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変態ってなんなんだ!? の変更点


#include(第四回帰ってきた変態選手権情報窓,notitle)

writer is [[双牙連刃]]
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「主様! 教えて欲しい事があるんです!」

 事の発端は、俺の二匹しか居ない手持ちポケモンの一匹、コジョンドの紫天(シテン)のこんな一言からだった。
 シテンはコジョフーの時に出会って、なんでか俺に懐いてしまったから捕まえて手持ちにしたポケモンで、進化する前からよく人間の事や、人が使う言葉や文化の事を聞いてきた事があった。だから、今回もその類だと思ったんだ。

「どうした?」
「変態って、どういう人の事を言うんですか!?」

 変態という単語を聞いて俺は盛大に飲んでいた牛乳を鼻から吹いた。ぐはぁ、鼻が、鼻が痛い。

「んぶぇっふぇ!? し、シテン!? 急になんて事聞いてくるんだ!?」
「え? 変な事でした? テレビを見てたら変態って言ってるのを見掛けて、タマモさんに聞いたら主様に聞いたら面白い事になるから聞いてみろって……」

 ほほぅ、純粋無垢なシテンがなんでこんな事を急に聞いてきたかと思ったら、お前が犯人かタマモ! まぁ、興味を持ったのはシテン自身が思ったようだけど。
 で? けし掛けた自分はこっちをチラ見しながらニヤニヤしてるとは良いご身分だなタマモ。ちょーっと質問をさせてもらって、事と次第に寄っては説教に発展するぞこの野郎。

「はいタマモさん? ちょっとこっち来て事情を説明してもらおうか?」
「なんじゃマスター? 人間の言葉については人であるお主の方がよく知っておるだろうと思ってシテンにそう伝えただけじゃが?」
「とかなんとか言いながら何故視線を合わせようとしない? そしてなんで笑いを堪えているのかな?」
「ぷっ、くくく……いやだって、聞かれた途端に鼻から牛乳を吹くなんて物を見せられたらそれは、なぁ?」
「やっぱりそれ狙いのわざとじゃないか! 何がなぁ? だ。急に無茶ぶりをされる俺の身にもなれ!」
「え? え? 変態ってそんなに難しい事なんですか主様!?」

 うっ、本気で心配している視線が俺にビシズバと刺さる。それはまぁ、一応説明は出来なくもないけど、変態の事なんて教えてもいい物なのかな? ……教えるだけなら、そう心配もないかな。


 --変態ってなんなんだ!?--


 ……という事があり、俺は自分の手持ち二匹目であるキュウコンの玉藻(タマモ)の策略によりシテンに変態とはどういうものかを説明しなくてはならなくなった。
 正直、ニュアンスとしてはなんとなく分かるけど、説明をしろと言われるとかなり困惑してしまう。が、シテンがワクワクした表情でこっちを見ている以上、何かしらの説明はしなければならないだろう。

「変態……変態なぁ?」
「やっぱり難しいんですか?」
「うーん、口で説明するのが難しいというかなんと言うか……」
「まぁ、マスターは変態なんて言葉と無縁なドノーマルじゃからな。よく言えば普通、悪く言えば面白みの無い人間じゃなぁ」
「そこの狐、飯抜きにされたくなかったらそれ以上の発言には気を付ける事だな」
「なんじゃ、これくらいでむくれおって。狭量な奴じゃ」

 む、ムカつく……この余裕たっぷりでこっちをおちょくってくる奴が、俺の何処に興味を持って俺の手持ちになったのか、今でもミステリーで仕方無い。
 が、言ってることが外れてないのも確かだ。自分で言うのもあれだが、俺は特殊な性癖も無ければ奇行に走るような精神状態になってもいない。つまり、世に言う変態という者とは対極に居るごく普通の人間なのである。

「まぁタマモの事は置いといて」
「ちょっ」
「変態って言うのは、そうだなぁ……他の人よりも際立って違うところがある人、の事かな? それっぽく言うと」
「? 主様、際立って違うってどういう事ですか?」

 例えば、両手の人差し指だけで逆立ちをして、満面の笑みでその辺りをその状態のまま歩き……というかはどうか分からないけど、そんな状態で動き回っている人が居たらどう思うだろう?

「変な人です!」
「ストレートだな。まぁ、その変な人って言うのが、所謂変態だな」
「なるほど、なら変な人の事を変態って呼ぶんですね」
「うーん……まぁ、そういう認識で外れてもいないかな。でも、変な人だからって『あの人変態だ!』なんて言っちゃダメだぞ? 失礼だからな」
「はい、分かりました」

 うんうん、素直でよろしい。シテンのこの素直さが、少しでもタマモにあれば良かったんだけどなぁ。まぁ、今更言っても仕方無い事だけどさ。
それにタマモの奴は、ある意味では素直だしな。ただし、自分の欲求に対してとは付くけど。

「なんじゃ詰まらん説明じゃ。もっと面白くなるかと思っとったのに」
「なんで変態の説明が面白くなるんだよ」
「そりゃあマスターが『知りたいか? なら、教えてやるよ!』と言いながらシテンにじゃな」

 ……このIN-LAN狐め、そんな事を考えて俺にシテンをけしかけてたか。生憎俺はポケモンをそういう捌け口にするようなそっち系の人間ではありませんの事よ。

「? タマモさん、主様が私に何をするんですか?」
「それはな」
「言わせねぇですよ? 大丈夫、俺がシテンに何かする事は無いし、変態の説明とは関係無いから」
「は、はぁ……」
「ちぇー、詰まらんー」
「お前を面白おかしくする為に俺は居るんじゃないっての」

 全くこのアブノーマル狐は、どうしてこうも話をそっちに持って行こうとするかな。俺はポケモンにそんな事をするような気にはならないっての。
俺とタマモの会話について来れてないシテンは、頭に疑問符を浮かべながら首を傾げてる。これ以上おかしな事を聞かれないように、ここは敢えて触れないでおこう。
時計を見ると、時間は正午の少し前だった。口実にもなるし、昼飯の用意でも始めようか。

「とりあえず今はもういいな? 昼飯の用意するから少し待っててくれ」
「あ、はい! 分かりました!」
「ちっ、逃げられたか」

 この狐は、本当に何を期待してるんだか。困ったものだよ。
とは言え、こうして一緒に暮らしてるんだからこれくらいは慣れたもの。奴もそれ以上のおかしな事をしないから、いつもこうして適当にあしらって終わらせてるんだ。
なんて余計な事を考えてないで、さくっと昼食を作っちゃいますか。またタマモが変な事をシテンに吹き込む前にね。

 ……滞り無く昼飯を終わらせて、俺は今家にある作業場、という名の自室で仕事をしてる。あいつ等に構ってやってるだけじゃ、頭数3つの食費を稼ぐのは無理だからし。
俺の仕事は、人の着る服やポケモンをオシャレさせたいっていうトレーナー達の要望を叶えるアクセサリーなんかのデザインを書き上げて、それをメーカーに提出する……つまりはデザイナーって奴だよ。
この仕事が俺達の生命線だと言う事を二匹も理解してるらしく、部屋の前にあるプレートを仕事中にしておくとあいつ等は大人しくリビングでテレビでも見ているらしい。前に軽く様子を見に行った時の様子のままだとしたらだけど。
さてと、今日の内にデザインプランだけでもメーカーに10件くらい送らないとならないんだし、せっせとペンを動かさないと。なんて言っても、もう9枚は出来てるからいいんだけど。
この中から形になる物が出るかは分からないけど、これでも一応日の目を浴びたアクセサリーや服を手掛けた事もあるし、生計を立てられる程度には稼がせてもらってるよ。
……ん、プラン企画だし、着色やそこまでの書き込みは要らない事を考えるとこんな物かな。ビビヨンをイメージしたリボン、今回はポケモンともペアで身に付けられる物ってコンセプトでイメージしたから、ポケモン側のバッチ式の物もセットで書いておく。
よし、10枚目はこんなところだ。後はこれまでに書いた分と一緒にFAXして、メーカーの御眼鏡に適うのを待って、来たら本デザインを書いて出す。10枚目のビビヨンリボンは悪くないと思うんだけどな。

「ふぅ……待って二日ってとこかな」

 無論俺以外にもデザイナーは居る。そっちからもデザインプランは出されるだろうし、何が選ばれるかは作るメーカー次第。こればっかりは大人しく待つしかないんだよなぁ。
さて、仕事も一段落付けた事だし、部屋のプレートを仕事中から変えてくるか。しておく意味も無いし。

「おっ、と。マスター、仕事は終わったのかの?」
「ん? なんだタマモ、部屋の前で待ってたのか? あぁ、後は正式に依頼が来るのを待つだけだよ」
「そうか。……のぉ、お主の部屋に少し入っていいかの?」
「俺の部屋に? どうかしたのか?」
「べ、別に大した用ではないんじゃよ? ただ、たまにはのんびりお主と話でもしたいなーなんて思っただけでじゃな」

 ふぅん? 話ねぇ。まぁタマモは昼前みたいな事が無ければ、落ち着いててこっちを困らせるような事は無いし、別にいいか。

「そういう事なら、別にいいぞ。あれ、でもシテンは?」
「シテンはーいや、テレビを見てる内に寝入ってしまってな。今は昼寝しておるよ」
「そうか。それならそっとしておくか……ほら、入れよ」
「うむ、邪魔するぞ」

 九本の尻尾を優雅に揺らしながら、タマモが俺の部屋に入ってきた。シテンが起きてきた時の為に、部屋のプレートは変えておくかな。
仕事机以外は綺麗だし、タマモが何処に居ても問題は無いか。俺は、仕事机の椅子にでもまた座ろうか。

「うむ、整頓されていて、相変わらず落ち着ける良い部屋じゃ」
「それはどうも。と言っても、他の部屋もそう変わらないだろ?」
「いや、ここはお……んん、日当たりも良いし、なんだかホッとするように感じるんじゃよ」

 んー、これはタマモの感じ方次第だし、俺がとやかく言う事でも無いだろう。こいつがそう言うのならそうなんだろう。
話しながらタマモは、ふわりと俺の使ってるベッドに乗った。そりゃあ床よりも柔らかいだろうし、そっちに居る方が楽か。
おっとそうだった、タマモの奴俺と話がしたいとかでここに居るんだったな。何か聞かないと。

「それで、俺に話ってなんなんだ?」
「ん? お、おぉ、そうじゃったな。いやその、本当に大した事ではないんじゃが……」
「うん」
「マスターはその、わしの事をどう思っとる? 煩わしくは思っておらんか?」

 なんだかそわそわしてるようだけど、急に重めの発言をしてきたな。煩わしくなんて思ってたら、一緒に生活なんてしてないって。

「そんな訳無いだろ? そう思ってたら、とっくの昔に家から追い出してるって」
「じゃあ、どう思ってるんじゃ?」
「同居者……とか? 滅多に無いけど、バトルの時には頼りになるし、話してて面白いとは思うしな」
「それだけ、か?」
「ん? うーん、それ以上は特には」

 あら、なんだかしゅんとしちゃったな。悪い事言ったか? 別に嫌いとは言ってないしなぁ?

「はぁ……なんでわしはこんなにも普通の奴にこうなってしまったのかのぉ……」
「な、なんだよ。わしを連れていけって言ってきたのはそっちからだったろ? それを」
「別にマスターが悪いと思った事は一度も無いわい。早とちりするでない」

 お、おぅ……ならさっきの意味深な一言は何なんだと聞きたいところだが、俯かれるとそうも言えないじゃないか。

「……マスター、わしの傍に来てはくれぬか?」
「うん? まぁ、いいけど?」

 今度は一体なんなんですかね? 全く、今日のタマモはよく分からんな。
呼ばれた通りに、タマモが居るベッドまで行って腰掛けた。自分から呼んでおいて、こっちを向こうとはまだしてないけどな。
不機嫌では無さそうだけど、様子がおかしいからそのまま頭を撫でてやる。こうすると、今までどれだけ奇行に走っていても大人しくなるのは分かってるし。

「ふふっ、お主の手……やはり、温かい」
「炎タイプのキュウコンさんには負けるだろうけどね」
「じゃがな? 今のわしにお主がこうして触れる事がどれだけ危険かは、分かっておらんようじゃけどな」
「は? な……」

 危険と言われて、どういう事か聞こうとした俺の口は、柔らかくて温かい物で塞がれた。
それと同時に、優しいシャンプーの香りが鼻先に広がる。これは、タマモに使ってやってるシャンプーの、ラベンダーの香り……?
!? ってな、こ、タマモの唇が俺に触れてる!? な、何してるんだこいつは!?

「んっ、マスター……お主は優しい良い人間じゃ。じゃが、傍に居る者の心の揺れ動きには特に疎い。わしがこうもお主を思っておるなんて、微塵も思った事が無いじゃろう」
「お、おま、急に何をしとるんだ! 驚くだろ!」
「ほらそれじゃ。今のだって、大方じゃれついてきただけじゃと思っておるじゃろ? わしはな、マスター? こうしてお主の香りを傍で感じるだけで昂ぶってしまう程に、お主を好いている。出会った時からこの気持ちをずっと燻らせて来たというのに、お主は何もしてくれなんだ」
「好いて!? ば、馬鹿言うなよ、俺は人間でお前はキュウコン! そもそも恋愛対象と思わんものだろうが!」
「じゃから今まで何も言わずにちょっかいだけ出してきたんじゃろうに! じゃがもういい加減我慢は嫌じゃ! 昼前にだって焚付ようとしたのを流されたし! と言っても、あのままシテンと懇ろになられても不味かったが……」

 無計画か! って言うか待て、だから俺にはそういう趣味は無い!

「なる訳無いだろ! 俺はポケモンにそういう事を求めるような変態じゃないし、そんなに飢えてもいない!」
「じゃからわしは困っておるんじゃ。だからして、こちらに引き摺り込む事にした。どうせわしもマスターに惚れた身じゃ、今更どう染まろうが構わん」
「いや構えよ! 将来的に他のポケモンと子供を作ろうとか家族になろうとか思わんのか!」
「家族ならばお主が居るではないか。妹のようなシテンも居るしの。後は、お主から愛されれば、わしは他に何も要らん。……わしは……主を愛したいんじゃ……」

 うっ……そんな風に目を少し潤ませながら言われたら、後に続く言葉を続けられなくなるじゃないか。タマモの奴、まさか本気でそう思って……?
なんて考えてると、またタマモの顔が近付いてくる。ど、どうしよう、本来なら絶対に拒んで諭すべきなんだろうけど、あそこまで言われるとそれをしていいのかどうかが俺の中で疑問になる。迷ってる間にもタマモはどんどん近付いてくるし、どうする? どうするのが正しいんだ!?

「んっ……」

 ……結論を出すのが遅かった。結局、俺はどうする事も出来ずに何もしないまま、またタマモの温かさを感じる事になった。
相手は人間じゃない。こんな事は今すぐ止めるべきだって叫ぶ俺の声と、もう6年も前から一緒に暮らしてるタマモを拒んでいいのか? って問いかけてくる俺の声が内から聞こえる。あぁ、因みにシテンとは、タマモと出会った半年位後に出会った。なんて、今はそんなところに考えを逃避させてる場合じゃなかった。
行き場が無く右手が中途半端なところで止まってる。それをタマモに添えて、そこからどう動かせば分からずに。

「んふぅっ、主、主よ……」
「んん、んー!」

 タマモからの力が強まって、腰掛けた状態からベッドに倒れ込んだ。タマモは夢中になってるのか、俺の体勢なんてもう気にしなくなってるな、これ。
倒れた一瞬に力が緩んで開いた口目掛けて、タマモは執拗に口付けをしてくる。それが不味かった、隙を突かれて俺の口の中にぬるりとした何かが滑り込んできた。どう考えても、タマモの舌だよな。
口内にタマモの匂いが広がって、ぬるぬると舌が這いずり回る。俺の舌を捉えては、執拗に絡みついてくる。ダメだ、ダメだと叫ぶ声が遠ざかっていって、頭がぼんやりしてきた。
こんな濃厚なキス、今まで生きてきた中でした事なんて無い。だからか、未知の感覚に、心地よさに気持ちが支配されていくのが分かる。深くタマモの唾液を飲まされて、本当におかしくなってきたのかもしれない。

「んっ、はぁっ、んぅ……」
「んちゅ……ふふっ、主よ? わしを抱いたという事は、もうお主をわしの物にしていいと解釈させてもらうぞ?」
「んくっ、え? ……!? あ、いやこれは!」

 しまった、キスに夢中になってる間に俺は、タマモを抱き寄せるようにして抱いてた。体勢も楽なように、完全にベッドに横になるようにしてるし。
違うと言おうとした口にまたタマモの舌が入り込む。ダメだ、これをやられるともう拒否が出来ない。
くちゅ、ぬちゅって音が耳に聞こえる度に、俺の中で何かが消えていく。息継ぎの為にお互いの吐息を感じるだけで、もっともっとと求める俺が表に現れる。……俺だって男だもの、幾ら相手がポケモンだと分かってても、こうした性的な接触をされれば性欲へのブレーキを続けるのは難しい。ましてやこんな濃厚なキスは味わった事が無い。未知なる感覚をもっと味わいたいと思ってしまってもおかしくない。
なんて自分への言い訳を頭の隅で思いながら、よりタマモの温かさを感じる為にタマモを抱き直した。俺の理性は快感の前に白旗を上げた。
お互いの舌を絡ませながら、お互いの吐息と唾液を交換して飲み下す。だんだん、俺の中がタマモに染められていく感覚。もう、拒むなんて考えられない。
口を離すと、いつもよりずっと優しく俺の事を見つめてるタマモがそこに居た。普段の茶化したような感じの無い、本当に愛しい者を見ているような、そんな視線。こいつは、人である俺を本当に……。

「マスター……」
「そんな風に見られると、その……どうするんだよ、その気になったら」
「いいんじゃよ。わしは、お主が愛してくれると言うのなら、後悔はせん。主よ、わしを……愛してくれるか?」

 抱き締めて、タマモの頭を撫でてやる。あぁ、ほんの少し前の俺なら絶対にしないような、後戻り出来ない選択をしようとしてる。
タマモに一旦降りてもらって、身に付けていた服を脱いでいく。今ならまだ間に合う、まだ、そう呼ばれる一歩手前で事を終わらせられる。けど、この体に点ってしまった火が、もう収まらないんだ。
裸になって、俺はまたベッドに横になった。その上に、なんの躊躇いもなくタマモは乗ってくる。あぁ、俺は踏み込んでしまったようです。ポケモンに欲情してしまうタイプの……変態という奴に。

「口付けだけでそんなに愚息を大きくさせるとはのぉ。おぉ……思っていたよりも随分と立派ではないか」
「どんなのを想像してたんだよ……」

 なんて言いつつ、俺は俺の息子を見れるように乗ったタマモの一部に視線を奪われていた。俺の息子がこれから収まるであろう、タマモの牝の部分に。
さっき俺の事を言ってたが、自分だって湿らせてるじゃないか。見てるだけで分かるんだから、俺よりスイッチ入ってそうだな。
その視線の先にある割れ目を、そっと指で撫でる。ピクンと反応して、タマモの尻尾が一瞬緊張したように立った。

「ひゃん!?」
「自分だってこんなにしておいて、俺だけそうなってるように言うのはフェアじゃないんじゃないか?」
「むぅ、なんの一言も無しにわしの大事なところに触れるのもフェアとは言わんじゃろ」
「それは失礼した。けど、どうなんだ? どうも自分からここを俺の目の前に持ってきたようだけど」
「はぁ、んぅぅ……言わずとも、分かるじゃろ? あんっ」

 喋りながら右の人差し指をタマモの中で遊ばせる。指が動く度にタマモはピクリと反応して、九本の尻尾がゆらゆらと揺れる。って事は、お喜びのようだな。
指から感じるタマモの感触は柔らかくて、でも絡みつくように熱い。この中に俺の物が収まると思うと、嫌でも鼓動が速くなる。自分でもはっきりと分かるくらいに、ドクドクと。

「ん、あぁぁ……あぅぅ!」
「凄いな、指だけでもうトロトロじゃないか」
「じゃって、ずっと、ずっと主とこうしたかったのじゃもの。もう、抑えられん!」
「うぉっ!?」

 唐突に俺の物が熱に包まれた。さっきまで口の中で味わってた感覚だから分かる、俺の物に絡みついてきているのはタマモの舌。なら、俺の物が今何処にあるかは当然、タマモの口の中って事になる。
舌が絡みつく度に、全てを吸い取ろうとするように吸い上げられる度に体の力が抜けていく。目には目を、局所への刺激の仕返しは同じ場所へって事か。
となれば、タマモが俺の物をくわえ込んだと言うのなら同じことをしてやらないとフェアじゃない、か。幸い、タマモの割れ目はほぼ目の前にある。口が届かない距離じゃない。
少しも躊躇う事無く、俺はタマモのそこに舌を這わせる。タマモがびくりと震えて尻尾が俺に垂れ掛かってきたけど、さらさらとして毛並みはそこまで擽ったいとも思わなかった。
俺が割れ目を舐めると、タマモも負けじと俺の物を舐め上げる。こんな状況、絶対に第三者には見せられないな。ポケモンと一緒にお互いの秘所を舐めあうなんて、どう考えても常識がある者がやる事じゃない。
つまり、俺の中にある常識って奴は、現在殆どの活動を休止してるらしい。休止してるだけであって、破綻してない事を祈るばかりだ。
タマモの秘裂から溢れる愛液を啜って、より深く味わう為に割れ目に舌を侵入させる。もう、自分が人なのか獣なのかもあやふやになってきた。ただ、愚息からの快感で理性は白く染められて、目の前の一匹のキュウコンを求める感情だけで染められていく。
今はただ、タマモとこうしていたい。タマモを感じていたい。タマモを……愛したい。

「ぷはっ! ま、ますたぁ……舌では足りんよぉ……わしに、主を……いや、わしを、わしの中を主で満たして……」
「……いいんだな?」
「わしが望んだ、わしを捧げると決めた相手は、主じゃ」

 くるりと体勢を変えて、タマモの顔が現れる。それと同時に、俺達の唇は重なった。本当に、俺は鈍いのかもな。ここまでの想いを持っている相手の事を、こうなるまで分からなかったんだから。
短い口付けを終えて、体を俺に預けてきたタマモを抱き締める。どっちの秘所も準備が出来てるんだから、後はそうするだけだ。
タマモの割れ目に、俺の物を充てがう。触れただけでその柔らかさを感じて、また鼓動が早くなる。早く、早くこの柔らかさを味わいたい。今は、それしか考えられない。
押し広げながら、ゆっくりと俺の物がタマモの中へと入っていく。熱い、それに吸い付いてくるように締め付けられる。

「んっ、あ……入って、くる。わしの中に、マスターが」
「あぁ、凄く気持ち良いよタマモ」
「嬉しい……もっと、もっと奥まで入ってきておくれ。主と一つになりたい……」

 ゆっくりと腰を下げてくるタマモの体を放さないように抱き締めて、その温かさと毛並みの心地良さに身を預ける。素肌で感じるタマモの存在が、こんなにも心地良いなんて知らなかったよ。
ん、俺の物が3分の1くらいまで見えなくなったところで、何かに塞き止められて進行が止められた。そうか、初めてだからタマモにもあれがあるのか。処女膜……そこに異性を受け入れた事が無いって証。まだ、タマモが他の誰にも染まってないって証拠。
それを、俺がこれから……俺の精液で染めていく。タマモがそう望んだように。

「どうじゃ? マスター以外に、ここを許した者は居ないという最もな証拠じゃろ?」
「だな。……物凄く痛みがあると聞いた事があるけど、大丈夫か?」
「心配は無用じゃよ。代償が痛みだけならば、主と一つになれる支払いとしてはお釣りが来るぐらいじゃて」
「それじゃあお釣りは、これからも一生を共に過ごすって誓いって事で、良いよな?」

 驚いた顔をした後、タマモの目からは涙が溢れた。……年単位でもうずっと一緒に暮らしてきたんだ。それが、これからも一生続くだけ。ここまで頭の中を一色に染められてから、それを後悔するなんて考えは浮かんでこなかった。
また、深く口付けを交わす。その間に、腰に掛かる重みが増した。タマモの純潔が、終わりを迎えようとしてる。
膜が破けて、俺の物がタマモの一番深いところへと入り込んでいく。一瞬硬直はしたけど、タマモは俺との口付けの心地良さで痛みを誤魔化そうとしてるのか、しきりに舌を絡ませてくる。
俺もそれに答えるようにタマモの舌を受け入れた。そして……俺の物が完全にタマモの中に収まって、濃厚な口付けは小休止となった。

「んふっ……なかなか、予想よりも響く痛みじゃったわ……」
「大丈夫か?」
「主の熱が痛みを和らげてくれているから心配は要らんよ。ふふっ、ようやく主と一つになれたんじゃな」

 ん? タマモの尻尾が俺の足に絡みついて、巻きついてくる。足までタマモの毛の感触を感じていると、なんだか自分に毛皮が出来たような錯覚がするぞ。

「主の存在を、わしの内でも外でも余す事無く感じられる。……このまま、溶けて一つになってしまいたいくらいじゃ」
「それは流石に無茶な相談だぞ?」
「分かっておるさ。でも、この繋がりが解けたとしても主を感じられる証、そろそろ頂こうかの」
「もう平気なんだな?」
「正直、痛みよりもマスターが脈打つのを感じていての疼きの方が強くてな。思う様、主のしたいようにしておくれ」

 し、したいように……とは言っても、タマモは破瓜をしたばかりだ。急にそんな無茶をする訳にはいかないだろう。
でも、俺の方も今のままと言うのはきつい。ここは、まずは慣らすって意味でもゆっくり動いてみようか。
俺が下側だから少し動き難いけど、ベッドを弛ませるようにしてタマモと俺との間に少しだけ隙間を作り、抜けきらないように俺の愚息をタマモの中から出してやる。
それを、またタマモの中へゆっくりと戻す。ほんのゆっくりの動きなのに、タマモの柔らかな肉の壁と俺の物が擦れ合う度になんとも言い難い快感が広がる。

「ぅん……好きにしていいと言っておるのに、随分の緩い動きじゃのぉ。余計に疼いてしまうじゃないか」
「お前だって初めてなんだろ? 無理をするなよ」
「と言う事は、主もわしが筆下しか。純情というか奥手というか、もう主も20代じゃろ? それまで女遊びもせなんだとは、勿体無い事じゃて」
「あのな、それ今言う事か? 一応とはいえどっちも初めての相手って事になるんだし、もっと何か無いのかよ」
「ふむ、主の初めてを頂いたと言われれば、それはそれでなんとも言えぬ愉悦があるからいいのだがな。どうせなんじゃ、もっと深く結び合おうではないか」
「それじゃあ……そうしようか」

 お互いの体を更に密着させて、腰の動きを早める。ゆっくりと、確実に。
動きを早める度にお互いの余裕が無くなっていき、口から漏れるのは言葉じゃなく意味を成さない喘ぎへとなっていく。

「ふぁっ、んん! あん、ぃい! 腹が突かれるとは、こんな、だとは!」
「これは、予想、以上だな!」

 腰を振る、動作としてはごく単純な行為なのに、俺達はそこから来る快感の虜になっていた。互いの性器が擦れ合う度に、より深くを突く度に、揃って大きな快楽を味わえる。……性行為の中毒性って言うのが、少しだけ分かったかもしれない。
タマモの香りを嗅ぎながら、一心不乱に子宮を突き上げる。尻尾の先から頭まで、余す事無くタマモを感じられるこの今が永遠に続けばいいとさえ思う。
……あれ、俺ってこんな奴だったっけ? なんて疑問がさっきから頭の中に浮かんでは消えていく。どうでもいい、そんな一言で。

「くっ、あぁ! く、来る、何かぁ!」
「俺、も! う、んんっ!」
「あぁあああ! 流れ、込んで……」

 体の中に溜まっていた熱が、愚息からタマモの中へ一気に吐き出された。それと同時に、タマモの膣が一気に締めつけを強くする。
脈打つ度に、ドクリ、ドクリと俺の精液がタマモの中へ流れ込んでいく。それを逃さないように、タマモの膣は隙間無く俺の愚息に吸い付いてくる。

「はぁっ、はぁっ、不思議じゃ……体の中に、自分の物では無い熱が注ぎ込まれる……」
「うっ、ん」
「もぅ……そんなに抱き締めんでも、離れたりせんよ。わしはもう、お主の物。お主を愛すると決めているのじゃから」
「……随分、回復早いな」
「じゃって、殆どわし動いとらんし。主、スイッチが入るととんでもなく積極的じゃのぉ」
「うっ、そうかも」
「それに、なかなかに絶倫じゃな。一回出したというのに、硬さが全く衰えん。これなら、あと三回はいけるな」

 お、おいおい、そんなにする気かよ。俺、保つかなぁ?
でも、この尻尾まで抱きつかれてる状態じゃ離れられないし……実を言うと、俺自身まだしたい、もっとしたいと思ってはいる。本当に、俺の中で変なスイッチが入ってしまってるらしい。

「初めてで、そんなにして大丈夫なのかよ」
「マスターは普段、このスイッチが恐ろしく入り難いではないか。入っている内に、思いきり堪能しておかねばな」

 ふふっと笑って、タマモはそっと唇を重ねてきた。全く、疲労度がえらく溜まりそうな愛情だよ、こいつのは。

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 ……昼飯を食べて仕事部屋に入ったのが、大体12時20分頃。で、仕事をしたのは30分位だっただろうから、タマモとの情事を始めたのは13時位かな。
で、そこから散々タマモとの交わりを交わして、俺が正気に戻ったのは17時28分の事だった、と。まぁ、今がその時間なんだが。

「んは、ぁ……」
「……どう考えてもやり過ぎ、だよな」

 俺が抱いて、今も繋がっているタマモはすっかり頭の中までふやけてしまったようだ。というか、一瞬前まで俺もそうだった。一体、俺はどれだけタマモの中に出したんだろう?
俺達が繋がっている部分が愛液と精液で溢れかえってる事を考えても、三回や四回で止まったとは思えない。が、十数回とかそんなとんでもない回数を俺が保つ訳も無い。というか、そんなになるまでやってたら、この時間に覚醒する事は無かっただろう。
それだけやってまだ再起動出来るだけの体力が自分にあった事にも驚きつつ、俺は後始末という嫌ーな行事が待っている事を思い出した。
思い出しついでに、現在全力で凹んでいる。やったよ、やってしまったよ。獣姦だよ、ケモナーだよ。キュウコンに求婚しちゃった変態だよ。俺!
あぁ、始める前にタマモが言ってた『こっち側に引き摺り込む』ってそういう事か。自分が人間に発情するような変態だから、その対象にした俺もこっち側に引き込むと。えぇ、まんまとやられましたよ。

「とにかく、洗濯……の前に換気と風呂だな。おい、おいタマモ」
「ます、たぁ……もう、お腹いっぱいじゃよぉ……」
「とりあえず帰ってこーい。はい吸ってー、吐いてー」
「すぅー……はぁー……あ、あぁ? わしは?」
「うん、お帰り。とりあえず、体洗おうか」
「そ、そうか、主と交わってる間に意識がトンでおったのか。もう、やり過ぎじゃよ」
「どっちもブレーキ壊れてたからなぁ。とりあえず、抜くぞ?」
「待った。今抜かれるとかなり不味い。腹が膨れる程出された物を抑え留められる自信は、わしにはちょっと無い」

 だ、だよなぁ。今だって繋がってる隙間から漏れてるのが分かるし、栓が無くなったら溢れるよな。ど、どうしよう。

「さ、最終手段じゃ、このまま風呂場へ行くしかあるまい」
「え!? いやだってそれは……」
「そうする以外に手段が無いじゃろう。幸い、シテンは昼寝でも寝付きが良い。まだ起きてない事を祈るばかりじゃな」

 確かに、シテンは昼寝でもぐっすり寝る。晩飯が出来て起こしてやっと起きるなんて事もしょっちゅうだ。
仕方無いのでタマモの言う通り、このまま風呂場へと向かう事にした。タマモを抱えて移動するの、普通だったらそう難しい事は無いんだけどなぁ……いかんせん、下半身が繋がったままだと歩き難い。散々タマモに出してる俺が言えた事じゃ無いけど。
そっと部屋の扉を開けて、少し確認。……うん、大丈夫そうかな。こんなタイミングで来客があったりシテンが居たりしたら目も当てられない。

「大丈夫、だな」
「のようじゃな。……むぅ、この状態で歩かれるとまた少し疼いて……」
「勘弁してくれって」

 家が平屋建てで助かった、階段の上り下りが無いのはこの状態では非常に助かる。上り下りなんて上下運動したら、まーたタマモの中に一回出す事になってたぞ。
そそくさと風呂場へと進み、入る。ふぅ、ようやくタマモから我が愚息を抜けるぞ。

「あぅっ! あ……出てしまう……勿体無い」
「勿体無いって、出さないと腹きついだろ。うわぁ、なんかもうジェルみたいになってる」
「奥までたっぷりと注いでくれたからの。普通なら絶対に孕んでいるわいなー」
「それは流石に無いだろ」
「分からんよー? 運命の悪戯というのもあるし、わしは……主との子ならば、喜んで授かるぞ」

 ……体を洗う前に、短くだけどまた深い口付けをした。そうなったら俺も嬉しいなんて馬鹿な事を言おうをしたのを防ぐ為に。
本当に、この一回だけで頭の中を相当やられたらしい。タマモとの口付けが心地いいって頭で認識されてるしな。あぁ……さようなら一般人だった頃の俺……。
とにかく体を流そう。どっちも色んな汁でぐちゃぐちゃだ、少し時間を掛けて洗い落とさないとな。
途中、タマモに一応中も洗うか? と聞いたら絶対に嫌だと返されました。そのままでも多分大丈夫、なのかな? まぁ、何かあればポケモンセンターに走るだけだな。
よし、体洗うの終わり。後は部屋のベッドのシーツを替えて洗濯して、臭いは抜けるまで我慢かな。あ、部屋から持ってきた服ももちろん着て、と。

「にしても腹が減ったのぉ。疲れておるし、時間が時間じゃから致し方無いか」
「ん? あー本当だ、もう18時半か」

 あれこれやってる間にそんな時間になってた。不味いな、流石にシテンも腹空かして起きてるかも。
急ぎ目にリビングに入ると、テレビの前で毛布を被ってうたた寝をしてるシテンを発見。……本当に寝付きいいのよね、この子。
これは、起こさずにまずは晩飯の準備をしようか。そこまで手の込んだ物は作らないし、そう時間も掛からずに出来るだろう。
って事で、作るのが楽なカレーをチョイス。材料手頃な大きさに刻んで煮込むだけだから楽な部類に入る料理だよな。まぁ、手間を掛ければもっと大変だけど。

「ん、んん……? なんか、良い香り……」
「おっと、起きたかシテン。悪いな、晩ご飯遅くなっちゃって」
「大丈夫ですよ。あれ? 主様、お仕事は終わったんですか?」
「うん、なんとかね。悪かったね、退屈させちゃって」

 なんて言うしか無いよなぁ。まさか、仕事はさっさと終わったけどタマモと危ない事してましたなんて言えないし。
こらタマモ、変にニヤニヤしながらこっちを見るんじゃない。幾らそういう関係になっちゃったって言っても、普段の接し方を変える気は無いからな。
全く、俺が平常にシテンと接しようとしてるんだから少しは協力して欲しいもんだよ。そもそも、俺がタマモとする事になった原因を作ったのはタマモなんだし、それくらいの助力はしても罰は当たらないと思うんだよね、俺。

「とにかく出来たし、ご飯にしようか。ほらタマモ、お前もこっち来いって」
「そうじゃな。飯じゃ飯じゃー」
「カレーですね。美味しそうです!」

 うん、ウケは上々かな。それじゃあ三人分盛って、食べるとしようか。
こういう時、タマモはだらだらしてるだけだけど、人と同じように二足で歩くシテンは手伝ってくれるから有難い。本当にタマモとは丸っきり違うピュアな子ですよ。
俺の横で楽しそうに手伝いをしてくれるのを見てると、なんだか心がホッとする。これでシテンからもタマモみたいなアタックを掛けられたらどうしようかと思うぞ。
シテンがカレー皿を運び終わって、水入りのコップも準備が出来たから……二匹と揃って頂きます。昼飯からの間で相当消耗してるから、なんか食が進むなぁ。

「……なんだかタマモさんも主様も、いつもより食べるの早くないですか?」
「え、そうかな? 普通に食べてただけなんだけど」
「強いて言えば腹は減っていたからの。その所為じゃろ」
「うーん、私がお昼寝してて、お腹が減るような事してないから遅いのかな? ……ぬ、主様、私……太ってます?」
「え、どうしたの急に?」
「いえ、主様が外に連れて行ってくれる時はいいんですけど、それ以外の時って運動とかしてないからちょっと気になっちゃって。うーん……」

 なんて唸りながらお腹を摩ってるシテンをなんとなく眺めております。パッと見、太ってるようには見えないけどね? こう、腰周りなんかはスラッとしてるし、寧ろ引き締まってる方なんじゃないかな。
でも、抱き心地としては少しぷにっとしてる方が好み……って、お、俺は一体何を考えているし。いやいや、シテンを抱く事なんて想定したって無いからね? そんな事。
いやでもなんか、こうしてシテンの体を見てるとこう、抱いた感じはどうなんだろうって囁かな疑問が……いかん、完全にタマモを抱いた毒が思考に食い込んできてる。不味い、不味いぞぉ! 平常心、平常心だ俺よ!

「……うぅ、主様……やっぱり私、太りました?」
「え!? いや、そんな事無いと思うよ!?」
「ふぅーん、シテンが腹を摩っているのに見惚れるとは、マスターも助平よなぁ」
「そ、そうだったんですか!? 嫌ですよ主様、恥ずかしいじゃないですか!」
「こらぁタマモ! 誤解を招くような事を言うなっちゅうに! べ、別に見惚れてなんかいないからねシテン!?」
「えー……」

 なんで否定したら残念そうにするんですか君は!? あれこれ、俺遊ばれてる? 遊ばれてるよね絶対。
くそぉ、仕掛け役のタマモはまた笑いを堪えてるし、シテンは不満そうにしてるし、どうすればいいの俺は? 誰か教えて下さい……。
なーんて茶番を済ませて、夕食は終了。あの後? 何もある訳が無いでしょうに。
皿や鍋も洗い終わって、後はしばらくゆっくりしたら寝るだけかな。今日は普段しない事を散々したし、寝たらぐっすり寝ちゃいそうだなぁ。
あ、タマモも欠伸してる。そりゃあタマモも消耗してるだろうし、眠くなって当然だよな。

「くぁっ……んー、わしはもう寝るかな。腹も膨れてもうする事も無いし」
「ん、まぁ眠い時は寝るのが一番だろ。お休み」
「うむ。……あ、そうじゃマスター、ちょっとこっち来てくれ」
「どうした?」

 呼ばれてタマモに寄ると、姿勢を下げろと言われたんでそうする。……!? 下げた途端に唇を奪ってくるか!?

「お、お前ね……」
「ふふっ、愛する者にはこうして挨拶をするのが礼儀じゃろ? 本来なら今からでも、と言いたいが流石にしんどいでの。せめてもじゃ」
「さいですか……それじゃあ、今度こそお休み。タマモ」
「うむ。今日の夢見は良さそうじゃ。……あ、そうじゃ主よ、一つ言い忘れるところじゃった」
「ん? なんだよ」
「わしは主を愛しとる。じゃが、独り占めする気は無い。わしをこれからも愛してくれるのであれば、主が誰に愛を分け与えても文句を言うつもりは無いからの。それだけ言っておこうと思ってな」

 はい吹きました。このキュウコンさんは急に何を言い出すんですかね?

「晩飯を食いながら、シテンの事を思っておったんじゃろ? お見通しじゃて。ま、これからするにしても主は今日わしも抱いておるんだから、程々にの」
「ば、馬鹿! そんな事しないっての!」
「どうじゃろなー? ま、わしはさっき言った通りじゃて、後は主に任せるよ」

 あ、言うだけ言ってタマモは丸まっちゃったよ。って言うか、なんかもう色々読まれてる。なんで?
と、とにかくタマモがどう言おうと俺がシテンに手を出すなんて事はありません。えぇ、決してありませんとも。
あぁ、こんなタマモと怪しいやり取りをしててもシテンが反応して来ないのは、シテンが今ここに居ないからさ。まぁ、風呂入ってるだけなんだが。
でも、飯の時からシテンを気にしてるのもまた図星なんだよなぁ……本当、たった一回タマモと交わっただけで、俺は相当な変態と化したらしい。まさか、先天的にその気はあったとか? そうじゃない事を祈るばかりだな。

「ふぅ、さっぱりしましたー。あれ、タマモさん寝ちゃったんですか?」
「あぁ、眠いから寝るってさ」
「そうですか。あ、そうだ主様。一つだけ、お願いってしちゃっていいですか?」
「ん? どうかした?」
「久々に、主様にブラッシングして欲しいなーと思ったんですけど、ダメ……ですか?」

 ……シテン、上目遣いなんて何時覚えたんですか。いや、可愛いんだけど。
そんな風におねだりされた事なんて無いし、結構貴重かも……あぁ、ブラッシングね。それなら別に構わないかな。

「ダメなんかじゃないさ。いいよ、やってあげる」
「やった! ありがとうございます!」

 うぉっと、抱きつかれるのは想定してなかった。まぁ、これはタマモのとは違って疾しい気持ちが無いから、そっちの気分は高まって来ないみたいだけど。
頭を撫でてあげると、嬉しそうに尻尾が揺れた。うーん、タマモもこれは喜ぶし、ポケモンって頭撫でられると皆喜ぶのかな? いや、シテンとタマモ以外のポケモンには試しようもないけど。
それじゃあブラッシングを始めようか。抱きつかれてこっちが濡れはしなかったから、風呂上がりの毛はもう自分で乾かしたみたいだな。
コジョンドであるシテンの毛はそんなに長くない。だから、櫛もブラシの部分が短いものを、タマモとは別に用意してる。前に普通の使ったら痛がったからこうしたんだよね。
リビングにあるソファーに俺が腰掛けて、俺の膝の上にシテンは腰掛けてくる。コジョフーの時からこうだから、もうすっかり慣れたものだよ。
それじゃあ早速ブラッシングだ。全身が毛皮だから、櫛を梳くのも地味に大変だったりするんだよなぁ。ま、シテンからのお願いでやるんだから文句なんて言わないけど。

「ぅん……やっぱり主様にやってもらうと気持ち良いです」
「そう? 自分でやるのとそう大差無いと思うけどな」
「なんて言うか、自分でやるのより温かいんです。主様、優しいから」

 う、うん、はっきりと言われるとなんだか気恥ずかしい気分だな。そう言えばタマモにも言われたっけ、優しいって。言い方を変えれば、ナヨナヨしてるように思われてる? ……考えないようにしておこう。
しかし、こうしてシテンの毛を梳かしてると、タマモとはまた違う毛の感触がよく分かる。短いけど、滑らかに滑る毛並みが心地良い。これもコジョフーの頃からブラッシングをしてた事の賜物だといいんだけどね。
特にこの腕から垂れる豊かな毛。これの触り心地は特上だって言っても差し支えないと思ってる。まぁ、バトルをすると立派な凶器に早変わりするんだけど。
流石に下半身は程々にして、ブラッシングは完了かな。

「よし、出来上がり」
「ありがとうございます。でも……」
「でも?」
「足から腰に掛けての辺り、少し短かったかなぁって」
「え、いやだって、シテンだってそんなに触られたくないだろ? そっちは」

 目の前でシテンは少しモジモジしてるように見える。どうしたのかな?

「他の誰かからは嫌ですけど……主様になら、もっと触って欲しいです」
「でぇ!? あ、ああの、シテン?」
「……実は、ですよ? 私……見ちゃったんです。主様とタマモさんが、主様の部屋でしてた事」

 ……シテンの一言を聞いて、俺の思考はフリーズしました。見てた? あれを!?
ち、ちょっと待って! だって、俺達がリビングに戻った時にシテン寝てたよね!? なのに見てたって、えぇ!?

「15時くらいだったと思います。なんだか不思議な声が聞こえて、私一度目を覚ましたんです。それで、声のする方に行ったら、その……タマモさんと主様が交わってて……」
「え、えぁ……その……」
「あ、それで別に主様を軽蔑したとかそういう事はありませんよ! 本当に本当です!」

 俺の反応を見て、逆にシテンが慌ててる。その様子を見て、一瞬真っ白になった俺の思考を再起動した。

「あ、あの、なんて言うか、タマモに誘われちゃってそのままああなっちゃって……」
「あぅぅ、落ち込まないで下さい主様。驚きはしましたけど、本当に主様の事を嫌いになったりはしてませんからぁ」
「それでも、やっぱり嫌だろ? 自分の手持ちのポケモンとそんな事しちゃう奴なんて。昼間に聞かれた『変態』そのままだし……」
「主様……」
「ごめ……!?」

 え? 俺、振り返ったシテンと、キス、してる?

「ん……自分と全然違う者を好きになっちゃうのが変態って事なら、私も……変態みたいです。だって、主様の事が大好きで大好きで堪らないんですもん」
「シテ、ン?」
「主様とタマモさんのしてる事を見て、凄く羨ましかったんです。あぁ、タマモさんも主様の事が好きだったんだ、主様もタマモさんの事を受け入れてあげたんだなって」
「う、うん、結果的には、だけど」
「私は、勇気が無かったんです。ポケモンの私が、人間の主様の事を好きになったとして、主様はどう思うんだろうって」

 振り返っていたシテンは元に戻って、俺に身を預けるようにもたれ掛かってきた。俺はまた、自分の鼓動が早まり出しているのを感じてる。

「変態って言う意味、本当は知ってたんです。『普通』じゃない、普通の相手から見て変なところがある者をそう呼ぶって。そんな変態について主様がどう思ってるかを知りたくて、だから聞いたんです」
「そうだったのか……」
「あれで私、本当は諦めるつもりでした。私はきっと、他のポケモンから言えば変態ってもので、主様はそうじゃない。主様に変だって思われたままになるくらいだったら、今のままでいいから主様の傍に居ようって」

 あの質問に、そんな大事な意味があっただなんて思いもしなかった。俺のあやふやな答えが、そんなにシテンを悩ませてたなんて。

「……ごめんね、シテン。分かってあげられなくて」
「いいんです。私の我侭で主様を困らせたくなかったですから」

 目の前のシテンを、そっと抱き締めた。すると、前に回した腕に水滴が落ちてきたのが分かった。シテンの……涙だよね。

「でもね、主様。私、やっぱり主様の事が好きなんです。諦められないです。タマモさんとの事を知っても、タマモさんに嫌われる事になっても、主様を諦める事、出来そうにありません」

 声がどんどん涙声になっていく。腕に落ちる水滴も増えていく。こんなに、シテンも俺の事を慕って……愛してくれてたんだ。
タマモが言った通りだ。俺は、傍に居る相手の心の揺れ動きに酷く疎い。こんなに辛くなるまでシテンを苦しめるなんて、俺は……大馬鹿だ。

「……シテン、俺さ」
「ぐすっ、はい……」
「タマモと一つになるまで、タマモの事をそこまで意識した事なんて無かったんだ。でもさ、そんな俺を、タマモは勇気を出して変えようとしたんだ」

 そっとだった力を、少しだけ強める。もっと、シテンに触れる為に。

「それが正しいのかって聞かれたら、俺にはよく分からない。けど……誰かに愛して貰えるって事が、どれだけ素敵な事かって言うのは理解出来た気がするんだ。それが例え、ポケモンでも」
「ぬし、さま……」
「シテンが俺を愛してくれるって言うなら……俺もシテンの事を、愛したい。いい、かな?」

 答えは言葉じゃなく、行動で示してくれた。俺の腕の中でシテンはくるりと向きを変え、俺達の唇はまた繋がった。
そして、改めてシテンの口から、あの言葉が紡がれた。

「主様……あなたの事が、大好きです」
「いきなり愛してるって言うのも変だけど……シテンの事を、愛しい相手と思って、いいよね?」
「……はい!」

 お互いの気持ちを伝え合って、今度は触れ合うだけじゃない口付けを交わす。タマモとはほぼ一方的に始まっちゃったから、今度は俺からもシテンを求める形で。
キスが初めてであろうシテンの口の中に俺の舌を滑り込ませて、互いの舌を絡ませ合う。まだ無経験に毛が生えた程度とはいえ、俺の方が経験値は上だろうし、タマモには出来なかったからシテンには少しリードしてあげようかなと思ってみたり。
口付けの合間に、俺の両手はシテンの大事な部分へと向かわせた。性行為に対してそこまで面識が無さそうなシテンにあれこれして貰うのも酷だろうし、シテンには俺の方が頑張らないと。
なんて事を考えている内にふと思った。そう言えば、タマモも処女だったって事はこういう接触って無かった筈だよな? でもなんかえらく上手かったし……その辺どうだったんだろ? 謎だな。
っと、今はシテンとしてるんだからタマモの事を考えるのは野暮だな。相手はシテンなんだ、なら、目一杯シテンの事を想ってやらなきゃ。

「ぷはっ、んん……」

 嫌がる素振りも無く、シテンは俺を受け入れてくれている。なら、受け入れてくれる分シテンも喜ばせてあげないとな。
俺の手が、シテンの大事な部分を捉えた。触れると、シテンの体がピクリと震える。流石に、いきなり触れられるのは怖かったかな?
なら、ゆっくりとシテンには慣れてもらおう。両手の人差し指を使って、ゆっくりとシテンの秘裂をなぞる。ぷにぷにとしながら、やっぱり締りのある感触がする。緊張して力が入ってるみたいだな。
それを解すように、焦らずじっくりと秘裂を指でかき混ぜる。指の動きに合わせてピクピクとシテンの体が反応してるから、感じてくれているのは分かり易い。

「んふぅん! ぬし、さまぁ……なんだか、体がジンジンしますぅ……」
「タマモも言ってたけど、最初は凄く痛むらしいからね。十分に力を抜いてからの方がいいでしょ」
「はいぃ……ふぁぁ」

 うん、なんだかシテンはタマモより感じ易いのかな? そんなに弄ってない筈なのにもうトロトロになってるし、目も蕩け始めてる。タマモなんて、舌まで使って足りないって言われたもんなぁ。
で、シテンの秘所を弄ってたからか、俺の物もスイッチが入って元気になってきてる。俺って実は絶倫? 散々タマモとしたのにまだ勃つんだから、結構元気なのは確かだよな。
くちゅ、ぐちゅと言うほどにシテンの秘所は潤いを増した。これなら、もう入れても大丈夫かな。

「はぁ……主様が入れ易いようにしますね……」
「あ、う、うん」

 こういう時でも、シテンの素直で良い子なところは無くならないのね。まぁ、してる体位は普段絶対しないだろうけど。
お尻をこっちに突き出して、自分から秘所をこっちに向ける姿勢。えっと、後背位って言うんだよな、こういうの。タマモとは基本寝ながらしたから、これはまだしてないんだよな。
シテンの割れ目が、まだかまだかと言わんばかりにひくついてる。このまま焦らしたらどうなるのかなーと少し思ったけど、愛液をたらたら零しながらお預けをし続けるのも可愛そうだし、というか俺が我慢出来ないから無しの方向で。
穿いていたズボンを脱ぎ捨てて、窮屈そうにしていた愚息を開放する。ポケモンとの行為でここまで興奮してるんだから、間違い無く俺はもう変態の仲間入りをしてしまったんだろう。
それならもう後は野となれ山となれだ。開き直ってしまえば、俺を愛してると言ってくれた二匹を愛せるんだ。変態だって悪い事ばかりじゃないじゃないか。

「じゃあ、行くよシテン。辛かったら無理せず言うんだよ」
「はい、主様……」

 俺の物の先端をシテンの割れ目に充てがう。……タマモの時と違って、入っていくところが丸見えだから余計に鼓動が早くなる感じがするな。
抵抗無く入れようとしてるのは、タマモを散々犯した所為で間違い無い。若干慣れてる自分が怖い。
ゆっくり腰を前に突き出すと、まずは俺の愚息の頭がシテンの中へ分け行った。タマモより少し熱さは大人しいけど、タマモ以上の締め付けだ! ……鍛え方の違いって奴なのかな?

「ひぁっ、は、入ってきた」
「うん、もっと入っていくよ。でも、焦らなくて大丈夫だから」
「大丈夫です。主様の事、信じてますから」
「……ありがとう」

 この信頼を裏切る訳にはいかない。自分にも焦るなって事、言い聞かせなきゃな。
ん、入ってすぐのところで処女膜の感触を見つけた。これは、ある場所に個人差みたいな物があるのかな? まぁ、破れて痛いのは変わらないだろうけど。
落ち着かせるようにシテンの背中を撫でつつ、少しづつ力を込める。膣に込められてる力も強まってるって事は、やっぱりシテンの負担にもなってるかな。
ずっと我慢させてるのも辛いだろうし、俺はぐっと力を込めた。途端に、中で何かが弾けた感じがする。……一日の内に二匹の純潔を奪うって、よく考えると俺も酷い奴だな。

「うあぁぁぁぁぁ!」
「だ、大丈夫か!?」
「おな、か、痛っ、い! うぅぅ……」
「大丈夫、落ち着くまで動かないから。この体勢、辛くないか?」
「ふぅっ、ふぅっ……だ、大丈夫です。自分の中に、別な鼓動があるのって、不思議な感じですね」
「う、うーん、俺は入れる方だからその感じはちょっと分からないんだけど、俺も俺の物からシテンの鼓動を感じるよ。温かくて、なんだか嬉しい」
「あ、それもそうでしたね。でも、私も温かくて、嬉しいです。それは一緒ですね」
「あぁ」

 こうして話すのも、シテンが考え出したリラックスの方法なんだろう。乱れてた呼吸も落ち着いてきたみたいだ。

「もう、奥まで入れて大丈夫かな? その方が安定すると思うけど」
「はい、入れて下さい。主様の事、いっぱいに感じたいです」
「分かった、でもまだ痛むなら言うんだよ?」

 シテンが頷いたのを確認して、また愚息をシテンの中に埋めていく。
タマモよりも膣が狭いのか、ぎゅうぎゅうと俺の物を締め付けてきて、無性に腰を振りたい衝動に駆られる。けどまだ我慢、我慢だぞ俺。
快感を求める俺の本能を黙らせて、まずは根元まで俺の物をシテンに収めるミッションは終了。うん、やっぱり少しタマモより狭いかもしれない。

「ふぁぁっ、凄、い……主様のが、ここに……」
「うん、入ってる。俺達、繋がってるんだよ」
「素敵……私今、凄く幸せです……」

 俺の物が収まって、少し押されて膨らんだ自分のお腹をシテンは愛おしそうに撫でる。それに釣られて、俺もそこを少し撫でてみた。
シテンの柔らかいお腹の中に、確かに硬い俺の物があるのが分かる。こうして改めて見ると、なんだか凄く感慨深いな。

「主様、もっと……もっと私を幸せにして欲しいです」
「なんとか、頑張ってみるよ」

 タマモを愛したように、俺は腰を振るのを始める。けど体勢が違うからか、擦れ合う感覚がより強い。この体位……癖になるかもしれない。
左手はシテンの腰に置いて、右手はシテンを突く度に露わになる自分の愚息が押し上げた丘に宛てた。腰を振る度にそこを抉っているいるのが分かって、硬さが増していく感覚がする。

「あぁん! お腹、お腹気持ち良いよぉ!」
「ふぅっ、ふぅっ……」

 シテンの喘ぎ声が俺の中の興奮を更に刺激する。……んだが、自分でも少し理解してしまった。スタミナが減っているからか、もう達する感じがある。
タマモの言った通りだな、これは……俺がそう長く保たない。寧ろ、今勃ってるのが頑張ってる証拠か。

「もっと、もっと突いて下さい主様ぁ!」
「頑、張るよ! ぐ、うっ!?」

 ……うん、なんか自分でも意図しない内に達してしまった。中途半端な快感に、俺自身が戸惑ってる。

「あぅ!? 何か、入ってくる……」
「う、ぐっ……」
「うぅん……でも、何か足りないです……」
「……うん、俺も」

 射精も短めに終わって、中途半端な硬さになった俺の愚息と、これまた中途半端な快感にもやもやとしたシテンが残された。……どうしよう、これ?

「主様、もしかして疲れちゃいました?」
「なんか、多分そうなんだと思う……ご、ごめん」
「そっか、主様はタマモさんともしてるんですもんね。私もちょっと無茶言っちゃいました……」

 なんとも言えない倦怠感が襲ってきてる。俺、だらしないなぁ……。
せめて、シテンだけでも満足させてやりたい。けど、それには俺のスタミナが足りない。うーん、どうすればいいんだろ?
……試した事は無いけど、あっちを弄るのはどうだろう? 愚息で足りない分を補うのは、正直俺は指くらいしか思いつかない。
ならその指で、今愚息が収まっている割れ目の近くにあるあそこを弄ったらどうなるかというのが俺の作戦。まぁ、どうなるかは未知数だから、上手くいくとは言い切れないけど。

「シテン、少しこのまま体動かしていいか?」
「え? はい、大丈夫で……ふぁ、ん!?」
「よっと、これならこうしてソファーに座れて……」
「ぬ、主様!? そっちは私の! ひゃぁぁ!?」

 俗に言う、菊門って方も弄り易くなると。あぁ、シテンには俺と向き合うような体位になってもらった。なんて言う体位かは忘れたけど、こういうのもあった気がする。
うん、シテンの反応からしても、どうやら作戦は成功らしい。シテンはまた喘ぎだしたし、菊門で指が動く度に膣の締め付けも激しくなる。絞るようなこの動きを受けてれば、俺もあと一回くらいなら達せそうだ。

「ひぃぃん!? だ、ダメェ! そっちも弄られたら、な、なんか変になっちゃいますぅ!」
「んぐっ、中がぐにぐに動いて、今までと違う、感じ……!」
「ぅあぁ、あっ、あぁぁぁぁ!」

 唐突な違和感からか、妙にシテンには菊門への刺激が大きかったらしい。……けど、俺的になんか消化不良だなぁ。こっちはもう少し要練習、かな?
とにかく、シテンはなんとか達したらしい。俺の息子も少し反応したけど……これは、完全に撃ち止めだな。少し漏れた程度しか出た感じがしない。
くたりと身を預けてきたシテンを撫でてやって、今日の教訓を覚えておこう。
……全力で愛するなら、相手は一日一匹だな。

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「で、次の日シテンの意識が飛ぶまで散々犯した、と。主もよくやるよなぁ」
「だ、だって、俺の方はその後一日中もやもやしたままで過ごしててな?」
「あの時の主様、凄く強く抱き締めてくれて、私は嬉しかったですよ♪」

 なんて、一週間前の出来事に想いを馳せながらペンを走らせる。このアクセサリーは、仕事とは別のプライベートな物を作るためにデザインをしてる。
まぁその、あれだ、人同士が結婚をする場合結婚指輪っていう証を作るだろ? で、わしもそんなのが欲しいとタマモが駄々を捏ねてきたから、なら作るかという事でこれを描いてる。もちろんタマモにだけじゃシテンに悪いから、二匹分別な物を作る予定だ。

「にしても、堕ちると言うのは早いもんじゃったなー。今や、ノリノリで毎晩わし等を犯す変態じゃからな、マスターは」
「な、なんだよ、求めてくるのはそっちもだろ?」
「私は、今の私達を愛してくれる主様、大好きですよ!」
「それはまぁ、わしもじゃが」

 ……なんというかなぁ、愛する相手が特殊なのが変態って言うんなら、確かに俺達は変態なんだろうけど、今はそれはそれでいいんじゃないかと思う。
変態って言うのも、何かを愛する一つの形なんだ。なってみたから分かる、好きなものは好き、それはどうしようもない。
だからこそ、世の変態は変態だと言われても、止められないんだろうな、変態って奴を。
俺も、もう後悔するなんて馬鹿な事をする気は無い。だって、な?

「ん? どうした、マスター?」
「私達の顔に何か付いてますか? 主様」
「……ふふっ、いや、何も付いてないよ」

 世の偏見があるからって、こんなにも俺の事を思ってくれる二匹を、手放す事なんて出来ないよなぁ。

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~後書きですよー~
はい、という訳で、作者は私でございました。結果はまさかの準優勝! いやはや、お読みくださった皆様、並びに投票頂きました皆様、本当にありがとうございます!
さて、今作なんですが……本当にギッリギリの投稿になりました。本当、あと数秒で日付変わるー! って時に投稿したのですよ。理由は……ぶっちゃけ忙しかったですorz 色々イレギュラーな事が立て続いてしまったのです。
お陰で前書きや締めの一言を入れられなかったり。まぁ、今回の作品はそう注意しなければいけない事はなかったと思うからなんとかセーフかなぁって……はい、申し訳ありませんでした!

ここでちょっとキャラ紹介。

キュウコン 玉藻(タマモ) 
名前の由来はもちろん傾国の美女に化けたと言われてる九尾の妖狐、玉藻前様から。
もちろん名前をもらった理由もございます。ずばり、作中で主人公であるマスターを堕とすという役割があったからです。まぁ、国を傾けるのに比べたら可愛い悪戯のようなものですがね。
実はタマモさん、最初はキュウコンかゾロアークかで迷いました。玉藻前様という方自体、狐の姿から人に化けてたんだしそっちのが適役かなーとか思ってたんですけど、別に人に化けてマスターを堕とす訳じゃない、寧ろ人に化けたら意味が無いってところでゾロアークは選択肢から除外されたという裏話があったり。んで、もう一方の九尾尻尾のキュウコンさんがチョイスされました。
……思えば、今回の大会って上位三作品全部に狐ポケモンが出てる……キュウコンにしたのは何らかの神の導きか!?

コジョンド 紫天(シテン)
名前の由来はちょっと複雑で、紫天←熾天使←天使+紫←純粋←素直、という謎の連想ゲームが作者の中で起こったゆえにこの名前になりました。
ポケモンとしては最初にコジョンドを出演させよう! と思ったところから始まり、性格的にはタマモと対となるような素直でピュアな感じに設定し、ピュアって天使のようだって言われたりもするよなーって考えに行き着き、コジョンドのカラーと天使を足す……紫……天使→熾天使? となり最終的に紫天に決定と、我ながら訳の分からない思考回路が炸裂しましたw
本来はもうちょっとねっちょりとマスターと絡んでもらおうかなーと思ったんですけど、散々タマモとした後にそんなにがっつりいけるものなのか? という疑問から、今回のメインの絡みはこんな感じに落ち着きました。……まぁ、その後ねっとりとやらかしたようですが。

主人公 マスター、主様
名前は敢えて付けませんでした。その方が『そのキャラと二匹が接している』というよりも、『読者がその二匹と接している』感を出せるかなーという浅はかな知識を実戦した結果です。
基本的に一般人で感受性豊かっていうのはどういうのかなーと考えてる内に何故かデザイナーに行き着いてしまった彼ですが、最後のオチに結婚指輪ならぬ結婚アクセサリー作成の流れに繋げられたから割と良しとした絶倫(勘違い)な人ですw
絶倫にしてしまっても良かったのですが、あくまで一般人という事を意識すると、それが絶倫なスタミナを持ってるのもなぁという気がしたので最後にはへたれてしまった残念な人です。これからも末永く二匹を愛してあげてほしいものですw

と、長々と後書きを書きましたが……そろそろ後書きコーナーもお開きと致しましょうか。とにかく、皆様お読み下さいましてありがとうございました! あ、ここからは投票コメントへの返信&コメントコーナーにございます。

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>・変態ってなんだったんだろう
一緒に住んでるんなら必然で健全な気が。
末期かな…… 

う、うーん……確かにこのwiki的には健全に感じてしまう不思議。そう感じるのが末期だとしたら、多分私もアウトです

>・シテンとタマモが凄く可愛かったですw

やっぱり作品の華であるこの二匹が可愛いと思っていただけるのは嬉しいですね。ありがとうございます!

>・登場キャラが、まさに俺得でした。
はっきり言おう!この作品に投票した人、大会に参加した人、そして読者に作者。
皆変態だ!!!!!

俺得だったとは、お喜び頂けたのならなによりです!
はっきり言って頂いたので、私も敢えて言おう。変態で結構! 誰かが喜んでくれるなら私はそれで一向に構わん!

>・タマモちゃんがとても抜けたww 

流石IN-LAN狐、マスターだけでなく読者まで毒牙に掛けていたとはw

>・うああああああああタマモさんタマモさんタマモさんかわいいいいよおおおおおおおおおもっふもふの体に包まれたいよおおおおおおおおぎゅっぎゅしたいよおおおおおおおおおおおおおおシュコシュコされたいよおおおおおおおおおおヌキヌキしてもらいたいよおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!
前座はこれくらいにして純粋にパートナーを愛する二匹の関係がかなりツボでした。個人的にはキュウコンがこの大会に参加してくれただけで満足なのですが、よく描写された主の感情がとても読みやすく小説としてもかなり質があり投票しました!これからの執筆にまた注目しようと思います!お疲れ様でした!

あれー? なんかこの感じのコメント知ってる気がするぞー? 気のせいかなー? って言うかこれ私バレてますよね? お、おぅ……まぁ、そんなに隠してもいないのですがw
小説としての質もあったの一言、本当に感謝です! これからも細々と頑張らせて頂きます!

>・キュウコンに求婚しちゃった変態だよ!俺。のところで噴いた。

ネタを仕込むのも忘れない、それが私クオリティですw お楽しみ頂けましたでしょうか?

>・素直なシテンがとてもかわいかったです。

ちょっとタマモより目立たせる事が出来ませんでしたが、シテンにもコメントがあってホッとしております。良かったな、シテン。可愛いって言ってもらえてるぞ!

>・シテンとタマモに惚れた。

うむ、キャラを好きになって貰うのは作者冥利に尽きますね。ありがとうございます!

>・良かったです。

その一言を言ってもらえるだけで次の執筆の為の活力になります! 感謝です!

>・なんだよ、ただの神作じゃねぇか。

おうふ、そこまで今作を気に入っていただけるとは……有難い限りです。これからもそう言っていただけるような作品を書き上げていきたいものです……頑張れ、私よ!

>・王道と言うべきエロをありがとうございますw

今回は変化球的な行為は無しにしていきましたからね。変態選手権でそれでいいのかっていう疑問はありますが……お喜び頂けたのなら何よりでございます!

>・濃厚なエロスが実に良かったです。愛され主人公には嫉妬しちゃいそうですよ(

本当にねぇ、二匹から深く愛されてる主人公が羨ましいものです。濃厚……だったでしょうか? そう取って頂けたのなら書き手としては嬉しいところ。ありがとうございます!

>・"変態"な人において意味を調べると2つ意味があるんですねー
マスターのうまい逃げ:"普通の状態と違うこと。異常な、またな病的な状態"→"両手の人差し指だけで逆立ちをして、満面の笑みでその辺りをその状態のまま歩き……というかはどうか分からないけど、そんな状態で動き回っている人が居たらどう思うだろう?" ・・・想像してみるとすごい例えですwww 

玉藻さんの策略:"性的倒錯があって、性行動が普通とは変わっている状態"

仕掛け役の玉藻さんwww GOOD JOBwww 
"変態"を題材にした(?)作品、楽しく読ませていただきました。一票。

変態って物を取り上げたので、どっちの意味でも作品の何処かに仕込みたいなーって事で、最初に主人公に語ってもらったんですよね。確かに想像すると凄い状況だw
想定よりも変態っていうものそのものを題材にするのは大変でしたが、楽しんで頂けて何より。一票、ありがとうございます!

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