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シャドウ・ハンター 第2話 の変更点


~はじめに~
こんにちは!下手っぴ小説家のプテランです(笑)
今回七作目は『アーケオスの学校生活』のリメイク版(小説版)です。
この作品は&color(green){台本小説と話の展開が異なってきます};。それでもいい方は是非読んでください。
お願いします。By[[プテラン]]

~[[シャドウ・ハンター 第1話]]~

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  &size(24){<2日目(火曜日)>};


  &size(20){『AM4:00~イッシュ海岸』};


まだ日が出ていない真っ暗な夜のことだ……。
海岸には一匹の凶暴ポケモン、サザンドラがいた……。
彼女は闇の海を眺め、独り言を言う。

「……あたいの使命は『ポケモンスクールのゴミ共を消すこと』……。な~んて簡単な任務なのかしら?ボスはあたいの強さと恐ろしさを知っているのに……。もっとマシな任務の方がよかったなぁ……」

サザンドラはポケモンスクールの生徒をどう殺そうかゆっくり考える…。
彼女はつまらなさそうに言う。

「でも……よく考えてみると、ボスは何故こんな簡単な任務をあたいに与えたのかしら?」

彼女はよく考える。
Dark Ageにはたくさんの部下がいる…。
簡単に数えるとざっと100人はいるだろう。
その中でも彼女はDark Ageの幹部の一人なのだ……。
言うまでもないが、彼女の強さはそこら辺の一般人ではない…。
……生徒達を全滅さすことは可能だ……


「……まさか……あのゴミどもの中に、”一人ぐらい強い奴”でもいるのかしら?ボスは普段なら余裕な表情であたいに喋りかけるのに、今回は違った……。ボスは……何を恐れているのかしら?」

彼女はじっくりと考える。
しかし数分後……Dark Ageの看板を背負う、残酷な表情へと変わる。

「……ふん…。まあ、いいわ。とにかく全滅させればいい話……。ふふ…楽しみだわ……」


  &size(20){『AM6:00~起床』};


「お~い!!朝の6時だぞ!みんな起きろ~!」

アバゴーラは部屋で寝ているみんなを起こす。
一番初めに起きたのはボスゴドラのようだ。

「おおっ…もう起きる時間だな!起こしてくれてありがとよ!」

ボスゴドラは爆睡していたみたいだ。
彼はアバゴーラに続いて、サイドンとラムパルドを起こす。

「ほら、二人共!起きるぞ!」

「うう……うちとしたことが…。ちょっと調子に乗って飲みすぎたかな……」

「…あっ、いって~。頭がガンガンする~!!」

二人はアバゴーラに挨拶する。
サイドンは頭痛が酷いみたいだ。
ラムパルドも頭を抑えている。

アバゴーラは辺りを見渡す。するとプテラとアークがいないことに気がつく。

「あれ…?アークがいないぞ?プテラちゃんは?」

バサッ…バサッ…バサッ…
アバゴーラが2人を探そうとすると、窓からプテラが来た。
プテラは薬箱を首にかけている。

「あっ!みんなおはよー!アバゴーラ君、迷惑かけてごめんね。アークちゃんとみんなのために二日酔いの薬を持ってきたんだ♪」

「(あれだけ飲んだのに……元気だな…)おう、ありがとよ!プテラちゃん!でもな、アークがどこに行ったのか分からないんだよ~」

アバゴーラは首を傾げてプテラに言った。
その数秒後、トイレから気持ちの悪い声がした…

「ん!?トイレの方から声がするぞ。行ってみよう」

4人はトイレに向かう。

「うおおおえぇ~!!気持ち悪い…」

……昨日は最悪だったよ…。サイドンさんったらジョッキ12杯も飲ませるんだもの……。プテラちゃんもひどいよ…。
今日も学校……きついな~。


ボスゴドラがつぶやく。

「…吐いてるな…こいつ…大丈夫か?」

「アークちゃん大丈夫?薬あるからこっちきてね♪しんどかったらあたしが学校までおんぶしてあげるよ~♪」

プテラはアークを助けようと気軽な気持ちで言う。

あいつ…あんなに飲んでいたのに元気だな…。でも女の子に頼るわけにはいかない…。それにしても…うう…気持ち悪い…



  &size(20){『AM8:30~HR』};


「みんな~!!おはよう!!」

「おはよう!!プテラちゃん!」

プテラが元気よく、アーク以外の生徒に挨拶をする。
男子生徒は朝からプテラとサザンドラにメロメロだ。
変人一名はエアームドにメロメロだ…。

言うまでもないが、現在このクラス『1-A』の生徒は全員で9人である。
仲間も増えてさらに教室は賑やかになった。


アーク♂
ウォーグル♂
オノノクス♂
フライゴン♂
ムクホーク♂

エアームド♀
サザンドラ♀
ピジョット♀
プテラ♀


突然、アークの前にエアームドが来た。
彼女はいつも以上に張り切っている!

「この“から揚げ”~!!昨日はよくもやったな~!!」

朝から彼女は怒り爆発だ。
アークは頭痛のせいでなんのことか思え出せない。
アークはてきとうに返事を返す。

「え~と……から揚げって…誰のこと?エアームドさん……脳みそ腐っているんじゃない?」

……カチーン……
……クラスのみんなが口をポカンと開ける……。
そしてみんな…恐る恐るエアームドから離れていく。

えっと~昨日……から揚げ?
から揚げは確か……理科室で……
……はっ!?
アークは正気を取り戻した!

アークは昨日彼女にちょっかいを出したのを後悔する。
もちろんさっき言った言葉もだ……
アークは頭痛と吐き気を我慢して、笑顔で彼女を褒める。


「ささっきは、ごごめん。……き、昨日もごめんね~!!昨日の黒い顔、すごくかっこよかったですよ~♪これからもブラックフェイスで頑張ってね!あ、僕が顔に墨を塗ってあげようか?エアームドさんの怖さが10倍アップするよ~!あっ、でも元々男っぽくて“死神”みたいだからその必要はないか~♪」


彼女の顔が殺人的な笑みへと変わる……。
アークの言葉は余計に彼女を怒らせる……。

「アーク……ありがとうね……。お礼に……真心込めて切り刻んでやるよ!!ぶっ殺す!!」

「ちょ……タイム!!!」


  エアームドのシザークロス▽


「ぴぎゃあああ!!逃げるぞー!!」

アークに彼女の攻撃が華麗にヒットする。アークは教室から出て、廊下を走る。
彼女もまるで地獄の番人のようにしつこくアークを追い回す!

「誰かだずげで~!!ジェイソンが来た~!!」

「な…!?誰が“ジェイソン”だー!!絶対に殺す!!」

「あぎゃあああー!!やめてください!!」


HRは……どうなっちゃうんだろう?



  &size(20){『1時間目=国語』};



クラスのみんなは時間通りに教室にいた。

「一時間目は国語か…。漢字めちゃ苦手なんだ」

オノノクスが独り言をボソボソと言う。
すると変態のトップクラスであるムクホークが彼を馬鹿にする。

「ふっ…漢字が書けないドラゴンなんて情けないぜ…?変態魔人君?」

「う、うっせー!だいたいなんだ~!!赤い気持ちの悪い鶏冠付けやがって!!それでかっこいいとでも思っているのか!?お前も漢字かけないだろーが!?」

ムクホークも負けずに言い返す!

「な、なにー!!お前こそ、ダサくてもろい牙でカッコつけやがって!!この中二病め!!こうなったら、今日の漢字テストで勝負だ!負けたほうが勝者のいう事を何でも聞く!!どうだ!?」

「ふっ……おもしろい…望むところだ」

2人はお互いを見つめ合い、魂を燃やす。
この二人はいつもそうだ…。

「ふ~ふっふっ……あっーはっはっはっは!!!あーーはっはっはっはっは!!」

2人同時に大声で笑い出した。
さすが変態トップ2だ…。
この頭が痛くなるような笑い声は、アークをさらにイライラさせる。

頭痛いのに……!!静かにしてよ!!

「あ~も~!うるさ~~~い!!」



  アークのじしん▽



「ぎゅうあああ~!!」

アークは耐え切れなくなり、2人を地震で攻撃する。
アークの攻撃力はトップクラスだ……。
さすがの2人も怯んでしまう。

「こっちは頭痛いんだから静かにしろよ!!今度やったら手加減なんかしないぞ!」

「(うう…あいつの攻撃力…半端ねぇ……俺の牙が折れそうだ……)」

「(普段よわきのトカゲも怒るとこんなに強いのか……でもまだ、いわなだれじゃなくてよかったぜ…)」


  …………


サザンドラはニヤリと微笑む。
彼女はその様子を見て心の中で馬鹿にする。

「(ふふ……所詮…雑魚ね…。さてと……どのようにして一人ずつ調理していこうかしら……)」

みんなはDark Ageの幹部がすぐそばにいることを知らない……。
彼女から逃げなければ……このクラスは全滅だ!!

そんな彼女の心をスルーし、ウォーグルは闇の竜に話しかける。

「サザンドラさ~ん。初めまして、自己紹介しなくていいと思うけど僕、ウォーグル!!サザンドラさん、なんでニヤニヤしているの?」

彼女はウォーグルの不意打ちにより、現実の世界へと引き戻される。

「はっ!ああ、何でもないのよ!ただ……ちょっといいことがあったからね……」

「ふ~ん。いい事があったんだ……。ちなみにそのいい事って何ですか?……はっ!まさか!あの変態2人の会話シーンを見れたから!?あの2人の事が好きなのですか!?」

突然の意味の分からない彼の言葉……
サザンドラは怒りを見せずに優しく笑顔で答える。

「そんなわけないでしょ~。このクラスにあたいに合いそうなパートナーはいないの。(クソが……コイツ……後で殺してやる……)」

がらがらがら~教室のドアが開き、リザードン先生が教室に入ってきた。

「皆さん、おはようございます。では早速、国語の授業を始めますね。今日は100点満点の漢字テストを行います。しっかりと頑張りましょう!ちなみに50点以下は追試ですよ。30点以下だと私の火炎放射です。では、テストを配ります!」

先生は白い紙を一枚一枚机の上においていく。クラスのみんなは先生に怯えているようだ。
それは当たり前だろう。30点以下だったら火炎放射がくるのだ!
生徒たちは集中する……。
しかしアークは別だ。彼は酒のせいで集中できない…。

うあ……頭痛いな……。プテラちゃんからもらった薬によると、もうそろそろ効いてくるはずなんだけどな~。…それにまだ吐き気もするよ…。

先生はテスト開始の号令をかける。

「それではテスト開始!」

まずは名前を書かないと!!
名前はアクオス……じゃなくてアークだ!!
ああ~!頭が全然働かないよ~!!
しかも…うわ…!?何だこの漢字!?全然分かんないや!



  …………



「は~い!それではテストを終了しま~す。このテストは4時間目に返しますね。お疲れ様でした。あと、2、3時間目は先生の用事で授業ができないので自由に過ごしてくださいね。では……」

がらがらがら~
先生は退出された。
その途端、生徒達はぎゃあ~ぎゃあ~と騒ぎ出す。


変態2人組はまだ魂を燃やし続けている。
オノノクスはムクホークに向かって叫ぶ。

「やったー!テスト出来たぞ!今回はオノノクス様の勝ちのようだな!」

「いやいやー!!俺もできたぜー!!勝つのはこの俺、ムクホーク様だ!」

「…結果が楽しみだな。ふふ…」

「そうだな…ふふ…」

フライゴンは2人を変な目で見る。
無論……周りの人たちもだ…

「(なんか今日のこの2人おかしいよ……。いつも以上にキモい……)」




  &size(20){『2・3時間目=自由』};



自由時間となった。無論、生徒たちはあまりの嬉しさにはしゃぎ出す。
エアームドはサザンドラに話しかける。

「サザンドラさ~ん、テストはちゃんとできましたか?」

サザンドラは自信満々に答える。

「ええ。しっかりできたわ。簡単すぎるわ…この問題…ふふ…」

エアームドは予想外な答えが返ってきたために、目をまん丸にする。

「(あれで簡単!?この子頭いい!!)」

その反応に彼女は満足する。
サザンドラは自分の強さと頭の良さを自慢する。

「あたいはね~常に何もかも1位をとってきたんだよ。雄も雌も関係なくね…。…イッシュバトル大会でも優勝したわ…」

「すっ…すごい…。(わたし…この子には適わない!!!くやし~!!)」

エアームドは彼女に天と地の差を示され悔しがる。
エアームドも彼女と同じでプライドが高いのだ。

「うふふ…その様子じゃ悔しそうね…。いいわ…今度あたいの強さ、見せてあげる…。(ついでに地獄に送ってあげるよ……)あっ!そうそう、アーク君だったかな?あの色違いのアーケオスって?彼は強いの?(次はアーケオス、あなたの殺し方を考えるわ…)」


彼女はアークの話題へと話を変える。彼女は早速暗殺方法を考えているようだ。
そんなことも知らないエアームドは彼女に簡単に返事を返す。

「ああ、あいつ?あいつは弱気で、超雑魚いよ。わたしね、よくアークにバトルを申し込むけど……いつも鋼の翼を一回あてただけで『まいった!やめてくれ!』っていうよ…。ほんとに情けないんだよね~」

「……そうなの……。(……簡単に殺せそうね…。考える必要もない、つまらない雄だわ……)ちなみにこのクラスで一番強いのは誰なのかしら?(一番強い人の強ささえ知れば……やりたい放題できるしね……)」


「も・ち・ろ・ん、この俺様だ!!世界で一番強い男は~この俺様だよ~!サザンちゃん!俺とつきあってくだしゃ~い!!!」メロメロ~

オノノクスが彼女達の間に割り込んできた。
エアームドは呆れた表情をする。
それとは逆に彼女の胸は期待でいっぱいとなる。

「…そうね~。あたいと今からバトルして、勝ったらいいわよ。ふふ……強い雄だと期待してるわよ…。…さあ、かかってらっしゃい…」

教室の窓から冷たい風が通り抜ける。
生徒達はサザンドラとオノノクスの方に注目する。
彼らは真剣な顔で2人を見る。

オノノクスも顔色を変える…。
サザンドラは美しくも邪悪な視線でオノノクスを誘う……

「手加減はいらないわ……。殺す気で来なさい……。さあ…あたいにその強さ…見せてちょうだい……!」

オノノクスはキリッとした表情に変わる。
彼は本気のようだ。

「へへ……約束通り……つきあってもらうぞ……。いくぞ!!くらえー!」



  オノノクスのドラゴンクロー▽


「フン…」しゅっ!

「!?何!?」

彼は勢いよく彼女に飛び込む。
しかし彼女は彼の攻撃を軽々とかわす。彼は彼女の反射神経にびっくりする。
それとは逆に彼女は怪しい微笑みを浮かべている。

「うあ…よ、よけられた!くっそ~!!こうなったら、これでもくらえー!」



  オノノクスのげきりん▽



「出たぞー!!奴の逆鱗だ!!」

見ている生徒達は汗だくで彼女達のバトルをみる。
彼らはオノノクスを強いとみなしているのは間違えないだろう。
そうでなければ、そのような言葉は口に出ないはずだ。


「うふふ…」ガツン!!


しかし彼女はさっきと同じ表情で彼の攻撃を受け止める。彼女は余裕たっぷりだ。
その彼女の微笑みが彼の首をさらに締め上げる。

「ああ……そんな…!?」

「うわー!すっ…すごい…!あのオノノクスの『げきりん』を軽々と受け止めたぞ!!」

生徒達は彼女の強さに肝を抜かれる。
彼女の冷たくも美しい戦い方に、男達はさらに熱くなる!

「(ふふ……所詮……この程度か…。期待外れな雄だこと……)」

「なっ、なんだ!?お、俺様の攻撃がきかね~!!ちくしょー!!」

サザンドラはオノノクスを上目遣いで睨む。
そして三つの頭をオノノクスに向ける。
三匹の邪竜はすべてを破壊するような光線を繰り出す!

「……今度は…あたいの攻撃よ!」



  サザンドラの龍の波動▽


「ぐああああー!!!」


オノノクスは倒れた。効果は抜群だ!
目にも止まらない波動の速さに、さらに生徒達は目を丸くする。
壁を破壊するような痛々しい音と、彼の苦痛の声が教室に響き渡った。
さすがは闇組織のトップクラスだ。



  …………



「…勝負あったな…」

「かっこいい~」

「なんて華麗なんだ!」

生徒達は口々に声を漏らす。しかし彼女は後悔する。

「(……手加減するんじゃなかったわ……。事故に見せかけて殺しておくんだったわ…。こんなクソ雑魚に生きている意味なんてないわよね……)」


「!?つ、強すぎるー!!」

彼らは彼女の奸計を知らず、彼女を褒める。
彼女はオノノクスを見下ろす。
そして冷たい言葉を放り投げる。

「ふふ……期待はずれね……可愛いオノノクスちゃんだわ……」


がらがらがら~教室のドアが開いた。
誰が入って来たのだろうか?

「ふう~。やっとすっきりした♪吐いたら結構よくなっちゃった♪」

「なっ!アーク!?!どこに行っていたの?」

何も知らない能天気なアークはみんなに話す。

「トイレだよ…昨日お酒を飲まされたせいで気持ち悪かったんだ~」

サザンドラはアークの方を見る。

「(こいつが……一番の雑魚ね……見るからに…弱そ……)……アーク?じゃあ…さっきのあたいのバトルは見てなかったわけ?」

「…ごめん…見てないよ…」

アークは右手で頭をかきながらサザンドラに謝る。
不幸なことに、彼女は彼のことを鬱陶しいと思ってしまう。

「…そう…ねぇ、アーク?あたいとバトルしない?」

アークはびくんと跳ね上がる。
彼は顔を必死で横に振る!

「バ、バトルですか!?嫌だよ~!!僕痛いのは嫌なんだ~。HPもう半分です!しかも“サザンドラ君”見ただけで強そうだし~。もしかしたらイッシュバトルのチャンピオンだったりして~?な~んちゃって♪」

「(コイツの予想…当たってる!?)」

エアームドはアークの予想が的中したことに肝を抜かれた。
サザンドラは自慢げに彼らに語る。

「ええ…そうよ、あたいがイッシュバトル大会のチャンピオンよ!」

「えええーーーー!!!」

生徒達は今まで以上に驚く!それは当たり前だ。
チャンピオンが目の前にいるのだ。
生徒達はかなり興奮しているようだ。

「すごーい!僕の予想が的中した!」

さすが『始祖鳥』!!僕って天才?

しかしアホなアークは自分の予想の的中に感心する。
そして自分自信を褒める。

「(そっちかい……)」

エアームドは彼の振る舞いにため息をつく。
サザンドラはアークに話しかける。

「…チャンピオンと聞いて驚かないのはあなたが初めてだね……。あっ、そういえばあなたさっきあたいのこと『サザンドラ君』っていったわね~?」

「うん、それがどうかしたの?」

アークは万篇の笑みで答える。
コイツは本当に天然バカだ。

「あたい…“雌”だよ!!雄と間違えられたのもあなたが初めてねぇ…。うふふ…あなたはレディの心を汚したわね…(コイツ……美人なあたいを侮辱しやがった!!殺す!!)」

ギクッ!?嫌な予感がする…。サザンドラさん……怒ってる?

アークの顔が真っ青になる。
彼女は怒りを抑え切れなくなったのか……強気な口調でアークに話す!

「ふふ…これは…あたいからの…プレゼントだよ!受け取りなさい!!」

彼女は三つの口を大きく開ける。
彼女は本気でアークを殺すつもりのようだ!!
そして……三つの口から龍の波動を繰り出す!
その攻撃はさっきよりも速く、威力もより強い。



  サザンドラの龍の波動▽



「ひえ~!!!不意打ちとか反則だ~!!」

アークは泣き叫ぶ!
しかし彼女はアークを助けるつもりは一切ない……。
彼女はアークの死を幸せに祈っている……。

「(ふふ……アーケオスの素早さと龍の波動の速さは計算済み…。どうあがこうと無駄よ!さあ……消えなさい!!)」


青色に渦巻く螺旋状の竜巻。
その波動がアークにスローモーションで近づいてくる。


…やばい…きた!!…


……しかし予想外の事が起こった!
アークの焦りの表情が消える……。
そして瞳を閉じる……。


…なんだ……この感じ……この波動のスピード…よめるぞ!!いける…いけるぞ!!!
俺を……なめんなよー!!!

アークは目を鋭く開ける!
そして鋭くも雄々しい眼差しでサザンドラを睨みつける。
今までにこんなアークは……見たことがない!!
さっきまでとは全くの別人だ!!




激しい爆発音が鳴り響く!
そして教室の頑丈な壁も一気に粉砕する。


    …………
    …………


はあはあ…危なかった…。なんとかかわせたぞ……!


なんと、アークは三つの口から繰り出された彼女の攻撃を見切ってかわしたのだ!

しかしすぐに“凛々しいアーク”は消え去ってしまう。

ん?…あれ?…やばい…特性『弱気』がまた発動したぞ!

「うぎゃー!!誰かー!お助けをー!!!死ぬー!!」


アークは廊下に出て走って逃げた…。
アーク敗北!サザンドラの勝ち!


ムクホークはアークのあまりの情けない様子に、おもわず声が漏れてしまう。

「…ったく!あいつってほんと情けないよな~」

フライゴンもムクホークと同じだ。

「男としてカッコ悪いですね…」

「サザンドラさん!あなたって本当につよいんだね~!!感心するよ!」

ウォーグルはサザンドラを褒める。
彼は彼女に興味津々のようだ。

「!?…あ、ありがとう…」

サザンドラはどうしたことか……かなり驚いているようだ。
その様子を不思議に思ったウォーグルは彼女を心配する。

「サザンドラさん?どうしたんですか~?少し元気ないですよ~?」

「い、いや…そんなことないわ!これがあたいの強さよ!すごいでしょ~?」


「わあー!」パチパチパチパチ!

生徒達は彼女に盛大な拍手を送る。
彼女は無理やり顔を笑顔にして、自分の美しさと強さをアピールする。




  …………




サザンドラは一度廊下に出た。
今、周りには誰もいない……。
そんな空間で彼女はアークの事を考える。

「(今のは……なんなんだ!?あたいの……あたいの『龍の波動』が外れるなんて!?……あたいは今までに何度もアーケオスを倒してきたけど、あのアーケオスは違った…。いきなりの不意打ちにもかかわらずあたいの攻撃を見切ってかわした…。……アーク……あなたはいったい……何者なの!?)」



  …………



『1-A』の誰かが、学校の修理専門の管理人に『教室をすぐに直してほしい』というお願いをしたそうだ……。


そのため、汚くなった教室はすぐに元通りとなった。
直してくれたのは、管理人である雄のコジョンドさんだ。
彼は数分で何でも簡単に直せてしまう、優秀な大工だ。


しかし残念なことにサザンドラの机だけ予備の部品がなかったため、修理ができなかったのだ。

現在、サザンドラとコジョンドは廊下で話している。
コジョンドはサザンドラに頭を下げる。

「サザンドラさん、本当にごめんね。部品不足であなたの机は直せませんでした。部品が届いたらすぐに修理しますね」

サザンドラは丁寧に頭を下げた。

「すみません……。壊したのは自分なのに……」

彼女は本当に申し訳ないという気持ちで謝っているかのようだ…。
コジョンドは彼女に笑顔で返事を返す。

「そんなこと気にしないでください。いつものことです!しかもこれは私の仕事です。あなたは『学校生活を楽しんでください』♪」


「(……学校生活を楽しむ……か……)」

彼女は生徒達の事を考え始めた……。
変態2人組……
いつも怒りっぱなしのエアームド……
彼女に気軽に話してくれたウォーグル……
いつも元気なプテラ……
口は少ないけど心優しいピジョットとフライゴン……
そして……本当の強さを隠し持っている勇ましいアーク……

彼女は生徒達を本当に殺していいのか、分からなくなっていた……



  &size(20){『4時間目=国語』};



生徒達は机に座っていた。

がらがらがら~先生が帰ってこられた。
先生はサザンドラに机のことを話す。

「コジョンドさんから聞きましたよ。また派手に教室を散らかしたようですね。でも、気にすることはありませんよ。しょっちゅうですから♪ねぇ~エアームドさ~ん?」

エアームドは顔を真っ赤にする。

「にしし……さすが死神さん……。エアームドさんって二日に一回は学校壊すよね~♪」

…カチーン…
……エアームドはアークの方をギロリと見る。

「なななな何でもないですよ!!」


生徒たちはクスクスと笑っている。
先生は続けてサザンドラに話す。

「でも…今は本当に机がなくてすみません……。今日だけはそれで辛抱してください。お願いします」

先生は申し訳なさそうに謝る……。
彼女も先生と同じように頭を下げる。

「だ、大丈夫です…。壊したのは自分ですので、気にしないでください……。ん?」


ガチャン!ガラン!

突然、サザンドラの前に机が置かれた。
サザンドラはびっくりする!
そして……その机を置いたのはアークだった。

「サザンドラさん、よかったらこれ使ってください♪僕の机だから少し小さいかもしれないけど……我慢してね♪」

アークは自分の机をサザンドラに渡した。
彼は先生に笑顔で話しかける。

「先生~!サザンドラ君……じゃなくて、サザンドラさんは昨日転校して来てばっかりだから……僕の机貸してあげてもいいよね?先生!もちろんOKだよね~?」

「!?!…いいですけど……あなたは立って授業を受けることになりますよ?それでもいいのですか?」

「もちろんいいよ~♪」

ムクホークはニヤニヤしながらアークに話しかける。

「お前トカゲのくせに、かっこいいところ見せようとするなよ~!!」

「にしししし……。ばれたか♪」

アークは笑いながらムクホークに答える。
それを見てみんなは嬉しそうに微笑む。
クラスのみんなはなんやかんだといって、アークが裏で助けていることを知っているようだ……。
アークは臆病者だが、優しくて素直な人だ……。


「じゃあ、先生授業はじめよう♪」


サザンドラは口をポカンと開けたまま固まっている。

「(アーク……。あなたは馬鹿なの!?あたいはあなたを本気で殺そうとしたのよ!?それなのに……あたいに……机を……)」

サザンドラは顔を赤くする。
そして……ボソッとアークに声をかける…。

「あ、ありがとう……」

アークは彼女の方を見て、笑顔でグッドラックする。
先生も嬉しそうだ。


「……ではみなさん、早速テストをお返しします♪う~ん、今回は少し難しいかったみたいですね~?でも、言い訳は聞きませんよ~。ではまず、オノノクスさんとムクホークさん、こちらに来てください。テストを返しま~す!」

ムクホークはオノノクスに言う。

「…ついに来た…俺の頭の良さを思い知らせてやる…」

負けずにオノノクスも言い返す。

「…この馬鹿には負ける気なんかしねぇ…」


二人は先生の前に立った。

「よく頑張りましたね!二人共…」

三人の空間がピンク色に包まれる。
そしてムクホークが嬉しそうに先生に話しかける。

「で…テストは満点ですか!?」


「…そうね…ムクホークさん…オノノクスさん…両方共……22点じゃ~~~!!ボゲ~~~!!!!」ごおおおおお!!!



  リザードンのだいもんじ▽



「!?ぎゃあああぁぁ!!!」


先生は怒りながら二人を焼き尽くす。
二人はあっという間に黒焦げになる……。


「ふっ…いい勝負だったぜ……。オノノクス……お前の勝ちだ…」

「ふっ…そんなことないぜ…ムクホーク。…この勝負はお前の勝ちにふさわしい……」


ガクッ…バタン…


二人は熱く燃えながら倒れる。
エアームドは二人のあまりの気持ち悪さに、声を漏らす。

「こいつら…アホか!?」

「(う~!!男と男のあつい魂を感じるぞ~!)」

ウォーグルはエアームドと全く逆のようだ……。
ピジョットは2人の事をさける……。

「(きもっ…)」



  …………



こうして全員にテストが配られるのであった……。

先生が成績を発表する。

「ピジョットさんは80点・フライゴン君は60点・エアームドさんは75点・プテラさんは97点・アーク君は●▽■✖・ウォーグル君は88点・サザンドラさんは100点……以上です!!それにしてもサザンドラさん、素晴らしい!!満点は初めてです!!プテラさんやウォーグル君、そしてピジョットさんも素晴らしいですよ!!……この三人は成績優秀ですね♪」


生徒達はこれを聞いて口々に喋りだした……。

「サザンドラさん、100点!!すげ~!!」

「ほんと~!!サザンドラさん美人で頭良くて強い……なんて羨ましいんだ~!!」

「プテラちゃんもすごい!!」

「オノノクス君、高得点を取ることができて素晴らしいですね~!!」むふっ…

「やかましい!!余計なお世話だ!!」


先生は手を叩いて生徒達を黙らせる。
そして明日の予定を知らせる。

「は~い。今日の予定は終了です。明日は祝日なので学校はお休みです。それでは皆さんお疲れ様でした~」

「お疲れ様でした~♪」

みんなは先生に“お疲れ様でした”と元気よく、挨拶をする。
先生は微笑みながら教室を去っていった。



  …………



教室にはまだたくさんの生徒達が残っていた。

「そういえば、アークちゃんがいないよ?もう、帰ったのかな~?」

プテラはムクホークに話しかける。

「いや、アイツのことだ。たぶん図書室にでもいるのだろう。あいつはエロ本大好きなムッツリスケベだからな~。そんなことより…ねえねえ、エアームドさ~ん、僕とイチャイチャしながら映画でも見にいきませんか?そしてとろけるような……キスをしましょう」(´ε` )んちゅうう~~~

「ぎゃああ!!お前のほうがよっぽどスケベで気持ち悪いわー!!私から離れな!!」グリグリ!!ゴン!ゴキッゴキッ!

「うごっ!ぐああ!!…おお~う、きもちいい…。さあ、もっと私にその熱い愛を!!!」

「死ねー!!」

「おお……はあ……いい……。もっと、もっ~と!!熱く燃えましょう!!二人のハートが灰になるまでー!!!」

「来るなー!!きしゃない!!」

ムクホークはいつものようにエアームドに振られている……。
本当にコイツは馬鹿で変態だ…。
しかも図書室にエロ本なんかないでしょ!!
あったら大問題だ!


「(……アークは図書室にいるのね…。そんなことよりも……そろそろボスに……報告しないと……)」

サザンドラはそう思い、その場を離れてイッシュ海岸に戻ろうとした。
しかしその前に生徒達を見る……。

「(彼らを……本当に殺していいのかしら?)」

サザンドラが帰ろうとするとみんなが集まってきた。
そして口々に挨拶をする……。

「あ、サザンドラさん!また木曜日会おうね~!!」

「サザンちゃん!!今度このイケメンな俺とコーヒーでもいかがですか?」キランッ

「また今度、すごい戦い見せてね!私、サザンドラさんを目標に頑張るわ!!」

「じゃあ~またね~♪」

サザンドラは頭の中が凍りつく……。

生徒達を殺そうとした彼女……
そんな彼女を生徒達は温かく見送ってくれるのだ……。

彼女は生徒達の優しさを感じたのか……彼女は“初めての笑顔”で挨拶する。

「ふふ……みんな…ありがとうね……」

その言葉にオノノクスは頭がスパークする。

「ぬおおお~!!サザンちゃんからのお礼の言葉!!●▽■✖!!」

「日本語喋れよ!!バカ!!」



  &size(20){『PM0:00~イッシュ海岸』};



サザンドラはボスを待っていた。
どうやらボスはポケモンスクールの状況を知るために、彼女を呼び出したようだ。

「待たせたな……我々の美しい幹部……サザンドラよ……」

ボスが彼女の前に現れた。
彼女は背を低くし、ボスに頭を下げる。

「サザンドラ、今のポケモンスクールの状況はどうなっている?」

「ええ……ボスがおっしゃっていた通り……雑魚ばっかりでしたよ…」

ボスは彼女の報告に満足する。
しかし彼女がボスにありえない事を報告する。

「……ただ……一つだけ気になることがありました……。そのゴミどもの中に一つだけ……不思議な者がおりました」

「なんだと!?」

ボスの余裕な顔が一気に険しくなる。

「その“不思議な者”のことについて詳しく話せ」

「……分かりました……。その“不思議な者”というのは“色違いのアーケオス”のことなのです。彼は普段非常に情けなくて、弱くて、みっともない雄なのですが……私が彼を殺そうとした途端……顔の表情が180度変わりました!!ものすごいオーラであたいを睨んできました!!そしてあたいの攻撃を軽やかにかわしたのです!!今までにあたいは、あんな鳥肌が立つような眼差しを見たことはありません!!彼は……只者ではありません!!」

……ボスの顔に焦りが出てきた…。
しかしすぐにボスの顔は殺人的な表情となる。

「(……やはり……生き残りがいたのか……。…恐らく、そいつが……そいつが!!……クソ……)……サザンドラ……何としてでも、そいつを血祭りにあげろ……。彼は我々Dark Ageにとって非常に邪魔な存在なのだ。我々は正義で、あいつは悪魔なのだ…。お前もそう思うだろう?」

ボスは不気味にニヤリと微笑みながら彼女に言う。
しかし……返ってきた言葉はさらにボスを驚かせるのであった。

「ボス……実は彼のことなのですが……私は彼が悪いような人だとは思いません……」

ボスは鋭く彼女を睨む!

「彼は……あたいが殺そうとしたのにもかかわらず、あたいのために……机を貸してくれたのです。机は壊したのは自分なのに………彼は真っ先にあたいの事を考えてくれました……。本当に彼は……悪魔なのでしょうか?」

ボスは冷静に彼女を魔の世界へと誘う。

「奴はな……いいように見せかけて、裏ではとんでもない殺し屋なのだ。我々Dark Ageも殺し屋だが、それはみんなのためなのだ…。一度みんなを殺して、争いがない世界を作り上げる……我々は神の存在なのだ……。(グフフ………そして……この私が…王となる……。この世界は……私だけの物だ!!!)」


「……はい……。分かりました……」

彼女はボスに頭を下げる。
そして顔を見せずにボスと別れた。



  &size(20){『PM0:30~図書室』};



「う~ん。なかなか『二日酔い対策』の本はないな~。これじゃ~今度の飲み会……体がもたないよ」

アークは一人で図書室をうろついていた。
アークは昨日の飲み会を恐れたのか、二日酔い対策をしているみたいだ。

ガチャ……図書室のドアが開いた。

ん?誰かが入ってきたぞ?
こんな時間に誰だろう?

アークは後ろを振り向いた。するとサザンドラがいた。

「……調べ物ですか?」

「?……げっ!!サザンドラさんだ!!」

エアームド……第二号だ!!僕……なんか怖いな……

アークはサザンドラが苦手のようだ。
みんながいる時にせっかくいいところを見せたのに……。
アークは本当に臆病者だ。

「……驚きすぎよ。そんなにあたいが……苦手なの?」

はい、苦手です!
……と言いたいアークだが彼はなんとか笑顔で返事を返す。

「いや、そんなことないよ!!あ、そんなことよりも資料探すの手伝ってくれないかな?…僕ひとりじゃ…こんな大きな図書室から本を探すのは大変なんだよ…」

……彼女はこくりと頷いた。

「……いいわ……。で、何の本かしら?」

「お酒についての本を探しているんだよ。昨日さ、プテラちゃん達に無理やりお酒を飲まされたんだ。僕は今日、二日酔い対策のために本を探しているんだよ♪」

「(コイツには……借りがある……)…わかったわ。あたいは奥を探すから、あなたは手前をお願いね」

サザンドラはアークから離れて一旦身を隠す。
彼女はアークの様子をこっそりと見る。
彼は一生懸命本を探しているようだ。

アークは本棚からてきとうに本を抜き取った。

「これだー!!」

スパッ……



&size(16){『竹取物語=ハゲ頭・エボリューション!!=』};



違う!違う!だいたいなんだよ!この本!!
意味わかんないよ~!
僕はこんな本、全く興味ないんだ!!

よし、今度はこの青い本を抜き取ってやるぞ。

「今度は……これだー!!」

スパッ……



&size(16){『美味しい唐揚げの作り方=どんなか弱い女性でも簡単に作れます♪=』};



!?これは……エアームドさんの本だ!
この本……なんか嫌だな……。
僕もいつかは……。ブルブル……


三度目の正直だ!!
気を取り直して、今度はあのピンクの本を抜き取ってやる!!
これが……僕が求めていた本だ!!

「僕の相棒……出てこい!!」

スパッ……



&size(16){『ちょ~えっち本!!うっふ~ん♪=AV女優「ルージュラ先生」=第73巻』};



!?何でこんな本がこんな所にあるんだよ~!!
しかも73巻とか出しすぎだ!!
ん……裏に何か描いてあるぞ……?



&size(16){『エロ本最高管理責任者=オノノクス=』};



…この本……オノノクス君のだ……。
オノノクス君……ほんとに気持ち悪いよな……。
…そんなことより、お酒の資料を探さないとね♪


サザンドラはアークの失敗を見て、何故か笑顔になる。

「(なんだか……彼を見ていると……嫌なことが消えていくわ……。…私に…こんな彼を殺すことはできない!!)」


彼女もアークと同じように本を探した。


「まずは……この本棚からいこうかしら…」

スパッ……




&size(16){『“胸毛・脇毛・陰毛”のそり方!!=これぞ!男のロマン!!=』};





「…なに……この本……気持ち悪いわ……」



  …………



サザンドラはようやく、お酒の資料を見つけたようだ。
彼女はその本と共にアークのもとへと帰る。

「アーク?これでいい?」

「!?十分だよ~!ありがとう♪サザンドラさんって怖そうな顔しているのに意外に優しいんだね♪」

「一言二言多いよ…。ねぇ、アーク?今度はあたいのお願い聞いてくれる?」

「!?ば、バトルなら嫌だよ~!それ以外ならなんでもいいよ♪」

「…わかったわ…。今日の午後5時にイッシュパークに来てくれない?」

彼女からの意外な誘い……。
アークは断ろうとも断れなかった…。

ここで断ったら……三つの頭でむしゃむしゃむしゃ……。
いぎゃ~!!考えたくない!

「ええ~と……イッシュパークってあの大きな公園だね?いいよ。あっ!?でも夜9:00にプテラちゃんが僕の家にくるんだよ~」

「…そうなんだ~。で、プテラちゃんと何をするの?」

彼女は首を傾げて質問する。
彼女はアークに興味があるようだ。

「ただ遊びに来るだけだよ。プテラちゃんは昔からの友達だからね~」

ちょっと苦手だけどね…

彼女は顔を少し赤くしてアークに言う。

「…あたいも来ていいかな?」

「いいよ。じゃあ午後からはずっと一緒だね。よろしくね」

うう…なるべくサザンドラさんを怒らせないように気をつけよう…

「ありがとう…」



  &size(20){『PM5:10~イッシュパーク』};



イッシュパークはイッシュ地方最大の公園である。
いろんな遊具に、綺麗なベンチ……まるで遊園地のようだ。

サザンドラは5時前にきちんと来ていた。
アークは遅刻して、何もなかったような顔で彼女に話しかける。

「ここがイッシュパークか~。思ったよりも広いな~。あっ、サザンドラさんだ。お待たせ」

「……女の子を待たせるなんて……あなたいい度胸してるじゃない…」

「ひゃ!怒ってる~!」

彼女は微笑みながらアークに言った。

「うふふ…あなたはあたしにちょっかい出すのが好きなのね。それじゃあ……本題に入るわよ…」

サザンドラとアークはベンチに腰をかける。
第三者から見るとカップルと間違えられても仕方がない……。
彼女はDark Ageについて話す。

「アーク……あなたはDark Ageを知っているかしら?」

?何それ?初めて聞くな~。
でも……なんかその言葉を聞くと……なんだろう?
何故か……僕が僕じゃなくなってしまうような……う~ん…。

「知らないよ……。何それ?おもちゃの会社?」

彼女はため息をつく…。
しかしすぐに彼女は真面目な表情へと変わる……。

「アーク……今から言うことは真剣に聞いて…。あのね、アーク…『Dark Age』はね…極秘暗黒組織なの…。彼らは普通のポケモンとは違って、とても強い存在なの…。彼らは現在活動しているの……。そして彼らの目的は……『世界征服』なのよ…」

アークは真面目な顔で彼女の話を聞く。
そして彼女はついに……アークに真実を話す!

「実はね……あたいは……あたいは……!『Dark Age』の幹部なの!……あたいがこの学校にきた目的は……『ポケモンスクールの生徒達を全滅させること』だった…」

アークは顔色ひとつ変えない。
彼は彼女を信じているのか……何一つ言わない……。
アークは彼女の話を最後まで真剣に聞く。

「……あたいはあなたと戦った時、事故と見せかけて殺そうとしたの……」

彼女は悲しそうに瞳を閉じる……。

「それなのにアークは……あたいのために机を貸してくれた……。初めは『しょうもないことして馬鹿じゃないの!?』って思っていた。……でも…今は違う……。あたいはあなたを殺すことなんてできっこない!!…それに……ポケモンスクールにいるみんなの笑顔を見ると……何故か…気持ちがいいの…」

彼女はようやく自分の気持ちに素直になったようだ。
アークはいつもの表情に戻り、笑顔で話す。

「サザンドラさん!そんなこともう気にしなくていいよ♪そんな気持ち悪い組織なんか出て行って、僕たちと楽しく過ごそうよ~!!」

彼女はまたしてもアークの優しさに心が折れる……。
そして自分の愚かさに気がつく…。
彼女は涙を流すのを我慢し、アークに笑顔をみせる。


「あ、でもね!サザンドラさん、エアームドさんみたいにグロテスクだから~苦手かも~」


彼女はこれがアークの優しさだと気がつく。
そして彼女も負けずにアークをいじり返す。

「ふふ……今日の晩御飯は七色のトカゲに決定ね♪」

!?なな、七色のトカゲ!?
僕はトカゲじゃあ~りませ~んよ!



  …………



2人に3人の人が集まった…
ズルズキンとベトベトンとキリキザンだ。
彼らは最近の不良で、問題となっているらしい…。

「なあ~そこの姉ちゃ~ん?そんな弱気のトカゲ君相手するんじゃなくて俺たちと楽しくドライブでもしないか?」

ズルズキンがアーク達に話しかける。

「ム!弱気なトカゲとは失礼な!しかも僕は始祖鳥だ!そんなこと言うのはこの僕と戦ってから言えよ!」

アークは男らしい言葉をぶつける。
しかしベトベトンはアークに怯まず、残酷な表情で言い返す…。

「今いった言葉…後悔してもしらねぇぞ?」

……アークは土下座した。

「…すみません…。大変失礼な態度をとってしまいました…。今回は見逃してください。痛いのは嫌なので殴らないでください。お願いします!あとサザンドラさんも連れていかないでください…。しかも彼女怒ると世界が崩壊してしまうのでオススメはできませんよ。それからグロテスクで――」ブツブツ…

アークは勝手にブツブツと語りだす。
サザンドラも口をポカンと開けている。

不良3人はアークの会話に飽きたのか、キリキザンがズルズキンに提案する。

「おい…、もうこいつなんか放っておいてさっさとサザンドラちゃんを連れて行こうぜ?」

「…そうだな…。ってことでサザンドラちゃん、俺たちといこうぜ!」

ズルズキンは情けないトカゲを無視し、彼女に近ずこうとする。
サザンドラはいつもの表情に戻り、自信満々に喋りだす。

「うふふ…。さすがは不良ね…。あたい、弱いのに威張ってカッコつける人…好みじゃないの。ここはサザンドラお姉さんがおしおきしないとね…ふふ…」

ベトベトンは彼女の言葉にイライラする。
そしてとうとう強引な手段を選んできた!

「ふ!ふざけるな!おい、お前らー!こいつを捕まえるぞ!!」

二人は首を縦に振る。
そして攻撃態勢に入る!

「おう!これでもくr…!?!?ええーー!!?!」


  サザンドラの龍の波動▽


「ぎゅああ~!つえ~!こえ~!!」

彼女は彼が攻撃する前に、龍の波動を繰り出した。
3人は無論、泣きながら逃げていった…

「ふふ…弱くてつまらない男達だわ…。あんな男、大嫌いだわ……。でも……アークは違うわよね?」

彼女はアークの方を見る。
しかしそこにはアークの姿はなかった…

「……」

彼女は何も言えなかった。



  &size(20){『PM6:30~一方…アークは…』};



「♪いや~サザンドラさんなら大丈夫、大丈夫♪あんだけ凶暴で強いんだから~♪」

アークは不良から逃げ出して、公園の裏側にいた。
そこには噴水やたくさんの木々がある。


アークは自分の横腹を見た。
アークには不思議な紋章がついている。

そういえば……僕のこの横腹についている『紋章』はいったいなんなんだろ~?う~ん、まさか本当に強い人と戦うときだけ光って力が湧いてくるとか…
本気で自分の友達を守るときとかに光ったりして?
な~んちゃって♪

アークはいろいろなことを想像する。
ところが彼の耳から痛々しい叫び声が聞こえた……。


「ん!?……あ、あそこにいるのは!?!?」


アークは噴水の近くを見る。



  …………



「きゃああー!!!」

サザンドラが悲鳴を上げる!
彼女は……体中ズタズタだ!
そして彼女の前には緑色の大きな悪魔がいる。

「何がDark Ageは愚かなことをしているだと!!よくも俺にそんなことが言えたな!!」

サザンドラはバンギラスに攻撃されているみたいだ。
Dark Ageには階級が存在しており、サザンドラは幹部の中では一番下…。
バンギラスは彼女よりも一つ上の階級……すなわち彼女よりも強いのだ!

体中ボロボロな彼女はバンギラスに必死に伝える。

「…バンギラス……よく考えてみて……。あたい達が……世界征服をして、本当に人々は幸せだと思っているの!?……人々にとって今の暮らしが一番……幸せなのよ!。Dark Ageは……間違っているわ!!」

バンギラスは体中ボロボロになった彼女の首を絞める。
彼女は必死にもがこうとする。

「う…があ!!…や…め…て!!」

バンギラスは彼女の言う事を全く聞いていない!!
彼女は苦しそうだ。

「では……こうしよう…。アークを殺すと約束しろ!!そしたら開放してやる!!」

彼女はどうしたらいいのかわからなくなる……。
ついに彼女は涙を流し始めた。


「(そ……そんなこと……あたいには……できない!!)」



「やめろー!!」


バンギラスは後ろを振り向いた。
シャドウ・ハンターが現れた。

「あ……く!!…きちゃダメ…!!」

白目になったサザンドラはアークに伝える。
バンギラスはアークを鋭い目で見つめる……。

「…でたな…。うわさの弱気トカゲ…。…いや…“シャドウ・ハンター”…『アーク』さんよ。……フン……しかし所詮、お前など敵ではない!!」

アークは顔色一つ変えずに、緑の悪魔を睨みつける。

「おい、シャドウ・ハンター!!お前は馬鹿か!?コイツはな…お前を殺そうとした張本人なんだぜ?そんなクソ野郎を助けようとするなんて……よっぽどなクズだな!?サザンドラ以上のクズだ!!ガーハッハッハ!!」

アークは瞳を閉じる。
回りの空気がアークを包み込む……。


!!アークの瞳が変わった!!
アークの瞳は赤く、ものすごいオーラを放っている!
紋章も赤く鈍く輝きだす……。

「お前が……そうとうのクズだな…」

バンギラスはその言葉に怒り爆発する!

「!?なんだとぉー!!この俺様に向かってよく、そんなことが言えたな!?お前!この俺と勝負だ!殺してやる!!」

アークは殺人的な殺しの瞳へと変わる…。
彼は殺すことだけしか考えていないようだ……

「…いいだろう…。お前が俺に言った言葉…そっくりそのまま返してやる…」



  &size(20){『アークVSバンギラス』};



「ふふ…俺様は今までにお前のようなやつを何人も倒してきた……。今日で3000人か~!ガーハッハッハ!!…ではいくぞーー!!くらえ!!」


  バンギラスのいわなだれ▽


アーク「ふん!」ひゅっ…

アークは攻撃を軽々とかわす。
アークのスピードも尋常ではない。

「!!?!何!?俺様のいわなだれをかわすだと?なら…これならどうだ!?」


  バンギラスの噛み砕く▽


「…」スッ…

バンギラスはすぐにアークに噛み付こうとする。
しかしアークは無表情のまま、その場から消える。いや……消えたように見えるだけなのだ。
実際は音速で移動しているのだ。
そんなアークの戦い方にバンギラスは狼狽する!

「!!?まだまだだー!!おりぁああー!!」


  バンギラスの悪の波動▽
        暴れる▽
        じしん▽

バンギラスはヤケクソになってアークに攻撃する。
“悪の波動”は上にジャンプしてかわされる……
“暴れる”は横に移動してかわされる……
“じしん”も無論、軽々と飛行してあたらない……



   …………



「!?!?ば……馬鹿な…攻撃が当たらない!!?」


バンギラスはアークの強さに肝を抜かれる。
しかしプライドが高い彼は、諦めようとしない。
バンギラスは今まで以上に叫びだす!

「ちくしょー!!ふざけやがってー!!」

「……素直に諦めろ……。お前の攻撃なんて当たらないよ…。遅い…遅すぎる…。そして威力もない…。お前は『井の中の蛙』だよ…」

アークの冷静な言葉が余計にバンギラスのプライドを削りだす。
アークは悠々と翼を広げる。

「…それではそろそろ…こちらもいかせてもらおうか!!!」

アークは攻撃態勢に入る。
アークの赤色のオーラがさらに燃え上がる。
そして身と瞳を焦がす……。

「くそー!!!こうなったら、奥の手だー!お前も…もうこれで終しまいだー!!!!」

バンギラスは今まで以上に力を蓄えた。彼はもう本気のようだ。
バンギラスは怒り狂いながらアークに突撃する!

「「死ねー!!!!」」

アークはバンギラス以上のスピードで彼に激突する!

「「ゆくぞー!!」」



  バンギラスのギガインパクト▽
        ×
   アークのギガインパクト▽




……爆弾が爆発するような音が鳴り響いた……



  
  …………



「!?!ぐ、ぐおぉ…。つ、強い…。お、俺様の負けだ…」バタン…


バンギラスはあっけなく倒れた。
アークは冷たし眼差しで彼を見下ろす。

「…これが力の差だ…。愛情もない奴なんかに負けはしない…」



  &size(20){『PM7:00』};



「アーク~!!ありがとう!!あなたって……強いのね~!」

彼女はアークがバンギラスに勝ってとても嬉しそうだ!
彼女は体中ボロボロだが、あまりの嬉しさに痛みを忘れているようだ。


「ん?あふ?」


ぐぐぐぐぐ……ぽか~ん!!
…アークの瞳が元に戻った……

「…あれ?…うぎゃああああ!!どどどーしよ!?僕のHPもう真っ赤だ!サザンドラ君、助けて~!」

「…こいつ…普通に戻ったぞ…。しかも……あたいは女だよ!!(…でも…まあい~か~♪アークのおかげで助かったんだもの……)ねえ、アーク。あたいね、緊急用のバッグを持っているのよ。中に“回復の薬”が二つあるから1つあなたにあげr…?って…!?」


「わ~い♪ここに回復の薬が2つもあるぞ~!助かった♪」


アークは回復の薬を2つ使った。

「元気100倍!!アーケオス!!」ピカーン!!

彼女は口をポカンと開ける……。
やがて彼女は怒りをぶつける…。

「…!!あたいの分がなくなっちゃったじゃないの!!」



  サザンドラのなみのり▽



「ぴぎゅああああ~!!」


……アーケオス…戦闘不能……
……チーン……


「…何……この弱さ……。バンギラスを倒した時のアークは……どこへいったのかしら?」



  &size(20){『PM8:00~帰り道』};



アークはサザンドラに振り回されていた。
彼女はアークに手錠をかける。

「うぎゃー!!サザンドラさん!やめてください~!!」

「あんた…あたいの不良を倒すシーンを見てなかったじゃないか?……それにアーク、あのとき…『あとサザンドラさんも連れていかないでください…。しかも彼女怒ると世界が崩壊してしまうのでオススメはできませんよ』…っていったわね?…うふふ…」

やばい!このニヤニヤした顔は!!

「うぎゃ~!どうかお助けをー!サザン大明神様~!」

アークは必死で彼女に助けを求める。
しかし彼女は嬉しそうにアークを攻撃する。

「うふふ…今度こそ…。これはあたいからのプレゼントだよ♪」


サザンドラの龍の波動▽


「ぴぎゃぶじゃー!!!」

アークは……気を失った……。
彼女はアークをおんぶする。

「(…アーク……本当にありがとう……。…あたい……今の時間がものすごく楽しいよ。バンギラスに襲われたとき、あなたがいなければあたいは殺されていたわ…。そしてあなたはあのバンギラスを軽々と倒した……。……あなたの男らしいところ……あたいは気に入ったよ……。…そして……これが、あたいなりの愛情表現……)」



  …………



彼女はまだ、アークの家についていない。
アークは相変わらず、彼女の背中の上で気絶している。
彼女は独り言をいう。

「やはりDark Ageは間違っているわ……。あたいは今まで間違った道を歩んでいたのね…」

彼女はもうDark Ageを辞めると決めていた。

「アーク……あたいは……いつまでも…あなたと一緒にいたいよ……」

彼女はアークの事ばかり考えるようになっていた。
彼女は“彼の弱気のところと、その裏にある男らしさ”に心を奪われてしまったようだ。

「(アーク……あなたはどうしてそこまで強いの?)」



  &size(20){『PM9:00~アークの家』};



2人はアークの家に着いた。
プテラはもう、アークの家の前にいた…。

「ここがアークの家ね……。あっ!……プテラちゃん、もういたのね~♪」

プテラはサザンドラがいたのでびっくりしているようだ。

「…あっ!サザンドラさんだ!!今のサザンドラさん……何だか楽しそう♪」

「ええ……。いろいろといいことがあったのよ。プテラちゃん、中にとりあえず入らない?」

サザンドラはニッコリと笑う。
彼女は本当は優しくて仲間思いのいい人だ…。
プテラも彼女の提案に賛成し、3人は部屋の中に入った。



  …………



アークはベッドの上で情けなく、気を失っている。

二人はアークのことについて話す。

「そういえば……サザンドラさん?何で今日、アークちゃんと一緒にいたの?」

何故かプテラは心配そうな顔をしている。
彼女は何かを恐れているみたいだ。

サザンドラは深呼吸をする。

「ちょっと長くなるけど……いいかしら?」

プテラは息をグッと飲み込む。
そして首を縦に振る……。

「いいよ……。全部話して?」



  …………



サザンドラはアークがバンギラスを倒したことを話した……
アークが助けてくれたから……今の自分がいる……
彼女はそう思い始めている。

しかし彼女がDark Ageの幹部であることは言わなかった……。
…いや、言えなかったのだろう……
彼女の心はもう、ズタズタなのだ……無理はない……

プテラはホッとして笑顔で彼女に話す。

「そうなんだ~。そういえばね……あたしがまだ15歳だったときに…『Dark Age』っていう極悪組織に襲われたの…。傷だらけのあたしの周りには6人の極悪人がいて、とても怖かった…。でも、その時アークがあたしを守ってくれたの♪今でも…あのアークの凛々しい瞳…忘れられないよ!」

プテラの過去を聞いてサザンドラは微笑む。
二人共……楽しそうだ…

「ふふ……その様子じゃ……プテラちゃんはアークのことが好きなのね♪」

プテラの顔が真っ赤になる。
彼女は本当の事を隠そうとする。

「そ、そんなことないもん!!…///」

しかしサザンドラの次の一言で彼女の嘘はすぐにばれる。


「あら、そうなの?じゃあ、あたいがアークをもらっていくわね♪」


「!?だ、だめー!!!」


……プテラは“ああ…言っちゃった…”というような顔をしている。
サザンドラはニヤリと微笑む…。

「やっぱり……アークのことが好きだったのね?」


プテラはさらに赤面する。
そして…プテラは諦めて笑顔で話す。


「…はは…///バレちゃったみたい…。そうなの~!あたしはアークのことが好きなの♪……まさか……サザンドラさんも……あたしと同じなの?」

サザンドラも正直に話す…。

「そうよ……///あたいもあのアークの凛々しい瞳に釘付けになったの…。……うふふ…何だかこういうあつい気持ちになったのって久しぶりね…。…あたしたち…いいライバルになりそうね…」

女同士の戦いが始まった。
二人もう……ライバルだ……


「そうだね♪でもぜ~ったい、アークちゃんは渡さないよ!」

「それは……あたいのセリフだよ!」


二人はお互いにクスクスと笑ったり、微笑んだりする。
今のサザンドラは普通のポケモンスクールの生徒のようだ…。


「じゃあ~もうそろそろ寝ようか?」

サザンドラはプテラに提案する。
プテラは電気を消して幸せそうに挨拶をする。

「サザンちゃん!おやすみ~♪」

「おやすみ!」


  &size(20){『PM11:00~避けられない闇』};


ここはイッシュパーク……
今日の公園は気味が悪い……
4・5人の不気味な影が月光に照らされている。
そしてその悪魔達は口々に言い出す。


「バンギラス……お前…しくじったのか?」

「も、申し訳ございません!『アーク』という男にやられました!」

「あなたってだっさ~い♪きゃはははは!!」

「わ、笑うなー!」

「ふん…このまんまでは『Dark Age』は世界征服ができんぞ……私をがっかりさせるな……」

「すみません……ボス……」

「それにしても『アーク』って……あの色違いのアーケオスだよね?」

「そうだ…。裏の世界では『シャドウ・ハンター』といわれている…」

「うほ~!戦いて~!そいつを血祭りにあげたいぜ♪」


誰が言ったのかは分からない……
しかしアークを殺そうとしているのは確かである!



  …………




「…そんなことさせない…」

一匹の雌竜がDark Ageに牙を向ける。

「おお、これはこれは、我が『Dark Age』の幹部の一人のサザンドラさんじゃないか?相変わらず美しい…。で、こちらにきた目的とはなんだ?」

「ふふ…あたいが今日ここに来た目的はね…『Dark Age』をつぶすことよ!もう、あなたたちの好きにはさせないわ!」

彼女は意を決してボスに言う!!
彼女にとって『Dark Age』をつぶすことが償いなのだ。

「そういうことか…。愚かな…」

ボスは余裕たっぷりな表情で喋る。
それに対し、サザンドラは必死でボスに自分の思いを伝える!!

「愚かなのはそっちよ!あたいね…学校生活を送っていて気がついたの…。今のまんまの世界がいい…。あの平和な生活が好き…。そして何よりもあたいを暖かく迎えてくれた、みんなが好きなの!こんな短い間で、こんなにも素晴らしい友達が出来たことは一度もない!」

「そうか…なら仕方ない…おい!ヨノワール!あいつを捉えろ…。アークをおびき寄せるんだ…。そして…アークを殺せ!我々はアジトへ先にいくぞ…」

「はい、承知しました」

「クッ!」



  …………



あたりはサザンドラとヨノワールの2人となった。
彼女はヨノワールに怯えている……。
彼女はヨノワールの恐ろしさを知っているようだ。
しかし勇敢にも彼女は彼に立ち向かう!!


「…サザンドラさん…これで2人きりになれましたね…。あなたは強い男が好きですよね?ではわたしの強さを見せつけます。あなたは私に惹かれる運命だ…。そして2人で世界をのっとりましょう…」

「フン…あたいがそんなことであなたと組むとでも?…戦いが強いだけで人を選ぶなんて…馬鹿がすること…。一番あたいが求めていた強さは『心の強さよ』!仲間を思う『強い気持ち』…これをあたいは求めていたの!…アークはそれを教えてくれた…」

「…では私ではなくアークを取ると?」

「そうよ…だからあなたなんかにアークは渡さない!」

ヨノワールは彼女を恐ろしい目で睨みつめる。
彼女はもう、逃げられない……

「仕方ない…。力ずくでやりましょう…」


「まてー!!」

「!?」

空から華麗に黒い影が舞い降りてきた。
その影の正体はプテラだ!
彼女はヨノワールを睨めながらサザンドラに話す!

「サザンちゃん!あたしも加勢するよ!!」

サザンドラは意外な展開に驚く。
プテラが加勢に来るとは想像してなかったのだ。

「ぷ、プテラちゃん!?どうして来たの!?」

「当たり前でしょ!?あたし達は友達でしょう!?」

「(……プテラちゃん……)」

サザンドラはプテラに感謝する。
彼女はプテラが来てくれたおかげで、震えが止まったようだ。
彼女はヨノワールを倒すことだけに集中する…。
そしてヨノワールの方を睨みながら、プテラに話しかける!!


「うん!!そうだね!!2人でやっつけr……!!?!…ええー!?!」



「きゃあああー!!!」

!?いったい何があったのか?サザンドラはいきなり悲鳴を上げる!


いきなりサザンドラに硬いものがあたって、彼女は吹き飛ばされた!
彼女はいきなりの不意打ちでかわせなかったようだ。

彼女はうつ伏せ状態になる。
そして……顔を上げる……



「!?そ……そんな……どうして…!?」



サザンドラはあまりの予想外の出来事に顔が真っ青になる。

彼女を攻撃したのは……プテラだ!!
プテラはアイアンテールで彼女を攻撃したのだ!


プテラは彼女を見下ろし、残酷な笑みでサザンドラに話しかける。

「残念ね……。本当に……あたし達……友達だと思っているの?」

「!?」

サザンドラはあまりのショックにいう言葉を失う!
彼女のハートは粉々に粉砕される!!

「まさか……プテラちゃんが……そんな!?!」

「フン……これだから……おこちゃまなんだよ……。あんたは甘いんだよ……!!」


初めての素晴らしい友達を作ったサザンドラ……
しかしそれは全くの偽りだった……
サザンドラは突然の裏切りに涙を流す……


「そ…そんな!?酷い……酷すぎるよー!!!」


……サザンドラは気を失った……

ヨノワールはプテラを褒める……


「よくやったぞ……さあ、お前も早くアジトへいくのだ……私はアークを殺る……」

「はい…。承知しました……」


プテラは闇の空を飛び回った。
彼女は夜風と共に去っていった……。


Dark Ageの愚かさに気がつき、せっかく仲間思いとなった心優しいサザンドラ……
しかし彼女を待ち受けていたのはさらなる苦しみと絶望だった……

もう誰も……彼女から暗黒の呪いを消し去ることはできない……
……いや……1人だけいる……

彼女を救えるのは……シャドウ・ハンター……
お前だけしかいない!!


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第2話はここまでです。下手っぴな作品読んでくださって誠にありがとうございました(^∀^)
今回は台本形式と違うような展開にしてみたり、変なしょうもないネタを入れてみました。
やっぱり会話シーンが多めなのは作りにくいですね(-_-;)少々文章がグダグダになってしまいました(泣)
嘘字あったらごめんなさい。
とにかく楽しんでいただければ僕は幸せです。

もうそろそろ作品を作る時間が少なくなってきました(笑)
そのため、ちょとちょこと執筆することになるかも知りません(^ム^)
また文章力をつけるため、今は作品を作らずに他の人の小説をたくさん読むのもアリだと思いました。
購読ありがとうございました。


・お気軽にどうぞ(#^^#)
- 更に臨場感が出て凄いと思いました。これからも頑張って下さい!
―― &new{2012-12-21 (金) 23:17:24};
- ・2012-12-21 (金) 23:17:24様
返事少し遅くなってしまって大変申し訳ないです。 
臨場感を重視した作品なので、自分にとっては言葉では表現できない嬉しさでいっぱいです(^ム^)!!あなた様のようなお言葉があるから小説をかくのをやめられないんですよね(笑)
 あまり人気のない自分に、応援のメッセージを送ってくださって本当にありがとうございます。これからも下手なりに頑張っていくので、今後もよろしくお願いします(#^^#)
――[[プテラン]] &new{2012-12-23 (日) 03:33:36};
- アークが逃げ出したシーンでアークの不戦勝!とありますが不戦敗ではありませんか?間違いなら申し訳ないです。
2012-12-21(金)様と同じで臨場感がとてもでて素敵です!
次の作品も楽しみです!
――[[やほー]] &new{2012-12-29 (土) 00:09:31};
- コメント(小説も)がまるで駄目なフィッチです。前からこの作品で気になっていたことがあります。
いつからプテラはDark Ageに入ったのですか?悪落ちする理由となる描写が無かったため(見落としていたらすみません)最後の所は超展開すぎるような気がします…。
説明して欲しいのですが…。所詮駄文しか書けない私が思った疑問点なので答えなくても構わないですよ。
――[[フィッチ]] &new{2012-12-29 (土) 02:43:40};
- >>やほー様
返信遅くなってすみません。
確かに…「不戦敗」のほうが正しいですね。
自分で考えた結果「アーク敗北」ということにしました (^^)
違和感がありましたらお気軽にどうぞ(^^d

また、『臨場感がとてもでて素敵』だと言う言葉、本当に嬉しかったです!
あまり文章表現が得意ではない自分ですが、今後も頑張っていこうと思います。
コメントありがとうございました(^ム^)


>>フィッチ様
返信遅くなってすみません。
『プテラはDark Ageに入ったのですか?』という質問に関してはすみませんが、現時点では言えません  (T_T)
申し訳ないです!
第3話で明らかになりますのでじっくりとまってください (^^)

『最後の所は超展開すぎるような気がします』というお言葉に関して言わせていただきます。
最後は、いきなり意外な展開が起こったほうが面白いと思いそうさせていただきました。(似たようなパターンや、相手が想像できないパターンを考えたら、このようになりました)
自分はまだまだ未熟者かつ、文章も下手です。
しかし今後はもっとご満足いただけるように頑張っていくつもりです。
そしてフィッチさんのように面白い作品を作り上げていこうと思います。

コメントありがとうございました。
フィッチさんも執筆頑張ってください(#^^#)
――[[プテラン]] &new{2013-01-02 (水) 01:28:14};

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