ポケモン小説wiki
バレンタイン・チョコレート の変更点


※官能表現を含みます。読む人によっては&color(black,black){逆強姦};と感じるかもしれませんので悪しからず。
タブロボの世界観です。作者の遅筆のせいでポケモンにも名前がついています。
こんな屑((これを含む私の作品全て))よりいい作品はたくさんあります。というかいい作品しかありません。それでも読んでいただけるのなら下へ。
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 ポケモンも人も入りまじり、平和でのどかなこの街は、アスファルトの上、中途半端に解けた残雪で転ぶ人が後を絶たないという。それでも多くの人が外に出向く理由、それは今日がバレンタインデーだからだろう。

Valentine's Chocolate
作者:[[No Name]]

 中学二年、二百年ほど前から補修されつつ建つ校舎の中、寒そうに駆け回る外部活を眺めては、暖房のかかった部屋で落ち着けることに感謝できる。数日空を薄く覆う雲、雪でも降ってしまうのではないかという寒空を見る。そして頭と腕、尻尾の葉に元気がなくなっていくのを感じる。まるで俺の心を映したともいえる天候だが、このひどく凍えそうな気候にさらされる心の空は、すでにどんよりと曇り、豪雪に見舞われホワイトアウトしている。塩にさらされた青菜の気持ちも、少しばかり解る気がする。
 とうとう雪が降ってきてしまった。運動場はポケモンには必要ないが、わざわざ作ったらしい白い体操服を着た生徒達が消えた。代わりに色とりどりの傘が見られるようになってきている。すでに葉の散った桜の木、そこに薄く白化粧が施されていく。美しさに見惚れるような人もいるようだが、そのような人とは意識がずれているようだ。この場で霰でも降らそうものなら、命を懸けて止めに入る。止めに行くまでに命が盗られそうなほど寒いだろう。無論、天候を変えるのは法律違反だ。水不足や冷夏の時には申し出があれば許可は出る。ただ、この雪は積もるだろう。そうなったら帰りが辛いな。
 特性の中には天候を変えるものが存在する。そういうものに対しては誰でもよいが相手をみつけてその相手と変化技を交互に五度繰り出す。すると、効果が切れる。五ターン法((特性による天候変化も、五ターン経てば戻ることから。)) とよばれるそれは、多くの場で使われてきた。それから特性が発動されることはないらしい。
 情報収集のため使うパソコンのあるだだっ広いこの部屋、コンピュータールームが俺たちの部室。壁にはウイルスに気を付けろなどと広告があるが、特に気にしたことはない。校費で買っただろう背もたれが無く座面の青緑の椅子に俺は座っている。白い壁と机に強い蛍光灯がやけに反射し、寿命まで三年なさそうな冷房だけ過剰に運動をするエアコンが付けられている。適度に暖かくは出来るが。そのため夏場かなり寒くなるので、そういう&ruby(危機){機器};のない化学室で行う実験の時以外は、大抵早退している。
 そして俺は科学部の一部員であるジュプトル、&ruby(こぐさ){木種}; &ruby(せき){析};。珍しい名だと俺自身思う。きだね……せき、かな? と尋ねれても仕方ないと思ってしまう。すでに諦めはついている。部員が揃ってきてこの静かな時間が終わる。そして俺の、この平和でのどかな時間もある一部員の参加により終わることとなる。


 俺は、窓際、ドア側の一番端の席だ。周りの邪魔が入りにくい良い席だと思っている。しかし、最近俺のちょうど正反対に位置する、廊下側でドアと反対側の席の人間――高瀬若菜がやたら構ってくるようになってきたのだ。小学校からある程度仲が良く、クラスも同じになり、仮に卵グループの違う人間だとしても女子であるため、噂されるのも時間の問題かもしれない。それだけは何としても避けたい。彼女は拒食者とはいかずとも痩せすぎている。今ですら大食いと呼ばれる俺より多く食べているというのに、もっと食べろというのは酷ではあるが。背は年相応、無論制服で、顔は、非難はされずとも顔立ちがいいとは言えない。それに、痩せすぎか妙に元気であることが災いしたのかイジメに遭っている。彼女は気にしてなさそうだが、巻き込まれるかもしれないと危惧する俺の気持ちを汲んでもらいたい。しかし、そんな俺の心境を知らないだろう彼女は、自分の席で荷物を降ろし、ディスプレイもコンピューターも起動せず俺に構われたいがために、無情にも近づいてきている。
「おっはよー」
いきなりルンルンと聞こえそうなほどハイペースだ。もちろん擬態語のため聞こえるはずもないのだが。ただ今午後三時、おはようという時間ではないのは分かっているがツッコむと相手が調子に乗り止まらなくなる。正直いってこいつの相手はとても疲れる。面倒なので無視することにする。結果は同じだとわかっていても、逃げたくなるのは本能からか。
「ちょっと返事してよー」
少し苛立ってきたので、日頃のストレス発散も兼ね手の甲で軽く突き飛ばす。キモリの頃は尾ではたけて楽だったのだが、残念ながらこの笹の葉のような尾では不可能だ。しかし運動せずとも筋力に恵まれたポケモンである俺は、どうやら一メートルほど飛ばしたみたいだ。ただ、こうしてはじくことが相手のちょっかいを助長するということは数日前に分かった事実だ。癖でやってしまうが。
「やめてよー」
そういうわりには語尾に音符が付くほどテンション高い。構ってもらってうれしいんだろうなと思っている。もう相手の撤退は諦めたほうがよさそうだ。仕方ないから話を聞くふりして寝よう。



「……ねぇ、聞いてるの?」
はい、今さっき覚醒したところです、とはとても言えない。説教が始まる訳ではないが、相手を怒らせるのもなんだからだ。俺に関係も興味もない話に付き合わされて、眠くならないはずがない。目覚めさせられた俺は、軽く伸び、相変わらず話を聞く振りをして、返事はしない。頬杖をついていたからか手首が痛いが、そんな痛みでは鼠のいない夢の世界への舟漕ぎは止められない。欠伸を一つ、部室の壁にかかった時計を見る。部活時間は一時間半、あと半時間近く残っている。一時間近くも話を聞き流していたとすると大したものだ。黙々と手首を回し、首を振って眠気を振り払う。
 この手先の俺はパソコンを思うように使えない。指が少なすぎる。一語一語打つのに時間がかかって疲れてしまう。寝ようにもこいつはこちらを見ているようで眠れない。ちょっとミミズでも食ってこようか。こんなだから動物が絶滅の危機に瀕しているといわれるんだろうな。急に登場したポケモンが食物連鎖の均衡を崩してしまったのだろう。今となってはアイアントがクイタランに食べられても不思議ではなくなったがへなちょこな若者が統治していた時は特に酷かったそうだ。野性的に生きることを選ぶやつもだいぶ多いらしいからだろう。数か月前のクイタランによる焼き討ちが響いたのだろうか、ポケモン大好きクラブと自然、及び動物愛護団体もポケモンの被捕食についての考え方で衝突している。この愚かな人間主権の政府は、この事態の処理として市街地や公園など人間のいる公共の場でのポケモン捕食は禁止とした、というか森や洞窟などでのそれを解禁したが、未だ衝突する二つ、三つか? の団体に頭を悩ませている。しかしその間にも、ワタッコは胞子を撒き、ミツハニーは蜜を集め、ビーダルはダム造りに励んでいることだろう。蜂蜜業者は苦しいだろう。
 さて、いい加減に声掛けてやらないと可哀そうだ。適当に頷いてからこの回想に入ったため相手が再び話し込んでいるかよく解らないが、今のところ声は聞こえない。つまりだ。状況が結構ヤバい。こういう時は謝るしかない。キモリから進化するのに必要不可欠な経験で身に付いたものだ。
「ごめん」
「いいよ」
「あまりつまらんかったもんで」
「ひどーい」
彼女は俺の肩あたりをバコバコと殴っている。異様に華奢な腕から放たれる攻撃は大して強くないものの、連撃はこたえる。
「で、答えは出たの?」
「何の話だ」
「え? 私と付き合ってって言ってたの、覚えてない?」
「いつの話だよ」
「小二か小三くらいだったかな」
もうその頃学校での記憶は今の勉学に必要な公式やら漢字やらを除くと、両手でも余るほど、いや進化したからそんな事は無いかもしれない((キモリの指は3本、ジュプトルの指は2本))。だが、それくらいの思い出だけしかない。
「あの時、小学生らしくない顔で悩んでたじゃん」
記憶にあるが、あの年は、確か父母が別居して情緒不安定だったと思う。でも今ここに正常でいられるのは母のおかげだと感じている。おそらく傷付いていて何も考えたくなかった頃だっただろう。悩んでた事もこれからどうしようかと思案していたからだろう。
「俺はそん時別の事で悩んでたから、そんなことは覚えていないし、聞いていなかったはずだ。しかもなんで今更」
「知りたいからよ、そんなことより答えてよ」
「数分くれ、その間にまとめる」


「俺はトカゲで、お前は人間。全く違う見た目で、繁殖組((タマゴグループ))も違う。そんな奴と付き合ったところで、どうなるのかは目に見えている。同組同族できっとお前に見合う良い奴が見つかるはずだ。お前の人生で今は一欠片かもしれんが、この先を棒に振るつもりはないし振ってほしくもない。もっと考えろ。お前の、お前自身の為に」
「フっちゃうんだね。私は本気なのに」
彼女の顔が赤くなり、目許にはうっすらと水がたまる。
「俺は別に冗談だと思ったわけでも、冗談で言ったわけでもない」
「それでも、私は嬉しかったの。析がいじめっ子から私を助けてくれた時、一目惚れして。私だって考えたよ、こんなのおかしいって。でも、析は正義感が強くて、誰とでも平等に扱って、いいとこばっかで。とにかく私には析しかいないの。ねぇ、わかってよ」
一筋水が垂れ、次第に嗚咽が混じり始める。
「そうか。だが告白には応じられない」
「じゃあ、あの公園に、今日の六時に来て。待ってるから」
目を腫らした彼女はそのまま帰ってしまったようだ。鞄を自分の席に置いたまま。届けに行くのは気が引けるが、奴の家にいちばん近いのは俺だから仕方ない。


 女子の荷物を持ったまま自分の家に入るのが何となく気恥ずかしいが、あいにく俺の部屋は窓に面してはない。自然に同化した家というコンセプトらしいが、木の壁にフローリングの床、茶色の中に俺の緑は目立つだろう。なので、ポケモンには無用な制服はここで脱いで、約束の場所に荷物を届けに行くことにしよう。リュックサックなのだが肩紐が葉に引っかかるので、心配だが片手でもっていこう。家から三分、例の公園の真ん中で赤い傘をさした彼女――若菜はそこにいた。
「来てくれたんだね」
「そのために鞄を置いてったんだろ、わざわざ寒い中呼び出して、べとべとの地面歩かせやがって」
「バレちゃった?」
テヘペロの余裕はあるみたいだ。
「で、何の用だ」
「はい、これ」
「……んで、用ってのがこれ」
あまり見ない無地の紙袋の中に、ハート形のチョコレートが、なんと七つも。
「フラれた相手にバレンタインチョコレートか」
「食べてみてよ」
一応食べてみる。甘くて、おいしい。けど目の前がぼやけて……


 ここは、暗いな。腕と、足が縄で固定されてて、声は出せない。喉が痛い、薬か? あのチョコにしてやられたな。
 電気がついた。目の前には、若菜の顔。お前の仕業か。ほかにやるやつもいないが。
「言ったでしょ、本気だって。逃げようとか考えないでよ、こっちにはこれがあるんだから」
何が出てくるかと思ったら、氷。デカイ氷だ。製氷業者にでも頼んだのだろうか。
「ほらほら、抵抗しないのかしら。それともこの氷が怖いのかな」
そんなもの全然怖くない。よく見たら若菜裸だし。それのせいで脱出しづらい。叫ばれたら終わりだ。テンパると目の前のことが分からなくなるんだな。でもとりあえず縄は切れるだけ切っておこう。どこかに隙が生まれるはず、リーフブレードを出せば切れるはずだ。
 彼女はとうとう口を押し当ててきた。舌が差し込まれ、不快にも口で動き回る。長い舌を入れるスペース持つ俺は、それを引っ込めて触らせない。むぅとでも聞こえそうだが、強姦される側からすればもう二度とキスしたくなくなるのはごめんだ。トラウマにしたくはない。
 そして、自分の股の裂け目に指を入れ自慰を始めた。気持ち悪いことこの上ない。見てて吐き気がするという比喩があるが、実際にあるようだ。しかしすぐに飽きたのか俺のスリットを擦りはじめた。他種族の、他グループの自慰を見たからって大した興奮はない。そして、刺激されても声は出ない。確かに快感はある。しかし、雰囲気が俺を冷静にし続けているおかげで、興奮が全く起きない。総排出腔((排泄物、および雄の場合精子、雌の場合卵子が出る場所))をいじっているというだけあって汚いという視覚的な不快感によって、反応しない。
 体のみ感じる快感により顔を出した俺のそれを見てとうとう動きが止まった。棘々しいそれを見て、引いているのだろう。相手は上の空、なんとかチャンスはありそうだ。氷はもう四割方解けている。掃除が大変になるだろう。俺のもすでに納まった。リーフブレードを使うなら今か。
 ……奴に気づかれて弱点の腹の上、氷を乗せられてしまった。力が奪われ、行動が中断される。俺のが舐められ、口に含まれる。暖かいものに包まれると本能的に硬くなるらしく、若干だがそうなった。彼女が口を離しそのまま強引に腰を近づけつながりかけた時、俺は光に包まれた。


 進化によって体格が変わり、縄からも解かれた。幸い、彼女の部屋は窓に面していたので、そこから脱出した。呆気にとられていた彼女の遅れた叫び声を後ろに、多少の心配をしつつ、凍える夜空の下を走っていった。


 嫌な思いをしながら経験値をためた俺は、それを増幅させる((嫌な思いの方))極寒の帰路を走る。昔はあんな奴じゃなかったのに。氷が乗った腹にはしもやけができ、それが手と足もできそうだ。なんとか家に着いたが、今の自分はかなり不恰好に見えるだろう。落胆が俺を支配する。何とも言えないやるせなさと共にだ。そんな時でも腹が減るようで、母に呼ばれて食事をとる。俺の進化については嬉しいようだが、今の俺を見ては祝う気になれないのだろう。かなり心配されているが、今は話したくない。何かあるようにしか見えないだろうが、今さっき強姦されてまだ精神が安定していないから仕方ない。回復したら謝ろう。


 風呂の中でボーっとしている。告白されたこと、強姦されたこと、進化したこと。今日起こったことがあまりにも多すぎて未だ混乱している。しかしのぼせそうなのでそろそろ出よう。時計によると大体四十分ほど入っていたらしい。いつもの約十倍だ。体に若干の疲れ。ただ、頭と心は十分に休息をとることができた。
「あ、母ちゃん。明日学校休まして」
「あ、母ちゃん。明日学校休ませてくれ」
母ちゃんってのは呼ばされてるだけ。でもこの年で違和感なく言えると考えると結構ありがたい。幼少のころママとかに変えなくてよかったとこれからも思う時が来るはずだ。
「ダメよ」
「強姦にあっても?」
「強姦にあったとしても?」
「嘘おっしゃい。ピンピンしてるじゃない。進化もして」
真っ直ぐいうと伝わりにくい。それが仮に事実でも。
「これでも結構傷付いてんだけど。親身になってくれるもんじゃないの、こういうのって」
「これでも結構傷付いているけど。親身になってくれるものでは、こういうのは」
「あぁ、本当なのね。誰がこんなのに興味を持ったのかしら。しかも逆強姦なんて」
こんなのとはなんだ。わかってもらえてよかったが。
「高瀬若菜、ここから二百メートルくらいのとこに住んでる人間だ」
「本当に? 人間って本当奇妙ね。ヘミペニス知らなかったのかしら。とても人間には合いそうにないけど」
「それで引いてくれたんだよ。裸だったから叫ばれたらヤバいなーみたいな感じで抜け出せなかったけど」
「それで引いてくれたんだよ。裸だったから叫ばれたら終わりだと思って抜け出せなかったが」
「変態ね」
流石は母ちゃん良く分かっている。やっぱさっきまでの緊張が解けると違う。一気に力が抜けた。
流石は母ちゃん良く分かっている。やはりさっきまでの緊張が解けると違う。一気に力が抜けた。
「でも窓から逃げたんでしょ、タイミングあったんじゃない?」
「進化に呆気にとられてくれたからよかったけれども、一歩間違えばそれこそ強姦魔扱いだぞ」
「進化に呆気にとられてくれたからよかったけれども、一歩間違えばそれこそ強姦魔扱いだ」
「テンパってたらしいけどそんなことにはならないから大丈夫よ。でも、明日はちゃんと学校行きなさい」
「わかりました」
逆らえない。


 いつも通り日が昇り、いつも通り準備をする。いつも通りの道を歩き、いつも通り校門を通る。
 緊張、圧迫から解放され、母の励ましもあり、いくらかは立ち直ることができた。
 俺は完全に安心しきっていた。だから
――おい、強姦魔。
そう言われ、目の前を白が雪のように埋め尽くしていく。
そう言われ、俺の意識は途絶えた。
 目の前が雪のように埋め尽くされていく。
 ドロドロのチョコレートは、未だ固まることを知らない。
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世界観の説明で終わってしまった……
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#pcomment


Ver.2.1
Ver.2.2

IP:14.3.104.252 TIME:"2015-02-04 (水) 13:52:48" REFERER:"http://pokestory.dip.jp/main/index.php?cmd=edit&page=%E3%83%90%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%81%E3%83%A7%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%88" USER_AGENT:"Mozilla/5.0 (Windows NT 6.1; WOW64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/40.0.2214.93 Safari/537.36"

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