Writer:[[&fervor>&fervor]] &color(red){*官能小説です。そういった表現がいくつも含まれておりますので、お気をつけ下さい。}; &color(red){*また、この作品は};&color(white){人×ポケ、3P};&color(red){を含んでおります。駄目な人はお帰りください。}; ---- 電話が切れた、受話器を持つ手が緩み、それは地面へと派手に落下する。 鏡が無いので、正確には分からないのだが。おそらく、俺の顔は恐怖に歪んでいるだろう。 「どうしたんだよルーフ。そんな顔して」 こういうときは、普通空気を呼んでそっとしておくべきだろ、スフュール…。 「まだ世界の終わりは近づいてこないぞ?全盛期のイチローもいないぞ?」 「…来るんだ」 一時の間。スフュールは「はぁ?」とでも言いたげな顔で俺を見てくる。 物分かりの悪い奴だな。…ああ~、もう!…なんであいつが来るんだよ…! 俺の必死の形相から思いを汲み取ってくれたのか、スフュールがようやく事実に気付いた。 「……まさか、『暴れる姫君』が…?…うそだよな?」 「…スフュール…どうやって逃げようか…?」 財布を覗く。…スフュールにも中身を見せる。俺は、そっと財布をしまった。 「金も無い、行く当てもない。…ついでに言うと、時間も無い」 「…なあ、後どれくらいで来るんだ?『暴姫』は?」 「…30分。…いま、奴は駅に居る」 またまたの沈黙。…黙るなって。気まずくなるから。というか、恐くなるから…。 スフュールは首をがっくりとうなだれて、すごすごと部屋へ戻っていった。諦めの速さは一流だ。 …まずは、遺書書いとくか…。思わずそんな考えが浮かんでくる。 …俺は、人生を諦めることにしたのであった。せいぜい残りの数十分を、有意義に過ごそうと決意して。 …めでたしめでたし……………!!!!! 「久しぶり~!ルーフ、元気にしてた~?私、あんたに会うの楽しみで、昨日寝れなかったのよ~。 あ、とりあえずレクラからの仕送りね。どうせお金足りてないんでしょ?」 来たよ。来ちゃったよ。…玄関に立っている、雌のバシャーモ。それこそが『暴姫』、リーチェだ。 にしても、「レクラ」か。…ひっさしぶりに聞いたなぁ…母さんの名前。…最後に会ったのいつだったっけ? …じゃなくて。…早くないか?こっちの準備ってものも考えてだな…。 「じゃ、とりあえずくつろぐとしますか。あたし、もうくったくた…」 そういいながら、『暴姫』は隣の部屋へと移っていった。…聞けよ!…まあいいや。 …隣にはスフュールが居たんだっけ。どいてもらわないとな…って、まずいだろ。これはまずいって…! 数秒後、隣の部屋から戻ってきたリーチェ。部屋の中で聞こえた鈍い音とうめき声。まさに鬼のような形相。 「…ねえ、ルーフ。…あんた、スフュールどこにやったのよ。…確か一年前の電話で、ブースターに進化したとか聞いたけど?」 「いや、だからそれは…」 チラッと後ろを覗くと、既に失神して倒れている一匹のグレイシアが。…ごめん、スフュール…。 「で、何で今、ここに雌のグレイシアが居るわけ?…あんた、まさか他のトレーナーと交換したとか…?」 「そんなわけ無いだろ!…とにかく、話すと長くなるから、…聞け、とりあえず俺の話を聞けって!」 「問答無用!…死にさらせぇこの変態男!!!」 "スカイアッパー"をまともに受けて、きりもみ回転しながら宙を舞う俺。 飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで♪ 回って回って回ってま~わ~るぅぅぅぅぅ~♪ 頭がちょうど床に着こうとしたその瞬間。"ブレイズキック"が俺の腰を直撃する。 再び派手に吹っ飛ぶ。例えるならサドンデスでアイクの最大溜め横スマッシュをモロに受けた感じだ。 俺の頭に浮かんでは消えるこれまでの記憶。ああ…さようなら、俺の人生…。 ほんの一秒足らずで、俺はでかい柱に体を打ちつけられて。 俺は、死んだ。…ような気がした。 ---- 薄れる意識。歪む景色。目の前に浮かぶのは、懐かしのあの光景。 ああ、前にもこんなことがあったんだよな。…大きな木に、同じように叩きつけられて…。 …いつだったっけか。まだそんなに大きくない頃…小学…三年ぐらいか? 「何やってんのよ、遅いったらありゃしない。男でしょ?だったら私なんかに負けてないで、さっさと登ってきなさいよ」 「…ちょっと待てよ…あのな、こんな大木、俺の身長じゃまだまだかかるじゃねーか!」 …20mはあろうかという大木に、今俺はアタックしている。いや、させられている、っていうのが正しいか。 毎度毎度、無茶させる奴だ。…そりゃ、こんな奴にずっと育てられたら、逞しくもなれるだろうけど…。 「…大体、無茶すぎるだろ!何が体力作りだよ!これじゃその前に落ちて死ぬのがオチじゃねーのか?!」 「女のあたしでも登れるんだから、あんたは出来なきゃいけないのよ。ほら、さっさと登った登った!!後10m!」 後10m…正直、もう声しか聞こえてない。10mが果てしない。…あいつは20秒程度で登ってたけどさ。 「女のあたし…って、お前は人間じゃないだろ?!…俺は人間、俺の母さんはレクラ、何でお前に指導されなきゃいけないんだよ!」 「そりゃ、あたしがレクラに頼まれたからに決まってるじゃない。無駄口たたいてる暇があったら、さっさと登る!」 …いや、少なくとも母さんは、こんな教育望んでないと思うんだけど…。っていうのは、口が裂けても言えない。 「にしても、何だよあの強靱さは…。絶対男だろあれ…はぁ…」 「…聞こえてるわよ?…ちょっとお仕置きが必要かしらね。…落ちろ!!!!」 「あだっ!……う…うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」 もう駄目だ。落ちてる。頭から突っ込んだら…無事じゃ済まない…。そう思うと、余計に恐怖がこみ上げてくる。 ――死ぬ………!!! 「どう?…分かったかしら?無駄口たたくとこうなるのよ。覚えときなさい」 宙に浮く俺。正確に言うと、足を掴まれて逆さ吊り、が正しいんだけども。 「…こ、怖かったぁ……」 安心したところで、ふと気づく。…こいつ、一番上から此処まで、俺より早く降りてきたのか…? 「ま、その辺はあたし、いっつも鍛えてるから。鍛錬の賜物ってやつよ」 …いや、鍛錬だけじゃどうにもならないだろ。まず間違いなく。というか、お前は猿か。 「大体お前、ほんとに鳥なのかよ…どう考えても凶暴な『猿』だろ…?……あ…」 禁句(タブー)。絶対言ってはいけない言葉。よりにもよって、彼女自身をそれに喩えるなんて。 何でだかは知らないけど、よくバシャーモは猿…つまり、ゴウカザルと比べられる。 そして、その内容のほとんどが、「バシャーモは劣化猿」といった感じのものだ。 それがよほど癪なのか、リーチェはとことん猿が嫌いだ。…ましてや、そう呼ばれるなんて、…侮辱以外の何者でもない。 …思ったことが口に出る。俺の悪い癖だ。…今回ばかりは、命に関わりそうだけど、な…。 「『猿』?…このあたしが、あの低脳の馬鹿猿、って言いたい訳ね?…どうやら、三途の川が見たいようね?…見せてあげようじゃないの!!!!逝けぇぇぇぇ!!!!」 蹴り上げ。宙に高く浮いた俺の身体に、容赦なくたたき込まれる"ブレイズキック"。 光陰矢のごとし。俺も矢のごとし。…ほんの一瞬で見事に木にクリティカルヒットした俺は、そのままきれいに崩れ落ちていった。 ---- …目を開けると、いつもの風景、いつもの天井。その視界を遮った、記憶の中の「猿」の顔。 どうやら、川は渡らずに済んだみたいだ。…まだ、身体は痛みに縛り付けられてるけど。 「さあ、早速訳を聞かせてもらいましょうか。…あれはどういうこと?」 ものすごい威圧感を放ちながら、俺に尋ねてくるこの「暴姫」。子供が見たら確実に泣くぞ…。 「…話すと長くなるし、第一信じてもらえないかもしれないけど…本当のこと、話すから聞いてくれ」 とりあえず、嘘をつけるわけでもないし、つく必要もない。…何がどうなって今のスフュールがあるのか。…事の一部始終を、俺は話した。 「…ふ~ん…このグレイシアが、スフュール…ねぇ。…へったくそな嘘ね、と言いたいところだけど…あながち嘘でもなさそうね」 てっきり、二度目のキックが飛んでくるものと思っていた俺は、思わず拍子抜けしてしまった。 「へ?…信じてくれるのか?」 「いいえ、まだ信じた訳じゃないわ。…だから、確かめるのよ。これから」 確かめる?…と言っても、スフュールである証拠なんて、あるわけがない。…どうするつもりなんだろうか? 「本当にこの子がスフュールなら…戦えば分かるはずよ。そう、絶対にね」 「ちょ…ちょっと待てよ!…そんなの…無茶だろ?!こいつはまだグレイシアになって間もなくって…まともに戦えやしないのに…。 タイプ相性も悪いし、ましてやお前が相手なんて…勝ち目なんてあるわけ…」 何とか戦いを避けようとした俺の言葉を、遮った声。 「…分かった。俺…戦うよ。…それでいいんだろ?リーチェ…」 戦うと言ったのは…紛れもない、スフュール本人だった。 「物分かりがいいじゃない。…じゃあ、そこの広場にでも行きましょうか」 …スフュールがやると言ったからには、今更止めなんて出来やしない。…俺はただ、事の成り行きを見守るしかない。 やっぱり心配になって、俺はスフュールに声をかけた。 「スフュール…あの…」 「…大丈夫だよ。…死ぬ訳じゃないんだから、心配するなって」 …でも、もしも偽物だと思われたら…、もし、この話が嘘だと思われたら…ひょっとしたら、スフュールが酷い目に…。 そう思うと、やはりいてもたってもいられなくなる。…なのに、何も出来ない。 様々な思いを巡らすうちに、俺たちは広場まで来てしまっていた。 二匹が向かい合って、お互いに相手に集中して。臨戦態勢へと入って。 「じゃあ、大丈夫よね?…さあ、勝負!!!」 リーチェの声を合図に、二匹は一斉に行動を開始した。 ---- 合図と共に、リーチェは素早く"こうそくいどう"で近づき、"スカイアッパー"を放ってくる。 すんでの所でそれを躱すと、スフュールは小さな"シャドーボール"を高速で出現させた。 「ふぅ~ん。…そんなんじゃ…パワー不足ね!!!!」 駄目だ。とてもじゃないけど敵わない。軽々とそれを払いのけたリーチェは、容赦なく"ブレイズキック"の体勢。 辛うじてバックステップしたスフュール。…焦りと恐怖がその顔に表れていた。 「くっ……はぁっ!!」 苦し紛れの"れいとうビーム"。小さなジャンプと共にそれを放ち、自らは反動で距離を取る。 すごい…あいつ、こんな戦いが出来るようになったのか…。 「そんな攻撃が、私に届くと思ったのかしら!!」 冷凍ビームは熱に打ち負け、あえなく崩れていく。その後ろから一気に飛び上がって、空中からスフュールを狙うリーチェ。 「敵が飛び上がった時が一番のチャンス。そこで逃さずに大技を叩き込むの。そうすれば大抵当たるから。 そうね…例えば、ブースターなら"だいもんじ"、サンダースなら"かみなり"、とかかしらね」 いつか習ったバトルの基本。俺にも、スフュールにも、それは勿論染みついている。 「スフュール!!今しかない!…叩き込め!!!!」 思わず叫んでいた俺。既に準備に入っていたスフュール。 凍てつく冷気があたりを包み、全てを凍結へと向かわせる。 空中のリーチェは為す術もなくその冷気に吹き飛ばされる。…いくら炎タイプだとはいえ、無傷ではないはず。 地面に落ちたリーチェは、ただ伏すばかりで、いっこうに動く気配を見せない。 …勝っ…た………? 「相手が倒れていても油断しないで。一瞬で後ろに回り込まれたりされるからね。…こういう風に」 そうだ、まだ終わってない。最後にリーチェが狙ってくるのは…後ろ! 「「そこだ!!!!」」 瞬間、スフュールは後ろに振り向き、"れいとうビーム"を放つ。 後ろには、ついさっきまで倒れていたはずのリーチェ。直撃だった。 勝負は決まった。リーチェはもう、戦う意志を見せようとはしていない。 無実の証明という難問を、俺たちは完璧にクリア出来た。スフュールにも俺にも、まんざらでもない、といった微笑みがこぼれて。 リーチェでさえも、俺たちと一緒に笑っていた。 「…完璧ね。あの頃のまま。…スフュールも、ルーフも」 ---- 「改めて、さっきはごめんなさいね、スフュール」 「いや、まあ無理もないよな。…だって、前の俺の面影、全く残ってないし…」 リーチェはさっきからずっとスフュールと話している。俺は完璧に蚊帳の外だ。 あの、一番まともに吹っ飛ばされたの俺だと思うんだけど…。 「あ、ルーフ。お風呂入れといてよ、お風呂。…私もスフュールも、結構汚れちゃって…」 いや、全部お前のせいだろ。…とは言えるはずもなく、俺は黙って風呂場に直行した。 …まてよ、あいつとスフュールが一緒に…? 「あのさ、リーチェ。…スフュールの風呂、お湯じゃなくて水だぞ?」 「大丈夫よ。あたしが洗ってあげるんだから」 まあ、それならいいか。俺の手間も省けるし。…変なとこ触らなくっても済むし…。 「じゃ、スフュールのこと、任せたぞ。俺は今のうちに晩飯の準備するから…」 …とは言っても、市販のお総菜を適当に並べるだけなんだけど。 あいつらの風呂、30分は優に超えてた。…全く、何してたらそんなになるんだか…。 とにかく、そんなこんなで夕食も食べて。俺たちは思い出話に花を咲かせた。 …今思えば俺、ろくな思い出がないな…。思い出す限り、蹴られて殴られてしごかれて…。 唯一の思い出と言える物は、母さんとの思い出だけだ。…そろそろ会いに行かないとな。 「さてと、リーチェ、さすがにちょっと狭いかもしれないけど…我慢してくれよ?」 この部屋に二つも布団を敷いたら、それだけで一杯になってしまう。おまけに俺はスフュールと一緒だ。 でも、他に部屋がないんだから仕方ない。我慢するしかないよな。 「大丈夫よ。特に寝苦しくもないわ。…それよりルーフ…あなた、もう眠い?」 眠たいか、と聞かれればそうでもない。…というか、寝れそうにない。 何というか、妙に身体が興奮している。暑くて仕方がない。 この室内にむせかえる雌の匂いのせいか?…はぁ、昨日にでも抜いときゃよかった。 「熱いでしょ?…色々入れたからね。…そういう木の実…」 は?…入れた?…「そういう」木の実?…どういう…? 答えの出ている問いかけを、俺はずっと一人で繰り返している。 そんな中、俺を現実に引き戻したのは。 ――スフュールの深い口づけだった。 ---- 「んんっ…!!!」 冷たく、心地よい唇。その中から、うねるように俺の口を貪る舌。 いきなりのそれに、動揺を隠せない俺。その甘い感触に、暫く身体から力が抜ける。 「お、おい…スフュール…?」 スフュールは何も言わず、再び舌を求めてくる。 …それと同時に感じたもう一つの動き。俺の身ぐるみは、どんどんと剥がされていた。 「…リーチェ…!お前、な、何して…!」 そのちょっとの隙に、俺の上半身を覆う物が全て取り払われる。 抗議する間も無く、俺は再び口を塞がれる。…冷たいけど熱い、濃厚なキス。 …不思議な快感に身が包まれる。そんな中、もう一つの快感が俺の全身を揺るがした。 「…うぁっっ…!!!」 俺の分身とも言えるその棒は、既にいきり立ち、大いに俺の感情を表現していた。 そこがねっとりとした、温かな感覚に包まれて、俺は思わず嬌声をあげる。 「あら…ルーフもずいぶん、嫌らしくなったわねぇ…」 反論しようにも、こう何度もスフュールに求められては喋れない。 …にしても、何でこの&ruby(二匹){二人};が急に…………! 思い起こせばあの風呂。…このための話し合いをしてたとしたら、あれだけかかってもおかしくない。 …それに、今気づけばあいつら、食事中ずっと変にニコニコしてたし。…もっと早く気づけばよかった…。 「さて、と。…スフュール、あなたの根性、見せてやりなさいよ?…色々教えてあげるから、あんた達に」 …こいつ…俺たちの関係、全部見抜きやがったのか…。 そんなことはどうでもいい。…どうするんだよ、俺…。 「あら?…まさか、やめたいとか思ってるんじゃないでしょうね?」 「…ルーフ…なあ、…いいだろ?」 …意外と…って言ったら失礼だけど、リーチェも結構きれいな雌だ。 …スフュールも可愛いし…。…据え膳食わぬは男の恥…。 「…分かった。…スフュール、リーチェ…楽しもう、俺たちの夜を…」 結局、雌二匹の誘惑に折れた俺。…でもまあ、…当たり前、だよな…? ---- 「うあっ……んっ…んぁ……うっ…」 今度はスフュールが俺の滾りを丁寧に舐る。 その横でスフュールにアドバイスをするリーチェ。 「そうね…もっとこう、緩急をつけて。ゆっくりと舐めあげて、一気に吸い付いて、素早く舌を動かす、とか」 スフュールは当然のようにそれを実行に移す。が、やられる俺はたまった物じゃない。 「くぅっっ!…ううぁ……ぁんぁっ!」 襲い来る快楽を前に、ただ根性と見栄だけでそれを乗り切ろうとする。…雌二匹の前で、無様な姿は見せたくない。 しかし、それもそう長くは持ちそうにない。このまま続けられたら、後二、三分で限界が来る。 そんなことはつゆ知らず、いつまでも無心に俺の雄を貪る二匹。仕舞いには、&ruby(二匹){二人};が同時に両側を攻撃し始めた。 限界はあっという間に訪れる。 「す…スフュール…リーチェ……だ…駄目だ……も…う……」 終わりだ。…やっと、この苦痛なまでの快感から逃れられる。 そう思った矢先、俺の終局が一気に遠ざかった。 「スフュール、偉いじゃない。…そうそう、お楽しみは焦らしてから。…最後まで主導権を握らないとね」 …この鬼畜、と言おうとしたが、それもまた防がれた。 リーチェが俺の口をふさぎ、スフュールは俺の象徴を丁寧に愛撫する。 拷問以外の何物でもない。…俺の理性は、半ば崩壊しきっていた。 「…頼む、…&ruby(二匹){二人};とも…早くヤらせて…くれないか?」 「…ごめん、あたしもスフュールもよく聞こえなかったわ。…もう一回、言ってくれない?」 どこまで俺をいたぶれば気が済むんだ。普段の俺なら、確実に反論していただろうに。 このときばかりは、そんな考えは微塵も浮かばなかった。 「お、お願い…だから……俺のこれ、鎮めさせて…くれないか?……お前ら&ruby(二匹){二人};の、『そこ』で…」 当然恥ずかしさもあったけど。…それよりもひたすら、俺は悦びに心を奪われていた。 二匹共が、妖しげな目つきで俺を、そして俺の分身を睨む。…最初に動いたのは、リーチェだった。 ---- 「じゃあ、早速…いいのね?…一気に行くわよ!」 既にほんのりと湿ったそこが、俺の棒全体を包み、撫でて、押し上げてくる。 すんなりと奥まで入ったかと思えば、瞬間、再び外気がひんやりと包み込む。 燃えるように熱いそこに、ひたすらこねくり回された俺は、もはや言葉を失っていた。 「ああぁ…うぁぁぁっ…んあっ………あああ…」 ただただ喘ぎ、ひたすら次を求めるだけ。…スフュールを抱き寄せ、ねっとりとした舌を求め、貪る。 二匹の雌を愛し、二匹の雌に愛されて。限界は既に超えていたかのようだった。 それでも、最後の頂はまだ許されていなかった。それに登り詰めるまで、あと僅か。 終局に向かって、俺は自らも腰を動かす。 「あらあら。…ずいぶんと変態なのねぇ。でも、まだイかせてなんてあげないわよ」 すぅっと俺から離れるリーチェ。後に残った虚しさが、一層俺を欲情させる。 …そんな。…どうして…もう耐えられない。俺の頭は、ただ快楽の終わりを求め続けている。 「さあ、スフュール。…あなたがヤってあげないと。…終わらせてあげなさいよ?」 スフュールは小さくうなずくと、最大限まで張り詰めた俺自らに…腰を沈め始めた。 「くぁぁぁぁぁっ…あぅぅんぁっ…!!!」 強く、鋭く、締め付けてくるスフュールのそこ。氷タイプだろうが関係はない。この中だけは、灼熱だった。 前回が初めてで、今度が二回目。きつきつのそこから滴り落ちるほどの、多量の愛液が潤滑油となって動きを早める。 俺はもう、スフュールのなすがままだった。だらしなく声を上げながら、生まれ出る悦に浸る。 「ルーフ…イきたいなら、自分も動かないと。…ほら、どうしたんだ?」 スフュールが俺に、悪戯っぽく、かつ艶やかに微笑んでいる。 …断るわけがなかった。いや、もはや出られないでいた。…この二匹が作った、悦楽という名の蜘蛛の巣から。 あるいは、彼らが仕掛けた、絶頂を餌とした大きな蟻地獄から。 「分かったから…動くから、頼むからもう…イかせてくれよぉ……」 もはやプライドなんて物はない。…ここにいるのは、二匹のためのおもちゃみたいな俺だった。 スフュールがこくりとうなずいて、一気に動きを強める。俺もそれに併せて、自ら腰を振り続ける。 …絶頂は、程なくして解き放たれた。 「す…ふゅー……るぅ……もう………うぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!!!!!!!」 「ルーフ…俺も、もう…………んああああっっっっっっ!!!」 止めどなくあふれ出る白濁液は、スフュールの中をあっという間に満たし、結合していた部分からとろりと流れ出す。 スフュールが放出した潮と愛液がそれに混ざり、布団をびしょびしょに濡らしていった。 もちろん、俺もぐっしょりと濡れて。肩で息をしながらしばしの余韻を虚ろに味わっていた。 …終わった。…やっと…。そんな安堵感で一杯だった俺には、もう注意力は残っていなかった。 「んきゃあっっっっっっっっっ!!!!!!!!」 &ruby(だ){射精};したばかりで敏感になっていたそこが、&ruby(みたび){三度};熱に包まれる。 その酷すぎる仕打ちにも、俺の分身は素直に反応していく。 「まだ残ってるでしょ?…空っぽにしてあげるわよ、完璧にね…」 数十秒もの間、敏感なそこがものすごい勢いでこすりあげられ、&ruby(なぶ){嬲};られて。…あっという間に二度目を迎えた。 「ああああああああああああああっっっっっっっっっっ!!!!!」 リーチェの中にも大量の精をぶちまけて。リーチェの愛液が飛び散って。俺はぐしゃぐしゃになった。 そのまま、疲労感が一気にこみ上げてきて、俺は力なく崩れ落ちる。それでも、意識を何とか保って、息を整え始めていた。 「…ルーフ…まだまだ終わってないんだぞ?…次はまた俺…だよ…!!」 後はもう、ほとんど覚えていない。…何度イったかも分からない。 とにかく、潮やら愛液やら精液やらで俺は極限まで汚されて、その卑猥な薫りに魅了されて。 その気持ちよさを求めて、俺はただひたすらに二匹に懇願していた。 「は、はやく……ヤるなら………やってくれよぉ…………」 攻められ続けた俺は、絶頂の快びに全てを奪われ、思考はもちろん、意識さえも存在が消えて。 二匹の玩具に堕ちていた俺は…使い物にならなくなるまで、延々と遊ばれ続けていた。ような気がする。 俺はいつの間にか、全てを闇に飲まれていた。 ---- 気づいたら次の日だった。ただ、身体からは甘いような、不思議な匂いが漂っている。 昨日の激しい行為が脳裏によぎる。一体どれほど達したのだろうか。 「とりあえず…身体洗うか。…まだ&ruby(二匹){二人};とも起きてないみたいだし…」 ちょうど身体を洗い終え、服を着終わった時。スフュールが起きてきた。 「…あ、ルーフ…。…ごめん、大丈夫だったか?…さすがにちょっと…やり過ぎたよな…」 うつむき気味に、しょげかえった声で喋るスフュール。…昨日のことを、相当気にしているみたいだ。 でも、その誘いに乗ったのは俺。…スフュールは悪くない。 「気にするなよ。俺が許可したんだから。…それに、…楽しかったし。…結構…」 「でしょ?…スフュールもあれくらいはいつも出来るようにならなきゃ。やられっぱなしじゃ駄目よ?」 リーチェ、お前はいつ起きたんだよ…。しかも、えげつないこと言ってるし。 こうも毎回毎回攻められ続けたら、俺の身体は確実に持たない。…出来れば、数回に一回ぐらいが…。 「…いい、スフュール。…あいつの弱点はね…」 …どうやら、今後はスフュールに主導権を渡しそうだ。 こんな事まで教えなくてもいいのに。…これからが大変だな…。…頑張れ、俺…! ---- 「さて、と。あたしはそろそろ帰ろうかしら。…じゃ、上手くやりなさいよ、スフュール。…頑張ってね、ルーフ」 持てる限りの全ての技術を、スフュールに教え終わったリーチェ。颯爽と荷物をまとめて、風のように去っていった。 …結局、あいつが残していったのは仕送り金と、俺を攻めるための技法全集。…何しに来たんだよ…。 と、再び矢のように戻ってきたリーチェ。 「あ、そうだ。ルーフ、あんた寝言で色々言ってたわよ、昨日の夜、あの後」 …わざわざ言いに来たって事は…俺、ひょっとして変なこと言ってたのか…? しかもそれを聞かれてたなんて。…恥ずかしいったらありゃしない。 そういえば、さっきからスフュールが俺にそっぽ向けてる。…そんなに恥ずかしいこと言ってたのか…? 「…じゃあ、とりあえず…」 …とりあえず?…とりあえずどうしたんだよ?…と聞こうとしたけど。 答えを先に言われてしまった。口からと、行動からとで。 「あたしは…」 一回転の後に"ブレイズキック"。勢いよく後ろに飛ぶ俺。 「『猿』じゃ…」 飛んでいく俺に追いつき、そのまま膝で俺を上に上げるリーチェ。 「ないんだよ、この野郎!!!!!!!!!!」 とどめの"スカイアッパー"がクリーンヒットする。勢いよく宙を舞って、優雅に、かつ美麗に倒れ込む俺。 「じゃあね、スフュール。…これからも『色々』、頑張りなさいよ?」 最後にそんな言葉を聞きながら。俺は深い深い眠りへと落ちていった。 ――この眠りが永遠の物にならないことを、切に願いながら。 ---- -あとがき ルーフの丈夫さに感動。回想含め、計三回ほど蹴られております。 まずは…官能やり過ぎました。本当にごめんなさいorz しかも、ネタ部分もいまいち面白くないです。…お目汚し、失礼しました。 今回も、ルーフとスフュールのどたばた感を感じていただければそれで。 あ、ちなみに戦闘描写はおまけですw まだまだ下手です。…もっと上手くならないと駄目ですね。頑張ります。 ---- #pcomment(世話焼き雌猿と俺との生活/コメントログ) #enull{{ &tag(短編,誰かと誰かとのいつかの日常); }}