1 俺の名はサンサーラ、何度捕まっても蘇る輪廻転生の大泥棒さ。 狙った獲物は必ず奪う! それが俺様の信念ってとこかな。 「そんな俺様に頼み事だなんて物好きなこった」 「サンサーラ、あなたじゃないとだめなの」 薄暗い石作りの隠れ家に潜り込んだのが、とろんと垂れているがまっすぐ俺を見つめる雌のニャオニクス。 大きく太い尻尾とお耳を揺らし、小さなお口を時々大きく開いて口内のよだれが照らついている。 言っちゃえば美人さんだ。幼くなければ俺好みだねぇ…… 物好きなニャオニクスちゃんに俺は適当に応対して、机に脚を引っかけて4本足の椅子を2本足でバランスを取り欠伸をした。 「俺じゃなくても警察にお願いすればそれで解決じゃないか」 「……報酬、ですか」 「はいはいその手には通じませんよーだっ。俺様に嘘は通じないからな」 「信じなくてもいいです。聞けば行動に移してしまうのがサンサーラだから。 売春組織、アハトが所有するホテルにミュウの睫毛があるの。 私は睫毛に興味はないけどサンサーラ。あなたは興味があるでしょう? あの幻のポケモン、ミュウの睫毛だもん」 俺は足を崩さない。目をつむると一つの答えにたどり着く。 「何をすればいい?」 ニャオニクスちゃんはふふっと微笑み軽く頭を横に振り、両手を重ねて小さな指先を交わらせる。 「私はアハトから友達を助けたいだけです。サンサーラ、あなたが組織と一悶着起こしている間に友達を助けます」 「つまり俺様は囮という訳……俺ちゃんアハトに見つからずにミュウの睫毛を盗んじゃったら……どうするつもりなんだい?」 ニャオニクスちゃんは溜息をついてからにやりと微笑む。 「そんなことはありませんよ。アハトは想像以上に手強いです」 話が一区切りついた所で椅子から立ち上がり、ニャオニクスちゃんを背にした。 「そんじゃ……久しぶりの大仕事になることを期待しているぜ……お嬢ちゃん、お名前は?」 ニャオニクスちゃんは軽く俯いてから、ぼそりと小さなお口を開いて教えてくれた。 「フィ……私の名前はフィ」 「覚えておくぜ。次合うときはよろしくだぜ」 2 警察本部で勤務する私アジノモトは今日もサンサーラ逮捕の為に命令を下される。 オフィスの私の席はごちゃついているが仕方がない。 なぜなら私は輪廻担当の警官で主だった勤務先は奴が現れる場所だからだ。 私の体には小さい机の上にはサンサーラの怪盗予告。 視線を感じたので後ろを向くとニャオニクスの上司が封筒を持ってこちらを見ている。 「都内のラブホテル……らしいです」 「アハトの本部か、この私が単身乗り込んでやる!! 警官の派遣要請を出してくれ」 「アジノさんが入れるわけないじゃないですか。警察ともコネのない組織ですよ。 組織に所属させられている売春している少女と連絡が取れました」 「私が売春に手を出せと!?」 「仕事ですよ。サンサーラが狙っているんです」 「うむぅ……」 「封筒の中に今回の件と少女のデータをファイリングしておきました」 ガラッと椅子を鳴らしながら立ち上がり、高すぎる椅子に座るニャオニクスの元まで歩き、 両手で渡してくる大きな封筒を私は片手で受け取り軽々と鞄にしまい込む。 「情報提供感謝する」 ニャオニクスは入力作業に戻り、軽く会釈をした後「ご武運を」とぼそりと口にした。 3 桜が散り始めている都心駅前、ポケモンとポケモンがすれ違うのが当たり前のここには闇がある。 警察がここまで情報を持っておきながら何も解決しないのは汚職か賄賂か。 少なくとも輪廻担当の私には関係ないながらも、よく思わないのは当たり前か。 私は小さなネクタイを締め直し、封筒に記された目的地へと向かう。 場所は路地裏の薄暗いところではない、日のあたる駅前のベンチに少女がいた。 「あっ、ガオガエンのおじさんだーっ♥」 「誰がおじさんだ、まだ20代だぞ」 「挨拶がなってないですねー。ラビフットですっ! よろしくね」 こちらに気が付くとすぐに近づきすり寄ってくる。 サービスというやつなのだろうか、不意の太腿への愛撫に顔が熱くなる。 軽く振りほどき、距離をとってから顎を突き出すような表情でじっとラビフットを見つめる。 ラビフットは俯き片足をふらふらと揺らしながら 「わたしね、おじさん好きなんだー。おじいちゃん思い出すの。 匂いとか体付きとか……だから今日楽しみだよ」 と甘い声で私を誘惑し、上目遣いで心を掴もうとしてくる。 「よくそんなことスラスラと言えるな……」 「本心だから……ふふっ」 「まるで魔女だな……」 「失礼だし古いですよ、本当におじさんなんですからぁ」 話に乗せられていた自分に気が付き、頭を振り意識をサンサーラに集中させる。 「おじさん突然キリっとするんだね……」 「場所はどこだ」 「焦らなくても大丈夫ですよ」 ラビフットは私の前を歩き、繁華街から路地裏へと消えていく。 周囲から見たらデリヘルでロリ系を注文した変態おじさんだと思われているのだろう。 実際は変態ロリにハメられたおじさんといったところだ。 「おじさぁん……もうここ、ギンギンですよ……?」 「外で始めるだなんて……聞いてないぞ!?」 「これも業務の一環ですからぁ……」 薄暗い路地裏に入るとラビフットは太腿を重点的に触り、頬擦りをして下半身に意識を集中させ、 炎技を出す要領で手のひらを温め血の巡りを良くし、怒張させる。 口元のマスクを手で緩め、溜まった吐息をはぁ……と漏らすと、肌寒いくらいの空気が白く染まる。 身長差故の全身全霊の奉仕、ゆっくりと大きくなる私のイチモツを両手でつかみ、湿った口元でキスをする。 「ぐ……ああ”ぁ……」 「おじさんはお客様なんですから、気にせず出しちゃってくださいねー♪」 思わず顎を上げて体を反らしてしまう。生暖かく艶めく生臭いイチモツを、小さい少女は恍惚とした表情で、美味しそうに舐め先っぽを頬張っていく。 「ふぁ、んくっ……じゅっぽじゅっぽっ!!」 「うぐうううう! そんな頬張るな……ぅ”……!!」 幼いラビフットには辛そうな喉の奥まで咥え込む極上のフェラに何度も絶頂しかける。 細める目でラビフットを見ると、とろんと蕩けた表情で美味しそうに大事そうにイチモツに奉仕をしていた。 先っぽぺろぺろ、裏筋カリカリ、亀頭をふにふに…… びくんっ!と大きくイチモツを揺らしたところを見計らい、一気に頬張り奥の奥を喉で締め付ける。 「うお”お”お”お”ぉ”ぉぉ!!!!」 「んぐう”う”う!!!!」 喉の奥から胃袋へ、奉仕に耐えられず一気に射精。 おなかを満たし口元からも溢れる精液を味わうように目を瞑り、 イチモツから口を放したかと思えば、疲れ果て小さくなったところを咥えなおして、 皮をちぅちぅと吸っている。 スンスンと体臭を吸うように私に近寄り、太腿に頭を乗せ気持ちよさそうに股を濡らしている。 「おじさん、これで……逃げられないですからね……ふふっ♥」 「この淫乱うさぎめ……」 「さっ、行きますよ♥」 ネクタイを掴まれ路地裏を無理やり歩かされる。 ラビフットはすぐ近くのビルの裏口扉を開けると、私を前へ歩かせエレベーターへ乗り込む。 「続きはお部屋で致しましょう……ふふっ♥」 少女淫行を犯した私は為す術もなく、部屋へ連れ込まれてしまった。 丸いベッドの上で押し倒され、ラビフットは私にキスをする。 鼻が触れくすぐったい感触と同時に、甘い味覚が口内を汚染させた。 舌が絡み、心臓が高鳴り、快楽が脳を刺激して、気が付いたら落とされる。 4 俺様サンサーラとお連れのレイスは、売春組織アハトのホテル周辺に爆薬を仕掛けながら今回の件について話していた。 「サンサーラ、何でこんな売春組織を狙うんだ?」 「感だよ感、女の子1匹俺に合いに来るなんて不自然だ」 「そりゃそうだが……ニャオニクスだろ? 相当のレベルだったんじゃないか?」 「だといいんだけどな……不自然なのに噛み合っちゃってるんだ」 「はぁ?」 「集団昏睡事件……この周辺で起きているらしいんだ」 「偶然じゃないか?」 「それを確かめても、いいんじゃないかなっ! 俺の感は大体当たる♪」 ミュウの睫毛回収の下準備を終え、軽く両手をパタパタ叩く。 自慢の黄色い尻尾を揺らし、相方の黒い毛並みを軽く撫でる。 「なんだサンサーラ! 気持ち悪い」 「いししっ! ちょっと確認をね……! サポート頼むよ~?」 レイスはふんっと鼻息を荒げ、俺とは逆方向へ歩いていく。 レイスが背中に乗せた鞄には遠距離狙撃用の拡張スコープライフルが収められている。 遠距離からのシャドーボールやどくどくの発射を可能にした最新のアイテム、これで俺のサポートをするのがレイスの仕事だ。 頼むぜ相棒と心の中で呟きながら俺は堂々と正面からホテルへ潜入する。 ここは会員しか知らない特別な貸切りホテル。外見は普通のラブホだから間違えたふりをして入っちゃえばいいってもんよ。 「ちょっと」 (ぎくーーっ!?) 受付から声が聞こえて体が固まる。見つかっても問題ないがこんなミス、俺様らしくない。 「裏口が開いたらしいから見てきてくれない?」 「分かりました……」 (ふぅ……せーふっ) おばさんが受付していた男に見回りを頼んだだけだったようだ。 額の汗を右腕で拭い、薄暗い廊下を進み階段へ急ぐ。 狙う部屋は最上階の隠し部屋。 もちろん隠し通路から侵入できるもんだからさっさと見つけてお宝のミュウの睫毛を持ってとんずらという訳よ。 だけど何故か上手くいかないんだよなぁ。 ガチャッ 「とっつぁん!?」 「ぅ……むっ、サンサーラ!! 今日こそおまえを逮捕してやる!!」 フロア6F、廊下の奥の部屋を開けた俺はだらしなく伸びたアジノモト……とっつぁんを見てしまった。 とっつぁんの俺に対する執着心は凄まじい。セックス後にクロロホルムを吸わされ眠っていたとしても目を覚ましてしまうんだから…… 俺様は隠し通路を探すのを中断して一目散に逃げだした。 「悪いけど今日も捕まらないんだなぁこれが」 「まてえええええ!!」 階段を落ちるように下り、とっつぁんから逃げるけどこれが大変。 とっつぁんの腕力脚力全て俺を捕まえる時だけ何倍ものパワーが発揮されちゃって、 さながら常時リベンジ強化状態ってところだ。俺もそんなパワー欲しいねぇ。 3F……2F……あっという間に階を降りていくと壁や床が激しく叩かれるような、 ドタついた音が聞こえる。 売春組織アハトをぶっ倒してくれているスーパーマンがいるなら俺は大歓迎だ。 勢いよく扉ごとゾロアークが吹き飛ばされる様子を見た俺は、 吹き飛ばした主がラビフットだということに気づけた。 それと同時にラビフットは飴を噛み締め、進化を始めた。 「うひょー、派手にやってるぅ……」 思わずとっつぁんに追っかけられていることを忘れて組員が横たわる部屋をまじまじと見つめてしまった。 正面にはマニューラ、進化したエースバーンは火炎ボールを蹴る構えを取ってる。 戦うエースバーンの姿をまじまじと見つめていると、 見たことある奴だということに気が付き、ぽかんと口が開いてしまう。 「ハルちゃん!?」 エースバーンのハルちゃんは恐らくアハトのボス、 マニューラを倒しちゃってから俺に視線を向けた。 「あら、サンサーラも来ていたの」 「偶然さ。それよりもハルちゃんがここにいることの方が気になるねぇ」 俺は鼻息をすーっと吐いて、燃えてボロボロになった書類の破片を手に取り首を傾げる。 「目的は多分一緒だよ、先を越されないようにお気をつけて」 「残念ながらそうはいかない。ハルちゃんに分からないこのホテルのトリックが今分かったところだ」 俺はにやりと微笑み手に持った書類の破片を放り捨てる。 トリックは分かった。あとはとっつぁんをどうにかするだけ……といったところか。 その瞬間、銃声がホテルの一室に響き渡る。 1発の銃弾はハルちゃんの心臓を射抜き、一瞬にして帰えらぬ存在へと変えた。 「ハルっ!!」 柔らかいハルの体が床に落下すると、軽く弾んでただの肉塊へと変化する。 予想外のとっつぁんの行動と最悪を前に、俺は冷静さを失わないように呼吸を整える。 眉間にしわを寄せ、とっつぁんを睨んだ。 「とっつぁん……なぜ撃った」 「サンサーラ、そんなおかしいことか? 撃つなら俺だろとでも言いたいのか?」 そう言ってとっつぁんは、拳銃を俺に向けてガハハと笑った。 かと思えば、真顔で「こうするのが一番合理的だからな」と言い放つ。 何となく冗談が通じないのは分かっていた。 「らしくないぜとっつぁん……俺を捕まえるのが生きがいじゃなかったのかよ」 「そんなこともあったなぁ……若気の至りってもんだ。凶悪犯罪者は裁かなければいけないよなぁ……」 ホテルに侵入する前に一緒に行動していたレイスに無線で連絡を取が、聞こえたノイズはレイスの無事を保証するものではなかった。 「サンサーラ……逃げろ……」 ザザッ―― 唾を飲み込むが鼓動は早くなり、落ち着きは失われていく。 俺は最善の選択肢を選べなかった。 「逃げるのか!? サンサーラ!!」 俺は脱兎の如く階段を駆け上がった。 とっつぁんが俺に狙いをつけ何発も拳銃を撃つものだから、銃声がホテル内で鳴り響き絶望を演出する。 助けてくれ……そう思いたかった。 だけど俺はサンサーラ、輪廻転生の大泥棒は決してあきらめなかった。 6F、とっつぁんが寝ていたベッドの底に潜り込み、隠し通路を通り幻の7Fへとたどり着く。 コンクリート打ちっぱなしの部屋に、ぽつりと空の円柱ガラスと折り畳み式の机、 その上に科学用品が置いてあるだけだった。 そして俺が気配に気が付けず、何者かに背後を取られてしまう。 両手を上げる俺は予想以上に冷静で、口元がにやけてしまいヘラヘラしていた。 「仲間を殺された気分はどう? サンサーラ」 聞いたことある少女の声に気を取られるが、投げかけられた問いに俺は静かに答える。 「いやぁ、まんまとはめられたってところかな? 凄いねぇフィちゃん」 「それが本心?」 エスパーのピリついた感覚を背中から感じ、俺は前へ押し出され円柱ガラスへと近づく。 「ここいらで事件になっている少女誘拐事件、あんたの仕業って事でいいんだな?」 「少女だけじゃない。現に今、あなたを捕らえた」 俺は目をつむり頭をスウィングさせて、ヘラヘラとまた笑う。 「最初の依頼から俺をハメようって魂胆だった……素晴らしいねぇ」 「何で笑っているの」 「このまま俺を円柱ガラスに閉じ込めることは不可能って事さ。フィちゃん、サンサーラを舐めちゃいけないよ」 そして俺は下準備した爆薬を起爆させる。 地響きと爆破音がホテルを囲い、強烈な爆風がが砂埃を舞い立たせた。 ホテルの地盤は崩壊し、ゆっくりと倒壊するかと思われた。 俺はにやつきながら振り向き、ニャオニクスに指を指す。 コンクリートに埋め立てられた窓が崩れ、赤紫色の日差しがフロアを照らす。 「あ”あ”っ!!!! なぜ…………!!!!」 理解に苦しみ両手で顔を抑えるニャオニクスは、揺れる足場でバランスを崩し千鳥足で俺から離れていく。 「集団昏睡事件、集団誘拐事件……売春ホテルにミュウの睫毛。とても興味深かったが、情報の出しすぎだ。 まさか伝説のポケモン同士の争いに俺様が付き合わされると思わなかったぜ。 フィちゃん……いや、ミュウちゃんといった方が良いかな」 俺の後ろにはフィという名のミュウがいる。 この宙に浮かんだホテルも、目の前にいる黒幕もすべて俺の手中……チェックメイトだ。 「ここは私の夢の中のはず!! 夢の中で私は優位は絶対っ!!!!」 「おっとぉ……つまり俺の見立てが間違えてたって事になるか……それは後で良いか。 ダークライ、眠らせたポケモンを目覚めさせるんだ」 ニャオニクスの姿は正体を暴かれ体が朽ちていく。 背中から羽化するように現れた黒い煙はおどろおどろしく実態をあらわにし、 ダークライというポケモンへと変化させた。 ダークライ、あんこくポケモン。 こいつは人々を永遠の眠りに誘う危険な存在……それだけで片付けていい話ではないはずだが…… 「終わらせるか……この長い夢を……!! 『ダークホール』」 「悪夢はもう終わりだぜ、ダークライ!! 『ボルテッカー!!』」 両腕を地面に突き刺し、黒い霧でフロアを満たし永遠の悪夢へと誘う。 しかし、もしもだ……ここが俺様『サンサーラの夢の中』というのなら、ダークライ。おまえの負けだ。 宙に飛んだ俺は稲妻を纏い、ミュウのエスパーに包まれ全身全霊の渾身の一撃を、ダークライ目掛けてお見舞いした。 「ぐあ”あ”あ”あ”ああああ!!!!」 体を貫通するほどの一撃をダークライは受け、地面に叩きつけられる。 黒い煙は消え去り、エスパーを身にまとった俺だけがそこにいる。 悪夢は終わりを告げた。後は俺が瞳を閉じて、もう一度開けるだけ。 5 目を覚ました俺が何処にいるのかは分からない。 真っ白な空間かもしれないし、薄暗い地下水路なのかもしれない。 とにかく、俺には周囲の感覚を感じることが出来なかった。 だけど、不自由なのは不運ではなくて、誰かの仕業だということが分かった。 「フィちゃん……なのかい?」 頭の中にぼんやりと浮かんだイメージは、俺の真上にフィちゃんが乗っている、 又は真横に座って俺の顔を見ている、そのどちらかだった。 「うん……」 フィちゃんは静かに声を出して、俺に存在を示す。 「悪いけど退いてくれると助かるなぁ……」 「…………」 フィちゃんは動かずに、生暖かくキモチイイ熱を俺に伝える。 「何で俺を助けた?」 「好きだから……なの」 「俺のどこが好きなんだ? 伝説のポケモンは趣味も伝説級なのかい?」 「前は興味本位だったの。でも、今は大好き。だから、好きにさせて」 フィちゃんは俺を抱きしめて、胸元へ潜り込み、股を口元へ押し当ててくる。 俺は股を避けてにやけ面で抵抗する。 「おいおいおい、いろいろ話が違うんじゃないかなぁ……まったくもう……」 「夢の中の出来事だと思ってください。もう我慢できないのです」 「しょうがねぇなぁ……特別だからな」 俺が微笑み行為を許すと、俺の尻尾にフィちゃんのミュウの尻尾を絡み付けてくる。 一心一体の感覚が世界を『ミュウ』と『ピカチュウ』だけにした世界 によるものだということを理解するのには時間がかかった。 「睫毛はあげられないけど……液体はいっぱいあげる……ふぁぁ……」 フィちゃんの上質で艶やかなおまんこが俺の口いっぱいに広がる。 感じるものがおまんことフィしかなくて、 口いっぱいのフィちゃんが、トクトクと俺を犯していく。 長くしなやかな尻尾が俺の赤いおしべに絡み、優しい射精感を脳へピリピリと伝える。 フィちゃんの体温はどんどん温かく火照り、じとぉっと汁が溢れ俺を汚し始める。 「ちょっと動く……んっ……」 おまんこが強引に口に押し込まれる。肉汁は止まらない、飲んでも飲んでも溢れる液体で俺の体は浸され、染まる。 絶頂がゆっくりと近づき、解放される時を待っている。 「サンサーラ……イクよ……一緒にイこ……?」 「また、会えるよな」 「会えるよ……ん、にゃぁ……ふっ……んにゃあぁ!!」 6 俺は目を覚ますと売春組織のホテル最上階で眠っていた。 夢の中と変わらない光景に寒気を感じるが、不安はすぐに消え去った。 「サンサーラ、やっと起きたんだね」 「ハルちゃぁん!! 無事だったんだねぇ♥」 とっつぁんに撃たれて死んだはずのハルが生きていた。 眠る俺を前に荷造りをしていたので、思わず反射で抱き着き、当たり前のように蹴り落される。 「たはぁ~ 酷いよハルちゃん」 「もう、何時ものサンサーラで良かった」 「ああ、ホテルが宙に浮いたりなんてする悪夢は終わったんだ」 俺の一言を聞いた途端ハルは驚いた顔をして荷造りを急いだ。 「さっきからハルは何をしているんだ」 「ホテルを宙へ浮かしちゃった誰かさんが頑張っている間に、ミュウの睫毛とその資料を見つけたのよ」 「ちょっと聞いてないよハルちゃぁん!?」 「驚くのが遅いよサンサーラ、じゃあね!」 悪夢の出来事が嘘なのか真実なのか、分からないままお宝を手にハルは消えていく。 フィちゃんはもちろんいないし金目のものは1銭も無し。 これじゃあミュウのデリヘルを頼んだようなものじゃないか!? 「おいサンサーラ、さっさと撤収するぞ。今ホテルにアジノモトが突入したようだ」 「な、なんだってぇ!?」 相方のレイスから無線で連絡が入る。こうしちゃいられない。 無一文の俺は仕方なくホテルを脱出した。