ポケモン小説wiki
じんこうポケモンは野生に適応できるのか? の変更点


#include(第六回帰ってきた変態選手権情報窓,notitle)
----
&color(#FF0000){*注意事項*};
&color(#FF0000){この作品にはポケットモンスター サン・ムーンのネタバレが含まれております。};
&color(#FF0000){この作品には特殊プレイ(}; &color(#FFFFFF){失禁、やや強姦に近い雄×雄};&color(#FF0000){)が含まれております。};
&color(#FF0000){閲覧の際は十分注意してください。};
----
----
水平線と空の区別が難しいほどの雲ひとつない蒼空。
天候が良く、様々な作物やポケモンが大きく育つアローラ地方では決して珍しいというではない。
四つの島と、とある財団が作りあげた人工島からなるアローラ地方では、
島と島の移動を船で行うのは当たり前で日常的に行われる。
だが、そんな日常的な事ですら私にとっては初めてのことだった。
それには私の複雑な事情が原因だ。
人工島であるエーテルパラダイス、その地下で密かに行われていた、多くの人が非道と呼ぶであろう実験の一番の被害者が私である。
一番と言っても正確には私を含めた三匹の事だが。
いや、01は代表のご子息に助けられ、02はその友人でありライバルでもある初代アローラチャンピオンに託された。
今までずっと実験ラボで幽閉されていた私がやはり一番の被害者だろうか。
とある事件の後遺症で代表は体調を崩し、慌ただしかった財団もようやく落ち着きを取り戻しはじめ、私の待遇も地下での幽閉から、2階での保護というかたちにはなった。
だが、計画の凍結にも繋がった私達の暴走を知る研究員にとって、その処置には反対の意見も多かった。
保護に反対と言うよりも、人間に害を及ぼした危険なポケモンが近くにいて欲しくないと言った方が正しい。
そこで、とある計画が行われることになった。


***じんこうポケモンは野生に適応できるのか? [#HnXj5AH]


一応は財団の監視用である端末を取り付けてはいるが、野生に放ちのびのびと暮らしてもらおうというのが今回の計画と言うわけだ。
早い話が厄介払いである。
研究員は殺処分にしたかったらしいが、ポケモンの保護を建前とする財団の都合それはできなかったらしい。
勝手に生命の創りだし、都合が悪くなれば殺そうとするとは人間という種族は随分と勝手な生き物だ。
全ての人間がそうではないと保護生活で理解はしたが好きになれそうにない。
正直、ここまでの仕打ちをされておきながら、それでも人間を信じ続けた二匹の考えが私には理解できない。
いや、人間を恨み、憎み、そしていつかそいつ等からはなれ自由を手に入れるという夢を抱かなければ、私の心はとっくに壊れていただろう。
だからこそ、人間との絆でARシステムを完全に制御し、ヌルからフルへと戻れた二匹も私にとってはウルトラビースト以上に殺したい相手となった。
誰かを恨むことでしか生きて行けず、誰も信用できないことこそが、システムを制御できない理由だと二匹に言われたが、私はこの考えを変えようとは思わい。
拒絶するのではなく、受け入れることがシステムを制御する事だと理解はしている。
だが、その事実を受け入れてしまえば、私は私でいられない。
だからこそ、この制御マスクは全てを拒絶する私からは外れる事はないだろう。
それにこのマスクは動きにくいが、システムを使えない私にとっては悪いことばかりではない。
様々なやりとりをするシステムの中枢は頭部にあり、とても繊細だ。
この重たく分厚いマスクは余程のことがない限り、その繊細な中枢装置を守ってくれる。
それは急所がないのとほぼ同じ意味だ。
私は俊敏性を犠牲にし、急所がない身体を選んだのだと思えばこのマスクにも愛着がわいてくる。

「ようやく島が見えて来たぞ。ヌル、しっかり降りる準備をしてくんだよ!」

ボートの操舵手と今回の計画の責任者を前支部長に全て押し付けられた気の毒な職員がこちらを見ずに語りかけてきた。
失礼な奴だと思ったが操舵中なので
当たり前かとすぐに納得する。
と言うか普段この職員は私をえらく気に入っているのか、どれだけ威嚇しようとも私の事を撫でたり、抱き上げようとしてるほどだ。
仮面がなくても100キログラムを越える体重の私を抱え上げるなど、ほぼ無理な話であるのにだ。
それにこれ以上、余計なトラブルを起こせば殺処分も現実味を帯びそうなので抵抗しなかったが、
この職員は懐いていると勘違いし、スキンシップの回数が増えてきていたので、これ位の距離感の方が私は気軽でいい。
そもそも何故、私はこの職員に冷たい態度を取られ、一瞬でも不快に感じたのだ?
そうか。私も一応はこの職員に心を開いていたのか。
いや、私が他者に心を開くなどありえないし、最後のタイプ:ヌルとして不完全なままの存在な私が誰かに好かれるはぞもない。
そうだ。この職員もきっと、仕事だから私にかまっていたのだろう。
いやこの職員、他のポケモン達いわく、自分達を見る目がまるで雌に発情する雄のようだったと発言されていたな。
それにこいつ、三十路手前で彼女いない歴イコール年齢で結婚する気もないと言っていたのはまさか……。
背筋が凍るような感覚が全身に巡り、この件をこれ以上考えるのやめろと本能が告げた。
ここは素直に荷物の確認をして、船を降りる準備をしておこう。
研究員から押収したARシステムの起動用ノーマルメモリと十七の属性にチェンジする為の計十八のメモリ。
あとは仮面を外し暴走した際に使用を勧められたワザマシン64、記録されている技は確か大爆発だったか。
ARシステムのエネルギーを自ら暴走させ、本体を爆発させる処分機密保持のための最終手段だったな。
仮面で制御された現状はエネルギーが爆発の域に達しない為に使用できないはずだ。
この職員がこんな物を持たせたは思わないので、他の人間が私をどう思っているのか理解できるな。
おそらくこの荷物達の世話になる事はないだろう。

「ふぅ。やっと、アーカラ島のカンタイシティに着いたよ、ヌル。
 変なトレーナーに捕まらないように一応、俺のポケモンとして登録してあるから人間から無理に隠れなくっても良いから、好きにしてて良いよ」

ふむ。ここが街というところか。
財団の施設よりも流石に人間は多いな。
で、この職員が登録上は私の親と言うわけか。

「最後くらいヌルを抱き上げて見せるぞ。
 さぁヌル、俺の胸に飛び込んで来い!」

先に陸へと降りていた職員が手を広げ、私が来るのを待っている。
正直、こいつの胸に飛び込む理由などないが、ここはあえて無謀な事を言ったと後悔させてやろう。

「や、やっぱり俺にヌルを抱えるのは無理なのか!?
 いや、俺は絶対に諦めないぞ!
 噂によれば代表のご息女は約1000キログラムのポケモンを鞄に入れて旅をしていたらしいじゃないか!
 100キログラム何て楽勝さ」

いや、流石に1000キログラムは人間の力だけで、どうにかなる重さではないだろう。
そんなの常識に疎い私でもそれ位はわかる。
1000キログラムのポケモンて言うと奴、UB04ブラスター、テッカグヤの事だろう。
UBの情報なので、しっかりプログラムされている情報だ。間違えようがない。
奴は身長が9.2メートルもあるのだから、そもそも鞄と呼べる大きさの物に入らないからな。

「なぁ、ヌル。もし、俺がお前を抱き上げられるようになったら、こんな形だけの関係じゃなく正式に俺のポケモンになってくれないか?」

こいつが私を持ち上げられるなんて、UB02イクスパンション、マッシブーンのようにでもなるつもりなのか?
それはそれで面白そうではあるが、そんな未来なんて絶対にないだろう。

「野生に適応できるのか試すって言ったのに、その職員が連れて帰るなんて、どう考えても無理な話だよな。
 ごめんな、ヌル。今のは聞かなかった事にしてくれよ」

理由については、こいつと私で違いがあるが、無理だと分かっているなら大丈夫だろう。

「これ以上、お前の顔を見てると別れが辛くなるだけだ。
 さよなら。元気でな。達者で暮らせよ!」

職員は涙を見せまいと走りさって行く。
お前が見てるのは、私の顔ではなく、制御マスクだと、叫んでやりたかったが私が吠えたところであいつに意図は伝わらいだろうから、その背中を眺めているだけにした。



街を歩いていたら、空間研究所なるものが近くにあるようなのでそちらを避ける。
生まれ育った場所がそういったところなのでどうしても好きになれそうにない。
ホテル前の噴水を脇に抜けると、舗装された道路はすぐになくなり、草が生える道とは呼びにくい通路が視界を覆う。
それでも看板いわく、4番道路と言い張るのだから、人間とは大した生き物だ。
その道路を歩いていると、草むらから何かが飛び出してきた。
ほぼ茶色いで覆われた身体ゆえに、首元と尻尾の先が白いのはアクセントとして目を奪われる、愛くるしいと評価されるであろうポケモン。
UBではないし、施設で保護されていたわけではないがこのポケモンは知っている。
あの職員が仕事で使っていたPCクッション、イーブイという奴だ。
三十路手前の男が、通販で良い物を買ったと、クッションというより素直にぬいぐるみとして売れば良いそれを、頬を緩ませ抱いていたのだから、嫌でも記憶に残る。
確か、不安定な遺伝子を持ち、周囲の環境で様々な進化をするポケモンだったはずだ。
環境でタイプを変えると言う意味では私達、タイプ:ヌルと、いやタイプ:フルと近い存在になるだろう。
しかし、本物のイーブイはそのぬいぐるみよりも小さいのだな。
そのイーブイは、こちらの視線に気づいたのか振り向いてきた。
互いの目と目が合ってしまい、凄く気まずい。
こういった時はまず相手の警戒心を解くべきだろう。
お互いにトラブルとは無縁でいたいと思うだろう。
正直、私は誰かと話すのは苦手だ。
敵意がないことを伝える言葉が思いつかいので、とりあえず微笑んで見せる。
だが、イーブイの反応を見て、それがすぐに失敗だったときづかされる。
イーブイの顔は明らかに恐怖で歪み、身体は小刻みに震えている。
私自身はそんな気はなかったが、相手はその「怖い顔」を見て、私に攻撃の意思があると判断したのだろう。

「だ、誰か助けてください!!」

明らかにレベルの高い私に一匹で危険とすぐに助けを求めるのは良い判断だと感心する。
流石は野生同士でも深い絆で結ばれているアローラ地方のポケモンだと褒めてやりたいところだ。
かん高い声を聞く限りは恐らく雌ではないだろうか?
今の状況を客観的に考えれば、幼い少女に怪しく笑う暴漢になるだろう。
確かにこれは助けを呼ばれても仕方ない絵面だ。
だが、私もこれ以上はことを荒立てるつもりはない。
今度は、言葉で敵意がないことを伝えよう。

「ま、待ってくれ! 私は決して怪しい者ではない。
 まずは、私の話を聞いてくれないか!?」

咄嗟に出た言葉を叫んだが、どう考えても昆虫のような前足に、鱗のついた獣のような後ろ脚、尻尾はヒレで、頭には鳥のようなトサカが生えており、仮面を付けている私の見た目は怪しいだろう。
こんな継ぎ接ぎだらけのポケモンが野生で生まれたるわけがない。
そもそも、私は少女に何を話すんだ?

「ど、どうしよう、誰も来てくれない。
 お兄ちゃんも、危ない目に会ったらいつでも呼べって言ってたのに、昼間だからやっぱり来てくれないし!
 そ、そうだお兄ちゃんが言ってた相手を怯ませる言葉を」

イーブイの助けを求める声は誰にも届かなかったようだ。
これ以上話がややこしくならないので、そこは安心出来る。
だが、私の言葉もイーブイには届いていない。
状況は良くも悪くも全く変わってないのだから、次の手段を考えなくては。

「わ、私に乱暴する気でしょ!? エロ同人みたいに!」

いや、このイーブイは何を言ってるのだ。
これだと、私は違う意味で暴漢に思われるし、むしろロリコンとう不名誉なあだ名まで付けられかねない。
これはまず、あのイーブイの口を塞いだ方が良さそうだ。
話術でどうにか出来ると考えたのが甘かったのだろうし、ここは物理的に塞いでしまおう。

「エ、エロ同人みたいに!」

私が反応しなかったのが、聞こえていなかったと思ったのか、ややこしくしてしまい言葉をもう一度口にするa。
駄目だこいつ……。早くなんとかしないと……。
私はイーブイに飛びかかると、少女を仰向けに押し倒し、口を塞ぐ為に前足を振り上げる。

「ひっ! ご、ごめんなさい。
 ごめんなさい。ごめんなさい」

飛びかかられた恐怖で、イーブイはただひたすらに謝り続ける。
恐怖で歪んだ、その少女の顔からは涙が溢れていた。
体重を支えるもう片方の前足に何かがかかる感覚に、私は視線を下げる。
視線の先には、汚れを知らないだろう幼き割れ目から黄金水で弧を描き、その着地点に小さな水たまりを作っていた。
どうやら、イーブイは恐怖で涙だけでなく、小便まで流してしまったようだ。
これはもう何を言っても、私は強姦魔だな。
このイーブイには悪いことをしてしまった。
もう誤解を解くのは、今のイーブイの心理状態を見ても無理だろう。
一旦逃げたほうが良いだよう。
私は小便のかかった前足を振りながら、辺りの様子を見る。
逃げるのに良さそうな道はないだろうか?
周囲を見ていると、木陰から淡く光る複数んp黄色い輪と二つの赤い丸を見つける。

「ふわぁ。おいサニー、こんな真昼間から大声出されたら兄ちゃん寝れないだろう……」

木陰の光は、昼間に大声で起こされたブラッキーのようだ。
口調的にこのイーブイの兄らしい
これはもっと話がややこしくなりそうだ。

「うわ! こいつ俺の妹になんて羨ましい、じゃない酷い事をしているんだ!
 あれ? この継ぎ接ぎ仮面ポケモンって人間の誘拐売買組織の連中のポケモンだろ?
 お前、サニーから離れやがれ!」

ブラッキーがこちらに目掛けて走り、体当たりをしてくる。
が、私も出来損ないとは言え、UB相手を想定として造られているのだ。
この程度の野生のポケモンでどうにかできる程弱くはない。
体当たりしてきたブラッキーは私にぶつかり、その反動で逆に吹き飛ぶ。
誘拐売買組織とは恐らくは、もう解散したがスカル団のことだろう。
そう言えば01の主人はスカル団の用心棒をしていて、この辺を生活の拠点にしていたんだったな。
バトルロイヤルの頂点にも立ったと自慢してきていたし、この島にあるのだろう。
つまり、私は01と勘違いされているということか。
あいつに間違われたとなれば、私も少々腹が立つ。
穏便に済ませようと思ったが、少しからかってやろうか。

「ふん。雌のイーブイでも十分珍しいが、ブラッキーまで出てきてくれたか。
 このお嬢ちゃんを守りたいなら、その無力なブラッキーよ命をかけてかかってこい」

悪役を演じるというのは、初めてだがこんな感じで良かっただろうか?
イーブイはうつ伏せになるように転がると、腰が抜けてまともに動けないのか、前足だけで這うように逃げようとする。
少女を庇うようにブラッキーは私の前に立ちふさがった。

「いい心掛けだ。感動的だな。だが無意味だ」
「くそ! サニーが逃げる時間くらい稼いでやる!」

ブラッキーはもう一度私に走ってくる。
二度目の体当たりは私に当たる前に、ブラッキーは黄色い水かまりで足を滑らす。
そして、その水たまりに顔面から叩きつけらる。
地面に顔を埋めるブラッキーの身体は震えていた。

「こ、これは実は木陰で覗いていたがサニーの黄金水!
 俺にとってはなんてご褒美なんだ! 今日は良い日だ!」
「お兄ちゃん、最初の助けで気づいてたの!?
 お、お兄ちゃんの馬鹿ぁああああ!!!」

イーブイは恥ずかしさからくる怒りから恐怖を克服したのか、全速力でブラッキーに体当たりをする。
その小さな体がぶつかっただけとは思えないほどブラッキーは激しく転がった。
このイーブイ、力が高く特性は適応力か?
ブラッキーの頭を命をイーブイはポカポカと前足で叩いている。
いや、何故か凄く痛そうな音だが私には関係ないしな。
なんか、01に間違われたのも、もうどうでも良くなってきた。
二匹が漫才をしているうちに、この場から離れてしまおう。

「ちょっと、そこの変態仮面さん!
 私にあんな酷いことしておいてどこに行く気ですか!?
 あんな姿見られて、私もうお嫁に行けませんよ。
 ちゃんと責任取ってくださいね」
「へ? いや、私に雄としてのモノは付いてはいるが生殖機能はないので、そのような責任を求められても困るのだが……。
 決して不能というわけじゃないないぞ。種は出るが生命力が弱いので空気に触れた瞬間に死滅するだけだ」

逃げようと忍び歩きをしていたら、突然は声をかけられた。
イーブイの怒りの矛先は、今度はブラッキーから私に向いている。
正直、先ほどの怯えていた表情の少女と同一ポケモンに見えない。
その気迫に一瞬怯んだ私は、余計なことを話してしまう。

「私が可愛いからって、何を妄想してるんですか!?
 ただ、私達の用心棒でもしてもらいたいなって思っただけですよ。
 あなた、すごく強そうですし。
 そうだ、自己紹介がまだでしたね。私はサニー。
 こっちの伸びてるブラッキーが兄のツキカゲです。
 全く、足を滑らせて気絶するなんてだらしないですよね?
 それで、あなたの名前は何て言うんですか?
 正直、あまり見たこないポケモンなので、種族も名乗ってくれると嬉しいです」
「種族はタイプ:ヌルと呼ばれている。
 名前と呼べるようなものはなかったな。
 あえて言うなら、S/Nー03(シリアルナンバーゼロスリー)だ。
 他にも、ビーストキラー、BK、03なんて呼ばれていた。
 別に好きに呼んでもらって構わない」
「ど、どれも名前って感じがしないですね……。
 じゃあ、03から取ってゼロスさんと呼ばせてもらいますね」

ん? 足を滑らせたときは別に気を失ってなかったはずだ。
つまり、このサニーと名乗る少女が兄のツキカゲを気絶させるまで殴ったと言うことか?
雌が少ない種族の雌はたくましいと、あの職員も言っていたがこれほどとは……。
私は己の身を案じ、用心棒の提案を受け入れるのだった。



野生の生活を始め、早くも一ヶ月が過ぎようとしていた。
用心棒などと呼ばれはしたが、ほぼ平和そのものである。
むしろ、どちらかと言えば野生な不慣れな私が兄妹に助けられた。
食料の判断もろくにできなかった私が、今では一匹で食料調達できるくらいには成長している。
計画通り野生に適応できてるのが、少々腹が立つが無事生活できているのは良い事だ。
もっとも、野垂れ死んでくれた方が研究員達にとっては良かったのだろうが。
第一印象が最悪な出会いだったのに、私に色々と教えてくれるサニーが気になってきていた。
しかし、最近サニーが私によそよそしい気がする。
ツキカゲにその事を話すと「年頃の雌の乙女心くらい理解してやれよ」と軽くあしらわれた。
今日もシェードジャングルに行くというのに私にはついて来なくて良いと強い口調で言われる。

「なぁ、ツキカゲ。本当に私はサニーの気に障る事をしていないのだろうか?」
「だから、年頃の雌の乙女心くらい分かってやれって。
 悪い奴じゃないけど、他に良い雄がいただろうに……」

その乙女心が理解できないから私は困っているのだ。
最近はシェードジャングルで変なポケモンを見たと噂になっていた。
噂なんてあてにはならないが、万が一という事もいる。
そこに一匹で向かうのは危険だと言っても、私の説得に応じてくれなかった。
シェードジャングルと聞いて、何か大事な事を忘れている気がする……。
今日は爽やかなアローラでは珍しく天候が悪く、シェードジャングルの方向に大きな雷が落ちた。
サニーもわざわざこんな天気の悪い日に出かけなくも良かっただろうに。
シェードジャングルに落ちた雷を見て、私は胸騒ぎの原因を思い出した。
そうだ。あそこにはUB03ライトニング、デンジュモクが確認されていたはずだ。
変なポケモンというのもこいつの事だろう。
仮にもビーストキラーともあろう私がこんな大事な事を忘れていたとは、少々平和ボケし過ぎていたかもしれない。

「サニーが危ない。私達もシェードジャングルに向かおう」
「危ないってどういう事だ?」
「ジャングルに危険なポケモンが現れている」

今は詳しい説明をしている時間も惜しい。
流石に自分よりも強いポケモンが危険と発言した事でツキカゲも重たい腰をあげる。

「ゼロスがやばいって言うくらいだから相当やばい奴って事か?」
「正直に言うと、今の私で勝てるか分からないほど強く凶暴な相手だ。
いや、恐らく時間稼ぎくらいしかできないだろう。
出会ったら戦おうなんて思わず逃げる事だな」

ここからシェードジャングルまで、そこまで離れてはいない。
胸騒ぎを抑えることができないまま、私はツキカゲと走り出した。
今日ほどこの重たい制御マスクが邪魔だと思った事はない。
何度も心の中でサニーの無事を祈りながら、ジャングルまで全速力で走り続けた。



シェードジャングルにたどり着くと、そこは不気味な程に静まりかえっていた。
様々なポケモンが生息するこの地は活気に溢れた場所だと聞いていたが、この瞬間はそのようには感じられない。
デンジュモクから隠れようと、皆息を潜めているのだろう。
状況は思った以上に悪そうだ。
森の中で放電の光を確認すると私とツキカゲは再び走り出した。
光の先にサニーがいる保証はないが、何故かそこにいるという確信がある。
これが私が否定し続けてきた絆というものだろうか?

「レッツゲーム、メッチャゲーム、ムッチャゲーム、ワッチャネーム。
 アイムアウルトラビースト」

目の前で電気コードを束ねたようなポケモンが何か叫んでいる。
その足元にはサニーが倒れていた。
私の中で怒りがこみ上げてくるのを感じる。
他者を傷つけられ、こんな気分になるのは初めてだ。

「ツキカゲ、サニーを助けて逃げられるか?」
「任せろとまでは言わないが、やれるだけの事はやってみるさ」

私は奴の注意をひければそれでいい。
二匹が離れたのを確認し、それから離脱する。
たとえ怒りがこみ上げていても、倒そうなんて絶対に考えるな。
タイプ:ヌルの私で倒せる程相手は弱くないのだ。
デンジュモクは私に興味を持ったのかジロジロと、この身体を見てくる。

「ああ、そうか。思い出した。こいつが仲間から報告のあったビーストキラーというポケモンか。仮面を付けているからすぐに分からなかったな。
人間と一緒と聞いていたが周囲に人間の姿はなさそうだ。
まぁ、そんな些細な事はどうでも良いか。
この辺のポケモンは弱過ぎて退屈だったが、お前は楽しませてくれるんだろ?」

こいつ、どうやら01か02の事を知ってるらしいな。
こちらの手の内を知ってるとは厄介な相手になりそうだ。
奴の背後ではツキカゲがサニーを背負い走り出していた。
草をかき分ける音に反応し、デンジュモクはそちらの方を向いたが、今は私にしか興味がないのかすぐにこちらへと向き直る。
あまり褒められた事ではないが、この隙を逃すのは惜しい。
やるかやられるの野生の戦いに綺麗も汚いもないのだ。
私はデンジュモクへ目掛け全速力で走り出し、自分への体のダメージを無視し思い切り突進する。
ARシステムが機能していれば、前足の爪による攻撃も大きなダメージを与えられるだろうが、今は自身の体重の方が武器になるだろう。
体重はほぼ同じだが、仮面の分こちらの方が上だ。
耐久力もそれなりのデンジュモクには、十分効果があるはずだ。
相手の腹に仮面から突っ込み、そのまま背後の岩まで叩きつける。
その衝撃は逃げ切らず、私も頭に衝撃を受け軽く目眩を起こす。
仮面がなかったら、もっと酷い症状になっていただろう。
やはり、この仮面は便利だな。
デンジュモクがそのしなる腕を鞭のようにふるう。
私は避けきれずに仮面にその重たい一撃を食らった。
仮面がなければ、急所あたっていたその攻撃で私は体勢を大きく崩す。
その隙を相手が見逃すことなく、その体をから無差別に電撃を放電した。
周囲にはまだ逃げきれてないツキカゲとサニーの姿がある。
ツキカゲは自分の体を盾にしようとサニーに覆いかぶさった。
いくらブラッキーの特殊防御が高かろうとレベル差がありすぎる。
私は避けることなど考えず、ツキカゲの前に走りその放電を浴びた。
特殊攻撃の高いデンジュモクの放電は私の体力を大きく削る。
時間稼ぎすら、ろくにできないとはが自分の無力さに嫌気がさす。
このままではサニーが危険及ぶ。
俺はサニーを、誰よりも何よりも君だけを守りたい。
例え、この身が滅びようとも彼女だけは守ってみせる。
ARシステムを発動させ、グラウンドメモリをセットすれば放電は無効化が可能だ。
その分、パワーウイップは驚異となるが、仮面がなくなり動きやすくなった身体なら驚異とならないだろう。

「キャストオフ! フェイスオープン!!」

私は自らの枷となっている仮面を吹き飛ばす。
これで、メモリをセットするドライブが露出する。
正直、これ等を使用するときが来るなんて思ってもいなかった。
吹き飛んだ仮面が当たりデンジュモクが一歩後退した。

「ノーマルメモリセット! ARシステム起動!」

シスタムが体内にナノマシンを注入し細胞を大きく変化させる。
その際にシステムに記録された戦闘用の知識を一気に脳内に流し込む。
……気持ち悪い、頭が割れそうだ。
こんな苦痛を味わうくらいなら、頭が割れた方がマシかもしれない。
だが、今回は暴走するわけにはいかないのだ。
頭部のトサカは翼のように広がり、光る角が出現する。
強烈な苦痛は灰色の体毛を白く変化させた。
01と02はこんな苦痛に耐えてタイプ:フルになったというのか?

『ARシステム起動完了。システムオールグリーン。03の体調に少々の問題あり。
身体に大きなダメージを確認。痛覚を一時遮断。蓄積ダメージにご注意ください』

脳内に直接システムの解説が響いた。
システムのメッセージ通り、身体の痛みは消える。
傷が癒えたわけではないので
無理はできないだろう。
だがこれで、私はまだ戦える。

「グラウンドメモリセット」

続いてタイプチェンジ用のメモリをセットする。
初回起動と違い、身体への負荷はほとんどない。
メモリの影響を受け、尾ヒレの膜と頭部の角、目の色が茶色く変化する。
これで戦闘準備は万全だ。
サニーは戦う事しかできない私に、戦う意味を与えてくれた。
誰かに縛られるのではなく、誰かの為に戦える事がこんなにも素晴らしいとは。
身体が軽い。こんな幸せな気持ちで戦うなんて初めてだ。もう何も恐くない。

「ほう、仮面を捨て去ったのか。
 それがお前の全力の姿なのだろう?
 もっと強くなって、もっと私を笑顔にしてくれ」
「仮面を外すのに少々手間取って悪かったな。
 お望み通りこれでもう少し、あんたを楽しませる事ができるはずだ。
 さぁ、第二ラウンドを始めよう」

デンジュモクに近づく為に走りだす。
重い枷のなくなった肉体的は私の予想以上に速度が出た。
速度が乗ったまま、メモリの影響を強く受けた前足の爪で相手を切り裂く。
効果は抜群だ。この一撃は先ほどの突進よりも効いたようでデンジュモクは大きく仰け反り、その傷を手でおさえる。
反撃のパワーウイップを難なく避け、一歩距離を取る。
周囲を見れば、既にツキカゲとサニーの姿はなく、どうやら逃げきれたようだ。
あとは適当なところで私も撤退しなくては。
相手はゲーム感覚でも、こちらは命をかけているのだ。

『危険。危険。背後から強い電撃のエネルギーを確認』

脳内に突然の警告。
振り向いた時には電撃が体中を巡る。
グラウンドメモリでなければ、瀕死だった。
その電撃を放った相手を確認するとデンジュモクがもう一匹いる。
確かにウルトラビーストは基本的に複数の個体が確認されていたが、こんなタイミングで現れなくても良いだろうに。
正直、この場を切り抜ける有効な手段があれしか思いつかない。
技マシン64、大爆発。
これなら二匹とも、大きなダメージを与えられるだろう。
ここでこいつ等を止められなければ、いずれはサニー達も再び、危険が及ぶ。
……サニーは私が倒れたら悲しんでくれるだろうか?
いや、考えるのはやめよう。
私が死んで悲しむ者など誰もいないはずだ。
これまでも、そしてこれからも。

「おお、ウルトラビーストが二匹同時なんてサービス良いサービスだね。
 さぁて稼ぎますか」

緊張感のないふざけた声がバトル場に響く。
この声は聞き覚えがある。

「何で貴様がここにいる02!」
「ん? そこにいるのは、何と03君じゃないか。
 あれ? もしかして獲物取っちゃうかな?
 でも、これは仕方ないよね。
 君が弱くて、僕が強い。そう仕方ないんだよ」

一人のポケモントレーナーと現れたポケモンこそ、研究所で一緒だったタイプ:ヌル、S/N-02だった。
いや今は、タイプ:フルか。
アローラ初代チャンピオンのポケモンとなった02は今では、先にタイプ:フルとなった01よりもそのレベルは高くなったと施設で噂になっていた。
現時点最強のビーストキラーが02という事になる。

「お前等、捕獲するけど、良いよね。
 ま、弱い奴等の答え何て、僕は聞かないけど。
 ARシステム発動、メモリセットグラウンド」

02の相手を見下す態度は相変わらずのようだ。
それでも、私よりもまだ人間に心を開いていたと理由でチャンピオンに渡されたのだが。
正しくは、強いと認めた相手には逆らわないからと言った方が良いか。
一番人間に従順で、一番扱いにくい性格の奴だ。
それと上手く付くあっているチャンピオンは素直に凄いと思う。

同族の私ですら、02を目で追うのがやっとだった。
爪の当てる場所を上手く調整し、デンジュモク二匹が一瞬で虫の息となる。
この繊細な調整を出来るほど、奴は経験を積んだと言うのか。
チャンピオンは見たことのないボールを投げるとデンジュモクは抵抗することなく捕獲された。

『敵対ポケモンの反応消失を確認。
 グラウンドメモリ、ノーマルメモリ、イジェクト。
 ARシステムの機能を停止します』

デンジュモクが捕獲された事でシステムの停止の連絡が響く。
こんな音声がずっと流れていては、その内頭がおかしくなりそうなので助かった。
が、システムが停止した事で当然痛覚が戻り、全身に激痛が走る。
システム起動時の痛みとは別の痛みに、耐えられず、私は意識を手放した。



私の意識が戻ると、まだ視界がぼんやりとするが一ヶ月過ごす見慣れた場所だった。
誰かが私を見下ろしている。
ぼんやりとした視界と頭ではそれだけしか分からない。
サニーだろうか? いや、そうであって欲しいと私が望んでいるのだ。

「愛しい雌ポケモンだと思った?
 残念、02君でした。
 ねぇねぇ、今どんなに気持ち? どんな気持ち?」

視界がはっきり戻ると、残酷な現実が待っていた。
いや、これはまだ夢に違いない。
もう一度寝て、起きればサニーが待っているはずだ。
サニーでなくても、せめてツキカゲだろう。
そもそも、こんなところに02がいるはずがない。
私は再び目を閉じ、目の前の存在をなかった事にしようとした。

「あ、こら! 僕を無視して二度寝しようとしない!
 と言うか、三日も寝てたのにまだ寝る気なの!?」

どうやら、デンジュモクとの戦いから三日もたったらしい。
なら、何でまだ02がいるのだ?

「ふふん。何でお前がいるんだって言いたい顔してるから、説明してあげよう。
 君が倒れたから、僕がここまで運んできてあげたというわけさ。
 で、君の代わりにイーブイの少女の用事に付き合ってあげたんだよね。
 何? 三日間もこんなとこにいて良いのかって?
 この近くで国際警察のイケメンだか、ダンディってお巡りさんが新しいUBの正確な情報を手に入れるのを待ってるから、それまで暇なのよ。
 僕と03の仲だし、今回は貸し一つって事でいつか返してくれれば良いからね」

02は聞きたかったことを、聞きもしてないのにペラペラと話す。
こいつに借りを作ったというのが、我ながら実に情けない。

「貴様に私の力が必要なことがあるかは分からないが、私ができる事なら何でんでもしてやる」
「ん? 今、何でもするって言ったよね?
 その言葉、自分自身でしっかり覚えておいてよ。
 後悔するような事をしてもらおうかな。
 じゃあ、お姫様もずっと心配してたし、その姿を見せてあげた方が良いよナイト様」

私の言葉を聞いて、02が凄く楽しそうにしている。
本当に他者を馬鹿にした、この態度が気に食わない。
それにしても、こいつは私に一体何をさせる気だ。
サニーが心配してくれていたのは正直嬉しい。
まだ重たい身体を私はゆっくりと起こす。
早くサニーを安心させたいし、私もサニーの顔が見たい。

「あ、ゼロスさん目が覚めたんですね。もう起きないんじゃないかって心配したんですよ!」

目の前には見慣れたイーブイの姿はなく、そこにはリーフィアがいた。
話しかけられなければ、気づかなかったかもしれない。

「ふふ、驚きましたか?
この三日間で私、進化したんですよ。
自分の力だけでなんとかしようとしたんですが、結局02さんに手伝ってもらったんですけどね」

イーブイの頃は可愛らしかったが、リーフィアのサニーはとても綺麗で見ているだけで胸がドキドキする。
この気持ちをそのまま伝えるのは少々恥ずかしい。
何て、言葉にしたら良いだろうか?

「ちゃんと、好印象見たいですね。
だって、顔が真っ赤になってますもん。
仮面がなくなったから、表情が分かりやすいですね。
シェードジャングルで02さんに見せてもらいましたから分かるんですけど、炎のメモリを使ってるみたいですよ。
ゼロスさんが口下手なのは知ってますけど、言葉で伝えて欲しいです」
「……凄く綺麗だ」
「ありがとうございます。
 これはお礼ですよ」

サニーは私に顔を近づけると、その頬にキスをした。
突然の事に私の思考回路は処理が追いつかず、フリーズする。

「も、もしゼロスさんが嫌でないなら、初めて会った時のように私を押し倒して、その先の事までしてください」

息がかかるほどの距離で囁かれる、サニーの言葉は私の理性を簡単に破壊する。
私は無意識にサニーを押し倒していた。
その彼女の身体は進化したにもかかわらず、力を込めればすぐに壊れてしまいそうである。
いや、リーフィアの平均体重は、私が三日前まで付けていた制御マスクより少し重い程度なので当たり前だ。
雌故に小柄な彼女はもっと軽いだろう。
まさに今のサニーは一輪の華のように儚く美しい。
そんな美しい華を眺めようと私の逸物も顔をだす。
その醜く膨張した欲望をサニーは
愛おしいそうに見てくれている。
すぐにでも、この欲望を彼女の雌しべに突き立て、生殖能力を持たない無意味な子種で汚してしまいたい。
だが、サニーとの初めてをこんな下劣な行いだけで終わられて良いわけがないのだ。
逸物にはまだ役目を待ってもらい、初めにキスのお返しを済ませてしまおうか。
今度は私からサニーに口付けをする。
もちろん頬にでは彼女の口にだ。
熟れた果実のように柔らかく甘い唇を舌というナイフで丁寧にこじ開け、中の果肉を堪能する。
ぴちゃぴちゃと果汁が混ざり合う音がとても心地よく感じられた。
その果実はずっと味わっていられそうだが、それでは進まない。
名残惜しいが、舌を抜くと離れたくないと果汁がねっとりと私達を繋いだ。

「これが、本当のキスなんですね。
 なんかとってもエッチです。
 ゼロスさんも、もうそんなにして、入れたいんですよね?
 私のここも、早く入れてってこんなに濡らしているんです……」

サニーは自らの秘所を前足で広げて見せる。
その秘所は蜜を垂らし、雄を誘う甘い匂いを放っていた。
私はその秘書を見て生唾を飲んだ。
我慢などできないし、我慢する必要などない。
早く雌を味わいと涎を垂らす逸物をあてがう。
今度は性器と性器がキスをし、少しづつ彼女の中へと入れていく。
雄の侵入を阻もうと、膣がきつく締め付けてくる。
挿入前に逸物を刺激していたら即射精してたかもしれない。
それくらい、彼女の中は気持ちよく逸物を包んでくれた。
私とサニーでは、やはり体格差が大きい。
負担をかけぬようにとゆっくり進めていく。
逸物が半分ほどのところで何かに当たる。
彼女が純潔である証。それを無許可で破る訳にはいかない。

「サニー、本当に私で良いのか? 君に子供を宿すことができない私で?」
「大丈夫です。むしろ、ゼロスさんじゃなきゃ嫌ですから。
 だから、私の初めてをゼロスさんにもらってください」

サニーの覚悟は本物のようで安心した。
私は更に逸物を深く沈め、彼女の純潔を破る。
雄である私にはその痛みを知ることはできないだろう。
サニーは目を瞑り、唇を噛み締め痛みに耐えていた。
少しでも、彼女の痛みを和らげる事が出来たらと思い頬を舐める。
私の意図をくんだのか、サニーは弱々しく微笑むと、舌を絡めてきた。
上の口と下の口、両方で繋がっていると思うと更に興奮する。
せめて、痛みがひくまでこうしていよう。
サニーの果汁の味は、やはり癖になる
すると、突然口を離された。

「ぷは。痛みも大分ひいたんで、もう動いて、大丈夫」
「そうか。じゃあ、動くから痛かったら遠慮せず言ってほしい」

ならば、動かさせてもらおう。
腰を大きく引き、抜けそうになったらもう一度奥まで入れる。
初めての動きで中々うまくいかないが、十分気持ちいい。
サニーの表情を見ていると、奥を突かれている時に気持ちよさそうにしていた。
私は小刻みに腰を振り、彼女の奥を重点的に攻める。

「ゼ、ゼロスさん、そこ、そこ凄く感じちゃいます!
 そんなに突かれると、私イく。イっちゃいますよぉお!」

サニーの叫びの通り、絶頂を向かえた膣は逸物を更に締め付ける。
その渾身の締めつけに、私も限界を向かえ彼女の中へ己の白い欲望を注ぎ込む。
中に入りきらなかった精は、結合部からドロリと垂れる。
射精の脱力感から、身体が大きくよろけるが、サニーを押しつぶさないように踏ん張った。
お互いの荒い息づかいだけだけ辺りに響く。
射精直後というのは、妙に辺りが気になるものだ。
それに、何か妙な視線を感じるような気がする。
周囲を見渡すと、謎の視線の招待に気づく。
岩陰から、ツキカゲと02がこちらを覗いている。
二匹は私と視線が合うと慌てて岩陰に隠れた。
しかし、02のトサカが岩陰から大きく飛び出している。
怒り、焦り、羞恥様々な感情が混ざり合い私の思考を停止させた。
サニーは私が一点を見つめて動かないのを不自然に思い、その視線の先を見る。
やはり、岩からは大きなトサカが揺れていた。
本人は隠れているつもりなのだろうが、バレバレである。

「お、おい02頭のトサカが岩から出てるぞ。もっと、頭下げろよ!」
「ちょ、足の間にツキカゲがいるから、これ以上は無理だって!
 何、押しつぶしてもいいならもっと身を低くするけど?」

ツキカゲがようやく02のトサカに気づいたようだ。
しかし、声を出したのがいけなかった。
流石にサニーも二匹に覗かれていたという事実を認識する。
様々な言葉が喉元まで出ているが声にならないのか、口をパクパクとさせていた。
私はサニーから逸物を引き抜き、まだ勃起の収まらないそれを隠す事なく二匹の隠れる岩陰へと飛びかかる。
岩影には02の足の間にツキカゲがいた。
その二匹の体制は、確かこう言えば良かったはずだ。

「……これ絶対に入ってるよね」
「おい馬鹿やめろ! 俺は雌にしか興味ないからな!
 その誤解を招くような発言はやめろ!!」
「確かにツキカゲの言う通りだ。誤解を招くような発言はやめてくれよ。
 バレたんなら、もう隠れるのはおしまいにしないとね。
 そう、僕が興味あるのは03、君なんだよ!
 やっぱり、同族っていうのは同性でも興奮するよね!!
 無駄に熱っ苦しい01よりも、クールな03の方が僕は好きだ!
 そんな03が目の前であんなにエッチに腰を振っちゃってたら、僕を誘ってるとしか思えないよ!
 僕のちんちんも、こんなになっちゃったじゃないか」

02の衝撃的な発言に私を含む、この場にいる残りの三匹が声を揃えて「はぁ!?」と叫んでいた。
その勃起する逸物を隠す事なく、私に近づいてくる。
こいつ、ARシステムの使いすぎで頭がおかしくなったんじゃないか?
真の恐怖を目の前にすると足が動かなくなるというが、今が正にそれだ。
本能は逃げろと告げているのに、足が全く動かない。
ああ、初めて会った時のサニーには本当に悪いことをした……。

「じゃあ03、借りを返してもらおうか。
 こんな状況で何を言うかは分かってるよね?
 うふふ。03の精液と愛液の付いたちんちん美味しそうだよ。
 まずは、それから頂こうかな」

02は目にも止まらぬ早業で、私の腹の下に潜り込み、ダメージを与えることなく仰向けに転倒させられた。
そのまま、お互いの性器と性器が見えるように頭と足が逆になるように上にのしかかられた。
逸物に何かがまとわりついてくる。
ここからでは直接は見えないが、恐らくは02の舌だろう。
その感覚に声を出しそうになったが、なんとか押し殺した。
サニーにこんな声を聞かれたくないし、02を喜ばせるだけだろう。
膣に挿入した時とは違う感覚に、相手がサニーだったなら興奮したはずだ。

「ぷは。さっきの交尾の時みたいにエッチな声聞かせてくれないんだね?
 声を出す気がないなら、いいや。僕のも舐めてよ。
 勿論、噛み付かないでよね。
 噛んだら、03のちんちんも噛みちぎるからそのつもりで」

声を出さない私に、不満に思った02はその逸物を乱暴に口を突っ込んできた。
喉に無理やり逸物を突っ込まれ、胃液が逆流しそうになる。
逸物を舌で押し出そうと、するがそのが行為は03を喜ばせるだけの結果となった。

「はうっ! うん。良いよ03。そのまま僕のちんちんをペロペロしててよ。
 ああ、気持ちいい! あ、いや、もう無理かも……。
 ごめんね03! 僕、早漏でごめんね!!
 ああ、出るぅう! 03におちんちん舐められて精液でちゃうぅうう!!」

02の身体がビクビクと震えると、私の口内に大量の精液を流し込む。
射精中にその逸物を私の口内から抜くことはなく、嫌でも精液を飲むことを強制される。
その長い射精を終えると、02がようやく逸物を引き抜いた。

「予想以上に気持ちよくて、すぐに射精しちゃった……。
 ごめんね。今度は、ちゃんと03も気持ちよくするから」

02は私の頬にキスをすると、精液と唾液でヌルヌルになった逸物を私の尻の穴にあてがう。
流石にこれ以上はやめてほしいが、02に押さえ込まれまともに動けない。

「もう、そんなに暴れるとうまく入れられないじゃないか。
 大人しくしてくれないと、僕ももっと手荒な事をしなくちゃいけない。
 それは、お互いのためにならないだろう? だから、大人しくしててよ。
 足をもがれて私生活に影響を与えたくはないだろう?」

こいつ、目が本気だ。抵抗すれば本気で足をもぐつもりだろう。
抵抗して、私は02に勝てないのを分かってて言っているのだ。
やっぱり、私はこいつを殺してやりたい……。

ヌルヌルになっている02の逸物は、私自身でも驚く程すんなりと菊門へと入ってくる。
気持ちいいかは別として、思ったよりは負担が少なそうだ。
これなら何とかなるだろうか?
私の事を一応気づかっているのか、ゆっくりと入れてくる。
全部入ると、まるで恋人にでも言うようにわざわざ耳元で「全部入ったよ」と囁いてきた。
正直、私はこいつの恋人ではないので気持ち悪いだけだ。
02はゆっくりとピストン運動を開始する。
私の気持ちなど知るはずもなく、口から涎をだらしなく垂らしす02はとても気持ちよさそうにしていた。
この様子なら、それほど長くはなさそうだ。

「うへへ。03のお尻が僕のちんちんを咥えて離さないよ。
 はぁはぁ、大好きだよ03!!
 ああ、中に、中に出すよ! い、良いよね? 答えは聞かないけど!!」

数回腰を振っただけで02は私の中で絶頂を迎えた。
お前は私が好きでも、私はお前が嫌いだ。
質問しておいて、答えを聞かないのはいつも通りだな。
今回は答える暇もなく絶頂を向かえたが……。
02は逸物を私から抜くと、ドロドロと精液が垂れる。

「はぁはぁ03、ありがとう。また貸しがでできたら、お尻使わせてね」

もうお前に借りなんて絶対に作らないと強く誓う。
私と02の行為をツキカゲとサニーは呆然と見ていたようだ。

「あ、えっと。ゼロスなんて言うかお疲れ様。どんまい……」
「わ、私雄同士の後尾って初めて見ましたけど、凄く、激しんですね。
 負けません。絶対に02さんなんかに負けません!
 ゼロスさん、もう一度交尾しましょう!!」

サニーが02に対抗心を燃やし、私の逸物を咥えた。
逸物を必死に加えるサニーの姿はとても卑猥で興奮する。
私とサニーは02とツキカゲに見られながら、第二ラウンドの交尾を開始するのだった。
----
どうも、こんにちは。蒼空です。第九回短編小説大会、第八回仮面小説大会に続いて復活作品三本目となった為、そろそろ作者名を直接出しても良いですよね?
更新しない作者はいつコメント返信すべきなのか非常に悩んでますが、コメントは見させてもらってます。
今回、参加する気なんてなくポケモンサンをゆっくりプレイしていようと思ったのですが、タイプ:ヌルの地下資料を見て、残りのヌルの事を妄想してたら作品を書き始めてました。
正直、発売して日の浅いサン・ムーンのネタバレを含むような作品を作るのもどうかと思ったのですが、新しい設定が来て作品が成立しなくなるくらいなら、今回の大会で出してしまえとやや無理してでも参加を決意。
大会中は閲覧数がもっとも低かったのでこれは外したな……。ヌルの出番は早すぎたかと思ったのですが、五票もいただいて凄く安心しました。
日曜朝の仮面のヒーローをネタにするだけに仮面のポケモンをどうしても使いたかったんです。こんな早くの大会で七世代の伝説系を使った愚者は私くらいでしたね。
ヌルが伝説系統に分類されるポケモンと気づいたのは入手した後で、もっと生物に見えないポリゴンが卵作れるからヌルも作れると本気で思ってたんですよ……。
私自身はウルトラビーストの捕獲イベントを進めてなかったのでまずは資料集めに苦戦。そもそもGTSで図鑑埋めたため今でも進めてません。
むしろ、私は基本的に伝説は捕まえないで交換で図鑑を埋める派の人間なんです。伝説とは人が持つべきものではない、というか育て方が思いついてから捕まえに行くものなんです。
そして結局捕まえないで次の世代が来て捕まえないんです。最後に強制以外の伝説捕まえたのって何時だろう? GTS便利すぎて実装前のGBAまで戻るかもしれません。
ヌルも伝説扱いだと知っていれば受けとらなかったのに……。でも、ヌルは最近の伝説扱いでは珍しく色違い入手できるらしいですね。
預け屋で最初に貰えるイーブイが色違いの女の子だった私でも流石にヌルの色違いは難しいかな? いや、サブロムで粘るべきなのか?
六世代から確率も倍になりましたし、今回は光るお守りもアローラ図鑑だけだし、色違いも随分と入手しやすくなった印象ですし。
や、やっぱヌルも卵が作れれば良かったんですよ! 国際孵化万歳!!
グラジオ関連の話がアーカラ島で多かったため、ここでUBの出現があったのは本当に助かりました。
シェードジャングルに誘導するためにリーフィアへの進化をしたいと口実のイーブイをヒロインに抜擢。
単純に私がブイズ好きすぎるだけでもありますが、イーブイがアーカラ島で野生で出てくるのも噛み合いましたしね。
変態選手権ですし、変態枠としてツキカゲと02を設定。
ところどころにネタも入れられて個人的に楽しくやらせてもらいました。
今回も開始一行目で作者名。バラしてはいけないがバレる作品がいけないとは言ってないですし。
作品内ではテッカグヤ999.9キログラムの方を使いましたが、コスモウム999.9キログラムを図鑑で見た瞬間リーリエ凄いと思ったのは私だけじゃないですよね?
ちなみに『PCクッションイーブイ』は実際にある商品なのでどんな商品だよと興味があった方は是非調べてみてください。私は勿論買ってます。
今年一年お疲れ様でした。来年も良いお年を。
----
最後に大会中のコメント返信を

 私の好きなポケモンもいてとても内容が良かった (2016/12/18(日) 15:11)
 私も好きなポケモンを使っただけすが、気に入っていただけて良かったです。

 人工ポケも恋愛できる(確信
 地味にブラッキーが変態でしたw
 大会、お疲れ様でした (2016/12/18(日) 15:40)
 ヌル、シルヴァディでも作品を作れる(確信)
 ツキカゲは変態要素の少なかったゼロスとサニーの性でああなったのです。
 
 我が身を犠牲にしてでも、サニーを守ろうとする、ゼロスの姿をみて、涙がとまらなかった。 (2016/12/23(金) 17:36)
 シルヴァディへの進化条件が「なつき」なので、ゼロスにはここまで頑張ってもらいました。

  冒頭でシリアスな話かと思えば、まさかのギャグ連続に意表を突かれました。特に02が03に告白した場面ではもう大爆笑。デンジュモクとのバトルシーンも迫力があって面白かったです。 (2016/12/24(土) 07:22)
 ネタを入れないと死んじゃう病にかかっているのでどうしてもこんなノリに。タマゴグループは同じ種族の方が相性いいですし、02に言うことは間違ってない……かもしれないです。

 あ (2016/12/24(土) 23:28)
 投票ありがとうございます。
----
#pcomment(じんこうポケモンは野生に適応できるのか?,5,below);
#pcomment

トップページ   編集 差分 バックアップ ファイル添付 複製 名前変更 再読み込み   新規作成 ページ一覧 ページ検索 最近更新されたページ   ヘルプ   最終更新のRSS
This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.