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俺の不思議で幸せな旅5 の変更点


[[ギアス]]
[[俺の不思議で幸せな旅4]]
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翌朝……
「ふああぁぁ……」
「おはようございますマスター」
朝俺が起きると、隣にサーナイトが座っていた。
「おはよ……、お前早いな、何時に起きた?」
「30分くらい前です」
つーことは6時前か……
「その30分どうしてた?」
俺はまだ覚醒しきってない頭でサーナイトに質問する。
「……ずっとマスターの寝顔を見てました///」
いや、そこ俺が顔を赤くするべきだと思うのだが。
「サーナイト、こっち来て」
「はい、なんで…きゃっ」
俺は近付いたサーナイトの腕を引っ張り、ベッドの中に引きずり込む。
「へっ?あ、あの……マスター?」
「どうした、俺の横に入るのは嫌か?」
「い、いえっそういうわけでは……」
サーナイトはいきなりの事に対応出来ないらしく、さっきからあたふたとしている。
「別にもう少し寝てても良かったんだぞ?俺より早く起きる必要なんか無いって」
俺がそう言うと、サーナイトは両腕を俺の背中に回して近付いて来た。
「……有難うございますマスター……///」
サーナイトの言葉に少し恥ずかしくなったが、俺は腕をサーナイトの首の後ろに回して顔を引き寄せる。
そしてそのまま軽いキスを交わすと、サーナイトは寝てしまった。

30分後……

「ふぁぁぁ……あれ?」
俺は再び起きた、どうやらサーナイトが寝た後、俺まで寝てしまったらしい。
「疲れてんのかなぁ……俺……」
俺がそんな事を考えていると、サーナイトが起きた。
「……うぅん…あら?マスター?」
「ん、起きたか、少しは眠気覚めた?」
「あ、はい、気を使わせてしまって申し訳ありません」
「気にすんなって、お前は大事なパートナーであり、最高の恋人でもあるんだから……//////」
俺に気を使わせた事に落ち込むサーナイトを励まそうと言ったが、何だか物凄く恥ずかしくなった。
するとサーナイトは俺に強く抱きつき、
「有難う御座いますマスター……私、今とっても幸せです……」
俺はサーナイトの頭を撫でてやった。
その後、スイクンとブラッキーが起きたので、みんなで朝食を食べた。
     ◇
「2万7800円です」
「はい」
俺は店員に3万わたし、2200円のお釣りを貰う。
サイクリングショップで自転車を買い、組み立ててもらう。
「さてと……」
俺は3人をボールから出した。
「どうした白龍」
「今からサイクリングロードを下るが、誰が俺の後ろに乗るか相談しろ」
俺がそう言うと、3人は集まって相談し始めた。
数分後……
「決まりましたよ」
「おう、誰に決まった?」
「私です、マスター」
「ん、スイクンとブラッキーは悪いけどボールに戻ってて」
俺は二人をボールに戻し、サーナイトと一緒に自転車に乗る。
「腰に手を回しとけ、落ちる」
「あっ、はい、分かりました」
サーナイトがしっかり捕まったのを確認し、俺は坂道を下って行く。
シャァァァァ……
「(気持ちの言い風だな~)」
「マスター、風が気持ち良いですね~」
「ああ、そうだな~……」
数分で坂を下り終え、そのままヨスガシティへ向かった……
     ◇
ヨスガシティ シンオウ地方で一、二を争う大都市であり、ふれあい広場やコンテスト会場、教会等様々な施設が立ち並んでいる。
ちなみにこの町の大好きクラブの会長の持つ自慢話の長さである3時間6分56秒は、未だに破られていない。

「ここがヨスガシティか……」
「マスター、まずは何します?」
「やっぱジム戦だろ!!」
俺は早速ジムを目指したが……
「あれ?閉まってる……」
ジムのドアには張り紙がしてあった。
『ジムリーダーがコンテスト出場のため、暫くの間お休みします』
「…………」
「………あり?」
「あり……なんじゃないでしょうか……」
コンテストの開催まで後3日はある。つまり最低でも後3日はジムに挑戦出来ない訳だ……
「どうする?俺達も参加してみる?」
「でも、コンテスト祭りなので色々ありますよ?」
「う~~ん……」
俺はコンテストの種類を見ながら考える。
「これは……」
俺の目に一つのコンテストが止まった。
「音楽コンテストか……」
俺は詳細を詳しく読む。
『音楽コンテスト開催!!参加人数は2人以上(内一体はポケモン)、自由曲、課題曲どちらに参加してもOK!!受付締め切りは3日前の正午!!皆さんの参加をお待ちしております!!』
自由曲、課題曲どちらでも参加OKか……
「マスター、何か良いのがありましたか?」
「ああ、サーナイト、お前確かピアノ弾けたよな?」
「ええ、少々難しい曲でも弾けない事はないですが……」
「そうか……ならこれにするか」
「音楽コンテスト……ですか?」
「ん、こんな内容だけどどうする?」
俺は持っていたチラシをサーナイトに渡した。
サーナイトはチラシを受け取ると、内容を確認し始めた。
「……よさそうですね……、私は賛成です」
「スイクンとブラッキーは?」
「別に異論はありませんよ」
「ああ、だが私たちは出ないぞ。二人だけで参加してこい」
「ほ?何故?」
「こういうのは長年一緒にいる奴等の方がえてして上手い物だ」
「お二人なら息ピッタリでしょう?」
長年って……まだたかだか十年程度だぞ?
「その十年が私達にとっては大きな壁さ、長い時間の中で作られた信頼や愛情は、まだ出会って1週間の私達が破れるものじゃないさ」
「まあだからと言って、白龍さんを思う気持ちで負けるつもりは無いですけどね」
二人はそう言うと、俺の頬にキスをしてボールに戻っていった。
「……ありがとう、二人とも……」
「マスター、参加登録、しに行きましょう?」
「ああ」
俺はサーナイトを連れて受付に向かった……
     ・
     ・
     ・
受付にて……
「コンテストの参加登録したいんですけど……」
「ハイ、どのコンテストへの参加ですか?」
「音楽の自由曲です」
俺がそう告げると、受付の人はカタカタとパソコンを打ち始めた。
カタカタカタ……ピピッ……ピーン!!
「はい、登録完了です。お客様のエントリーナンバーは29番です」
「わかりました、有難う御座いました。……さて、登録も済ませたし、早速練習に入るか」
登録を済ませた俺は、空いている部屋で練習をすることにした。
「さてサーナイト、早速だが俺が今から弾く曲をお前には弾いてもらうから、よく聴いておけ」
「楽譜と曲名は?」
「楽譜は用意してある。曲名は『月の明かり』だ、いくぞ」
「……………」
「♪~♪~~……」
・・・
・・・・
・・・・・

一通り弾き終え、俺はピアノから離れる。
「これだけ弾けるなら、マスターがピアノでもよろしいのでは?」
最もな質問だな。
「それもそうだが、本番は歌う事に集中したいんだ。それに、ピアノに座るならお前の方が絵になるからな」
「もう///、恥ずかしい事言わないで下さい///」
「はは……、それと、この歌を歌ってるのは元々女性だからな。言い方悪いけど、本番では俺が女装して舞台中央で歌うつもりだ」
「ま、マスターが女装するんですか!?」
「なっ、白龍……頭は大丈夫か?」
「白龍さん!?」
……散々な言われようだな……まぁ女装なんて普通しないよな。
「何だよ、そんなに俺の女装が嫌なのか?」
「い、いえ…嫌と言う訳じゃ……」
「だ、大丈夫なんだろうな?」
「あ~っ、信用してねぇな?だったら本番にギャフンと言わせてやるからな、目にもの見せてやる!!」
「そ、そうですか……
「まぁそれは置いといて、サーナイト、早速だが練習に移るぞ」
「分かりましたマスター」
こうして俺達の練習は始まった……
     ・
     ・
     ・
コンテスト当日の朝……
「サーナイト、準備はいいか?」
「もちろんです」
「じゃあ先にいつもの待ち合わせ場所に行っててくれ」
「分かりました、マスターは?」
「俺はお化粧しなきゃならないの!!まったく、肌が荒れるから嫌なんだけどな……」
「そ、それじゃあマスター、会場のいつもの場所で……」
「おう、そんじゃな~」
そして俺達は二手に別れた。
「さってと、さっさと終わらせるか……」
俺は個室に入って化粧を始めた……
     ・
     ・
     ・
セシルとサーナイト達が別れて2時間後……
白龍とサーナイト達が別れて2時間後……
「白龍の奴遅いわね~」
「マスター、そろそろ来てもいい時間なんですが……」
「女装が不審に思われて捕まってたりして……」
『ありえそう……』
サーナイト達がそんな事を喋っていると、人ごみの向こうから、白いワンピースを着た見慣れない綺麗な女性が歩いてきた。
サーナイト達が見惚れていると、女性の方から話し掛けてきた。
「あら、貴方達もここで待ち合わせ?」
「ええ、そうですけど……貴方もですか?」
「ふふっ、そうね、相手は直ぐ傍にいるけどね」
『?』
サーナイト達は女性の答えに首を傾げた。
相手が傍にいるのに何で待ち合わせをする必要があるのだろう、と思った。
「ふふふっ、何で待ち合わせしてるの?って顔してるわね」
サーナイト達は首を縦に振った。
「くっ、教えてあげましょうか?私はね……」
と、途中で何故かその女性は黙り込んだ。
そして黙り込んだかと思うと、腰に手を当て、綺麗な髪をボサボサと掻き毟った。
「くっくっくっ……、なぁ、本当にわかんねぇのか?」
『???』
すると今度はいきなり口調が急変し、男性の様な喋り方になった。
その時、サーナイトの脳裏にある人物が浮かんだ。
何故その人物と思ったのかは自分にも分からなかったが、そうだと言い切れる自身があった。
「まさかとは思いますけど……マスター……?」
『えぇっ!?』
サーナイトの発言にスイクンとエーフィがビックリして女性の方を見ると、大笑いしている女性の姿があった。
「あっははははっ!!も、もう駄目……、はははははっ!!ひゃははは!!くひゃひゃひゃっ!!」
途端に女性の声が崩れ、聞き慣れた白龍の声が露になる。
『白龍!?』
「お前らマジで気付かなかった!?やったね、作戦大成功!!」
「ま、マスター、そのお姿は?」
「へへっキレーだろ。まぁその辺の話は控え室でな」
「わ、分かりました……」
サーナイト達は呆気に取られながら白龍に着いていった。
     ◇
控え室にて……
「どうだ俺の女装は!!全っ然分かんなかっただろ!!」
「お前……本当に白龍…なんだよな?」
「信用ねぇなぁ、だったらホレ、この背中の傷が俺が本物の八雲 白龍である証拠だよ。な、サーナイト」
俺は着ていた服を脱ぎ、背中をサーナイトに見せた。
「……確かに、この傷はマスターが私を庇って出来た傷に違いありません、この人は100%私達のマスターです」
『…………』
暫くその場を沈黙が支配したが、スイクンが口を開いた。
「しかし白龍、凄い化け様だな……どうやって化けた?」
「おいおい、ひでぇ言い様だな……まぁ、ここまで変われば誰でもそう思うか」
「白龍……あんた綺麗ね……&size(10){(ズルイわよ……///)};」
「マスター、声の方は一体どうやって……」
「あ、声?声帯に『へんしん』かけて女性の喉にしたんだ、例えば……んんっ、こんな風にね」
「凄い……、本当に一瞬で声が変わった……」
コンコン……
『エントリーナンバー29番の方、もうすぐ出番ですので準備しておいて下さい』
「あっ、ハーイ!!さぁ、サーナイト、行くわよ」
「はい、って、口調まで変えるんですね……」
「細かい事は気にしない、スイクンとエーフィは舞台袖で聞いててね」
『ハーイ』
そして俺た…いや、私とサーナイトは舞台へ向かう。
私達が舞台に着くと、丁度前の人の演技が終わった所だった。
司会『エントリーナンバー28番、メリッサさんでした~!!』
ワーーッ!!ヒューヒューッ!!
司会者の言葉と共に歓声が巻き起こる。
そして28番の人が舞台袖に入って行った。
『続いてはエントリーナンバー29番!!八雲白龍さんです、どうぞ!!』
パチパチパチパチパチパチ……
『曲名は「月の明り」です……』
一瞬で辺りが静かになる。
「(マスター、いきます……)」
「(いつでもどうぞ……)」

「♪~♪~~♪……♪~~」

「君の名前 心でつぶやいた
この僕の思いは そこに届かないのに

今は遠い 愛しい面影が
この夜空に浮かぶ 瞳閉じても
(以後省略)」



曲が終わり、普通なら拍手や歓声が聞こえるはずだが……
シーン……
「(……え?何の反応も無し!?私ってそんなに歌下手?)」
『え~、以上、エントリーナンバー29番、八雲白龍さんでした……』
不気味な静寂の中、私達は控え室に戻った。

暫くして……
『…………』
コンコン……
「ハイ……」
『結果発表の時間ですので、モニタールームにお集まり下さい……』
「……分かりました……、行くよ皆……」
『…………』
妙に暗い雰囲気の中、私達は中央ホールのモニター前に集まった。
『皆さんお待たせいたしました、結果発表のお時間です!!』
イエーーーッ!!
『まずは第3位の方……エントリーナンバー28番!!メリッサさんです!!』
「Oh!!やりましタ!!3位入賞デース!!」
3位はあの紫の人か……
『続いて第2位の方……エントリーナンバー4番!!ランカ・リー、シェリル・ノームのペアです!!』
「えっ!!ウソッ!?私がですか!?」
「このシェリル・ノームが1位の座を明け渡すなんてサービス滅多にないんだからね!!感謝しなさい!!」
……なんでこんな所に「超時空シンデレラ」と「銀河の妖精」がいるんだよ……勝ち目ないじゃん……(泣)
『そして気になる第1位の方……』
ドドドドドドドドドド…………
司会の声が途切れ、無駄に長いドラムロールが始まった。
(はぁ……、もう駄目ね……完全にまk『エントリーナンバー29番!!八雲白龍さん!!貴女です!!』
瞬間、出場者全員の視線が私に集まった。
「……えっ?」
「マス……ター?」
「白龍……お前……」
「白龍……」
私はその時何が起きたのか分からなかった。
「(ちょ、ちょっと待って……えっと、結果発表が始まって、3位から順に呼ばれていって、最後に私の名前が呼ばれて……って事は?)」
ちょっとの間……

「まさか……私が……1位……?」
「そうですよマスター!!」
「凄いじゃないか白龍!!」
「あんたやったじゃん!!」
『上位3名は舞台へお上がり下さい!!』
係りの人に促され、私達はもう一度舞台に上がる。
『それでは皆様、もう一度ご紹介しましょう。3位のメリッサさん、パートナーはムウマージ、2位はランカ、シェリルペア、パートナーはルクシオとレントラー、そして第1位の八雲白龍さん、パートナーはサーナイトでした!!拍手!!』
ワーーーッ!!ヒューヒューーッ!!パチパチパチパチパチパチパチパチ…………
『優勝した白龍さんには、賞金とメダルを差し上げます!!』
私は賞金25万円と音符の形をした金メダルを受け取り、会場を後にした。
     ・
     ・
     ・
会場を後にした私達は、近くの公園で一休みしていた。
「ふぅ……」
「もしもシ?」
すると後ろから声を掛けられた。
「あなタ、八雲白龍でマチがイないネ?」
後ろを振り向くと、さっきのコンテストで3位だったメリッサさんがいた。
「ええ、そうですけど何か御用ですか?」
「オーウ、ワタシがアナタに用があるのは、ワタシがこのマチのジムリーダーだからデース!!」
「貴方がこの町の……?じゃあナタネさんから連絡は……」
「YES,アナタが本当はダンセイだということも知ってマース!!…………もう一つの話は全然信じられませんけどね……」
いや、普通に喋れるのかよ。後半めっちゃ流暢な日本語(?)で喋ってましたけど……
「そうですか、じゃあ……んんっ!!……スイクン、水で化粧落としてくれ」
「む、分かった」
俺はスイクンに化粧を落としてもらい、タオルで顔を拭く。
「ぷぁっ!!んで?俺に一体何の用ですか?」
「簡単な事です!!私とバトルしなさい!!」
「もう完全に日本語(?)じゃねーか!!別にいいですけど!?」
     ◇
ジムにて……
「それでは用意はいいですか?」
「いつでもどうぞ」
「今日まで審判にはお休みを出しているので、セルフジャッジでお願いします」
「分かりました、行ってくれ、ブラッキー」
「行って下さい、ゴースト」
「ブラッキー、シャドーボール」
「ゴースト!!シャドーパンチ!!」
中央で技がぶつかるが、離れていたブラッキーはダメージを受けず、ゴーストのみが吹っ飛んだ。
「ぐっ……」
「まだです!!かげうち!!」
「ブラッキー、だましうち」
ゴーストのかげうちがヒットしたかの様に見えたが、逆にゴーストがブラッキーのだましうちを喰らっていた。
「かふっ……」
「ゴースト!?」
「よし、シャドーボールでトドメ!!」
「そう簡単には勝たせません!!道連れ!!」
「ぎゃあああああっ!!」
ゴーストにシャドーボールが当たった瞬間、目が青く光り、不思議な力がブラッキーを襲った。
「きゃああああぁぁっ!!」
「ブラッキー!?」
俺は道連れにされたブラッキーの元へ駆け寄る。
「だいじょ…です……やられちゃい…ましたけど……」
「少し休んでろ、スイクン!!」
「ああ」
「行きなさいゲンガー!!」
「冷凍ビーム!!」
「避けて催眠術!!」
「しまっ……」
冷凍ビームを放ったスイクンだったが、ゲンガーに避けられ、催眠術を掛けられて眠ってしまった。
「スイクン!!」
「悪夢を見せてあげなさい!!」
ゲンガーの目が怪しく光ると、スイクンが魘されはじめた。
「ちっ……くそっ、眠気覚ましもカゴの実もねぇし……どうすりゃ……」
その時、俺の脳裏に考えが浮かんだ。
「そうだ……、俺の能力じゃないから良いよな……」
俺は両手を重ね、出来た空洞に息を吹き込む。
♪~♪♪~♪♪~♪~~♪♪♪~♪~♪♪~~……
「これは……?ポケモンの笛のメロディー?」
メリッサさんが驚く中、スイクンが目を覚ました。
「ハッ!!…私は……そうか、催眠術で……」
「そういう事だ!!スイクン、まだやれるか?」
「問題ない、悪夢を見せてくれたお礼は利子付きで返してやる……」
「だったら即行!!冷凍ビーム!!」
スイクンは碌な加減もせずに冷凍ビームを放った。そしてそのまま勝手に滝登りで追撃し始めた。
「ぎゃああっ!!ぶはっ!?!?」
スイクンはゲンガーを上空に吹っ飛ばし、もう一度冷凍ビームで攻撃、今度はゲンガーが凍った。
「ゲンガー!!」
「よくもっ、私にあんなっ、夢をっ、見せてくれたなっ!!!」
スイクンは凍ったゲンガーを何度も何度も上空へ打ち上げた。
どうやらスイクンは発狂している様だった。
さすがにこれ以上続けさせたらゲンガーが危険だと判断した俺は、スイクンに掴み掛かる。
「離せ!!私の気はまだ済んでいない!!」
「もう止めろ!!ゲンガーのHPはとっくに0だぞ!!」
「離せ!!離せっ!!離せぇっ!!」
「っ!!スマン、許せスイクン……」
未だに暴れるスイクンを抑えるため、俺は雷パンチを放った。
「ぐっ……ガクッ……」
「……ふぅ、やっとか……」
俺はスイクンをボールに戻し、メリッサさんに謝る。
「申し訳ありませんでした、俺のスイクンがこんな事をして……」
「いや、多分本当に見たくない夢だったのでしょうし、いいですよ気にせずとも」
「スイマセン……」
「さあ、気を取り直して!!バトルの続きをしましょう、行って下さいムウマージ!!」
「はい!!サーナイト、頼んだ!!」
「ムウマージ、マジカルリーフ!!」
「サーナイト」
「分かってますマスター」
シュンッ……
「消えた!?何処に……」
「此方ですよ?」
ムウマージはサーナイトが移動した方を向いた。
「後ろに回られた!?」
ムウマージの注意が此方に向いた。
「引っかかりましたね、ロズレイドさんと同じ末路をたどって下さい」
「きゃああああああっっ!!」
はい、ムウマージは見事にナタネさんのロズレイドと同じ末路をたどった。
「やりますね……、ムウマージ、連続でシャドーボール!!」
「避けろ、サーナイト」
ムウマージの放つシャドーボールを、サーナイトは次々と避けていく。
「あ~ん、もう!!何で当たらないのよ~!!」
「当たらないからと言って、むやみやたらに放っても意味無いですよ?」
「うるさい、うるさい、うるさ~い!!」
「はぁ、マスターそろそろ……」
「おう、決めろ、サイコキネシス!!」
「はいっ!!」
俺がさっきからロクに指示を出さなかった理由、それは相手の攻撃のリズムを計るためだ。
「あ~ん!!いいかげんにs「サイコキネシス!!」
サーナイトのサイコキネシスで壁に叩き付けられたムウマージは、気絶した。
「ああ……負けてしまいましたね……、これを受け取って下さい」
俺はメリッサさんからレリックバッジを受け取った。
「じゃあ今日はありがとうございました、それと、すいませんでした」
俺はもう一度お礼と共に謝ってからジムを後にした。
     ◇
ジムを出た俺は、予め予約しておいたホテルの部屋に一旦戻った。
「出てきていいぞ、スイクン」
ポンッ
「…………」
ボールから出てきたスイクンは、ずっと俯いていた。
「スイクン、少しジッとしてろよ……」
「ッ…………」
俺が近づくと、スイクンはビクッと体を震わせた、随分俺に怯えてる様だ。
俺は手を振り上げた、同時にスイクンがギュッと目を瞑った。
そして……

ギュッ……
「えっ……?」

俺はスイクンを抱き寄せた。
打たれると思っていたのか、スイクンの目には涙が溜まっていた。
「な……んで……?」
「…………」
「怒って……ない……のか?」
「怒ってるよ……」
「ッ………」
「怒るに決まってんだろ、けど……」
「け……ど……?」
俺はスイクンをさらに強く抱き締めた。
「お前の目を見て、悪夢の正体が分かった時、怒りなんて消えちまった……」
「っ!!」
俺はスイクンの涙を拭ってやる。
スイクンの見た夢、それは……
「独り……」
孤独だった……
昔から独りで生きてきたスイクン、だが俺と出会い仲間となり、愛し、自分を見てくれる存在を得た。
だからこそ、もう一度独りに……孤独に戻る事に多大な恐怖を感じたんだ。
あの日(2日目)の夜、俺が倒れた時にあれだけ過剰な反応をしたのも、孤独への恐怖からだったのだろうか。
「まったく……、約束しただろう?お前等を置いて先に死んだりしないって、もっと信じてくれよ……」
俺は小さく溜息をし、スイクンに口付ける。
「んっ………」
深くはしないが、その分長く、時間をかけ、たっぷりとしてやった。
「……はっ…」
「~~~//////!!!ぷはっ……ハッ…ハッ…ハッ…、長過ぎだ……バカ者……」
「そう言う割にはちゃんと受けてたじゃん」
「そっ、それは!!」
「顔真っ赤」
「はうっ///!!」
俺は自分の唇に手を当ててワタワタするスイクンに微笑んだ。
「お前でも、そんな風に乙女な反応する時ってあるんだな」
「う、う、うるさい!!これ以上私をからかうな!!」
「はいはい、ホラ、ボールに戻れ、飯食いに行くぞ」
俺はスイクンをボールに戻し、さっきから鳴りっ放しの腹を押さえながら外のレストランへ向かった。
     ・
     ・
     ・
俺達がレストランで食事をしていると……
「オウ?ソコニいるのはMr.白龍ではナイですか!!」
「ん?」
後ろを振り向くと、私服姿のメリッサさんが立っていた。
「どうも、さっきぶりです。……口調、また変わってますね……」
「&size(10){(イメージを守るのも大変なのよ)};サッキぶりですね~、隣に座ってもよろしいデスか~?」
「&size(10){(大変ですね……)};ああ、どうぞ、いいですよ」
メリッサさんは俺達の隣の席に座り、席を寄せてきた。
「しかシMr.白龍、アナタはスゴイ人物ですね~」
「?…何がですか?」
「だって、私を歌とバトルの両方で打ち負かしたのよ!?こんな事、一度たりとも無かったわよ!!」
「ちょっ、メリッサさん!!声がデカイし、素が出てます!!」
「あっ……」
メリッサさんは口に手を当ててしまった顔をしたが、時すでに遅し。
(おい、メリッサってあの……?)
(普通に喋れたのね……)
(てか一緒にいる人だれ?)
(もしかして……)
『(恋人????)』
「ち、違います!!これにはそんなに深くない理由があって……」
「Mr.白龍!!取りあえず私のジムに逃げましょう!!」
「りょ、了解です!!」
俺達は皿に残っていた飯を一瞬でたいらげ、その場から逃げ出した(料金は前払いのバイキング)。
・・・
・・・・
・・・・・


ジムにて……
「ふぅ、どうなるかと思ったわ……」
「ああ…、明日の新聞にデタラメな記事が載らない事を祈るぜ神様……」

暫しの間……

「で、さっきの話の続きなんだけど……」
「ああ……、俺がスゴイってやつですね」
「正直、彼方の歌には驚いたわ」
「へっ?お客さん、俺の歌が下手過ぎて、呆れて何の反応もしてくれなかったんですよ?」
「何言ってるの!!逆よ、逆!!」
「逆?」
「皆、彼方の歌に感心し過ぎて何も言えなかったのよ!!私だって感心しちゃったくらいなのよ!?」
俺はそれを聞いてやっと納得した。
「そうか……逆だったのか……」
「そうよ、納得した?」
「ええ、やっと納得出来ました」
「そう、じゃあ質問して良いかしら?」
「あ、どうぞ」
「ジム戦の時、スイクンを起こす為に何か吹いてたじゃない、あれって何?」
「あれはハンドフルートと言って、重ねた両手の隙間に息を吹き込んで音を出すんです、昔は手笛とも言いましたね」
「そうですか、よろしければ一曲吹いてほしいのですが……」
「じゃあ手持ち出しませんか?聞いてくれるなら一人でも多い方が遣り甲斐あるんで……」
俺は3つのボールを投げ、サーナイト達を出した。
メリッサさんもムウマージ達をボールから出して隣に座らせた。
「んじゃメリッサさん、何をリクエストで?」
「ん~そうね……『シアワセネイロ』をお願い」
「分かりました」
俺はイスに軽く腰掛け、演奏を始める。
「(胸の中いつか拾った 幸せのかけら 集めてみよう
 忘れかけていた メロディー 色あせず僕の真ん中に)」
     ・
     ・
     ・
演奏終了後……
「……どうでした?俺の演奏」
「っ、こんなに綺麗な音だとは思ってなかったわ……」
「それはそれは、お褒めにあずかり恐悦至極」
「ねぇ、またいつかお願いしてもいいかしら?コンテストに一緒に出場しましょう!!」
「はは、考えさせてもらいます……」
「いい返事を待ってるわ、さあ、こんな時間だからもう帰りなさい」
「それじゃ、さようなら」
俺達はサーナイトのテレポートで部屋まで直で帰った。
そして、あらかじめ沸かしておいた風呂に入る。
すると突然、エーフィが勝手に入って来た。
「うおっ!?な、なんだ……エーフィかよ……」
「…………」
エーフィは何も言わずにお湯をかぶると、すぐに湯船に入った。
俺に背中を向けて膝に座るエーフィだったが、俺はある事に気づく。
「おまえ……もしかして、泣いてる?」
途端、エーフィの肩がビクッと震え、赤く腫れた目で俺を見つめる。
「やっぱり……、お前バトルで負けたからって気にしすぎ」
「でもっ…相打ち…なんっ…て……」
「仕方ないさ、道連れはそういう技だ、内容は勝ってんだからさ、あまり気落ちすんなよ」
「…分かったわ、けど……」
「けど?」
その時、エーフィの前脚が俺のナニに触れた。
「ッ!!」
そしてエーフィが俺の耳元でこう呟いた。
「少し、慰めて……?」
「ん……」
俺が小さく肯定の返事をすると、すぐにキスをしてきた。
「んっ……んんっ……っ!!」
エーフィに口を塞がれた俺は、仕返しにピンク色の芽をクリクリと押したりする。
「はっ…あっ…んぅ……」
どうやらエーフィは感じているらしく、ずっとナニを触っていた前脚の動きが鈍った。
「ぷはっ……んっ?」
俺はやっと唇が解放され、次のターゲットに目が行った。
「は~むっ」
「ひゃあああっ!!?」
俺はエーフィの耳を食み、チロチロと舐めたり噛んだりしてみる。
腰に添えていた手も、エーフィの背筋をつつっとなぞったりしてみる。
「だっ……そんなにっ、いっぺんに触られたらっ……おかしくっ、なっちゃっ……」
そういえばエーフィって全身の体毛で環境の変化を感じ取るんだっけ、是まさに全身性感帯なり。
「そろそろトドメだっ……」
俺はモノを秘所に一気に沈め、強く腰を振った。
だが5,6回振ったとこで……
「も、もう無理ぃぃぃぃぃっ!!!」
「かはっ……」
どうやら二人とも我慢の限界だったらしく、ほぼ同時にイッた。
「はぁ…はぁ…はぁ……」
暫し息を整えてエーフィを見ると……
「…………」
「イカン、逆上せとる……」
俺はすぐに風呂からあがり、自分とエーフィの体を拭き、ベッドに寝かせて局部を氷で冷やす。
「まったく、風呂場でコトに及んだりするするからこうなるんだ……」
「スイクン!?」
「バレバレだバカ者、私はサーナイトと一緒に入ってくる、お前達はもう休め」
「ん、そうするわ」
サーナイトと一緒に風呂場向かったスイクンを見て、俺もエーフィと共に寝ることにした……

----
第5章 完

[[俺の不思議で幸せな旅6]]

一度得たものを無くすのはとても辛い事です……
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IP:133.17.6.6 TIME:"2012-06-21 (木) 10:26:08" REFERER:"http://pokestory.rejec.net/main/index.php?cmd=edit&page=%E4%BF%BA%E3%81%AE%E4%B8%8D%E6%80%9D%E8%AD%B0%E3%81%A7%E5%B9%B8%E3%81%9B%E3%81%AA%E6%97%85%EF%BC%95" USER_AGENT:"Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.1; Trident/4.0; SLCC2; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30729; Media Center PC 6.0; .NET4.0C; InfoPath.3; .NET4.0E)"

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