[[新月の夜に肉を喰らう]] -大抵のポケモンは1日少なくとも6時間眠らないと、脳が正常に働かないそうですよ。このコメントを画面越しに読むポケモンの皆様がたはどうですか、最近よく眠れていますか? ……というのはさておいて。 タイトル、注意書きと合わせて読むと野生界の捕食劇なのかな、などと期待した傍ら、そういうことはありませんでしたけれど、綺麗でかっこいい付け方ですよね。"クレセリアの教え"を破った先で出てくるのがダークライさん、というのがまた皮肉というか。その教えによる加護は、ミトスさんも知らずのうちに授かっていたのかな、とか漠然と思うんですよね。ミトスさんが悪人だったとしても、です。 個人的に癖になりそうなのは、圧倒的な力を得る部長さんの夢ですよ。やはり暴力は全てを解決する。 まぁ、暴力で解決してしまった出来事は記憶に残っていないかもしれないにしても、自らの力で障害として立ちはだかり止めようとしたことを相手の暴力によって解決されてしまう記憶は、誰しも一つや二つくらいあるでしょうし、そういった苦い記憶に広く刺さる悪夢ですよね。指先一つで世界全ての生殺与奪を動かせるならどれだけ楽しいことでしょう。ええ、不眠にお困りの皆さん、どうですか、このような悪夢の見られる素敵なお店があるんですが――はい。 これは、完全にミドリさんひとりにしか伝わらない、メタい話なので、ここに乗っけるのもどうかな、とは少し思うんですが、はい、終盤で物語をひっくり返すのが好き、といつだったか仰られていたミドリさんの信念が、この時代には既にあったらしい、というのが、なるほど、なるほど、と言いますか、ですね。一貫なさっていて素晴らしいことだと思います。 かの時の作品に対しても、世界観上での事実と善悪を作者の想定と違うキャラクターに見出していましたよね、私。らしいな、ですね、ほんと。 物語の頭から最後の一幕まで書かれ続けたミトスさんの視点は全て夢で、あるときは夢中夢まで見ていたりしたのかな、とか。アリスさんの語り以外に信用を置かない場合、ミトスさん自身が奴隷商人と密接に関わりがあったとしてもおかしくなさそうに読み解けてしまいそうですもの。 ……はい。素敵でした。 -- &epoch{1606773581,comment_date}; ->名無しさん あ、アーっ、これはまた懐かしい作品に感想をいただけました……。読み返すにもあまりに自作が拙すぎて目を逸らしてしまうのですが、ああ、ええ、書きましたねこんなこと。あとがき痛ましすぎて古傷ぱっくり開きました。 当時は拙さを隠す術も知らないくらいの駆け出しで、とりあえず心理モノ書いておきたいな……、くらいのノリだった気がします。心を壊す者と心を暴く者。設定は悪くないと思うんですけどね……いかんせん風呂敷を広げすぎた。 終盤で物語をひっくり返すのが好き、というのはつまり、私の書く物語性に自信を持てていない、ってことに繋がるんだと思います。『青いとげ』『DoroRich』『カクレミノ』も本作と同じ〝ラストに全部ネタバラシする〟という物語構造をしていますが、書きたかったことはそれぞれ〝ヒドイデのサイコっぷり〟〝叙述トリック〟〝脳姦〟で、そのために物語を担保してくれるどんでん返しを好んでいるのでしょう。とりあえずひっくり返しておけば何かすごいこと書いた気になれるので。 それゆえ作品の解釈は読み手それぞれに委ねられますから、物語の裏で誰と誰が繋がっているとか、ご自由に想像していただけると嬉しいですね……。私もそうしていただける感想に「なるほどなぁ」と頷かされるのでありがたいばかりです。 -- [[水のミドリ]] &epoch{1608469553,comment_date};