[[ヤシの実]] 第三部です。 *初めての動揺 [#h65e644e] ビリリリリリリッ ビリリリリリリリリッ ビリリダマの目覚ましが五月蝿い音を発し、朝の時間を告げる いつものように朝の日差しが差し込み、目覚めの儀式を終えるのだ そしていつものように目を覚ますのは・・・リセオではない 「ふわぁぁ・・・んぅ~・・・」 神秘的な雰囲気が漂わせる雌ポケモンのエーフィ、ナリアが目を覚ます ここはリセオの部屋だ リセオのベッドの上で二匹は向かい合うように寝ていた まだはっきりと見えないナリアの目先に、寝息をたててグッスリ眠っているリセオが見える その寝顔は子供の寝顔みたく、気持ちよさそうに寝ている 朝の日差しを受け、可愛く写るそのリセオがナリアにいい朝の目覚めを迎えてくれる 和むような寝顔を前に、寝ぼけ顔に笑みを浮かる ナリアは起きたが、もう一匹のリセオはまだ目覚めない ビリリダマの目覚ましが鳴る時にはいつも目を覚ましているのだが・・・ 目を擦り、目が完全に覚めたところでビリリダマの目覚ましを止める 目を擦り、目が完全に覚めたところでビリリダマの目覚ましを止めた 「リセオ、朝よ~」 「くー・・・くー・・・」 名前を呼び、体を揺すって起こそうとするが寝息をたてるだけで起きる様子は無い 「リセオ~、朝だって起きようよ」 強く揺さぶるが、寝息だけをたてて起きる様子は一向に見えない 「リセオったらぁ・・・」 更に強く揺さぶるが、「うぅん・・・」とうめき声をあげるだけで方向を変えてまた眠ってしまう 「んもぉ・・・ふぅ・・・」 溜め息をつくと揺さぶる手を離し、リセオの向いている方へ体を移す ナリアは可愛く寝息を立てているリセオをまじまじと見つめる 「クスッ可愛い~」 眠っている表情がとても愛らしく、天使みたいな寝顔で起こすのがもったいなく感じる 1分くらい見つめてやがて顔を近づけると チュッ 頬に軽くキスをした 1分くらい見つめてやがて顔を近づけると、ナリアはリセオの頬に軽くキスをした それでもリセオは起きようとしない もう少し寝ていたい子供のような感じだ 「フフ・・・いい加減起きないと・・・」 悪戯な笑みを浮かべたままそっと軽く唇を重ねる 「チュッ」 唇を重ねたまま顔をチラチラとうかがう それでも起きない、するとナリアは両手を顔の後ろに回し、さらに深い口付けをする 「ンチュッ・・・」 「んん・・・」 何の躊躇も無く、寝ているリセオの唇に悪戯をする ん・・・何だろう口が塞がってる・・・? 唇に違和感を感じ、リセオは目を覚ます 「んぅ!?」 目を大きく開き、ナリアが口付けしている事に気づく 「プハァッ!!」 驚いたリセオは自分から唇を離す 冷や汗をかき、大きく息が乱れる 「はぁ・・・はぁ・・・」 「あ、起きた~」 自分がした事に平然とした表情を浮かべ、ニマッと笑う 「ナリアさん・・・朝から何するんですか・・・」 頬を赤く染め、唇を拭う 心臓の鼓動が高鳴るのを感じる、朝から刺激の強い・・・ 「だってぇ、リセオったら全然起きないんだもん」 「だからって・・・こんな事しなくてもいいじゃないですかぁ」 「いいじゃん、昨日の夜も激しくしたくせに」 その言葉を聞き、顔がいっきに赤くなる 別に僕が望んでしたわけでもないのに・・・ 不適な笑みを浮かべ、リセオは言い返しづらくなる 「ま、いいや顔洗いにいきましょ」 「はい・・・」 リセオも不本意ながらナリアについていく 先頭を歩くナリアを見ながらリセオは下を向く、正直昨日の疲れが取れていない、まだ眠い・・・ ナリアはトビラのドアを開ける、そこにはいつも朝の出迎えをしてくれるマッチがいる 「マッチ、おはよう~」 「あれ、ナリア姉ちゃん、またリセオの部屋で寝ていたの?」 リセオの部屋で出てきたナリアに驚く ナリアはニコッっとしながらマッチの頭を撫でる 「うん、リセオったら私が一緒じゃないと眠れないって泣くんだもん」 「・・・・・・・・」 ナリアの言葉にリセオは顔をむくらませる そんな訳ない、今までだって一人で寝れたんだから それに自分から僕の部屋に来たんじゃないか、それも・・・ 口に出したくても言えない、いや、マッチの前だからこそ言いたくない 「はは、リセオは子供だなぁ」 「でしょ、ウフフ」 「そんなんじゃ・・・」 訂正しようとするが、二匹には言い訳にしか聞こえない それにナリアがした事を正直に言うわけにもいかない 「それじゃ顔洗いに行きましょ」 「うん!」 「・・はい」 マッチははしゃぎながら着いていく、そしてリセオはしぶしぶと着いて行く 「(あぁ・・・確かにあの時の約束はしたけど・・・こんな事になるなんて聞いてないよ・・・)」 リセオはあの時の約束に少し後悔するも、二匹の後に続いて歩く ナリアがこの屋敷にきてから5日になる 5日前にシェアリー達に自分の体を自由にさせるとのを条件にマッチの居場所を聞き出したのだ そして苦労の末、ようやく屋敷に戻りマッチを助ける事ができたのだが、リセオはその後が不安だった しかしよく考えれば自分はこの家のイーブイ、そして彼女達は野生 だから彼女達からこっちに来る事は出来ないし、自分は出る事を許されてないから彼女達に会えないのだと思っていた だがそれは甘い考えだった・・・ あの時はまさかと思った、ナリアがこの屋敷の一員となったのである どうやってこの屋敷に取り入れられたのかは知らないが、あの日からリセオの生活は一変する 来る日も来る日も、ナリアとリセオしかいない所でナリアに迫られる日々を送っている それは昼も夜も関係無しにだ 今日の朝だって昨日の疲れが取れていないせいで頭は起きている感覚が薄い・・・ 顔洗いを済ませ、食事する部屋に向かう3匹 移動しながらマッチとナリアが楽しくおしゃべりをしている 「ナリア姉ちゃんの野生の生活ってどんなものなの?」 「野生は結構大変よ、何でも自分でやらないといけないし」 「へ~、バトルとかもしたりするの?」 「そうねぇ、外敵から身を守ったりするのに時には戦ったりもしたわね~」 うきうきしながらナリアとお喋りをするマッチ リセオはその後ろで、初めてナリアとあった時一緒に会話したあの思い出を重ねる 「リセオも野生についていっぱい知りたいと言ってたよね?」 「あ、はい」 ナリアに声を掛けられ、まだ眠たい目を開かせる 「どんな事が知りたい?」 リセオに振り向き、唇が重なる一歩手前まで顔を近づける 「あ・・・えと・・・僕は・・・」 顔が近すぎて思わず顔をそらす 「ん~?」 顔をニマッとさせ、リセオの反応を楽しむ それに困ったリセオはどう質問したらいいのか考える余裕がなくなり、黙り込む 「まぁいいや、さっさとご飯食べにいきましょ」 「うん!」 そして三匹は食事する部屋へと向かう 「はぁ・・・」 下を向き、溜め息をつく 彼女との生活は結構疲れる・・・ いっそ彼女の事を仲間に話した方が良いのではないかと思うリセオ 13日前、僕をあんな事にしたのはナリアだと・・・ だがそれは出来ない、それはみんながナリアの事を信頼しきっているからだ この5日間でナリアはすぐにこの屋敷の人たちに馴染んでいる マッチやラーナ、それにクロイズまでもが彼女の事を信頼しているのだ ここに来てから使用人や仲間に礼儀正しい綺麗なポケモンでいる、自分いがいは・・・ だからリセオがどんなにナリアの本性を言ったとしてもそれは嘘でしか聞いてくれないに違いない 例え言ったとしても、その後が怖い・・・ 何よりリセオは強引な条件をつけられたとは言え、友達を救ってくれた恩を仇で返すような事ができるイーブイではないのだ 「・・・・・・」 ナリアが嫌いと言うわけではないのだが、苦手なだけなのだ 重く感じる足を動かしながら食事する部屋へ向かう 春風が吹く草原に屋敷を眺めている一匹のポケモンがいる シャワーズのシェアリーだ 遠くから見える屋敷から誰かを待つように眺めている 「・・・・・・・」 顔からはまだかと言わんばかりに少しイラついた表情を浮かべている 「ナリア・・・いつまで待たせるのよ・・・もう5日たったわよ・・・!」 私の協力があったからこそナリアはこの屋敷に取り入れる事が出来たというのに・・・ まさか忘れてるって事はないわよね・・? 清楚な表情を崩し、ナリアの事を少し疑う 「シェアリ~」 後ろから声を掛けられ、振り返るとそこにアンリとそれに続いてフレムがこっちに向かってくる 「なんだ、アナタ達なの・・・」 期待していたものが違い、がっくりとうなだれる 「ムッ・・・何だよその顔は!」 「まぁまぁ、そんなにカッカッしないの」 シェアリーの態度に思わずイラっとするアンリにフレムがなだめ、シェアリーに顔を向ける 「んでさ、ナリアはまだあの子を連れてこないの?」 「えぇ・・・全く何してるんだか!」 「遅すぎる、こっちももう何日も禁欲していて欲求不満なんだけど!」 アンリが怒りの表情を浮かべる もともとアンリは気の長い性格ではなく、ずっと待たされるのが嫌いなのだ だから散々またせているナリアに怒りを溜めているのだ 「ほんと、いつまで待たす気なのかしら」 怒りたい気持ちはこっちも同じだ いくらなんでも待たせすぎる まだ返事すら聞いてない・・・ 「う~ん、ナリアの事だからしばらく独占でもする気なのかな?」 「・・・」 そんな事は無いと考えたい・・・ 「全く、私があいつを誘惑したおかげでここまでうまくいったのに・・・」 アンリが腹を立てながら愚痴をこぼす そのアンリとは反対にフレムは子供のような笑顔を浮かべる 「そうだよね~、リセオちゃんには悪いけどね」 「ふぅ・・・」 不満そうな表情を浮かべ、また溜め息をつくシェアリー 「そういやシェアリーって一度リセオちゃんにあったんだよね?」 「あ、そういえばそうね」 「その時やっぱしたんでしょ?」 シェアリーは自慢げな表情を浮かべる 「そうね、何度食べてもおいしいわよ、あの子」 「ほぉ~、そりゃずいぶんと楽しんだのね~」 アンリが笑いながら顔をのぞく、しかし目は笑っていない 「フフ、そんな目しなくてもナリアが来ればいっぱいできるから」 そう、ナリアが来てくれればいくらでも楽しめるのだ 何度やっても飽きない子、リセオが自分達のものになったのだ 屋敷に顔を向け、不適な笑みを浮かべる 「ん~、サラに頼んでナリアの状況を見に行ってもらわない?」 「そうだなぁ、もしかしたら一人で楽しむ気でいるかもしれないからなぁアイツ」 アンリがフレムの意見に賛成する この5日間連絡もなしにいままで何をやっているのだろうか・・・ それに屋敷のポケモンになったのだからどうなっているのかも気になる 「まったく、アイツの事だから一人で独占して遊んでるんだよ・・・」 アンリが溜め息混じりに苛立った気持ちを吐く 「確かにナリアはちょっと独占する所があるからねぇ・・・」 「つまみ食いもするしさ、まぁもうちょっと待ってみようよ」 フレムはそう言うと方向を変えてサラを探しに行った 「ふぅ、まあそれはいいとして・・・」 アンリがシェアリーの耳元に近づき 「それにしてもさ、考えたじゃん、屋敷のいる奴らをうまく信用させてさ」 「ウフフ・・・」 顔を向き合い、互いに笑みを浮かべる 「来たらどんな風に遊んでやろうかなぁ」 「リセオ君が来たときは4人でやっちゃう?あの時みたいに」 「それもいいな~」 「ま、それまで辛抱ね」 そう言い、屋敷のほうに顔を戻す フフ・・・早くこないかしら、リセオ君・・・ 表情には、待ち遠しさと期待に怪しく微笑む笑みがあった 屋敷では食事を済まし、屋敷の娯楽室で映画を見ているナリアとリセオの姿があった 部屋を暗くして大きなソファーに腰を座らせ、大型液晶テレビの前で3Dサウンドで流している いかにも映画館で見ているようだ、これでポップコーンでもあれば完璧だ 内容は恋愛物で、リセオにはあまり興味の無いものだ 「うわぁ~・・・」 映画の中で男女が抱き合いうシーンが移されている 戦場で離れ離れになった恋人同士が終戦を迎えて生きて返ってきた事を喜び抱き合う場面だ 「いいわねぇ、この二人・・・」 ナリアがうっとりしながら見ている 初めてみた映画が恋愛物だけにナリアには好印象のようだ 「ふわぁぁ・・・」 それに比べ、隣で見ているリセオはつまらなそうにあくびをする 早く終わらないか思いながら見ている リセオのつまらなそうな顔にナリアがブスッとする 「もう・・・何つまらなそうな顔をしてるのよ!」 「だって、あんまり面白くないですよ・・・」 「何言ってるのよぉ、恋人同士が無事に会えたのよ、面白いじゃない」 ナリアがこの映画の面白さを言い表すが、退屈そうな顔をする 「これってナリアさんが面白いだけじゃないですか・・・ふわぁ・・・」 そしてまたあくびをする 「ムッ!」 頬を膨らませ、ムスッとした次の瞬間、ナリアが押し倒す 「うわっ!?」 驚いたリセオの目の前でナリアがグイッと顔を近寄せる 「あのねぇリセオ、いい加減そのさんづけをやめなさいよ」 「・・・え?」 顔を近づけられ顔が赤くなるが、暗くてはっきりとは見えない 「私はリセオの姉になったんだからお姉ちゃんと呼んでよ」 「でも・・・」 お姉ちゃんと呼んでと言われてリセオは困惑する 「だから私もリセオって呼んでいるのよ」 確かにここに来てからは親しやすく呼び捨てで呼んでいる しかしリセオにはナリアを姉として見る事に抵抗がある もし本当の姉ならあんなことはしない・・・ 「・・・・・・」 リセオは顔をそらし何を喋ったらいいのか迷う ナリアは溜め息を着くと突然手を重ね色っぽい声を出す 「ねぇ、リセオ・・・しよ?」 潤んだ目で微笑みながら顔を近づけてくる 映画に影響されたのか、スクリーンに映る恋人同士の抱き合うシーンが甦る 体が密着し、部屋の環境だけにあって怪しい雰囲気になる 映画の声が聞こえてくるが、それがうっとおしく感じる リセオの顔を手を添えて顔を正面に向けさせると 「んふ・・・ペロッ・・・」 「ひゃう!」 顔と体を重ね、リセオの首筋を愛撫する 「んふぅ・・・ぺろ・・・ツー・・」 「はぅ・・・」 首から伝わる舌の感覚に、体がピクンッとはねる 映画音が聞こえてくる暗い部屋の中で重なる二匹 「あ・・・ナリアさん・・・」 「だからナリアお姉ちゃんでしょ、ペロ」 悪戯な笑みを浮かべ、今度はリセオの顔を舐め始める 「んん~・・・」 顔を舐められて嫌なのか、首を振ろうとするが抑えられる 「ん・・・ペロ・・・レロ・・・」 顔中を愛撫するにつれ、ナリア自身も顔が赤くなる 「んや・・・誰か来たら・・・」 「誰もこないわよ・・・ペロ・・・」 そんな事言われても・・・万が一誰かきたら・・・ 不安に思いながらも愛撫で硬直した体がほぐれ、時期に快感となる 「んふ・・・ペロ・・・可愛い」 「んぁ・・・やめ・・・」 嫌がるも体の抵抗は徐々に弱まる 自分のモノがジワジワと熱くなるものを感じる 「レロ・・・あらあら、リセオの硬いモノがあたってるよ?」 「ふぇ・・・!」 「今日もいっぱい・・・ね」 そしてナリアはリセオに口付けをしようとする、その時 コンコン 「ん?」 口づけをしようとする顔を離し、黒いカーテンを敷いてある窓を見やる 「助かった・・・」 安堵の息をつき、リセオも窓の方向を見る まだ膨張したモノをごまかそうと手で覆い隠す 「ったく・・・うるさいなぁ」 せっかくの楽しみを中断されてすこしふてくされるも窓の方に向かう コンコン 何度もコンコンうるさく窓ガラスを叩く音にナリアは荒々しくカーテンを開く するとピジョンのサラが飛んでいた 「サラ!?」 ナリアは驚いて窓を開ける 「サラじゃーんどうしたの?」 3日ぶりにみる友人に笑顔を見せ、手を振る 「ここにいたんだ、まったく一つ一つ窓を覗いて探してて疲れたわよ・・・」 疲れた様子を見せ、溜め息をつく 「どうしたの?」 「どうしたのじゃないよアンタ、シェアリー達がが連絡も無いってカンカン何だけど・・・」 サラの言葉にナリアがうなだれる 「あ~・・・やっぱりね~」 少しまずそうな表情を浮かべ、申し訳なさそうにする そういやこの屋敷に入ってからシェアリー達と連絡してないなぁ 屋敷の生活に馴染んだせいですっかり自分の幸せに満喫していたのだ 「ずーっと何してんのよアンタは」 「てへへ」 笑って誤魔化そうとするが、サラは表情を変えようとしない そしてサラはリセオには聞こえないようにつぶやく 「もともとあの子を私たちの物にするためにシェアリーが提案したんでしょ」 「それはそうだけどさ、こっちも今自由に外が出づらいのよ・・・」 ナリアは困った顔しながら言い訳をする 「何でよ?」 「ほら、あの時ちょっと騒ぎを起こしちゃったでしょ」 遠くのリセオが聞こえない二匹の会話に不思議そうに顔をかしげる 5日前、ライボルトによる屋敷のペットのマッチを誘拐した事で騒ぎが大きくなった そして13日前のリセオの事もあり、屋敷の使用人や警備員達は厳重に警備を固めたのだ 屋敷の周りの警備犬のクロイズ達だけでなく、他のポケモンも警備にあたっている もちろん、リセオ達も外出の禁止は相変わらずだ まぁそのおかげでナリアはリセオと二匹だけで楽しい時を過ごすことが出来るのだが仲間達には悪いなと思う 「ふ~ん、だから動くに動けないって訳ね」 サラは関係ないような態度を取る 「そうなのよね~、まぁ私も何とか向こういくからさシェアリー達によろしく言ってよ」 「ん、わかった早く来なさいよ、アンリがイラついてるらしいから」 「ゲッ、やっばー・・・」 アンリの事を聞き、やばそうな顔になる 気が短い奴だから怒らせるとやっかいだ・・・ 「やっぱ今日つれていくしかないなぁ・・・」 「そう言うこと、んじゃアタシ帰るから」 そう言い残し、サラは空高く行ってしまう 「ふぅ・・・今日行くしかないわね~」 溜め息をつき、リセオをチラッと見る 二人の会話が聞こえてなかったリセオはまた首をかしげる 「(しょうがない、連れて行っちゃおう)」 そしてサラに中断された楽しみを向こうでしてこよう そう思い、リセオを見て笑みを浮かばせる リセオにはその笑みの意味がなんとなく悟り、すごんでしまう 「また何かするの・・・?」 「ん~ん、それより今日は外に出るよ」 「え!?」 ナリアの唐突な言葉に驚き、目を丸くする 「それって・・・」 「友達がリセオの事待ってるの、当然いくわよね?」 まるで脅すかのような口調でリセオに尋ねる 当然、自分には拒否権などないのだ・・・ シェアリーさんに約束しちゃったんだ・・・マッチの居場所と引き換えに・・・ 諦めた顔で小さく頷く 「ウフ、それじゃ早速いきましょ」 「え・・・もう!?」 早速の出発に驚き、戸惑う 「当たり前よ、みんなすぐに会いたいといってるもの」 「・・・・・・」 まだ心の準備もままならないまま、ナリアにすぐに行くように言われ小さな肩を震わせる リセオの心情を知ってか知らずかナリアは笑みを浮かべ、映画の電源を切る そしてリセオと一緒に部屋をでる、リセオは自分の足が鉛が着いているかのように重く感じる 部屋の扉を開ける偶然にもラーナに出くわす 「あ、ナリア」 ラーナは慌てた様子で二匹を見つめる 「ラーナお姉さん、どうしたの?」 「さっき部屋で誰かが窓を叩く音がしたのよ、しかも他の部屋からも・・・」 ラーナは君が悪そうな表情を浮かべる、おばけでも見たような顔だ 「あ、それならさっき窓でナリアさんとサ・・・んんぅ!?」 言葉を続けようとしたらナリアに口を塞がれる 「え、何?」 「ううん何でもないよ、たぶん気のせいよ」 「そうかしら・・・」 ナリアは笑顔を見せてラーナを落ち着かせる、以前リセオの口を塞いだまま 「そうだよ、私なにも見て聞いてないもの」 「そう・・・」 ナリアの言葉に落ち着きを取り戻したラーナはまだ不安な表情をするものの、笑顔を見せる 「ならいいけど、最近変な事が起きるから・・・」 5日前の不振なポケモンもあるし、その後のマッチの誘拐もある マッチの誘拐の件についてはすでに解決したのだが、それでもラーナの不安は消えてはいない まるで何かに付きまとわれているような気がする・・・ 「大丈夫よ、私も元は野生だし」 「そうね、でも気をつけてね」 「は~い、ラーナお姉さんも気をつけてね」 そう言った後、ラーナは向こうの通路へといってしまう そしてようやくリセオの口を離す 「ぷはぁ・・・苦しかった」 「リセオ!」 ラーナが去った後、突然怒鳴りだす 「ふぇ!?」 突然怒鳴られてびっくりし、不安な表情を浮かべるリセオ 怒っている理由が分からない・・・ 「んもぅ、何でも勝手に喋らないの!」 「勝手にって?」 怯えた口調でナリアに聞く 「私がサラと話してたなんていったら私が怪しまれるでしょう!?」 「何をですか?」 「あっ」 思わず自分の口を塞ぐナリア さっきまでの怒りがどこかに行ってしまったかのようだ 「どうしたんですか?ナリアさん」 「な・・・何でもないよ・・・」 ナリアの様子にリセオは首をかしげる 「(どうしたんだろ)」 まるで何かを隠しているような顔をしている 「とにかく、行きましょう」 っと言いつつも何かぎこちない ナリアの様子に疑問に思いつつも、リセオはナリアの後についていく 庭に出たリセオ達、それを待っていたのは雲ひとつない晴天だ 芝生の上に春風が気持ちよく拭いており、外で遊ぶにはもってこいの状態だ 屋敷から少し離れ、庭から遠く見える草原へと進んでいる 吹いてくる風が気持ちよく、リセオとナリアを包み込む 空を見上げ、天気の良さに笑みを浮かべるナリア 「フフッ」 こんないい天気でリセオと友達で楽しむのも悪くないな そしてナリアは辺りを見回す 警備の目を潜って外に出ようとする、すると 「ねぇ・・・ナリアさん・・・」 リセオが不安げな声をあげる 「だからぁ、ナリア姉ちゃんでしょ、何?」 「やっぱり・・・今日はやめようよ・・・」 庭から出て、見つかるとやばい所まで来たリセオは不安そうに周りをチラチラと伺う 「今更なによぅ」 リセオの止める声を聞くも、足を動かす 不安げなリセオはトボトボとついていくも、なおナリアに呼びかける 「見つかると怒られちゃうよぉ・・・行くのやめましょうよ~」 不安そうな声を序所にあげ、必死にナリアを止めようとする ナリアは鼻を鳴らし、リセオの言葉を無視しながら前に進む 「ナリアさん・・・」 それでもリセオはナリアに進むのをやめるように警告する その声が徐々にうっとおしく感じ始めたナリア、表情が徐々にイラつき始める 「怖いよ・・・帰りたいよぉ・・・」 昔から憧れていた外の世界、だが今のリセオにとっては怖く思えてくる それもそうだ、自分は今からナリアの友達に会いに行く そして彼女達になにかをされるのだ・・・怖い・・・ 進むにつれ、不安を高まらせたリセオは止める声から怖がる声に変わる するとナリアは振り返り、顔を近づかせ唇をふさぐ 「ナリアさ・・・」 「チュッ」 いきなり唇を塞がれて言葉が続けられない 「んん!!」 驚くリセオにナリアは唇をそっと離すと優しい笑みを浮かべる しかし、その目は冷たくリセオに突き刺すかのように見やる 「いいから大人しくついてきなさいよリセオ」 優しく、また脅すような口調でリセオに言う その口調と冷たい目がリセオの喋る気力を奪う 「あんまりうるさいと後でシェアリー達にお仕置きしてもらうよ?」 その一言でリセオの肩が震え出す 恐怖で体がすごみ、耳はペタンと下がる お仕置き・・・・絶対ひどい目に会うに違いない・・・ 不意にあの夜のパーティを思い出し、体までもが震えだす 「分かったかしら?」 「・・・うん」 完全に反論する様子を見せなくなったリセオにナリアはフッと笑う するとさっきまでの冷たい笑みがいつもの顔に戻る かんねんしたリセオは顔を下に向きながら、重い足を動かしながらナリアについていく 「ふふ、それじゃ行きましょ」 ナリアが前に進もうと顔をまっすぐ向けた瞬間 「どこに行かれるのですか?」 「あ・・・」 ナリアの前にクロイズが立ちふさがる 一番見つかりたくない相手に見つけられたナリアは驚くも、とっさに表情を変える 「あら、クロイズ君じゃない、どうかしたの?」 ナリアは笑って誤魔化そうとする、しかしクロイズの表情は揺るぎもしない 「それはこちらのセリフです、リセオ様とどこいくつもりだったんですか?」 少し怒るような口調で、だがあくまで冷静に話すクロイズ クロイズの口調に動じず、ナリアもあくまでその表情をくずさずに淡々と対話する 「私はただ、リセオと一緒に草原を散歩しようと思ってたの」 ナリアはクロイズに優しく微笑み、ただの散歩と言い張る とっさに表情を変え、さらに慌てた様子もなくリセオの時とは違った顔をするナリア それにしても彼女はとても演技が上手い この屋敷に来たときも彼女は自分以外の使用人やポケモンに対し、心優しい女性になっているのだ まるでドラマに出てくる女優のように表情や声色を臨機応変に対応している その演技力に呆れるやら驚くやら、彼女の演技ぷりは素人とは思えないほどすごい 実際、リセオ以外ナリアの本当の性格を知っている人はいないのだ クロイズは優しい微笑みに動じず、ナリアの言葉を真剣に聞く そしてフッと笑うと落ち着いた口調で話す 「そうですか、ではもうこの辺にして屋敷にお戻りください」 「でも、友達が待っているのよ、久しぶりにあって一緒にお話でもしようかと・・・」 「それはご遠慮ください」 「何故、私どうしても友達と会いたいの」 困惑した顔でクロイズに言う それにも動じないクロイズは紳士に語る 「外には危険なポケモンがいます、万が一ナリア様に何かあれば・・・」 「大丈夫よ、私も元野生だから、危険な事はしないわ」 ナリアは胸を張って言い切る 「そう言う問題じゃないんです、だからお戻りください!」 クロイズの言い方にナリアはまた悲しそうな顔をする ナリアの顔を見て、クロイズも少し残念そうな顔をするも、ナリアを通そうとはしない 「クロイズ君お願い、私リセオと一緒に散歩して・・・お友達と一緒におしゃべりしたいだけなの・・・」 目を潤わせ、クロイズに必死にお願いする 気の緩い雄だったらナリアの表情にメロメロになり、何でも言うことを聞くかもしれないが・・・ 「それは決して出来ません、誘拐の事もあるので・・・」 「私は誘拐なんてされないわ、それにリセオの事も私が守るから!」 必死にクロイズに伝えるナリア、しかしクロイズは決して首を縦に振ろうとはしない 「それでもここを通すわけには行きません、どうか屋敷にお戻りください」 ナリアの必死な願いをするも、クロイズの意思に変わりはない それもそうだ、彼はここ最近の出来事で自分の不甲斐なさを悔やんでいるのだ ナリアの演技力もすごいが、それに全く気を許そうとはしないクロイズもまたすごい 「どうして、友達に会うくらい別にいいでしょ!?」 断固として首を縦に振ろうとしないクロイズにナリアは目から涙を浮かべて叫ぶ ナリアの叫びにクロイズも顔がこわばる 「そういう問題じゃないと言ってるでしょう!あなたならまだしも、リセオ様は自分で身を守る術をもってないのですよ!」 「だから私が守るて言ってるでしょう!」 「いい加減にしてください、何かあったからじゃ遅いんです!」 確かにナリア様ならリセオ様を守ってくれるかもしれない、しかし今は危険と思える外をわざわざ友達と会うためだけに外出を許すなど到底できない 「なんで、友達と会うくらい許してくれてもいいじゃない!」 しつこく叫ぶナリアに思わずクロイズも声を荒げる 「これは旦那様の命令でもあるのです、引き返してください!」 「私だって自由に外に出る権利がある!」 「しかし今は旦那様のポケモンでしょう、自覚してください!」 やがて口げんかをし始める二匹、リセオはキョトンとする 激しい口論が飛びあう中、リセオとしてはクロイズを応援してやりたいのだが、涙目のナリアに少し同情し始める クロイズの言うことは正しいのだが、リセオもそれが嫌で無断で外出したのだからナリアの気持ちが分かる どっちを応援したらいいのか迷ってしまう・・・ 5分くらい口喧嘩が続き、やがて二匹は落ち着きを取り戻す 目に涙を浮かべたナリアは睨みながら口を開く 「・・・どうしても通してくれないのね」 「分かってください、今は危なくてどうしても行かせれません」 いくらナリアが元野生でも今は違う、何かあったからでは遅いのだ 「・・・・・」 やがて諦めたナリアは寂しげな表所を浮かべ、リセオに「戻ろう」と小さく声を掛け、この先に見える草原を後にする リセオは少しホッとした様子を見せた そしてチラッとクロイズの様子を伺う 真面目な態度を崩さずに屋敷に戻る二匹を見送る 彼はこの屋敷を警備犬として来た時からすごく真面目なポケモンだった 4匹の警備犬のリーダーであるだけあって、的確に指揮ができるうえ、顔も美形で非の打ち所がない ただ少々無愛想な所もあるが、誠実でとても世話好きでもあり、リセオとマッチが勝手な行動をするといつもクロイズが制止してくれる 昔からの付き合いで、リセオもまたクロイズの事を兄か家族のような存在に感じる 主人の言いつけに忠実に従い、曲がった事が嫌いな彼は常に正しい事しかしない 例えナリアが誘惑をしてもその頑固たる態度を決して崩す事はないだろう 「よかったぁ」 外に出る事が不安だったリセオは安堵の息をつく ふとナリアの顔を覗く 先ほどまで涙目を浮かべていたナリア、しかし今はイラだったような表情を浮かべている ちょっとだけ怖かった・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ 外はすっかり夜、リセオとマッチとラーナとナリアはリビングに集まっていた リセオとマッチは液晶テレビに近づいて映っているポケモンバトルを楽しく見ている ラーナはとぐろを巻いてリセオとマッチと一緒に見ている ナリアだけは大きなソファーで一匹退屈そうに見ている 『おーっと、ニドクインののしかかり、キリンリキは逝ってしまった~!』 液晶テレビでポケモンバトルが熱く実況されている 『相手トレーナーキリンリキを戻し、次はラティアスを繰り出した~!』 対戦相手の繰り出したポケモンが登場し、リセオとマッチは興奮しながらしゃべる 「すげぇ、今度はラティアスだって!」 「うん、ラティアス強そうだね!」 『ラティアスのサイコキネシスだぁー、急所にあたったーー!』 白熱したバトルに興奮する二匹 ラーナは静かに見ている ナリアだけはつまらなそうに見ている 「はぁ~、どうやったら外にでれるんだろ・・・」 ナリアは考えていた、あの頑固なクロイズからどうやって外に出るのかを 「顔はかっこいいんだけど、頑固なのよねぇ~・・・はぁ」 独り言をもらし、溜め息をつく こんな時にシェアリーの知恵を借りたいくらいだ 「ねぇ、マッチ」 「ん、なに?」 声を掛けられたマッチはテレビから目を離したくないのか、テレビから目を離さずに返答だけをする 「クロイズ君てさ、雌に強い方なの?」 「ん~・・・って言うか、クロイズはそんなに雌に対して強くないよ」 「そうなの?」 「うん、優秀と言われてるけど雌の扱いは全く下手だってクドが言ってたよ」 「ふ~ん・・・」 『おー、なんと相手トレーナーはラティオスを繰り出したー、これで勝負の行方は分からなくなったー!』 「あ、マッチ、ラティオスが出てきたよ!」 ラティオスの出現で一気に盛り上がる二匹 「クロイズ君は雌の扱いが下手・・・か」 そう小さく呟くと考え込む 確かにあんな硬いポケモンは女性の経験がなさそうだ そうなれば彼女もいなさそうだ 「すごい、ラティアスが勝ってる!」 「おおすげぇ、まさかあそこでドラゴンクローとは!!」 ナリアが考えている中、液晶テレビの前で騒いでいる二匹の声が五月蝿く聞こえる 「んもぅ・・・うるさいわねぇ!」 愚痴をこぼすが、騒がしいテレビ音で二匹には聞こえていない 『おー、ラティアスのたいあたりだー!ラティオス痛そうだ、しかしその表情は嬉しそうだー!』 その実況に、不意にテレビの方に目を向ける テレビにはバトルでラティアスが体当たりを繰り出している まるで襲っているような・・・ 「そうだ!」 ナリアは何かをひらめいた顔をした 「私、もう寝るね」 みんなに眠る事を伝え、ラーナは「わかった」と返す 「おやすみ~」 「おやすみ、ナリア」 ラーナだけが夜の挨拶を返す、リセオ達はテレビに夢中でナリアに気づかない 夜の挨拶をすませ、リビングを出る ガチャッ リビングから出ると、誰もいない屋敷の通路でキョロキョロと辺りを見回し、窓を開くと 「(サラ、ちょっとフレムに頼んでアレもってきて、それとね・・・)」 目をつむりテレパシーを行った その表情に不適な笑みを浮かべている サワサワ・・・・サワサワ・・・ 雲ひとつない月が明るい夜 夜の風に吹かれて庭の芝生がサワサワと小さな音を立てる そんな優しい風につつまれ、警備にあたっているクロイズがいる 気持ちい風に包まれ、自然な笑みを浮かべる つい最近まで不甲斐ない自分に悔やんでいたあの頃が馬鹿らしく思えてくる 月を見上げ、綺麗に光っている月はクロイズの心を癒してくれる 「綺麗な月だな」 誰もいない広い芝生の庭で一人呟く 「さっきは言い過ぎたな・・・」 ナリアの事を思い出し、口喧嘩した事を反省する 落ち込んでいないだろうか・・・ そんな事に物思いにふけっているいると 「クロイズ君・・・」 「ん?」 後ろに雌の声がした、振り向くとナリアがいた 「ナリア様・・・!」 気まずそうな表情を浮かべ、顔は正面に向けるもナリアから目がそれる 冷や汗が滲み出る、どう言ったらいいのか・・・ 「あの・・・ナリアさ」 「さっきはごめんなさい、クロイズ君」 ナリアの急な一言で驚く そのセリフは先に自分が言おうとしていたのだ 「あ、その・・・」 「私、わがまま言っちゃってあなたを困らせて・・・それを謝りにきたの・・・」 瞳を潤わせ、悪びれた表情を浮かべる 「自分こそ・・・その・・・さっきは怒鳴ったりしてすみませんでした」 急に謝られ、ビックリするもこっちも謝り返す その後もチラチラとナリアを見たりそらしたりを繰り返している 潤んでいる彼女の目が今になってまともに見れない 「ううん、いいの」 ニコッと笑い返し、場の空気を和ます クロイズはホッとした 自分のせいで落ち込んでいるのかと思っていたが、案外素直な女性だ ようやくクロイズも安心し、素直にナリアに顔向けが出来る 「あのね、お詫びのつもりで持ってきたんだけど・・・」 もじもじしながら、何かを差し出した それを見てみると丸い形をした濁ったピンク色の木の実だ また見たこともない木の実だ、5日前マッチの救出の際にもらったコンペイトウ形の気の実を思い出す 「これは?」 「友達からもらった木の実なの、おいしいから是非クロイズ君にあげる」 「いいのですか、これを自分に?」 「うん」 「フッ、ありがとうございます」 照れながら笑顔でお礼を言う 嬉しくなったクロイズはその木の実にかぶりつく ガブッ・・・モグモグ 「(ん、甘くてとてもおいしい!)」 想像以上の旨さに驚きながらもそれを二口、三口と口の中に入れていく 汁の程よい甘さが口の中に広がっていく、夜食としてもおやつとしても悪くない 「おいしい?」 「はい、こんなおいしい木の実、初めてです」 あまりのおいしさに顔が穏やかになる 今まで旨いポケモンフードを食していたが、こっちの方がおいしい これならいくらでも食べたくなる 「ふふ、よかった」 「こんな木の実、一体どこで取れるんですか?」 クロイズが尋ねると、軽く舌を出し、「ヒ・ミ・ツ」と答えた 軽く苦笑しながらも、この仕事をしてきた事に嬉しさを覚える 今まで屋敷のポケモンの警備を行ってきたが、こんな風にされるのは初めてだ 「よかった、私クロイズ君が気にしていなかったか心配だったんだよ」 体をクロイズにすり寄せ、肩が触れ合う 「ん・・・その、私は全く気にしていません・・・」 肩が触れ合ったせいか、顔が赤らむ そんなクロイズの様子をお構いなしに体をすり寄せたまま口を開く 「ねぇ、クロイズ君ってどうして警備犬になったの?」 「え、自分は・・・その・・・」 緊張しているせいで言葉が発せずらくなる 止んでいた夜の風が再び吹き、二匹を優しく包み込む クロイズは緊張を誤魔化すように赤らんだ顔のまま語る 「自分はまだ野生のポチエナだった頃、弱くて臆病でいっつも周りのポケモンに馬鹿にされていました・・・」 「へぇ~、アナタみたいなのが・・・」 今のクロイズからして、とてもそうには思えない 彼の話に関心を持つ 「あの頃の自分はバトルもろくに出来なくて、それで周りからイジメられて逃げ回っていたのです そしていつも池のほとりで一匹でよく泣いていました、どうして自分はこんなに弱いのだろうかと思いながら・・・ しかしある日、あるトレーナーと出会って、バトルを仕掛けられてあっと言う間にやられてしまい、悔し涙を流した時でした、 『私と一緒にこないか?』っと、その人が今のご主人です」 語りだす内に表情が穏やかになっていく 「とても驚きました、こんな自分でいいのかと・・・、そしてご主人は自分に『強くしてやる』と言ってくれました とてもうれしかったです、こんな弱い自分が人からもらわれるなんて思いもしなかったから・・・ そして自分はそのトレーナーの為に全力を尽くそうと思い、日々きついトレーニングにも文句を言わず頑張りました それからバトルを仕掛けてきたトレーナーのポケモンをドンドン倒していき、自分が求める強さを手に入れたんです やがてご主人はトレーナーをやめて警備員に就職し、この屋敷で雇われて、自分もここの警備をしています」 「へぇ、そうなんだ、すごいなぁ」 「あ、そんな大した事じゃないですよ」 「クスッ」 ナリアは感心した目で見つめ、クロイズは照れくさそうな笑みを浮かべる いい雰囲気になった二匹、月が堂々と見える広い芝生の庭でナリアとクロイズは楽しそうに話をしていた やがて少し時間が経過した、月は相変わらず位置を移動するだけでその優い綺麗な光は絶えずある 気持ちよい風が時間の経過を忘れさせてくれる 会話なく、月を見つめながら楽しそうに寄り添いあう二匹 っと言ってもナリアのほうから寄り添っているのでクロイズは少し緊張した表情を浮かべている クロイズはナリアをチラチラ伺い、口を開く 「その・・・ナリア様は何故ここにこようと思ったのですか?」 雌の扱いに慣れていないクロイズは緊張したまま、不器用にナリアに質問する 「あぁ、あの時の話ね」 あの時、それはナリアとクロイズがライボルトからマッチを救出後のことだった 彼女はクロイズにお話があると言い、聞いた それは屋敷の地主に話がしたいと言う要望だった 始めはそれを拒んだ、だが必死にくいついてくるナリアに降参したのか、またはせっかく助けてくれた彼女の願い出を拒むのは恩知らずだと思い、話だけでもと旦那様に掛けあった その後の事は知らないが、後でナリアがここの屋敷の仲間になるのだと聞きいた時はとても驚いた 「私は野生のポケモンからリセオ君達を守る為に入ったのよ」 「守るため・・・ですか??」 「うん、実際野生のポケモンの中でリセオ君の存在を知ってその暮らしぶりに妬んだり、狙ったりしている奴らがいるの」 「・・・」 その言葉を聞き、顔がこわばる ナリア様の話が本当だったとしたら、やはりあのライボルトはそんな理由で誘拐したのだろうか・・・ そしてリセオ様も・・・ ・・・ん? ほんの一瞬目眩がした 頭がクラクラする・・・顔が・・・嫌・・・顔だけでなく体も熱くなりはじめる・・・ 「(何だ・・・?)」 突然の体調異変に動揺するクロイズ 足元がふらつき、体はガクガクと震えだす まるで世界が急速回転を行っているような感覚が起こる 「(フフ、きたわね・・・)」 クロイズの突然な異変に薄笑いを浮かべる 苦しむ様子を見せる姿にナリアはただ見つめる 「(どうしたんだ・・・俺!?)」 まさか病気に・・・何故こんな急に・・・!! 自然と息が荒くなり始める、呼吸が苦しくなる 「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」 次第に苦しさは増していき、その場に立つのがやっとだ 意識が飛んでいきそうだ・・・ 「(誰か・・・助けて・・・くれ・・・)」 その時・・・誰かの声が聞こえてくる 「クロイズ君・・・」 ――――誰だ・・・? 歪む視界が懸命に声の主を映す 「ナリア・・・さ・・・ま・・・」 ナリアは優しい微笑みを浮かべている ・・・がしかしその笑みがクロイズの異変をさらにひどくする 「ぐぅ・・・なんだ・・・これは・・・」 体中がかなり熱くなる、ナリアの笑みを見た瞬間さらに熱くなった すると体はふらつきながらナリアに近づこうとする それはクロイズの意思とは関係なしにだ なんだ・・・どうなっている・・・俺はおかしい・・・ 「ナ・・・リア・・・様・・・自分から離れて・・・」 息が苦しい中、なんとかナリアに伝えようとした だがナリアはクロイズの声が聞こえてないのか動こうとはしない それどころか彼女は笑ったままこっちを待っているように見える 「離れて・・・ください・・・」 どうにか自分から離れるよう伝えるが、体は序所にナリアのほうに近づいていく 何故ナリアの方に体が向かって行くのかは分からない、だが自分はとんでもない事をしそうな気がする 「(くそぉぉ、静まれ・・・静まれぇぇぇぇ!!)」 クロイズは自分自身に一括する、すると自由が聞かなかった体が静止する 「あれ?」 不思議そうにクロイズを見つめる 「(あの実を食べても、自分を制御できるなんて・・・まぁいっか)」 するとナリアは自分から近づいてくる ナリアはクロイズを潤んだ瞳で見つめる 「クロイズ君・・・?」 目いっぱいに映るナリアにまるで頭の中が爆発するかのように理性が聞かなくなる、すると・・・ ドンッ 「キャッ」 すると制御していた体が前よりも活発に騒ぎ出し、ナリアを押し倒す 「雌・・・はぁ・・・はぁ・・・」 目は理性の色を失い、興奮し、逸物はじょじょに膨張していく 「はぁ・・・はぁ・・・」 息を荒くし、自分が今しようとしている事がクロイズに想像がつく やめろ・・・何している自分・・・止めるんだ! わずかに残った理性が呼びかける、だが体はまるで自分の意思とは隔離されたように本能で体が動く 自分の中で黒い欲望が渦巻くのを感じる、それはどんどん大きくなりクロイズの理性を蝕んでいく 「クロイズ君・・・」 瞳が潤むナリア、まるでクロイズの理性に追い討ちを掛けるような目だ 「ぐっ・・・!」 そしてナリアの股間に顔を沈ませると無理やり開脚し、秘所を覗き込む 「あぁ・・・見ないで・・・」 肩を震わせ、顔は赤らみ、不安な顔をする ナリアの声を無視するかのようにクロイズは秘所に舌を出し入れをしだす 「チュプ・・・レロ・・・チュプ・・・チュプ・・・」 「ふあぁ・・・!」 秘所に舌を入れられ、肩がピクンッと動く 「ジュル・・・チュプ・・・チュプ・・・チュプ」 それをお構いなしのように舌をなぞるように舐め、出したり入れたりを繰り返す 「はぁぁ・・・駄目、駄目よ・・・」 愛撫された所から愛液が滲み出る 顔を押さえつけ離そうとするも力が入らない 徐々に感じはいじめ、ナリアの抵抗力を奪う 「ピチャ・・・ピチャ・・・ジュル・・・ゴク・・・」 愛撫する勢いは増し、滲み出た愛液を舌で救って舐める 「ふぁ・・・クロイズ君・・・駄目・・・止めて・・・」 必死に止めるように説得をするが、興奮したクロイズはナリアの声が聞こえない やがて舌を深くいれ、膣の中でで暴れるように動かす 「レロ・・・ジュプ・・・レロ・・・ピチャ・・・チュプ・・・」 「ああぁ!駄目!中で・・・ああ!」 押し寄せて来る快感に身を捩じらせ、手はクロイズを押し付けているのか離そうとしているのか分からなくなる 「ンチュ・・・ピチャ・・・ピチャ・・・」 「いや・・・だめぇ・・・はう・・・!!」 深く入れられた秘所はより愛液が溢れ、クロイズの顔を汚す それをお構い無しのように流れ出る愛液を舐めながら舌を上下に動かす 「チュル・・・ぷはぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」 中で舌を激しく動かし、愛液をすくい舐めると彼は一度秘所から顔を離す 愛液が顔の周りにベタついている 息を整いでいるのが分かる、愛撫する事に専念していたために呼吸する事を忘れていたようだ 「ぐ・・・!」 「あん・・・」 乱暴にナリアの顔を掴み、膨張した逸物を無理やり口の中に押し込む 「んぁ・・・んぐぐ・・・」 「はぁ・・・はぁ・・・熱い・・・」 一部だけの言葉を発し、口内に押し込んだ逸物はその暖かさでさらに膨張しだす 息を荒くし、顔を押さえつけたまま余興を与えずゆっくり出し入れを行う 「ん・・・んぐ・・・んん・・・!!」 「ぐぅ・・・あぁ・・・はぁはぁ・・・」 膨張した逸物がナリアの中で暴れる うめき声をあげながら口でクロイズの逸物を刺激する すごい・・・リセオ君のより太い・・・ 「ぐぁ・・・熱い・・・!」 快感に目を細め、腰の動きをより激しくし、一物の根元まで口内に押し込める 動きを激しくするうちに押し殺していた声はうなり声のように聞こえる 「んむ・・・ぐ・・・うう・・・」 喉まで届きそうなモノは吐き気すら起こしそうになる ナリアが苦しんでいる表情をしてもなお、押し寄せて来る快楽の波に動きを緩める様子を見せない あのクロイズが信じられないほど豹変している まるで何かに取り憑かれたかのように・・・ 「ぐぅ!はぁ!うぅぅ!はぁぁ・・・!」 押し殺していた声が絶叫に近づき、叫びそうになる 口からよだれを垂らし、口のしまりが悪くなる 目はまるで生気がない、それでも体を激しく動かしている 「んむ・・・んぐ・・・んんぅ・・・!」 口内は逸物をくわえさせられ、勢いよく出し入れを繰り返される ナリアは恐怖で目を閉じて、うめき声だけをあげる 恐怖で・・・ 「がうぅぅ!うぅぅ!あぐぅぅぅ!」 やがてクロイズは声が激しくなり押し殺していた声は聞こえなくなり、嗚咽が聞こえてくる 今の理性がない彼はナリアの様子などまるで眼中になく、コントロールの聞かない体を欲望のままに動かす もはやその体はクロイズのものではなくなっている・・・ 「ぐぅぅ・・・!出るぅ・・・!ぐ・・・があぁぁぁぁぁ!!!」 ドパッ・・・ドクンドクンドクン・・・ 絶叫と共に押さえつけていた欲望が一気にナリアの口内に放たれる 射精の快感で目をまともに開ける事ができない 「んん~っ!?」 逸物から放たれた精液が口の中にすごい勢いで押し寄せて来る 驚き、目は大きく開く 間をもたず口内に溜まっていく精液を吐き出そうにも膨張しきった逸物が栓をして外に漏れない 「んぐぅ・・・ゴク・・・ゴク・・ゴク・・・」 吐き出せず、勢いよく押し寄せる精液を無理をして飲み干そうとする それでも射精は収まらず、溜まっていたものがいっきに爆発したかのように射精の勢いはとまらない 逸物は脈を打ちながら射精を弱めず出される 「うぅ・・・ゴク・・・ゴク・・・ゴク・・・ゴク」 肩を震わせながら、それでもどうにか飲み込んでいく 「ぐうぅ・・・はぁ・・・はぁ・・・」 しかし震えの方はクロイズの方がすごかった 慣れてないせいか、射精の快感で自分の体が麻痺しているようだ 徐々に射精の勢いは衰え、荒い息を整えようとする 「うぅぅ・・・?」 小さくかすれた声を発する すると目は生気を取り戻したのか、少しだけ目の色が戻り始める おれは・・・どうなっている・・・? ナリア・・・さまは・・・? 理性を少しだけ取り戻し、顔は徐々に元のクロイズに戻り始める 「・・・♪」 一瞬、彼女は笑った・・・そして・・・ 「うぅ・・・」 「・・・?」 まだ完全に理性を取り戻していない彼は声のするほうをゆっくり振り向く そこには目から涙を浮かべながら恐怖で顔をひきつらせ、M字開脚をしたままのナリアがいた しかも秘所からは愛液がべったりと付着している それは雄からしたら完全に標的とする雌がそこにある ・・・? まだ完全に意識が戻っていないクロイズには今のナリアの状況が把握できない 呼吸だけをし、ナリアを見つめている するとナリアは体を震わせながら不安定ながらに立ち上がり、涙目でクロイズを見つめる 「クロイズくん・・・」 小さく・・・そして色っぽいような声がクロイズの耳に響く ドクンッ 「!?」 するとクロイズの中でまた黒い欲望が渦巻く なんだ・・・また体が熱くなる・・・クソッ・・・収まれ・・・! 意識の中の自分に活をいれるが、まるで体は言うことを聞いてくれない 欲望はさらに高まり、意識が飲み込まれそうになる感覚が起こる そして目は再び理性の色を失う 「はぁ・・・はぁ・・・」 息を荒くし、ナリアを見つめながら近づく 「いや・・・クロイズ君・・・駄目だよ・・・」 ナリアは後ずさるが逃げようとはしない ガバッ 「キャア!」 ナリアを押さえつけ、強引にうつぶせにする クロイズの顔はもはや真面目で忠実な警備犬ではなく、欲望を満たそうとする一匹の獣と化していた 「はぁ・・・はぁ・・・」 「クロイズ君・・・やめて!」 静止する声もクロイズには意味がない 膨張したモノがお尻に当たっているのが分かる 「やめて・・・お願いだから・・・」 「うる・・・さい・・・」 その声さえ耳障りなクロイズの口から理性の無い言葉が発せられる それを何故いったのかは今の正常ではないクロイズには考える事ができない しかし今行おうとしている事は本能が知っている グッ・・・グチュ・・・ズプププププ・・・ 「あぁぁ!!」 ナリアの後ろから逸物を秘所にねじりこむように入れる 入れられた瞬間、愛液が混じり淫靡な音がする 「いやあぁぁ・・・熱いよう・・・」 「ぐぅぅぅぅ・・・!」 うなり声をあげながらなおも逸物を中に深く沈めていく・・・ グチュ・・・グチュ・・・ 締め付ける膣に快感に顔ひきつる さらに快感を求めようと挿入した逸物を出し入れする 「あぁぁ・・・だめ・・・あつい・・・よう・・・!」 ナリアはやめるように言うが、体はまるで求めるかのように愛液を溢れ、膣は逸物を締め付ける 快楽で目はトロンとし、口はだらしなく開く まるで体は前から求めていたかのようだ グチュ・・・グチュ・・・パンパンパンッ・・・ 息を荒くし、強弱を着けながら腰を膣に叩きつける 「ぐうぅ・・・はぁ・・・はぁ・・・熱い・・・」 体から汗を流し、逸物は熱を感じる 性欲に支配されたクロイズは欲望のままに動く 熱い・・・気持ちいい・・・やめられない・・・ 意識の中は快感でいっぱいになり、頭の中で声が響く、だが・・・ やめ・・・ろ・・・ 本能と同時にわずかに残っていた理性がクロイズの意識に同時に響く 一瞬だけハッとするが、すぐに戻り、腰の動きを止めず本能のままに動かす パンパンパンパンッ 「あは!熱い!いやぁぁ・・・」 打ち付ける逸物は子宮にまで届き、快楽で目は涙を流す 嫌がっているのか・・・それとも・・・ 「うっ!うぅぅ!熱い・・・熱い!」 押し殺していた声が漏れ、唇を強く噛む ・・・だめだ・・・やめろ・・・ 意識の中で何かがクロイズを止めようとする、だがその声もうとましい 「あぁ!らめぇ!そんな・・・強くぅ!」 叫ぶ声はクロイズ以外に聞こえない その声がクロイズはさらに刺激する 「んがぁ!がうぅぅ!うぅぅ!」 快感で膣の締め付けはきつくなり、クロイズは声を抑える事ができず叫びだす やめろ・・・俺・・・やめるんだぁ! 意識の中でじょじょに大きく響く この声を知っている・・・ それは理性の声だった 理性の声は自分を止めようと強く響く、だが体は快楽に支配され、自分でとめることはできない グチュグチュ・・・パンパン・・・グチュグチュ・・・ 速度を増し、激しく打ちつけながら淫靡な音を強く響かせる ナリヤは口を大きく開き、快感で叫び声をあげる 「あぁん!いいよぉ!熱いよぉ!」 きもちいい・・・もっと・・・もっと頂戴・・・ もはやナリア自身も快感に身をよせ、表情には笑みが見える 「うがぅぅぅぅぅ!いく・・・ぞ!」 声と共に腰の速さを最大に動かし、絶叫を迎えようとする いぜん意識の中から声がするが、もはやそれすら意識に無い グチュグチュグチュパンパンパンパンッ 秘所から愛液が出し入れによって溢れる 淫靡な音と同時にナリアの甘い叫び声が聞こえる 「あぁぁ!気持ちいい!クロイズ君!イっちゃうぅぅ!」 呼吸が乱れ、ナリア自身も絶叫を迎えようとしている 涙が溢れ、尚も顔は笑いながら子宮にとどく逸物を引きちぎらんとばかりに締め上げる 「ぐあぁぁぁ!もう・・・駄目だ・・・ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「イって!私も・・・イくぅ!イっちゃうぅ!あぁぁぁぁぁぁぁ!!」 ドクン・・・ドクン・・・ドクン・・・ドクン 爆発したかのように熱い膣の中で射精をする 前のとは比べ物にもならないほどの量がナリアの子宮に注がれる 「ぐあぁぁぁ・・・」 「あぁ・・・くる・・・いっぱいぃ・・・くろいずくんのがぁぁ・・・」 脈を打ち、尚も射精の勢いはとまらない 気持ちいい・・・気持ちよすぎる・・・ このまま子宮を自分の精液で満たしてしまおう・・・ そう頭の中で欲望がささやきかける・・・すると ――――クロイズ!! 「ハッ!?」 チュパッ 誰かに名前を呼ばれ、目を大きく開く とっさに秘所から逸物を離す ドピュッドピュッドピュッ 秘所を離した瞬間、精液がナリアの背中にかかる 射精の勢いはすごく、ナリアを白濁液で汚す 「(くそぉぉ・・・収まれぇ・・・)」 顔を真っ赤にし、苦しそうな表情を浮かべる やがて射精の勢いは弱まり、出し尽くしたかのように収まる 「うぅ・・・」 ドタンッ 射精が収まった瞬間、頭がクラッとしだし、力なく地べたにしりもちをつく ドサッ それと同時にナリアも声をあげず、横に倒れた 「ナリア・・・様・・・」 最後に会話したポケモンの名前を呼ぶ しかしナリアからの返答は返ってこない・・・ 自分は一体どうなたったのか・・・ナリア様は・・・? じょじょに意識は薄れていき、ついには倒れてしまう 夜の風が二匹を吹く、クロイズにはその風すら感じる事がない 自分が一体何をしたのか・・・そしてナリアはどうなったのか、それさえクロイズには何一つわからない・・・ 今はもう眠たい・・・ そしてクロイズは気絶するように眠っていった・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・ 「・・・ん?」 意識を取り戻し、うっすらと目を開く さっきまでの奇妙な感覚はない それより、一体なぜこんなところで寝ている・・・? あの時、あの奇妙な感覚に意識を乗っ取られてから記憶が無い 「・・・?」 一体何だったのだ・・・あれは? 目を半開きにし、ようやく立ち上がる その時、腰部に強い疲労感が襲う その衝撃で足元はふらつく ふらつく足を懸命に立たせ、少しの間ボーッとする 「・・・一体どうしたのだ・・・自分は?」 独り言をつぶやく そして頭がはっきりとしだし、ある一匹の雌の事を思い出す ・・・ナリア様!! さっきまで隣で話をしていたポケモンを思い出し、慌ててあたりを見回す そして後ろを向き、何かが倒れているのに気がつく 「!?」 それを見た瞬間、クロイズの背中は凍りつく 少し前まで、少女のように笑っていたポケモン・・・ 自分に優しく声を掛けてくれたポケモン・・・ そして一緒に楽しく話をしていたポケモン・・・ 「あ・・・・あぁぁ!?」 声が自然に漏れる、衝撃に目は大きく開く その倒れているポケモンをクロイズは知っている それは紛れもなくナリアそのものだ 誰かに襲われたかように体はぐったりし、その目はさっきまで涙を流していた後がある 体は何かで汚れていて、力なく呼吸をしている 目は開いているが、意識が無く、生気が感じられない・・・ 「ぐっ!!」 一体誰が!? その時、クロイズは記憶がはっきりし、思い出そうとする その記憶の中には自分が・・・ナリアを襲っているのが思い浮かべていく 「!?」 ナリアのやめてと言う声、それを聞かずにナリアを痛めつける自分・・・ ペタンッ 「あぁぁ・・・ああああああ!?」 目はナリアに向けたまま、しりもちをついたクロイズは後ずさる 声はまともに出ず、顔は恐怖でひきつる 震えながら自分の頭を押さえつける そして・・・ 「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」 これほどに無い叫び声が広い庭にとどろく 完全に思い出したのだ これは・・・自分がやってしまったのだ・・・!! あの時の夜の事が頭を駆け巡る まるでナリアを襲っているように・・・ 嫌・・・自分が襲ったのだ・・・しかし何故? 自問するが答えは返ってこない ただ自分がしてしまった事に衝撃を受け、怯えるポケモンがそこにいた まるで人を殺してしまったような感覚に襲われる 厳格そうな顔つきはもはやなく、恐怖に怯える子供の顔だ 「(違う・・・違う・・・自分じゃないぃ!!)」 頭の中で自分じゃないと必死に否定する だが自分じゃなければ誰がこんな事をした? そう思い、罪悪感が彼を襲う ガサッ 「!?」 足音が聞こえた・・・ まさかクドか?それとも他の奴か? クロイズは恐る恐る振り返る しかし、そこにいたのは彼の知っているポケモンではない 「だ・・・誰だ!?」 すぐに起き上がり、警戒の態勢を取るが、足は震えていてとても戦えるような状態じゃない 「(サンダースにブースター・・・!)」 こんな所を見られるなんて・・・ サンダースはこっちを睨んでいる こんな状態でバトルなんて持ちかけられたらこっちが不利だ・・・ 「ナリアーッ!」 するとブースターが心配そうにナリアの方へ駆け寄る 驚いたクロイズはブースターを見る ナリア様を知っている・・・ナリア様の言っていた友達!? ブースターは目に涙を浮かべながらナリアの体を揺さぶる 「しっかりしてぇ・・・!」 ブースターの様子を呆然と眺め、冷や汗を流す 「おい、アンタ!」 睨んでいたサンダースが自分の名を呼ぶ その声に驚き、サンダースの方へ向く 「私の友達にとんでもない事をしてくれたね・・・!」 うなる様な声にクロイズの表情はびびる サンダースに睨まれているからではない、自分がしてしまった事を友達らしいポケモンに見られてしまったのだから・・・ 「違う・・・自分じゃ・・・無い・・・」 否定をするも、サンダースは怒りの表情を崩さずに喋る 「アンタ以外誰がナリアを襲ったっていうんだよ・・・!」 襲った・・・自分が・・・ あの時の記憶が蘇り、再びクロイズを苦しめる 「自分は・・・」 「ひどいよ・・・君・・・」 横から声がする ナリアを揺さぶっていたブースターが涙目で自分を見る 「ナリアに・・・こんな事するなんて・・・ウゥッ!」 涙を流し、ナリアにすがりついて声を上げて泣き出した ナリアは呼吸するだけで全く意識を取り戻さない その光景にクロイズは罪悪感が募る やがて完全に自分がしてしまった事を理解し、呆然と立ち尽くす 「自分は・・・なんて事をぉ・・・」 自分はもはや警備犬などではない、一匹の屑犬だ・・・ 頭を抱え込み、罪悪感で押しつぶされそうになる 「ナリアは心の優しいエーフィだったんだ・・・それを何で犯した・・・」 「自分はそんな事をするつもりは・・・」 「やった事には変わりないだろ!」 サンダースが声を荒げる 友達を汚されて怒りを感じないわけが無い 自分が汚してしまったんだ・・・ 「す・・・すまない・・・こんな事したくてした訳じゃない・・・」 「ナリアが・・・一生心に傷がついたらどうするの!?」 ブースターの怒りの声にクロイズはすくみ上がる 「一生・・・!?」 そうだ・・・何より最悪なのはナリア様に一生心の傷をつけてしまったことなのだ 「ひどい・・・ひどいよぉー・・・!」 そう言い、ブースターはまた泣き出す 不本意とはいえ、こんな事をしてしまった自分・・・ 謝って許してもらえるものじゃない・・・ 落ち込むクロイズに追い討ちを掛けるように言う 「屋敷でもナリアは他の仲間と仲が良かったんだろ・・・それを知ったら・・・」 「ハッ!?」 マッチ様もラーナ様も、彼女の事を信頼していた・・・特にリセオ様と一番中が良かった そして自分もあの時助けてくれた恩もある・・・ こんな事リセオ様達や仲間、信頼している人たちが聞いたら間違いなくショックを受ける ナリア様だけでなく、間接的にいろんな人を傷つけてしまう事になる 「どう責任とればいいんだ・・・」 頭を抱え、ついにクロイズも泣き出してしまう とんでもなく許されない事をしたのだ・・・ 悔やんでも悔やみきれない・・・ するとサンダースは口調を和らげて言う 「許されないとは思うけど、もしナリアの為に償うって気があるなら・・・」 その言葉に涙ながらに上目遣いでサンダースを見る 「今後、ナリアの為に何でも言うことを聞いてあげて・・・それがナリアに対する償いにはならないかもしれないけど・・・ それでもナリアの傷が少しでも癒えるかも・・・」 救いの手をさし伸ばされたかのようにクロイズは見つめる ナリア様の言うことに従えば・・・それで少しは償える 「もしアンタがそうするのなら、俺は黙っててあげる・・・」 「・・・・・・」 長い沈黙が流れる 隣では尚もナリアのそばで涙を流し続けるブースター 自分を黙って見つめるサンダース そして頭のなかで自分がした事、ナリアを傷つけた事、仲間の信頼を裏切った事・・・ それが彼の頭の中で駆け巡る・・・ やがてクロイズはサンダースに向き直り・・・ 「分かった・・・今後はナリア様の為に償う・・・」 力ない声、しかしそれはクロイズの償いの言葉だ どんなに時間がかかっても償ってみせる・・・自分がしでかした事に・・・ 「分かった・・・ナリアは私達が慰めるから・・・アンタは向こうにいって・・・」 「でも・・・!」 「今ナリアが起きてアンタを見たら、絶対に怖がる・・・!」 「う・・・分かった・・・」 罪悪感で心は尚も締め付けられ、ナリアから離れる事に戸惑う しかし今の自分がナリア様のそばにいるのは良くない・・・ 本当なら自分が直接謝りたいのだが、ここはナリア様の友達にまかせよう・・・ 後ろめたい気持ちのまま、クロイズはナリア達から消えていく・・・ クロイズが立ち去り、なおも泣き続けるフレム 「うぅ・・・ひく・・・ひく・・・」 しかしクロイズが立ち去って少ししたその時、泣き声は次第に変わっていく ナリアにすがったまま、まるで笑いだす 「ひっく・・・くく・・・フフフ・・・」 隣でクロイズが立ち去った後を見送ったアンリもしだいに表情は笑みを浮かべる 「フフフ・・・アハハハ」 クロイズがいないことをいい事に思いっきり笑い出すフレム 目には涙を浮かべているが、悲しみの涙ではない 「もう、恥ずかしかった~」 笑みを浮かべたまま、涙を手で拭う アンリは横でぐったりしているナリアに近づき 「ほら、いつまで寝てるんだよ」 倒れているナリアの腹を軽く蹴る 「ん・・・蹴る事ないじゃん・・・」 っと余裕の表情を浮かべたまま立ち上がるナリア 少し前までぐったりしていたとは思えない 「ったく、久しぶりに連絡取れたと思ったら芝居を手伝えだなんてさ」 平然と立ち上がるナリアに動揺することも無く、少し呆れた顔をする まるで前もって知っていたかのように 「しょうがないじゃん、クロイズ君が中々通してくれないからアンタ達に手伝ってもらいたかったのよ」 「僕演技なんて得意じゃなかったから、超恥ずかしかったよぉ」 「まぁ、これでアイツもナリアのいいなりみたいになるんじゃない?結構動揺しまくってたし」 「まぁね、もし断っても泣き落としさえすれば動揺して通してくれるでしょ」 「よく自分の体を犠牲に出来るよね~、まぁナリアの事だからついでに楽しもうと思ったんでしょ」 「クス、ばれた~?」 今までの事はすべて演技だったのだ、ナリアの巧妙なアイデアによるクロイズをはめる為の・・・ 「そうそうナリア、あの新作の実どうだった?」 フレムが期待の目を浮かべながらナリアに聞く 「うん、すごい効果だったよ、クロイズ君ったら目の色変えてさ」 「よかった~、これでならリセオちゃんにも使えそうだね」 喜びに笑顔を浮かべ、アンリが横から割ってくる 「結構叫んでいたけどさ、やっぱセイカンの実最初っから食ってただろ?」 「そうだよ、マジ気持ちよかったからさ~」 そう言い、クスクスと笑うナリア フレムが笑顔を浮かべながら聞いてくる 「これでリセオちゃんと自由に遊べるんだよね~」 「うん、ほんとずっと待たせてごめんね~」 舌をだし、軽く謝る 「まぁいいさ、明日あそこの森で待ってるからさ必ずリセオを連れて来いよ」 「うん、そんじゃ私もそろそろ戻るからさ」 そう言い残し、尻尾をふって別れる 芝生の先に見える屋敷にナリアは消えていく 「ばいばい~」 ナリアが見えなくなるとアンリが声を掛ける 「でもさ、あの木の実よく作ることができるよね」 「僕にかかればちょっと調合するだけで作れちゃうもん」 「ふふ、まぁ明日が楽しみだな」 「そうだね~、リセオちゃんまた泣いちゃうかもね」 不適な笑みを浮かべるフレム アンリも同じ考えをしていた 屋敷から大分近い芝生の庭で、二匹は笑っていた ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ガサッガサッ 芝生を踏む二匹の足音 二匹のポケモンが昨日と同じように草原の向こうへと行こうとしている リセオとナリアだ 昨日のことをまるで気にしていないかのように表情は平然としていた もちろん今のリセオは外に出たいとは思っていない ナリアに強要され、仕方なく外に出るはめになっていた 「やめましょうよ・・・またクロイズに止められちゃいますよ・・・」 昨日と同じ、また喧嘩して屋敷に追い返されるのを予測する しかし、それを知ってか知らずか、ナリアは余裕の表情を浮かべリセオに言う 「ふふん、大丈夫よ、今度はうまくいけるもん」 「はぁ・・・」 溜め息をつくリセオ どうせ駄目に決まっているよ・・・ ガサッ 目の前に誰かが現れる 二匹は足をとめ、そのポケモンを見つめる クロイズだった 「ほら、見つかった・・・」 まぁ、そのほうがいいや、外に出たいなんて思ってないもん リセオはすごみ、クロイズを見つめる また怒られるのではないかと心配をする しかし、それは昨日とは違っていた ナリアは静かな目をし、少し悲しげな表情を浮かべる 反対に、クロイズは衝撃を受けた顔をする 「・・・?」 どうしたんだろクロイズ? いつもみたいに真剣な目をせず、何故か怖がっている顔をしてる 「あ・・・あの・・・ナリア・・・様・・・!」 震ながら発する言葉をナリアが首を振り、止める 「友達と会いたいの・・・通してくれるよね?」 「ナリアさん・・・」 リセオが呆れた目をする どうせ駄目に決まっている・・・ここでいつものようにクロイズに駄目って言われ・・・ 「・・・どうぞ」 「え?」 そら耳か、それとも幻聴か・・・ あのクロイズが「どうぞ」と言い、道をあけてくれる 信じられない・・・それに何故かクロイズは怯えた目をしながら首を下に向けている 「・・・ありがとう」 お礼以外の言葉を言わず、リセオを連れてそのまま進もうとする 「その・・・リセオ様と・・・一緒に・・・ですか?」 「うん」 途中で足を止め、すごみながら聞くクロイズに、コクンと頷く やはり通してはくれはしないだろう・・・・ 「・・・・・・・」 しかしクロイズは何も言わず、ナリアを通す それどころか自分も外に出ようとしているのに、止めようとさえしない やがて動かないクロイズとすれ違いナリアは本の一瞬、横目で笑みを浮かべた リセオは思わずクロイズに声を掛ける 「クロイズ!」 クロイズの様子がおかしい、さっきからすごんだまま元気がなさそうに感じる 心配してクロイズに近づこうとするが、首元を掴まれる 「ナリアさん?」 「いいから行くわよ」 笑みを浮かべ、クロイズに振り返り、クスッと笑うとそのまま先に見える草原へとリセオと一緒にあるく リセオはクロイズを心配するも、ナリアに連れて行かれそのまま草原へと向かっていく どうして・・・?いつものクロイズじゃない・・・ 何故こんなに簡単に外に出るのを許してくれるんだろう・・・ それにまるで怯えているみたいだ・・・ クロイズ・・・一体どうしちゃったの・・・? 頭の中でクロイズに問うが、答えは返ってこず、分からないままだ ただ分かることは・・・今の彼の背中姿は頼りなく、まるで弱い子供のようにうずくまっているような雰囲気だけが感じられた そしてリセオはナリアにつられたまま、広い草原へと・・・ナリアの友達のいる所へと行くのであった・・・ 「ねぇ、リセオは?」 屋敷内の廊下でラーナが偶然通りかかったマッチに声を掛ける 「ううん、見てないよ」 「ナリアも見てない?」 「うん、さっきまで二人で部屋にいたのに、何処いったんだろう?」 マッチも見ていない・・・ラーナは顔を下に向けて考え込む 「何処いったのかしら二人とも・・・」 「そういえば、昨日庭でボールで遊んでいたらさ、変な鳥のようなポケモンが窓をつついていたよ?」 マッチの言葉にえっと顔をあげる 詳しく聞いてみると、そのポケモンはまるで何かを探しているような様子で一つ一つ窓を叩いていたらしい おかしいと思い、クドを呼んだが、到着した頃にはどっかに飛び去ったと言う 「その・・・鳥ポケモンが窓を叩いていたって言うの?」 「うん、何なんだろうね?」 「・・・分かったわ、ありがとう」 マッチの疑問に答えず、礼だけを言って通り過ぎる 昨日の変な音・・・そのポケモンの仕業なのか・・・ マッチが誘拐される少し前の奇妙なポケモンと言い、どうも不気味だ・・・ まさか・・・本当に誰かに狙われているのかしら・・・? 顔を強張らながらゆっくりと前を歩いていく、もしかしたらあの”森”の連中なのか・・・? それは無いかもしれないが、もしあの森の連中なのならば厄介だ ラーナは通り過ぎたマッチを後ろ目で見つめながら、マッチとナリア、そしてリセオの身に危険が無い事を祈った *コメントフォーム [#je9cee7e] 感想、指摘などお待ちしています。 #pcomment()