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トドグラーと青年 の変更点


※人♂×ポケモン♀の官能表現(&color(black,black){SM};)を含みます。
お目汚しとなりますが、以下よりお楽しみください。

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「トドグラー、大丈夫か? ゴメンな、上手く指示出来なくて。」
ご主人の言葉にワタシは、うつむくことしかできなかった。

トドグラーと青年
作者:[[No Name]]

 最近のワタシは調子が悪い。体調が悪いとかじゃなくて、バトルがうまくいかない。ホントなら今の時期野生の環境にいちばん近いのに。そんなだから
「どこか悪いのか?」
とご主人に聞かれた。ひげの先までピンと張ってるのにそんなわけないでしょ、とワタシは胸を張った。そしたらご主人、何を思ったのか唐突に手袋を外してワタシの唯一白いらしい胸からお腹にかけてペタペタとさわってきて。ワタシはただただ恥ずかしさで顔を真っ赤にしてたと思う。ご主人がワタシのお腹の肉を摘まみながら、健康的だもんなぁ、としみじみとして呟いたのがちょっと複雑だった。いつも通りに頭を撫でられると何もかも吹っ飛んでくんだけどね。このちょっとした時間が幸せ。ご主人の温もりが何より暖かい。

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 僕のパートナーはトドグラーだけだ。何でか他のポケモンを連れる気になれない。トドグラーとは今までの人生の半分を越えるほど長い付き合いだから、トドグラーがいない生活を想像できない。トドグラーだけでいい。むしろトドグラーじゃなきゃダメなんだ。
だから、トドグラーが不調でとっても心配だった。何かあったんじゃないか、そう思うとつい焦って。指示がおかしかった、とずっとタートルネックな友達ーーコウに言われた。お前トドグラーちゃん好きだな、ともおまけに言われた。別にいいじゃん、好きなポケモンだけ連れてても。旅とかしてポケモンなんたらとかになりたいわけじゃないし。それに、おまえだってレディアン大好きなくせに。見たんだぞ、おまえが家でレディアンと抱きあってるとこ。遊びに誘われたのに入りづらくて僕は15分外で待ったんだからな。
 きっと彼の好きは僕の好きとは違う、はず。ただ、僕らより少し先を生きてる彼がなぜだか羨ましい。コウの癖に生意気な。
 触診して異常はなかったし、もう少し様子を見ることにした。

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 その日も天気だったので、ご主人と公園で遊ぶことにした。ご主人昼間はガッコーがあったから、ワタシはお留守番だった。そのガッコーでは木の実の勉強をしてるらしい。小さい頃の木の実博士になりたいって夢のために今も頑張ってるのかなぁ。こうしてときどきワタシとご主人は引き離される。だからご主人が帰ってきたらいっぱい甘えようとその度思って、やめてる。3年かそれくらい前、ワタシが進化した時、タマザラシだった時のようにご主人に突っ込んだら、なんかつらそうにしてたのを思い出すから。ワタシはちょっと寂しかった。でもそんな事をお構い無しにご主人ビーチボールを投げてきた。ワタシはそれをすっと受け止めて、鼻先で回す。集中することでご主人のことを考えずにすんだ。すんだって思ってから、何だかむなしくなった。ご主人にワタシを見て欲しい。その思いでちょっとアクロバティックな動きをしてみたけど、周りの人の注目と拍手を浴びただけで、ご主人はワタシじゃなくて地面をじっと見つめていた。ワタシは、ほっとかれてるの? 邪魔なの?
 ほら、撫で方も雑だよ。

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 トドグラーは身体的にいたって健康だった。だからいくら考えても答えは見つからなかった。軽く混乱して家に帰ると、トドグラーは機嫌が悪そうだった。僕が近づいても、トドグラーはこちらを向かずに遠ざかる。やっぱり何かあったんだ。でもそれがなにかわからない。僕じゃ力になれない。それがただ残念だった。申し訳なかった。でも、何をしようにもトドグラーは僕から逃げる。心の中身をごっそり抜き取られた。追ったってダメだった。諦めて布団を被るしかなかった。そのままちょっと泣いた。

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 朝日がないとちゃんと起きれないなぁ。今日は久し振りの雨だった。ワタシは外に出れないのが残念だった。うちにいるのは退屈だった。ベランダにだって出られなかった。窓は締め切っていた。それなのに、こおりタイプなのにどことなく寒かった。そういえば、まだご主人に声をかけてすらもらってない。お昼ごはんも食べ終えてるのに。
 ワタシは這いつくばって移動しても体が汚れそうにないピカピカな床を進んで、ご主人のいる部屋へ向かった。この床も毎日掃除してくれてるんだよね。

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 昨日トドグラーが初めて僕を避けた。いままでなかった。でもはっきりしたのは、トドグラーの不調は僕のせいだということ。もしかしなくてもトドグラーに無理をさせていた。それが爆発したのが、きっと昨日だったんだ。
「なんて僕は情けないやつなんだ」
嘆かずにはいられなかった。まだ何も書けてないレポート用紙をくしゃくしゃにして、僕は自分に失望した。ふと窓を見ると、外は大雨だった。昼間なのに暗かった。僕は窓に近寄った。僅かに届く太陽光の反射が、窓に僕を映した。水滴が、いびつな跡に沿って流れた。

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ご主人の部屋に行くと、小窓の外を見てたそがれているご主人がいた。ワタシはそっと隣に並んだ。ご主人はワタシが来たことに気付いていない。ザーという雨音だけが部屋を支配していた。そんな中でも、ご主人が何かを呟いてるのは聞こえた。
「ゴメンな、トドグラー。ゴメンな……」
ワタシは驚いた。ご主人がワタシに謝っている。見上げるとご主人は泣いていた。服に斑点ができている。ワタシが進化してから泣いたことがなかったのに。ご主人は何を思っているのかわからない。昨日ご主人を避けただけ。たったそれだけで、ご主人は泣いていた。大げさだけど、嬉しかった。ワタシは大事にされてる。ご主人の太ももに頬を擦りよせた。ワタシに向き直ったご主人と目が合う。その目は赤かった。
「トドグラー、ゴメンな。僕が、きっと悪いことをした。しかもまだそれが何かに気づけてないんだ。大事なことのはずなのに、わからないんだ。最低のトレーナーだ。それに……」
ドスッ。ドン。
それ以上は言わせなかった。ワタシの体当たりで尻餅をついたご主人。這い寄って涙の跡をぺろり。しっかりしてご主人。ワタシは大丈夫。ワタシはご主人に愛されてる。それがわかれば、それでいいから。
「許して、くれるの?」
もちろん。ワタシは大きくうなずいてみせた。
「ありがとう。ありがとうトドグラー……」
ご主人に抱きしめられた。撫でられるより暖かいなぁ。ワタシの胸の中でご主人が泣いている。気が済むまで、泣いていいよ。全部ワタシが受け止めてあげる。

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 トドグラーはこおりタイプ。でもトドグラーの胸の中はとっても温かかった。トドグラーは僕をしっかり受け止めてくれた。嬉しかった。僕はトドグラーの正面、正座の体勢に直って言った。
「ありがとう。がんばってトドグラーの気持ちを理解できるようになるから」
トドグラーは笑ってくれている。そのまま僕の唇はぺろっといかれた。トドグラーの顔がほんのり赤い。さっき理解するように努めるって言った。言ったけど、なんか理解しちゃいけない気がする。僕はトドグラーが大好きだ。あのかわいい顔立ちとかぽちゃっとしたお腹とかさ。すごく魅力的だけど、だからといって……というか、そもそも考えすぎだよね。ポケモンが肌を舐めるのは自然なこと、僕が意識するのがおかしいんだ……
ちゅっ
そっか……僕の往生際が悪かったよ。

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 調子にのってちゅうしちゃったけど、なんか恥ずかしいな。それより、ご主人はどう思ってるのかな。ご主人はワタシのこと好き? ワタシは大好きだよ。オトコのコとして。ちょっと離れてみてわかった。ワタシはご主人がずっと好きで、その事に気づけないで。だからご主人の前で変に緊張したり、ご主人のことばかり考えて上の空になったりしてたんだ。でも今は目の前にいる。ちゃんといてくれてる。ご主人の顔がちょっとずつ近づいてきて、ご主人の鼻がワタシの敏感な鼻先とくっついて、そのまま押し込むようにして口付けを返してくれた。オッケーってことだよね! これでワタシはご主人の恋人、じゃなくて恋ポケになれたんだ。ワタシは幸せ。キスは快感。鼻は敏感。ご主人、食べていい? それともワタシが食べられる?
ぐぅー
あれ、お腹鳴っちゃった。そういう食べてじゃなかったのに。
「あぁ、もうこんな時間か。夕飯作んないと。今日はいっしょに食べような。トドグラー」
あぁ、ご主人がいっちゃうぅ。でも外がだいぶ暗くなったし、仕方ないか。

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 僕は覚悟を決めた。言い方は悪いけど。もうあのレディアン野郎と同類なんだ。でも裏を返せば嫌な部分はそこくらいだ。恐ろしいなわが友達。思い返せば散々のろけてやがった。今になって腹が立つ。でも仕方ない。
 いっしょに食べようと言った以上、何か用意しなくちゃ。木の実サラダでも作ろう。そうだ、あれ入れてみよう。ただ、絶対足りないからポケモンフーズも出そう。僕はトドグラーのむっちりした体型が好きなんだ。痩せて欲しくない。

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 久し振りのご主人のごはん、美味しかったなぁ。作るの大変なんだろうけど足りなかった。仕方ないからポケモンフーズ食べてる。ご主人は少食だからあまり食べない。からすぐ食べ終わった。だからといってワタシの食べる姿を中腰でじっと見つめないで。なんか食べづらいから。もう、ニコニコしないで。
 ワタシの視線を理解してか、ご主人はニコニコしたまま去っていった。ようやくゆっくりと食事ができる。とはいったもののあんまり残ってない。ご主人の恋ポケになれたんだ。次のステップに向けて頑張るぞ。ワタシのこの体でご主人をメロメロにしちゃうんだから。そのためにもしっかり食べて栄養をつけよう。

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 そこそこ夜も更けてきたので、寝る準備をする。といっても、布団を敷いて風呂に入って歯を磨くだけ。布団の形を整え、歯ブラシと歯みがき粉を持って浴槽に。時短を考えるとそれが効率よかったから、それが習慣になってた。
ばんばん
体を洗い終えた辺りで、風呂場のドアが粗めに叩かれる。誰、といってもトドグラーしかいない。
「どうした、って風呂場だから体洗うのに決まってるか」
 進化してからは水浴びはさせてもお風呂なんて初めてだなぁ。こんな狭いところにふたりも入るかなぁという僕の心配をよそに、トドグラーは小さな段差を器用に飛び越して入ってきた。何とか入りそうだ。但し、僕が湯船にいればだけど。

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 海にいた私が川に迷いこんでから、どれだけの時間がたっただろう。わかんなくなるほどの長い時間がご主人との絆と思い出をいっぱいにしてた。ご主人と一緒に、起きて、食べて、遊んで。そして今はお風呂を占拠してる。ご主人のママさんとは何度かあったけど、あっつくてやめたし。……そう考えると、ちょっと無謀だったかな。でも来たからには何か。せめて湯船から引っ張り出して全身をまじまじ眺めたい。食事中ご主人がしたように。
「んじゃ、水かけるからね。ちょっと熱いかもしれないけど、水だけひねってるから、十分冷たくなかったら……まぁ我慢してね」
そのまま頭にざばぁと水がかけられた。冷え具合が心地よい。
「毛はないけど、一応ボディソープか」
ご主人が何かしゃべってるけど、外よりひどい雨のせいでよく聞こえない。止まったと思えば今度は泡だらけとなったタオルがワタシに背中にかけられ、ごしごし、ごしごし。そのまま真っ白で退屈な壁を見ながらくすぐったる時間が続いた。

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「後はお腹側かぁ。さてどうしようか」
僕がそう言った瞬間、トドグラーのよく回る頸がこちらに向いた。目が輝いている。これは何かを期待してるな。トドグラーは長いこと僕を想ってたようだし、僕だって期待に答えたくないわけじゃない。むしろ答えたい。でも僕は学生だ。週1登校でも学校に迷惑をかけたくない。でもばれなきゃ犯罪じゃないし。そもそも、今僕が危惧してるのはそんなことじゃない。トドグラーが半回転するには幅が微妙に足りない。これじゃお腹が洗えない。
「ま、とりあえず流すよー」

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「ちょっと厳しいなぁ」
なによぉ、何が厳しいのさぁ! 背中だけなんてダメ。ワタシのお腹も、しっぽの方まで。そしてその過程でワタシはご主人に……。でもご主人は固まってる。こうなったらワタシから……
ごん
「ぐっ」
「だ、大丈夫?」
ワタシはかろうじてうなずく。……な、なるほど。だから悩んでたのか。しかもこれじゃお風呂の縁に遮られてご主人が見えない。しまったぁ。でも、ワタシは諦めない。意地でもお腹を洗ってもらうんだからぁ。
 そうして悪戦苦闘した。なんとか翻ったけど、疲れたなぁ。
「ずいぶん大変そうだったけど大丈夫? じゃ、洗うよ」
ご主人はワタシの心境を知ってか知らずかタオルでなく手で泡立ててお腹を擦っていく。ハアハア息を荒げてみたり、わざとらしく声を出してみたりしたけど、ご主人の表情はあまり変わらない。ペタペタ触られてるワタシだけがそんな気分? そう言えばお目当てのものは、た、タオルで隠されてる。だから素手で、ううっ、悔しいっ! でもよく見ると多少は反応してるんだ、あと、もう一押し!

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 ヤバい。これはとてつもなくエロい。トドグラーちょっと頬赤いし。これは、洗うことそのものに集中しないとまずい。考えるな、考えるな。
……と、なんとか洗い終えれた。ぷにぷにのお腹とか四つの乳首とかもくるものがあったけど尾ひれまわりは特に危なかった。くっ、くぅと鳴くは尾ひれプルプル震えるわで理性が何度も飛びそうになった。いっそ襲いかかりたかった。ただ、物理的に厳しいことでなんとか抑えられた。せめてもっと広いところで。って、そういうことではないでしょ自分よ。

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 ご主人にドアを開けてもらい風呂場から脱出。床にしかれたごわごわタオルでゴロゴロと水気を落としてからご主人の部屋へ。音がしてたからわかったけど、布団がピシッと敷いてあった。汚れと共にすっかり流された計画を、ここでリベンジする。ワタシは布団の中に潜り込んだ。ご主人の匂いでいっぱい。幸せぇ。でもあっつい。でも出ちゃったら相手をしてくれないよきっと。布団から出てもご主人に構わせるには……そうだ!

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 狭いからトドグラーに風呂場から出てもおうとしたけどすっと出てくれなかったからちょっとのぼせた。でも後はもう寝るだけ。うん。寝るだけ。で、今布団を目の前にしているわけだけど。
「グラ」
トドグラーは、枕になってました。枕がトドグラーになったのか? いや、それよりこれどうしよう。布団だからそういうことしよう、なのか枕だからここに頭乗せて寝て、なのか。普通後者だよね。さっきので頭やられちゃったかなぁ。それとも夜だからかなぁ。今までお腹を枕にとか考えたことなかったしなぁ。普通の枕なんかよりずっと寝やすそうだけど、今の僕じゃ興奮して寝れないかも。とりあえずあびれて小さな段になった肉を軽く整えて。あぁすごいフィット感。
「じゃ、おやすみ」
「グゥ」
ドン
「痛っ」
後頭部痛い。起きて見ると、トドグラーもこっちをじっと見ている。明かりも消してないのに。つまりハズレか。意外に惜しいなあの感触。
「どうしたトドぐふっ」
太い三本の尾ひれで胸元を殴られました。痛いです。 手早く首近くに鋭い牙があてがわれ、抵抗もできません。僕、殺されるの? しかもトドグラーに?
……赦されてなかったか。君の望むトレーナーになれなくて、ごめん。

目を瞑った刹那、トドグラーの牙が破った。
……パジャマの襟を。

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 ワタシがどう脱がそうか悩んで、結局引きちぎったのを見て、ご主人は笑った。泣くほどじゃないでしょ。
「破んなくてもいいのに」
ワタシは頭をナデナデされて、目元を緩めた。そのまま背中を抱かれて横倒しにされる。ご主人、顔が近いよぅ。&ruby(いと){愛};しすぎてすぎて恥ずかしすぎて目を瞑っちゃうワタシを許して。ワタシは抱き締められてそのまま顔から電気を流された。こうかはばつぐん、頭が幸せと快楽にジャックされる。弛んだ口に舌が入れられる。ご主人は唾液まで素敵なんだね。おいしい。舌も食べちゃいたいと、味わううちに絡み合って。
終わりになって惜しくなる。銀糸の粘りでは弱すぎるから、ワタシたちの愛に耐えるようなもっと強いつながりを。
「とりあえず、脱ぐよ」
ご主人の肌が&ruby(あらわ){露};になる。顔や腕より白い肌に茶色い乳首が映える。味わい甲斐がありそうだなぁ。あ、腹筋割れてたんだ。
「下も脱ぐ、よねぇ」
ご主人は2度ほど深呼吸をすると立ち上がってズボンとパンツとを下ろした。露にされたご主人のにワタシの本能が疼く。これから、あれがワタシの中に……ホシイ、ホシイ!
「どっちが先にやる? って僕じゃ返事聞けないよね。先に攻めたい?」
ワタシは大きく頷いた。まずはご主人を味わい尽くす。

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 目がギラギラしてるなぁ。やっぱり僕は求められてるんだね。なんか複雑だけど。ひんやりした布団の上で寝そべっていると、トドグラーは僕の右側で同じように横になる。トドグラーの丸っこい顔が目の前に、ゾクゾクしてきたなぁ。まずキス、なのかな。トドグラーの顔が蛍光灯と重なる。タイミングはトドグラーに委ね、視覚をシャットアウト。信じてるから、怖くない。ひげが当たってくすぐったいと思いつつ待っていると、瞼にベタっとした感触。目からくるとは。多分もう目を開けられない。開けてはならない。トドグラーは上体を乗り出したのか肺を圧され呼吸が難しくなる。目を拭おうとした両手もトドグラーの短く力強い腕に押さえられた。もう、動けない。顔を舐めまわされる。トドグラーに染められていく。聴覚から、嗅覚から、トドグラーの唾液は僕の頭を壊しにかかる。トドグラーの攻撃が頬に向かうにつれぬちゃ、くちゃ、と音は大きくなる。耳を食まれたら、僕は耐えられなかった。
……はぁ、ぅぁ
 まだ機能する反対の耳がとらえたのは、汚ならしい男の嬌声。わずかだったけど、あげてしまった。削られる、僅僅の理性。僅僅の自尊心。トドグラーは止まらない。解放されても終わらない余韻。反対側も口腔の中。暑すぎる吐息に、舌が添えられる。初めてで、まだ顔だけ。時計なんか見えるはずもないけど、もう二十分はたった、気がする。口はつむるのが精一杯。鼻息は荒く、吸えば粘っこい麻薬が体を蝕む。被虐心ばかりで酸素は足りてない。もう最低限の機能が残っていればいいや。どうせろくに頭なんて働いちゃいないんだから。

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 ご主人はワタシのもの。この体制だとそんな気分になる。さっきから腕に力が入ったり、ワタシの乗っている辺りがピクピクして、なんか可愛い。そんなに感じちゃって、まだ十分も経ってないのにもつのかなぁ。そろそろ首に移ってもいいかな。ご主人は首もおいしいんだろうなぁ。じゅる。
ぬわぁっ
あ、ご主人気持ちいいんだ。声もなんか高いし。のどのがたつきが、震えがベロを通して伝わってくる。ご主人を刺激してる。ご主人がよがっている。雌として冥利に尽きるなぁ。でも、同じような動作じゃあえがないか。目も口もきゅっと瞑っちゃって。我慢してるご主人可愛いなぁ。でもこれならどう。ワタシの牙、首にちょっと刺さるよ。
ああぅ
きゃぁ、怖くないのかなぁ、首に牙なんて。ワタシは信じられてるんだね。ご褒美に、&ruby(マーキングして){首の皮吸って};あげる。
あぅ
すごい、ホントに跡ついたよ。レディアンちゃんの言ってたことはホントだったんだ。次はどこをいじめようかな。

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 首を噛まれたとき、どこかで悦んでる自分がいて恐ろしくなった。でも快感だった。快楽だった。性欲って恐ろしい。トドグラーになら、なにされたっていい。肝心の部分にはいまだに触れられた気がしない。気がふれそう。今度は肩噛まれた。かみあといくつつけてもらえるかなぁ。いつまで舐めまわしてくれるかなぁ。瞼の裏に鮮明に映るトドグラーに呟いていた。狂ってきた。早くイきたい。本能までももうみじん切り。危険信号は、感覚を敏感にさせるだけ。身体中が、性欲の支配を受けた。だからといって、発散できるはずもないから、悦び堕ちる無限ループ。
やぁ、あぁっ!
トドグラーに乳首を食まれて、僕は雌になった。もうがまんしない。あとは、とことん堕ちるだけ。

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とどぐらぁ
 ご主人が、なまめかしい声でワタシを求める。ご主人が恥ずかしげもなく欲まみれ願いを部屋に響かせるたび、ワタシの嗜虐の芽生えが少し成長する。もっと聞きたい。もっと鳴かせたい。だから舐めて、食んで、噛んで、ひたすらに。イきたい、イかせてって呟くのをスルーしつつ、身体を下降する。ワタシのリーチが短いから腕は解放した。ご主人のビッタビタのモノを尾ひれで刺激しないために胴体からは降りている。でも腕は動かないし上体もびくびくするだけ。当然目も瞑りっぱなし。まだ乗られている、支配されてるってご主人は錯覚してる。だらしなくヨダレも垂らして、心も体も壊れちゃったかな。でも大丈夫、安心して。こんな素敵な&ruby(おもちゃ){ご主人};、壊れたってすてたりしないから。
 股間にはあえて触れずにこんどは太ももへ。我慢汁も付いて、食べがいがあるなぁ。

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 とどぐらぁ。もうイかせてぇ。もうおがぢくなっちゃうぅ。あとちょっとだからぁ。うちまたぺろぺろだけじゃやぁ。あぁ、ごめんなさいごめんなさい。おねがいだからやめないでぇ。ひゃん。もっとぉ、もっとかんでぇ。もっといぢめてぇ。はぇぇぇ。ああ、あぁあぁ、イっ! な、なんでぇ、やめないでぇ。おねがいだからぁ。もうイカせてぇ。おねがいします。ど、どうかもうにゃん! ううぅ、ああん、もっと、もっとぉ。とどぐらぁ、おねがぁぃ、だからぁぁ。はぁぅ、いやぁん。あぁ、ごめんなさい、やめないでくださいぃ、もっともっどいぢめてぐだざいぃぃ。きゃ!  うぅぅ、ひゃぁぁ……

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 ご主人、もうおかしくなってるね。敬語だし、おねだりしっぱなしだし、おもいっきり泣いてるし。そろそろお楽しみといこうかな。トラブルかなんかで棒から水が溢れて止まらない。でもこういうときってさぁ、叩けば直るよーねっ!
ぎゃぅ
あれ、でもこの前ご主人は何回も、何回も、何回も叩いてたよね!
きゃ、あ、あ、あああぁぁぁ!
精液が堰を切って溢れる。あっついなぁ、と思いながら少し浴びて。ミルクに見えてしゃぶりついた。勢いが衰えない。粘っこいご主人を強引に飲み込んでいく。おいしいよ、もっと飲ませて。ワタシの希望通りにことは運んだ。吸えば吸うだけさらに出てくる。一分間出続けたかなぁ、沢山出したねぇ。
 とりあえずご主人起きて、交尾するよ。ご主人を揺すった。ご主人は一瞬目を開け、寝返りを打ってそのまま寝入ってしまった。揺すったって突っついたって起きようとしない。そしてご主人は鬱陶しげにワタシを手で払い除けた。ワタシはひどく後悔した。やり過ぎた。ご主人のことを全く考えないで自分だけ楽しんじゃった。ごめんなさいご主人、ごめんなさい……ワタシは泣いた。苦しみながら、泣きじゃくった。

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 うーん、朝か。たしか昨日は……やっぱやめよう。あんな姿思い出したくない。とりあえず目を開けよう。体もひどいことになってるだろうな……あれ、布団なんて被ったっけ。あっ、じゃあ布団は、下が……あれ? いかがわしい記憶もひどい臭いもある、けど体は綺麗だ。布団まわりは少し濡れてるけど、掛け布団にはそんな様子ないから夢精した訳でもないらしい。となるとトドグラーは? あ、あれ? トドグラーがいない。
「トドグラー、トドグラー!」
なんか嫌な予感がする。探さなきゃ! 服を着て。
 ……家中探してもいないなんて、トドグラー、出てったの? じゃあ早く見つけないと!

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 今日は雪なんだ。しかも積もってる。天気予報は外れたんだね。川は、こっちだっけ。故郷のみんな、元気にしてるかなぁ。恥ずかしながら、ワタシは帰ります。外の世界は楽しかった。反抗してでも行ってよかったよ。怖いとこなんかじゃない。そこで大事な人もできた。でも、その大事な人を傷つけた。取り返しがつかないことをしたんだ。逃げるようだけど、ワタシにはご主人といる資格なんてないから。未練はある。でも、後悔はしない。ご主人、どうかワタシのことを忘れて。人間として、幸せになって。雪が降ってよかった。車も来ないし、ワタシが外にいても大して怪しまれない。橋が見えてきた。覚悟、決めよう。

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 なんでこんな時に限って雪なんだ! 足がとられて、早く進めない。トドグラーはどこ!? トドグラー見ませんでしたかー!
 意外に目撃者が多い。雪かき中に見かけたのかな。で、この方向って……

……川だ。俺を残して行く気だ! 橋は、見えた!

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「トドグラー!」
ご主人! ううん、ダメダメ。ご主人を困らせないためだ。早く、いかなきゃ。
「ぐらぁぁあ!!」
どぼん
ご主人、ごめんなさい、さようなら。お幸せに。
「トドグラーーー!!!!!」

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 ホントに帰る気だとは。でも、僕は諦めない。トドグラーと、一生一緒に暮らすって決めたんだ。トドグラーぐらい、捕まえて見せる!
ざぶん
増水した川は濁ってよく見えない。でも、まだそう経ってない。だから、そう遠くへは……!
「トドグラー!!」
見つけた! トドグラーもこっちに気付いた。あれ、体が動かない、あともう少しなのに。こんなに冷たかったんだ、この川。

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 病院に着いた。ご主人を助けて!
「……緊急です! 毛布を用意して!」
ご主人を、お願いします。
 しばらくしてご主人にあてがわれた病室に、レディアンちゃんと、そのご主人のコウさんがやってきた。一時間は経ったが、まだご主人は起きそうにない。
「トドグラーちゃん。おはよう。とりあえず、命に別状はないらしいな」
ワタシは頷く。
「うん、でもご主人、起きないよぉ……」
「落ち着いて、まず泣き止もう」
「レディアンちゃん……無理だよ。だってご主人、冷たくて、寝っぱなしで、動かなくて」
「心配なのはわかる。でも、あいつは大丈夫。疲れて寝てるだけだ。いずれ起きる。まぁあいつが死んだら俺が」
ばっしゃぁー
「ふざけないでコウさん! 今度ふざけたら水鉄砲ぶつけてやる!」
「もうやってるって。私が守ってなきゃ当たってたって。それより、なんでトドグラーは川にいたの?」
「言いたくない。関係ないでしょ。」
「まぁ何があったか知らんが、あいつのそばについてやってくれ。あいつには悪いが、あいつの生き甲斐はお前だけだ。お前がいなくなれば、多分あいつは死……」
ガチガチ
「死ぬって言うなこのぉ! 次死ぬって言ったら凍らせてやるぅ!」
「だからやってるって。身代わりしてなきゃ危なかったって。しかも彼悪くなかったって」
「だ、だってぇ」
「いいか、続けるぞ。だから俺はお前にはいなくなってほしくない。勿論、無理してまでいてやる必要はない。だが、これだけは言っておく。迷惑はかけるもんだ。お互いに迷惑かけて、助け合って生きてんだ。もしお前が、お前自身のためじゃなく、あいつのためにいなくなるんなら俺たちは全力で止める。迷惑かけて、わがままやって、助けてやるのがパートナーってもんだ。そうだろ?」
そ、そうなの? でもそういえばご主人、私を追いかけて来たんだよね。迷惑かけられてでも、ワタシといてくれるんだよね。
「ありがとう、元気出たよ」
見上げると、ふたりはすでにふたりの世界にいた。イチャイチャしないでよ。でも、泣き止まないけど落ち着いた。ゆっくり休んで、ご主人。

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「ううん、白いな。ここは、病院か」
「ぐうー」
ああ、トドグラー。心配してくれたんだ。またあえてよかった。泣いてくれてるね。よしよし、と背中をさすってあげた。
「起きたか、タク」
「コウ! ありがとな。それに、レディアンも」
ふたりは笑いかけてくれた。
「カッコよかったぜ。極寒の川に飛び込んでまで追いかけるなんてさ」
「茶化さないでよ」
こうしてまた笑えるんだね。真冬の川に飛び込むなんて下手したら死ぬし。
「それじゃ、もういくわ。二人とも仲良く幸せにやれよ。トドグラーちゃん、じゃね」
「トドグラーじゃーねー」
「あ、おい、コウ!」
ふたりは手を振ってそのままいっちゃった。後でちゃんとお礼しないとね。
「トドグラー、ごめんね。後片付け、全部やってくれたでしょ」
トドグラーは顔をあげる。その目はまだ涙を湛えていた。
「あとさ、僕あのあと本番拒んじゃったけど、あれ自爆だったんだ。木の実サラダ、あったでしょ。実は天然の木の実酒が入っててさ。意図的に作ったものだから腐ってたとかいうわけじゃないよ」
トドグラーの涙が止まった。そりゃあ驚くよね。
「僕だってヤりたかったからさ、入れてみたんだ。でもあんまり効果なくて」
まさか僕があんなにマゾとは思わなかったけどね、って小さく笑った。トドグラーも同調してくれる。
「あれ、今思えばそういうものだったんだよ。疲れに効果テキメンって。ピンチのときに能力が上がる木の実だからだろうね。これを飲んで疲れ知らずに動く。体力が尽きて寝ると翌朝スッキリって」
情けないよね。肝心の効果を忘れるなんて。これじゃ木の実でみんなを助けるなんてできないよ。トドグラーすら傷つけて。
「今日は寝ない自信がある。カゴの実は食べるつもりだけどね。だから、今日もう一回ヤろう。本番まで」
トドグラーが大きく頷く。ありがとう。こんな僕に、付き合ってくれて。愛してくれて。だから精一杯のハグをした。
「じゃ、退院しないと」

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 まさかサラダにそんな仕掛けが。木の実隠すなら木の実、全然気づかなかった。で、今日は本番まで、思うと顔が赤くなる。今日はほどほどにしないと。いじめるにしても。でも、あのご主人可愛いかったんだよね。もう一回見たいなぁ。
 帰り道、雪が解けて空は晴れていた。ご主人がちょっと足を滑らせて笑った。首の跡をコウさんのタートルネックが隠してくれてありがたかった。バトルなんてもういいや、トドグラーが技を受けるのを見たくないって言ってくれた。もう故郷に帰ろうなんて思わない。こんな素敵で幸せなご主人との日々、捨てるなんてできない。
 ご主人、ワタシを追いかけて走って、ワタシのために川に飛び込んで、そんな事されたらワタシ、惚れてなくても落ちてただろうね。でも、昨日あんなに出したのにそんな体力はないはずだから、お酒になった木の実のお陰だと思うけどね。なんにしても、ワタシがご主人大好きなのは変わんないんだけどさ。
 そんな事考えながら歩いてたらあっさり家に着いた。

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 とりあえずこのびしょびしょの服を洗濯しないと。コウが置いてってくれた服ーーちょっとデカいのがまた癪だなぁーー返し忘れないようにしないと。お礼ついでに持っていけばいいか。……点々の咬み痕が結構たくさん。気付いてゾクゾクする。皮膚が疼く。
「トドグラー、お腹すいたでしょ。お昼ご飯食べよう」
 ふたりでご飯食べて、ぐうたらして、お風呂入って、気付いたらもう夜中。今日は一日が早かった。何をしててもトドグラーばかりうかんで。包丁を持つ気にすらさせないなんて。手切っちゃいそうだったから。性欲って恐ろしい。そんな感じで頭の中が真っピンクの僕は、トドグラーとヤりたくて仕方がない。だからカーテンを締め切った寝床にトドグラーを誘った。豆電球の淡いオレンジに照らされながら、トドグラーはすぐ来てくれた。官能的な雰囲気に包まれたトドグラーも可愛くて、目が離せないほど魅惑的で。射抜かれる心臓はもう穴だらけ。本能、そして理性までもが、トドグラーの体を、心を求めてる。
 僕はトドグラーを抱き締めた。ありったけの愛とフラストレーションを込めて。
「今度は僕から攻めようかな」

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 ご主人からの誘いにワタシはどぎまぎして。応えるために仰向けに寝転がった。恥ずかしくって顔を見られなかった。鼻を舐められる。体が痺れ、身をよじってもほどけない。離れたと思ったら口が塞がれる。ご主人の舌を求めて差し込む。捕まえるのは簡単だった。そのままゆっくりと楽しんだ。上顎のシワまで、喉の奥まで。ご主人のつばがワタシのに混ざる。それを飲んで、ご主人を体に取り込んでいく。もうどれが誰のかわからない。離されて、舌が残ってるのがわかる。空しさが対価となって。そのままぼんやりとご主人を眺めるしかできなかった。

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ぐあぅ
首からゆっくりと舐めながら下っていって、薄橙の乳首に差し掛かった辺り。望む反応はなかなか得られなかった。おかしいなぁ、僕はあんなになったのに。あと、唾液切れてきたなぁ。でも、ここまでこればいい。敏感な場所が四つ、狙い放題だ。

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 ううん、もどかしい。ご主人が一生懸命なのはわかるけどさ。焦らしと思えるほど感じられてないし、勿論温もりは感じるけど、物足りない。
「やっぱり気持ちよくない? 気分なのかな」
ワタシは視線を下へそらした。悲しませたくない。でも、正直これじゃワタシが虚しい。
「ただ僕もそうみたいで、なんか萎えちゃってたんだ。攻めるのがどうにも楽しめなくて、さ」
確かに、あのときとは悪い意味で比べ物にならない。ワタシが見てると育ってくけど。なんか神秘。それにご主人もそうなんだ。ほっ。いや、安心しちゃだめだけど。
「だからさ、ねぇ」
何故かワタシは固唾を飲む。期待すべき言葉を前に、心音が高鳴る。
ーー交代しようよ。
ワタシのストッパーが、切れた音がした。

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 トドグラーが乗ってくれてよかった。好き勝手いじれても、相手が喘いでくれない。それに喘いだとしても心理的に満たされない、ような気がする。愛は押し付けるものじゃなくて、受け止めるものだから。……美化して言うと。本当は愛が欲しいだけかもしれない。結果的にウィンウィンだからいいけどね。
 トドグラーに乗られ押し倒される。もはや僕はトドグラーのなすがまま、ご褒美と躾をもらう。トドグラーに支配される、愛されるという感覚が快楽の触媒となる。ねだればねだるだけ気持ちよくなれるとわかっていると、プライドなんてあっさり捨てられる。って言いたいけど、そんなはずなくて。お互いが全く動かないまま数十秒間の堂々巡りの末に、折れるしかなかったのだ。
「僕を、いじめてください」
もう、やめられない。

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 ご主人はエッチだなぁ。でも、素直なのはいいことだよね。じゃあまずは首かな。
ひゃうぅぅ
結構力入れたのに、こんなに反応するんだね。そのまま舌で、ねっとりご主人の肌を味わおう。
うぁぅ
一先ずマーキングも完了し、ある程度首は食べたので顔も食べたいなぁ、と舐めはじめればべたべたになるまで舐めて。ご主人ははばからずに鳴いていてもどこか既視感が残って。何か違うことをしてみよう。そうだ、ワタシだって、もっと気持ちよくなっていいよね。

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 体が一瞬軽くなったけど、頭に重石が足される。顔辺りが唾液とは違うような、より水っぽい、より甘ったるい液に包まれる。そのままなんとかその状況を楽しもうとしていたが、段々息苦しくなっていく。不意に口が解放され、呼吸が出来るようになったのに、まだすぐに塞がれる。そんな悶着をしばらく続けていると今度はお腹の方に衝撃。鈍い痛みで思わず目を開いてしまった。水色のしっぽの先の方、濡れた一筋の裂け目が。綺麗だなぁ。トドグラーはそれを期待してたのか。じゃあ応えないと、とゆっくりと舌で表面を撫でる。再び押さえ付けられる。苦しい。だから舐めなきゃいけない。口を塞がれたら舐めろ、と僕はトドグラーの性奴隷としてしつけられている。しつけてもらっている。そう意識してしまうと、もうだめだった。

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 やっぱりこれいい。立場が変わるだけでこんなにも満たされるの。ようやくやってくれたんだから、ご褒美に内股を攻めてあげよう。ほらほら、止まってるよ。ちゃんとワタシに奉仕しなさい。キンタマをちょっと潰して伝えると、ワタシの秘部に振動が伝わり、出始めた我慢汁が跳ねる。これじゃご褒美になっちゃうか。でもおもしろい。
 そういえばこの棒をよく味わったことって、なかったよね。

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 睾丸を潰されて、痛いのに強くしてほしくなるくらい気持ちいい。もっと、と舐めてるとモノに直接刺激が。素直に悦んでると刺激がやみ、トドグラー体がどけられる。
「どうしたの? トドグラー」
トドグラーは横たわり、物欲しそうな目でみつめる。
「本番、してもいいの?」
トドグラーは頷いた。トドグラーから来ないのは、きっとその体の構造のせいで。
「じゃあ、いれるよ」
濡れているからってスッとは入らない。じっくりと、時間をかけるのは当然だけど、狭いからかなかなか入らない。尾ひれがぺちぺちとモノとかに当たって痛いけど、トドグラーにはそんな余裕すらないんだから、我慢できる。
「落ち着いて、力抜いて」
ゆっくりと体をさする。あちらこちらをさすっていく。一番効果があったのは、頭だった。いつもほっこりしてその笑顔に癒されていた。本当に効果があるんだね。緩んだ隙間を埋めるように。深いつながりを求めるように。楔をゆっくりと沈めていく。そして膜の前に、お互い確かめ合う。
「痛かったら、好きに叩いて。体感はできなくても、共有はできる。……いくよ」
少しの抵抗のあとで、すぐにそれがなくなった。叩かれてはいない。でも、楽そうでもない。目尻に涙を湛えているトドグラーに、いとおしさが胸を打つ。 だからこそ、叩いてほしかった。トドグラーの後頭部をさすりながら僕は言った。
「正直、僕はすごく気持ちいい。でもトドグラーはそうじゃないでしょ。我慢してるの、伝わってる。僕はトドグラーにならなにされたって平気だから、その痛みを少しでも僕に分けてほしいな」
肩をおもいっきり噛まれた。僕の気持ち、わかってくれたんだね。

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 痛い、苦しい。何かにすがりたかったワタシは、ご主人の肩にすがった。ゆっくりと頭を撫でてくれてるのがわかる。ゆっくりと入ってくるご主人。心は受け入れたいのに体は拒んでる。ワタシたちとは体が違うってわかってる。でもそんなことでご主人を愛せないなんて嫌だ。早くご主人とひとつになりたい。ご主人の全てがほしい。なにもかも全部。だから、耐えて、ワタシ無しじゃ生きられないって思わせてやる。

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「もう入りきったよ」
泣きながら歯を食いしばっているトドグラーに報告する。僕はただ撫でるだけ。それが僕の数少ない出来ること、だから。しばらくして、肩に痛みがなくなる。
くぅ
弱々しい声でトドグラーはいう。きっと僕の肩が流血沙汰だからだ。でも歯の先端を丸くしてるからたいしたケガじゃない。
ーーありがとう。大丈夫。すぐに気持ちよくなるさ。僕のよりずっと浅くしか刺さってないんだから。
マゾな体質がはじめてありがたいと思った。
「動いていい?」

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 ワタシは首を振って拒否した。ご主人には攻めちゃダメ。ワタシがやるの。ワタシはご主人を巻き込んで無理やりうつぶせに。牙から血が滴り落ちる。ご主人がゾクッとしてワタシの中で動く。動くな、とお腹に力をいれる。なんか、熱い。
「ごめん、耐えてたんだけど」
ワタシを差し置いて一人で勝手にイったのね。お仕置きに攻めてやるぅ。
あぁ、い、いまはぁ
なにも聞こえない。ワタシだって気持ちよくなったっていいはず。だから容赦なく尾を動かす。厭らしい音、弱々しい声。ワタシを興奮させて止まない。
 突然刺激が強くなる。見るとご主人は必死な顔で腰をふっていた。上出来。ワタシのことを考えてくれてる。ワタシも奥が気持ちいい。ありがとうご主人。そろそろイけそう。
ぐっ、ぐぁっ、があぁっ!
あ、あぁ、ああぁっ!
ワタシたちはほぼ同時にイったみたいだった。疲れたなぁ。なんだか眠くなって……

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 はぁ、気持ちよかったなぁ。疲れてる、けど片付けだけはしなくちゃ。トドグラーは寝ちゃってるけど。……どうしよう。動けない、トドグラーを起こさずには。もう、寝ちゃおうかな。電気、つけっぱなしだなぁ。おやすみ……

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 朝、繋がったまま目覚めたふたり。恥ずかしくも嬉しい時間が、通り過ぎていくのでした。

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あとがき
お目汚しすいません、それとお久しぶりです。
前回の官能から懲りずに書きました。不自然であり得なさすぎて、自分でもびっくりな展開です。反省します、努力します。
今年、書けてよかった。次もきっとポケモンの言葉はわからないかな。
&size(5){あと、私の名前の改名案を募集中です。いつまでも被せている訳にいかないので。};

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何かありましたらお気軽にどうぞ。
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IP:183.77.98.31 TIME:"2015-12-26 (土) 23:15:31" REFERER:"http://pokestory.dip.jp/main/index.php?cmd=edit&page=%E3%83%88%E3%83%89%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%81%A8%E9%9D%92%E5%B9%B4" USER_AGENT:"Mozilla/5.0 (Linux; Android 4.4.4; SO-02G Build/23.0.B.1.59) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/47.0.2526.83 Mobile Safari/537.36"

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