後へ近づく。  
屈み、オドシシは両前足を上げ、オオタチの体に抱きついた。  
「きゃ!?な、何?」  
この体勢はまさに交尾をする時のものである。  
勃起をしてはいなかったが、腰を上げているオオタチの尻には明らかにオスの存在が感じられた。  
オドシシはオオタチを背後から支え、得意ではない二足歩行を駆使して整えられた藁へと誘導する。  
呆気にとられ状況が飲み込めないオオタチではあったが、ことの意味を理解した。  
「ちょっと!なにするのよ!?私には旦那が――」  
「寂しいんでしょう?」  
オドシシの丁寧ないつもの口調を耳元で囁かれ、寒気が走った。  
それと同時に一瞬だけ胸の鼓動が、直接自分の耳に届いた。  
ビクリと反応する体をオドシシは見逃さなかった。  
「オスをメス一匹だけのご自宅に上げて、今まで何もなかった方が不思議だとは思いませんか?」  
オドシシは首から鞄を外しその辺に放る。  
軽い鞄の情けない音、手紙が擦れ合う乾いた音と、コインのぶつかる高い音が響いた。  
「いい加減にして!このことを皆に言いふらすわよ!っ離して!」  
ヒステリックに叫ぶのも無理はない。  
オオタチはオドシシを振り払い、部屋の内壁まで飛び退いた。  
それをオドシシは一歩一歩着実に追い詰めていく。  
「あのね、オドシシさん。私はずっと友達のままでいたいのよ?だから分かって……」  
オドシシはその言葉に留まりもせず、遂にオオタチの前まで来てしまった。  
ひっ、と短い叫び声で怯えるオオタチの肩と思しき位置に、正面から両前足を置いた。  
 
「僕は貴方が辛い思いをしていることは''おみとおし''なんです」  
「嫌、来ないで」  
「毎晩旦那様を恋しく想いご自分で慰めているのでしょう?」  
その瞬間、オドシシの立派な角に付いている2つの黒い玉があやしいひかりを放った。  
黒、青、紫、赤など様々な色に変化する不気味な光が部屋中に反射する。  
それを見たオオタチはひどく不思議な気持ちになり、呆然として抵抗の気色を失った。  
体の力が抜けたオオタチをオドシシは目を見つめさせるよう、しっかりと体を支える。  
「いっそのこと、僕を旦那様だと思えばいいのです」  
オドシシの目から発せられた微妙な光が辺りを歪め、オオタチの目にその光が映った。  
「僕は貴方の旦那様、旦那様なのです。さぁ、深呼吸をして、目を瞑って」  
目は虚ろとなり、ただそれに従う。  
オオタチの息がオドシシの顔にかかり、そのまま深い眠りへといざなう。  
「今日は貴方を愛するため帰ってきました」  
オドシシはオオタチの目に前足を軽く当て、そしてそれを外した。  
「目を開けて……、さぁ奥様、僕は誰でしょうか?」  
少し黙ってからオオタチはうっとりと蕩けてしまった顔をオドシシに見せた。  
「あなた……」  
完全に自分に落ちてしまったオオタチを見て、オドシシはニヤリと不気味な笑みを見せた。  
「さいみんじゅつの効き目は素晴らしいですね」  
オオタチは、言われたこともオドシシの表情も、何も気付かなかった。  
 
オドシシはオオタチを藁へと連れて行き、仰向けに寝かせた。  
「う、ん……あなたぁ……」  
我を忘れ、唾液が垂れている口にオドシシも口を重ね合わせた。  
「んっ……」  
唾液を掬い舐め、口を開けてオオタチの小さな口を包み込む。  
オドシシの口内に直接吐息がかかり、オオタチの口に舌で割り入る。  
「むふっ、んん!」  
激しく舌をうねらせ、絡ませる。  
お互いの唾液を交換し混ぜ、それが顎に零れていく。  
オオタチは久しぶりの快感に心を震わせ、その振動が彼女の舌にも表れた。  
オドシシ――夫を求めて寂しく震える舌は口内で彷徨い、それをオドシシは甘美に捕らえる。  
 
「いいお顔ですね」  
オドシシは口を引き離し、自分を強く求めるオオタチの目を見た。  
「早く、頂戴……」  
「まぁまぁ、準備はまだですよ」  
オオタチの毛は深いが、腹は比較的薄くなっている。  
そこには幾つかの乳首が存在していた。  
オドシシは複数を覆うよう舌を這わせた。  
「っ……!」  
オオタチの体がゾクゾクと震え始め、体を捩らせた。  
それにとても興奮を覚える。  
「あ……」  
「ほら、我慢しないでくださいよ。ここからじゃ町の方々には聞こえませんから、ね?」  
「ああ!ああンッ!」  
丘の向こうにある家であることに感謝し、オオタチは思う存分に喘ぐ。  
「いやっ!あっあああん!気持ちいいっ」  
「普段はこのように旦那様とエッチをなさってたのですか?本当いやらしいですね」  
オドシシに胸を舐められている間、自らに手を伸ばし自慰行為に耽ってる。  
待ちきれない様子で激しく揺すぶり、そこからは早くも粘液の擦れ合う音がしていた。  
ピンと硬くなったそれはオドシシを誘っているかのようだ。  
むしゃぶると体が仰け反り、更に喘ぎが大きくなる。  
 
「おやおや、もう十分なようです」  
舌を下の方へとずらし、オオタチに手を外してもらう。  
オドシシの唾液で濡れきった舌は、敏感な部分に触れた。  
「ひっ!?ひゃあん!!」  
自分の指では決して味わえない、滑らかな舌の動きに感極まった。  
「だめっ!だめぇ!」  
オドシシはチロチロと徐々に攻め立て、オオタチの様子をじっくりと嘗め回した。  
「久々だからですか?こんなに感じているだなんて」  
心の中で、僕は旦那様ではないのですよ?とふしだらな姿を見せるオオタチを皮肉る。  
「僕は貴方の旦那様、旦那様なのです」  
「ああっ!あなたァ!!」  
魔法の言葉を囁き、何度も何度も陥れる。  
その痴態がオドシシの目には甚だ愚かに映った。  
柔らかな舌でクリトリスを包み、溢れる愛液を啜る。  
「ほう、奥様のジュースも絶品ですね」  
「ああん、言わないでぇっ」  
下腹部をいじらしく捩るオオタチは、どんな卑猥なことを言われても嬉しそうであった。  
「さぁ、僕も気持ちよくなりたいです」  
オオタチの体を起こさせ、オドシシは後ろ足で立ち、オオタチの目の前に突きつけた。  
「舐めてください」  
 
オドシシはオオタチの頭を掴み、大きくそそり勃った自身を目の前に突きつける。  
「大きい……」  
オオタチは小さな手でソレを掴み、愛しさを籠めて優しく撫でた。  
「そうです、もっと大きく硬くしてくださいね」  
オオタチは根元から先端まで、手の動きを速めて亀頭部分を口に含ませた。  
キャンディを舐めるように舌で丁寧に転がし、美味しそうに味わう。  
口内にあるごろごろと、息苦しく塞ぐ存在が堪らなく欲しかった。  
更に奥まで肉棒全体を咥えるように頬張り奉仕した。  
「ああ、気持ちいい……」  
手の代わりに口で上下運動をさせる動きに連動して、オドシシも腰を振り動かした。  
「はむっ、ふ……」  
一層激しさを増したそこから、オオタチの唾液が飛散し辺りは汚れてしまった。  
それも構わず一心不乱で奉仕を続ける。  
「結構お上手じゃないですか」  
オオタチはその一方で再び下腹部に手を伸ばし、自分の行為に耽った。  
「あむっ、んんんー!」  
上では久々の夫を堪能し、下からはいつもの行為がより新鮮な形として快感となり、脳はオドシシの声が夫の声として認識している。  
オドシシの他人行儀である言葉も、脳内では勝手に夫の愛の言葉へと変換される。  
それらは非常に興奮させられるものであった。  
 
上はぐちゃぐちゃと下品な音を出し、オドシシに気持ちよくなってもらうため動く。  
予想以上のものに、オドシシは溜息を漏らし快感を味わった。  
だが、長く楽しんでいるわけにはいかない。  
腰の振りを止めオオタチの口から己を取り出す。  
細い糸を引き、撫で繰り回されていた感覚もなくなった。  
早く続きをしたい気持ちが強くオドシシを動かした。  
オオタチを後ろに向かせ、尻を高く上げさせる。  
尾の付け根に触れると、自然と長い尻尾が持ち上がり、受け入れる体勢をとる。  
「挿れますよ、奥様」  
尻とアソコはヒクつき、オスの侵入を待ち焦がれている。  
体は大きいように見えたが、尻尾を差し引くとオドシシにとっては小動物に近いくらいだった。  
「ああん、早く入れてぇ!」  
高々と突き出された腰をがっちりと抱え、オドシシも腰を近づける。  
「もうこんなに濡れていますよ?」  
肉棒を股に擦りつけ、クリトリスに更に刺激を与える。  
オドシシ自身にも快感が加わり、それだけでも十分なくらいであった。  
「いやぁん、焦らさないでぇっ」  
「本当にいいんですね?」  
「早くぅ!」  
最も濡れて溶けている部分に運び、一気に身を押し込んだ。  
 
「ああーーーーーっ!」  
熱く締まった中をオドシシが突き進み、あっという間に奥まで到達した。  
「ふっぁ……」  
「ああ、絡み付いて堪らない!蕩けちゃいそうです」  
オドシシはガツガツと中を貪りオオタチを侵食していく。  
愛液で溶けた内壁がオドシシを締め付け、耐え難いほどの快感を生み出す。  
「ああん!気持ちいい!!あなたぁンっ、はぁっあん!そこぉっ!」  
オオタチが身を善がらせるポイントを重点的に擦りつけ、官能を高めていく。  
「あふ、もっとぉ!奥まで突いて!」  
体のぶつかる音と水音が部屋に響き、なんともいやらしい空間へと変化させているのだ。  
 
徐々にオオタチの中が痙攣を始め、オドシシを呑み込んでいく。  
腰の動きを速め、奥の奥まで大きな自身で突き、オオタチを存分に楽しませる。  
卑猥に叫ぶオオタチを支配する感覚がとてもよかった。  
「やぁっ、おちんちん気持ちぃっ!大きいぃうぅん!もっと欲しいのぉ!」  
オオタチも堪らず腰を振り、中の摩擦がより強くなった。  
締まりも強くなり、そろそろ限界のようだ。  
「そろそろ、っいきますよ……」  
オドシシは体勢を持ち直し腰をがっしりと挟み込み、体全体を使って動きを激しくした。  
その瞬間にオオタチの奇声が上がったのだが、構わず腰を進めていく。  
止まることを知らずに内部を掻き混ぜ、強い突き上げを繰り返す。  
「はっあぁァッ!イっちゃうイっちゃう!」  
「くっ!」  
今にも達してしまいそうな体に鞭を打ち、オオタチを壊すかの如く乱暴に揺する。  
それが双方の強い快感となり、体の震えがビクビクと大きくなった。  
ゾクゾクと快感が立ち昇り、気持ちの高ぶりも最高潮に達した。  
「最愛の方に抱かれ、っ、さぞかし気持ちいいことでしょう!僕もっ、思うがままにするということは最高です!」  
「ひっ、ああっ、ああんああん!イクイクぅ!!」  
オオタチは体を大きく仰け反らせ、絶頂を迎え入れようとしている。  
オドシシは弾ける寸前の自身を高く突き上げ最奥に貫くほどの勢いを与えた。  
「ああっ!あああーー!」  
オオタチの体が大きく跳ねた瞬間、オドシシのモノがギチギチに締め付けられた。  
「ううっ……!」  
腰を数回振り、白濁した精液を全て子宮へと注ぎ込んだ。  
オドシシはオオタチと巻き添えにして倒れこみ、肩で浅い呼吸を繰り返す。  
抜くと混ざり合った体液が零れ、藁を汚した。  
「はっ、ふぅん……あなた……」  
オオタチは中にあった夫の形を思い出し、余韻にいつまでも浸っていた。  
 
 
「このことは旦那には内緒にしてね……」  
我に返っても、オドシシと交わったことだけはバッチリと覚えていた。  
「えぇ、勿論ですよ」  
オドシシは先ほどとは裏腹に爽やかな笑顔を見せた。  
オオタチは汲んできた水を口に含み、汚れを水と一緒に洗い流した。  
無味である水からはっきりと透明感と清涼感が感じられた。  
乾ききった喉を潤し少し気持ちを落ち着かせる。  
「そういえば、200ポケお返しします」  
オドシシは落ちている鞄を引き寄せ、中から2枚コインを取り出した。  
「これが私の値段だっていうの?」  
オオタチは不服そうにオドシシの顔を見た。  
「まさか!バザーできのみを買って、またジュースを作ってくださいってことですよ」  
また配達の際には行為をしたい、考えていることはおみとおしだった。  
「分かったわ……」  
半分騙されたにしてもオオタチにとっては満更でなかった。  
オドシシの前足をしっかりと握り、たった200ポケの輝きに酔い痴れていた。  
 
「では、そろそろ仕事に戻りますね」  
オドシシは首に鞄を提げ、自分で家の扉を開けた。  
オオタチは藁の上で見送り、旦那によろしくね、と伝えた。  
「ええ、ではお邪魔しました」  
扉が閉まると嘘みたいに静けさを取り戻した。  
 
山を越え鬱蒼とした森を抜けること数日、大きな道が現れ、オドシシはその上を沿って歩いた。  
やがて大きな町が見え、大規模な露店で賑わっていた。  
「あ、郵便屋さんだ!こんにちは」  
「こんにちは、ナゾノクサさん。お手紙が届いていますよ」  
「わーい、ありがとう!」  
オドシシは丁寧に一匹一匹に手渡しで回り、この町でも誠実なオドシシは人気者であった。  
 
オドシシはある一軒の家の前まで来た。  
家は丸太で出来ており新しく、周りには美しい花が植えられている。  
「ごめんください。郵便屋でーす!」  
扉をノックし大きな声で挨拶をすると、若いメスのオオタチが扉を開けてくれた。  
「ごくろうさま。どうぞ入ってください」  
「いえいえ、お構いなく……」  
「何言っているんですかぁ、いつもそうしてきたじゃないですか」  
「そうですか、それでは……」  
迎え入れられて家に入ると、広い部屋にオスのオオタチ、夫が木のテーブルに肘をつき、踏ん反り返っていた。  
「やぁ、オドシシさん。どうぞ座ってください」  
オドシシは席に案内され、木のイスに座った。  
「しろいグミがたくさん手に入ったんです。好きでしょう?どうぞ摘んでってくださいよ」  
メスオオタチは立派な木の器に溢れんばかりのグミを入れ運んできた。  
「ありがとう、いただきます。ところで、お手紙が届いていますよ」  
オドシシがテーブルの上に何通か手紙を出すと、夫は一通の封筒を発見した。  
「お!また来たな」  
双方のオオタチはニヤニヤと卑しい顔でその封筒を見ていた。  
手紙を取り出し、馬鹿にした表情を含み笑いながら手紙を読んだ。  
その間、オドシシはしろいグミを美味しそうに味わった。  
 
手紙を読み終えた頃、メスオオタチが口を開いた。  
「ほんと、今回も懲りない手紙だったわね。ねぇ、いつ別れるのー?」  
「何言ってる。お前もこの馬鹿な手紙を楽しみにしているじゃないか」  
そう言ったついでにオドシシが見ているのを憚らず、キスをした。  
「今はお前といるんだ。この町にいる間はずっと一緒だよ」  
はにかみながらメスオオタチは、そうね、と呟いた。  
オドシシに至っては日常茶飯事のことで、特に気にもしなかった。  
「今回も私が書くわね!『君を想うと夜も眠れないよ』……」  
「そりゃいい。まぁ僕は君を今夜も寝かせないがね……」  
オスがメスの顎を優しく持ち、顔を見合わせ大声で笑った。  
 
 
「では、配達お願いしますね」  
「ええ、かしこまりました。それと、グミもごちそうさまでした」  
オドシシは受け取った手紙を鞄に入れ立ち上がり、メスオオタチに扉を開けてもらった。  
「あ、ちょっと」  
扉を出ようとした時、夫に呼び止められた。  
「何度も言うようですがこのことは妻に内緒にしてくださいね。仕事はとっくに終わっているということも」  
オドシシは揺るぎのない目で夫を見て、堂々と答えた。  
「勿論!簡単に秘密をばらすようでは、郵便屋の仕事は務まりませんから!この仕事はお客様との信頼関係が最も大切なのです」  
その様子を見た夫はとても安心した笑みを浮かべた。  
「じゃあ、よろしくお願いしますね」  
オドシシは挨拶の代わりに微笑み、メスオオタチが扉を閉めるのを見届けた。  
その扉が閉まる瞬間、オドシシの笑みがニヒルな笑いに変わったことに気付いた者は、誰もいなかった。  
そしてオドシシは、郵便屋の仕事へと足を向けた。  
 
 

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