キャラ一覧 ごしゅじん 人間。♂。 イフ ガーディ。♂。 リーちゃん リーフィア。♀。 パル ヘルガー。♂ #hr オマケ 私が思うに、これは不思議な夢のお話です・・・ 「うう~」 ご主人がふらふらとキッチンをうろちょろしてる。 「ごしゅじん~、風邪ひいて熱があるなら休んでよ~。」 私はふらふらのご主人に呼び掛ける。 「リーちゃん・・・わかってます。もう休みます。布団敷くからちょっと待って。」 ご主人は敷布団をリビングにどしっと敷いてすぐに横になる。 「ごめん、リーちゃん・・・風邪さえなければっ・・・」 ご主人はかなりしんどそうだ。私の心配を気にしてるのかかなり強気だけど・・・ 「ひゃっ!」 私は左の前肢をご主人の額に当てる。ちょっと熱い。リーフィアの私でも熱があるのがわかる。 「ごしゅじん、ちょっと熱いよ・・・」 「うん・・・でもリーちゃんの肉球が冷たくて気持ちいい。もうちょっと乗せてて。」 「ごしゅじん・・・」 だんだん熱が移ってきたのか熱くなるのを感じる。 ぽんっ 頭に何か乗った・・・私はそれを落とすと折り紙の兜だった。 「ごしゅじん、これ・・・」 「そう。昨日広告のあまりで作った。これでしばらく遊んでて。」 「どうやって・・・」 私はそれを再び頭に乗っけるとご主人の顔を見る。 「もうおでこから手、どけていいよ。ところで・・・キスしてくんない?」 その言葉で自分に熱が移ったんじゃないかってくらい身体が熱くなる。 「や、ややややるわけないでしょぉ・・・・・・やってほしい?」 「うん。」 もう仕方ないなぁ・・・顔をご主人に近づける。 チュッ・・・ 「ありがとう・・・これでゆっくり寝れる。」 ご主人はその言葉の通りすやすやと寝始めた。私はちょっと安心する。 イフはいつの間にかパルっていうヘルガーにつかまって外に行っちゃったみたい・・・ 「ごしゅじん!ごしゅじん・・・ごしゅじん、こころざしなかばで・・・」 私がふざけているとご主人が急に起きた。 「リーちゃん・・・その言葉さ、いつ憶えたの?」 怒られると思ってた私は意外な言葉にびっくりした。 「え?」 「いやさ、リーちゃんは普段そんな言葉使わないじゃん。志半ばでっ!とか裏切ったな!とか板垣死すとも自由は死せず!とか」 う~ん、言いたいことがさっぱりわからないけどとりあえず記憶をめぐる・・・ 「えーっと・・・たぶん・・・夢かな・・・」 「夢?どんな?」 ご主人が珍しく深く突っ込んでくる。 「たしか・・・怖いお兄さんがよろいを着て刀を持って名前叫んでて、志半ばで・・・って夢。私はなぜか人間の女の人になってその人を諫めてる?のかな・・・」 「えっ?」 ご主人が急に怖い顔になる。 「どしたの?」 「その女の人ってなんか言ってなかった?」 「たしか・・・」 「おやかたさま・・・って言ってなかった?」 当たってる・・・ 「なんで知ってるの?」 ご主人は少し間をおいて私を見た。 「僕も・・・その夢見たんだよ。おととい。」 「ふぇ?」 私はびっくりして何も言えない。 「僕は鎧武者になって、戦いがあってかたき討ちに行こうとしてるのかなってところを女の人がお逃げになってくださいって僕を逃がそうとする夢。」 「・・・・・?」 驚きというか不可解過ぎて・・・何だろう。同じ夢見たってこと?う~んわからない・・・ 「僕が大声で寝言でも言ってたんだろうね・・・それで同じ夢みたいなのを見た・・・と、考える以外にないか・・・」 ご主人は自分を納得させるように言った。 「でもその女の人かわいかったんだよね、ホントに・・・ホントに・・・でも嫌な夢のはずなのにあんまりそんなこと思わなかったな・・・」 私はどう言ったらいいかわからない。私のことだったらうれしい、でも夢だから・・・ 「・・・早く寝てください。」 「うん・・・変なこと言っちゃったね。」 ご主人は疲れたのかよく寝てる。 あれ・・・でもおとといは確か私ご主人と違うところで寝てた・・・ お風呂から出てリビングでうとうとっとしちゃって、ご主人が私の部屋に運んでくれて・・・まぁいいや。 素敵な奇跡が見れたっていうことかな。 私は頭に乗ってる兜で遊ぶ。 「ふぁぁぁっ・・・」 大あくびをしたら眠たくなってきちゃった・・・ ・・・・男の子?泣いてる・・・私は・・・誰だろう・・・とにかく男の子が泣いてるのを止めないと・・・ 「あの・・・」 「ふぇっ・・・」 男の子は私のほうを見た・・・どこかで会ったことのあるような気がする・・・でもわからない・・・ 「よかったら、私と何かしようよ!」 「・・・いいの?」 「うん!」 頭に手を当てると何やら帽子をかぶってる。 「じゃあおにごっこやろっか?」 「うん・・・」 私と男の子はしばし、鬼ごっこをして過ごす。 「そろそろ僕、帰らないと。」 「そう?じゃ私も帰ろうかな・・・」 「おねえさん!ありがとう!」 その男の子は私に言った。男の子は走っていく。私はそれをボーっと見ている。 ん? 目が覚めたみたい。時計の針は6時を指してる。 「ごしゅじん!」 「ふぁ・・・よく寝た・・・」 ご主人を見たらすごい寝汗をかいてる・・・ 「ごしゅじん、着替えないと風邪悪くなるよ・・・」 「うん・・・あぁぁ・・・よく寝た。あんな充実した睡眠はないかな・・・」 私は体温計を咥えて差し出す。 「ありがとう、リーちゃん・・・」 「ほふひはひまひへ。」 もごもご・・・口がうまく動かないし・・・ご主人は私の口から体温計を取ると熱をはかり始めた。 「おっ、熱が下がってる。」 「ほんと?」 「うん、すっかり平熱。」 「よかったぁ・・・」 私はご主人の胸に飛び込む。ご主人もしっかり私をキャッチする。 「寝てるときに変な夢見たんだよね。」 「へ?」 「なんかね~不思議な夢だったよ・・・子供のころの僕が出て、麦わら帽をかぶったかわいいお姉さんと遊ぶ夢。」 「美人だった?」 「うん。どこかで会ったことのあるような人だった。美人っていうかすごくかわいかった。」 ご主人は少し照れてるのか私を抱く手に力が入る。 「いいなぁ・・・」 ご主人の夢に出てくる人ってことはご主人があったことがあるってことでしょ?ちょっとうらやましいな。 ご主人は私を見つめる。 「その広告紙の兜、いつまでつけてんの?」 「え?あ、ほんとだかぶってるの忘れてた。」 ご主人は私の頭から紙の兜を取ろうとして・・・手を止めた。 「ん?」 ご主人はいとおしそうな目で私を見る・・・ 「あははっ・・・」 「なになに?ごしゅじん~。」 「いやねなんでもないよ。」 ご主人の夢に出てくる人ってことはご主人があったことがあるってことでしょ?ちょっとうらやましいな。 「・・・その人に会ってみたいな・・・」 「リーちゃん、その必要はないよ。」 私を抱っこしてご主人は立った。 「どうして?」 「うん、だってね・・・」 ご主人は言うのをやめた。 「えっ?なんなの?」 「もう、すぐ近くにいるから・・・」 ご主人はじっと私を見た。私はなにかわからなかったけど、すごくご主人が元気で笑顔になったからいいや。