追う者がいた。 追われる者がいた。 夜明けの近い冬の空に、厚い雲がかかっていた。 ---- 夜明けの追走 by [[]] ---- ――もうどれだけ走ったんだろう。 暗い森を走り抜けるイーブイの脳裏に、ふとそんな言葉がよぎる。 休みなく走ったせいで息が苦しい。 草木を掻き分けて走ったせいでついた無数の傷が痛む。 道なき道を走ったせいで脚が悲鳴をあげている。 それでもイーブイは走るのをやめなかった。 しかし遂に。 「あぐっ……!」 木の根につまずき、勢いで数メートルの間地面を転がってしまった。 「げほっ、ううっ……」 なんとか立ち上がり、辺りを見回すイーブイ。 「……もう、来ない……よね?」不安そうにつぶやくその言葉は。 「……もう、来ない……よね?」 不安そうにつぶやくその言葉は。 「なんだ、もうおしまいかぁ?くっくっくっ……」 音もなく追い付いてきたアブソルの声に掻き消された。 「く……来るなぁっ!」 イーブイは疲れ切った身体に鞭打ってさらに先に逃げようと再び走りだす。 「無駄無駄……俺からは逃げられねぇよ。」 その言葉通り、アブソルはイーブイとの距離を少しづつ縮めていく。 「諦めろ。そして俺の性奴隷になればいい……。」 「嫌だ!絶対嫌だぁ!」 しつこく追い掛けてくる変態アブソルから少しでも早く離れようと、目の前の倒木を飛び越え―― 「きゃあっ!?」 何だかよくわからないふわふわしたものに足を取られ、全く進めなくなってしまった。 嘘だ、アブソルが綿胞子を使うなんて―― 「ククッ、引っかかっちゃったかぁ。もう逃げられないよねぇ。」 アブソルは綿胞子に引っ掛からないように、倒木の上からイーブイを見下ろしている。 「来るな……やめろぉ……。」 しかし最後の制止も虚しく、アブソルはイーブイを綿胞子の中から開けた地面に転がし、イーブイに覆いかぶさる。 「お前みたいな小さなガキが、俺を止められるとでも思ってるのか?おめでたい頭じゃねぇか、なぁ?」 イーブイの目の前にアブソルの顔が迫ってきた。恋人同士であればときめきを感じる距離なのだろうが、この状況であれば恐怖を感じる距離でしかない。 「やだ……やめてっ……。」 なんとかしてこの状況を脱出しようともがく。しかし、アブソルの強い力に 「……という夢を見てしまいましてー。」 話しかけるイーブイがいた。 「その結果がこうなった……というわけですか。」 呆れているブースターがいた。 「うぅ……。」 夜明けの過ぎた朝の空に、イーブイのおねしょ布団がはためいていた。 完走 ---- 問:タイトルの意味について 答:(複数解有り) 夜明けの追走(は夢だった) 夜明けの(膀胱の中身の暴発との)追走 とある店に行ったら偶然にもD1GP追走の映像が流れていた 夜明けの疾走のリーフィアLvXつよいかわいい しかしDP落ちェ…… 執筆開始当時とある店に行ったら偶然にもD1GP追走の映像が流れていた 夜明けの疾走のリーフィアLvXつよいかわいい ……等