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どうしてこうなった? 年末奇譚 の変更点


 作[[呂蒙]] 



<注意!>
 この作品には、非常に読み手を選ぶ作品です。そういった表現に抵抗のある方はお読みにならないことを強くお勧めします。万が一、警告を無視して、不利益をこうむった場合、作者は責任を負いかねます。



 乾いた北風が容赦なく吹き付けている。冬用の上着を着ていても寒く感じる。仕事納めの会社も出始め、学校も冬休みに入り、街は年末年始のための準備が始まっていた。
大学生のバリョウ=ヨウジョウは、今年最後の授業を受けると、ウインディを連れて、帰宅の途についた。セイリュウ国北方に位置するラクヨウの寒さが身に堪える。豊かな毛皮をまとっているウインディが羨ましく思える。
「ん、どした?」
「なんか、腹減ったな」
 お腹を空かせたバリョウ。どういうわけかこういう時に限って、近くに屋台や、カフェがあり、何かしらのものを口に入れて、空腹を満たしたいという欲求に駆られる。もちろん、無駄遣いはよくないということは十分分かっているのだけれど……。
 バリョウの視線の先には焼鳥を作っている屋台があった。
「買っていくのか?」
「……いや。でも、鶏肉が食いたくなったな。今日の晩御飯は鶏肉にするか。お前、ここで待ってろ」
 屋台の隣にあるスーパーで、買い物をさっさと済ませ、バリョウは袋を手に戻ってきた。基本的に、バリョウは無駄なものは買わないので、買い物は短時間で終わる。しかし、普段は無駄なものを買わないのだが、何故か、屋台の焼き鳥がほしくなり、買ってしまった。炭火で焼かれた鶏肉の匂い、こんがりと焼かれた鶏肉に塗られていくタレの香り。食欲という人間の生まれ持った欲求には勝てなかった。
「何だよ、結局買うんじゃねぇか」
「いや、美味そうだったし……。ウインディのも買ったからいいだろ」
 そういうと、先程買ったつくねを差し出した。
「いらないんだったら、食べちゃうぞ」
「いや、食う……けど、1本じゃ食った気にならないな」
「家に帰ったら、夕飯を作ってやるから我慢しろ」
 バリョウは串に刺さった鶏皮を食べながら、そう答えた。塩味の効いた鶏皮は実に美味……だったのだが、中途半端に食べたせいか、かえってお腹が空いてしまったようにも思えた。
 バリョウは5人兄弟の上から4番目で、家には、弟やポケモンたちと暮らしていた。両親や、兄3人は自立していたり、仕事で忙しいとかで滅多に、家には帰ってこない。家ではラプラスが留守番をしていた。ちなみに、知らない人が来たら、絶対に扉を開けたり、外に出るなと厳命してある。大丈夫だとは思うが、万が一拉致されたら、取り返しのつかないことになる。
「あ、おかえりなさい」
「今、飯を作るからな」
 ラプラスは肉料理が好きではないので、肉料理の次の日は魚料理にしてやらないといけない。ウインディは魚よりも肉が好きため、この家では、基本的に魚料理と肉料理が交互に食卓に並ぶことになる。もっとも、失念してしまい、肉料理や魚料理が連続で食卓に並んでしまうこともあるが。
 2匹とも図体がデカいので、食費はかさむ。しかし、男兄弟2人だったら、きっと退屈だったに違いない。何しろ、大学が忙しくて、娯楽に費やす時間がほとんど取れないからだ。大学の冬休みは短く、休み明けには試験があるし、春休みも、実習や補講など何やかや理由をつけて削られてしまう。そんな禁欲的な生活が続いている中で、ポケモンとの触れ合いは一種の癒しなのである。
 買ってきたもも肉を適当な大きさに切って、味をつけて、火を通し、キャベツの千切りを添えて完成。バリョウ自身、料理ができないわけではなかったが、下ごしらえが必要な料理は、当然のことながら、時間と手間がかかる。腹も減っていたし、さっさと夕飯にしたかったのである。
 男だけの食卓というものは、どうも花がない。最初は誰もがそう思っていたのだが、月日が経つ内に何とも思わなくなってきた。ただ、元々、大家族が住んでいた家なので、兄弟2人と2匹では、少々広すぎるような気もする。授業が夜遅くまであった時は、疲れているうえに、兄弟で食事、ということもないので、会話もせず、さっさと食事を済ませて寝てしまうのだが、このようなときは、何かしらの話をする。
「年末年始はどうすんだ?」
「まず、買い出しだな。というか、それしか予定がない」
「つまんねーなぁ……」
「リクソンは帰省するらしいが、カンネイはずっと家にいるそうだから、暇なら、奴の家に遊びに行けばいいだろ?」
 ニュースによれば、出国ラッシュとかで、海外で年末年始を過ごす人で空港が混雑しているらしい。ただ、友人知人で、年末年始に遠出するというのは少数派だった。いたとしても、リクソンのような帰省目的が大半だった。
「そもそも、慌ただしい冬休みよりも、その後に長い春休みがあるんだから、そこで遊べばいい話だしな」
 やがて、食卓に乗った皿の上の料理がなくなる。どういうわけか、今日はお腹が空いており、ウインディはいつも以上に多く食べた。
「……結構食ったな、昼が足りなかったのか?」
「いや、そんなことないと思うが……」
 バリョウは夕飯の後片付けを済ませると、休み明けに提出する大学の課題に取り掛かった。専門分野だけならまだいいのだが、一般教養科目というのがあって、興味のないことまでやらなければならないのだから、実に邪魔っ気である。
(とりあえず、図書館で借りてきた文献を読み漁って、レポートの最初の方だけでも書いておこう……)
 本当は、レポートや論文の課題は、休み明けに提示されて、そこから、短い期間で書き上げなければならないのだが、中には、休み前に課題を教えてくれる場合もある。早く済ませることができるのであれば、早く済ませるに越したことはないのである。
 


(う~ん、食いすぎたかな……)
 ウインディは目を覚ました。
「やっと、お目覚めか」
「だ、誰だ、お前は!?」
 目を覚ましたウインディの視線の先にいたのは、同じ炎タイプのポケモン・バシャーモだった。二足歩行で、鶏と人間を足して二で割ったような姿かたちをしている。脚を組んで、椅子に座っていたが、立ち上がり、ウインディの目の前まで歩いてきた。
「どっから入ってきたんだよ、そもそもウチに何の用だ、物盗りか?」
「いっぺんに3つ質問されても困るんだけどなぁ」
 他者を小馬鹿にしたような物言いに、ウインディはイラッときたが、一体何が起きているかを把握する方が先だった。
「なあ、お前さんはどう思うよ?」
「何がってか、こっちの質問に答えろよ!」
「ああ、そうだ。1つ言い忘れていた。せっかく教えてやろう。お前さんには切り札があるようだけど、それなら期待しないことだな」
(話の流れが滅茶苦茶だな……だが、もしかすると……)
 嫌な予感というものは、えてして当たってしまうものである。部屋に行くと、ラプラスは伸びていた。相性で言えば、ラプラスが有利なはずだが、一体どうなっているというのか? 遠距離攻撃が得意なラプラスが接近されるまで何もしなかったというのは、どう考えても不自然だった。
「タイキックを見舞ったら、そうなったぞ」
「てめぇ、ウチに何の用だよ、いい加減に答えろ!」
「んじゃあ、答えてやろう。なあ、不公平だと思わないか?」
「は?」
「モフモフだなんだの可愛がられているのがいる一方で、片方は市場に出荷された後、肉にされて食べられちまうんだぜ?」
「……夕飯の肉がお前の家族だったって言うんじゃないだろうな? お前みたいな筋肉質の種族は、肉も硬くて食ったところで、うまくない。フザけたこと抜かすのも大概にしろよ」
「何だよ、冷たいなぁ、同じ仲間なんだから、少しはこう、同情してくれたっていいじゃねぇか、なあ?」
「オレとお前みたいな鶏が一緒の仲間だと? 笑わせんじゃねぇよ、バカ」
 話の流れがぐちゃぐちゃである。それが、余計にウインディを苛立たせた。
「なあ、こうやって、オレらが、栄養分として奉仕してやってるんだ、だから、犬代表として、お前がオレに奉仕してくれてもいいだろ?
「意味が分かんねぇよ! 第一、スーパーで買ってきた肉がお前の仲間とかありえないだろ、嘘をつくな!!」
「まあ、お前の主人がどうなってもいいってんなら、いいんだけどな」
「な……!」
 意味が分からない。全くもって、意味不明だ。何故、犬と鶏が仲間だというのか? タイプが同じというのなら分からなくもないが、そうでないというのなら一体何だというのだ。
「……どうしろと言うんだ?」
「『奉仕』って言ったら、決まってるだろ?」

 ウインディには拒否できなかった。拒否できるものなら、拒否したいが、それが許される状況ではなかった。バリョウがどうなっているのか、ハッタリだとは思う。しかし、そうでなかったら、大変なことになる。
「んぐぅ……ん……」
 バシャーモの雄のシンボルを口に押し込まれ、声を出そうにも、口が塞がれてそれができない。体同様、筋肉質なシンボルが舌の上に乗せられる。吐き気を催さなかったといえば嘘になる。塩辛い、それ以上に不味い。口の中に広がる不快感とウインディは懸命に戦っていた。
 ウインディ鬣を掴まれ、ぞっとするようなことを耳にした。
「まずは……一発、出すかな……」
 バシャーモは腰を振って、筋肉質なシンボルを舌の上で動かし、時折、口の中をかき回した。ウインディは何とか声を出そうとするが、口が塞がれているため、それもできない。おまけに、牙が筋肉質なモノに当たってしまったらしく、これが、刺激となったのか、口の中に液状のものがぶちまけられた。何なのかは、容易に想像がついた。一発どばっと出るだけならまだいいが、第一弾が出た後も、モノは脈打ち、第二弾、第三弾の液状のものが口の中に流し込まれた。
「ぐ……うぅ……」
「ほらほら、しっかり飲んでくれよ? しかし、牙を立てるなよなぁ、思ったよりも早くイッちまったじゃねぇか。というわけで、第2ラウンドな」
「……」
 ウインディは何も言わなかったが、もし、この後、行為で疲れて動けなくなったら、ラクヨウの港に叩き落して、魚のエサにしてやる。そう思っていた。
「モノは濡れているから、いきなりでも問題ないよな?」
 バシャーモはウインディの尻尾をめくり上げると、後ろの穴にモノをねじ込んだ。
「う、あっ、ああ……」
「おっ、何だ? 後ろの穴に入れられて感じちゃってるのか?」
(な、何だ、この感覚……)
 痛いような、気持ちいいような、ウインディから正常な理性が奪われていった。どうしてこうなったのか、ちゃんと整理して考えようということはもはや不可能だった。とにかく、今思うのは、この行為が早く終わって欲しいということだった。
(ぐっ、はあっ、ちょ、ちょっとまずいかもしれない、これ……)
 屈辱的なことをされているのにもかかわらず、体の方は気持ちいいと感じているらしく、自分のモノが大きくなっているのがちらりと見えた。我慢しようとは思うのだが、体が言うことを聞かないのである。ああ、何と自分の意志の弱いことか。
 尻尾を掴んで、後ろの穴にモノをねじ込んで、腰を振っているバシャーモの方は、限界が近いらしい。
「うっ、出す、ぞっ……」
「えっ、う、あっ、ああ、あぁ……」
 ウインディは後ろの穴に液体を流し込まれたのが、止めとなったのか、自らもモノから白い粘液を放った。まさか、まさかこんな形で、出すことになるとは……。
「あー、もうダメだ。疲れた……」
 バシャーモは疲れて動けない様子。さっき思った通り、海に叩き込んでやろうかと思ったが、体が言うことを聞いてくれない。ウインディ自身もそこまでする体力は残っていなかった。



 
「おい、ウインディ、起きろ」
 ウインディは目を覚ました。
「あ、バリョウ……」
「朝飯、出来ているぞ。ああ、そうだ、ウインディ」
「え、な、何だよ?」
 ウインディはドキッとした。
「お前、随分うなされていたぞ、そのせいで途中で目が覚めてしまったわ」
「わ、悪りいな……」
「変な夢でも見てたのか?」
「さ、さあ……覚えてねぇけど、きっとそうだったんだろうな……」
 そうか、あれは夢だったのか。よかった。しかし、なぜあんな生々しい夢を見たんだろうか。まあ、しばらく鶏肉料理はいいかな、ウインディはそう思った。

 終わり



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