作者 [[朱雀フェニックス]] *交差する想い [#kcd770b7] #contents **第〇話 プロローグ [#u175f20b] 「はぁ…」 僕は草原で青空を見つめている。 別に何かが起こるという訳でもなく、ただただ見つめている。 「そんな所で何をしているの?リーフィア」 …と不意に後ろから声が聞こえてきた。 声が聞こえて来たので少し驚いたが、僕はゆっくり後ろを振り返る。 あれは…あの姿は… 「…キルリア?」 其処には一匹の雌のキルリアが立っていた。 言葉からして、ついさっき来たのだろう。 「青空なんか見上げちゃって、死ぬつもりじゃないよね?」 「いやいや、そんな縁起でもない… 空が綺麗だったから見ていただけだよ」 僕は一匹のリーフィア。雄だ。 最近、やる事がなくて、暇だ。 できれば人間には捕まりたくない。 …思えば僕はこの生活に満足しているのかもしれないな。 「そんなことより、リーダーより集合が掛かっているよっ」 「え?もう?」 彼女が言ったリーダーとは、この場所を治めているポケモンだ。 この場所は、僕達野性のポケモンが集まる広場だ。 もし此処に人間やそのポケモンが入ってきたら、此処のポケモン達に袋叩きにされる。 「まさに上の空ってやつ?ボーっとしてたからでしょ、早く!」 「解ったよ…って!解ったから少し待ってよ!」 「遅れると袋叩きにされるかもね!お先に!」 「ちょ…!待っ…!… はぁ。急がないと…」 ここのリーダーのレベルは80…と聞かされているが、本当に80かはリーダー自身しか知らない。上かもしれないし、下かもしれない。兎に角、遅れたらマズい。急がねば! **第一話 リーフィアの心 [#zbb523f7] 「皆の者、よく集まってくれた。それでな人数確認を行う!」 リーダーとは、一匹の雄のダイケンキのことだ。 一ヶ月の内の第一、第三金曜日の決まった時間にリーダーからの呼び出しがある。 目的は二つ有り、一つ目は皆の安全確認、人数管理。 そしてもう一つは… 「砂漠エリア、山エリア、洞窟エリア全員揃いました!」 「森エリア、水辺エリア、海エリアも揃いました。」 「…草原エリアは…?」 「…すいません!ハァ…ハァ…遅れました…。全員揃って……ますね…」 「…まぁ、いいだろう…それでは!本日はバトル大会を行う!」 ポケモン達のポケモン達によるポケモン達の為のバトル大会だ。 ここのポケモンの戦闘感覚が鈍らないように、定期的に行うらしい。 …因みに僕は戦いはあまり好きではない。 …だが、僕も感覚を維持する為にやらなくてはならない。 そういえばキルリアは、どう思っているんだろう。 「キルリアはこの大会の事、どう考えているの?」 僕が後ろを向いて、キルリアに話しかけると、 「どうって言われても…『いつもの事』としか思ってないけど?」 …予想外の言葉が返ってきた。 「あ…そうだったんだ…」 僕がこう言うと、彼女が顔を近づけて来た。 「どうしたの?リーフィア。何か不満でもあるの?」 そのキルリアの行動に、僕は何故だかドキッとした。 いや、彼女にそういう気持ちは無いのだろう。 落ち着け、落ち着くんだ僕! 「いや、そ、そういう訳じゃないけど… 何か、色々考えてた僕が馬鹿みたいだなぁって…」 「だ、大丈夫だよ!私が何も考えてないだけだから、落ち込まないでよ!」 彼女は僕を心配して、もっと顔を近づけてきて、困った表情になる。 その顔は実に可愛らしい… …って、僕は何を考えているんだ!彼女になんて感情を! 「どうしたの?熱、ある?顔赤いよ?」 この言葉を聞いたとき、まさかおでこをくっ付けるんじゃと思い、僕は必死にに拒絶した。 「いやっ!だ、大丈夫だから!…ちょっとウォームアップしてくるよ!」 「…分かった。でも、無理しないでね」 **第二話 バトル大会 [#fcf13bbc] 「この大会の司会者は、今回もオイラ、エイパムがやらせてもらうよ! そして解説はサーナイトのサイナさんで送るよ!」 「…宜しく…」 「さぁ!それでは第一試合…」 ウォームアップを終えた僕は、出番を待っていた。 対戦相手は…コジョフーか。相性の有利不利が無い丁度いい相手じゃないか。 戦いはあまり好きではないと言ったが、僕もリーフィアだ。攻撃と素早さはなかなか高い方だから、いいバトルになると思う。 「続いて第七試合!草原・リーフィア対、山・コジョフー!」 「…お互いに相性が普通なのでいい勝負になると思うよ…」 僕と対戦相手が場に一歩踏み出すと、一斉に歓声が沸いた。 何か人気者の気分になるんだよね、おお気持ちがいい。 「さぁ、スタートするよ!」 おっと、優越感に浸っている場合じゃないや。 僕は相手の方を向き、戦闘態勢を取る。 「よーい…ドン!」 エイパムの合図と同時に、コジョフーが突っ込んで来る。 「悪いが、一発で決めさせてもらう!」 コジョフーの膝が赤く光った。跳び膝蹴りをする気だな。 「一発で」と言うから、攻撃力は自信があるんだろうけど、そうはいかない。 僕は直前で横に避ける。コジョフーの膝が地面に向かって落ちていく。 「…なんて言うと思ったか?」 …と思ったら、コジョフーは体を&ruby(ひるがえ){翻};し、地に背中を向ける。そこで膝を曲げ、地面を蹴って跳び、その場に立つ。 直前の所で避けた為、僕は体勢を崩していた。 コジョフーが膝を打ち付けていれば、まだ大丈夫だったかもしれない。 そのまま僕に突っ込んで来る。…とんぼ返りかな。 成程。さっきは単に突っ込んで来ただけではなかったのか。 「おお?コジョフーが体勢を整えたぞ!これはリーフィアピーンチ! サイナさん、解説お願いするよ!」 「…跳び膝蹴りは高威力だけどハイリスクな技だから、避けたリーフィアは油断をしていた。その隙を狙ったんだろうね…」 …だけど僕もただ考えなしに避けた訳ではない。それを見せてやろう 僕は周りに沢山の葉っぱを浮かせ、発射する。葉っぱカッターだ。 その攻撃で、コジョフーの動きが一瞬止まる。しめた。 その間に僕は体勢を整え、いくつかの光を飛ばす。 その光がコジョフーに触れると、力を奪っていく。ギガドレイン。 「ぐっくそぉ…」 「近付かないと攻撃できない?それは残念だね」 「…舐めてんじゃねえぞ!」 頭に血が上り、冷静になれず突っ込んで来る…ことは無かったね。相手もなかなかやるじゃない。だったら! 「うるさいなぁ…じゃ、静かにさせてあげる。」 「何を…言って…!?」 僕は一枚の葉を出し、静かに草笛を鳴らす。 …あんまり慣れてないし、ちょっと下手だったかな? 「おっと、草笛だ…いい音色で…みんな…ねむく…なり…」 「…大丈夫だよ…。皆に神秘の守りを使ったから…」 「ん、どうやら睡魔が弾け飛んだようだね、解説お願い!」 「…うん、草笛の不思議な音色は、どうやら生き物を眠りの世界に&ruby(いざな){誘};うようだね。リーフィアもチャンスだ…。」 …思ったんだけど、敵には神秘の守りは掛からないよね?客席だけだよね? まぁ、いいや。とりあえず。 僕は尻尾を鋼色に変え、硬くする。コジョフーは眠って無防備だ。 そして眠っているコジョフーめがけて、アイアンテールを思いっきりぶっ放す。 「ぐあああああぁぁぁ!!」 ガゴン!と鈍い音がしたが、大丈夫なんだろうか。 そのままコジョフーは飛び起きて、もう一発ぶちかまそうかと構えたけど、 「ひっ!ま、待った!ここ、降参するから!だから、二発目は止めてくれぇ!」 「お!コジョフーがとうとう降参したぁ!よってリーフィアの勝ちだよ!」 コジョフーの降参により、この試合は終了した。ちっ。 「ふぅ~、疲れたぁ…」 「お疲れー!熱は大丈夫?」 「動いたからちょっと体が熱いかな…でも大丈夫!」 「…そっか。…よかった。…次は私の試合だね!行ってくるよ。」 …そういえばそうだった。順番的には第八試合は、キルリア対フタチマルだ。 「うん!頑張ってね。」 **第三話 サイナの行動 [#afd4cb6b] キルリアはマジカルリーフを覚えていたため、フタチマルとのバトルにK.O勝利した。流石だな。 だが、お互いのバトルになってしまったから、僕は棄権した。だけど、キルリアも棄権したみたいで、驚いた。 「今回は許すが…次こんな事があったら、ここを出てもらうぞ…」 ってリーダーに怒られちゃったけどね。 ある日に僕とキルリアが昼食を摂っていると、何故かサイナさんがやってきた。何だろう。 「…こんにちは。…リーフィアに、キルリアだったよね…」 「さ、サイナさん!?どうかしたの?」 一体何の用だろう。サイナさんって少し無口な所があるから、感情がわかりにくいんだよな… 「僕と…一緒に来てほしい場所があるんだ…。付いてきて」 ……… …え!? サイナさんって自分のこと『僕』って言うんだ。じゃあ雄なのかな?いや、そうとも限らない。 しかも付いてきてほしい場所があるって!?それをなんで僕達に… 「私は別にいいけど!リーフィアはどうする?」 だよね。ここで断るとサイナさんにも悪そうだし、危険な事じゃ無さそうだから良しとしよう。 「うん。サイナさん、案内して…」 ふぃ~、やっと着いた~… ここまで30分歩きっぱなしだった。この距離500m以上あるね 着いた所は、何もない広場だった。なんでまたこんな所に… 「…リーフィア、キルリア。君達には、ある場所に行ってもらう…」 まだ何処かいくの!? 「それは、伝説の宝物がある洞窟…そして、この広場の中心が、そこに繋がっている…」 え!?宝物!?そしてこの広場がそこに繋がっているって!?今日は驚きっぱなしだな、僕。 試しに僕は中心を踏んでみた。…何も変化がない。 「そこは、僕のサイコキネシスのような強い念力で押し込まないと行けないんだ…」 「でも、そこへ行ってどうするの?しかもなんで僕達が?」 「そこにある宝物の入手が目的…。そして仲のいい二匹しか行けない…」 『仲のいい』と言われて、僕は少し赤面した。 「まず、心の中で、強く念じるんだ。『開け』と…」 仲のいい…息のあった…二匹で… 僕達は一緒に念じた。 『開けッ!』 するーと広場の中心に、光の穴が現れた。なんだろこれ。 「行くよ…」 サイナさんはそういうと、自分のサイコキネシスで僕とキルリアを浮かせた。 大丈夫だ。覚悟はできている。 「健闘を祈るッ!」 サイナさんの一言が合図となり、僕達は一緒に穴に押し込まれた。 これから、凄い冒険になりそうだな…。 「おい!ありゃどういうことだ!」 「知らねえッス!でも『仲のいい二匹が』とか言ってるのに、仲のいいことで有名な自分達が選ばれないのはおかしいッス!」 「クソ…あのサーナイトめ…」 「…………!?」 「うわっ!『100000V』か!?」 「サーナイトからッス!!」 「君達…犯罪組織の二匹組だよね…?」 「あ、ああああ…」 「ちょっと…リーダーの所についてきてくれるかな?暴れるなら…」 「ひっ…ひえええええええー!」 「逃げるしかないッスよ!ひえー!」 「無駄だよ」 「ぐへら!!な、何だぁ!?見えない壁…リフレクターか!?」 「じゃ、こっちだよ…連いてきてね」 「ひいっ…。あ、ああ…」 ---- 以上、第〇~三話でした。 「次回から出して欲しい!」等のリクエストがありましたら、こちらのメモに書いてください。乞う御期待! #memo *コメント欄 [#ffe14050] #pcomment(above) IP:133.242.206.94 TIME:"2013-10-28 (月) 23:00:00" REFERER:"http://pokestory.rejec.net/main/index.php?cmd=edit&page=%E4%BA%A4%E5%B7%AE%E3%81%99%E3%82%8B%E6%83%B3%E3%81%84" USER_AGENT:"Mozilla/5.0 (Windows NT 6.1; WOW64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/31.0.1650.8 Safari/537.36"