[[同的5]]の続きです。 ちょっとえちぃシーンがあります。 #hr 「おっきっろっ!風呂入らないといけないんだろ?」 ゆっさゆっさ・・・僕の体を父さんがすごく揺さぶる。 「うん・・・むにゃむにゃ・・・」 ふう・・・僕は起きた。昨日のことがなかなか忘れられない。ケイとのこと・・・フィーアとのこと・・・そして点数。 ばしゃーん 「うう・・・はぁ・・・」 僕は湯船につかりながら、フィーアが今日も怒ってないかと心配してる・・・怖いもん。 ふきふき・・・なんかモチベーションあがらないなぁ・・・ 「ご・は・ん・だよ。」 「ありがと。」 僕は眠い目をこすりながらご飯を食べる。なんでこんなに眠いんだろう・・・ちゃんと寝たのにな・・・ ぼとっ・・・ばしゃっ・・・べしっ!叩かれた・・・? 「食べながら寝るな!お茶こぼしたぞ!」 「ふぇ?」 僕が家で穿いてるズボンを見ると染みができていた。お茶がこぼれてズボンにかかってた。ズボンとパンツがびしゃびしゃで冷たくなってきた。お茶がズボンから滴る。 「あっ・・・ごめん・・・なさい。」 「もういいから早く穿き替えな。本当に珍しいな・・・よっぽど昨日疲れたか?」 「そうかも・・・」 僕はご飯を食べてからパンツを換えて制服に着替えた。 「じゃあいってきまふ・・・」 「いってら・・・ふあぁぁぁ・・・俺まで眠くなってきた。」 僕はいつもの道を眠気と闘いながらふらふらして進んでいく。眠気のせいか学校にはすぐついた。 とことこ・・・眠い・・・ふぁぁぁ・・・ぽんぽん・・・ん?ぽんぽん・・・ 「おいっ!どこ行くんだ?部室ここだぞ・・・」 「あぁ、ノイン・・・ぉはょぅ・・・」 ノインだ・・・でも眠くて像がぼやけてる・・・うーん・・・ばたっ・・・ 「あっシャオ!寝るなぁ!」 ゆさゆさ・・・ゆさゆさ・・・ 「シャオ、起きないとダメだよぉ・・・」 だれ?だれだろう??? ゆさゆさ・・・ゆさゆさ・・・ 「ふにゃ・・・」 僕は身体を起こした。 「おはよう・・・せっかく早く来たんだから・・・寝たらだめだよ。」 よく見るとブースターだ・・・ケイ?ケイだ・・・ 「うにゃ・・・おひゃよぉ・・・」 ぱしっ! 「あいた!」 後ろを振り返るとフィーアがいた。 「これから掃除なのにねるなよ〜シャオ〜・・・」 「ごめん・・・」 「さ、掃除するよ!」 「そだね・・・」 眠たいねぇ・・・僕は雑巾を絞る口実で外に行く。校舎からグラウンド、レンジを望む。 「はぁ・・・ここは綺麗だよね・・・」 「こらーっ!」 わぁっ!誰?だれ? 「ホントにサボったらダメだって・・・」 ケイだ・・・僕をつけてきたのか・・・ 「つけるとか趣味わるいよぉ・・・ふぁぁ」 「そんなに眠いの?」 「うん・・・昨日は8時間は寝たから眠くないのに・・・なんでだ?」 「じゃあ、起してあげる。」 ちゅっ! 僕の頬に柔らかい感覚が・・・まさか・・・そのまさかだった。ケイの口が僕の頬に・・・ショックで眠気は吹っ飛ぶ。 「目、覚めた?」 「ばっちり。」 「よし。じゃあ戻るよ。」 といって戻ったけど・・・ほとんど片付いてた。 「シャオ〜、もう終ったよ・・・残念だなぁ・・・」 フィーアは僕に声を掛けてきた。もう昼前だ。 「シャオ、シャオ!あと30分したら体育倉庫に来てくれない?」 「へ?」 「いい?」 「うん・・・」 そう言う会話をするとフィーアはヌルを連れて外に行ってしまった。 「ふぁぁ・・・」 「まだ眠いんだ〜次は何をしたらいいかな〜?」 「いいって。さっきので十分だったって。」 ケイはニコニコして僕を見てる。なんかダメな仔を見守る母親みたいな感じだなぁ・・・そう考えたらかなり恥ずかしい。 「シャオ!この前言ったかもしれないけど、合宿終わった後に2日連続で休みがあるから・・・予定あけといてね。みんなに言ったんだけどシャオだけ答えなかったから。」 僕はケイに少し申し訳ない気持ちになった。 「うん・・・あけときます。」 「ありがとう。予定があったらあらかじめ言ってね。じゃぁ私はドライと遊んでるから。」 そう言うとケイは笑顔でドライと外に遊びに行った。 30分?そう言えばフィーアがそんなこと言ってたな。何なんだろう・・・ あと20分か・・・ちょっと仮眠・・・っていっても遅れたらフィーア怒るなぁ・・・何されるかわからないから・・・起きとこ。 外に出るか・・・僕はとことこグラウンドに向かって歩く。 グラウンドに目をやるとドライとケイがじゃれあってる・・・?マジ顔でボールを持って投げつけあってる。たのしそうにはみえないなぁ・・・ 僕はその様子をまじまじと見つめてた。ふと時計に目をやる。 「あっ、もう行かないと。フィーアが怒るかな。」 僕は体育倉庫までの廊下をゆっくり進む。うーん何だろう・・・ 「はあ・・・フィーアに来てくれって言われたけど・・・なんか怖いな。ヌルもいないし。それよりケイに休みの予定を聞かれてたんだっけ。なんかあったかなあ・・・」 もうすぐ体育倉庫前だ・・・ちょっとスピード速めるか・・・ #hr ヌルに何があったかは[[同的 横道]]もご覧あれ。 #hr 僕は体育倉庫前にいる。 ガラガラッ、勢いよくドアを開けた。 「もっしー。誰かいるの?」 「ひぅっ・・・ひぅっ・・・」 ん?誰かの泣いてる声だね・・・フィーアの声じゃないよなあ多分・・・ 「だれ?フィーアじゃないよね・・・」 「ひぅっ・・・ひぅっ・・・」 ここは慎重に行かないと・・・学校とはいえ何があるかわからないから・・・ ん?なんか青いものがみえ・・・えっ? 「ヌル?」 僕の目の前には平均台に身体を縛られて全裸のヌルが・・・その秘所からは水を垂らし足元には大きな水たまりが出来てる・・・ 「こないでぇぇぇっ・・・・」 その言葉に僕は一層警戒を強める・・・犯人がいるのだろうか・・・襲ってきたらどうしよう・・・ん?後ろに何かいる? 僕は振り返る・・・フィーアがパンツだけを見に付けてるし・・・顔になんかついてる? 「フィーア?」 「やあ、ようこそ。」 フィーアは特に僕の警戒を気にすることなくラフに話しかけてくる。 「何してんの?パンツだけで。」 「見ての通り。仲いいでしょ?」 どこが・・・ヌルは縛られてるし・・・泣いてるし・・・ 「泣いてるけど。」 「演技だって。」 何やってんだぁ?ほんとフィーアは・・・ 「嘘だぁ・・・」 僕はフィーアと無難な会話を交わす。 「あのぉ・・・フィーアもういいでしょ・・・といれ・・・げんかい・・・」 トイレ?何やってんだろ? ヌルがすごい頼み込んでるって言うのはわかる。 「ここで出しちゃったらいいのに。」 フィーア・・・なんか最低だなぁ・・・ 「そりゃだめでしょ。トイレ連れてかないと・・・」 「うーんだって限界って言ってるし。一番近いトイレもここから3分くらいかかるし。」 おい!それが彼女に対する答えなの・・・? 「それより解いてあげたら?」 「え〜今ほどいたらおしっこかかるじゃん。それはやだ。」 フィーアってこういうところなかったらいいやつなのに・・・ 「自分でやっといてひどいって。」 「ふぇぇぇぇん・・・・ひぅっ・・・あっ・・・あっ・・・ぁっ・・・みぁいで・・・」 なんか起きる前に逃げちゃえ・・・ってもう起きてるか 「ちょっと僕は失礼・・・ってなんでフィーアは身体つかんでるの?」 逃げようとするとフィーアが僕の体を思いっきりつかんで離さない。 「いいじゃん。さ、ヌル。シャオは簡単に人の秘密を言わないからここで出しちゃいなよ。」 「僕の口の堅さを担保にしないでくれるかなぁ・・・それより放して・・・」 ヌルは今にも限界を迎えそうなのか目から大粒の涙を流している。 「しゃおぉ・・・みないでよぉ・・・」 はぁ・・・誰が好き好んでみないといけないの・・・ 「みたくないけど、フィーアが身体放してくれないから頭も動かせないし・・・」 「ぁぅ・・・ぁぅ・・ぁぁぁぅ・・・ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!・・・」 ぷしゅうっ・・・僕の目の前を大きな弧を描いて水は飛んだ。平均台の前に置いてあった飛び箱には黄色いすじがついた。水たまりは倍くらいの大きさになった。 「ゃああん・・・・」 「あーあ出しちゃった。シャオ?」 こいつら・・・ほんとに・・・キレてないっすよぉ・・・ってか!僕は思いっきりフィーアを睨む。 「座れ座れこのアホども!」 僕は久しぶりに怒って大声を出した。フィーアが目を丸くしてる。フィーアはびっくりして僕が言った通りの行動しか取ってない・・・ 「お前ら何やってるんだよ!学校の体育倉庫だぞ・・・あのね、そもそもフィーアは・・・・・・」 僕の罵声は続く。 「あのぉ・・・どなたでもいいからほどいてください・・・服着たいです・・・」 んだとぉ・・・せっかく説教してんのにこのグレイシアはぁ・・・・! 「ヌルもだいたいいつまでフィーアに遊ばれてんの?女子責なんでしょ?だったら・・・・」 僕は完全に饒舌になった。おかげで状況が全く頭に入ってこない。ってフィーア笑ってるし。 「フィーア、話聞いてる?だいたいね・・・・」 僕の説教は自分で思うくらいなかなか終わらなかった。 「ふえぇぇぇぇぇん・・・・ふえぇぇぇぇぇ・・・・えぐっ・・えぐっ・・・」 ヌルの泣き声ですっかりクールダウンして状況を再度確認した。ヌルが・・・縛られてるし・・・全裸で・・・ 「わぁぁぁヌル何やってんのぉぉ!」 「みないでよぉぉぉぉ!ふぇっふぇっ・・・」 「フィーア早く解いて・・・掃除しろ!」 僕は再びヒートアップする。 「わ、わかったからシャオ・・・落ち着いて・・・掃除するからさっ・・・」 フィーアは僕を落ち着かせるのに一生懸命だ。 「飛び箱に黄色い線付いたよ。水で色落とさないと・・・」ヌルはやっと解放されたのか服を抱いて顔を赤面させてる。 「わかったよぉ・・・とにかく服着たいからぁ・・・」 「あ、ごめん。じゃあちょっと消臭剤部室からとってくるから・・・掃除しててね。臭いよなんか・・・失礼だけど・・・」 僕はそう言い残すと部室に向かってダッシュしていた。 「消臭剤ある?」 「あっこれこれ・・・何かあった?」 ケイが聞いてきた。 「いや別に、必要だから。」 「あ、そう・・・」 消臭剤を手に体育倉庫に向かってまた急いで走っていた。 体育倉庫にまた戻ると震えてるヌルのそばでフィーアがせっせと水たまりに雑巾を敷き詰めてる。 「一応・・・掃除したけどね・・・シャオ・・・怒らないで・・・怖いから・・・」 「へ?」 「おっ?もしかして無自覚?」 「うん。」 「はぁ・・・すっごい怖かった。鬼かと・・・」 「はい消臭剤。」 「ありがと。」 フィーアに消臭剤を渡すと僕はぼけーっとしてた。何があったのか・・・さっぱり謎だったから。 「おわった・・・はぁはぁ・・・」 フィーアは雑巾を処分したり汚れたところを綺麗にしたりしてすごく疲れたのか息が切れてる。 「じゃぁ部室戻るね。」 「あ、ちょっとまって。」 部室に戻ろうとする僕をフィーアが引きとめる。 「何?」 「今みたことは・・・」 「言わないよ。さっさと顔洗ってきたら?」 「じゃ、ついてきて。」 フィーアは僕を連れてトイレに入った。 「はぁ・・・どうして俺は自制がきかないんだろう・・・したらダメだってわかってたのになぁ・・・」 ばしゃばしゃと音を立ててフィーアは喋りつつ顔を洗う。 「ヌルに謝った?」 「口きいてくれない・・・」 「そりゃそうだよ。」 僕はフィーアが顔を洗ってる後ろで突っ立ってた。何も考えられない。なんでフィーアはこんなことしたんだろうとか・・・ 「だからさ・・・」 「やだよ・・・一緒に謝るならいいよ。」 「へ?」 僕の意外な回答にフィーアは驚いたみたい。 「一応・・・ね。」 「ありがと、シャオ・・・」 僕たちはそのあと体育倉庫でヌルに土下座をした。僕は何もやってないのになぁ・・・むしろ・・・と思いつつまぁいいや。どうせ僕に口きいてくれないでしょ。 「しゃおはぁ・・・ごめん・・・あやまらなくてもぉ・・・ぃぃのに・・・」 「ごめんね・・・」 「いぃよぉ・・・」 ヌルの調子がいまいちおかしい。フィーアのほうを見たけどフィーアは頭を地面に付けてずっと下向いてる。 その日は”僕が”傷心のヌルを自宅まで送り、フィーアも家に帰した。 完全にしりぬぐいみたいなことさせられてるね・・・家に帰っても、フィーアとヌルのことが心配だった。 「あのお二方はなんだかんだで仲いいから・・・仲直り・・・はしなくても、何とかなんないかなぁ・・・」 僕は悩みを抱えたまま夕食のテーブルに着いた。 「おう?どうした悩みか?珍しいな。顔にはっきり出てるぞ。」 「へ?そう?」 「そう。だいたいポーカーフェイスか理不尽にキレまくってるかのどっちかだからなぁ・・・」 「へ〜。よく見てるね。僕のこと。」 「当たり前だ。」 父さんは僕の頭をこつん、と小突いた。 「ごちそうさま。」 「おう。あっ風呂入る前に昨日の荷物どうにかしてくれ。」 「あっ、ごめんなさい。」 「どうした?ごめんなさいなんてシャオらしくないぞ。もっとふてぶてしくてもいいのに。」 「うーん、なんでだろうね。」 僕はそのまま荷物を自分の部屋に押し込んで風呂に入った。 ばしゃっ・・・冷たい。 「うにゃぁぁぁぁっ!」 蛇口から桶にためたのは水だった。思いっきり水をかぶった。さ、寒い・・・そう言えば最初にお風呂入るときはいっつも気をつけてるのに・・・ 僕は身体を震わせながら湯船につかる。 「ふぁ・・・はぁ。」 昨日より今日・・・って感じだなぁ・・・疲れた・・・ぶくぶく・・・・・・・・・ぷはっ!寝ようとしてた! 「はぁ、はぁ、はぁ。」 もういいや。さっさと出て寝よう。 僕は適当に身体を洗って風呂から出た。 「父さんおやすみ。」 「おうっ、おやすみ。」 僕は寝室に入ると電気もつけずベッドに転がった。何も考えれなくなってそのまま目を閉じた。遠のく意識の中で昨日よかったから明日はいいことあるかな、と願いつつ。 ・・・誰だろう・・・身体を触るのは・・・夢かな・・・目を開けられない・・・ 「んあっ・・・んふぅ・・・」 僕は下半身が何かを感じた。僕のモノを何かが弄っている。 「ぁっ・・・そこぉ・・・ダメぇ・・・」 僕は興奮で何も・・・いや夢だ・・・ 「やぁっ・・・んふぅ・・・」 僕のモノは扱かれるスピードが速くなっていくのを感じる・・・ 「ぁっ・・・ぁぁぁぁぁっ・・・」 電撃が僕を貫いた。 「ふあっ!」 目が醒めた・・・僕はズボンに違和感を感じる・・・冷たい・・・漏らしたのかな? 恐る恐るズボンをめくるとパンツに染みと僕のモノの形が張り付いていた。 「最悪だ・・・」 夢で精を放ったみたいだった。僕はズボンとパンツを脱いで洗濯機のあるスペースに歩いていく。 「シャオ?何やってんの?」 ビクッ!もうだめだ・・・下は何も身につけてないし・・・こんなこと言えないし・・・ 「夜中に洗濯機の前で下半身裸だったら何か疑うよ・・・」 父さんは気付いたみたいだ・・・ 「さっさとシャワー浴びな。もう片方のズボン、朝お茶こぼしたから洗濯したけど乾いたかな・・・まあ持って来るからシャワー浴びなさい。」 「・・・ありがと。」 僕は浴室に入った。 やっぱりあんなことがあったから夢で・・・そういえばあの風邪の日以来・・・扱いてないなあ・・・半月か・・・扱いた?扱かれただな・・・ 「ズボンとパンツここに置いとくから・・・」 脱衣所から父さんの声がする 「ありがと・・・」 僕はシャワーを浴びると、夢のせいでもう頭が真っ白になって倒れるように寝込んだ。 「おはよう。」 父さんはニコニコ顔で僕を起こした。 「うぅん・・ぉはょぉ・・・」 なんでこんなニコニコしてるんだろぉ・・・ 「昨日はいい夢見れたっぽいね。」 うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!もう終わりだ~。こんなことでいじられるとかもう家庭内に立場ないよぉ~。 「もうそのこと言わないで・・・」 「ああごめんごめん。今日はどうするんだ?」 「うーんゆっくりする。」 ふぁぁ~平和だな~ 「どこかに行こうかなぁ・・・」 ぴんぽーん あれ?チャイムが鳴った。 「シャオ!来客だぞ。」 誰だろう・・・僕は急いで玄関に向かう。 「シャオ~!」 フィーアだったすごく機嫌がいい。なんか怖いです・・・ 「何?」 「合宿の日程の連絡だよ。」 「へ?なんで今日なの?明日から練習じゃないの?」 「それが・・・監督が今のうちに決めとく、って。」 何の心変わりなんだろう。 「あと4週間で夏休みも終わるけど。合宿は来週から、交流試合はその2週間後って決まったから。」 ほうほう・・・なかなか・・・しんどいなぁ・・・ 「来週っていっても今日含めてあと6日だからね。合宿が終わると少しオフがあって。」 フィーアは延々説明している。たいくつだなぁ・・・ 「だから合宿の・・・って聞いてる?」 「ふにゃ?うん・・・」 「聞いてなかったな・・・」 「そにゃことない・・・ふぁぁ・・・」 その次の日から全体練習が始まった。練習っていっても合宿の日程上4日しかない。 あっという間だった。 合宿をあすに控えて、僕たちは大忙しだ。 「シャオ!合宿の準備出来た?」 「一応ね・・・」 「なんか小さい川沿いの宿舎らしいよ。」 「へぇ・・・天気予報雨らしいけど・・・」 「だよね・・・大雨とか言ってるけど・・・監督は雨天決行って言ってたよ。室内で技術講習したいんだって。」 「監督もやる気だね~。」 僕はそそくさと弓を片付けている。 「やぁっ!」 ああ、いつものケイだ。あれからケイとは少し仲良くなった。前は普通に喋るので精いっぱいだったけど・・・ 「どしたの?」 「えっ?いや何もないよ。」 「合宿が終わると3日オフがあるんだけど・・・その最後2日でみんなで・・・って話したよね?」 「うん。」 「予定ある?」 「ない。」 「なんか提案ある?」 「花火は?」 「おっ、ベタだね~。みんなそう言ってるからそれだったら料金徴収しないといけないんだよね。」 「ん~じゃあ誰かの家でおしゃべり。」 「合コンとか宴会じゃないんだから。ん?花火を少ししてそれやろうか・・・ありがとっ!」 ケイはご機嫌に走り去って行った。僕は弓を片付けて帰る準備を終えた。 「シャオ!帰る?」 「そうだねフィーア帰ろうか。」 僕たちはケースを背負って家まで向かう・・・ 「なんか買うものある?お菓子とか?」 「シャオ。遠足じゃないんだよ。そんなもの・・・」 ああ・・・やっぱり駄目か・・・ 「ぜひ買っていこう。」 「だよね!」 僕たちは途中でスーパーに寄った。 「シャオ・・これこれ・・・」 「野菜スティック・・・フィーアらしいね。でも途中で乾燥しちゃうでしょ。」 「んあっ!ほんとだ!シャオありがと~」 むぎゅう~、抱きついてくるけどフィーアは本当に暑くないのかなぁ? 「よし、これだけにしとこう。フィーアきまった?」 「うん。決まったよ。」 フィーアはかごいっぱいにお菓子を詰めてた。 「ど、どうすんのこれ?」 「ん~、食べるの~。家でね。」 「なるほど。今日食べるのか。」 「そだよ。」 僕たちはそのあと別れて家に帰った。 いよいよ合宿に出発するその日になる。僕は最後の準備を済ませて張りきる。 「ふあ~。よっし準備終わり!」 「おっご機嫌だな。今日から合宿だっけ?がんばれ。」 父さんはもふもふと僕の首を撫でた。 「いってきます。」 「おうっ!いってこい!」 僕はケースとその他もろもろの荷物でふらふらになりながら学校へ向かった。 「ん?なんでケース持って帰らないと・・・ってそうか・・・学校早いからあいてないんだっけ。」 あれ?学校についても誰もいない・・・不安だ。 「やぁ!」 「ケイ!」 「早いね~。私はもっと早かったけどね~。」 僕たちはみんなが集合するまで楽しく会話をしていた。 僕たちを乗せて合宿へ向かうバスは出発する。 「うぇぇぇぇ~。」 フィーアはすぐ酔った。顔色がとても悪い。 「ノイン~!フィーアが酔ってる・・・」 「え?」 ノインも開始早々の出来事でびっくりしている。そうこうするうちにフィーアは吐いたし、バスは合宿地に到着した。 「うわぁ~すごい・・・」 「雨・・・・」 僕たちは絶句した・・・豪雨・・・ 宿泊先の旅館の前の川、小川って聞いてたのに・・・氾濫もいいところ・・・ 雨はどうやら3日前からずっと降り続いてるらしく、レンジはおろか小さな川だったはずの大河にかかる橋も流される寸前で立ち入り禁止。合宿どころではない・・・ 「ぬぁぁぁ!なんだ!この!雨!川!橋!」 監督が絶叫してる。あまりにも残念すぎる・・・最後の年なのに・・・ 「シャオ・・・これは・・・どうしようか・・・」 ノインは僕に聞いてくる。僕だって知らないよ。 「え~と、部員のみなさん。橋はご覧の通り、立ち入り禁止で、レンジには行けません・・・」 「はあ~・・・」 みんながっくりうなだれる。 「この雨、予報だとまだ2日くらいは続くみたいです・・・ということは少なくとも3日くらいは射てません。」 ノインが淡々と説明する。みんなはもう意気消沈というか部活どころではなくなった。 「みんな~、今警報出てるって~!」 ドライははしゃいでる。水タイプだからかな・・・ 「シャ・・・シャオ・・・うぇぇっ・・・」 「フィーア、無理したらっていうか・・・まだ酔ってるの?」 フィーアは完全にバスで潰れたみたい。まぁ出発してすぐ気分悪くなったし、仕方ないよね。 「うん・・・うへぇ・・・部屋一緒だから・・・よろしく・・・」 「フィーア・・・」 フィーアは僕と同じ部屋っていうのは知ってたけど、ここまで体調悪いと・・・どうしたらいいのかな・・・ 「あの~・・・」 「はい?」 「ようこそ・・・っていう感じじゃないですよね・・・」 旅館の職員さんが申し訳なさそうにノインに話しかけてる。 「いえいえ・・・予定がパーなんで・・・歓迎ありがとうございます。」 「余計なものまで歓迎しちゃったみたいで・・・」 「いえいえ・・・」 呪われてるみたい・・・僕たちはとりあえず部屋で待機っていうことになった。 この旅館は合宿が終わるまで僕たちの貸し切り状態っていうのをノインから聞いた。 「うぇっ・・・」 「外の風に当たってきなよ・・・」 「あ・・・雨じゃん・・・」 「ごめん、フィーア。」 「いいの・・・ほんと。」 僕の部屋ではフィーアをどうにか落ち着かせようと必死に僕はふるまう。フィーアは少しはましになったけど、まだまだダメみたい。 「ちょっと寝させて・・・」 「いいよ。布団敷く?」 「そこまではいい。」 フィーアはそう言って僕の提案を断ると畳の床にごろんと横になった。 一応予定ではすぐレンジの準備をして遅めの昼ごはんと夕方からの練習、ミーティングってなってたけど、ノイン曰く全部わかんない、だそう。 その日は準備はおろか雨脚をました大雨の中荷物をバスから降ろすだけで精いっぱいな状況で、とてもミーティングなんて悠長なことをやっている暇はなかった。 「みなさ~ん。明日の予定は・・・明日監督と相談して決めます。ひょっとしたらこの4泊5日中ずっと射てないっていうこともあるから・・・」 もう部員のみんなは遊びモードでじゃれあってる。監督も頭を抱えて悩んでる。 「シャオ~!復活したよ~!」 フィーアは元気そうに僕に飛びついて来た。 「ふぁっ!ちょっフィーア、抱きつかないでって。」 「え~いいじゃんか~。」 「臭い。リバースしたもののにおいがうっすらにおうんだって。」 「あ・・・ごめん。ちょっと今すぐ身体洗う・・・って一緒にお風呂はいろっか?」 「いいって。体調悪いんでしょ?フィーア先に入んなよ。明日なら考えてもいいよ。」 フィーアはすごく不満そうに風呂場に向かって行った。 「いいお湯だったよ。」 「フィーア、怒らないで・・・」 「ふうん?」 フィーアは僕に嫌な予感をさせる顔をした。不気味な静かさが部屋を包む。 「な?なに?怖いけど・・・」 フィーアはにやりと僕を見て笑った。 「何もないよ・・・夜が楽しみだね。」 僕は絶句した。フィーアは僕に何かしようとしてる。しかも前の二の舞になりそうな・・・まぁいいや。どうせ何かしてきたって勝てないし。 「おい!」 ノインが部屋に入ってきた。すごく機嫌が悪い。 「な、なに?」 「なにもないよ~。」 ノインはおどけてみせた。なんかストレスたまるなぁ・・・ 「監督がテレビとにらめっこしてる間は多分何もないよ。みんな部屋にこもってるし。遊ぼうよ?」 「いいね。シャオも行くよな!」 「は・・・はい・・・」 今のフィーアは時限爆弾みたいな危険性を感じる。僕はしぶしぶ従う。何も起こらないことを願って。 「やっほ-!」 ノインの部屋に行くとゼロとゼクスがいた。みんな練習がないのがよっぽどいいのかすごくうれしそう。 「合宿なのに練習ないとか・・・旅行じゃん!」 ゼクスは相当うれしそう。すでにお菓子を広げてる。 「じゃあゲームしよ!」 ノインの元気な号令。・・・ 最悪だ・・・ 「よえーなシャオ。うはははは・・・」 罵声が躊躇なく浴びせられる。 「シャオ・・・弱すぎ・・・15連敗か・・・」 ノインの同情する声が僕にかけられる。 「シャオ・・・よし。次から3連敗したら罰ゲームな。」 え?フィーアの恐ろしい提案だ・・・ 「わかった。3連敗したら特定の♀に告白。ノインはドライ。シャオは・・・ケイだな。フィーアは・・・誰でもいいよ・・・いや監督な。俺も・・・じゃあ監督で。」 なんでこんなこいつら自信満々なんだ?♂の監督に何を告白するんだ? ・・・ もう消えたい・・・ 「シャオよえー・・・瞬殺かよ・・・」 「じゃ、罰ゲームよろしく。」 ぽんぽんとみんなが僕の背中をたたく。 「シャオ。罰ゲームはやってもらうよ。みんなの前で。面前じゃなくてもいいけど。見える範囲内で。」 「ノイン・・・はぁ・・・」 「大丈夫だって。どうせ振られるよ。」 ゼクスは変な励ましをしてくる。 「でもわからないと思う。賭けるか?」 フィーアは何の提案をするんだよ・・・ 「おお。なら俺振られるほうに。」 「じゃ、俺も。」 「賭けにならないじゃん。じゃあ俺は成功で。」 フィーアの声にみんなどよめく。 「まぁいいや。じゃあ、シャオよろしく。いつする?合宿中?」 「やだよ・・・」 僕は断るけど・・・みんながギラギラした目つきで僕を見る。 「じゃあ、合宿終わった後にみんなで遊ぶから、その時に。」 「おおそれでいいじゃん。」 みんな笑ってるけど冗談じゃないよ・・・そのあと僕はすっかり意気消沈して夜になった。 「ええとぉ・・・監督が・・・匙を投げました。晩御飯終わったら筋トレです。明日は天気と相談します。」 みんなさすがに興奮が収まって落ち込んでる。最後なのにね・・・こうなるとは・・・ 僕たちは筋トレが終わって部屋に戻る。 「ふあぁ・・・シャオ・・・もう寝よ。」 「お風呂入ってくる。」 「一緒に入る?」 フィーアがニヤリとした。断ったら怖い・・・ 「え・・・ああ・・・別にいいけど。」 「よっしじゃあきまり。」 フィーアはいつもの笑顔に戻った。フィーアは着替えを捜してゴソゴソ荷物を探ってる。 「ひゃうぅぅ・・・そこ狙わないでよぉ・・・」 「相変わらずシャオは可愛いなぁ・・・俺だけだもんな・・・シャオにこんな変なことしてるの。」 フィーアはそう言いながらシャワーをずっと僕の股間めがけてかけてくる。たまらず僕は浴槽に逃げる。 「逃さないよ~。」 ざばっ・・・フィーアは浴槽に逃げた僕の後ろから抱きつく。 「きゃぅぅ・・・やめてって・・・」 「ふふふ・・・何もしないけどね・・・合宿中だから。ただ最近シャオと遊んでないなぁって。」 「僕と、じゃなくて、僕で、でしょぉ・・・」 「そうかな?嫌がってる割には・・・」 僕は久しぶりにフィーアの言葉攻めを受けて頭が混乱していた。 そのあとはとくに何事も幸い起きなかった。 その日はぐっすり眠れたようでとにかくほっとすることができた。 僕は目覚めるとフィーアが窓を開けてるのに気付いた。 「おはようフィーア。もう起きたの?」 「うん・・・雨全然やまないから。昨日よりひどい。」 「ホント?」 「見てみなよ。」 「ありゃ~・・・」 僕が窓の外から見た光景はまさしくバケツをひっくり返したような大粒の雨が木々を打ちつける晴天とはとても遠いものだった。 「とりあえず、朝ごはんだよ。」 僕たちは食堂へ向かう。旅館の職員さんが忙しそうに働いてる。 「シャオ、おはよう。」 ケイだ。すごく眠そう。 「おはよう・・・って・・・すごい寝ぐせついてる・・・」 横向きで寝ていたのかケイの首周りの毛はへんな形になっていた。 「いやぁねぇ・・・そのぉ・・・そりゃぁ・・・もう言い訳もできないくらい雨がうるさくて耳を塞ぐのに・・・って聞こえなかった?」 「うん。だって雨の打ちつける方向と反対の面に窓付いてたからほとんど聞こえなくて・・・」 「いいなぁ・・・」 ケイは少し眠そうに朝ごはんの席に着いた。僕は・・・フィーアに呼ばれてフィーアの隣で食べる。 「ケイにいつ告白すんの?」 「うるさいなぁ・・・勘弁してよ・・・」 「だって・・・気になるじゃん・・・シャオが振られるシーンが・・・っていうのは嘘だけど。あのゲームをしてたやつはみんな気にしてると思う。」 「だよね・・・」 朝ごはんが終わって筋トレが始まる。もうグダグダもいいところだ。その日から2日、結局素引きしか練習できなかった。 「最終日だけど・・・もう素引きしかできないよね・・・」 ノインも監督もすっかりうなだれてやる気もなさそうだ。 「まぁ・・・避難勧告寸前までいったからな・・・交流試合かぁ・・・どうなるんだろ・・・合宿で決めようと思ってたのに・・・」 「はい注目!」 ノインが声を出す。 「えーっと監督と協議した結果・・・合宿後のオフは返上で練習を入れます。その代わりに交流試合後、授業再開までをまたオフにします。」 みんなはがっかりしてる。とくにゼロ、ゼクス、ノイン、フィーアは。そうとう僕が気になってたみたいだ。 帰る時間になった。 みんなはがっくりしてバスに乗る。旅館の職員もがっかりしてる。監督はまた来ますって言ってるけど・・・ 「じゃあしゅっぱーつ。」 「うえぇぇぇぇぇ・・・シャオ・・・助けて・・・」 「ごめんそれだけは本当に無理・・・吐きそう?」 「かなり・・・」 「バスに弱いよね、本当。」 フィーアはまた吐いた。本当にバスとの相性悪いな・・・ その後ずっとオフはなく練習に次ぐ練習。フィーアはいつの間にか50mを射ち始め僕にどんどん追いついてくる。 そして交流試合前の最後の練習になった。交流試合は直前でウチの学校で行われることになった。 「ふぅ・・・今日は選考だ。」 「がんばろう!シャオ!」 「フィーア、僕に負けないでね。」 「じゃあ勝つ。」 フィーアは本気の顔になって僕を見る。 僕とフィーアは隣同士で射つことにした。 「えいっ!」 「やぁ!」 バシバシと的に矢が当たる音が聞こえる。 「シャオは50mどうだった?」 「203・・・」 「俺は189だった。上達早いでしょ?」 「めちゃくちゃね。」 30mに移動して再び射つ。 「シャオのトータルは?」 「494か・・・上達しないなぁ・・・」 「俺は477だったよ・・・」 「すごいじゃん・・・記録会の30mのハイスコアは277でしょ?その上達ぶりはすごいよ。」 みんなの選考の点を見てたけど僕はフィーアとゼクスの上の8番。まぁこんなもんだ。 みんなの選考の点を見てたけど僕はフィーアとゼクスの上の8番。まぁこんなもんだ。試合は・・・微妙だな。 「おーいみんな集合。」 監督がレンジで練習が終わってのんびりしていた僕たちを集める。 「試合の立ち順を発表する。じゃあ1的ノイン。」 「はい。」 監督は試合の立ち順を発表していく。どうせ僕は呼ばれないよね・・・ 監督は試合の立ち順を発表していく。8番目だったけどどうせ僕は呼ばれないよね・・・ゼクスかな・・・ 「8的、フィーア!」 「え?」 「はい、だろ。」 「はい・・・」 フィーアが呼ばれた。8的を射つっていうことはウチの場合期待されてるということと、得点が高い人が楽に射つ、という2つの目的がある。 あんまりフィーアはうれしそうじゃないよな・・・ 「じゃあ次は♀の立ち順・・・1的ヌル。」 「はい。」 フィーアのほうを見るとすごい微妙な顔をしてる。だって50m射ち始めてまだ2週間くらいだし・・・得点も僕のほうがまだ高い。監督は経験を積ませたいっていうことなのかな? 僕はフィーアのもとに駆け寄る。 「フィーア、おめでとう。」 「シャオ・・・ごめん・・・ほんと。」 「いいよ。フィーアが満足いく点数取ってくれれば。」 「シャオ・・・よーしがんばる。」 僕はまた・・・記録だ。僕と同じく外されたゼクスはすっごく不満そう。眉間にしわ寄せてずっと監督のほうを見てる。 部室に戻った僕は記録の準備をする。 「えーっと記録用紙が♂♀で2枚か・・・予備含めて4枚持っていくか。電卓~♪。よし。」 ぽんぽん・・・肩を叩かれた・・・ケイだ。 「お疲れだね。がんばってね。私は明日出るから・・・それでぇ・・・そおのぉ・・・ストレッチをね・・・明日お願いしたいんだけど・・・」 ケイはすごく照れて僕に言う。僕は勿論快諾した。 「はぁ・・・」 ゼクスはずっと肩を落としてためいきをついてる。 「シャオ・・・俺たちってフィーアが来たら試合には出れないのかな?」 「そんなことないよ・・・選考で点を出せばいいじゃん。」 「今日出したでしょ?」 「不満はごもっともだけど・・・」 「シャオは悔しくないの?」 「悔しいよそりゃ。でも監督の決断だし。僕は監督の決断を尊重する。」 「負け癖だな。完全に。俺はお前が8番目だって知って正直うれしかった。やっとお前が試合に出るところを見れるって。」 「ゼクス・・・そんな・・・」 ゼクスはとたんに肩を震わせた。 「泣いてる?」 「俺は悔しいの!俺が出れなくて、お前も出れないから!ずっと俺たち競ってきたじゃん!先輩が引退してからの4カ月!それを・・・それをそんな単純な理由で・・・」 ゼクスは声も震わせたまま帰って行った。 フィーアに声をかけるとフィーアはまだ射っていた。僕はそのまま帰ることにした。 「おう、お帰りって・・・どうした?喧嘩でもしたの?」 父さんがエプロンをつけて楽しそうに僕を迎える。 「喧嘩ってのじゃないけど・・・まぁ喧嘩同然かなぁ・・・」 僕は事情を父さんに全て話した。 「そうか。シャオ・・・出れなかったか。その友達の気持ちもわかるよ。なんせずっと勝ってきたんだからな。それを逆転されて試合に出る条件もそろってるのに、監督の判断じゃな・・・」 「試合にそもそも出てないから・・・まぁ・・・いいけど。出たところで・・・」 バシッ・・・頬に痛みが走り身体が吹っ飛ばされた・・・父さんに、叩かれた。 「痛っ・・・」 「シャオ!シャオ・・・お前がそんな気持ちでどうする?本気で叩いたのは・・・ごめん謝るよ。でもそんなこと言うのはその友達に悪いと思え。」 僕は壁にたたきつけられた身体を起こすと引きとめる父さんの声を無視してご飯も食べず・・・風呂にも入らずにそのまま自分の部屋で寝た。 続きます