[[ファーメルンの草笛]] これで完結になります。今まで閲覧ありがとうございました。(はやっ ---- 6 やかましい音が聞こえてくる。 どんどんどんどん、どんどんどん、どんどんどん。 底知れぬ深い闇を彷徨っていた思考が、急に現実に引き上げられようとしていた。 「丙クン?! 居るんでしょ、出てきなさい!」 どんどんどん、どんどんどん。 激しくドアを叩く音。それと一緒に聞こえてくるポケモンの……雌の声によって。 「……菫姉さん?」 少しばかり痛む頭を抱えながら、ベッドの上で体を起こす。 ――窓から入ってくる強い日差しに、我ながら驚いた。 朝の柔らかな日差しではない。窓辺から見える太陽は、きっかりと頭上に浮かび上がり、強烈な日差しを大地へと振りまいていた。 …疲れていたとはいえ、まさか昼時まで眠ってしまうなんて。 自分の睡眠力に呆れながら、僕は玄関へと歩いていった。 「ねえちょっと! いい加減開けなさいよ!」 どんどんどん、どんどんどん。 ――相変わらず、本当強引な人だな。 僕にはそれくらいの人が丁度いいのかもしれないけど。 考えながら、錠前を外してドアを開け放つ。 「あ、丙クン! やっと起きたの? お寝坊さんねっ」 「ちょっと疲れてたんです。煩くて目が覚めちゃったじゃないですか」 「それ、こんな時間までぐーすか寝てたポケモンの言う台詞じゃないと思うわ~」 …強い日差しと共に僕の視界に入ってきたのは、にこにこと柔和そうな笑みを浮かべたキュウコンの姿。 僕が仕事を手伝っている相手、言わば雇用相手とも言える存在の菫(すみれ)姉さんだった。 「ふふ、でもよかったわ。ちょっと物騒な事件が起こっちゃったし、心配して見にきたんだけど……元気そうみたいね」 「……事件、ですか?」 「そそ。上がらせてもらうねっ」 それだけ言って、無断で上がりこむ。毎度の事ながら、本当に菫姉さんは強引だ。 例えば。 「私のことは『菫姉さん』って呼んでねっ」 と、お願い……もとい命令してきたり。 「貴方は私の所で働く運命なのよ、うん。だから明日からよろしくっ」 なんて根も葉もない雇われ方で引っこ抜かれたり。 ともかくパワフルで、容姿の端麗さとは裏腹な行動力を持ち合わせるポケモンなのだった。 今だってるんるんるん♪、なんて鼻歌を歌いながら、堂々と他人の家の居間で茶を出されるのを極当然のように待ち構えている。 もてなしの一つでもしなければ、彼女は本当に何も話してくれないだろう。 「……で、事件って何です? 何かあったんですか」 「ん。丙君、知らないの?」 「……えぇ、残念ながら」 アンタは何を確かめに僕の家までやってきたんだ、というツッコミをすんでの所で押さえる。つっこんだら負けだ。そんな考えが浮かんでいた。 「君の友達の尖尾君。血だらけの死体で見つけられたの」 「 は? 」 唐突だった。 茶菓子を口に含んで、ずずずとお茶を啜りながら呟かれた彼女の台詞。 何の変哲も無い話題の振り方。だがそれとは相反する言葉に、全く現実味が伴わない。理解できない。 菫姉さんは、僕の様子に気付くことなく続けていた。 「それがね、彼だけじゃないのよ。体中をぶさぶさに切り刻まれて、目の玉を刳り貫かれて死んでいる惨殺死体が、3つ。あの祠の前に並べてあったんだって」 「え…えええ?」 なんだ。何を言っている? 次々と言葉をぶつけられる所為か、理解が追いつかなかった。 尖尾が殺された。異様な殺され方で。そこまではなんとか理解できた。 だけど、同じように死んでいたポケモンがもう二匹? 祠の前に並べてあっただって? ……とてもじゃないけど、茶菓子を味わいながら話す内容ではない気がするんだけど。 「今、警察(ガーディ)さん達が来て調べてるわ。猟奇殺人なんて、物騒よねー」 「ほこら……祠なんて、この集落にあったの?」 僕は敢えて、菫姉さんの言葉を無視して問いかけた。 案の定というかなんて言うか、姉さんが頬を膨らませるけど…そんなことは思考に留まらない。 祠。僕は、そんな場所がこの集落にあるとは思っていなかった。 見覚えがないと言えば、それは嘘になるのかもしれないけど。 ………何度も悪夢で見た、あの蜃気楼に登場する祠が、もしそうならば。 「ほえ…丙君、知らないの? ほら…数年前まで四季草の葉っぱが祭られてた、あの祠」 「四季草? 祭られてた? ……ごめん。全然わかんないや」 「む~。『突然ご神体が消えた』って騒ぎになってたじゃないのー」 …覚えてない。ていうか知らない。 でも菫姉さんの口ぶりからするに、当時は相当騒いだのだろうか。 周囲に住むポケモン達……少なくともこの集落に住むポケモン達なら、当然のように知っている知識のようだった。 「ずーっと前にね、四季草っていう草が生える、大きな樹があったのよ。でもそれが悪い病気にかかっちゃって、他の農作物とか樹に病気が移らないようにって燃やされちゃったんだって」 「へぇ…他の木に移る病気かぁ。なんだか危なそうだね~」 「そうね。でも、樹を燃やすなんて気分が悪いでしょ? それで、燃やしちゃった樹で、唯一残った一枚の四季草を、その例の祠で祭っていたってワケ」 「ふぅん……燃やした樹への贖罪(つぐない)、っことかぁ」 ……なるほど。なんとなくだが、菫姉さんの説明で理解できた。 要はアレだ。燃やした樹からの、復讐を恐れたのだろう。四季草の樹木を燃やした当時のポケモン達は。 菫姉さんが言うには、その祠は集落の北西……場所で言えば、春菜先生の診療所付近にあるらしい。 少ししたら見に行ってみるか、と心に決めた。 「…とにかく、そういうわけで心配になったのよ。丙君、尖尾の奴と同じで、最近元気無かったでしょ?」 「え……あ、そっか」 それだけの理由で姉さんは心配して見に来てくれたのか。 強引ながらも優しい。姉さんの思慮深さに、改めて心打たれた。 ……でも、それならそれで、不安なことも思いつく。 殺された尖尾と、僕は微弱ながらも共通点を持っている。菫姉さんの言ったとおり『最近元気がなかった』と。 それが単なる風邪や故障なら、僕もなんとも思わなかったのだろう。 ……だが僕は昨日の夕方、尖尾と顔を合わせている。 具体的にどんな風に、彼が具合が悪かった原因をしっている。 彼は、黒点病だった。 そして、同じ症状――目元に隈が出来る程度のものだが――が出ている以上、僕も彼と同じ病気……黒点病に掛かっている可能性が高い。 ―――何故か僕は、先生に……春菜先生に相談する必要があると思った。 僕の掛かっている病気は、本当に黒点病なのかどうか。それを確かめなければならないと思ったからだった。 ……それともうひとつ。 一昨日から見ている、悪夢のこと。あの薬のこと。 草笛に殺される夢。それから連なるようにして見た、先生に薬を無理矢理飲まされる夢。 きっと何かの関連性があるに違いなかった。 「……丙君。これ、薬?」 と、そんな時だった。 勝手に突き進んでいた僕の思考が、菫姉さんによって止められた。 僕に向かって囁いてきた姉さんは、テーブルの上の薬を指差している。 その表情は、不思議そうな――いや、怪訝そうな色に染まっていった。 「うん。春菜先生に処方してもらった、特別な薬なんだけど」 「春菜。……ふーん。あいつかぁ」 …しまった。自分の失言に気づいたときには、既に遅い。 「す、菫姉さん」 春菜先生の言葉を出すと、何故か何時も菫姉さんは機嫌を悪くする。今だって、それはもう180度の機嫌転換だ。 幾数本にも生えた尻尾で不機嫌そうに床を叩いていたり。口からはしきりに蒼い燐火を吐き散らしている。 何か昔から思うことがあるのか、僕は常々姉さんの前では春菜先生の事を口にするのは控えていたのに……迂闊だったのかもしれない。 慌てて取り持とうとして名前を呼んでも、姉さんは拗ねてしまっていた。…なんでこんなに春菜先生を嫌っているのだろう。僕には理解できないことだった。 その対抗心からなのだろうか。 「丙君。この薬、絶対に飲んじゃ駄目よ」 「え……なんで?」 唐突に呟かれた台詞に、僕は驚いた。 それだけは駄目だ、と言わんばかりの語気。思わずたずね返すと、今度は困った表情を返してくる。 …自分で言っておいて、無責任だなぁ。 そんな感情を抱く。先生は薬を飲め、と言っていたのだ。それに反して菫姉さんの『飲むな』は反抗心がいきすぎていると思う。 言葉を濁し、何かを隠すようにして茶を啜って……だけど、菫姉さんは言ってきた。 「それ、薬なのよ」 「……そんなの当たり前だよ。春菜先生は医者なんだから」 何を今更。先生は、集落でも有名な医者なんだ。出されたものが薬なのは当然のこと。毒である可能性なんて、ひとつもない。 でも僕の言葉に、菫姉さんは激しく首を横に振って否定した。 そして、決定的な事実を僕に突きつけてくる。……その体は、珍しくも震えているように見えた。 「違うのよ。それは、薬なのよ。……黒点病に掛かった四季草を治療する、農薬。ポケモンじゃなくて、樹を治療する薬なの、それは」 7 「…は?」 ……なんだか今日の菫姉さんには、驚かされてばかりだ。 尖尾が死んだ、なんて言った次の言葉も、これまたとんでもない。 「農薬。樹の薬。春菜の奴は、これをあんたに飲ませようとしたのよ」 微かに体を震わせながら……菫姉さんは掴んだ薬の包みをちらつかせる。――その包みは、黒い粒粒が混じった白色の粉薬……病院で先生に処方された方の薬だった。 馬鹿な。 ありえない。 「す、菫姉さん。嘘はよくないよ。だ、だいたい……姉さんには薬の知識なんて無いじゃないか」 「……確かにポケモンに使う薬のことは、よくわからないわ。だけど、農作物に関しての知識ならある。これは間違いなく農薬よ」 そうだった。菫姉さんは僕の雇い主。焼き畑業を営む地主。 そんな、農作のプロとも言える存在の姉さんが『これは農薬だ』と言っている以上。……やはりこれは農薬なのだろう。 信じられない事実。そんな得体の知れないものを飲まされかけていた事実に、今更ながら鳥肌が立った。 昨日今日と、結局薬を飲まなかった僕の行動は、正しかったのだ。 そして何より。 「菫姉さん。……黒点病って、ポケモンの病気なんじゃないの……?」 「違うわ。限られた樹種だけが掛かる、特殊な病気よ。農作物限定の、ね」 残酷だ。 菫姉さんは、きっぱりと言い切った。迷いなく。多分、事実を。 すごく、おぼろげで曖昧だけど。 僕の中で、色々な結論が出来上がっていた。認めたくはないが、これは何かがある。 春菜先生は、一体何者なのか。まずはそれだ。 最初。まだまだ草笛の夢なんか見なかった時。 先生は僕に、火事で焼け死んだ思い人の病気を治すための薬を、お守りとして僕にくれた。 『黒点病』を治すための薬を。 ……だけど、菫姉さん曰く。黒点病は農作物限定の病気だと言う。それも、この地方では限定的。恐らくは四季草しか掛からないだろう、と。 不可解だ。意味不明すぎる。 ポケモンは黒点病には掛からない。ということは、僕は勿論、尖尾も黒点病ではなかったのだ。 更に言うなら。 遠い昔、空気感染する病気に掛かったが為に、当時のポケモン達に焼き払われた、四季草の話。 ――僕が考えるに、もしかしたら、その『空気感染する病気』っていうのは黒点病だったんじゃないだろうか。 根拠はある。 春菜先生は言っていた。空気感染する病気……つまり黒点病の事を。 『黒点病、って言ってね。人同士で空気感染する重大な病気で……っと、貴方にはつまらない話かしら?』 …と。 その話の矛先が、僕の考えている通り、四季草に向けられたものなのだとしたら。 辻褄があう。合ってしまうのだ。 つまり、僕が言いたいことは。 先生の好きだった、黒点病に掛かっていた(?)ために火事に偽装されて殺されてしまった想い人が、=遠い昔に黒点病に掛かって焼かれてしまった四季草の樹木で。 先生の開発した薬は、四季草の黒点病を治すための薬なんだということ。 つまり、つまり……。つまり……………。 先生の行動の、ありとあらゆる方向性が。 遠い昔に焼け落ちたという、四季草の病気を治すための目的へと繋がっている、ということだ。 「丙君。春菜に会っちゃ駄目」 頭の中で結論付けた僕の思考に、ブレーキをかけるような一言だった。 ……でも。それは、ある意味では正しい判断なのかもしれない。 君子危うきに近寄らず。得体の知れない存在に近づくのは、単なる蛮勇でしかないのだ。 ―――既に僕の中からは、春菜先生を慕う純粋な気持ち……恋心が失われていた。 「菫姉さん。姉さんは畑に戻って、仕事をしていて。僕は……春菜先生の診療所に行ってくる」 「ぇ…だ、駄目よ!」 「行かなくちゃいけないんだ」 言ってみると、尚決意が漲る気がした。 ここまで思案して、付けた結論。それはあまりにも非現実的であるにも拘らず、僕の中で確かな事実を作り上げていた。 尖尾と、二匹の集落に住む仲間を殺した張本人。 黒点病という嘘の診察を下し、薬と偽って農薬という名の毒を盛り……意図はわからないが、彼らを無残な方法で惨殺した。 「丙君。どうしても行くというなら……私も連れて行って」 「え…菫姉さんも?」 唐突にももたらされた提案だった。引き止めていたかと思えば、急に付いていくなんて。 驚いて言葉を失う僕に、姉さんは付け加えるように言った。…顔を少し紅潮させて、明後日の方向へとそっぽを向きながら。 「べ、別に丙君のことなんか心配になった訳じゃないわっ! ただ……私もアイツには言いたいことがあるし。だから…文句を言いに行くついでよ!勘違いしないでよねっ!」 「……うん。ありがとう、菫姉さん」 なんていうか。単純に嬉しい。そこまで心配してくれていたなんて。 姉さんは頼りになる。一匹で向かうことに、わずかながら不安を感じていただけに…やっぱりその提案は心から嬉しかった。 心の中だけで、お礼を言った。 どう見てもデレです。本当にありがとうございました。 …と。 8 起床したのは昼時だったのに。 家で菫姉さんと話し込んだせいか、時は既に夕刻へと傾いてきているようだった。 北西……人気のない診療所へと向かううちに、不安に思う気持ちは強くなってくる。 思い過ごしではないのだろうか。全ては偽りで、尖尾は死んでいない。病気に掛かってなくて、全ては僕を驚かせるためのドッキリなんかだったりして…とも思う。 「…そんなことが」 ……一連の僕の推理を聞いた姉さんの反応は、ただそれだけだった。 特に反論するでもない、同意するでもない、曖昧な反応。 でもそれだけに、姉さんのリアクションは僕に確信をもたらしてくれた。 菫姉さんは、恐らく何かの理由があって春菜先生を嫌っていたのだ。 その要因が何かは分からないけど……それはとても大事なことのように思えた。 分からないことは多い。それだけに性急な気もするけど、春菜先生が口を割れば、なにもかもがわかる。 何故、患者に対して黒点病、と嘘の診断を下して農薬を投与したのか。 何故僕に嘘の作り話を話して聞かせたのか。 ――そして、何故尖尾達を無残な方法で殺したのか。 「…昔は。違ったのに」 そんな菫姉さんの呟きは、僕の耳には届かなかった。 小高い丘を駆け上り、夕方の黄昏に染まる四色の花畑を見下ろす。 白の、赤の、黄色の、青の、色とりどりの花畑。思えば、これも四色だったのか。隣へと振り向くと、姉さんは大きなため息を吐いた所だった。 「……あの花畑に植えられている花。全部、同じ樹から生えてくるものなの」 「…へぇ」 「花の名前、教えようか」 「ううん。別にいいや」 目の前で広がる花の名前。憂鬱な姉さんの表情が、口にせずともその答えを教えてくれた。 風に揺れる草花を視線の脇に捕らえながらすり抜けて、診療所のドアを叩く。 こんこん、こんこん。 「先生!いますか! 僕…丙です!」 いつもなら、これだけのノックで返事がある。だけど、今日に限っては返事のひとつ、物音の「も」の字さえ聞こえてこなかった。 「…出かけてるのかしら」 「居留守かもしれない」 前者なら好都合。後者でもたいした問題は無い。 姉さんに対してひとつ大きく頷くと、僕は診療所のドアを押した。 きぃ、なんて古風な効果音と共に、それはゆっくりと開く。 ……鍵は掛かっていなかった。 ………開いたドアの向こうには、夕暮れで沈んだ、暗い暗い廊下が延々と続いている。 なんだか、本来続いていないはずの場所へと続いているようにも見えて、今更ながら気後れしてしまった。 「せんせーい? いませんかー? 勝手にはいりますよーぅ?」 「……ばか」 隣から聞こえてきた姉さんの声は、とりあえず無視する。 僕と姉さんの二人がかりで松明を召還し、薄くらい廊下へと入り込んだ。 …姉さんは、暖かい温もりを感じさせる四肢を、これでもかと密着させてくる。 こんな状況でなければ、僕は興奮のあまり姉さんを押し倒していたかもしれない。 ――でもあいにくながら、僕も恐れていた。 人気の感じられない、診療所を。 通路の死角、そこから突然……手術用のメスを振りかざしながら、先生が飛び掛ってくるんじゃないかと。怖くて仕方がなかった。 実際に(夢の中の話だけど)体をバラバラにされているから、僕の場合は余計だ。 前足を。後ろ足を。胸を肩を眼球を。 ……後ろめたい妄想はやめよう。 診療所自体はそんなに広くはない。 玄関、そこから続く長い通路に…診察用の部屋と、幾数室の雑多部屋と倉庫があるのみ。 僕と姉さんが目指しているのは、春菜先生の使う事務室だった。 「…丙君の話が本当なら、その嘘の診察をしたっていうカルテを見れば何かわかるんじゃない?」 という姉さんの発言が行動理由だ。 ぎし、ぎし、ぎし、と。 僕たちの歩く音のみが、診療所に響く。いい加減逃げ出したくなってきたその頃、ようやく事務室にたどり着いた。 木製のドア。その上方には『事務室』と黒い文字で描かれた、白いプレートが飾られている。 「ここが事務室みたいだね」 「…気をつけて入りましょう」 「そうだね」 そうだ。 …もしかしたら春菜先生は、僕たちの事を待ち受けているのかもしれないし。 僕は先生に勧められた薬を飲まなかったおかげか、死ななかった。いわば、僕は未だに春菜先生のターゲットになっている可能性が高いのだ。 ……ゆっくり、音を立てないようにドアを開く。 ふわ、と空気が流れていったような、そんな気がした。 「……誰も居ないわね」 菫姉さんがずかずかと室内に入り込んで、堂々と頷いている。…事務室の奥、開け放たれた窓から入ってくる風が、室内の紙束を四散させていた。 その中には、診療所の経営状況…集落の総合健康調査…なんて良心的な仕事振りが伺える資料が多い。 「…丙君。これ、見て!」 「え?」 だけど、菫姉さんが見つけてきた一枚のカルテを見て、僕はその考えを改めることになった。 それは、昨日診察にきたばかりの尖尾に関するカルテのようである。 ……だけど、その紙束の中心、尖尾の写真が貼り付けられたその部分が、赤く塗りたくられていた。 それと同様のカルテが、二つ。……今日殺されたポケモン達のカルテだった。 そのカルテに詳細に書かれた文を、菫姉さんは顔を真っ青に染めながら読み上げる。 「強い幻聴、幻覚。間違いなく黒点病の末期症状だと思われる。早急な特効薬の対処が必要。治療の後、新たな薬の製造の為に患者の眼球の採取を要求」 「…黒点病、末期症状……? それに眼球の採取って」 「うーん…。確かに、死体からは目ん玉が抜かれてたと思うけど。…新しい薬を作るため、ってどういう意味かしら」 「だって。黒点病には、ポケモンの眼球がよく効くんだもの」 それは唐突だった。 気配さえ感じさせぬ存在。 場にそぐわぬ明るい口調。 薄暗い室内に入り込んできた、新緑の姿……春菜先生。 彼女の姿に、僕たちは何も言えずに立ち尽くすしかなかった。 9 「は、春菜っ! あんた…なんでここに」 「丙君だって分かってるんでしょ? 私の大事な人は、集落の奴らに焼かれて死んじゃったの」 「先生…」 「薬は出来ていたのよ? 後はそれを投与するだけだった。それなのに……それなのにっ!!」 先生は、事務室の入り口でただただ感情のままに叫んでいた。 僕も菫姉さんも、その怒りの入り混じった口調に耳を傾けることしか出来ないでいる。 「あいつらは…おまえらはワタシを殺した。焼き殺した。許すわけにはいかない。お前らは生きていてはいけない。お前らはおまえらはおまえらはおまえらは」 「……せ、先生?!」 様子がおかしい。 驚いて目を見張れば、先生の額……一枚だけ生えた葉っぱの形が、おかしく変形して不気味な輝きを放っていた。 「殺す。殺してやる。私のためだけの薬を作り続けて……お前らは死ぬんだッ!!」 先生の物とは思えないソレも、変形した葉っぱから流れ出ていた。――どうも、先生の額に生えている葉っぱはおかしい。 考えていると、菫姉さんが驚いて叫んだ。 「丙君! 春菜の額に生えてるアレ……四季草だわ!」 ―――菫姉さんの叫びと、鋭く尖った葉っぱの刃……葉っぱカッターが僕たちへと襲い掛かってきたのは、同時だったかもしれない。 鋭い刃によって、空気が裂ける音。 ひゅうひゅうひゅうと切りかかってきたそれを、僕たちは回避することも出来なかった。 「うわあぁっ!」 「きゃあ!」 前足に。後ろ足に。胸も。肩も、鋭い痛みに切り付けられて、熱をさらっていく。 飛び散った僕らの赤い血液が、黄昏色に沈む室内に、鮮やかな血紋を作り上げた。 「あはははっ!」 ―それを放った張本人、春菜先生は、心底ユカイそうに笑い声を上げている。 それに含まれる狂気が、ただただ恐ろしい。 どう考えたって、何時もの春菜先生じゃない。 僕が好きになったリーフィア、医者の春菜先生とは似ても似つかない。 「ぅ…ぐっ。春菜先生…僕のこと、嫌いなの…? 僕は先生のこと……大好きだったのに」 「…!」 よろよろと立ち上がりながらの言葉。僕の後ろで菫姉さんが息を飲む気配が伝わってきたけど、僕はそれでも視線を春菜先生に注ぎ続けた。 気持ちを。本音を、感情を乗せた、僕の精一杯の言葉。 「何時もの先生に戻ってよぅ! 僕の大好きな先生を返してくれ!」 「っ……ひの…ぇくん…っ!」 本当の春菜先生へと向けた言葉と、その中に潜む、誰かへの言葉。 叫んだ僕に言葉を返してきた先生は、苦しげに呻いた。 「わたし…の、はっぱを……もやして!」 「え…え?!」 ぶんぶんと首をふるい、いらだたしげに尻尾を揺らして。その瞳をぎらぎらと殺気に漲らせながらも。 ――それは確かな、春菜先生の言葉だった。 「丙君!春菜の言うとおりにするべき…じゃないの?」 「ね、姉さん! でも……そんなことしたら!」 彼女の……春菜先生の言うとおりに、リーフィアとしての葉っぱを燃やしたら。 ―――彼女は、彼女という存在は、燃え尽きてしまうかもしれない。 それは、死と同義。例えそれで彼女が救えたとしても……。先生はもう、二度と僕と話してくれないのだ。二度と。言葉を交わしてはくれないのだ。 「いや…いやああああぁっ」 だけど…その迷いを切り裂くかのごとく、先生は叫び声を上げる。 その悲痛さが、僕の心の奥底に眠る何かを、呼び起こしてくれた。 「……春菜は、それをきっと望んでるわ。今なら分かるでしょ? ――春菜は、君の想っていた通りのポケモンだったんだって。君の恋したポケモンだったんだって」 「…………うん」 悲しいことには変わりない。 それでも、傍に理解してくれる人が、菫姉さんがいてくれたことで、僕の心は決まった。 先生は、僕が助ける。 ――先生の額に取り付いた、あの邪悪で穢れた四季草は……僕が焼き払うっ! 意を込めて、床を蹴る。 ぎし、と剥がれた床板には気を払わず、僕は暴れまわる先生に、一気に肉薄した。 ……体に眠る炎の力を呼び覚まして、その力の本流を全て……僕の持つ数少ない武器、すなわち生え揃う牙へと収束させる。 熱気から生まれた蜃気楼で、視界が揺らめいた。 咄嗟に身をかわそうとする先生の動きに合わせて首を捻る。――これなら、当たる! そんな確信に、視線をあげると。 瞳の奥、殺気に隠された何かを、僕は先生の瞳から感じることが出来た。 噛み応えなど、微塵もない。 新緑の緑は、攻撃的な火炎の前にはあまりにも脆弱なのだ。 ぼぅ、と火炎の盛る音を聞いたのは、ほんの一瞬だった。 「いやあああぁ!!!」 それをかき消すような、断末魔の叫び声を上げる先生。 炎上して焼け落ちた額の葉っぱは……瞬く間に部屋中に散乱した紙束に燃え移っていた。 「わ、わわわぁっ」 額から直接先生の体へと引火しなかったのは、不幸中の幸いだといえるだろうか。 燃え盛り、激しく室温の上昇した室内、先生はぐったりと力を失って倒れこんでいる。 「ま、まずいわ!早く出ましょう!」 菫姉さんの言うとおりだった。 四季草と一緒に焼け死ぬなんてごめんだ。 「ひのえ…くん」 駆け出そうとした姉さんから視線をそらすと、春菜先生が力ない瞳で僕を見上げていた。 …ぱちぱちと火炎の爆ぜる室内。明るく照らされた室内で、先生は涙を流している。 「わたしは、おいていっていいから。わたしは、ここで死んでもいいから」 そこから漏れ出たのは、自虐的な台詞。 罪悪感か、それとも……罪滅ぼしか。 力なく倒れ付している彼女は、間違いなくリーフィアの春菜先生だった。 「春菜ッ!あんたはここでは殺さないわ!私たちと一緒に、ここを出るの!」 「え? ちょ、菫…きゃああぁぁあっ!」 怒った姉さんは、もとい勢いに乗った菫姉さんは恐ろしい。 にやにやと嫌らしい笑い顔を浮かべた姉さんは、掴み上げると同時に抵抗を始めた先生を無視して、以上とも思える素早さで廊下の奥へと消えていってしまった。 ……残されたのは、火炎が盛る部屋に立ち尽くす僕だけ。 「……普通、こういうのって主人公の役割だよね?」 虚しく呟いた台詞は、非常に残念ながら誰にも届かなかった。 終章 黄昏色も、夕闇へと染まりつつある。 僕と、菫姉さんと、春菜先生。 僕たちは、燃え盛り焼け落ちていく診療所を、小高い丘から見下ろしていた。 「……燃えていくね」 「そうね。……でもいいんじゃないの?」 「うん。わたし…自分でも何をしていたか、正直よくわからないの。本当に医者を目指してたのか……それさえも」 赤く、紅蓮に舐められる建物は、徐々に、徐々に崩れ落ちていく。 轟音。悪臭。黒煙。 それらを癒すのは、周囲に生え揃った四色の花々。――四季草。 「それに……その、丙君は。私のこと、好き…なんだよね?」 「え?!…あ、えーとその…う、うん」 …ここで掘り返されるとは想ってなかった。 顔を赤らめて言ってきた春菜先生の言葉に、僕は胸が熱くなるのを感じた。 なんていうか……酷く照れる。 先生は、ゆっくりと僕に顔を近づけてきた。 「だったら……」 「え…ええ?!」 ふわりと。 天使の羽が舞いりるような、軽い口解けだった。 重なる唇。 菫姉さんが、悲鳴にも似た叫び声をあげているのさえ、遠くの出来事のように感じる。 「……これで私たち、ずうっと一緒だね♪」 「え…うん。あ、ははは……」 正直のところ、先生らしくない素振りだったけど。 ――いや。四季草から解き放たれて、本来の自我が戻ってきたのだから……これが多分、先生の本当の性格なんだろう。 顔を赤くして照れている先生は、本当に可愛らしい。 もういちど…キス、したいかな。 そんな下心が浮かんでくるのを、僕は止められない。 「あ、あれっ?」 ……だから、それを見越したかのように叫び声を上げた先生の様子に、内心で舌打ちをしてしまった。 ううん、いらいらする。こうなったら、無理矢理押し倒してでも…っ! なんて考えも、首を擡げてくる。 「菫…? 菫、何処に行っちゃったの?!」 ……慌てふためいた、先生の台詞を聞くまでは。 僕たちがラブコメめいたやり取りをしている間に、周囲はいつのまにか完全なる闇に包まれていた。 黒よりも深い深遠。 ………僕と一緒に居たはずの菫姉さんの姿が、なくなっていた。 「姉さん? 姉さん。何処行ったのさ?!」 「……ひのえ、くん」 ぶるぶると体を震わせた先生が、体を密着させてくる。 くそ。なんだ。全部、終わったんじゃないのか……? 四季草は燃やして。謎は全て解けたんじゃないのか? 怨念も、消え去ったんじゃないのか……? ぴゅうぴゅうぴゅう。 ぴゅうぴゅうぴゅう。 「え…?」 「これ…草笛?」 ぴゅうぴゅうぴゅう。 ぴゅうぴゅうぴゅう。 先生の言ったとおりだった。 何処からか、美しく澄んだ草笛の音色が聞こえてくるのだ。 「あっちから聞こえてくるわ!」 「ちょ…せ、先生! 勝手に動いちゃ……!」 どうしたのだろう。 草笛が聞こえてきた、その方向へと。 僕の制止もむなしく、先生は向かって行ってしまった。 ……唐突もなく聞こえてくる草笛。 ………あれ? なんか以前、どこかで同じことがあったような。 ま、気にしても仕方ない。 駆けていってしまった先生を放置するわけにもいかず、僕は春菜先生の走っていた方角へと歩き出した。 聞こえてくる草笛の音色は、他に比類なく美しい。 こんな綺麗な音を草で出せるなんて、全然信じられなかった。 春菜先生が無我夢中になって走り出したのも、なんとなく理解できる。 ……いつのまにか僕は、早歩きになっていた。 はぁはぁと息を切らせながら、やがては駆け出す。 ただでさえ無い体力は尽きかけている。にもかかわらず、僕は走っていた。 「はっ、はっ、はぁ…はぁ……。ここ、かな」 やがてたどり着いたのは、小さな祠。見かけからして、大きさはそうでもないといえるような石室だった。 その奥からか。相も変わらず草笛の音色は届いてくる。 ……最早、なんの疑う余地もない。 草笛奏者との出会いに胸をときめかせながら、僕は暗い石室に入り込み、奥に刻まれた下り階段を降り始めた。 階段は薄暗い。 だけど僕は、無闇に松明を取ろうとは思えなかった。……何故だろう。その理由は、僕自身理解できなかった。 ぴゅうぴゅうぴゅう。 ぴゅうぴゅうぴゅう。 「はぁ…はぁ…はぁ…」 降りるにつれて、音色の根源は近くなる。 近くなるにつれて、僕の胸のときめきは強くなっていった。 興奮に、喉が渇く。頭の奥の脳髄は、その役目を放棄して痺れっぱなしだった。 ぴゅうぴゅうぴゅう。 ぴゅうぴゅうぴゅう。 ぴゅうぴゅうぴゅうぴゅうぴゅうぴゅう。 かつん、と僕の足音が石室の中で強く木霊した。 奥に行き場のない音響が、僕に帰ってきた証。つまりそこは、行き止まり。終点だった。 ぴゅうぴゅうぴゅう。 ぴゅうぴゅうぴゅう。 血走った目で、僕は獲物を探すみたいに草笛の根源を探す。 何処だ。何処に居る。 その綺麗な音を食べたい。貪りたい。僕だけのものにしたい。 ……だけど。探せど見渡せど、どう見ても石室の中は無人だった。 それでも確かに、草笛の音色は此処から発生している。 「なんだ…一体、何がどうなって」 ……そもそも、だ。 急速に冷え始めた思考が、僕の中で動き出していた。 菫姉さんは何処に行ったんだ? 春菜先生は? 先ず第一に。 この石室。この草笛。……この状況。 あの悪夢での出来事、そのままの再現じゃないか……? どうなってるんだ。僕は…助かったんじゃないのか……? 「先生? …姉さん?!」 ぴゅうぴゅうぴゅう。 ぴゅうぴゅうぴゅう。 叫んでも。問いかけても。石室の中で帰ってくるのは、美しい草笛の音色だけだった。 僕をあざ笑うかのように。慰めるかのように。 高く、気高い、美しい旋律。 なんで僕はここに入ってきた? なんで僕は、なんで僕は、なんで僕は、なんで僕は。 思考が、再び錯乱してきたのを自覚する。 だって……このまま、夢を再現し続けたら、間違いなく僕は殺されるんだ。 脚をバラバラにされて。胸を切り刻まれて。眼球をくり貫かれて。 だめだ、だめだ、だめだ。 夢からは覚めなければならない。これは夢だ。悪い夢だ。 「はぁ…はぁ…はぁ…」 瞳を閉じて、視界を遮る。 ぴゅうぴゅうぴゅう。 ぴゅうぴゅうぴゅう。 煩い草笛だ。人が折角、夢から覚めようとしているのに。 「うるさいなあ! さっさと草笛を止めろ!」 叫ぶ。 叫んだ僕の前足に、 冷たい何かが 宛がわれていた。 「…じゃ、これで最後の診察です」 最後に聞いた、その台詞は。………一体、誰のものだったんだろう。 ファーメルンの草笛 【草笛の聞こえる薬】完 ---- 【作品名】 ファーメルンの草笛 【原稿用紙(20x20行)】 89.5(枚) 【総文字数】 24977(字) 【行数】 988(行) 【台詞:地の文】 19:80(%) 【ひら:カタ:漢字:他】 56:1:34:7(%) 【平均台詞例】 「ああああああああああああああああ、ああ」 一台詞:21(字)読点:34(字毎)句点:47(字毎) 【平均地の文例】 あああああああああああああ、ああああああああああああああ。 一行:30(字)読点:29(字毎)句点:23(字毎) 【甘々自動感想】 沈んだ雰囲気がよく出た作品でした。 長くもなく短くもなく、心地よい長さでした。 男性一人称の歴史物とか日本を舞台にした作品というのはやはり良いですね。 一文が長すぎず短すぎず、ほど良い長さです。 また、台詞と地の文の割合も良い。 「うん。わたし…自分でも何をしていたか、正直よくわからないの。本当に医者を目指してたのか……それさえも」という言葉が心に響きました。 あと、個人的にひらがなで書いたほうがいいと思ってる漢字がいくつか使われていました。 これからもがんばってください! 応援してます! ……ちょっと地の文が少なめだったかな。 これ、短編に分類できるのだろうか(汗 ---- - 木は消えても怨念という名の根っこは残る……。根の国に渦巻く怨念の怖さに背筋がぞくりときました。ただ、一つ欠点をあげるなら、もう少し早い8月中旬くらいに書いてほしかったな……と。やっぱりヒヤッとするならもっとも暑い時期がふさわしいですからね。 -- [[リング]] &new{2008-09-04 (木) 01:02:55}; - 一度はほのぼのエンドかと思いました(汗&br;最初の夢から最後までの繋がりがすばらしかったです。最後まで謎の残るホラーでした。&br;次回作も、ものすごく期待して待ってます。 -- [[&fervor]] &new{2008-09-04 (木) 01:04:11}; - 完結お疲れさまです。執筆早いですなあ。&br;過去に燃やされた四季草の祟りを描いたストーリー、でしょうか。自ら動いたり喋ったりしない植物でも、馬鹿にしたりはできませんね……。&br;丙が経験した一連の行動は夢だったのか、それとも……。謎を残す終わり方もホラーな雰囲気に合っていて良かったと思います。 -- [[カゲフミ]] &new{2008-09-04 (木) 16:44:12}; - 心境の描写が丁寧で、物語に引き込まれるように読んでしまいました。謎を残した結末、終わらない狂気。覚めない悪夢を見ているのか、残酷な現実をさ迷っているのか。途中から分からなくなっていくのもホラー系ならではですね。&br;執筆お疲れ様でした。 -- [[ハルパス]] &new{2008-09-04 (木) 17:22:23}; - 読んでて心臓が飛び出しそうになりました 怖 -- &new{2008-09-04 (木) 17:47:15}; - 衝撃のラスト・・・。と、いうか、最後まで謎の残るラスト・・・。すごい文章力ですね。引き込まれてしまいました。次回作もぜひぜひおねがいします!お疲れ様でした! -- [[孔明]] &new{2008-09-04 (木) 19:54:16}; - 途中でつられて、全て丸く収まるのか?と思ってしまっただけにラストで冷や汗を掻きました。&br;現実と虚構の区別もつかないまま、終焉を迎える恐怖をひしひしと感じましたよ。執筆お疲れ様でした! -- [[水無月六丸]] &new{2008-09-05 (金) 16:42:23}; - 一度希望を見せておいてから突き落とすやり方は好きですねえ。こういう風に謎をあえて残して考察を残すのも好きですね -- &new{2008-09-05 (金) 20:38:52}; - しゅぱぱっと。コメント有難う御座いますです。&br;>リング様&br;書く時期……暑い時期に怖い話は定番ですねw 最近は冷え込んできたし、時期外れと言われればそうだったかもしれませぬ。&br;時期の移り変わり。体調を崩さないように頑張っていきたいトコロですね。&br;>&fevor様&br;一度はほのぼのEDと見てもらえれば、そういう風に工夫した甲斐がありますねw&br;ホラーとかSFだと定番の手法だとは思いますが(笑&br;>カゲフミ様&br;執筆が早いかどうかはわかりませんw 褒められるコトではありませんね、でも。&br;不気味がってもらえれば、執筆冥利に尽きますね~w&br;>ハルパス様&br;心情描写が丁寧…嬉しいですw 後半の方の砂吐きっぷりは多めに見てくださいね。&br;>名無し様&br;心臓飛び出したら死んじゃうよ! ……こわい、でしょうか?&br;>孔明様&br;やっぱりホラーは謎の残るラストがしっくりくるかもですねっ(日本語が変&br;次回作。一応桃色と琥珀色を(強制終了&br;>水無月六丸様&br;最後の丙君は錯乱させすぎた感じもしますね(笑&br;でもま、本当に怖くなる前に死ねたから良しとしましょうか。&br;>名無し様&br;希望を見せておいて突き落とす。反復相乗効果ですね、わかります。謎を残すというか、やっぱし一遍では解決しきれませんよねw&br;たくさんのコメント、ありがとうございました。 -- &new{2008-09-06 (土) 02:11:42}; - これ、丙君は実際どうなったんだろ…。死んだのか? -- &new{2008-09-07 (日) 10:58:52}; #comment IP:133.242.146.153 TIME:"2013-01-30 (水) 14:44:22" REFERER:"http://pokestory.rejec.net/main/index.php?cmd=edit&page=%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%83%B3%E3%81%AE%E8%8D%89%E7%AC%9B2" USER_AGENT:"Mozilla/5.0 (compatible; MSIE 9.0; Windows NT 6.1; WOW64; Trident/5.0; YTB730)"