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〜いたちごっこ〜プロローグ の変更点


*&color(purple){ポケダン番外編 〜いたちごっこ〜 プロローグ}; [#u92b1820]
※結局中編に…

[[ポケダン番外編〜 いたちごっこ〜]]

[[スペード]]

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──ここは人間が寄り付くことの出来ないポケモンだけが住む世界。その為かポケモン達は人間の様な生活を送っていた。仕事をしたり、商売をしたり、探険をしたり…皆が仲良く、平和に暮らしていた。
しかし全てが楽しく平和なものでは無く、殺人や強盗をする輩も沢山いた。光の裏側に影が出来るのは、どんな世界でも同じらしい。
が、影というものは光が無ければ存在しない。光が無ければ、影として見られない。つまり影も結局、光と同じ。偶々何かにぶつかって、影になっただけだ。にも関わらず、光は影を決して認めようとしない。敵と見なし迫害し、傷付ける。影の中に、光に戻りたいと感じている奴が居ようと、構わず突き放す。

光は解ってない。

自らが影を増やしていることに…

俺はこんな世界を変えてやりたい。計り知れない壁にぶつかり、影になった奴等を助けたい。

──彼奴を、助けてやりたい。


俺は、何時か必ず、影を無くしてみせる。

お前を、必ず救い出してやるからな…



広々とした街。この世界の南側に位置するため気候も良く、付近は巨大な海や深い森に囲まれている。何よりメインとなるのは、有名な探検家、“プクリン”率いる探検隊の本拠地“プクリンのギルド”がすぐ側にある事だろう。その為、探検に出るポケモン達が準備に来るため、何時しかトレジャータウンと呼ばれるようになった。
時刻は現在午前5時33分。人で賑わう街も、今は店支度をするポケモン達だけだった。何時もと変わらず黙々と作業をするポケモン達。何時もと変わらぬ一日が始まろうとしていた。
が、今日は少し違った。こんな時間だというのに、1人のポケモンがギルドの方から街へとやって来た。突然の来訪者に、店支度をしていたポケモン達も前を通り過ぎていく彼を不思議そうに見つめていた。彼は、店のポケモン達に挨拶をしつつ街の中へ進み、やがてガルーラの伯母さんが管理する倉庫の前で足を止めた。

「バァさん、早くに悪いんだが、色々と引き出したい物があるんだ。」

その白い体に赤い模様をもつ二足歩行のポケモン、ザングースは、背を向け下で何かを漁っているガルーラに話し掛けた。するとガルーラは身体を起こし、ザングースの方へ向く。

「別にいいのよぉ。何時来てくれてもおばちゃん嬉しいからねぇ。じゃ、何を引き出すんだい?」

ザングースは色々な物を倉庫から引き出した。食糧や薬、様々な種類の珠…結構な量を引き出す事を不思議に思ったのか、ガルーラが倉庫を漁りながら言った。

「随分と一杯だねぇ。それにこんなに早く…何処かへ探検かい?」
「いや、今回はお尋ね者なんだが、そのダンジョンは結構深いらしくて、早めに出発しようと思ったんだ。途中で倒れるといけないから、準備は万端にしたくてな。」
「そうなのかい…でもそんな危険なダンジョンって、一体何処なんだい?」

ガルーラの問い掛けに、ザングースは淡々と答えていたが、最後の質問には一瞬躊躇った様子を見せた。しばし悩んでいたが、決心したのか長い爪で頭を掻き答えた。

「ああ、地獄の谷だよ。」
「ええぇ!?地獄の谷ですかぁ!?」

開き直った様なザングースに、店支度をしつつも話を聞いていたのか、隣にある専門店の緑カクレオンが突然声を上げた。酷く驚いた表情である。突然兄が声を上げた為、奥で準備をしていた弟の紫カクレオンも慌てて出てきた。

「兄さんどうしたんだ?」
「ザングースさんが、地獄の谷に行くんだってよ!」
「ええぇ!?」

2人は突然騒ぎ出し、ブツブツと話し始めた。自棄に慌てる2人に、ガルーラは手を止めずに怪訝な顔をした。

「なんだい、何か知ってるならこの子にも教えてあげなよ。行くのはあんた達じゃないんだよ?」

カクレオン兄弟はガルーラの一喝にハッとして、ザングースの方へ向き直り頭を下げた。

「勝手に聞いていた上に、騒いだりしてすみませんねぇ〜。聞いた話なんですが、なんでも、地獄の谷のダンジョンはかなり深い上に、ポケモン達も皆強者ばかり!」
「更に、谷底には莫大な財宝が眠っているそうなのですが、とんでもなく強い化物がいるそうです…」
「今まで財宝を求めて彼処へ行った探検家は数知れないのですが、運良く帰れた者以外は、化物にやられたんじゃないかと言われています!ブルブル…」
「今じゃ巷で“禁断の宝庫”って呼ばれてるんです。そんなところに…本当に行くんですか!?」

カクレオン達は交互に説明を終えると、再度ザングースに迫った。そんな危険な島に行くくらいなら、そこまでして捕まえる必要があるのか、カクレオン達はそう言っているのだった。
しかし、ザングースは真剣な眼差しでカクレオン達を見据えた。

「当然だろ?俺のチーム、鎌鼬は狙った獲物は絶対逃がさねぇんだよ。どんな事があろうと、俺は行くぜ。それに──」

そこまで言うと、ザングースは俯き、小さく呟いた。

&size(8){「──彼奴を逃がすわけにはならねぇから…」};
「え?」

聞き取れなかったのか、カクレオンは首を傾げた。そうこうしている内に、ガルーラが道具を引き出し終え、腕の中の大量の道具をカウンターにどん、と置いた。

「もう良いじゃないかい。この子が行くって言ってるんだ。おばちゃん達がどうこう口出すことじゃあない。あんたなら絶対大丈夫だよ!おばちゃん保証するよッ!」

ガルーラは優しそうに微笑みザングースを応援する。ガルーラの言葉に、カクレオン達もそれもそうだと思ったのか、2人で営業スマイルで頭を下げ言った。

「色々と失礼しました。くれぐれも気を付けて、頑張ってください!」
「わたくし達も応援しております!」

ザングースは温かい励ましの言葉に自然と喜びを感じた。カウンターに置かれた大量の道具を肩にかけたカバンに詰め、ガルーラ達に笑みを返した。

「サンキュー。じゃ、行ってくるぜ。」 

そのまま踵を返すとギルドの方へと歩き出す。
ギルドへ戻る途中、ザングースはある日の事を思い出していた。

それは、ザングースの目標の原点であり、とても大切な出来事だった…
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2作目です。上手く進められるか心配…
頑張っていきたいです。

次話[[〜いたちごっこ〜 1]]

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#pcomment(コメント/いたちごっこプロローグ,,above);

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