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『孤独』の遠吠え の変更点


[[勇]]

初書きですが、ショートショート並みにめっちゃ短いです。
しかもいきなり、&color(red){やや過激な表現};があるという、とんでもない物になってしまいました。
それでも、読んでいただけるなら、嬉しい限りです。
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*『孤独』の遠吠え [#hc9779dc]
生まれた命には必ず意味がある。
そんなことを誰かが言っていたらしい。
しかし、意味の意味も分からない者は前提として考えられていない言葉だ。

何で…、僕は此処にいるの?

分からなかった。そんな事分かるわけもなかった。いつも独りでいた僕には…。
誰も見てくれず、実を寄せられる親も、仲間も、友達も、全てが僕には存在しなかった。
どうして此処にいて、どうすれば良いのか、僕の存在自体が分からない。教えてくれる者も存在しない。
ただ此処に存在しているということ。それだけしか分からない…。

ねぇ…なんで僕は此処にいるの?どこに行けばいいの?

町の一角に、空しく、声だけが響く。人々の隙間から。足音に小さく混じって…。
すぐに周りの雑音にかき消され、誰の耳にも声として届かない。

誰か…ねぇ…答えてよ…。教えてよ…。

耳に届かない声を幾ら放ったところで、無駄だという事すら幼い僕には分からない。
幼い僕は、寂しくて、悲しくて、誰でもいいから手を差し伸べて欲しかった。独りから逃れたかった。
助けて欲しい、教えて欲しい。その一心で僕は吠え始めた。

ねぇ…ねぇ…誰か気付いて…お願いだから…。

小さな声が遠吠えに変わると、人々の視線が此方に向いた。
決して僕のことを想ってくれる視線ではない。
それがどんどん突き刺さってくる。それでも幼い僕は吠え続けた。
何時かは誰かが来てくれる。そう願って吠え続けた。
やがて何人かの人間が、僕の前に現れた。だが、僕のことを知っている人間は一人も出てこない。
皆、自分の勝手ばかり押し付けていく。

皆、何言ってるの?僕のこと…知ってるんじゃないの?…だったら…答えてよ…。

日を増すごとに現れる人間は増えていった。それでも、僕を知っている人間は出てこない。
それなら何をしに来たのか。その答えは、僕の求める答えより数倍早く撃ちつけられた。
それまでに来た人間達の言葉によって…。
 五月蝿い。 邪魔だ。 何処かに消えろ。 そう……怒鳴られた…。

…え。何…言ってるの…?僕何もしてないのに…此処にいただけなのに!?何で…何で…!?

…分かるわけがなかった。僕は何もしていない。それなのに、人々は幼い僕を追い詰めていった。
頭が混乱し、訳も分からず、人々の言葉も耳に入らなくなってきた。それでも僕は、また吠え始めた。
僕はただ、僕のことを知っている、助けてくれる人に気付いてもらいたい。それだけのために吠え続ける。

誰か…答えてよ…。僕の声に…気付いてよ…。僕は…此処にいて…いいの?

もう、誰がなんと言おうと答え以外には、耳をかさなかった。僕の求めているものではないから…。
僕のことを知ってる人はまだ出てこない。
聞こえて、届いて。その思いが、更に声を大きくする。
それに対して、人々がくれるものは、身を持って聞かされた。
痛みの後の記憶は、残っていない。ただ、その度に体の所々が赤くなっており、辺りには鮮明な赤い液体が飛び散っていたのを覚えている。
いくら、そんな体になろうとも、僕は吠え続けた。

…ねぇ…まだ…聞こえ…ないの?僕は…此処に…いるよ…?どうして…此処…に、独りで…いる…の?

僕は限りなく吠え続けた。夜通しで吠えて、吠えて、吠え続けた。
体は音を上げ、目鼻にも見えないくらいに霞み、喉はかれて、喋る事さえ激痛に感じられる。
体はもう、動くことすら許してくれない。それなのに、その場でかれた声を張り上げ、吠えていた。
そんな中、夜闇の中から誰かが現れた。もはや、僕の目じゃ何かすらも認識できなかった。

……だ…あ…れ?…何……の…よ……う…?

擦れた声ではなった言葉は、もう自分の耳にすら届かない。その代わりに、轟音が辺りに響いた…。
一瞬、目を見開き、すぐにその場に倒れ込んだ。さっきの音が何かも、なんで僕が倒れたのかも分からない。
ただ、…痛い。気の遠くなるような痛みが体を支配していく。
目の前が、少しずつ黒一色に染まってくる。体の感覚が消えて、冷たくなってくる。それなのに何も分からない…。
僕は何も見えないその黒の世界に飲み込まれた。その後には………何も…無かった。

…ねぇ…僕…此処にいて良かったの?僕は…何の為に此処にいたの?僕は誰だったの?ねぇ…誰か…答えを…下さい。僕は…此処にいるから…。

そしてそれは、今も、答えを待っている。



小さな命が欲した答え…。それは一体…何処にあったんだろうか。

静かな闇夜の町に、消えた灯火の声が木霊する…。
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あとがき

やっと書き上がりました。結構集中して書くと疲れます。
何を見て思いついたか忘れましたが、一年位前に思いついたものです。
ノートに書いておいた物が見つかったので、手直しや追加を加えて、初書きの物として出させていただきました。
こんな駄作で、皆さんが満足していただければ光栄ですが、難しいですね。

とにかくこれをスタートに頑張って行きたいと思います。
最後まで読んでいただた方、本当に有難うございました。

コメントを御願いします。何でも構いませんので。
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