どうも、[[チェック]]です。 初の官能作品と言う事で。 まだ途中ですが、ここからですよぉ~ さぁさぁ、いつもと同じ拙い文章の羅列となっておりますよ~ 一応 人♂×ポケ♀ の官能表現がありますゆえ、苦手な方は退場を…。 それ以外の方だけ、どうぞ。 #hr 低い走行音と共に、一筋の光が夜の帳を切り裂く。 その光に照らされるようにして輝いた、路面をフワリと包み込む白銀は、この凍て付くような寒さの理由を解き明かし顔である。 その白銀を削るように疾走する黒いフォルム――『ホンダCB1300 SUPER FOUR』 最も『バイクらしい』形をしており、その美しく曲線を描いたタンクのラインは、見る者のほとんどを魅了するだろう。 そんな愛車に屈むような体勢でまたがっている僕。 4年前に免許の取得と共に、必死になって仕事で溜めた貯金を使い購入したものだった。 4年前の19歳の時、免許の取得と共に必死になって仕事で溜めた貯金を使い購入したものだった。 勿論新車である。 ――こんな山道でも雪って積もるんだ… まあ、ある程度ハンドリングには自信があるし、この程度の雪なら万が一にもスリップなんてありえないだろう。 ただ、気を付けるべきは――目の前の赤いもふもふ。 僕の胸と愛車のタンクの間に体をうずめ、気持ち良さそうに目を細めている彼女。 一般にブースターと呼ばれ、イーブイの進化系の一つである。 ハーフタイプのヘルメットを被っており、横からぴょこんと飛び出ている耳が一層その愛らしさを引き立てている。 しかし、これがまた危なかったりするのだ。 まず、ここは時速100キロを超える速さで駆け抜けるバイクの上だと言うのに、何処にもしがみつくことなく腕をだらんと横へ投げ出していること。 僕を完全に信頼し切ってくれているのはありがたいし、嬉しい限りなのだが…いやはや何とも怖いったらありゃしない。 カーブとか、たーいへん。 そしてもう一つ… この体勢のせいで、必然的にふわふわと揺れる彼女の首周りの体毛が時折僕の鼻をくすぐるのだが、その時に甘いような香りが… つまり、気持を抑えるのが大変なのだ。 どうしても心臓が高鳴ってしまう。 こんな環境下で、よくまともな運転を続けられていると思う。 というより、そもそもこんな季節にバイクを使って帰る事なんてなかったのだが…。 本来なら寒さにてきめん弱い僕は、バイク通勤は夏だけのはずだった。 しかし2年前の彼女の進化により、晴れて冬でもバイク通勤ができるようになった。 …安いんだよ、バイク。 電車を使うよりも安くつくんですよ… だが、ここまで苦労するくらいなら電車の方がいいのではないかとも思う。 または、値は張るのだが車とか… しかしまぁ暖かい。 ポケモンの事についてはあまり詳しくは無いが、ブースターは炎タイプらしく、こうして抱きかかえているだけで冬だというのに全く寒さを感じない。 お陰でこうしてヘルメットのウィンドウを開け放つ事が出来ているのだ。 ――おっと、明かりが見えてきた。 この1つ目の街灯が見えてきたという事は、そろそろ家も近い。 僕の家――と言うよりマンションは、イッシュ地方でもかなり北のほうの町にある。 『街』ではない。『町』なのだ。 そして土日以外は隣街の空港へと働きに出るのだが、その時にはこうやって山を越えるか、地下鉄を使うしかない。 「…おーい、そろそろ家だぞ」 こつり、とその硬質を被った頭を叩く。 いつもはこのときに寝ている事が多いのだが、今日はどうだろうか… 「…ふぇ?」 案の定寝ていた。 おいおい、よだれのあとが… まぁこの風は体温の高い彼女にとってかなり気持ちいいはずだし、しょうがないか。 僕はスピードを上げた。 * * * * 頬を駆け抜ける風が心地良い。 私を運んで行く加速感は、まるで昔のようで―― 頭に響く乾いた音が、私の意識を呼び覚ました。 「…ふぇ?」 と、思わず情けない声を上げてしまう。 まぁ、いつもの事なんだけれど。 そろそろ、家につくようだ。 こんな生活をするようになって、もう2年の月日が経とうとしている。 時間の流れとは何と早いのだろうか… ここで、少しあの時の事を振り返ってみよう。 元々、私はサンダースの父親とシャワーズの母親の間に生まれた、野性のイーブイだったのだ。 小さい頃は、その父親に背中に乗せてもらって走る事でよく遊んでいた。 だからだろうか。私は『速い』という事がとてもかっこよく思えて、同時にどうしようもないくらい憧れでもあった。 そんな私もいつの間にか独り立ちをする年になり、あの楽しかった父親との走りとしばらくのさよならをする事になった。 いや、野性では一度別れてしまえばもうほとんど出会う可能性は無いため、はっきり言うと永遠のさよならに近しかった。 つまり、日に日にスピードに対する欲求が募っていく一方であったのである。 雷の石を探そうとも考えたが、これがなかなか見つからない。 しかし、そんなある日の事。 たまたま通った『ドウロ』とか言う人間の通り道の近くで、ある物体を見つけたのだった。 それには人間――もとい今のご主人がまたがっていて、それはそれはありえないくらいのスピードを出して道を駆け抜けていた。 下手をすれば…いや、下手をしなくとも確実に父親より速いであろうその物体。 かなり魅力的に感じた。 魅入ってしまうほどに。 どうにかして、あれには乗れないものか…などと考えたりもした。 その考えは時を重ねると共に、次第に強くなっていく。 気付いたら、その『ドウロ』へと足を運ぶのが毎日の日課になっていた。 いつも、決まった時間にその物体が現れる事も分かった。 そうして、約1ヶ月ほどたったある日―― その物体が道の真ん中で止まったのだった。 どうしたのだろうか。 そんな疑問が頭をよぎる。 特に人間に対しての恐怖心も持ち合わせていなかった私は、ひょこひょこと近付いてみた。 よく見ると、いつも被っていた被り物を脱いだ人間が、怪訝な表情であの物体とにらめっこをしている。 最初は興味のなかった人間の顔。 しかし、一目見たときにその思いはあっさりと入れ替わった。 野生の、しかもポケモンの私でも分かるほどに整った顔立ち。 すこし眉間に寄せたしわもそこまで深くなく、ハリの残る肌からまだ20歳前後だと推測できよう。 さらに全身を眺めてみると、何度か見たことのある人間と比べても、圧倒的にすらりと伸びた長い足にその高い身長―― 一言で言うと、めちゃくちゃ格好いい。 たぶん、一目惚れだったのであろう。 いつまで彼の顔を見つめていたのかは分からないが、ふとそんな彼と目が合った。 「ん?…どした?」 彼の声。 一瞬にして、時が止まる。 あぁ、正面から見た顔もさらに格好いい… その透き通るような声も、私の気持ちをかき乱す。 全身が火照って言葉が出ない。 ただ、後ろ足だけがかすかに震える。 「…ぁ…ぁぅ…」 やっと搾り出したのは、自分でも聞き取るのが困難なほどに小さい声だった。 みるみる顔が赤くなっていくのが分かる。 「…えっと…大丈夫か?」 「へっ?あっ、はいっ!だ、大丈夫です!」 一体こんなにも緊張したのはいつ以来だろうか。 そんな私の気持ちを知ってか知らずか、彼はニッコリ微笑むと「よかった」とだけ呟いた。 さらに私の心が打ち砕かれる。 なんとか、この空気を換えなくては… 「あ、あの…なんでこんな所に止まっているんですか?」 「あぁ…ちょっとタイヤがパンクしちゃってね…しょうがない、押して帰るかぁ…」 がっくりと肩を落としうなだれる彼。 どうしよう。このままでは行ってしまうかも知れない。 この短いやり取りだけなのに、甚だおかしな話だが、私はどうしてもこの人について行きたくなった。 何とかしなくては。 「す、すいません!…あの、名前だけでも教えてもらっていいですか?」 「へっ?」 目を数回瞬かせてこちらを見る彼。 そりゃあ初対面の野生のポケモンに、いきなり名前を聞かれれば誰だって驚くだろう。 「…リョウ、だけど…君の名前は?」 「私は、フレアって言います」 「フレア、か…という事は、やっぱり女の子だったんだね。将来はブースターになるつもりなのかい?」 「え、あ…まだ迷ってます」 そう、実は親が私をブースターにしたかったらしいのだが、本当はサンダースになりたいと私は思って いたのだ。 しかし、もしこの人と一緒に行くことができたならその必要は無くなってくるかもしれない為、一応は そう答えておいた。 そう、実は親が私をブースターにしたかったらしいのだが、本当はサンダースになりたいと私は思っていたのだ。 しかし、もしこの人と一緒に行くことができたならその必要は無くなってくるかもしれない為、一応はそう答えておいた。 「…よかったら、僕の手持ちにならないかい?」 「…へ?…えぇ!?い、いいんですか!?」 「あぁ、こう見えても僕はポケモンをもって無いくせに何故か炎の石だけは持っていてね…君の役に立つ事ができるかもしれないからさ」 思いもよらない誘いだった。 本当に、こうも人生ならぬポケ生というものは上手くいくのだろうか。 「も、もちろんです!」 当然私の答えはひとつだった。 これが、私とご主人との出会いだったのだ。 * * * * この町で唯一と言ってもいい高層マンション。 その横にある駐輪場に、僕の愛車を停めた。 彼女を両腕で抱え込み、マンション備え付けのエレベーターを使い自分の部屋へと急ぐ。 ちなみに家賃36万円。 独り身にはもったいないが、3LDKだったりする。 どうでもいいか。 しかし、足元が冷えるな。 いくら彼女を抱えているからと言って、流石に足元までは暖まってはくれない。 こういう時は早く暖かいお風呂に入ってしまおう。 やっとのことで部屋へと戻ると、案の定ここも寒かった。 真っ先にリビングのエアコンのスイッチを点け、テレビの前のソファーに彼女を降ろした。 「じゃあ、先にお風呂入っちゃうからテレビでも見ててよ」 「はーい。早く出てきてね?」 いつも通りのやり取り。 僕の幸せの一部。 洗面所にて服を脱ぎながら考える。 はっきり言って、僕は彼女の事が好きだ。 もちろん異性として、である。 さらに言うと、一目惚れでもあった。 2年前のあの日。 初めて出会った彼女のあの愛くるしさといったらもう反則のレベルであった。 どうしても彼女を連れて帰りたくて、そして連れて帰ってしまった。 いまだにこの想いは伝えられていないが。いや、伝える勇気など元から持ち合わせていないのかもしれ ない。 くるりとした大きな瞳も、ふわふわとした毛並みも、口の間からのぞく小さな八重歯も。 それまでに見た事のあったどのイーブイよりも可愛らしかった。 言ったら悪いが、比べてしまうのも億劫になってしまうほどに、だ。 そんな彼女をどうしても連れて帰りたくて、そして連れて帰ってしまった。 いまだにこの想いは伝えられていないが。いや、伝える勇気など元から持ち合わせていないのかもしれない。 そんな事して嫌われたら…と、思うと怖すぎる。 しかし、いい加減この関係も何とかしなくては、な… とりあえずお風呂に入ろうか。 このマンションのお風呂は、タイマーをかける事で自動的にお湯を沸かしてくれるという優れもの。 だから、いつも朝のうちにタイマーをかけてあるのだ。 よって、帰って来たら直ぐに温まる事ができる。 さぁ、シャワーで身体も流したし、やっとこれで温まれる。 ガラガラとお風呂のフタを外し―― ――僕は驚愕した。 あぁ、なんと言う失態だろう… まさか、まさかタイマーをかけ忘れていたなんて… つまり、この濡れた体でこの気温の低い中、この寒さにてきめん弱い僕がシャワーだけで身体を洗うと いうのか。 つまり、この濡れた体でこの気温の低い中、この寒さにてきめん弱い僕がシャワーだけで身体を洗うというのか。 死ぬ。 凍え死ぬ。 現に、先ほどから身体の震えが止まらない。 くそ、しょうがない。 僕は最終手段として―― 「フレアーッ!たーすーけーてーっ!」 彼女を呼んだ。 * * * * えーっと…とりあえず現状報告。 目の前…いや後ろには、腰にタオルを巻いただけのご主人。 そして、何故かそんなご主人に身体を洗ってもらっている私。 お風呂場は、私のお陰か湯気が立ち込めるほどまでに暖まっている。 …いや、どうしてこうなったし。 確か、テレビを見ているところにいきなりご主人からのお呼びがかかって。 確か、話を聞いてみるとあまりにご主人が可哀相に思えて。 確か、私が助けてあげないと…なんて思っちゃったりして。 いやいや、まぁ多少はご主人の引き締まった身体に見惚れていたらいつの間にか頷いて居たって言うの もあるけど… いやいや、まぁ多少はご主人の引き締まった身体に見惚れていたらいつの間にか頷いて居たって言うのもあるけど… しかし、どうにもこの状況はやばいです。 やっぱりどうしてもご主人の事を意識してしまって、心臓の高鳴りが押さえきれない。 だって、ご主人上半身ハダカだよ? …はぁ。 * * * * えーっと…とりあえず現状報告。 目の前には、全身を泡に包まれたフレア。 そして、何故かそんな彼女の身体を洗っている僕。 お風呂場は、彼女のお陰か湯気が立ち込めるほどまでに暖まっている。 …いや、どうしてこうなったし。 確か、とっさの思いつきで彼女に助けを求めて。 確か、自分の失態を話している間僕をじっと見つめる彼女があまりに可愛らしく思えて。 確か、久しぶりに一緒にお風呂に入るのも悪く無いかな…なんて思っちゃったりして。 いやいや、まぁ多少は彼女の濡れ姿が見たかったなんて言うのもあるけど… しかし、どうにもこの状況はやばいです。 想像以上に彼女が魅力的…というか昔よりも『成長』していて、心臓の高鳴りが押さえきれない。 だって、めちゃくちゃスタイルいいし可愛らしいんだよ? …はぁ。 「…よし、だいたいは洗ったけど…前は勿論自分でやるよな?」 まぁ、当たり前の事だろう。 聞くまでも―― 「…あ、洗っても、いいよ?」 ――えっ? ――ふぇっ? しばらく頭の中が真っ白に。 聞くんじゃなかった。 「どうしたの?ご主人、洗うのイヤ?」 「いやいやいや、そんな事は無いけど…本当にいいのか?」 「…うん」 やっぱりどうしてこうなったし。 本当は歓喜乱舞したいくらいに嬉しいのに、何故かとっても憂鬱。 …どんなエロゲなのさ。 「じゃ、じゃあ…」 勇気を出して恐る恐る手を伸ばす。 スポンジ越しに伝わる彼女の身体の起伏。 やべぇ…見た目よりかなり膨らみが… そろそろ下半身が反応を始めやがった。 さぁ、これ以上続けて彼女に失態をさらす前に、早く終わらせよう。 そのために、この手を彼女の股下へ… 「…ひぁ…あぁん」 そんな彼女の甘い声と共に、僕の意識はシャットダウンした。 * * * * どうしてあんな事言ったんだろう。 ――どうしたの?ご主人、洗うのイヤ? やっぱり自分で洗っておけばよかったのに… どうしてあんな声出したんだろう。 ――…ひぁ…あぁん でも、しょうがなかったんだよね。 ご主人があんな触り方するから… そんな事言っても、やっぱりこの結果を作り出したのは自分なんだろう。 結果。 そう、いきなり私の身体をひっくり返して押し倒し、その上に覆い被さっているご主人。 目は何処となくぎらついていて、少し息も荒くなっている。 大好きなご主人と、こんな状態になるのはとても嬉しいんだけど…。 それでも出来る事なら、ちゃんとした意見の合致の下がよかった。 というより、なんだか怖い。 好きなんだけど、望んでいた事なんだけど、怖く感じる。 別に、こんな事をされたからご主人が嫌いになったわけじゃあないけど。 でもまさか、私なんかで人間のご主人が興奮するなんて思ってもいなかったし。 なにより心の準備なんてしてなかった―― 「――っ…んっ…ぅぅ…」 いきなり口に広がる温かさ。 ここまでしてくるって事は、ご主人も私のことを想ってたって事でいいんだよね…。 「…はむ…んっ…ちゅる…」 でも、この怖さは消えることはなく。 それどころか、少し乱暴に感じるせいで一層濃くなっていく。 「…ぷはっ」 突然離れた温かさに少々名残惜しさは感じたけれど、安心の方が大きい。 これ以上はして欲しくない。 ちゃんと、ちゃんとしたところがいい。 お願いだから元に戻ってよ、ご主人―― 「…ぅぁ?…フ、フレ、ア?」 どうやら、いつの間にか私は涙を流していたらしい。 その涙にご主人は気が付いたらしく、やっと私の名前を呼んでくれた。 「あっ…ご、ごめんっ!そ、その…」 今にも泣き出しそうな顔をしている。 そんなご主人を見ていると、なんだかとても悲しくなってきて…。 「…ごめん、な…嫌、だったよな…」 勢いよくドアを開け逃げるように立ち去ったご主人に、私は何も声をかけられなかった。 確かに嫌だったけど、怖かったけれど…。 それと同時に感じていた嬉しさは、決して否定できるものじゃない。 矛盾した気持ち。 どうにも整理が付きにくくて、そんなもやもやを洗い流したくて。 ひねったシャワーから流れてきたのは冷たい水だった。 種族柄苦手だったはずのそれは、このときばかりは心地良かった。 ある程度身体についた泡を流すと、全身に力を込める。 先ほどまでキラキラと光を反射していた水滴たちは、たまらないとばかりに空気中へと逃げていった。 ご主人が丁寧に洗っていてくれていたお陰で、毛並みはさらさらとしている。 そんな些細なことにすら幸せを感じるほど、私はやっぱりあの人の事が好きなのだ。 たとえあんな事をされても、この気持ちにだけは偽りは無い。 ならばすることは一つ。 もう一度ご主人に会いに行こう。 そして、この気持ちを伝えよう。 きっとあの人は私に嫌われた、とでも思っているはずだから。 さぁ、考えもまとまった。 気持ちの整理も出来た。 心の準備も…多分出来た。 これから何が起こるか分からないけれど、なるべくご主人とは前よりも深い関係になれるように…。 願いを込めて、いざ出陣! と、最後の身だしなみチェック。 慎重にね。 * * * * あぁ、どうして僕は―― あんなにも悲しそうな顔をした彼女を見たのは初めてだった。 それだけ傷つけてしまったという事なのだろう。 嫌われた、かも知れない。 いや、確実に嫌われているだろう。 もしかしたら、彼女は出て行ってしまうかも…。 そんな不安だけが僕の身体を支配して。 急いで僕は布団へと潜り込む。 そうやって唐突な現実から逃げ出して、ただただ枕に染みを作る。 情けない。 だけれどそれ以上に怖かった。 ひたすら自分が怖かった。 そんな時、 ゆっくりと部屋のとびらが開いた。 「…ごしゅじん」 何をしにきたのかは分からない。 ただ、きっと僕にとって良い事ではないだろう。 もしかしたら、本当に別れを告げられるかもしれない。 怖い。 深く被った布団を握りしめる手にも、思わず力がこもる。 「…さっきはさ、怖くて泣いちゃったけどさ…でもそれはやっぱり初めてはちゃんとしたところがいいなっていうことで泣いてただけだから…だからその…嫌じゃ無かったんだよ…むしろ…嬉しかったかな」 …へっ? 今、何て…? 僕は勢いよく布団をめくり上げた。 そして、彼女のつぶらな瞳を見つめる。 その顔はいつもよりほんのりと赤くなっていて…この弱々しい明かりの下、一層可愛らしく思えた。 「…つ、つまり…フレアも僕のこと…」 「そう…昔からずっと好きだったんだよ」 ふわり、と軽い足取りでフレアが僕のいるベッドの上へと乗る。 多少硬いベッドであるとは思うが、それでも物音一つ立てずに登るのは彼女の身のこなしの軽さを物語っている。 ゆるりとそんな場違いな事を考えている僕と違って、フレアはと言うと赤らめた顔で微笑みながらゆっくりとこちらへ近付いて来る。 そのまま、互いの息がかかりそうなほど近くまで顔を寄せると、そこで彼女は口を開いた。 「…ごしゅじんも、わたしのこと想っててくれてたんだよね…?」 あたりまえじゃないか。 そう、僕は言おうとしたはずなのに、何故か口が動かなかった。 先ほども感じた感触のはずなのに、今回はどこか違った。 彼女からの積極的なアプローチ。 燃えるような熱を持ったその舌に口腔内を蹂躙され、まるで舌が熔けてしまいそうに感じる。 その事実は、次第に僕の頭にずっと待ち望んでいた喜びを与え、同時にそんな事すら考えられなくなるぐらいの興奮と快楽を植え付ける。 ひりひりして、ふわふわとした、二人だけの時間だった。 どのくらいそうしていたのだろうか。 ぷはぁっ、と二人が大きく息を吸い込んだためにその口は再び離れ離れになる。 多少の名残惜しさは感じたが、僕とフレアとの間を銀の糸が繋いでいるのを見て、なんとなく安心感に包まれた。 幸せ、だった。 彼女の頬に手を置き、先ほど塞がれた言葉をもう一度呟く。 「…あたりまえじゃないか」 にこりと微笑む彼女。 「…じゃあさ、ごしゅじん…つづき…して?」 「ふふっ…あたりまえじゃないか」 もぉ…おんなじ台詞ばっかり、なんて彼女に窘められたが、そのやり取りも楽しくて。 僕は右手を伸ばす。 誰も触れたことの無い、誰も見た事が無いであろうその割れ目は少しだけ湿っていた。 先ほどのキスでここまで興奮してくれていたのか。 これなら前戯は少しで大丈夫そうだな―― そのまま中指をゆっくりと沈めていく。 「あぁっ…ひゃぁん…はいって…くるよぉ…」 いままでずっと彼女を見てきた僕だったが、こんなにも可愛らしい姿は初めて見る。 瞳をとろんとさせているこの表情も、 荒い呼吸と共にみえる小さな八重歯も、 少し指を挿れただけできゅうきゅうと締め付ける膣内も、 いつもの声より少し高い喘ぎ声も、 どれをとっても、こんなに可愛らしいことはなかった。 もっと見たい。 でも、決して彼女への優しさを忘れないように…だが。 いったん指を抜き、彼女の身体を抱えて仰向けにする。 改めて見てみると、実に綺麗なピンク色の割れ目。 その上に見える小さな突起を試しにつまんでみた。 「ひぁぁぁっ…あぁぁ…くっ、ひゃうん!」 がくがくと四肢を震わせながら必死で快感と戦う彼女。 すでに愛液はとめどなく溢れ出しており、シーツに少しずつ染みを作っている。 ここで、しばらく暇だった左手を彼女の胸元へと持っていってみた。 タオル越しとは違い、直に感じるこの軟らかさに少し狼狽してしまう。 右手を動かしながらのこの動作はなかなか難しくもあったが、やっと左手に捕えたもう一つの突起。 これで右と左で一つずつ、上下の突起に快感を与えることができる。 「やぁぁ…はぁぅぅ…」 尻尾を左右にパタパタと振りながら、いまにも達してしまいそうに喘いでいる彼女。 それでは、そろそろ楽にさせてあげよう。 僕は右手を割れ目から離し、次は顔を近付けた。 ヒクヒクとかすかに震えるそこからは独特な香りがしたが、そんな事は気にも留めずに舌を這わせる。 することの無くなった右手は、とりあえずもう片方の胸の突起を担当する事にして、この3ヶ所を一気に攻め立てた。 「いぃっっ…あっ…はぅぁぁっ…きゃっ…きゃぁぁぁぁっっっ…イクぅっ…イッちゃうよぉぉぉぉぉぉぉっっっっっ!!!」 突然の猛攻撃に耐えられなくなった彼女は、ついに限界を超える。 そして、大量の愛液が噴き出すその一瞬前――僕はこの口で彼女の割れ目を覆った。 どんどん口の中が愛液で満たされる。 何とかそれらを全て飲み込み、そこで僕は口を離した。 決して不味くない、癖になる味。 「あぁっ…あ…はぁっ…はぁっ…」 よほど体力を消耗したのだろう。 彼女はぐったりとしてしまい、荒く息を吐いていた。 しばらくそのまま時間が過ぎる。 さすがに初めてなのにやりすぎただろうか。 「…フレア?…大丈夫か?」 「…うん、だいじょうぶだよ」 気丈にもそう言って彼女は立ち上がりゆっくりと僕に近付くと、僕のズボンと下着を脱がせた。 弾かれるようにしてそそり立ったそれは、自分で見ても驚くほどに大きくなっていた。 そんなモノをまるでアイスキャンディーのように一舐めすると、彼女は微笑みながら口を開いた。 「だから…つぎはごしゅじんのコレできもちよくしてほしいな」 そして、ころんと仰向けになる。 再びさらされたその割れ目に、自分のモノがさらに反応した。 「…ほんとうにいいのか?」 「…おねがい、ごしゅじん」 しばらく互いに見つめあった後、僕は恐る恐る彼女に覆い被さる。 「…じゃあ、いくぞ」 くちり、とかすかな水音を立てて互いの性器が触れ合った。 それだけだというのに、確かな熱が伝わってくる。 しっかりと狙いを定めゆっくりと腰を沈めるが、予想以上に締め付けが激しくすでに達してしまいそうだ。 そうして悪戦苦闘しながらもゆっくり進み、丁度半分くらいまで挿れたところで突然壁に突き当たった。 これが彼女の初めての証―― ふと、彼女の顔を見つめると瞳が合った。 こくりとうなずき、僕に先へと進むように促す。 せめてなるべく痛くないように、と大きく息を吸い込んだ後、僕は残りの肉棒を一気に挿しこんだ。 「くぁぁあああぁぁぁああぁぁあぁぁぁあぁっっっっ!!」 ゴムの弾けるような音と共に響き渡る彼女の絶叫。 結合部からはわずかに血が流れ、その顔はギュッと瞳を瞑って痛みに耐えていた。 「ごめんな、大丈夫か」 「あぐぅっ…だ…だいじょうぶだから…それよりも、やっとごしゅじんとひとつになれた…」 涙を流しながらも必死に笑顔を作る彼女。 それなのに、言葉をかけることしかできない自分が情けない。 痛みが引くまでしばらくじっとしておく。 その全てが挿入った訳ではないにせよ、自分のモノから伝わる快感は半端なものではなかった。 蠢く柔らかな膣壁。 ぴったりと吸い付いてくるそれは、とんでもなく熱くて―― 「…そろそろうごいてもいいかな」 「そうか?…あまり無理はするなよ?」 「うん…ありがと、ごしゅじん」 僕はゆっくりと腰を引いた。 「はぁぁっ…ひゃんっ」 「うっ…うぁぁ…」 同時に声を上げる。 説明していなかったが、実は童貞の僕にとってこの快感は大きすぎる。 まさに未知の領域。 腰を振るスピードもどんどん速くなっていき、それに比例して互いが得る快感もどんどん大きくなっていく。 次第に頭の中も真っ白になって、ただ残るのは動物としての本能だけだった。 がむしゃらに、 むさぼるように、 もとめるように、 必死になって腰を振る。 いつしか、彼女も一緒に腰を動かしていた。 結合部から漏れるいやらしい水音や立ち込める香り、辺りに飛び散る愛液も気にならない。 ただひたすらに、嬉しかった。 彼女とひとつになっているという事実が、どこまでも嬉しかった。 「あっ…あっ…はぁっ…ひゃうっ…ふぁぁっ…おくにぃっ…あたってるぅぅっ…」 「はっ…はっ…はぁっ…そろそろっ…外にだすぞっ…」 もう限界が近かった。 このまま膣内に射精してしまいたいとも思ったが、さすがにそれはまずいだろう。 そう、残った理性をかき集めて考えた言葉だったが、彼女はそれを否定した。 「…やだっ!…なかにだしてぇっ!…あぁぁっ…ひゃぁぁっ…ああぁぁぁああぁあああぁぁぁああぁっっっっ!!…イッひゃううぅぅぅうぅぅぅううううぅぅっっっっっ!!!」 「えっ!うそっ、オイっ!!…くあぁぁぁああぁぁああぁあああぁぁぁぁああぁっっっっ!!!」 思いっきり抱きしめられ、彼女から離れられなくなったところでの急激な締め付け。 僕にとって耐えられるはずも無く、あっさりと限界を迎えてしまった。 「はぁぁぁっっ…ごしゅじんのあついのが…わたしのなかにたくさん…しあわせだよぅ…」 どくどくと波打つそれはしばらく止まる事が無く、ぽっこりと彼女のお腹を膨らませた。 僕自身もしばらくは射精の快感に浸っていたのだが、それも収まってきた頃に急に理性が戻ってきた。 あーあ、なかにだしちゃったよ…どうしよ。 「…なぁ、本当にだしちゃってよかったのか?」 「うん…わたし、ごしゅじんとの子供ならべつにいいよ」 随分と息も整い、にっこりと笑顔を見せる彼女。 …うん、やっぱり可愛い。 確かに、僕の方からも彼女との子供なら望むところだ。 それどころか、とても嬉しい。 ずるりと音を立てながら肉棒を引き抜くと、彼女の性器から白く濁った液がコポコポと溢れ出る。 お互いにベタベタだが、それを気に留める様子も無く僕らは抱きしめあった。 「…じゃぁ、子供の名前、考えておかなくちゃな…ありがとう…」 「…ごしゅじん…大好きです…」 もう一度唇を重ねた―― * * * * ふと目が覚める。 朝の日差しが容赦なく差し込み、嫌でも僕の意識は叩き起こされた。 ――あれから一体、何回やったんだろうか。 そう、結局二人とも疲れ果てて途中で眠ってしまったらしく、部屋中ガビガビになった染みと香りとがいまだに残っていた。 しかし、とうの彼女は僕と抱き合うような形ですやすやと寝息を立てている。 よく寝るなぁ…可愛いからいいけど。 「…ぅぅん…ごしゅじん…」 かすかに聞こえる彼女の寝言。 …僕の夢でも見ているのだろうか。 さて、先に起きてご飯でも作っておいてあげるかな。 そう思い身体を起こそうとするが、突然下腹部に違和感を感じた。 「――うっわぁ…まだ繋がってたんだ」 どうしよう、もし抜いてしまえば彼女は起きてしまうだろうか。 まぁ、ゆっくり抜けば大丈夫かな―― 「…ふぇ?…ぁ、ごしゅじん起きてたの…?」 ダメでした。 あーあ、せっかく可愛い寝顔だったのに起きちゃった。 なんだかすごく残念…。 「あぁ、起こしちゃってごめんなフレア。まだ繋がってたもんだからつい…」 「繋がって?…っ!そ、そういえばわたし昨日ご主人と…」 ボンッと音がしそうなくらいに顔を赤らめる彼女。 そこまでされるとこっちもハズい。 何故か両方共が互いを意識してしまって、つい顔を逸らしてしまう。 「あ、あのさ、今から僕ご飯作ってくるからちょっと待ってて」 でも、そんな反応すらもなんだか嬉しかった。 「…それはありがたいですけど、ご主人…もう11時ですよ?お仕事はいいんですか…?」 ――えっ!? 確か、仕事が10時から始まるから…もう11時って… 完全に遅刻じゃねぇぇかぁぁぁっっ!!! 「えぇぇぇぇっっっ!!ヤバイッッ!フレア、急いで準備してくれっ!!」 「はーいっ!急がないとですねっ!」 なんかすっごく嬉しそうな彼女。 尻尾まで振って、そんなにも楽しいのだろうか…? だとしたら、地味にショックだった。 * * * * あれから一週間。 一応ご主人は会社のみんなに迷惑をかける事はなかったが『社長の大幅遅刻伝説』として、いまだに親しい社員からイジられることがあるみたい。 もともとフレンドリーな雰囲気の会社ではあったのだがそれでももうちょっと社長を敬おうよ皆さん! そんな愚痴を最近よく聞かされている。 まぁ、ご主人もそんなに嫌がってはないみたいだけどね。 あっ、そういえば言い忘れてたけどご主人って実は社長さんなんだよね。 まだ23歳なのに凄いと思う。 しかもその会社は、イッシュ地方の航空のシェアを80%占めているらしい。 …私はそんな人の社長夫人になるのかな。 あれから毎晩身体を重ねてはいる訳だし、さ。 ほら、今日だって―― 思えば、ご主人と出会うきっかけはあのバイクだった。 バイク。 そう、スピード。 だから私たちも一緒に輪になってさ、気持ちよくこれからを走って行きたいと思う。 どんどんスピードを上げながら、 ただひたすらに幸せを目指して。 そんな二人だけのツーリングをさ、これからもずっと続けていこうよ―― 「――ねっ!ご主人!」 ~fin~ #hr ~あとがき~ …ゴメンナサイ。 世界中のブースター好きさんへ。 やっぱり官能は慣れないっ! 最後の方はどうしても展開が速くなるのはクセですね。 それに、タイトルとの関連付けが無理やりすぎる… 分かっていても…ねぇ。 さらに、散々皆様には官能官能と言いふらした挙句このクオリティ… っていうか短いっ! 色々と読みにくい上に短いっ! うぁ~誰か私に素晴らしき文章力を分けて… …まだまだ精進あるのみ、ですね。 最後に皆さん、ここまで読んでくださってありがとうございました。 次回もどうか、期待せずに待っておいてやってください! 意見や指摘など、どうぞ。 #pcomment IP:113.20.237.98 TIME:"2013-03-09 (土) 22:37:59" REFERER:"http://pokestory.rejec.net/main/index.php?guid=ON" USER_AGENT:"Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; BTRS123387; SIMBAR={D42E4EAD-6365-11E2-94EE-00A0B087790A}; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.0.4506.2152; .NET CLR 3.5.30729)"