ポケモン再教育所教育員日誌 *再教育一日目 [#hb3daa3b] さて、一夜明けて朝だ。 俺は背負っていた荷物を降ろし、いつもの白衣に着替える。 念のために言っておくと、俺は再教育所で寝泊りしているわけじゃない。家は別にあるし、毎晩ちゃんと帰宅している。 家は研究所も兼ねていて、休みで特に何もすることがなければ新薬の開発なんかもやってたりする。 いつもの白衣に、いつもの道具がきちんと格納されている事を確認し、今度は部屋の隅にある転送パソコンを起動した。 麻痺薬剤注入後、一晩あの格好で放置したとはいえ、アブソルの力で暴れられると生身の人間ではかなり危険だ。 念のためボディガードとしてポケモンを連れておいた方がいいだろう。 「おはようございます。こちらポケモン転送サービス……」 機械音声とともにアニメーションロゴが始まる。いちいち見るのも面倒だから即スキップ安定。 「転送希望のポケモンをタッチで選択し……」 機械音声のナビが入るが、これも無視。一覧画面で目的地まで高速スクロール。 今回はガードとしてズルズキンを採用しようと思う。 元々の防御力に加え、悪と格闘の複合タイプのおかげでアブソルの攻撃をほとんど受けない。さらにタイプ一致の格闘技でアブソルに対して牽制も可能だ。 「転送を開始します。しばらくお待ちください。」 ナビとともに、パソコンにつながれている転送マシンが動作を始める。 昔は有線接続で一分以上もかかっていたこの作業も、今では数秒の無線接続で確実に転送できる。便利な時代になったものだ。 「転送が完了しました。ご利用ありがとうございます。」 完了ナビとともに転送マシンからモンスターボールが吐き出される。 俺はモンスターボールを掴むと、アブソルの待つ部屋へと向かった。 ちょうど催眠術がきれかかっているのか、アブソルは アブソルは ズルズキンって防御特防113もあったのね……どおりで硬いわけだ。