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代官サマは暇なのである の変更点


#include(第十五回短編小説大会情報窓,notitle)
#author("2024-06-30T08:41:42+00:00","","")

 【注意】
 この作品は特殊プレー(♂×♂表現、性的描写)が含まれる作品です。18歳未満の方や、そういったシチュエーションが苦手な方はお読みにならないことをお勧めします。
 気分が悪くなられましても、作者は責任を負いかねます。


 あああ……。何で、何でこんな目に……。

 
 §1 ここは平和な都市

 
 ここはとある王国のとある都市。交通の要衝にあり豊かだ。様々な作物が実り、それを目当てに住民や、商いをする者がやってくる。街のはずれには温泉がある。
 交通の要衝ということに加え、温泉や、商業が盛んなこともあり、そういうところには、宿が立ち並ぶ。当然、外からの民もそこを利用することになる。と、いうのも実は、この街、野宿が禁止されているのである。治安上の問題ということらしい。だから、泊まる当てのない者は、街の外で野宿せざるを得ない。
 宿泊代の安い、木賃宿もあるにはある。安いので、設備はそれなりで、至れり尽くせりというのとは程遠い。けれど、様々な場所からやってきた客が集うため、情報交換の場所としてあえて泊まる者も多い。どうしても、供給に比べて、需要の方が多いので宿代は多少強気な設定でも、客足が遠のくことはない。だから、宿代を安くあげたい者にとっては木賃宿は重宝されているのである。立地は中心街からは離れており、部屋は粗末で、換気を良くしないといけないので冬は寒い。火鉢が置いてあり、そこに薪を置いて、火をつけ暖を取るのである。火はマッチを買うか、でなければ、自分で火を起こすしかない。便所も共同である。安宿に贅沢を望んではいけない。
「木賃宿・ニャオニクス1号店」は老舗というわけではないが、宿代が安いことで有名である。夜遅く行くと、泊まれないこともある。今日もあいにく満室だった。フロントにいる♂のニャオニクスは丁重に謝りながらこう言った。
「ここは、いっぱいなんですけど、ちょっと行った街はずれのところに2号店がありまして、そちらはまだ部屋に余裕がありますので、そちらへお願いします。宿代は1泊銅銭1枚にでございます。あと、薪の代金として別途銅銭1枚頂きます」
 1号店は、1泊銅銭3枚である。これでもかなりの安さだが、2号店はさらに安い。しかし、安いのに部屋がまだ空いているというのは客にとってはどうにも解せないことではある。その説明もきちんとする。事が事なので、説明義務というものがあるのだ。
「ああ、実はですね……。その宿があるところは、昔『ケイジョウ』だったんです。ええ、刑場です。まあ、凶悪犯の処刑が行われていたところですな、今はもちろん使われていませんが……。この街の者たちは皆、気味悪がって近づかない場所なんです。使われなくなって、荒れ放題になっていたところを私がタダ同然の値段で買い取りましてね。宿を建てる際の工事は問題なかったんですが、お祓いの効果が薄れてきたのか、夜な夜な出るらしいのですよ。そういう訳ありなんですけれども、それでも良ければ……」
 世の中、安ければ何でもいいという者や、そういった類のものを信じなかったり、怖いもの知らずの猛者もいるようで、この2号店に好き好んで泊まる者もいる。
(やれやれ……。まあ、でも説明義務は果たしたし、お客様の身に何も起こりませんようにっと)
 ニャオニクスはスッと耳を持ち上げて、宿の台帳を引き寄せると、パラパラとページを巡る。明日も満室である。
 数日後、街の中心部にある広場に通達が出されたらしく、その知らせが従業員経由でニャオニクスのところにも知らされた。
「ええ? またぁ? まったく、お代官様の好みは理解できないねぇ……。だーれが犠牲になるんだか」
 この街の者は皆、知っている。国王に代わって、この街を統治する代官は行政官としては優秀である。だが、変なのだ。まあ、ヘンタイ……ヘンタイなのかな。


 §2 平和であるが故


 この街は、王国の首都から離れているために、代官が首都から派遣されている。代官の権限は絶大で、この街の一切のことを取り仕切る立場にある。善政を敷くもよし、恐怖政治を敷いて悪の限りを尽くすもよし、である。
 どうしても、いろいろな者が集まるということはえてして治安は乱れがちだが、赴任してきた代官・ジャローダは不埒者どもを一掃することに成功した。と、言っても、取った方法はシンプルだった。
 可哀想などといっている場合ではない。街の平和のため、凶悪犯は容赦なく処刑である。斬刑、焚殺、坑殺、熱湯責め等々に処し、希望者にはその処刑の見物を許可した。さすがに、街中でこんなことはできないので、街から遠く離れた場所で行われた。最初は、物珍しさもあってか、処刑を見に来る者もいたが、やがて来なくなった。処刑を目撃した者から「はったりではなく、本当に極刑に処した」「凶悪犯は苦しみながら死んでいった」という話が伝わると、街の住民は恐怖した。
 やりすぎであるとの批判もあったが、結果として、街は平和になったし、苛斂誅求を行うわけでもなかったので、誰も文句を言わなくなった。結果として、少し時が経つと、極刑に処される凶悪犯はいなくなった。したがって、刑そのものが行われなくなった。誰だって、こんな目に遭いたくないのだから当然だ。かなり強引な方法ではあったが、とにかく街は平和になった。代官には、街の者との癒着を防ぐためなのか、任期が設けられている。ジャローダも任期を全うすると、首都へ帰っていったが、すぐに戻ってきた。治安が良くなったことと、街の発展に尽くしたことが認められて、再任されたのである。
 ジャローダは、朝になると、国からあてがわれた住居から、代官所へ出勤し、政務を処理する。が、平和なので、代官所に持ち込まれる仕事がそこまで多くない。
 行政だけではなく、裁判も代官の仕事だが、審議が必要な大事件というのも、滅多にない。昨晩、野宿をしていたという容疑で、しょっ引かれてきたという不届き者の裁判があったが、余所者で法を知らぬということであったし、初犯だったから、厳重注意で済ませた。街全体を不安のどん底に陥れるような重大事件でなければ、自分だけの判断で刑を下せるくらいの権限はある。裁判の仕事を入れても、そもそも全体の仕事量が多くないので、仕事は昼過ぎには終わってしまうのである。これも、街が平和だからである。
 代官は、労働時間が決まっていない。だから自分のペースで仕事を進めることができる。しかし、仕事をサボるような真似をすると、首都にチクりが入り、左遷の原因になってしまう。代官を監視する役職はないのだが、噂などで、首都に話が伝わってしまうのである。世の中というものは実によくできている。
 午後は、暇なので、視察という名目で、街に出ることにした。
 外は温かな日差しが降り注ぎ、街は多くの住民で賑わっている。小腹がすいたので、近くの商店で、果物を買う。もちろん、ちゃんと代金は払う。
 ちなみに、店に押し入って、物を奪うこともできるにはできる。代官の権力は絶大だからである。だが、あまりに横暴をふるうと、やはり噂という形で首都に伝わってしまう。更迭はもちろんのこと、最悪の場合、死罪である。歴代の代官でも、横暴をふるって、更迭されたものは数知れない。この辺り、やはり世の中というものは実にうまくできている。
(ふふふ、この街の発展、それすなわち、私の功績である)
 街が発展してくると、今のままでは手狭になる。そのため、街の拡張工事も盛んに行われている。拡張工事の現場にも行ってみることにした。伝言よりも、自分の目で確かめた方が、より正確な情報が得られるというものだ。
 今日も一日平和で、大きな問題はなかった。
 夕方になると、代官所を閉めて、住居に戻ってくる。もっとも、1日中働いていても問題はないのだが、そんなことをすれば体力が持たないし、そもそもすることがない。治安維持を担う者たちが交代で、夜の街を守ってくれている。余程のことがなければ、代官が出向くことはない。
 しかしながら、時々こう思うのである。全力で暇だ、と。書物を読んで勉強したり、夜の街に繰り出すのもいいが、他のことがしたい。通達は出したし、数日後にはきっと良い知らせがもたらされるに違いない。


 §3 たまには楽しみたい!


 通達を出してから、数日後のこと、夕方になり、いつものように代官所を閉めて帰ろうとすると、部下から「今日は『お客様』が住居にお見えです。よその方だそうです」と知らされる。
「ほっ、ほう? そうかそうか。今日は早く帰らなければな」
 ジャローダは上機嫌で住居に帰っていった。

(うん? 寝てたのか……ここはどこ?)
「お目覚めかな?」
「えっ、ええ、何?」
 お客様・カイリューは、自分の身に何が起こったのか理解できていないようだった。宿を取ったのは確かだ。木賃宿ではなく、街の中心部に近いそこそこランクの高い宿である。
(で、宿代を支払って、部屋に通されて、サービスの飲み物を飲んでから、記憶がないんだよな……)
 理由は分からないが、もしかすると、一服盛られたのかもしれない。気付いたら、ここ。逃げようにも、寝起きのせいなのか、はたまたお茶に何か入っていたのか体が重い。カイリューはごくりと唾をのむ。まさか、喰われるのか? まさか……。
「いいぞ、実にいいぞ」
 ジャローダは自らの体を巻き付け、カイリューの口に自らの口を押し当てる。そして、舌を半ば強引に滑り込ませる。さらに、自らの唾液を流し込む。
「んむぅ、んん……」
「んっ、んんっ、うう……」
 カイリューは、何かを訴えるが、口がふさがっているため、言葉にならない。しばらく、口と口との密着が続き、ようやく解放される。
「あ、あのっ、ボ、ボク、♂なんですけどッ」
「知っているわ。そもそも、気持ち良くなるのに、性別など関係ないだろう?」
「ええ……」
 カイリューは必死で訴えるが、帰ってきた答えで悟った。自分はこれから、蛇と、しかも同性と……セックスをさせられるのだと。何の因果でこんな目に遭わなければならないのか。自分はこれからどうなってしまうのだろう。心の中は97%の恐怖。自分は無事に解放されるのだろうか……。一方で蛇とのセックスという未知の体験がどのようなものなのか、一人いじりよりは気持ちのいいものなのか、という怖いもの見たさ、好奇心が3%ほど心の中にあった。
(この辺り……だったか?)
 ドラゴン特有の膨らんだ下腹部に舌を這わせ、刺激していく。
「ひッ、ひううぅ……」
 カイリューの下腹部にある「割れ目」から、刺激に反応した「モノ」が外に出てきた。その後も刺激を加え続けると、大きさと硬さが増し、交接の準備が整った。
「ほう、噂には聞いていたが、やはりドラゴンの『モノ』は立派だな。羨ましいぞ」
 カイリューは、褒められているのかどうか分かりかねたが、今の心の中は、60%恐怖、35%羞恥、4%好奇心、1%その他といったところだろうか。♂なのだから、モノがあること自体は不自然なことではないし、恥じる必要もない。だが、見られるとなると話は別だ。
「うう……」
 顔を真っ赤にして恥じらうカイリューを見て、ジャローダにスイッチが入ったとでもいうのだろうか。最高だ、イかせてしまおうかな、という気持ちが芽生えた。
 外に出てしまったドラゴン性器に、すっと舌を這わせる。しばらく、同じことをしていると、透明な粘液が先端から溢れ出してきた。この後にやってくる濁流の前触れとでもいう現象である。濁流をそのまま外に出させてはもったいない、そう思ったジャローダはモノを自分の口に含んだ。その時、舌がより敏感な裏側に擦れてしまう。
「ひッ、ふあああッ、あ……はぁ……」
(んんッ、最近ヤってなかったからなのか、それとも……これがドラゴンの標準の量なのか?)
 水攻めというか、白濁攻めが口の中で炸裂した。中に入る容量は、ポケモンの中でも多い方ではあるが、それでも、結構な量であるように感じた。
「気持ち良かったか?」
 ジャローダの問いに無言で頷くカイリュー。カイリューにとっては、何かもうどうでもよくなってきた。イッてしまった瞬間に、様々な思いが心の中から消えてしまった。射精の快感に浸りながら、心の中に残ったものは、どんなことをされるのかという好奇心と期待であった。まさかヘビに抜いてもらうのがこれほどのものだったとは思いもしなかった。
(なんか、むにむにしたものが体に当たるぞ?)
 ジャローダは拘束を解くと、こんなことを言ってきた。
「次は私が気持ち良くなる番だな。ところで、知っているだろう? ヘビのペニスがどういうものか」
(え……。噂では聞いていたけど、本当だったんだ……。ジャローダのちんちんって……)
 カイリューは驚いたというよりも、好奇心の方が勝ってしまった。割れ目から飛び出している、アレは……
(2本あるよ……)
「さ、気持ち良くしてくれ。何なら、私が挿入してもいいぞ?」
(両方、刺激したら、両方から白濁が出てくるのかな……?)
 今のカイリューの心の中は99.9%が好奇心だった。寝台の上で仰向けになるジャローダ。その体から飛び出している2本のモノ。1つは口の中で、もう1つは手で刺激を加えていく。蛇を御奉仕をしたことはなかったが、同じ♂なのだから、まあ基本的なことは変わらないでしょうと、あまり深く考えなかった。やがて刺激に反応した2本の性器は強度を増して、交接にも耐えられるようになっていく。
(あ、そろそろかな?)
 口で御奉仕をしている方のモノから、粘液が出始めた。このまま、刺激していれば、やがては絶頂に達するかもしれない。だが、相手が満足しなければ、満足するまで付き合わされるかもしれない。一気にイかせてしまおうかな。そんな考えが芽生えた。口で御奉仕をしている方は唾液のおかげで、挿入しても問題なさそうだった。
「ん?」
 カイリューは御奉仕を中断すると、位置を調節し、口で御奉仕をしている方のモノを自分の後ろの穴に押し込んだ。
「あッ、ちょっ、ちょっと痛いッ……。というか変な感じが、やっぱりやめるッ……!」
 だが、自分の体重任せに強引に押し込んだため、なかなか抜けない。内部の絞めつけに加えて、外そうと体を上下に動かしたため、これが強烈な刺激となってジャローダに襲い掛かる。
「やっ、や、やめろッ。刺激が強すぎ……」
 中に刺しこまれてしまった、モノは白濁を中に勢いよく放ち、繋ぎ目のわずかな隙間から、零れ落ちた。一方で忘れていたが、もう片方の蛇ペニスは偶然にもカイリューのドラゴン性器と擦れ合っていたせいで、こちらもほぼ同時に絶頂に達し、お互いの体をお互いの白濁で汚した。
「あううッ、中に中にッ、だ、出されている……」
「くうッ、うっ、はあはあッ。なかなか、大胆だな……」

「今日は楽しかったぞ。礼を言うぞ」
「はあ……」
 カイリューは体力を使い果たしてしまい、それしか言うことができなかった。カイリューには多額の金銀がお礼として進呈され、宿代もタダにしてもらうことができた。後日、カイリューという「上客」を提供した宿にも相応の金子が支払われた。
(また、交わりたいものだな)
 カイリューの宿屋までの道中、部下を護衛に付け、住居の入り口でその後姿を見送っていた。


 §4 後日

 
 カイリューは茶をこの街に納入する仕事をしていた。この街の気候では茶葉が育たないために余所から買ってこなければならない。茶というのは鮮度が命、鮮度が落ちると味も落ちてしまうのである。
 少々値は張るが、このカイリューがもたらす茶は味が上々というので、すぐに売り切れてしまう。
 例の交わりからしばらく経った日、カイリューはこの街の市場に茶を納入しにやってきた。茶やコーヒーには依存性があるらしく、一定して需要があるため、商いをする側にとっては嬉しい。味が良いという評判が広まり、最近はあちこち飛び回る日々である。
 ところで、今日は「お役所」から直々に、茶葉の納入の依頼を受けているため、そちらにも商品を運ばないといけない。地図を頼りに「お役所」に辿り着く。
 その「お役所」というのは、つまりは代官所である。
「商品を持ってまいり……」
「奇遇だな……。ふふふ」
「きょ、今日は勘弁してくださいッ」
「そうだな、今日『は』よしておくか」
 そのまた後日、両者が交わったかは、諸氏の想像に任せるとしよう。

 おわり

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