*この話はポケモンが2足でも4足でも器用に生活して人間と同等に道具を使い生活をする話です。でも人間は出てきません。あしからず。あと専門用語が出てくるかもしれません。そうなったらその解説ページを作りたいと思います。あと今はえちぃのはないです。おそらく次くらいは。 *この話はポケモンが2足でも4足でも器用に生活して人間と同等に道具を使い生活をする話です。でも人間は出てきません。あしからず。あと専門用語が出てくるかもしれません。そうなったらその解説ページを作りたいと思います。ちょっと最後のほうだけえちぃというかそういうのを入れました。ごめんなさい。♂×♂表現があります軽く。 #hr 同的・・・それはアーチェリーにおいてレンジの的の数が射つ人の数よりも少ないときに、1つの的を複数で狙うこと。矢を取る時も迅速さが必要とされる。 #hr ・・・君のその力は、誰にも負けないから・・・信じて・・・ 太陽が西に沈み、西の空は夕焼けで赤く染まっている。 レンジと呼ばれる射場には列が2本出来ている。そしてその先頭の中央に等間隔には3つ、なにかが立っている。 「結果を発表します。先攻、ジョウト第5学校、4030点、後攻、カントー第1学校、4310点、よってカントー第1学校を勝者とします。」 3つのものの真ん中のやつはそう言った。 それを少し離れて立って見ていた僕はうなだれる。またか・・・って。僕はずっと試合に出てない。 試合に必要なのは♂は8匹。うちの部には♂は9匹。僕はずっと得点の記録をしてる。 前の先輩が引退してから練習試合も3連敗。っていってもうちの部はもう休部が決まってて僕の代から後に後輩はいない。 前の先輩の代でリーグ最下位に転落。浮上の兆し?ないね。もうあとはないんだから。あと1回。それで部は休部。 休部の理由は単純。レンジの改装。その間に代わりの練習場が用意できないから、改装が終わる予定の3年後まで休部。 監督は怒ってたけどね。部の状況にも、休部という現実にも。そしれ監督はうちの学校の教師で僕らのクラスの副担任だ。何かあったらすぐクラスでネタにする。 そして僕はよくネタにされる。残念だって。何がって?すべてがだ。 「うにゃぁっ!」 僕の身体に背後からふさふさの毛が覆いかぶさる。 「驚いた?」 「ノイン・・・」 アブソルのノインは僕によくこうやって抱きついてくる。ノインはうちの部の部長だ。エース的な存在で、チームを引っ張ってる。♂だ。 首の周りには白い毛がまとわりついていて、ノインは僕のお腹に手をだらっと下げた格好になっている。 「シャオ、記録のお仕事お疲れ様。」 そうだった。僕の名前はシャオ。ガーディで、アーチェリーをやってる。部活もアーチェリー。そして補欠。監督は9番目の選手って言ってくれるけど。 その9番目の選手の仕事は記録と予備の弓具を持つこと。でも僕は左で射つから、右で射つみんなは使えない。残念でしょ?結局監督がいつも持ってきてくれる。 「ありがと。で、なんでいきなり抱きつくの?ノインはユニフォームじゃん。僕は制服なんです。汗だくでしょ?」 「細かいこと言わない。俺はこうやってねぎらってるんだよ。」 ノインのほうが僕よりも少し大きい。ノインが抱きついてきたら僕は後ろからは見えなくなる。額に汗が少しにじむ。 「暑いの、ほんと。蒸し暑いし汗かいてるし。」 「照れなくてもいいんだよ〜シャオ〜。そう言えば監督は?」 照れてないって。本当に暑い。暑い暑い。僕が汗かきそうだよ。制服にじわじわ汗がにじんでくる。 「監督なら50m終わった時点で帰ったよ。僕が残念らしくて。」 「そういや、そうだったね。昨日の選考も残念だったよね。480点あれば出れるのに、475点とか。さすがにミスター残念は伊達じゃないね。」 ミスター残念っていうのはノインが勝手につけたあだ名だけど、本名よりも流行ってる。 「前だったら試合終わってすぐ監督に怒鳴られてだったらしいよ。後輩がつくれた頃の話らしいけど。」 ノインは部長として部を引っ張ってる。先輩からいろいろな話を聞いてるみたい。 「フィーアがいたらね・・・」 「過ぎたことは言わないの。」 フィーアはリーフィアで僕の親友。僕をこの部に誘ってくれた。未経験なのに1年でスコア600をたたき出して期待されていた。 でも・・・肩を怪我してそれがわかった途端に辞めた。最初は♂なのに監督と関係をもったんじゃないかとかいろいろうわさが立ったけど、僕は真実を知ってた。 フィーアは真実を僕に話した後、僕の前でフィーアらしくもなく号泣した。怪我が治ってもフィーアは弓を触らなくなった。 「シャオはフィーアと今でも仲いいんでしょ?だったらなんとか・・・」 うつむいた僕にノインはまだフィーアの話をする。 「あいつは未練はあってもやる気はないと思う。僕もその話は避けてるから。ヌルに頼んだら?彼女だし。」 ヌルはグレイシアでフィーアと付き合ってる。部の女子責任者だ。フィーアもそこからちょくちょく部の情報を仕入れてるのを僕は知ってる。 「ヌルかぁ・・・あいつ美人だよな。フィーアと付き合ってるのか。うらやましい。俺なんてそんな時間ねーよ。シャオもうらやましいと思うよな?」 「どうだろ?僕は別に。フィーアの今までのことを思えばそれくらいはあってもいいと思うけど。」 「シャオは優しいよな。無関心、って言ったらそこまでだけど。」 ノインは僕を抱いたまま話を続ける。本当に暑い・・・制服のシャツの袖が汗で透けてきた・・・ 「ノインもシャオも片づけ手伝うの!」 遠くから声がする。ケイ?ブースターのケイだ。 「ケイはうるさいよな、片づけ手伝いに行くか。」 ノインは僕を解放すると走って行った。もう汗だくだ。僕もそのあとを追った。ケイは♀で今日の♂の試合の設営と片づけを♀がやることになってる。 「シャオ、なんで汗だくなの?」 ケイは不思議そうな目をして汗だくの僕に尋ねる。僕は横で突っ立ってニコニコしてるノインを指さす。 「あ・・・そうなんだ。仲いいね。私は遠慮します。ブースターの私は熱いのは平気だけど、蒸し暑いのはね・・・」 僕もガーディだっての。僕はケイから目をそらしてレンジを見渡す。ほとんど片付けも終わってるし、何もすることはないかな。 汗で湿ったシャツが毛に当たって湿った感じが肌に伝わる。無意味に冷たくて気持ち悪い。 「部室に帰って記録の整理でもするかな・・・」 部室に戻った僕は1匹で机に向かって得点の計算をしていた。 「えーっと4030点を8人で出したから1匹503.75点か。全部当たったら1匹720点、合計5760点でだもんなあ。5000点が1部への切符だって言ってるし。」 意味ないことやってるかなぁ・・・はぁ・・・僕が出れても変わらないんだろうな。 「最高点がノインの550点。最低はゼクスの465点か・・・僕の選考の点は475。ゼクスの選考の点は486。僕が試合に出ても下がるだけか・・・」 ミスター残念とか言われて期待されてない分、楽に射ててるはずなのにな・・・僕は鉛筆を持ってる左手をじっと見た。 「練習もしないとね・・・」 「何独り言言ってんの??」 「!!うぁっ・・・」 ケイだ。聞かれてた・・・最悪なくらい憂鬱だ・・・右手で少し頭を抱える。 「聞かれてないとでも思った?結構声大きかったよ。」 うわあぁぁぁ・・・恥ずかしー。顔が一気に熱くなってるのを感じる。僕は部室の外に逃げようとする。 「でもね、シャオ。シャオは試合に出れてないけど、期待してないわけじゃないよ。監督も、ノインもね。それに・・・」 ケイは少し言葉に詰まった。 「ヌルから聞いたんだけど、フィーアがシャオのこと結構心配してるって。自分が連れ込んだのに先に辞めることになって、心配しか出来ないけどって。」 「へ?」 僕は少し意外に感じた。フィーアが部の情報を集めてるのは試合の結果が知りたいだけだと思ってたから。よっぽど悔しかったんだとだけ思ってたけど・・・ 「フィーアが・・・僕のことを・・・」 目頭が熱くなるのはもうわかってた。でもそこをどうにか僕はこらえる。 「そうだよ。あ、これ言っちゃだめだ。ミスター残念なのに。余計にプレッシャーかけちゃうかな。ぅふふっ・・・」 そんなのはどうでもよかった。フィーアはまだやる気をなくしてないのかな・・・でも、今戻ってきても余計悔しいと思う。戦力も、士気もないチーム状況・・・ 「再来週また練習試合あるよね?それ目指して頑張れって!」 バンバン、とケイは立ってる僕を強くたたく。少し痛かったけどある思いが芽生えた。 ・・・フィーアが戦力にならなくても・・・もし戻ってきてくれたら・・・ ケイは少ない荷物をまとめている。 「私、帰るね?」 「うん、お疲れ。」 「あれ?女の子1人だよ?」 ぶっ・・・何か期待させる物言いだよね・・・って言っても期待も何もないけどね。ケイは両手を下げて腕で胸を挟む格好でこちらにじりじりと近づいてくる。 「あれ?送ってほしいの?」 「んふふぅ・・・どうだろね。ちょっとからかってみただけだよ。」 やっぱりね・・・期待してなくてよかった。1匹で帰るか。 「でもシャオも早く帰らないと明日学校だよ。」 「そうだね。帰るかな。」 結局一緒に帰ることになった。僕はちょっぴり恥ずかしい。ケイも僕も制服まで汗だくになって、準備して。 ケイは小さいカバンを手から提げて顔は少し眠そうだ。 「眠いの?」 「そりゃそうだよ。朝からずっとだもん。シャオと一緒に設営手伝わされてそれ終わったら片づけまで待って、そしたら対戦校が片づけしてくれて。」 「ねぇ、♀のほうって強いの?」 話をつなぐために僕は一緒に歩きながら喋るケイに質問をぶつける。 「大エース様に良く言えるね。強くは・・・ないけど、♂みたいに最下位じゃないよ。」 ケイの弓の腕は僕よりもすごく上手いし、リーダーのヌルよりも点を稼ぐうちのエースだ。僕はこんなことを聞いたことを悔いた。 「記録マスターのシャオならよくわかってるんじゃないの?ぅふっ。」 そういやそうだ。♀の試合でも記録に駆り出され、今じゃ対戦校の記録係に記録法まで教えてる。 「対戦校の♀のリーダーが言ってたんだけど、記録方法を教えてくれるから、ある程度教える手間が省けるってさ。」 「そうなんだ。」 僕は自然と笑みがこぼれる。ケイはヌルよりも対戦相手について詳しい。情報をよく集めてるというか、相手を手玉に取ってる。そこが強さの源泉だとも。 「シャオはさ・・・これは私の意見なんだけど、いざというときに強そうだよね。」 「そう?」 「うんだって、練習やって選考で点落ちてってそこまでひどくないよ。せいぜい5点くらいじゃん。今度の夏の記録会、期待してるけどね〜。」 「そうなのかな?じゃあもうちょっとがんばれるかも・・・」 他愛のない会話をしてると唐突に話が切り替わる。 「フィーアのことだけどさ、戻る気ないのかな。」 ケイが切り出す。 「フィーアは未練はありそうだよね。じゃないとヌルを使って情報を集めたりしないと思うんだけど。ノインにも言うけどまた誘ってみて。」 「うん・・・」 十字路に着く。 「じゃ、私はここで、ありがとっ!」 ケイは明るい笑顔で僕に別れを告げる。一匹になってさみしくなった僕は家路を急ぐ。 ガチャ・・・ 玄関のドアを開けて玄関に座り、疲れから眠くなった僕は弱い声でただいま、と言った。 「お帰り、シャオ。」 ウィンディの父さんは玄関まで出てきて疲れてゆっくりしている僕を労ってくれる。 「にゃっ・・・」 父さんは顔を僕の首に付けて擦る。僕はくすぐったくて身を縮ませる。そして父さんは部屋に戻っていく。 僕は少し玄関でボーっとしてから部屋に入った。 「疲れただろ、記録係。」 父さんはスポーツショップで働いていて、監督とかなり仲が良いらしく、すべての情報を知ってる・・・つもりみたい。 でも僕のことを全部は言ってないって監督は言ってる。そりゃミスター残念とか言われてたら嫌だよね。 僕が机見るとそこにはグラタンが2つある。 「そのグラタンは俺が作ったんだぞ。ほめてくれ。」 父さんは掃除、洗濯、食事、すべて上手い、というか凝り性だ。僕はスプーンで熱いグラタンを少しづつ崩して食べていく。 「ん〜、おいしい。」 「そうか。じゃ、またするな。」 父さんはご満悦といった顔で僕を見る。よっぽど機嫌がいいみたいだ。グラタンはみるみる少なくなっていく。 「ごちそうさま。」 「おうっ。ごちそうさま。」 ふぅっとためいきをつくと僕はゆっくりお茶を飲み、のどの渇きを癒す。父さんはいつの間にかうつ伏せになって寝ている。 「風呂ならもう入れるぞ〜さっさと入ってこい。」 「うん。」 僕は風呂に入って汗を流し、そのまま寝室に向かった。 「フィーア・・・僕はどうしたらいいのかな・・・」 目をとじてそのまま眠りについた。 「起きろ!遅刻すっぞ!」 バン! 「はうぅぅ・・・」 僕が目を覚ますと父さんが僕のお腹を軽く叩いていた。 「何してんの?」 「遅刻しそうだから起こしたんだろう。」 時計を見る。 「うわぁあぁあぁぁぁ!」 僕は冷や汗をかいた。授業まで時間がもうない。 「仕方ねえな。早く準備しろ。」 僕は急いで準備し、朝ごはんを口にくわえたまま外に出る。 「ほら、乗れや。」 僕は父さんにつかまると父さんは一気に走り出した。 「ひぇぇぇぇえぇぇぇ・・・」 速い!速い!僕の悲鳴が街に響く。 「うるさいぞ。あんまり叫ぶと落ちるぞ。あっ・・・もう着いた。」 父さんは急に止まり、僕を降ろした。朝ごはんは結局どこかへ飛んで行ってしまい、食べれず。心臓はバクバク鼓動し、生きてる心地はしない。 「・・・ありがと・・・」 「おう、いつでも任しとけ。」 父さんはまた同じスピードで走りだした。時計を見るとまだ余裕がある。 ぽん! 「わゎ・・・」 振り返るとフィーアがいる。 「シャオ、どしたの?お化け見た、みたいな顔して。」 僕は今朝の出来事をフィーアに話す。するとフィーアはおかしそうな顔をする。 「ふぅ〜ん、そんな面白いことがあったんだね。そういえばなんか声響いてたし。さ、教室行こうか。」 僕とフィーアは教室に入ると、ノインが待っていた。 「あっ、シャオ。いいとこに。フィーアお話があるんだけど・・・」 ノインは切り出した。 「ねぇシャオ、何て言ったらいいんだろうね。その・・・」 ノインは僕に話を振りつしどろもどろにフィーアに話している。僕も少し緊張している。どうなるかわからないから。 「部には戻らないよ。戦力でないものは必要ないでしょ?」 「フィーア、俺はそんなつもりで言ったんじゃないよ。シャオ、なんか言って。」 僕はどういうべきか迷っていた。僕はすべてを知る立場として、口をはさむ権利はないんじゃないか、そういう思いもある。事実、フィーアとは弓の話を避けてきた。 「シャオ!」 フィーアも僕に回答を迫っている。 「僕は・・・フィーアに戻ってきてほしい。今はそんな悠長なことを言ってられる場合じゃない。」 「シャオ・・・」 フィーアはがっかりしたんだろうか、急に語気が弱くなる やっぱり避けるべきだったか・・・ 僕は出来るだけフィーアを不機嫌にしないように回りくどく説明することにする。 「フィーア、昨日ね・・・」 「知ってるよ、ボロ負けしたんでしょ?うちの部は休部を目の前にして相手にとっては練習相手というより、サンドバッグ。シャオが出たらいいんじゃん。」 「それはできない。」 ノインが即答する。えぇっ、僕のショックはでかい。 「へ?」 フィーアもちょっとびっくりしたようだ。 「シャオが出たとして、左のシャオの予備の弓は誰が持って行くんだ?」 「練習試合ならそんなもんいらないだろ!」 フィーアはかなりキレてる。しかもキレる理由がさっぱりだ。僕に対してなのか、僕が試合に出れないことに対してなのか、ノインの判断に対してなのか・・・ 「俺はもうやらないって言ってんだろ!だいたいうっとおしいんだよ!監督もノインも!」 え・・・監督? 「監督?」 ノインもそう聞いた。 「そう!監督も何回か再起のチャンスはある、って言ってくれたけど、そんなもんもうない。もう・・・ないんだよ・・・」 びっくりしたのかクラスのみんながこっちを見てる。フィーアはややクールダウンしたのか語気は落ち着く。 「シャオ、お前はどうなの?試合に出れないことに対して。」 フィーアは僕に怒ってる? 「ええと・・・選考でやっぱり点が悪いからかな。昨日の試合の選考も一番下だったし。」 「はあ・・・」 フィーアはあきれた顔をして僕のほうを見た。 「シャオは、シャオは力があるから、残念なのはわかるけど、試合に出ないとわからないよ。もう1年くらい試合でてないんでしょ?」 「うん・・・去年の5月、新人戦で休んだゼクスの代わりに出た。でもそれ以来出てない。」 本当に残念な記録だった。その一回以外は個人記録会だけ。しかもこの前の記録会は風邪でダウン。それでも出たけど。 ろくな記録じゃなかった。アーチェリーを始めて1年経つけどショートで300台って・・・出ないほうが良かったかな・・・ 「シャオ、インドアの個人記録会の記録忘れたの?225だよ?240の俺に次いで部内で2位だったんだよ。300のうち225出たら普通に行けば試合でも出るでしょ? うちの学校クラスだったら、十分レギュラー張れるんだよ?」 「でもあれはまぐれ・・・」 ノインが言う。おい!僕の記録を・・・ 「ノインは黙ってて。とにかく、シャオが自分で戦力になるって考えないと、部は厳しいよ。」 僕はもうズタボロだ・・・思い出したくない記録を思い出すわ、マグレって否定されるわ・・・はぁ・・・ 「そうだ、フィーア。再来週にまた練習試合あるんだよ。見に来たら?」 僕は提案する。フィーアは少し間をおいた。 「そうだなあ・・・行ってみてもいいけど・・・監督が何て言うか・・・」 「じゃあ俺が説得しといてやるよ。」 ノインが言う。 「そう、じゃあ俺は見に行くだけね。」 ノインは僕を見て成功だ!っていう具合の笑顔で僕を見る。僕は励まされたのか、けなされたのか、わからない・・・ 「さ、授業だ。」 そう言うとノインは教室から出て行った。僕とフィーアは同じクラスだけど、ノインは違う。 授業は退屈だ・・・眠い・・・寝るか・・・ 「シャオ・・・シャオ!」 「ふぁい?」 フィーアだ・・・ 「もうお昼だよ?ずっと寝てたの?」 「えっ?」 僕は時計を見る。時計はすでに1時を過ぎようとしている。僕は朝から今まで誰にも気づかれずずっと寝てたってこと? 「俺はもうお昼食べたよ。ヌルと。」 「お昼・・・お弁当・・・まだだ・・・」 最悪だ・・・寝るのはいいけど今まで寝てたとか・・・僕はガーディ特有の短い四肢を存分に伸ばして背伸びをした。 「今日部活あるの?」 フィーアが聞いてくる。 「試合の次の日ってか月曜はないよ。明日から。」 「じゃあさ、久しぶりに一緒に帰ろうよ。」 フィーアがそんなこと言ってくるのは少し意外だった。 「じゃあお昼食べるからそれだけ待ってね。」 「いいよ。あ、エルフ先生きた。」 エルフ先生はバンギラスでうちの部の監督。昨日の試合さっさと帰ったその監督。 「よしじゃあ始めるぞ。じゃあシャオ。前に来い。これ答えて。」 うわぁ・・・最悪だ・・・僕はいやいや先生の所に行く。 「・・・。」 「誰かわかる人?」 僕は答えがわからないし何言われるかわからない緊張で脚が震えていた。 「ここはな~。」 他の皆もわからなくて結局先生が全部答えた。 あっという間に授業は終わり、みんな帰る準備をしてる。僕はさっき食いそびれたお弁当を急いで食べてる・・・ 僕は朝、フィーアが言った言葉を何回も反芻していた。 戦力?僕が?・・・なるわけないし・・・インドアの記録?まぐれだろ・・・はぁ・・・・うーん・・・ 「わゎっ!」 僕の目の前にフィーアがいた。顔がもうくっつきそうなくらい近い。 「ここまで近づかないと気付かないの?イケメンの俺がキスしたらどうするの?」 「えっ?」 「冗談だよ。」 どのへんが冗談なんだろ?イケメン?キス? 「まぁイケメンっていうのは冗談だよ。」 「そうなの?」 「そう。」 「僕はそうは思わないけど。フィーアは彼女もいるし。」 フィーアがまだ僕に顔がくっつきそうなくらいの近さで話し続ける。僕は荷物をまとめて帰る準備をする。 「シャオ、帰ろう。」 「うん。」 僕たちは教室を出るとあまり話さなくなった。やっぱり気まずいなぁ。 「シャオ、明日から4日間、お祭りだから休みだって知ってた?」 「へ?」 全然知らなかった。え?お祭り?休み? 「あれらしいよ、3年に1度の大祭。ノインが出るんだって。」 「ふぅん、ってことは射つのかな。ああ、だから練習試合も再来週なのか。」 「らしいね、今日さ、泊まりに行っていい?」 え?なんでそうなるの? 「え?でも明日多分部活だよ。」 「俺もいきたいんだよぉ~。」 そっか・・・でもなんか別の目的があるような気がするけど・・・気のせいかな。なんだろ胸騒ぎが・・・ 「行っていい?」 「・・・父さんに聞いてみる。」 僕とフィーアは一緒に僕の家まで歩いた。 「ちょっと待ってて。」 僕はフィーアにそう言うと家の中に入って父さんを探す。いた・・・ 「おうっ、なんだ?フィーアでも来てるのか?」 うういきなり図星・・・ 「そうなんだ・・・泊まりたいんだって・・・」 父さんは少し考えて自分の部屋に入って行った。少しするとまた出てきた。 「男だよな?」 「うん。」 「ホモじゃないよな。」 「うん。」 「ならいいよ。ゆっくりしてもらいなさい。」 女?ホモ・・・ってどういう目でフィーアを見てるんだ?何回か会ったことあるはずだけど・・・ 僕はリビングからでてフィーアを迎えに行く。 「いいってさ。」 「やったね。」 フィーアはどすどすと家に入っていく。 「こんにちは、お邪魔してます。」 「こんにちは、君がフィーアだったっけ?すっかり忘れてた。シャオの友達で家に来るっていったら君ぐらいしかいないよな。わははははは・・・」 ひどい・・・ひどい父親だ・・・わははじゃないよ。 「ちょっと部屋行って荷物降ろしてくる。」 「あっ、俺も行く。何しろ久しぶりだからね。」 僕たちは階段を上がり自分の部屋に入る。 「ここ懐かしい・・・この机で一緒に夏休み勉強したなぁ・・・」 フィーアは散らかった道具の中から小さな袋に入った弓の弦を見つける。 「この弦まだ使えるんじゃないの?」 「そうだよ。予備においてるんだけど、使う機会ないな。」 「明日って確か部活あるよね?」 「うんそうだけど。」 「ほんとに行っていいかな・・・」 僕は少し考える。そして口を開く。 「いいとおもうけどなぁ。」 「シャオ、ありがとう。」 そしてその夜は楽しく夜が更けていった。 僕たちは再びリビングに下りると父さんはいなかった。置手紙がしてあった。 「ちょっとよーじ」 なんだこれ・・・適当さしか感じない文面は・・・買い物にでも行ってるのかな? 「シャオのお父さんってこんなキャラじゃないよね。昔から俺もお世話になったことあるし、硬派なイメージあるけど。」 「硬派なのかな。普通に優しいけど。じゃれて叩いてくることはあるけど、本気のけんかは・・・したことない・・・負けるし。」 僕たちはそれからずっとゲームをして時間をつぶした。気付いたら僕もフィーアも寝てた。 起きたら父さんが帰ってきてて、僕たちに晩御飯を作ってくれた。 「風呂入れよ。」 「はーい。」 フィーアが僕に耳打ちをする。 「下着貸して・・・パンツだけでいいから。」 「シャツは?」 「小さいじゃん。」 そっか・・・僕は部内では小さいほうだったっけ。 脱衣所で服を脱ぐ。 「シャオって小さいね。」 「え?」 フィーアは僕のアレをじっと見てる。 「何言ってんだよぉ。恥ずかしいよぉ・・・」 「まぁいいやさっさと風呂に入ろう。」 浴室に入るとフィーアが嫌な笑みとともにシャワーを持った。 「ひぅぅっ、やめてぇ・・・」 「ふふふ嫌がってもダメだよ。身体を流さないと。」 フィーアは僕の股間にシャワーをずっと当ててくる。身体を流さないとって言ってそこを狙うのはダメだって・・・ 「勃った?」 僕は恥ずかしくて浴槽にずっと浸かっている。 ばしゃん 「身体洗わないと。」 「自分でやるって。」 フィーアは僕をどんどん追い詰めてくる。 僕はタオルを手にボディーソープ・・・あれ?ボーディーソープはフィーアが持ってた。 フィーアはボディソープを出すとタオルを僕から取ってタオルにつける。 その手は背中、四肢、尻尾・・・と動く。 「ひゃぅっ・・・そこは自分でやるって!」 「そう?もう大きくなってんじゃん?」 フィーアはそこを徹底的にタオルで責めてくる。 けど、何もしてこなかった。そのあとは普通に二人で仲良く寝室に入って、昔話をした。 いつの間にか寝てたみたい。 続く