ポケモン小説wiki
同的2 の変更点


[[同的]]の続きです

#hr

起きろ!起きろって!シャオ!起きないと!
「もうちょとねさせて・・・くぅくぅ・・・」
バンっ!
「うひゃっ!」
目を覚まさせるとフィーア・・・じゃなくて父さんが布団を思いっきりたたいた。当てるつもりはなくてもすごく怖い・・・
「友達の前でくらいさっさと起きたらどうなんだよ。ほんとに。」
「シャオは朝苦手なんだね?」
「そうなんだょ・・・」
「今日は部活行くんだろ?だったら朝飯食えって。」
父さんがトースト2枚とバターを持ってきた。
「俺は今日朝からちょっと忙しいから・・・もう店行かないといけないし。ノインの弓具を渡さないといけないから・・・」
「ノインの弓具って?」
フィーアが興味津津に尋ねる。
「え?あぁ、あいつの新しい矢だよ。この前の最後のリーグの試合でカーボン矢が折れたらしくて、結構時間かかったんだけど。食べたら学校いきなっ!」
父さんが無理やり僕たちを送り出す。フィーアは不安なのからしくなくちょっとおびえた感じになっている。
「フィーアらしくないよ。僕を始めて誘ってくれたときみたいに堂々としないと。」
「そうだよね、俺も頑張るか・・・って俺は昨日家に帰ってないから昨日と同じ格好なんだよな。下着以外。」

僕たちはしばらく歩くと学校に到着した。みんなもう来てるみたいだった。
「おっす!シャオ。あれ?フィーアか?フィーアだよな!わはー!」
元気に声を掛けてきたのがゼクス、ピチューだ。一応僕を選考の当落線上のライバル視してるらしく、お互いの腕の話は絶対しない。そうしろってゼクスは僕に言う。

「え?フィーア?ほんとに?どうしたの?」
フィーアの彼女、ヌルが声を掛けてきた。フィーア曰くヌルは弓の腕はそんなに良くないらしい。

「シャオ、俺は監督にちょっと挨拶してくる。」
「わかった。弓出して待っとくよ。」
僕はユニフォームに着替えて自分の弓を組むと防具をつけて待った。
「やっほーシャオ。元気?私はぁ・・・」
ケイは元気に僕に声をかけた。
「ケイはノインどこ行ったか知ってる?」
「ノインなら矢を朝一で取りに行くって言ってたよ。」
「あ、そっか。じゃあ声だしはヌルか。」
うちの部には声だしなるものがある。単に残り時間を知らせたり射ち始めの時間を教えたりするだけなんだけど。
「2的は私だよーん。シャオ、今日も勝負する?」
その声の主はドライ。シャワーズ。シャワーズなのにドライなんだよね。性格は快活。僕とよく勝負してくれる。いっつも僕が負けるけど。

ガチャ。
監督が入ってくる。
「おはよう。今日は見学希望者を連れてきた。知ってると思うけど、フィーアだ。ノインは後から来る。祭りの主役だからな。」
皆が拍手で迎える。
「主役は遅れてくるもんだ。さっ外行くぞ。」
監督が言うとみんなレンジに向かう。フィーアと監督はなんか喋ってる。

「じゃあストレッチからだよぉー!」
ヌルはそう言って最初のストレッチを始める。部員もそれについてストレッチをしていく。

「はい、サークル。」
そう言うとみんなが円になるように並ぶ。
「ぇぇとぉ・・・」
ヌルはなぜか声があまり出てない。みんなは不思議に思ってるけど、僕はフィーアがいるからじゃないかって思う。
「まあ、ぎゃむばりましょう・・・」
滑った・・・ヌルが哀れだ・・・ご愁傷様といった表情でみんなはヌルを見る。

「ねぇ、シャオ。勝負しよっ。だから3的に入って。」
ドライは僕に言う。ゆっくり射ちたいけどまあいいや。今日も負けるかな?♀は8匹いる。試合は5匹でいいので3匹余る。ドライは僕と同じように補欠だった。
「いいよ。」
僕は55mラインに弓を持って3的に入る。このレンジは最大23的まで張れる。
自分の的は自分で張るっていうこの部の独特のしきたりで、どこに張ってもいいように、いろんなところに目印が付いてる。
僕は的を張ると走ってクイーバーを腰に付けてタブとフィンガーをつけて弦を軽くはじいた。
シューティングラインに立つと右射ちのドライと左射ちの僕は向かい合いになる。

「えいゅ!」
失笑が起こる。監督もフィーアも爆笑してヌルを見た。ヌルは穴があったら入りたい、そんな気持ちだと思う。
「やぁ!」
みんなが応える。これが打ち始める合図。

「よしっ。」
僕は矢をつがえる。いつも射形は同じになるように射つ。引き手で軽く弦を引いて押し手でそれを軽く支える。
そして弓をゆっくりとあげて、弦を引きながらサイトが的に合うように・・・
カチッ
クリッカーが切れた、その刹那、僕は引き手を後ろに弾き矢は発射される。
カッ
「うわぁ・・・微妙・・・4?5?」
こんなことを延々繰り返して点を取る。
6本射ち終わった。
「矢取りぃ・・・」
その声がかかると的に向かってみんな走る。とにかく矢を早く取って点を取りたいから。

「ねぇ〜シャオどうだった?私21点・・・・」
ドライはちょっと落ち込み気味に僕に話しかける。
「僕は22だった。このペースだと180点乗らないぞ・・・」

2回目・・・
「う〜ん・・・シャオ・・・私18なんだけど・・・」
「僕は24だった。悪いわぁ〜。」

・・・・
6回終わり50mの集計が終わる。
「私・・・もうダメだ・・・162点・・・」
「僕もあんまりうれしくないな・・・183点・・・」

30mラインに移動する。これから30mを取るのだ。

「えいっ!」
「やぁ!」
声かけの人がケイに変わっていた。ヌルは自信喪失といった格好で一番端っこに移動してる。
・・・・
「聞いて聞いて!30mで289出たよ!」
「すごい!ドライ!って言っても僕も290出たよ。」
「うわぁぁあぁあぁん・・・せっかく頑張ったのに・・・」
「ど・・・ドライ・・・落ち込むことじゃ・・・」
まあ、そんなことは言っても入部して1年3カ月もうすぐ夏休み・・・なのに500を超えれないとは・・・情けないな・・・

「えっと・・・その・・・ごめんなさい。得点を採った人は監督の所までほうこくしてくだひゃい・・・」
「ヌル・・・どうしたの?」
ケイはさすがに心配になってヌルに話しかけるがヌルは落ち込んだままだ。

「ドライです。えと・・・50m162点。30m289点。トータルがえーっと451点です・・・」
ドライはちょっと落ち込んだ感じで報告を済ませた。
「えと、シャオです50m183点、30m290点。トータルが473点です。」
監督は僕のほうをちらっと見ると呼んだ。
「次もう一回点採れ。シャオはだいたい2回目のほうがいい時がある。わかった?」
「は、はい!」

「きゅうけいおゎぃ・・・」
「ヌル、もう全部私やるから・・・あっ、ドライがやってよ。」
「いいよぉ〜!」
ドライはうれしそうに言う。
「じゃいくよ〜。」
ドライが1的に入りケイが2的僕は相変わらず3的だ。
「えいっ!!!」
「やぁゃあ・・・・」
ばらばらだ・・・僕はこの状況がおかしくて笑ってしまう。
・・・・
「うーん、2回目50mは198か・・・今日は調子いいと思ったけどこんなもんかな。ま、この前の選考で自信無くした割に上出来かな。」
30mラインに移動する僕はそんなことを考えていた。自己ベストは504点。今の実力で30mで300を超えるのは無理。50mで200以上取る必要がある。
自己ベスト時も50mが212で30mは292。このチームでもメンバーに入るには常時500をたたき出す必要がある。

「えいっ!!」
「やぁ!!」
(略)

・・・ええとうまくいったのかな・・・30mはかろうじて289。合計で497点か。
「どうだった?」
フィーアと監督がのぞいてくる。
「497か・・・インドア向きなのかな?」
「確かにインドア記録会では200を下回ることはないですからね。225でチーム2位とったときは少しびっくりしました。」

「あにょ・・・みにゃひゃん・・・つぎひゃ・・・ひゅりーなんでぃぇ・・・しゅきにゃれんしゅぅをしてくらひゃい・・・」
「フィーア、ヌルどうしたの?」
「俺が来たから上がってるのかな?そんなことないよな。」
「違うと思うけどね。なんかすごい変。」
「で、シャオは次の練習何するの?筋トレ?近射?ランニング?」
「近射一択かな。」
僕は弓を近射台に移した。
がばっ
「にゃあ!」
「シャオ〜〜〜。私も近射するよお〜。」
ドライが僕に抱きついてくる。もてない僕だけど、なぜかみんな抱きついてくる。男女問わず。変な話だ。ドライは僕の顎の毛を触りまくっている。
「ドライ、声だしは?」
「ケイがやるんだって〜あはは〜。」
「ドライって重さ変えたんだっけ?」
「そうだよ。今まで24だったのを26にしたんだけど重くて・・・」
「そろそろ放して・・・」
「いいよぉ〜」

「3ラウンド目いきまーす!!」
ケイの大きな声が聞こえる。ケイは僕と同じくらいの体格で580点たたき出す弱小校驚異のエースだ。♀チームのあこがれの的といっても過言ではない。
残念ながら女子責のヌルは・・・普通に立ってるけど・・・なんか変。

時間がたち、練習は終わった。
「しゃーくぅ・・・」
「・・・・」
ヌルは声を出す気力もないみたい。
「えっと練習試合するって言ってたのが今週末に変わってしまいました。ごめんなさい。この練習試合が終われば例年は恒例の休みなんですが・・・」
「???」
「フィーアがシャオを見てもう一回やりたいって言ったので、シャオとノインはフィーアをサポートしてください。以上でっす。」
監督は連絡事項の説明をし終えると帰って行った。
「へ?フィーア?いいの?」
フィーアの顔に迷いはなかった。尻尾もぶんぶん振ってる。

ドライとケイは僕の所にやってきた。
「シャオ、今日は珍しく負けちゃったけど、明日はこうはいかないよ。」
「シャオ、シャオなんてエースの私にしてみたら石の裏のアリみたいな存在だけどがんばってね。」
ドライはいいけど・・・ケイは・・・けなしに来たのか?

全体の練習が終わり、みんな昼ご飯を食べたり思い思いに時間を過ごしてる。
ガチャ!
「やあ。」
部室のドアが開いてノインが入ってきた。ノインはフィーアに気付いてないみたいだ。
「シャオ、矢ができたから取りに行ってたんだ。」
「知ってるよ。情報が漏れてるんだよ。」
僕の言葉にノインは少し驚いたみたいだけど、何かに気付いた。
「ああ、親か、シャオの。」
「そうだよ。」
「これから矢の調整してくるから。あれ?フィーア?」
「あんだよ?俺がいたらなんか悪いのか?」
あわゎ・・・何もしてないのに一触即発の危機だ・・・何とか話を紛らわさないと・・・
「ふぃ、フィーア・・・弓の調整しよっか・・・」
「シャオ・・・そうだね。こんなやつほっとこ。先にレンジに行っとくね。」
フィーアは吐き捨てるようにセリフを言って部室を出て行った。
「ごめん、ノイン。こんなことになっちゃって。」
「シャオ、いいんだよ俺は。戦力をあげることのほうが大事だし。」
ドライがノインに気付いたのかこっちに歩いてきた。
「ノイン!お祭りに出るんだって?」
ノインは急に笑顔になった。
「そうなんだよ~。それでね・・・」
僕はそこまで聞いたところで部室を出た。フィーアを待たせたら悪いと思ったからだ。

「シャオ、遅いよ。何してたんだよぉ。」
フィーアはちょっぴり怒ってるみたい・・・
「ごめん・・・」
ガラガラ・・・倉庫の扉をあける。すごい砂埃が舞った。砂埃は僕の喉を直撃する。
「えほっ、えほっ。」
「シャオ、だいじょぶ?」
「うん・・・えほっえほっ。さっさと弓を出さないと。」
僕たちはせっせとリムとハンドルを出す。これは初心者が使うやつでフィーアの今までの実力を考えれば使うようなものではないんだけど。
「フィーアこれ・・・」
「シャオ・・・実はね監督と相談したんだけど・・・右で射つのは・・・無理だって。」
「え?」
フィーアはこれまで右射ちで実績を積み上げてきた・・・右で射てないってことは、まさか・・・
「だから、シャオもいるし、左で射てるかなってことで、左で射つことにしたんだ。肩の状態を考えたらこれがベストだって。」
僕はリムを抱えたままうれしいのか悲しいのか微妙な感情に襲われる。フィーアもちょっと震えてる。
「うん・・・出来ることがあったら協力するよ・・・」
「シャオ・・・ごめんね。」
ぎゅっ!フィーアはリムを持ったままの僕に抱きついてきた。フィーアはちょっと汗をかいているのか湿ってる。
「わっ・・・フィーア・・・」
「ほんとに・・・俺は・・・どうしたらいいんだろう・・・」
「おい、フィーア、俺の特権を奪うなよ。」
ノインが倉庫前に近づいてきてフィーアを注意する。
「なんだよ、ノイン・・・別にこれぐらい俺だってするよ・・・」
フィーアは僕を放して左用のハンドルを持って行った。
「フィーア、リムは何ポンドのやつを使う?僕は22から使ったけど。」
「え?いきなり22?ほんと?」
フィーアは信じられない、といった感じの顔で僕を見た。
「そうだよ。みんな好き勝手に20とか18とか持っていったから22しかなくなったんじゃんか。」
「そだっけ?それは悪いことをしたなあ。あはははは・・・・」
軽く笑うとフィーアは20ポンドのリムをハンドルに付け始めた。
「射形見ないの?そう簡単にはいかないと思うけど・・・ゴム引きから始めても悪くないと思うよ?」
僕の言葉にフィーアはややむっとした感じになる。
「俺が、そこまで・・・落ちてるかなあ・・・左初めてだし・・・そうするかな。」
あっさりとフィーアは弓を組むのをやめてゴムチューブを倉庫から見つけて出した。
「カウントして。」
「うん。」
フィーアの頼みを僕は快諾してフィーアは射つ体制を取った。
「じゃ、いくよ~1,2,3,4,5・・・」
僕のカウントの声に合わせてフィーアはなれないはずの左を軽くこなしていく。
「はい、発射。」
うん、悪くないなぁ。フィーアは一度でいとも簡単に左の射形をマスターしてみせた。
「どうよ?いけるでしょ?」
「うーん。まぁ近射からかな。もともと1年しかやってないし、そこから左右を変えるっていうのはね・・・」
笑顔になったフィーアはまた僕に近づいてくる。
「矢だけど、どうしよ・・・俺の矢はまだあるの?」
「もちろんあるよ。部室にちゃんと置いてあるよ。」

部室に戻った僕たちは小汚いロッカーを開けるとそこには筒が立てかけてある。
「これだ・・・まえのまんまじゃんか~。」
むぎゅ~フィーアは僕を力いっぱい抱きしめる。
「う~ん・・・いちいち抱きつかないで・・・暑いから・・・」
部室の窓からレンジを見ると、ノインがまだ射っていた。
「今日さ、シャオはお祭り行くの?ノインが出るらしいんだけど?」
僕は全く祭りには興味ない。彼女もいないし、友達もねぇ・・・
「行かないよ。もともと僕はお祭りあんまり行かないし・・・」
フィーアはがっかりしたような顔で僕を見る。
「なーんだ、ヌルと行ってくるか・・・」
あれ?ヌルはさっきすごい気分悪そうにしてたけど・・・
「ヌルは元気ないからダメでしょ・・・」
「そう?元気ないんだ・・・らしくないね・・・」
フィーアの声に少しの悪意を感じた。

僕は着替えて帰る準備をしている。フィーアはまだゴム引きで射形のチェックをしている。
「じゃ、帰るね。」
フィーアは残念そうに僕を見る。でも僕は早く帰りたいんです・・・あとがなんか怖い気がするけど。その時考えたらいいかな・・・

家に帰ると父さんはまだ帰ってきてない。・・・眠いなぁ・・・あ、フィーアにパンツ貸したままだ。まぁいいや・・・あれくらいかえってこなくても。

「おはよう。」
ん~?父さん?え?おはよう?もしかして・・・
「朝だぁ~~~っ・・・」
「どうしたんだ?昨日は帰ってこないって・・・言ってなかったな。なんだ晩御飯食べてないのか・・・」
「うん、昨日はお風呂も入ってないし・・・帰ってきてそのまま寝てた・・・」
父さんは困ったなあ、といった顔をして僕を見てる。僕は急いで風呂に入って、部活の支度をすませる。父さんも朝ごはんの準備に大忙しだ。

「シャオよ。俺は明日は帰ってくるのが遅いんだ。スポーツ商品の展示会があって、店から行けって頼まれてるんだよ。」
「ひょうなんふぁ・・・」
僕はご飯を食べたまま返事をする。父さんが行儀が悪い、と言ってチョンと頬をついた。
「じゃ、行ってきます。」
「おう。行って来い!」
僕は今日は時間があるのでゆっくり学校に向かう。空が綺麗だなぁ・・・あれ?喉がちょっと痛いぞ・・・昨日の倉庫の埃かな?鼻も少し・・・
風邪かな・・・夏風邪かな・・・嫌だな・・・僕は少しの身体の違和感を覚えてちょっと不安になる。
「やぁっ!」
「フィーア・・・」
フィーアはすごく元気そうだ。ちょっと調子が悪い僕にとってはうらやましい・・・あんまり声出したくないな・・・
「シャオ、どうしたの?風邪か?」
えっ、やっぱりばれてたか・・・
「実はそうっぽいんだよね・・・」
「そうなの?身体は大事にしないと。無理はよくないって。」
「ありがと。」
僕たちは部室に着くと誰も着てなかったけど着替え始める。フィーアはまだユニフォームを持ってたみたい。
「あれ?フィーア、ユニフォームまだ持ってたんだ?」
「そうだよ。捨てるに捨てきれなくて。持ってなかったらシャオから借りようかなって。」
「僕も今日1着しか持ってきてないよ。ジャージも・・・」
ノインが入ってくる。
「おはよう。」
「ノイン、おはよう。」
フィーアはやっぱりノインのほうを見てない。昨日も思ったけど仲悪いのかな・・・
次々とみんなやってくる。

弓を持ってレンジに出た僕はノインのもとに行く。
「ノイン・・・」
「どしたの、声あんまり出てないけど?風邪かい?」
「うん・・・」
「距離射てる?」
「うん。」
ノインは僕の答えにいまいち不安があるみたいで少し考えてる。
「あ、そうだシャオ、フィーアと一緒に近射しててくれない?」
「え?いいよ。」
「ありがとう。じゃ、よろしく。」
僕は弓を持って急いでフィーアのいる近射台のほうに向かう。
「シャオ・・・どうしたの?俺がいとしいの?」
「そんなわけないでしょ。ノインが一緒にやっててっていうから来たの。風邪で調子悪いしね。」
フィーアは少し嬉しそうな顔をして僕のほうを見る。安心したみたい。
「昨日さ、俺祭り行ったんだよね。ヌルと。」
「ヌル?元気になったの?」
「うん。なんか俺と一緒に結構楽しそうにはしゃいでたけど。ノインが舞台で弓射ってたよ。」
フィーアはゴム引きを延々と繰り返してる。まだ射ちたい気持ちを抑えてるみたいで、さみしく近射をしてる僕はフィーアと喋ってる。
「シャオ、シャオって最初弓引いたときどうだった?違和感無かった?」
難しい質問をフィーアは僕にぶつけてきた。最初?どうだったっけなぁ・・・特に違和感とかは感じなかったけど・・・
「う~ん、確かそんなには難しくなかったけど・・・フィーアは?前はどうだった?今はどうなの?」
「俺は・・・今は違和感があるな、さすがに。前は特に感じてなかったけど。右だから右で射つっていう感じだったし。」

僕は結局その日1日を近射に費やした。特に収穫もなくしんどい1日だった。フィーアはコツをつかんできたのか、もう明日にでも射ちたいっていう感じだった。
風邪が悪化しないように僕はさっさと家に帰って風邪薬を飲んで寝ることにした。

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