ポケモン小説wiki
:海行く進路 の変更点


 &size(25){海行く進路};
 作者:[[カナヘビ]]
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 朝とはいえ、外は暗かった。
 冬から春へと移り変わるこの時期。ようやく昼と夜の長さが同じになり、寒さも和らいできたこの頃。
 空は雲で覆われ、春の日和を届けるはずの太陽を覆い隠していた。
 救いは、その雲が暖かい空気を地上に留めていてくれていることだろうか。

 その町は、いつもの朝を迎えていた
 街路樹や平屋の家が散見される、あまり都会化していないこの町は、今日のこの天気で、灰色が混ざったような色をしていた。緑の木の葉も、きれいに塗装された群青色の屋根も、モノクロに見えそうだった。
 道の上では、乾いた風が吹いていた。外の土埃でも乗せていそうなそれは、つむじ風の様に回転しつつも、静かに吹いていた。
 そんなモノクロの世界に。1つ、空中を移動する白黒の物体があった。
 それは、まるで雲のような外見をしていた。やや灰色気味の体。丸い頭の下にはいくつかの房がでていて、その中に小さな尻尾が混じっている。つぶらな黒い瞳は薄い白で縁取られていた。小さな体を持つそのポケモンは、ポワルンと言った。
 ポワルンは町の上空を進んでいた。まだ早い時刻だというのに、早くも活動を始めたヒトビトを視界に捉えながら、ポワルンは目的地へと進んでいく。
 ポワルンが向かったのは、ごく一般的な一軒家だった。白い壁に茶色い屋根という、どこにでもありそうな家。やや大きめの引き戸の左にある窓が、無防備にも開いていた。
 ポワルンは、ややジト目をしながら窓から入っていく。水色のレースのカーテンがひらりと浮き上がり、視界にベッドが飛び込んでくる。
 

IP:124.37.140.170 TIME:"2013-07-11 (木) 08:44:40" REFERER:"http://pokestory.rejec.net/main/index.php?cmd=edit&page=%3A%E6%B5%B7%E8%A1%8C%E3%81%8F%E9%80%B2%E8%B7%AF" USER_AGENT:"Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; .NET CLR 1.1.4322)"

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