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ブリザード・フィールド の変更点


制作者→[[kzt]]

この小説は&color(red){官能的表現};を含んでおりますのでご注意ください。

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窓の外を見てみると一面の銀色世界。普段は街がレンガ造りの家だから赤褐色の景色が広がっているのだが、今は十二月で、しかも昨夜は雪が降っていた。その為、雪が積もって今は普段と違った世界を生み出している。

俺はベッドから身体を起すと、洗面所に行って顔を洗おうとした。青い蛇口を捻ると鉄の擦れる音と共に冷たい水が出てくる。気温が低いから凍ってしまって出てこないんじゃないかと思ってたが、なんとか出てくれて安心した。

赤い蛇口も少し捻り、出てくる水がお湯に変わるまで暫く待っていた。徐々にお湯が出てきて湯気も立ってきたところで、前脚で掬って顔を洗った。

寒い朝はこうしないと凍えてしまうのだ。ただ、俺は炎タイプだからある程度の寒さなら耐えられるけど、やっぱり冷たい物は苦手なんだよね。やっぱり俺はブースターになるんじゃ無かったのだろうか。こんな事を今更後悔してももう遅いが。

洗面所から出ると、朝食を食べる為に台所に向かう。そういえば昨日焼いたロゼッタがまだ残っていたのを思い出した。丁度良いからコーヒーも沸かす事にした。

薬缶を前脚で取り、水を入れる。そしてガスコンロに置いて火を掛けた。別に俺は炎タイプなんだから自分の吐く炎ですぐにお湯なんて沸いてしまうが、朝からそんな体力を使ってはいられない。しかも今は寝起きだからあまり力は入らない。だったら尚更である。

食卓の上にはバスケットに入ったロゼッタが六つ程あった。コレなら朝は大丈夫そうだ。お湯が沸いたから火を止めて、マグカップを取り出し、インスタントコーヒーの粉をスプーンで掬って入れた。そこへさっき沸かしたお湯を注ぐ。良い香りが辺りに広がって、気分を落ち着かせた。

食卓に座り、ロゼッタをバスケットから取って食べた。硬い食感だが、これがまた美味しいのだ。適当に朝食を済ませたら残りのロゼッタを布に包んでリュックに入れ、仕事に行く準備を始める。小忠実に時間を確認しながら、必要な物を次々に入れた。

準備が整ったので、そろそろ仕事場に向かう事にした。

外に出ると、極寒の冷たい空気が俺に当たる。結構厳しいかもしれない。鍵を掛けて、路面電車を探し歩く。まだ朝早いから街には殆どポケモンの姿が無い。キョロキョロと辺りを見ながら更に歩く事十分、路面電車を見つけた。

俺は走ってその電車に乗り込み、通勤先の製鉄所へ向かう。あの工場は炎ポケモンが少なくて、俺のような半人前のポケモンでも、工場長の親方は快く承諾してくれて製鉄所で働かせてくれた。仕事に就くのに結構厳しい今の世の中、こうして満足に働いていると思うと、工場長である親方に感謝しなくてはならないと思う。そのためにも、もっと仕事を頑張らなければ。あの仕事に就いてもう二ヶ月程になるのを今となって感じてみると、時間が流れるのは速いものである。

まだ眠たい気分を堪え、製鉄所に着くまでゆっくり電車の中で揺らされていた。





「親方、おはようございます」

俺は親方に挨拶をして頭を下げた。

「うむ、今日も頑張れよ」

「はい」と返事をして高炉に向かおうとすると、突然親方に止められた。

因みに親方はブーバーンという種族のポケモンである。

「フリード、今日は高炉じゃなくてツララの仕事を手伝ってくれ」

俺の種族はブースターだが、名前は“フリード”。親方がさっき言った“ツララ”と言う名前は、種族がグレイシアの女の子の事だ。ツララは俺より年は下だけど、仕事では「先輩」に当たる立場なのだ。しかしツララは別に自分の事を「先輩」と呼んでくれなくてもいい、と言ってくれた。だから俺は彼女を呼ぶ時は普通に名前で呼んでいる。

「分かりました。でもどうしてですか…?」

「ツララの兄のクロムが、病気のために今日は仕事を休むらしい。ツララ一匹の力では大量の石炭を運ぶのが困難だろう? そこで力のあるお前に頼んだ訳だ。引き受けて貰えるか?」

ツララの兄は“クロム”と言う名前のリーフィア。彼ら兄妹は俺と同じ街で二匹暮らしをしていて、一緒に同じ仕事をしている訳だが、どうやら彼は休みのようだ。クロムは優しい性格で、俺はツララと同様に彼も名前で呼んでいる。

「はい、頑張ります!」

親方にそう告げて、俺は製鉄所の地下に下りてツララを探した。

石炭は隣の鉱山の町から輸送されて来る。ツララの仕事は、送られて保管されている石炭をトロッコを使ってコークス炉まで運ぶという少し力が必要な仕事なのだ。何時もはクロムがいるから彼女は上手く仕事を熟せているけど、その彼が今日は居ないのだったら、仕事が出来ないだろう。

あちらこちらを数分間探して、遂にツララを見つけた。彼女は積み上げられた石炭の前で地べたに座っていた。その隣には錆びついて赤褐色になっている大きなトロッコがある。石炭が保管されている場所は薄暗く、天井に豆電球が幾つも連なっているだけの暗い部屋だった。

「ツララ、おはよう。今日はクロムの代わりに俺が手伝うからね」

「おはよう、フリード。ありがとね」

ツララは立ち上がると、俺に仕事の内容を手短に説明してくれた。以外にも力を使う所が多くて、今日は何時もより疲れる日になるかもしれない。

「このトロッコに石を積んでね、ならべく一杯に」

「うん」

俺が返事をして少し経った後、仕事開始のベルが「ジリリリリリ」鳴った。音が部屋に木霊して余計に五月蝿いと感じる。

ツララと協力して積み上げられた鉄鉱石を、俺と彼女が一緒に入れる程大きなトロッコに一杯にまで入れて二匹で力一杯押した。

「んんっ!! んぐぅ…!」

力を入れる所は最初だけで、後は普通に押せば簡単に動かせた。だがそれでもかなりの力が必要だ。

「ね? 重いでしょ…これ…」

「そうだな…。ぐっ……」

石炭の入ったトロッコをコークス炉の近くにまで寄せると、そこにバクフーンの“ルベウス”が待っていた。

「ん? フリード、お前今日はツララちゃんと一緒にやってるのか?」

右手に持っていたシャベルの先を地面に突き立てて、彼は言った。

「ああ。クロムが今日休んでるから、俺が手伝うように親方から言われたんだ」

「ほほぅ…! 親方も中々目の付け所がいいなァ…、流石!!」

ルベウスが妙にニヤニヤしながらシャベルを片手で回す。

「おい…、それどういう意味だよ…!」

俺は少し呆れた顔を彼に向ける。まさか、俺がツララにとても仲良くしているという事を親方に言ったりしたのだろうか?

俺があれこれ想像していると、ツララがルベウスに「早くコークス炉に入れてよ」と急かした。

「おっと、御免御免」

彼はトロッコに跳び乗り、シャベルを使って石炭を入れた。石炭の多くは粉状の為、このままでは良いエネルギーを引き出せない。だからこうして石炭を一度コークス炉に入れて「コークス」と呼ばれる燃料にしなければ、適度な燃焼エネルギーを取り出せないのだ。普段の俺の仕事は、高炉でこの「コークス」を使って鉄鉱石から銑鉄を取り出す仕事をしている。

ルベウスは手際が良く、この製鉄所でも優秀なポケモンだ。トロッコの石炭はあっと言う間に無くなり、彼の身体がトロッコで見えなくなってしまう。

「よし! 全部入れたぞ」

「ルベウスって何時も凄い速さで入れるね」

ツララがトロッコから出てきたルベウスに言う。

「いや~、ツララちゃんに比べたらオレなんてまだまだだ」

ルベウスの働きっぷりを感心している彼女に向かって、彼は自慢気にドヤ顔していた。それに何処か嬉しそうにもしている。

「ほら、もっと石炭を持って来てくれ」

「ああ、分かった」

俺は返事をして再びツララとトロッコを石炭置場まで押し返した。そしてまた石炭を入れてルベウスの所まで運ぶ、これの繰り返しだった。

「はあはあ…。ツララ、俺疲れたんだけど…」

口で忙しなく呼吸をしているが息が中々整わない。

「私もちょっと疲れたかも…。これ運んだら休む?」

もう二時間程この作業をしているにも関わらず、ツララはあまり疲れた表情をしていなかった。流石にこの仕事を、毎日熟しているだけの事はある。これだけやれば体力も自然と付くだろう。

俺達は石炭を運び終えると、壁に凭れ込んで身体をゆっくり休ませた。

「ツララは全然疲れてないね…」

「そんな事無いよ、私だって何時もお兄ちゃんに頼ってばかりだから」

「そっか…、俺も頑張らなきゃな」

話をしている内に昼休みのベルがまた五月蝿く鳴り響いた。

「弁当食べようか」

「うん」

リュックを開けてロゼッタを入れた布を取り出し、解く。すると俺の横からツララは顔を覘かせて「そのパンなに?」と聞いてきた。

「食べる? ロゼッタって言うんだ」

包みの中から一個掴んでツララに手渡す。それを受け取ると彼女はカリッという音を立て、一口食べた。

「美味しい…。これってフリードが作ったの?」

「そうだよ、俺が焼いたんだ」

もう一個掴んで俺も食べた。あんまり良い出来じゃないと自分で思うけど、彼女が喜んでくれてるなら俺はそれで満足だ。

ロゼッタを食べながら彼女とのお喋りを続けた。一時間の休憩が終わると、また仕事を再開する。

午後は出来上がったコークスを高炉にまで運ぶ作業をやっていた。本来はこの次の工程が俺の仕事な訳だが、今日はツララを精一杯手伝うという事なのでやらない。それに炎をずっと吐き続けるような作業よりも、普通に力を使う方が何かと俺には向いているのかもしれない。




もうそろそろ夕方になる頃、俺が休憩していた時に親方がやって来た。

「お前達、お疲れさん。さっきから気が付いてたと思うが、今外では吹雪が吹いている。別にもう時間はとっくに過ぎているから何時でも手を止めてくれて結構だが、帰る時は気を付けるんだぞ」

気が付かなかった…。吹雪が吹くなんて珍しい事だ。

「ねえフリード、吹雪だってさ! 凄いね!」

ツララはとてもテンションが上がって燥いでいる。何がそんなに嬉しいんだか。彼女は氷タイプだから喜んでも別に奇怪しくは無いのだが、俺は寒さが苦手だから彼女のように喜べない。それにしてもこれからどうやって帰れば良いのだろうか。この悪天候の中で帰ったら家に着く前に力尽きてしまう危険性がある。

「俺…、今日は帰れないかも」

急に心配になってきてしまった俺。

「じゃあフリードが此処に残るんだったら、私も側に居てあげるね」

こんな俺を励ますように言ってくれたツララ。しかし家で寝込んでいるクロムを放ったらかしにしても良いのだろうか。

「親方、俺は帰ることが出来ないと思います。どうすれば…」

「うぅむ…。まあ高炉が暖炉代わりになってくれているから、寒さで凍える事はまず無いだろう。吹雪が止むまで此処に好きなだけいれば良い」

「そうですか…、ありがとうございます」

その後親方に一礼してからツララの元へ戻った。そういえばルベウスはどうするつもりだろう…。あいつも炎タイプだから此処に残るのかもしれない。いずれにしても此処に俺とツララが二匹一緒で一晩過ごすのは変わり無いと思う。さっき親方が言ってくれた通り、高炉があるから寝てしまっても大丈夫そうだ。

俺は高炉の近くで腰を下ろし、その直ぐ横にツララが座る。

「寒いね」

俺を見て小声でツララが言った。確かに俺にとっては寒いだろうけど、彼女の場合は「寒い」より「暑い」と言った方がごく自然な気がする。

「ツララは寒くないんじゃないの…?」

「私はグレイシアの中でも結構寒がりなの。変だよね、氷タイプなのに寒がりなんて」

「変じゃ無いよ。そういうのも個性の一つだって…」

俺が今出来る精一杯のフォローをしてあげた。別に彼女が傍に居てくれているお礼ではない。

「そうかなぁ」とツララが言うと、彼女は俺との距離を埋める。つまり今は彼女と密着している状態だ。

「こうしたら温かいよ」

彼女の項に俺は自分の腕を優しく置いた。

「今日は手伝ってくれてありがとね」と彼女が俺の耳元で囁いた瞬間、頬に柔らかい何かが当たった。横目で見てみると、そこにツララの顔があった。彼女は瞳を閉じていた。

どれくらい長い間キスされてたか分からないが、暫く堪能していたらツララが唇を離した。

「これ頑張ってくれたご褒美だよ」

ツララが笑顔になって此方を見ている。その笑顔はとても可愛いかった。

ツララと向き合っていたが、直ぐ彼女から視線を逸らされてしまった。俺は今まで女の子からキスされた事が一度も無かったから、凄く嬉しかった。

胸に手を当ててみると、心臓がとても速く動いているのが分かる。さっきので俺は興奮してしまったのか分からないも。しかし息も上がっているし身体も火照っている。このままだと彼女を襲ってしまいそうで危ない。でも我慢なんて出来ない程に俺の股間が疼いて仕方無いのだ。

「ツララぁ…!」

「きゃっ!」

遂にやってしまった…。空いていたもう片方の右腕をツララの首に回して、ツララを仰向けに押し倒す。彼女の身体がとても冷たくてひんやりして、触り心地が良かった。しかしその反面、罪悪感や後悔の方が僅かに大きかった。

「フリード…、私…」

顔を赤く目を虚ろにしている彼女の顔がそこにあった。

「あ…えっと、――ごめん」

俺は咄嗟に腕を解放して彼女から離れて背中を向けた。俺とツララの間に何となく気まずい空気が流れる。下を見ると自分の股間から赤みを帯びたモノがすっかり勃起してしまっているのが良く分かった。

「どうして止めたの…?」

「えっ?」

発せられた意外な言葉に俺は動揺を隠せず、顔だけを後ろの方へ向けた。そこには背筋を伸ばして座っているツララの姿が…。ひょっとして嫌と感じなかったのだろうか…?

「その……私、――別にフリードになら…良いかなって思って…」

「嫌じゃないの? こんな俺に犯されて…」

「嫌いじゃないよ…。私はフリードの事は好きだから」

さり気無く告白してくる彼女の目の前では、理性と言う名のブレーキなんて利かなかった。気が付けば俺はツララを抱き締めて、また再び押し倒していた。

「俺も…ツララが好きだ…!」

そのまま彼女の顔に近付き、口を重ねた。生暖かい感触を感じ、俺の股間のモノも元気良く脈を波打っていた。始めは唯単に軽く口を当てていただけだが、ツララの口から舌が出てきて俺の口の中に無理矢理捻じ込もうとしてくる。突然の事だったので吃驚してしまったが、徐々に俺の心の中から「抵抗」という二文字が抜け落ちる。ツララの舌が入って来ると俺も舌を動かして彼女と絡め合った。

「んんっ…、ん」

「ん…んぐ…ぷはぁ」

何度か絡めていると俺は徐々に息苦しく感じてきてしまい、ツララから口を離した。俺とツララの唾液が混ざり合った唾液には物凄いヌメリ感が出てきていて、彼女との間に唾液で出来た糸が引いた。しかし少しも経たない内に糸は切れてしまう。キスを交わしている間に俺のモノはかなり硬くなってしまい、早くツララと交わりたそうに急かしている。

俺はツララの秘所を弄ってみた。その部分は湿り気を帯びており、割れ目からは既にヌルヌルの透明な液が出ていて周りの毛を濡らしている。割れ目を弄る度にツララは艶っぽい声を発したり、身体をピクッと震わせたりした。

「ツララ、――挿れても良い…か?」

そんな俺の素朴な問い掛けに対し、ツララは息を荒くして頬を薄いピンク色に染めて「うん」と答えてくれた。それを聞いた俺は彼女を持ち上げてうつ伏せに寝かし、後ろへ回り込む。ツララの後ろ脚を立たせて腰を突き出した様な姿勢を取らせると、すっかり大きくなったモノを彼女の割れ目へゆっくりと挿入していく。

「あぁっ! んん…!」

ツララから発せられる甘い声は、俺を更に興奮させる材料となる。挿れている途中で弾力感のある壁に差し掛かった。「破るよ」とだけツララに伝えて、俺は一気に力を込めて彼女の腰を突き上げた。

「…うっ、痛…いぃッ!」

「大丈夫?」

「んん……っ、うん……なんとか」

更にそのまま奥へ突き進んでいくと、彼女の膣の一番奥にまで辿り着いた。

「はあ……はあ…」

ツララの呼吸が荒くなっているのが分かる。自分は彼女に対して激しく欲情しているのだが、ツララ自身も俺に対し身体を求めている。俺達は今は唯性欲に溺れているだけの、淫らな生き物なのだ。薄れる理性の中で最後に思った事だった。

俺はツララの肩を前足で掴んで、腰を前後に激しく揺さぶった。

「あん、んぁん! フリードの…熱ぃ…!」

「はぁ…はぁ…ツララ…の中……も…気持ち良いよ…」

俺が腰を打ち付ける度に身体と身体が擦れ、モノが彼女の中で出たり入ったりを繰り返す。ツララの中からは愛液が徐々に溢れてきてピストン運動の滑走力を高めた。

「んっ! はあはあ…熱い…、熱いよぉ…! 私……、溶けちゃうよおぉぉ…!!」

「うぐっ…があぁっ! ツララ…!」

唯でさえ自分は炎タイプで熱い身体なのに、今はとても熱くなっている。

「はぁはぁはぁ、フリード…、私もうすぐイきそう…! 早く…、中に出してぇ…」

ツララは瞳を強く閉じて歯を食いしばっていた。

「くっ…うぐぐ…」

俺もそろそろ絶頂を迎えそうだ……。下半身から物凄い快感の波が押し寄せて来ているのを感じる。

「もうダメ…、イっちゃうぅ! きゃあぁっ!」

身体が大きく震え、暫く経つとツララは込み上げて来る快感を我慢しきれず、絶頂を迎えた。俺とツララの結合部からは彼女の愛液が漏れだし、膣が熱くなったモノをきつく締めた。

ジュプジュプと淫らな水音を立てながらも、俺は腰を振り続ける。

「ぐぐ…があっ出るううう!!」

そして俺は溜まった欲を一気に押し出すように精を放つ。

「はあっ…はあっはあぁ……」

余程自慰を暫くの間していなかった為なのか、精液が完全に治まるに時間を掛けた。

さっきまで全身に強い力が掛かっていた身体は嘘のように力を失い、俺は尻餅を付く。その拍子に俺の逸物はツララの体内からずるりと抜けて、彼女の中で行き場を失った精液は外へと溢れる。その場に倒れたツララの元へ歩み寄ってみると、彼女は既に疲れのせいで寝息を立てていた。俺はその寝顔に自分の顔を近付かせて頬に口を当て、ツララを抱き寄せて眠った。




「フリード、フリード、起きてよフリード。もう朝だよ」

「ぅん…」

俺は次の日の朝、ツララに起こされて目が覚めた。どうやら既に吹雪は治まったらしく、高炉も暖炉代わりとなっていてくれたお陰で風邪を引かなかったらしい。

「おはよう…、ツララ」

「おはよう!」

眠た気な俺の挨拶をツララは元気良く返してくれた。昨夜は一緒に彼女と行為をしたのに、この温度差は一体何なのだろうか…。

その日も俺たちは普段通りの仕事をした。クロムも病気が治って体力も大分取り戻したらしく、今日は通勤していた。これで俺はツララと仕事をする必要が無くなってしまったので、コークスを使って鉄鉱石から銑鉄を取り出す作業に取り掛かっていた。




「では親方、失礼します」

「ああ、気を付けて帰るんだぞ」

今日の仕事も無事に終えた俺は、親方に一礼してから製鉄所を後にした。外は昨夜とは打って変わり、雪が降っていない。それに明日は休日なので、何かと気分が良かった。そして自宅に帰ろうとした時、後ろからツララに声を掛けられた。

「フリード、明日はお休みでしょ? だったら今日はフリードの家へ行っても良い?」

特に帰宅後は何処へも行く予定が無く、断る理由も無かったので俺は彼女を家へ誘う事にした。

「別に良いけど……、クロムを独りっきりにしても良いのか?」

「うん、さっきお兄ちゃんも『良い』って言ってくれたし、だから私と一緒に帰ろうよ」

あまりクロムを放ったらかしにすると、また何かの病気になってしまいそうで俺は心配になった。しかし彼ならもう大丈夫だろう。という訳で俺はツララと共に自宅へ帰った。

「着いたよ、此処が俺の家。来るのは初めてだよな」

「うんそうだね。それじゃあ、お邪魔しまーす」

「まずはご飯にしようか?」

「私も手伝うね」

何を作ろうか悩んだが、ここは簡単に作れてお代わりも出来る「シチュー」にした。寒い冬にも打って付けだし。

ツララも少しだけ作るのを手伝ってくれたので、早く作る事が出来た。

「いただきまーす!」

「どうぞ」

ツララはスプーンを使ってシチューを掬い、一口頬張った。熱いシチューは氷タイプには大丈夫かと心配はしたが、彼女曰く「熱い料理は日常茶飯事だし、何より自分は寒がり」なので、大丈夫だったようだ。

「美味しーい! フリードって料理がやっぱり上手ね」

「ありがとう、お代わりもあるから沢山食べてね」

喜んで味わってもらい、俺も満足だ。そして暫くしてから、俺もシチューに手を付けた。

「ねえフリード、話があるんだけど…」

「ん? 何?」

シチューを食べている途中で、ツララはスプーンを止めて俺に話を持ち出してきた。

「フリードは…、私の事、愛してる…?」

「ッ…!?」

突然こんな事を聞いて来たものだから、俺は少しシチューを吹き出しそうになってしまった。

「どうしていきなり……」

「だって…、昨日はフリードと一緒に……、その…」

恐らくツララは、昨夜俺と行為をした事に対して気に掛けているんだ。確かに俺も少し気にはなる。それに今彼女の体内には、俺の精が詰まっている。それでもツララは俺の事を……。

「俺は…、俺はツララの事は大好きだ。それに昨夜、ツララも『中に出して欲しい』って望んでいたし…」

「じゃ、じゃあさ…、私を…お嫁さんにしてくれる……?」

「うん…、俺はそのつもりだよ。ツララ、俺と結婚してくれないかな」

さり気無く言ったものの、俺の心臓はあの時と同じように凄い速さで鼓動している。この熱く重い空気の中で良く言えたものだと自分でも思ってしまうくらいだった。

ツララは席から立ち上がってテーブルを回り込み、俺に近付くと、キラキラと輝かせた瞳を此方に向けた。

「ありがとう!! 大好き!」

そう叫んで俺に抱き着いてきた。俺はその勢いで後ろに倒れてしまう。

「お兄ちゃんもきっと私とフリードの結婚を喜んでくれるだろうし、ありがとうフリード!」

喜んでいるツララを抱き上げて、彼女と一緒に俺は暫くの間ずっと笑顔で笑っていた。


おわり
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IP:111.89.30.102 TIME:"2015-05-24 (日) 14:22:06" REFERER:"http://pokestory.dip.jp/main/index.php?cmd=edit&page=%E3%83%96%E3%83%AA%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89" USER_AGENT:"Mozilla/5.0 (Windows NT 6.1; WOW64; Trident/7.0; rv:11.0) like Gecko"

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