ポケモン小説wiki
二人三脚 の変更点


by [[カケル]]

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「ねぇ……おいっ! 消しゴム貸してよ」
「はぁ? 自分のあんだろうがよ…それ使えば良いじゃんか」
「やだよ、折角の消しゴムの角がなくなっちゃうじゃん」
「ちょっ…おまっ…」

そして、彼女は悪戯に笑いながら僕の消しゴムを取っていった。
その時は彼女の事なんて何にも思っていなくて…正直言って、うざい、って思ってた。凄い馴れ馴れしくて、妙に僕に絡んできてさ。
まぁ僕は話しかけられてきても、ただうんうんと頷いたり、適当に返答して軽く流してたけどね。
よく男子と喋ってたから相当の男好きだなっつって、よくからかっていたこともあったなぁ……。

それから、僕と彼女との仲は次第に良くなっていって…
だんだんと月日が流れていくうちに…いつの間にか僕と彼女は……

 
「――私の名前はネリスと言います。種族は…えっと……見ての通りブースターです。よろしくお願いします」

それが最初の彼女の言葉だった。
緊張してるのか、薄らと頬を赤らめて片言気味に話していた。簡単に自己紹介すると担任の先生に促されて僕の隣の席に座った。だから僕の隣空いてたんだな。
僕はその様子を終始眺めていた。普通なら宜しくだなんて言う筈だけど、その時は全然喋る気は無くて顔と姿を確認したら直ぐに前を向いたんだ。
そしたらさ、何かが僕の左肩を突くわけ。

「ねっ、君の名前…なんていうの?」

早速彼女が絡んできた。

「僕は…エルテ」
「ふぅん…エルテ君だね。私と同じブースターじゃんっ」

これが、僕と彼女の最初の会話だった。
僕はその流れで宜しくって言うと彼女もそのまま同じ言葉を返して、会話は終結した。
かと思えた。

「ねっ聞いて! 私の前いた学校ってね…揚げパンがよく出たんだぁ」
「………」
「おいっ! 聞いてる?」
「ふぁぃっ!?」

そんで、そこからは彼女の質問攻めだった。趣味、好きな食べ物、嫌いな教科、最近起きた面白いこととか…他愛の無いことばかり。それよりも何故、僕にだけ聞いてくるのかが不思議だった。僕の近くにも男子はいるのに…。
まぁ、深く物事を考えるのは嫌いだったし、そこで考えるのは止めた。

――それから僕は昼休みになるまで、ネリアちゃんから喋りかけられっぱなしだった。

「……喉痛い…」

話疲れちゃったから昼休みは遊ばないで、少し寝ようかな。
僕は仰向けに寝て空を見上げた。そう、僕は今屋上に来ていた。ネリアちゃんはまだ学校のことをよく知らないはずだからここには来ないはず。
だって、ほとんどの学校は屋上に出ちゃダメって言われてるじゃん。でもさ、うちの学校はありなんだよねぇ屋上に出るの。

「気持ち良いなぁ…」
「そうだねぇ…空がすごく青いね」
「うん、雲一つn……って、えぇ!?」

聞き覚えのある声にビックリして起き上がると案の定、ネリアちゃんがそこにいた。
な、何故だ…僕の「屋上にはこないだろう」推理が、は、外れただと…?
認めん…認められるか…こんなこと。

「エルテ君が屋上に行くのを見たって聞いたから……来ちゃった」

てへ、と舌を出して悪戯に微笑む。
流石に僕もうざったいって思ってきてさ、ちょいと冗談に言ってやったんだ。

「何で僕にばっか絡むんだよ、もしかして…僕に一目ぼれでもしたのかい?」
「っ!!」

途端に頬を紅潮させ、口の前に手を置く彼女、それから忙しなく視線を泳がせていた。
あれ? 図星なのかな?
ニマニマと口の端を上げて笑っていると、顔を赤くしたネリアちゃんが真っ直ぐ僕を見てきた。
あれれ? 何で…見つめるの?
すると、ネリアちゃんが僕に指さして…

「な、何言ってんの!? あ、あんたなんかに一目惚れするわけないじゃん! 馬鹿じゃないの! 死ね! 五回ぐらい死ねっ!」

ってね。なんともまぁ強烈な否定をされましたとさ。
はぁ、はぁって荒く息をしててさ、ゆっくりと呼吸を整えるとそのまま振り返らないでズコズコと屋上から立ち去っていくネリアちゃん。
まぁ、さ…想像してた反応だったけど、けっこう傷ついた。五回死ねって…どんなだよ。

「…あんなに否定しなくても良いじゃんかよ」

一人、小さくため息をしてもう一度寝転がった。
…あっ、余鐘だ。良いや、メンドくせぇから午後の授業はサボろう。
どうせ戻ったら、またネリアちゃんから話しかけられるから丁度良い。

―――そんな中、屋上の扉の前で顔を紅潮させ、胸の前に手を置いたまま口の端から息を漏らす彼女の姿があった。
そのまま崩れるように座り込むと、上を見上げてゴニョゴニョと忙しなく呟いた。

「ゴメン、あたし…本当は、君が気になるんだ。会ったときから…」

――それから、ネリアちゃんは僕に話かけることはなかった。
まぁ余計な体力は使わなかったし、別に気にすることはなかった。

無かったはずなのに…どこか、寂しかった。


今日は部活がない。
友達と遊ぶ約束をして校門まで歩いて行くと、彼女――ネリアちゃんが立っていた。
その小さな手に息を吹きかけて、寒さを堪えていた。誰かを待っているのだろうかしきりに辺りを見渡していた。
誰を待っていようと僕には関係ない。僕は知らん顔で彼女の横を通り過ぎようとした。

「あっ…」

とたんに、彼女のか細い声が聞こえた。


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とちうです。
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何でも受け付けます。
- こういう積極的な子は好きですね。&br;ぶすた大好きです、応援してます。頑張って下さい。 -- [[昆虫王]] &new{2009-04-01 (水) 00:33:49};
- なんという……ツボです。ブースターかぁいいよぉ。頑張ってくださいっ! -- [[Taku]] &new{2009-04-16 (木) 20:47:00};
- >昆虫王さん&br;積極的な子は俺も大好物です。ぶすたは最高です!&br;応援ありがとうございます!&br;>Takuさん&br;つ、ツボですか!そう言って下さるととても嬉しいです!ぶすた可愛いですよね!コメントありがとうございます^^&br;&br;せっかくコメントをくださっているのに返信出来ずにいてすいませんでした。 -- [[カケル]] &new{2009-04-21 (火) 22:31:06};
- そう言えばイーブイ系多いなー。    なんでやろ? -- [[アンジェラス]] &new{2009-06-01 (月) 03:49:19};

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