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右往左往弐の迷路 の変更点


雲の中を泳ぐように書き分けて進む二匹のポケモン……エーフィとシャワーズ。
本来ならば、こんな所で空を飛ぶようなポケモンではないために、飛行するポケモンがいたら奇妙な声を上げそうだった……
「ウーゾ君、さっきから高度が上がっている感じがしませんが……」
「奇遇だね、ポプリ。俺もそう思った」
ウーゾと呼ばれたエーフィは頷く。ポプリと名前を言われたシャワーズも頷いた。
先程まで、なくこも黙るような空中大決戦を広げて、精神的に疲労していたので、目の錯覚かと思っていたが、どうやらそうではないらしい……
先程のボーマンダはこういった。これ以上近づくなと……だが、近づいてみないとどうして近づいていけないのか分からないだろう。立ち入り禁止の標識を見ると入りたくなるようなものだった……
くもの迷路をぐるぐると進みながら、ウーゾはそんなことを考えて、気圧に耐えられるように念力を調整する。さっきからエネルギーを浪費しっぱなしで、いつかはガス欠になって倒れてしまうのではないのだろうかと思ってしまう。
「ウーゾ君、これ食べます?」
そんなことを考えていると、お隣さんがその顔色を察していたのか、ひょいっと木の実を差し出してくれる。更に上に上る為に、今のところ食料や水などは温存しておかなければいけないのだが、乗り物に乗るときに、操縦者と補助者の体力維持は、操縦者のほうが優先されるだろう。
そして何よりも、ポプリは優しい性格だ。断っても無理やり口の中に詰め込むかもしれない。そんなことをされると精神に乱れが生じてぐらついてしまう。エーフィは結構繊細な生き物なのだ……
「どうも、だけど、半分はポプリが食べるんだよ……さっきから何も食べてないじゃん。俺はごめんだよ、こんな所でパートナーがぶっ倒れて地上に降りるなんてさ……」
「分かりました。半分もらいますね」
こういう聞き分けのいいところは彼女の美点だなと思いながら、ウーゾは半分もらったオボンの実を口の中に放り込んで噛み砕く。
口いっぱいに変な味を感じたが、体力は回復しているのが分かる。疲労は回復する兆しはないが、しょうがない。傷の回復と、疲労の回復は次元が違う、寝ないと元気にならない……
ガ、しかし眠る暇なんてない……宝島はもうすぐなのだ……とにかく今は、宝島に近づくためにも、ぐんぐんと高度を上げているつもりなのだが、さっきから同じような景色しか見ていないために、さすがに少しだけ上昇の速度をウーゾが緩めた。
「やっぱり、何か変だな、この雲だらけの景色もそうだけど、こんなに長い時間飛行してるのに、全然上った気がしないし、それに、何か空気も変だ……」
「そうですね……なんかおかしいです……こんなに空気が重いなんて……天気を見た感じ今日は晴れると思ったんですけどね」
天気予報なんて当てにならないよなどといって、ウーゾは笑う。一頻り笑ってから、改めて周りを見渡した。
相変わらず雲の位置が変わっていない。それに、同じような空の模様も変わる気配がない……
「キュウコンに化かされたかなぁ?」
「こんな空に、神通力が通るとは思えませんが……」
ポプリの的確な言葉に、だよねと笑う。要するに、誰かがこちらの進行を邪魔しているということだけは確かだ……ウーゾは考える。暫く考えて、何かを思いついたように、ポプリに話しかけた……
「ねえ、もうちょっと上まで行ってみないかな?」
ウーゾの突然の提案に、ポプリは眉を顰めた。もう一度言葉の意味を確認しようとして、再度首を捻った跡に、青と水色の広がる空をじっと見上げて、深呼吸をする。ほっぺをつねって見ても、ウーゾの顔は変わらない。
「何でですか?」
そんな言葉が自然と口から出てしまうくらいに、意味が分からなかった。体力を温存するために一度停止したのではないのだろうかと想ったが、ウーゾの顔色を見る限り何かを閃いたということだけは分かっていた為に、ポプリは静かに首を縦にふった。
「分かりました。無理をしないでくださいね」
「ほいほい……じゃ、上がろうか……」
ウーゾはにこりと微笑んで、ふわりと身体を空へと走らせる。二人分の体がフワリフワリと浮き上がり、どんどん雲を抜けていく……
そして、一定の場所を過ぎたときに、また同じ景色を二匹は目にする。そこでいったんとまって、ウーゾはニコニコしながらポプリに話しかけた。
「ねえポプリ、こういうのって、何処かで見たことがないかな?」
「え?」
ウーゾの顔はとてもニヤニヤしている。ポプリはこういう顔をしたウーゾの時の状態をよく知っていた。
ポプリのめんどくさそうな顔を見て、ウーゾは更に顔を歪ませた。恐怖でも驚愕でも何でもない、笑顔に……
分かってやっているために、ポプリはやっぱりため息をつきたくなった。ポプリはウーゾに試されているのだ。自分のいっていることが分かるのか、そして、この状況で何が起こっているのか、何も情報がない状態で、どこまで解けるのか……この不思議な謎が……
もともとエーフィという種族は頭を使った遊びが好きだということを聞いた事がある、今、ポプリはこんな状況でウーゾの遊びにつき合わされているということを実感した。
ああ、めんどくさいと思ってしまう。こんな状況で謎解きや謎賭けなんて市内で、さっさと先に進めば良いのにと思っても、ポプリは決して口には出さない。なぜなら、ポプリを支えているのが、ウーゾだからである。
ここで機嫌を損ねてしまったら念力の力を行使されていろいろと何かされそうで恐かったので、大人しく謎解きに付き合うことにした。
「うぅん、何処かで見たことがないかといわれましても……」
ポプリは顎に右前肢を当てて考えた。変わることのない景色に、重くなる空気、嵐が来るわけでもなく、ただただ同じような景色が見えるだけ……そこまで考えて、ある不思議な点をポプリは思い出した。
変わらないというのは、絵の世界ではよくあることだ。絵を完成させたら。その絵はそれ以上変化しなくなる。多少の汚れや黄ばみなどでは変わるかもしれないが、絵の本質事態は変わらない。草原を描いたのならば、一年たってその絵がいきなり海に変わることはない。それは、それ以上の手が加えられないからだ。その絵の無変化と、この今の無変化の景色……
「そうだ、繋ぎ絵の世界に似てるんです!」
ご名答といわんばかりの顔でウーゾはにこやかに微笑んだ。やっぱりあたっていたのかということがわかったのか、ポプリはやれやれとため息を吐き出した。あまりこういう頭脳労働は好きではないが、なぞなぞ程度なら答えられるくらいの頭はある。
「その通りさ。まるで上と下を繋いだように、この景色がぐるぐる回っているのは、ほんとに繋がれているからさ。この空間自体がね……」
「え?」
「つまり、僕達は不思議な空の一空間を行ったり来てたりしただけだったってことになるね……」
それは知らなかった。答えが分かっていたのならさっさと打開する方法を考えて欲しかったと心底心の中で思っていたが、ポプリは決して口に出すことはない。もしかしたら、本当にそうなのか図りかねていたのかもしれない……
「図りかねていたのですか?」
「ああ、そうだよ。もしかしたら違うかもって思ってたんだけど、やっぱり違ってなかった。この空間は、多分周りの空とは隔離された空間なんだ……」
それにしても、少し飛行して周りを見渡しただけでそこまで分かってしまうというのは凄いなと思った。このあたりはウーゾの美点だろうなとポプリは思っていたのだ、興味のあること意外にはてんで無関心だが、誰よりも周りを見て、状況を判断するというのは凄いと思えるだろう……
だが、それでもわからないことがあるというのか、ウーゾは少しだけ眉を潜ませた。
「ん?どうしました?」
「カラクリが分かっても、タネが分からないんだ……どうやって僕たちを永遠にループさせてるのかなって、周りを見たんだけど、それらしいものが全然無くてさ……」
それだけ行って小さくしたうち。ウーゾは本当に分からないような顔をして、周りをきょろきょろと見渡していた。確かに、こういう世界では空一色、雲だけの場所で何か違和感を探せというのが難しいだろう……
だが、ポプリはもしかしたら、といった顔をした。彼女は決して頭が悪いわけではない。ただ、自分の思い付きが外れたら恥ずかしいので、あまり意見を口に出さないだけであった。
最初に、同じ景色をぐるぐる回っていたとき、そして、気がついてわざと回っていたとき……それらのどちらももし、ポプリの感じる違和感の正体が分かるというのならば……それらが当てはまるのならば、申告したほうがいいのだろうか。
ポプリは少し考えた後に、突飛な思考はよく働くが、あと一歩がまるで進めない微妙な知識を持っている友人に話しかけた。
「もしかしたら、私の考えてることが正解なのかもしれませんね……」
「え?」
「ささくれ程度の違和感ですけど、ウーゾ君にはそれが分かりますか?」
意地悪く笑って、ポプリはウーゾを見つめる。先程のなぞなぞのお返しとわかったのか、ウーゾはくすりと微笑んで一言だけ問いかけた。
「ヒントがないとさすがに分からないよ……」
「そうですね……」
ポプリはそういってまた考えた。困った、自分はヒントなんて他人に分かりやすく説明できるほど口達者でも説明好きでもないぞ。などと思いながら、ポプリは考えて、どうすればヒントを伝えることが出来るだろうと考えたが、全然分からなかったために、しょうがないので自分の胸中にある言葉を適当に肉付けして伝えた。
「そうですね、この切り離された空間が……というよりも……うーんと、えーっと……」
「全然ヒントになってないじゃん」
「あ、あはは……」
肉付けとか飾りつけをしようとしても、そこまで分かりやすい補足説明もあまり出来ないポプリは指摘されて苦笑い。しょうがないので、分かりやすく、一言で、シンプルな言葉を伝えた……
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「ええと、その……一定の空間を過ぎると、一瞬で最初の位置に戻ります……空の景色も変わりません、もしかしたら、変わっているのかもしれないけど、そう見せないように出来る、私達を映す大きなものは?」
「…………わからん」
駄目だこりゃと思って、ポプリは自分の説明下手を恥じた。どうしようもなく恥ずかしいが、まぁ仕方が無いので、答えをウーゾに伝えておいた。
「鏡の中の世界って、聞いたことありますか?」
「鏡?」
「ええ、鏡です。……鏡の中は、異次元空間、入口に入れば、変な世界ですが、出口につくのも一瞬です……以前、そんな話を聞いた事がありました」
「それで、俺達は一定空間の空を上った瞬間に、鏡の中に入って、一瞬で鏡の出口……つまり、飛んだ空の一番下まで逆戻りしていたってわけか……」
「はい……入口が分からないのも、おそらく雲が多いために、見えないのでしょう……」
ポプリは頷く。事情を理解してくれて助かったという安堵の息も一緒に漏れたが、特に気にはしないようにした。
これが非現実的な話と気って捨てられたらそれまでだが、自分達の住んでいるこの世界は、多少の無茶も自分達の力で押し通せるから非現実的などではなかった。
ポケモンの力というのは本当に未知数だ。海を割るポケモンがいれば、空を引き裂くポケモンも、時間を止めるポケモンもいれば、時を渡るポケモンも存在する。空間を引きちぎるポケモンだって存在するだろう。
そして今現在。ウーゾの念力などという非現実的な力で空を飛んでいるので、このくらいのお話は現実味を帯びているのだ。
多少の非現実的でも自分達の世界ではそれが現実なんだと、ポプリは思っていた……
「でも、さすがにこの大空に鏡を持ってくるなんて無理だと思うけど……さすがに空の大きさが桁違いだよ……」
確かにそうだ。それはポプリも分かっていたために、頷いた。
「そうですね、一角に閉じ込めるだけならそれ相応の巨大な鏡を作る必要があります――が、そんなことをしなくても、空に鏡の入口を作ることができますよ。特定のポケモンなら……」
「特定のポケモン?」
「はい、そうです。鏡って結構不思議な存在ですよね、紫鏡よろしく、恐ろしい話や、鏡の中に迷い込んで出られなくなってしまったという不思議なお話もあります……」
「うぅん、俺はそういうオカルト話は完全に眉唾物だからなぁ……」
「別に信じろなんていってませんよ。それに、ウーゾ君の念力とかだって十分オカルトじゃないですか……」
「別に自分が出せるものはオカルトちっくじゃないぞ?」
などと不毛な会話をして話が脱線したが、ポプリははっとして、首をふるふると横に振ると、話を戻した。
「じゃなくて、そんなオカルト話で盛り上がるんじゃなくて……とりあえず、まぁ鏡というのは不思議な力があります、そう仮定した上で話しますね……どうやってこの空の一角に巨大な鏡の入口を出現させたのか……おそらく、私たちが雲の中に入らなければ、相手は実力行使に出るでしょう。雲の中に入ったからこそ、精神攻撃や迷い道などというややこしいことをして、ウーゾ君のエネルギー切れを待っていたのでしょう。そうすれば勝手に私達は落ちますからね」
「なるほど、まぁ、その説は俺も頷ける。操縦者を叩けば、乗り物は動かない……」
「それと同じような原理ですね……初めからこんなわけのわからないことをしたのもそうですが、やっぱりウーゾ君を集中狙いすれば方がつくというのが相手にはわかっているのでしょうね、恐らく、先程のボーマンダとの会話を聞いていた」
「そして、それを分かった上で邪魔をする……まぁ、このあたりで分かるけど、どうせ今回の敵も宝島からやってきたポケモンだろうな……」
「ええ、おそらく」
周りを見渡しても、敵の姿は見えない。ウーゾの眼力ならば見破ることも可能かもしれないが、そんなことをしたらいつエネルギーが切れて倒れるか分からなかったために、ポプリはそんな考えを頭の隅っこに押しやると、改めてウーゾの顔色を伺った。
顔は相変わらず変わっていない。雄か雌か分かりにくい顔をしているが、雄だ……だが、顔色はあまり優れていないようだった。やはり長時間の飛行というのは危険だということを改めて再認識した。
空中にとどまるだけでも念力を使用するために、ポプリは一刻も早くこの空域を抜けようと思ったのだった。
「とにかく、どうやって入口を作ったのかというよりも、空に鏡の入口を投影したという方が正しいのかもしれませんね……」
「投影??」
鏡を空に映して、そこに入口を作る。多分絶対に行っても分からないだろうと思って、ポプリはとりあえずできる限り分かりやすく説明をしようと思った。
「ええとですね、たとえば、小さな手鏡などを、こう空に映すじゃないですか、そのときに、どうやって大きく写すかっていうことです」
「ええ?どうやってって言われてもなあ、屈折か反射でもしない限り――屈折と、反射?」
ウーゾが自分の言葉を深く考え出す。ポプリはにこりと微笑んだ、スイッチが入ってしまえば、ウーゾは勝手に自分で答えをつむぎ出す……暫くして、ウーゾはからくりのタネが分かったような、つき物が落ちたような顔をした。
「なるほどね、だとしたら、敵は複数いるってことか……」
「え?」
複数、という言葉に。ポプリは反応する。複数いるという考えには及ばなかったのだ。驚くポプリを見て、ウーゾは静かにポプリに説明する。
「ポプリは言ってただろ?、巨大な鏡の入口を投影するにはどうしたら良いのかって、反射や屈折を利用しても、変えられる大きさはたかが知れてる。そこまで巨大な入口はできないはずだからね……でも、ポケモンのわざを使えば話は別になるさ……たとえば、鏡の入口を倍にして、反射する"ミラーコート"……」
「!?…………"ミラーコート"!?」
その通り、とウーゾは頷いた。ようやく見えてきた突破口を見つけたのか、心なしか若干満たされたような笑顔も垣間見える。謎は解くまでが楽しい、解いてしまえば跡はすっきりだ……
「複数のポケモンが、屈折と反射の具合を計算して、空に巨大な入口を作り出す……恐らく、"ミラーコート"が使えるポケモンで浮いてるのは……ドーミラー。三匹いれば十分巨大な入口が作れるさ。反射と屈折の角度、どの場所に映すか、そして、姿を見られないためにどこに隠れていれば良いのか。全部計算すれば、どこにいるのか全部分かるけど、探す必要はないと思う……」
「え?」
「そんな複雑な位置取りなんて、統率するやつがいないと短時間で出来はしないさ……それでもって、その統率するやつは、この近くにいる。全体を見渡して、こちらの動きも感知することのできる便利な目を持ってる……」
「便利な目……見落とすことが無いということですか?」
「そう、僅かな空気の乱れも、こちらの体調も、今話している会話の内容も、ばれたと分かっていても出てこないのは……おそらくこちらが動いた瞬間に作動する地雷みたいな罠でも張ってるんだと思うよ。"まきびし"とかね……」
「"まきびし"?」
「そう、空を飛んで、"まきびし"が使えるポケモンなんて、数えるくらいしかいないでしょ?……そろそろ出てきたら?もうばれてるのなら、隠れる必要ないと思うけど……」
ウーゾの言葉が、空に吸い込まれる。暫く沈黙が空域を支配していたが、やがて、ウーゾ達の目の前に。四匹のポケモンが姿を現した……
三匹はいわずともがな、先程ウーゾの言っていた。ドーミラーである。そして、最後の一匹は――
「エアームド!?」
「鋼の翼を持つくちばしの尖った鳥、それに周りを取り囲むドーミラーかぁ……なかなか珍妙な景色に出会うね……」
アルミ色の変な体を持った鳥、エアームドの回りにくるくると回るドーミラー達、これほど奇抜な光景は十年以上生きてきた人生の中で一度もお目にかかったことが無いとウーゾは思った。そんなことを考えていると、エアームドが金属音のような低音で、低く、静かにウーゾとポプリに話しかけた。
「一瞬で雲の迷路から抜け出すその判断力、それだけあれば、この先に進む必要なないだろう……私達は忙しい、帰ってはくれないか?」
「カエレ」
「カエレ」
「カエレ」
穏やかな忠告と、帰れのコール。しどろもどろになっているポプリとは対照的に、ウーゾは挑発的な笑みを浮かべた、何だか謎が解けてご満悦のような表情も垣間見えるが、雲の所為で陰がかかって表情を読み取ることが出来なかった。
「おいおい、俺たちを随分回りくどい方法で迷わせておいて、それは無いと思うんだけどな。それに、さっきの会話を全部聞いているなら分かってるはずだよ……俺とポプリは、墓荒らしだからね……」
「そうか、そうだったな……君達はこの先にある竜眼島に用があるといったな……あまり戦いたくは無いのだが、残念だよ……」
「来るぞ、ポプリ、構えろ!!」
ウーゾが叫ぶ、ドーミラー達の目が怪しく光、大きく翼を広げて威嚇するエアームドの姿も眼に入り、ポプリはようやく状況が飲み込めたのか、光のともった瞳を目の前の敵に向けると、大きな声を張り上げた。
「いきますっ!!」
雲が多く、薄暗い視界の中で、六匹のポケモン達が対峙する。
ウーゾは周りを見て、更に、上を見た。いつの間にか、大きな島が自分達の眼前にそびえていた。
自分たちが近づいたのか、それとも島が近づいたのか……
現在高度19000m……宝島は、もう間近だった……

続く
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