&color(Red){※このコーナーは18歳未満の方は保護者同伴でもご利用になれません}; *めだるげえむ [#aaa3334e] writer――――[[カゲフミ]] 床に密着した腹部から尻尾にかけて、ひんやりとした感触が伝わってくる。四方を鉄筋コンクリートに覆われた部屋。 いつ来ても殺風景で味気ない場所だなと彼女は思った。すっと上半身を伸ばして天井付近にある、はめごろしの小さな窓を覗き込んでみる。 掃除が行き届いていないのか、随分と埃っぽくてガラスはくすんでいた。景色もうっすらとしか分からない。 とりあえず、今日は天気が悪くないことくらいは判断が付いた。しかし午前中なのか午後なのか、時間の感覚はまるで掴めずにいた。 まるで牢屋に閉じ込められているみたいだなとふと思って。自分が置かれている状況はそれと大差ないか、と苦笑気味に息をつく。 別に体のどこかを拘束されているわけでもなく、部屋が狭すぎて身動きが取れないわけでもない。一つしかない出入り口のドアには鍵も掛かってない。 蔦を伸ばして捻れば簡単に開くことが出来るだろう。それでも彼女が出ていこうとしないのは、今後何が訪れるのか予測できていて。 その事柄に淡い期待も胸に抱いてしまっているからだった。少なくとも、この部屋で待っている間の不思議な気分の高揚は他では味わえそうにないのだ。 それにしても彼はまだだろうか。準備をするから君はここで少し待っていてくれと言われた。 手間がかかるのなら準備が出来た時点でボールから出してくれればいいのに。きっと待たせることも計算に入れて彼は行動しているのだろう。 変なところで頭が回るからな。何の準備かは分からないけど、きっとろくでもないもののような気がする。 何も確証はない。これまで彼の行動を間近で見てきた経験からなる、彼女の勘だった。 「ああ、待たせたね」 ドアが開くやいなや、部屋に響いたどこか気だるそうな声。入ってきたのは彼女のトレーナーである、一人の男だった。 顔つきや体つきも平々凡々で特徴に乏しい。むしろ特徴がないことが特徴であるかのように、没個性が服を着て歩いていると言っても過言ではない。 強いて言うならやや垂れ気味な目は、彼を見る者に柔和で和やかな雰囲気に与えるかもしれない。 強いて言うならやや垂れ気味な目は、彼を見る者に柔和で和やかな雰囲気を与えるかもしれない。 そんな緩めな男の第一印象に油断をしていると痛い目を見かねないのは、彼女がよく知っていること。 「まったくふざけてるよ。新台の稼働は一か月後だと。どこまでも使えないゲーセンだ」 ぼやくように言うと、男は持っていたプラスチックの容器を乱暴に床の上に置いた。その中には何枚かのゲームセンターで使うようなメダルが入っている。 お金を払えばゲームセンターでメダルを購入でき、中の施設で使って遊ぶことができる。 うまく遊べば買ったメダルよりもさらに多くのメダルが手に入り、長時間楽しめるシステム、だったかな。 良くゲームセンターに行く彼の口から何度も聞かされていたので、彼女自身仕組みをある程度覚えてしまっていた。 はて、そういったメダルは店の外に持ち出すのが禁止されていた気がしないでもないのだけど。 いい加減な彼のことだ。どうせ返すのを忘れてうっかり持ち帰ってしまったとかだろう。でもどうしてここに持ってきているのやら。 「まあ……この辺りは田舎ですし。仕方ないんじゃないでしょうか」 彼女とこのトレーナーが住んでいる町はよく言えば自然豊か。悪く言えば片田舎だった。 外に出れば家よりも畑の数の方が多く、昼間と言えども人通りはまばら。もちろん夜になると真っ暗である。 小さな商店ならまだしも、大型のデパートなど近所にあるはずもなく、行くとなると車で三十分は掛かると見ていい。 隣接した山から野生のポケモンが度々降りてくるので、町外れを歩くときは護身用のポケモンが手放せない。 など、都会の暮らしからすれば明らかに不便と思われる事柄が多々見受けられるのだ。 草タイプである彼女にしてみると、自然の香りが漂うこの町の雰囲気は結構好きだったのだが。どうやら彼はそうではないらしい。 田舎町の数少ない娯楽がここで唯一営業しているゲームセンターというわけだった。 彼曰く、お世辞にも設備が整ってるとは言い難いものの、最低限遊べるようにはなっているとか。 しかしそんなゲームセンターも田舎の宿命からは逃れられなかったらしく。新しいメダルゲームの機種の稼働が都会と比べると大幅に遅れているようだ。 明日になったら新しいタイプのメダルゲームが出来る、と彼が昨日子供のように嬉々として話していたことを彼女は思い出す。 期待していただけに今日の落胆はきっと大きかったのだろう。あまり感情を顔に出すことはない彼だが、今回ばかりは若干の苛立ちが見て取れた。 「かもしれないな。だが僕の気持ちは収まらない。てなわけでミント、今日は相手をしてもらう」 ミントと呼ばれたジャローダに男は遠慮なく近づいていき、彼女の首筋に手を当てる。そしてそのまま胸から腹の方へと滑らせていった。 ジャローダとして生まれ持った体格上、彼女の体にはこれといった凹凸やくびれもなく。表面はつるつるとしていて滑らか。 人間の方が体温が高いらしく、彼が触れている部分からは確かな温もりが伝わってくる。コンクリートの床よりはずっと温かみがあった。 ただそれが心から快適に感じられないのは、自分の体を眺めるトレーナーの目つきと、体を撫でる手つきが明らかにいやらしいものだからか。 「脈絡がないですね、カナフ。あなたの相手をするのは……いいですけど」 このトレーナー、カナフの手を払いのけるようなこともせずミントはただ黙って、彼の動向に身を任せているだけ。 ただ、心なしかため息交じりだったのは気のせいではない。カナフの相手をする、というのが何を示しているのか。ミントは既に理解している。 そもそも彼がこの部屋に自分を連れてくるのは、そうした事情があるときがほとんど。今回もその例に外れず、カナフに体を撫で回されているわけで。 「それで、そのメダルは何ですか?」 「後から分かるさ。新台の代わりに今日は君で遊ばせてもらうよ」 にやにやと怪しげな笑みを浮かべるカナフ。彼が外では絶対に見せないであろう卑しげな表情。 普段は穏やかな笑みで包み隠されている彼の本性が外に滲み出ているといっても過言ではないくらい。 最初の頃はミントも鳥肌が立つくらいにはぞっとしたものだ、蛇なのに。今は何の揺るぎもない涼しい表情で佇んでいられる。慣れは恐ろしい。 カナフが本能のままに接してくるのは、表面を繕ったりする必要がないくらい心を許してくれているから。と、都合よく解釈だってできる。 用意してきたメダルに関しては後から分かると思わせぶりな発言だったけど。どうせまたくだらないことに決まってる。 卑猥な言動を認識しつつも、ミントが彼を受け入れるのに躊躇しないのは。きっと彼女自身が結構な好き者であるからなのだろう。 ◇ 「これで全部で三十枚、か」 「あ……あと何枚ですか?」 ぐったりと床の上に仰向けに横たわっていたミントは頭を起こすと、若干息を荒げながらカナフに問いかける。 彼はにやりと笑うと、はっきりとは答えずにメダルの入ったプラスチックのケースを左右に揺らしてみせた。 じゃらじゃらとメダル同士がぶつかる音が何度も聞こえたので、まだまだそれなりの量が残っているのだろう。 具体的な数を教えてくれないのはカナフらしいが。とにかく、残りのメダルを想像すると気が重くなりそうなことだけは確かだ。 「しかしまあ、思ったよりも入るものだね」 カナフはしゃがむと、ミントの尻尾の付け根をまじまじと覗き込む。興奮というよりは、感心に近い口調だった。 緑と黄緑の入り混じる体色の中に際立つ、桃色の個所。本来ならば伏せられていて見えることはない雌の部分。 ミントが仰向けになっている今、それは彼の前に晒されている形となっている。細長い体にすっと切れ込みを入れたような筋。 そんな彼女の割れ目にはカナフが持ってきたメダルが、横向きに重ねられた状態で挿入されていたのだ。 メダルで左右にぐっと押し広げられたミントの秘所は肉厚な奥部を誇張するかのように、ひどく艶めかしい様子でぴくぴくと動いていた。 「どうだい、そろそろきついんじゃないの?」 「な、何言ってるんですか……まだまだいけますよ」 カナフがメダルを用意してきた時点で、それが自分に使われるのかなとミントは何となく想像はしていた。 体の大きな彼女は雌もしっかりしたつくりになっている。おそらくは他の逞しい雄ポケモンの相手もできるようになっているからなのだろう。 そのため、ちょっとやそっとの刺激が来たからといって容易く喘いだりすることは滅多にない。 カナフの相手をするときも、大抵の場合は彼が先に果ててしまうことがほとんどだった。 だからこそ、メダルを入れられるくらいなら別に大したことはないと思っていた。それが普通のメダルだったのならば。 「細工が思ったよりも効いてるみたいだね」 床に置いたケースを持ち上げたカナフの手にはゴム手袋がはめられている。プラスチックのケースにゴム手袋に。電気を通さないための工夫か。 メダルを持った時点でカナフ自身が感電してしまっては何の意味もないからだ。彼が用意してきたメダルはあらかじめ弱い電気を帯びていた。 おそらくはカナフが他の手持ちの誰かに電磁波でも当てさせていたのだろう。割とポピュラーな技だから、意外に多くのポケモンが覚えられたりする。 いったい誰の仕業なのかは検討が付かなかった。もちろんこんな用途のための電磁波だなんて、技を放った当人は夢にも思っていないだろうけど。 草タイプのミントに電気タイプの技の効果は今一つ。今一つでも全く効果がないわけではなく、命中すればちゃんと衝撃は伝わる。 そして敏感な個所にしつこく当てられ続けられたならば全く別の話だ。カナフがメダルを一枚入れるごとに、秘所からぴりりと微電流が彼女の体に走る。 刺激が伝わるのは一瞬のことだったが、何度も繰り返されれば徐々に彼女の体は快楽に蝕まれていく。数枚のうちはまだよかった。 メダルの枚数が二桁に突入してからは喘ぎ声を出さずにいるのが難しくなってきている。 このゲームはメダルがこれ以上入らなくなるか、彼が用意したメダルがなくなればばミントの勝ち。 彼女が果てるかメダルを床に落としてしまうとカナフの勝ちというよく分からないルールになっている。 ミントが勝つためにはメダルを落としてもいけないため、微電流に反応する下半身を極力抑えこまねばならない。 刺激に悦ぶ体を無理やり押さえつけるのは彼女の想像以上に厳しいものだったのだ。 考えてみれば、ミントの強さをよく知っているカナフが何の計画もなしにこんなゲームを持ちかけてくるはずがない。 事前に何らかの細工が施されているであろうことを疑って掛かるべきだったのだ。だが、もう時すでに遅し。 割と余裕たっぷりでゲームを始めてみたものの、案外危険なところまで来てしまっている。自分の体のことはミント自身が一番よく知っていた。 あと何枚、耐えられることができるだろうか。ただのメダルだと思っていたのに、まさかこんな小細工がされていたなんて。 カナフを喜ばせることなく終わらせて、自分の強さを見せつけてやるつもりでいたのだが。どうやらその望みは叶いそうにない、そんな気がしてきた。 「真ん中と下にはもう入りそうにないね。上に行こうか」 「う、上ですか。ちょっとだけ心の準備を……」 「だめ。ほら、一枚」 「ひゃっ……!」 左右に広げられた秘所は上部の敏感な突起もこれでもかと曝け出している。そこに直接メダルが触れれば当然刺激はより強いものとなる。 最初は真ん中の部分にメダルを詰め込んで押し広げ狙った場所に詰め込みやすくする。次に開いた下部を埋め、一際敏感な個所は最後に一気に攻める。 カナフのことだ。電磁波を当てたメダルを用意した時点で、この手順を考えていたのだろう。 合理的ではあるがいやらしいな、と揺らぎそうになった意識と何とか繋ぎ留めながらミントはふと思った。 彼女がきつそうなのを見越して、わざと待たずに次の手を打ってくる。そうまでして勝ちたいのか。……勝ちたいんだろうな。 普段は先にばててしまったカナフをミントが気遣うことが多かった。種族が違えど雄としては。彼なりに悔しさもあったのかもしれない。 勝ち負けなんて全然気にしていない彼女からすれば、どうしてカナフがそんなことに拘るのか疑問に感じていたのだけれど。 ゲームの勝利で彼が満足してくれるんだったら。変に抗わずに、残りのメダルと一緒に自分の負けを受け入れてもいいように思えてきた。 「はい、もう一枚」 「んあっ!」 ミントの秘所の突起に触れるか触れないかの絶妙な個所に、カナフの手によって容赦なくメダルが詰め込まれる。 ただでさえ感度が上がっている今。電気タイプの技だろうと微電流だろうと効果は抜群と言ってもいいくらい。 電気が良く通るのは割れ目から染み出してきた液で、彼女の秘所がしっとりと濡れているからなのか。 湿り気が潤滑油の役割を担い、やや強引に押し込まれたメダルもミントの意志とは裏腹にすんなりと飲み込んでしまう。 「そんな調子で大丈夫かい? メダルはまだまだ残ってるよ」 息も絶え絶えといった感じのミントに対して、これ見よがしにケースを傾けるカナフ。容器の底が確認できないくらいにはメダルが残っていた。 あんなにあるなんて、だめだ。絶対入らない。いっぱいになる前に、自分はきっと。 虚ろな瞳ではあはあと喘いでいるミントをよそに、カナフは遠慮なしに次のメダルを入れようとする。 仮に自分がもうだめです降参しますと告げたところで、伸びてくる彼の手が止まらないことをミントは良く知っている。 「あ、ま、待って……ふあっ!」 きっと彼は自分のことを完全に打ち負かさないと気が済まないだろうから。 それでも咄嗟にメダルを躊躇したのは、ミントの最後の抵抗だったのかもしれない。 割れ目の上部、敏感な突起のすぐ下に新たに滑り込んだ一枚のメダルからぴりぴりと電流が走り抜ける。 下腹部に込めていた力と、カナフを見上げていた視界が、大きく揺らいだ。だめだ、もう耐えられそうにない。 「ひああああっ……!」 ミントの下腹部から尻尾の先までがびくんと大きく跳ねた。途端、詰め込まれていたメダルが散らばるのと当時に、割れ目から大量の愛液が溢れ出る。 メダルが床に落ちる金属音に混じった水音が遥か遠くに聞こえた気がする。緊張の糸が切れたミントはへなへなと床に横たわっていた。 体が、特に下半身がじんじんと熱い。火照った身に床の感触がひどく冷たく感じられた。 まだ下腹部から生暖かいものが流れていく感覚が途絶えないのは、三十回以上も焦らされたからなのか。 意識せずとも表情が緩んでしまうのはどうしようもない。纏わりついた快楽はしばらくの間、ミントの体を離してくれそうにはなかった。 「んー、三十三枚で限界か。容量的にはまだ入りそうだったし、次は電流を弱くした方がいいかな」 「つ、次もあるんですか……?」 「何言ってるんだい。新台が来るまでは付き合ってもらうよ」 卑しげな笑みを浮かべたカナフを生気のない瞳で見上げながら、ミントは小さく息をつく。今は呆れて小言を言うような気力さえ残っていなかったのだ。 新しい台が来るまでの一か月の間、自分にメダルを押し込んでにやにやするつもりなのだろうか。 本当にどうしようもないトレーナーだな、と思いつつも。割れ目に直接電流が流れてくるのは何とも言えない心地よさがあったのは確か。 電磁波メダルの感触は正直なところ悪くないものだったため、密かに楽しみにしてしまいそうな自分がいる。 一度その身に叩き込まれた快感からはなかなか逃れられない。彼女も何だかんだで気持ちいいことは大好きなのだ。 カナフに求められれば、きっと次もこの低俗な遊戯に付き合ってしまうんだろうなあと、ミントはおぼろげに思ったのであった。 END ---- -あとがき ポケモンのメダルゲームが出たと聞いて。 メダルをポケモンの下の穴に入れて遊ぶというのは、某氏からネタをいただきました。 ちなみに近所ではポケモンメダルワールドが稼働している店を見たことがありません( 【原稿用紙(20×20行)】19.5(枚) 【総文字数】6412(字) 【行数】136(行) 【台詞:地の文】8:91(%)|540:5872(字) 【漢字:かな:カナ:他】34:61:7:-3(%)|2221:3952:455:-216(字) 最後まで読んでくださった方々、ありがとうございました。 ---- 何かあればお気軽にどうぞ #pcomment(めだるのコメントログ,10,) IP:43.244.102.46 TIME:"2012-04-30 (月) 02:27:40" REFERER:"http://pokestory.rejec.net/main/index.php?cmd=edit&page=%E3%82%81%E3%81%A0%E3%82%8B%E3%81%92%E3%81%88%E3%82%80" USER_AGENT:"Mozilla/5.0 (compatible; MSIE 9.0; Windows NT 6.1; WOW64; Trident/5.0)"