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ヒトナツノコイ 第二話 告白 の変更点


**登場人物紹介 [#pd8de9bf]
今回から主要人物が全員揃うので人物紹介を軽くしておきます。

-バーク(バクフーン)この物語の主人公、マグマラシと見紛う程の背の小ささが本人のネック。
基本的に優しい性格で妹思い。どちらかというと弄られキャラ。

-マール(マグマラシ)バークの妹、こちらは逆にマグマラシにしては背が高く、お兄ちゃんよりも背が高い。
お兄ちゃんっ子で可愛らしい仕草が目に留まる。バークの友達達とも仲が良い。

-ザルバ(ザングース)バークの親友の内の一人。
明るい性格で基本的に優しい。
が、少々喧嘩っ早いところがある。タブンネのタマナが彼女。

-タマナ(タブンネ)バークの親友の内の一人。
おっとりしているが、意外と頼れる存在。
悩みを聞いてくれるお姉さんのような存在。リアルな怖い話が苦手。
ザングースのザルバが彼氏。

-ニオ(ニューラ)バークの親友の内の一人で、ザルバの旧友。
性格はザルバの旧友というだけあって似ているが、ザルバよりも少し冷静なためツッコミ担当。
人知れず頑張り屋であったりもする。
チョロネコのローナが彼女。

-ローナ(チョロネコ)バークの親友の内の一人。
物静かで見た目よりも大人しいため、よく外見とのギャップで驚かれる。しかし甘えん坊さん。
怖い話が苦手、痛い話も苦手。
ニューラのニオが彼氏。

-ローク(ゾロアーク)バークの親友の内の一人。
基本的にクールでグループ内での発言は毒舌かと思いきや、ボケの方に乗り気気味。
恋話や、恋愛に関して無頓着でグループ内で一番のイケメンであるにも関わらず恋人無し。
アリゲイツのアレナとは古い付き合いだそうで、幼馴染というより兄妹のような状態。

-アレナ(アリゲイツ)バークの親友の内の一人で、ロークの旧友。
御淑やかなお姉さんタイプだが、実はグループ内最年少。(全員年齢は非公開で)
彼女もロークと同じく、恋に無頓着。というよりもそういった話を避けている節がある。
ゾロアークのロークとは古い付き合いだそうで、幼馴染というより兄妹のような状態。

-チコ(チラーミィ)この物語のメインヒロイン。チラーミィの中でも更に小さい方で、本人のネック。
可愛らしい仕草と満面の笑みが癒し元。因みにバークと同い年。

以上、登場人物紹介でした。それではこれを踏まえて本編をどうぞ。
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作者:[[COM]]

第二話 告白

じりじりと暑い夏の日差しにも負けず、ジリジリとうるさい目覚ましにも負けず、その日僕はしっかりと寝坊した。
昨日の夜会った女性、チコのことが忘れられないのが一つ目の要因。
そしてもうひとつがもしも、やあわよくば、なんて考えてる諦めのつかない自分の妄想のせいだった。
結局、僕は勝手に人の部屋に入ってきて、僕の上で飛び跳ねてるマールのお陰で過去、類を見ないほどの最悪の目覚めを迎えた。
「なんで勝手に僕の部屋に入ってきてるの…?」
低血圧のため、元々寝起きのテンションは低いが妹が部屋にいることと、眠れなかったことによって僕のテンションの低さは最高だった。
寝ぼけ眼で流石の僕も怒っていることを必死に訴えかけるが、
「ねーねーお兄ちゃん、朝ごはん!」
妹は不満そうな顔で僕の寝ぼけた顔を見ている。
朝ごはん…そうだった…忘れていた。僕が朝ごはんを作らないと朝ごはんは無いんだった。
「あぁ…ごめんよ。すぐ作るからリビングで待っててね。」
未だ思い体を無理やり起こし、僕の上で飛び跳ねるのをやめた妹の頭を優しく撫でて緩やかな口調でそう言った。
すると妹は、
「はーい!朝ごはんー♪朝ごはんー♪」
そんな鼻歌を歌いながら僕の部屋から足早に出ていった。
「ふぁ~……仕方ない、野菜炒めでいいかな。」
妹にすぐ作るといった手前、もう一眠りしたいところだが、次眠っていたらダイビングボディプレスでもされてしまいそうだ。
名残惜しいが愛しの布団から這い出し、リビングのすぐ真横にあるキッチンへとテポテポ歩いていった。
本来なら母さんが作ってくれるのだが、今は夏休みということもあって父さん共々出張で家には居ない。
父さんと母さんは同じ会社に勤めている…これじゃ言い方が悪いな。父さんと母さんは同じ会社の重役らしい。
そのため、二人揃って今なら家を留守にしてもいいからということで何処かは知らないが、出張して夏休みの終わりまでは帰って来ないそうだ。
そんなこともあったため、昨日は僕の家に集まって夏の夜の怪談話なんてものができたんだ。
普段は厳しい両親だから家に友達を泊めることも許してくれない。
無論、逆も然りだ。
実を言うと、夏休みの出張はこれが初めてではなく、結構前からだったため僕ももう慣れていた。
いつものように慣れた手つきで野菜を刻み、肉と一緒に適当に炒める!
そして塩コショウとかも適当に振る!案外、これがいい感じの出来になる秘訣だったりする…僕だけなのかな?
「出来たよー。お箸とお茶碗を用意して。」
その完成した野菜炒めを皿に移し、リビングで行儀良くテレビを見ながら待っている妹に向かって言った。
「はーい!!」
マールの元気な返事が聞こえ、僕が野菜炒めをテーブルに置き、飲み物とコップをを持ってくる間にきちんと用意してくれた。
その中のお茶碗を自分と妹の分、二つを手に取り、少し盛り上がる位のお米をついだ。
「私が持っていってあげる!」
とお米をつぎ終わった一つ目のお茶碗を、妹が満面の笑みで僕にそう告げながらテーブルに持っていった。
自分の分もよそい、先に座って待っている妹と対面の席に座った。
「それじゃ、いただきます。」
僕が手を合わせ、小さく一礼をしながらそう言うと、
「いただきまーす!」
同じ様にし、すぐに箸を取り、食べ始めた。
程よく火が通り、いい色になったお肉と野菜を小皿にたくさん移し、
それをすぐに、これまた口角がそれ以上あがるのかと思うほどの満面の笑みを見せ頬張っていた。
「おいしい!」
その言葉、その光景…これを見て微笑まない人はいないだろう。
僕はニッコリと微笑み、
「そう?よかったよ。」
そう言いながら僕も野菜炒めを小皿によそった。
「ごちそうさまでした!」
「お粗末さまでした。」
朝食というにはあまりにも遅い朝食を食べ終わり、今日は何をしようかと考えていると、ブー、ブーという振動音に気が付いた。
恐らくケータイにメールが届いたのだろうが、先に食器だけは片付けたかったので妹に手伝ってもらいながら手早く食器を洗い、洗い物かごに入れた。
タオルで手の水気をふき取り、急いでメールを確認すると、


〔よう!今日暇か?って聞くまでもないかww
 今からいつもの行きつけの喫茶店にみんなで集まらないかって話になってるから
 バークもどうだ?
 一応、昨日のお詫びってことでなんか一品ぐらいなら奢るぞ。
 そんじゃ返事待ってるからノシ                       〕


というものだった。メールの送り主は言うまでもないが、ザルバだ。
僕は別に気にしてもいなかったのだが、ザルバは恐ろしく昨日の罰ゲームに関して気にかけている。
別に僕が誘ったんだし、気にするほどのことでもないから気にしなくてもいいのだが、ザルバはそういうところがえらく几帳面だ。
返信のメールには〔別に奢らなくていいよ、すぐにそっちに行く。〕とだけ打ち込み、すぐに返信した。
丁度、今日という暇な時間を潰すいいきっかけが出来たのだし、すぐに出かけたいところだが、
「それじゃ、僕はちょっと出かけてくるから遊びに行くなら遅くならないようね。」
とだけ妹に言い、準備をしてから家を出た。
「行ってらっしゃーい!」
そう言いながら玄関で元気に手を振る妹が可愛い…流石にこれは癒される…
若干軽くなった足取りで、鼻歌混じりにいつもみんながよく集まる近くの喫茶店へ向かって歩き出した。
そして昨日、あのとても可愛らしい女性、チコに出会った曲がり角へとやって来た。
『ここを曲がったら…むこうで待ってる…なんてことあるわけないか…』
そんな淡い妄想を描き、それを自分ですぐに諦めて、小さくため息をつきながら曲がり角を曲がった。
曲がり角の向こう側には…案の定、誰も居なかった。いや、居るわけがないと言った方が正しいだろう。
そんな自分の淡い妄想が叶う訳が…
「あの……もしかして…バークさん…ですか…?」
「ふぇ!?」
急に後ろから声をかけられたため、素っ頓狂な声を上げてしまった。
急いで後ろを振り返ると、そこに立っていたのは…間違いなく昨日の晩に出会ったチラーミィ、チコだった。
「え!?えっと…もしかして…チコさん…なんですか?」
自分で間違いなくと言っておきながら、自分にそんな奇跡が起こるわけがないそんな自虐的な心が何処かにあり、いつの間にかチコに聞いていた。
「あ!はい!よかった!もう会えないものだとばかり思ってました!」
チコは自分がバークであることの確信が持てたと同時に、とても嬉しそうな顔をし、いつの間にか僕の手を取っていた。
「あなたは間違いなく私の運命の人です!」
何度こんな妄想をしただろう…まさかそんな儚い妄想が実現するとは夢にも思っておらず、自分の手を握っている場所を中心に花でも咲き乱れたかのような幸福感にバークは包まれていた。
「……!!で、でも…!なんで昨日あんなことをいった自分を探したりしてたんですか?」
彼女は別に探したとは一言も言っていなかったが、自分の妄想が叶ってしまったため勝手にそう、脳内変換されていた。
そして彼女が、自分を運命の人と呼ぶに相応しい理由が見当たらなかったのも聞き直した理由のうちの一つだった。
「実は…私のことを可愛いなんて言ってくれたのは…あなたが初めてだったんです…」
彼女は頬を薄く赤らめ、ちらちらとこちらを上目遣いで確認しながら言ってきた。
その仕草の可愛さといったら!これはたとえ僕でなかったとしてもイチコロでKOされているであろう。
「そ、そうだったんですか…でも、自分なんかでいいんですか?」
あまりの可愛さと嬉しさで、僕も釣られて頬を赤く染めながら心にも思っていないことを口にしていた。
あまりにも恥ずかしいため、目も合わせられず照れ隠しで頭を掻きながら彼女から少し焦点のずれた場所を見ていた。
「私…昔から『小さくて可愛い』とか、『守ってあげたくなる』なんてことは言われてました…でも、それは私にとっては嫌だったんです。昔から背が低いことで虐められ続けてたので…」
彼女は少し俯きながら、過去の嫌な記憶を語ってくれた。
「分かるよ…その気持ち…僕も同じ様に背が低いことで散々言われ続けたから…」
同じ境遇同士、通じ合えるものがあったのだろうか…僕は素直に彼女の可愛さに一目惚れしてしまっていた。
彼女の辛かった過去が、自分も恐ろしく共感できた。
「だから…私にはあなたしかいないんです!いえ…むしろあなたが私なんかでいいでしょうか?」
彼女の顔は何処か不安げな表情をしていた。
彼女の中では恐らく、これが最後のチャンスとでも思っているのだろう。
不安の中に何か、切羽詰ったようなものも垣間見えたからだ。
「もちろんだよ!僕にも君しかいないよ。」
はっきり言って、僕にとってもこれが最後のチャンスかもしれない。
奇跡なんて信じていなかった。と言えば嘘になる。しかし、心の何処かで諦めていた自分が居た。
でもそんなことはもう関係無い、今ここで起きた事はまさに奇跡で、これこそが運命なのだと僕は確信することにした。
千載一遇…いや、生涯一隅かもしれないこの奇跡、僕は神様に感謝するわけでもなく、昨日起きた出来事に感謝するわけでもなく、
ただ目の前にいる彼女が…チコが僕を選んでくれたことに感謝した。
すると、自分でも気が付かないうちに彼女の手を取っており、
「約束する。君は僕が必ず幸せにするから。」
そう、真剣な面持ちで彼女の潤んだ瞳をしっかりと見据え、心の底から本気の僕の気持ちをそのまま言葉にした。
彼女はその言葉を聞いた後少し間を置き、コクンと頷いた。
その直後、自分の取った行動があまりにも恥ずかしい行動であることに気付き、一瞬で顔が、いやもう体が真っ赤っかに染まっていたかもしれない。
頭の上から湯気でも出ていそうなほど真っ赤になったまま、僕は身動き一つ出来ないでいた。
その時、ケータイが小刻みに振動してくれたお陰でやっと我に返り、いつもより素早くケータイを開き内容を確認していた。
メールの内容は『もうみんな着いている』というものだった。
よくよく考えてみれば、すぐに向かうと言ってからここで彼女に出会い、会話している間、どれほどの時間が経ったのかなど気にしてすらいなかった。
それほどの時間をかけて、僕の初めての恋と告白は終了したのだ。
「えっと…チコさん。僕、今から友達と集まる約束をしてたから…一緒に来ます?」
と、ぎこちない喋り方でチコに話しかけると。
「チコでいいですよ。それに敬語で喋られると…なんだか恋人じゃないみたいで嫌です。」
そう答えた。そんな彼女の表情は、さも『チコ』と呼んで欲しそうな顔をしていた。
「う…うん。チコ、僕の友達に会いに行く途中だったんだけど、一緒に来る?」
未だぎこちなさはあるものの、彼女が敬語は嫌だと言ったのなら敬語を使う方が失礼だ。
精一杯のタメ口を使い、彼女を自分の友達との集まりに招待した。
「はい!もちろん喜んで!」
すると、彼女は嬉しそうにそう答え、ニッコリと微笑んだ。
その表情こそまさに天使の笑顔だ…
ゆっくりと歩き出すと、彼女が僕の腕を掴みまさにラブラブのカップルのようになっていた。
少しの恥ずかしさはあったものの、それ以上の幸福感と満足感で僕は周りが気にならなくなっていた。
僕は今…最高に幸せだ…

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