こんにちは[[赤いツバメ]]です。 この作品は[[貴方は今、大切な人でいますか?]]の続編です。 ---- 『貴方様の幸せは何ですか?青春など仕事などの日常が充実していることですか? 幸せとは人それぞれ違うものですよね。・・・「ひとときの幸せ」という言葉があります。意味はそのとおり僅かな時間の幸せのことです。 今があまり幸せと感じない人は、過去の幸せは例え長くとも今思うと短く感じる、そう思う人は少なくはないと思います。 貴方様は今が幸せと感じれていますか? フフ、このお話の後でお聞きしましょうか。では・・・。」 ---- 今日は・・・昨日の天気は嘘のように思えるほどの快晴。僕は今日彼女と街へ出かけた。 まあ、買い物ってところ。 僕はその街での買い物が凄く楽しく感じれた。ただ僕の肩の隣に彼女がいるだけでもとても・・・。 僕の心の色は変わった。昨日の今頃からね・・・。 どんな色をしていたかというと正確には分からないけど明るい色ではなかった。 今の色は多分・・・僕自身が思うには黄緑色かな? だって僕の心は今・・・ 「オルクン?」 「・・・ん、何?」 「さっきからあまり減ってないけど?」 「あ、いや。食べてるよ・・・」 僕たちは今とあるファミレスで昼食をとっている。勿論ここは初めて来た場所だけど。 今の僕の心が黄緑色に思えるのはプレリーが側にいるという喜びで染まっているからじゃないかな・・・。 普通なら信じられないと思うけど彼女は戻ってきた。一年前の彼女のままで・・・。 また彼女といられる時間が再び動き出したのだから、僕は信じるか信じないかなんて拘ることない。 まあ・・・こんな考え方は嬉しいと感じられる事だからこそできるものなんだけどね。 そして今日の朝には僕の心は殆ど一年前に戻れた気がする。平日だろうが休日だろうが朝早くから彼女に起こされる自分に・・・。 彼女は結構僕の家に泊まりにくることが多かったんだ。 よく泊まる気になれるなと思っていたけど・・・。 普段の休日の過ごし方の殆どは午前10時に起床。勿論その時間より早く起きることもあるが・・・・・二度寝。 朝はとても苦手。ブラッキーだからという言い訳が通じるならばそれを理由にするけど・・・ねぇ。 そんなことを思いながら僕は昼食を進める。 「あの・・・やっぱりオルクンの雰囲気ちょっと変わったね。何時も会話なんて絶えなかったのにさ・・・。」 「・・・・」 「ぁ・・・えっと・・・」 僕が難しい表情をしたらしく彼女は戸惑っていた。 その彼女の表情はすまなさそうで「ここは謝るべきか」とでも思ってそうだった。 謝ることなんかない。・・・ただ僕はやっぱり昔の僕じゃないのかな、そう感じただけで。 「・・・そんなことないさ。」 少しの間の後に僕は微かな笑顔で彼女にそう言うしかなかった。 「う、うん!そうだよね。ボクの気のせいだよ、ゴメンね。」 結果的に謝られてしまったカタチになった。 一年前とちっとも変わらない僕達の関係。でも少しは変わったと思う? その関係で変わったものは本当の歳の差。そう、彼女とボクの歳の差は二歳になってしまったのだ。 彼女はずっと生きてきていたことにはいるが、肉体的にはあの日の体のまま。 ただその体にも大きく変わったことがあった。 それは心臓の病が無くなっていたこと。 ・・・これもあの人が起こした奇跡なのだろうか?きっとそうなんだよね。 いつかまた会って二人で御礼が言いたい。でもリネィさんはもう・・・消えたんだ。 全ての自分の存在を消すという使命があったからこそ僕達に奇跡を起こしてくれたんだけど。 僕達を選んでくれた理由は彼女自身しか分からない。それでも本当に感謝しなければ・・・友達だしね。 彼女はもうこの世界に存在しなく消えた。・・・本当にそうなのか? 少しだけ違うと思う。昨日に同じことを感じた気もするけど人の存在なんて消えるものなんかじゃない。 確かに亡くなった人はこの世から去る。けど消えたわけじゃない、残るものがあると思う。 僕達は「リネィというベイリーフ」が存在していたということを知っている訳だし 残したものがあれば、そのものが何かに何かを繋がることがあるかもしれない。 そのことによりさらに何かに繋がっていく・・・。 その前をたどっていけば必ず「元」という存在が出てくるもの。例えこの世には既にないものでもね。 彼女は残したものがある。 それはオルクというブラッキー、プレリーというリーフィアの存在だ。 この残したものは必ず何かにつなげられる存在だと思う。生きているのだから。 人が何かに繋げるということはそんなに大したことじゃない。 普通に暮らしているだけでも多くのものを繋げていることになっているのだから。 「ごちそうさま、っと。」 「おそ~い。」 「うん・・・ちょっと考え事してたからね。」 「オルクン考え事多くなったね。」 「・・・さて、これからまたどこか行く?」 プレリー・・・君が今言ったことの理由なんか分かってるでしょう?だから僕はそれについてもう何も言わないでおくよ。 「う、う~ん。午前中にいろんなところに行ったもんね・・・オルクンはどこかもう行きたいところないの?」 正直もう疲れた。疲れたけど本当に今日は楽しい午前中を過ごせたな。 どうせならもう少し彼女とこうして出かけていたな・・・。 「プレリーに任せるよ。」 「任せるって言われても~・・・・あ。そうだ!&ruby(・・・){ゲミメ};に行こうよ!久々にさ!」 ・・・そうか、そこがあったか。 「あれ?オルクンまさか微妙?」 「いやいや・・・そんなことないよ。じゃあ行こうか!」 「うん。」 彼女は満面の笑みで僕に頷いた。その子供っぽい表情も全く変わらないもので見ていると心が温まるよ。 ---- 僕たちは会計を済ませて外へ出た。勿論彼女はお金なんて持っていない訳だから今日の買い物は全て僕が支払っている。 しかしである。僕が「いる物があったら僕に頼んで」とは言っておいても彼女の口からはそれが出なかった。つまり自分のものを買おうとしなかったのだ・・・遠慮してたのかな?。 まあ、話を戻すけど「ゲミメ」とは「ゲミュート・シュティンメ」という店の名前の略のことだ。そこの店は僕達の中学生のときから馴染みのある店だ。 そこで買い物なんて滅多にできないけど僕たちは何度となく立ち寄ったものだ。だって僕達は見てるだけでも楽しいからね。 ゲミメはここからそう遠くないから徒歩でもあまり時間がかからない。僕は歩いて行ってももいいけど・・・。 「どうする、ここから歩く?」 「うん。こんなにいい天気なんだもん。それに・・・」 「それに?」 「ううん、なんでもないよ。行こ!」 「ああ。」 『なんでもないよ』=何かある という法則が彼女に成り立っている。 彼女が何を言いたかったのか、少しばかり分かった感じがしたから気になってしまう僕。 もしその考えが合っているのなら・・・僕も同じ考えだよ。 この晴天の心地よい風にあたりながら君と肩を並べて、もう少しの間だけでも街を歩いていたいから。 本当に昨日の天気など嘘のように思えるほどの蒼い空。暖かい空気・・・そして暖かい君の笑顔。 胸が痛い・・・これはいつもの悲しい想いの胸の痛さじゃない。 幸せだ。ただそれを感じたまでのこと。幸せと感じたときでも胸は痛くなるものだったっけ・・・? 彼女は僕の隣で微笑みながら・・・ (!) そういえば僕は彼女は変わったなんて思えてなかった。 ここ一年間の悲しみは彼女もそうだったはず・・・。 それなのに彼女の性格は明るいまま・・・。 そうか、彼女は僕に気を使って無理にでも過去を忘れて・・・なのに僕はさっきから彼女のいない過去のことばかり考えて・・・。 駄目な奴だな僕は。 いっそ僕も彼女のいなかった過去の自分は忘れちゃおうか。 さっきから会話は無いけど今、僕はたまらなく幸せだよ。 彼女の笑顔の意味も分かるよ。 やっぱりプレリーは昔と変わらないね。 賑やかな街に吹く穏やかな風は、二人と共に歩くように吹き渡る・・・. でも僕たちの会話がさっきからない・・・。やっぱり僕もそうだけど・・・彼女も本当はまだ戸惑ってるんだよね。 だって本当は有り得ない事がこうやって今こうやって実現しているのだから少し戸惑うのもおかしくないでしょ? でも・・・さっきも言ったとおり僕は拘らないで彼女の側にいたい。彼女も多分僕と同じ考えだと思うだろう。 「ねぇオルクン、仕事はどお?」 こういうときは僕から話題を出した方が良かったのかな・・・。 というか話まで無くなるほど僕は変わったのかな・・・。 「うん、普通ってとこかな。」 彼女は僕の就職が決まった頃に倒れたから・・・僕がどんな仕事をしているかは分かっていた。 「そお・・・これからボクどうしようか・・・。」 実は僕もそのことを昨日からずっと考えていたんだ。彼女は高校3年生で・・・本当は亡くなっていた。 現在はその一年後。「彼女の死」は無かった事になっている。人々の記憶からもその出来事は無い・・・ただ一人を除いて。 しかし、その一年彼女はいままでどんな生活を送っていたのかが分からないのだ。 「プレリー、これからの君の人生って・・・確かに僕も分からないよ。君が決めることだしさ・・・。 君は18歳のままだけど世間では19歳なんだよね?」 「・・・うん。」 少し話し辛いがこれからの彼女はどうやって過ごしていけば良いのか、まず彼女自身が分からなければならない。 「高校も途中だったんだよね・・・それからどうなっているんだろう?」 「ううん。高校は卒業したことになっているけど・・・」 「え!?」 「リネィさんがここ一年のボクの人生を作ってくれたんだよ。今は高校を卒業して・・・浪人ってところなんだよね。」 そ、そうなのか。彼女は下を向いて少しばかり苦笑いをしていた。 そう・・・高校を卒業してるならこれからの人生の希望は小さくはないじゃないか。 「ボクが今悩んでるのは・・・就職かな~ってさ。本当はさ、大学進学したかったんだけど・・・。」 「・・・フロイン大学?」 「・・・うん。」 フロイン大学はラルムシティーの隣の街・・・つまり僕の住むアームシティとは隣の隣の街にある医療専門の大学だ。 彼女は良く僕に「将来は医療系の仕事に就きたい」と中学生のときから言ってたものだった。 「大学に進めばいいじゃない?来年度とかさ。」 「うーん、オルクンもそう思うよね。」 「何でそんなに悩むの?まだ来年度まで半年あたりあるじゃないか。」 「いや、悩んでいるっていうか・・・・・やっぱり何でもない。ボク頑張るよ!」 「・・・うん、まだまだこれからだよ。頑張れよ。」 君の『何でもない』=何かあるんだけど・・・ね。 「あれ~?こんなところにコンビニが2件もできてるよ。そういえばこの道も綺麗になったよね。」 「・・・うん。でも全然この街は変わらないよ。」 (・・・正直僕も知らなかったんですけど・・・だってあれから全く来てないんだもん!) 「オルクンってこの街は最近来たことある?」 最近というか、最後に来たのは今のように肩の側には君がいたんだから・・・。 「ゲミメも変わってるかな?」 「え?ゲミメなんて僕あれから行ってないし・・・変わってるって並び替えとか?」 「うん、多分そんな感じかもね。」 その表情・・・君は本当に愛しいよ。 僕は君の中ではどの様に映ってるの?具体的に君の口からそのような事一度も聞いたこと無かったかも・・・。 ・・・あ、一度だけかあったかな?初めて出会ったとき。 でもやっぱり言葉的にはあれは具体的じゃないかもね。 初めて中学のとき君に会ったのが・・・部活動の体験入部のときかな。 確か吹奏楽部の体験入部は新一年生が数人づつでパートごとに回って、それぞれ名前も知らない楽器を吹いてみるという体験だったよね。 その初日にクラリネットパートに来たイーブイがプレリーだったんだ。 イーブイ系は中学に入学する直前に進化するのが一般的だけど・・・確か入院していて出遅れちゃったんだよね。 まぁ、一年生が部活に正式に入部をして担当楽器を決めた日に彼女は進化したらしく・・・次の日に会ったときにはいきなりリーフィアになってて驚いたな。 そのときが連休中の部活で一番早く来たのが彼女で珍しく二番目に僕が付いた。僕と彼女が初めて出会った日のようにね・・・。 あのときはまた、初めて見る人に出会った感覚がしたな・・・今でもなんとなく覚えてるよ・・・。 「オルクン~。何考えてるの?聞かせてよー。」 「何って・・・君のことだよ。」 「やった♪どんなこと??」 「リーフィアに初めて出会った頃のこと。随分と昔だけどね。何か、こう、ふっと思い出してね。」 「う~?・・・あ!あのときねぇ・・・。」 またも沈黙が二人をを包む。しかしその静寂さも心地よいものでもあったかもしれない。 「・・・あのときは嬉しかったなぁ。」 彼女が少しばかり微笑んで俯く。 「何が嬉しかったの?」 「だってさ、自分の変わった姿を一番最初に見てもらいたいっていう想いが・・・本当に通じたんだもん。ホントに嬉しかったんだからね。」 「ほ、本当か?初耳だぞ。」 「その頃いつオルクンにその事を言おうかな~って思って過ごしていたら、いつのまにか忘れちゃってて今思い出したんだ。」 「そうだったのか・・・。正直なんとなく覚えてるけどさ。僕・・・君に見惚れてたよ。」 「うん、・・・嬉しい!」 君はその想いを僕に伝えないまま消えてしまっていたのか。・・・でもその事を今僕に伝えられたから、そのときの僕の思いも君に伝えられた。 分かり合えたんだよね?今になってその過去の時間をさ。この事っていつかは成ることだったのかな・・・。 違うよね。奇跡が無ければこういう気持ちはかったんだから・・・。 ・・・やっぱり僕も彼女も無かったことになっているとはいえ僕達のこの一年はいろんな意味で大切な時間だったんだよ。 たとえそれを忘れて生きていくとしても何か、放してはいけないことのように思えてきたな。 「プレリー・・・。」 「うん?」 「やっぱり、この一年間の自分たちの思いって・・・放しちゃいけないと思うな。」 「・・・・・・」 彼女の嬉しそうな表情が一変にして難しそうな表情に曇った気がした。 気まずい事を僕が言ったとしてでも本当に大事なことなんだと思うよ。そこは分かってくれると信じれるからさ。 「ボクは・・・いやだ。・・・早く忘れたいよ。」 「!、プレリー・・・。でも何か忘れてはいけないような気がするんだよ。」 「それは分かる。忘れるなんてできないと思うけど・・・忘れたい。 それでもボクは思い出したくないんだ!自分が存在しているのかしていないのか分からなかったついこの間までを、もう思い出したくない・・・忘れたいんだ。」 ・・・・・・つらいのは分かる。けど・・・ 「じゃあ、あの人のことを忘れちゃっていいの?感謝しないって言うの?それを・・・それを忘れてこのまま生きていいのかよ!」 「そ、それちが・・」 「違くないよ!!」 「・・・・・・。」 大声を出してしまった。ここに人気が無くて良かったけど。 「君の気持ちも分からないわけでもないかもしれないんだ・・・どんなに辛くても生きていれば少しでも良いことが沢山ある。 感情だけあっても何もできない。自分から何かしなければ人に相手にもされない。 そこを生きているからこそ自分を動かし人に見てもらって人と関われるんだ。それが生き物の喜び。」 「・・・・・・」 「でも君には感情しかなかった。その感情がどんなに強くとも君は人と関わることができない。どんなに感情が強くとも無くしたものがあっただけに。」 「・・・・・・」 「ゴメン。僕は最後まで君の想いを分かりきれてなかったんだ。本当にゴメン。」 「・・・そんなことないよ。結局僕が弱かっただけなんだ。」 「プレリー・・・。」 「ボク、オルクンが正しいって事を分かっていたんだけど自分に甘くて、ボクがワガママで情けないだけだなんだ。 ・・・ボクはもうオルクンと一緒だからもう忘れたいなんて思わないよ。だからさ・・・早く行こうよ、ゲミメにさ。」 「うん。」 君は弱くなんか無い。自分に甘くなんか無い。君の心が強いのは誰だって知ってるよ?そう、誰だってさ。 あえて君には言わないけどね。 彼女は先程より、いっそう僕に寄り添いながら歩くようになった。 彼女の歩幅に合わせてぎこちなく歩く僕に気付いて「ゴメンね、歩きにくい?」といった彼女の言葉に 僕は赤くなった顔を隠せなくて彼女に笑われたことは初めてではないはずだ。いつか・・・あったはずだよね。 新鮮に感じるもあれば・・・懐かしく感じるのもあれば・・・。 どちらにせよ嬉しい。夢でないのは分かり合えたけど、もし夢ならば僕は夢の中で永遠に ・・・ううん、なんでもないや。 ---- 「うわー、懐かしいなここぉ。一年ぶりとは思えないよー。」 「うん、不思議だねぇ妙にここの店の前が懐かしく・・・あぁ、ちょっと待ってよ。」 話の途中で先に行くなよ。まあ僕の手を彼女が引っ張ってるから彼女が僕より先に行くことなんて無いけど・・・。 ―《ウィーン》― 店の中に入って行く僕たちを迎えてくれたのは僕たちの憧れの楽器たちだった。 そう、ここはゲミュー・シュティンメという楽器屋さん。 「あ、なんだ。・・・全然変わってないね。」 「そうだな、けど流石に一年も経つと楽器の配置も変わるよなぁ。」 「やっぱり最初は!」 「クラでしょ?」 「うん。」 楽器屋に来る人は大抵、楽器を眺めてから教本など音楽雑誌を読んで時間を過ごすのが楽しみなのだ。 ここにくるとやっぱり僕もプレリーも言葉が少なくなるよね。だって何だかんだ言っても楽器屋だもん・・・。 しばらく僕とプレリーはゲミメで時間を過ごしていた。ここに来ると時間が経つのも忘れちゃうな、時間は・・・まだいいかな。 この店に流れているクラシックも懐かしく聞こえる・・・。 「あの~・・・。」 不意に声がした。声のした方を向いてみると品の良い若いサーナイトが立っていた。 店員さんか?僕に用があるのかな? 「貴方はオルクさん?ですか?」 「え・・・はい。どうして僕の名を?」 「あ、声も同じ。やっぱりオルク君ですね♪」 「・・・え?え?」 この店員さんは僕を知っているの?サーナイトに知り合いなんかいないハズだけど・・・。 「私だよ、ピュール。」 「ピュー・・・あ!あのピュール先輩!?」 「しーーっ、声が大きいのでは?店内ではお静かに・・・」 「あぅ、すみません。えっと・・・お久しぶりです。ゲミメの店員さんになっているとは・・・」 「短大を出てからここに就いたのよ。丁度半年位前からね。」 「そうだったんですか・・・でも良く僕だって分かりましたね。」 「だってサーナイトだからね。」 「・・・いけませんよ人の心を読んでは。先輩は昔から頻繁に人の心を読むんですから・・・。」 「フフフ。」 ピュール先輩。中学生のときの部活でお世話になった一つ上の先輩である。 イタズラ好きで子供のようにあどけなかった先輩は、今僕の目の前で見違えるほど姿は大人っぽくなっていた。 「プレリーちゃんは・・・あ、あのあと高校も一緒だったのですね。オルク君いいなあ好きな人とアツアツで。」 「ちょ、心を読んではいけませんー。」 やっぱりこの人の性格は変わらないか。 こういう仕事っていいよね。 「ん?・・・え・・・そんな!。」 「どうしたんですか?」 「貴方たちってまさか・・・・い、いえ。何でもないわ。」 「え、え?どうしたのですか!?」 「いえ・・・なんでもないの」 僕の中で何が見えたんだろう?ていうか!心読まれるのっていい気持ちしないんだけどなぁ。 「ねぇオルクン、コレ見てよぉ。・・・あれ?店員さんと知り合い??」 「君とも知り合いだよ。」 「え?」 「ピュールです♪プレリーちゃんやっぱり変わらなく超可愛いよぉ~。」 「え?え?ピュール?」 彼女は目の前の覚えのない人と会ったことがある、と言われて頭の中には「?」マークで埋め尽くされ・・・ さらに変わらなく可愛いと言われ彼女はパニックになってしまった。 「プレリーほら、ピュール先輩だよ。」 「ピュール・・・先輩?」 「プレリー、まさか覚えてないの・・・?」 「・・・・・・。」 ・・・。 ピュール先輩、プレリーの記憶には無いそうです。 「覚えてない・・・そう。ちょっと残念かな。」 「もう、プレリーったら。」 「・・・だって、二つ上の先輩なんて。」 「確かに、中学の部活って一年生と三年生の関わりって短かったもんね。」 「すみません・・・。」 「いいのいいの。ん、その本って吹奏楽コンクールの雑誌?貴方たちの通ってた高校ってホントレベル高かったもんね~。 度々全国大会出場してるから、その本にちょっとだけ載ることもあるのよ?」 「今年の大会に載っていました~。オルクンここだよ。ここ」 あらホント。アヴァンセ高校の名前が載ってる・・・。『アヴァンセ高校・・・銀賞』 え、銀賞!?銀賞って・・・。 「ついに破っちゃったね~。銅賞の壁を。」 「へーー。ついに今年でかぁ。」 アヴァンセ高校は全国大会に行けたとしても、結果が銅賞しかなかったのだ。 僕の通っていた3年間は全国大会出場が一回だけあった。僕が二年生のときの大会だったからプレリーも一年生でいたんだ。 三年生の多い中でクラは多く、二年生も扱かれて僕も大会メンバーとして出場した。 やっぱり結果は銅賞だったけど。 そうか、今年でついに銀賞をとったか。 『ピュールさん、ちょっとこっち手伝って。』 「あ、はい。・・・じゃあまたね。オルク君、もうプレリーちゃんを放しちゃダメよ。」 「え・・・!?」 今のはどういう意味だったんだろう・・・?もう放しちゃ? 「オルクーン、何ボーっとしてるの?」 プレリーが不思議そうに僕の顔を覗き込んできた。 「いや、何でもないよ。そろそろ帰ろうか。」 「さんせ~い。」 僕たちは外に出て、外の空気をいっぱいに深呼吸した。 外は暖かくて気持ちいい。 彼女の笑顔もたまらなく暖かい。 「ふぁ~~・・・なんかこうも暖かいと眠くなってきちゃうよ。」 「うん。」 明日からプレリーは自分の家に帰る。何事も無かったように。 そして僕はまた会社だ、何事も無かったように。 今日はもう明日まで、二人でのんびりしてようか。 ゆっくりとね・・・。 ---- 『間もなくアームシティ、アームシティです。』 「そうだプレリー、明日の帰りは早いほうがいいの?」 「ううん。そうだねー、明るいうちなら何時でも良いんじゃない?」 ・・・明るいうち、子供かよ。 でもなぁ。確かにいつでも良いのかな。急ぐ必要なんか無さそうだし。 でも、早く家族に会いたいっていう気持ちはないのかな? そんなことを思っているうちに僕らは駅に降りた。 まだ辺りは明るい。ちょうど今頃から夕方にかけての涼しくなってくる時間帯かも。 最後にプレリーと行かなくてはいけないばしょがある。この近くに。 それはリネィさんのところ。二人で・・・伝えたい事があるからね。 そこまでまた二人でのんびりと歩いて、また帰りものんびりと帰るつもりだ。 そんな何でも無い時間も、今は僕にとっての楽しみでもあるかな。 ・・・もう、分かるよね? 駅を降りれば住み慣れた自分の町。その住宅地から離れ、僕らは物静かな広い道へ僕らは歩いていく。 そこは辺りのほかの道と比べると自然が少しばかり多くなっていて空気もそれなりに澄んでいて涼しく、そこに暖かいそよ風が吹くと本当に清々しい気持ちになれ心地の良いものだ。 ・・・生きていてこそ感じられるその感覚。生きているだけでも幸せ・・・か。 最近までこんな考えなんてこれっぽっちも・・・いや、分からないはずはなかったのだが、今までのそのような言葉なんてここまでに深く考えようとした事がなかった。 発想がなかったというか・・・現実を見すぎていたというか・・・。 でも僕らが体験した事も現実なんだ。幻覚などの偽りの事ではない。 たとえ誰にも信じてもらえないとしても、僕は誰にも理解を求めない。僕は生きている・・・そして隣に彼女がいる。 ・・・それだけでいい。周りがどう思うが分からないがそれで僕は幸せだ。 そういえばあの人は僕たちが生きていると、何かを繋げさせられるといったな。 じゃあ、あそこに捨ててある空き缶をすぐそこのゴミ箱にいれる事も・・・。 僕はそこの道の隅に落ちている一つの空き缶を拾い、近くにあったゴミ箱に捨てた。 この僕の行動には彼女は何も口にはしなかった。 多分、僕の考えている事が分かったのかな?・・・いや、流石にそれは無いだろう。 僕が行った事は・・・ふふ、何だろうかな・・・。 「オルクン?どうしたの?」 「いやいや、こんな事はしょうもない事かと思っていた自分がさ。まさかこんな事をしようとするとはね。」 「フフ、おりこうさんになったってコト?」 「ん~・・・多分そうかな。」 「フフフ。」 やっぱり、彼女には僕の考えていた事が分かっていたのかな・・・? 明日からまた仕事かぁ、正直もっともっとできればプレリーと一緒に居たいけど・・・ 会社での僕、ホント影に近い存在だもんね。 でも不思議といつものマンネリな気持ちはしないんだよね、何でだろう。 それは・・・今は一人じゃないから・・・? つまり人生を楽しむ大きな希望ができたからかな。 「う~ん・・・。」 ふと彼女の横顔を覗くと今度は彼女が何やら考え事をしているらしい・・・ 「あれ、悩み事でもあるの?」 「う~~、ピュールさんに失礼な事しちゃったな~ってさ・・・。」 彼女がつい先程までずっと黙していた理由はそれだったのか、そんな彼女を見ているとまた 妙に懐かしい感じがしてくるな・・・。 「そうか、でも気にする事ないんじゃない?先輩・・・じゃなくてピュールさんもそんなに気にしてなかったようだし それに忘れちゃったのは仕方ないしね。」 「う、ん。」 それでも彼女はまだその事を気にしているらしい・・・それも彼女らしいけど。 そういえばピュールさんが最後に言った言葉の意味は何なんだろうか? 『もうプレリーちゃんを放しちゃダメよ』 僕はずっとこの言葉が気になってしょうがない。まさかとは思うけど・・・僕とプレリーの誰も知らない真実を見られたような気がして・・・。 ピュールさん・・・僕の心の中の何かを読んで驚いていたようだしね。 でも・・・まあいいか。 幸せなら・・・ね。 薄く眩しい日差しは心地よく、暖かい空気と供に二人を包み、二人はゆっくりとそよ風のように歩いてゆく。 その二人を眺めているは風、そして自然・・・。 ―青い空の下の墓地ー ここは最近になって何度立ち寄っただろうか・・・。 雨の日、悲しい気持ちでこの地を踏んだ時はいつのことか・・・。そう、昨日のことである。 不思議だ・・・。こんなにも前のことのような気がするなんて・・・。 静かだ・・・。この場所はとても静かだ。 雨の日、辛く悲しい気持ちで、大切な人の事を強く思い、泣いた・・・。 それは本当に昨日の事なのだろうか? 今は・・・ 「・・・・・・あれ、オルクン?おーい・・・」 隣で僕を呼んでくれる大切な人がいる・・・。 「オルクンってば・・・。」 「分かってるさ。」 その僕の返事を聞くと彼女は恩人・・・いや、僕の友達の前に立って何かを祈るように眼を瞑っている。 聴こえる音は風の声のみ・・・。この感覚は時間の僕に流れを感じさせなくなる。 この空気を、今でもあの人は感じているだろうか・・・。感じていてくれたなら僕らの思いをこの風に乗せて貴方に伝えたい。 ありがとう、と・・・。 そう。一言でいいんだ。だってあの人は全部分かる人だから。 「オルクン。いいの?あの人に・・・」 「ううん、もういいんだ。僕はもう終わったよ。」 「え?だってオルクン・・・。」 「帰ろう。」 僕は最後のその一言を言い残し、その場所から立ち去った。彼女は少し戸惑いながらも僕についてきてる。 ・・・もう、しばらくはここに来る必要はないだろう。 「オルクン・・・まだあの人に・・・。」 「送ったよ。風に乗せて。」 彼女はまた少し戸惑った表情になったが・・・頷いて笑ってくれた。 ・・・ありがとう。 ---- 静かなこの部屋に入ってきて電気をつけ部屋に静かな音楽を小音量で流す。 そして僕のいつもの癖でソファーの上に荷物を置く。 「オルクン、ちゃんとすぐ整理しなきゃ。」 「あ、うん・・・ごめん。」 たった今妙な思いがした。この感覚・・・こんなことが前にもあったような・・・。気のせいか。 二人で整理し終わって、僕はソファーの上で寝転んだ。 こうしていると今頃気付く。今日は結構歩いて疲れたんだなと・・・。 そしてまたこんな感じにボーっとしていると妙なものを思い出す。 「・・・玄関のピース」 「ん?オルクン何か言った?・・・あぁ何処行くの?」 「何処も行かないよ。」 そういえばあの時渡されたパズルのピースらしき物は玄関に置きっぱなしだった。 ・・・あった。やっぱりどう見てもパズルのピースだ。どうしてこんなものをあの人は僕に渡したのだろうか? 「もぉ~。オルクンどうしたの~。あ、それは・・・」 彼女がやってきて僕の持っているものを覗いてきた。その彼女の声は途中から小さくなって聞き取れなかった・・・。 「これ?プレリー、これはあの人から受け取ったパズルのピースらしいものなんだけどさ。よくわからないんだ。」 「あ・・・え、と。そのピースは・・・。」 妙な感じに彼女の態度が変わった。 「オルクン・・・それは何だか、・・・やっぱり知らないよね。」 「どうしたプレリー?」 彼女はこれについて何か知っているのか? でも、これはあの人から受け取ったものなんだけど・・・。 「そのピースは元からボク達のだよ・・・。」 「・・・え?」 これは元々僕達のもの・・・だって? 「オルクン・・・ボク達ってさ、一度だけケンカした事あったよね・・・覚えてる?」 彼女は自分の話している事を懐かしむように僕に訊いてきた。 「どうしたの?いきなり・・・まぁ、覚えてるけど。」 「その原因も何だったか覚えてる?」 う、原因・・・。覚えているには覚えているけど・・・今考えると可笑しく思えるほど些細なことでケンカしていたような・・・。 「えー・・・僕のちょっとした言葉でプレリーを傷つけちゃったからだよね・・・それがどうかしたの?」 「えと、そのときはボクも悪かったけど・・・じゃなくて、もっと前の話。そのキッカケだよ。」 ケンカのキッカケは・・・えっと、そもそもなんだったっけ?思い出せない。 プレリーとはたった一度だけケンカしたって言うけど、あれは言い争いだったような気がする。まあそれもケンカなんだろうけどね・・・。 彼女の方を見ると眼が合う。相変わらず透き通った綺麗な瞳だな・・・って思ってる僕は結局キッカケを思い出せていない。 「覚えて・・・ない?」 「う・・・なんだったか。」 「それだよ。」 「え?」 彼女が右前足で僕の持っているピースを指した。そして普段のように明るくなってになって僕にまた何か訊いてきた。 「オルクン、それが最後の僕達のピースだよ。まだあのパズルは残ってる?」 「ちょ、パズルって・・・・・・ん、あ!」 その瞬間妙に視界が軽くなったような感じがした、気のせいだろうけど。 ああ思い出した。あの思い出のパズルか。 「思い出した?」 「うん。二人の大切なものになるはずだったのにそれがダメになって・・・忘れようと思っていたら本当に忘れてちゃった。」 「ふふ、そういうことはボクはできないな~。忘れようと思ってることが記憶に深く残ってしまうからね。で、今もそれある?」 僕達のケンカの原因、それは今から1年半くらい前の写真をパズルにしたものだった。 何故そのパズルがケンカの理由になったかというと本当に些細な言い争いから始まったのだ。 写真をパズルにした後、二人で一緒に組み立ててき、最後の残り1ピースになったときに僕達は気が付いた。 その最後のピースをなくしてしまったという事を・・・。 その事が分かったとき、僕は一生懸命探した。今僕の持っているこのピースを。 彼女も僕と一緒に探したけど、それは僕の目には本当に探しているかどうか分からないほど必死さが見えなかったのだ。 そのときの彼女の気持ちも分からず、次第に苛立ってきた僕は・・・。 【ねぇ、本当に探してるの?何かどうでもいいと思ってない?】 今までに何度もその僕自身が口にしてしまった言葉を心の中で繰り返し、後悔していた。 今までに何度も、その僕自身が口にしてしまった言葉を心の中で繰り返し、後悔していた。 その言葉により彼女を傷つけたとはそのとき気付かなかったのだ。 当然仲直りはできたけど、パズルは諦めるしかなかった・・・。 「オルクン?」 「あ・・・ああ、多分兄さんの部屋にあると思うよ。完成してないといってもも大切なものだからさ。」 最後の1ピース、いまはここにある。 僕はそれを握り締めてガサガサと兄の部屋を荒らしまくる。兄の部屋といっても物置だけどね。 そんな僕をプレリーは黙って眺めていた。こればかりは彼女が何を考えているか分からないな・・・ん!。 「あった!この箱の中だよ。」 「本当にあったんだね。」 「当たり前だよ!だってプレリーが僕に残してくれたものって・・・あ、何でもないよ。」 「いいからー、早く完成させて飾るところを決めようよ。」 「う、うん。」 今のは・・・、彼女に傷つけたかな・・・後で謝ろう。 「あ、何か凄く懐かしいな。」 僕が箱を開けたらすぐに彼女が部屋に持っていてしまった・・・。 僕、まだ見てないのに・・・。 そのパズルを見るのは久しぶりだな。たしか僕の部屋に飾ってあるもう一つの小さな写真、あの中学校の部活で行った卒業会の際撮った写真の二人よりも 少し大人びた姿になった二人の写っている写真のはずだ。 それはある意味同じような写真。 中学校の卒業会が高校の卒業会になっただけ。しかも教室で楽器を抱えていただけあってパッと見ただけでは中学校のときに撮った写真と殆ど変わらなく見えていたと思う。 ただ大きく違っていたのは二人の・・・ ・・・ま、いっか。 『オルク~ン!まだぁ~??』 「はいはい今行くよ。」 今行くよ・・・か。 ・・・そう、今だからこそ言える言葉。 それがどんなに幸せなことだか・・・。 大切な人がいなくなってしまったから僕は変わってしまったと思った。 そう僕は今まで思っていた。確かにそうだったのかもしれないけど・・・。 完全に人は変われるものじゃない。 その人はその人である限り・・・。 僕もプレリーも、これからも今までと変わらないよ。 時が経っても人の心は変わる事ができないからね。 「お待たせ」 「最後なんだから一緒に・・・嵌めようよ。」 「うん。」 そう、このパズルに写る二人の姿のように・・・。 ---- ムウマージ『・・・いかがでしたでしょうか。私のお話は・・・楽しんでいただけたでしょうか? 今はオルクン・・・おほんっ!///・・・今はオルクさんもプレリーさんも離れて暮らしていますが元気に過ごしているようです。 皆様が大切な人だと思っている人は、本当に大切な人です。自分がそう思っているのですから。 このお話は、私から皆様への質問でもあったのですよ。 《貴方は今、大切な人がいますか?》そして、《貴方は今、大切な人でいますか》と・・・。 もし、両方頷ける方でしたら・・・その思い、大切にしてください・・・・・・。 ・・・ケケ。』 ---- #comment(below) - 続きですかぁ…。 番外編を予定していますよ。 ――[[赤いツバメ]] &new{2010-06-13 (日) 19:35:28}; - 感動物です! 続きはないのでしょうか? ―― &new{2010-06-13 (日) 09:00:35}; - 綺麗ですね!すばらしい!二人のような存在になりたいな~~ ムウマージの最後のセリフの質問、おかしいかと・・・ ――[[だれかさん]] &new{2010-06-12 (土) 22:30:44}; - 毎度応援を有難うございます。 貴方様のようなお方に励ましの御言葉を頂き嬉しい限りです。 『ゲミメ』舌を噛みそうでスミマセン。おかしかったですね^^; 両方ともドイツ語なんです。 実は「プレリー」もドイツ語だったりします。 ――[[赤いツバメ]] &new{2010-03-22 (月) 20:37:28}; - 幸せなはずのオルクくんに存在するわだかまりと、前作、前々作と引き続き冒頭で語るムウマージの言葉。 赤いツバメさんの書く小説の魅力はなんといってもやさしい表現です。 仕草や環境など、普段人が気付かないような事柄をうまく文章に表されていて、なおかつ読む人に感化させるような描き方には感服させられます。 続きのほうがんばってください。わくわくが止まりません。 にしてもゲミュート・シュティンメ。片方ずつなら何ともないですが、二つ揃うと何だか舌を噛みそうな名前ですね。 ――[[てるてる]] &new{2010-03-22 (月) 01:02:38}; - 「ゲミメ」とはいったいどんな店なのか。 二人のこの後など続きがまたまた気になります! ―― &new{2010-03-18 (木) 20:05:11}; ^