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:コメント/不可視のやいば の変更点


[[:不可視のやいば_後書き]]

-この物語の不可視の刃、っていうのは子供がごっこ遊びで振り回すような見えない剣という意味だけではなく、主人公(あえてこう書きます)の心を傷つける言葉の数々の言葉のことも言っているんですよね。そして、主人公が心に秘めていた、表に出したくても出せない心の刃でもあると、そんな風に思っていました。
けれど、終盤で主人公は見える形で刃を手にしました。ただ、このお話、見えないことって刃だけじゃないですよね? 刃を向けられて傷をつけられてしまった主人公には、心に見えない傷があるわけですし……それを具現化するのかな、なんて考えていました。
昨夜のチャット会で、最後の刃物をどうやって使うのかという話で『自傷』という話題を延々と出してしまったのは、そんな思いがあったからなんです。えぇ、作者がどう考えているかは不明ですが。
でも、心の傷は目では見えていないですが、家族はどちらかがエルレイドかサーナイトなわけですし(チャット会では母親がサーナイトだそうですね)心に傷があるのは絶対に感じていたはずですよね。それを見てみぬふりして、問題を先延ばしにして時間に解決してもらおうとしていた家族にも、わかる形で傷をつけるんじゃないかと、不可視の傷を可視にするんじゃないかって、そんなイメージから自傷行為という発想になってしまったのです……
『しかし、心の傷を見てみ振りできないように』、という話はラルトス系統だけの話ではなく、爪を噛んだり毛を毟ったりといった軽い自傷行為ならほかの種族でも見える傷ですし、いきなりリストカットみたいな強烈な自傷行為に走るわけじゃないと思うんですよ。
しかしそれくらいの傷なら見てみぬふりも出来てしまいますからね。だから、自傷行為で大木亜傷をつけて、親に見てみぬ振りができないくらいの傷を叩きつけることも、一度は必要になるんじゃないかって思ったうえでの発言でした。自分の体を大切にすることができないという意思表示にもなりますしね。


最終的に、主人公は前に進むつもりのようですが、その先に何を見据えているのか、それによって家族と話す内容も、つきつける要求も全く変わってしまいます。
主人公は自分自身のSexが嫌いなのかsexに伴うGenderが嫌いなのかで、大幅に変わりますし、その二つは離すことも出来るけれど話せない事柄もある。進化系の選択肢なんかもその一つですよね。刃を振るって戦うことができないのは、sexの問題でありますし、女性らしい振る舞いが気に食わないのはgenderの問題ですし。けれど、その区別ってとっても難しいものだから、まだ若い主人公には一人で理解できるはずもなく、それこそ家族が手を差し伸べて、一緒に考えたり、子に対する態度を改めたりあげなければいけなかったわけで。

しかし、そんな主人公の傷に一番寄り添ったのが、皮肉なことにアウトロー集団で、皆さんそれぞれ書かれてはいないけれど傷を負っているんだろうなぁってのは感じてましたが。彼らは、目に見える形では特に何もしなかったのですが、『刃』の対である『抱擁』を不可視で行っていましたよね。
このお話は『不可視の刃』だったわけですが、同時に『不可視の抱擁』でもあったのだなと、読み終わってから思いまして。包容っていうのは無条件で相手を受け入れてくれるような、とっても尊い行為ですもの、自分が自分を好きでなくとも、誰かが自分を好きでいてくれるって、大事なことなんです
だから、刃を可視化したなら、抱擁も可視化してほしいと、そう思えるようなラストでした。 -- [[リング]] &epoch{1540823420,comment_date};
-コメントありがとうございます! ……なっが!(

チャットの方で話したことと被りますが、刃物の使い道として『自傷』も選択肢としてありうるとは考えております。しかし、その場合、どちらかというと、外向けに傷を可視化させるためではなく、自害かそれに近い、もう少し内向けの閉じた用途をイメージしておりました。
最後の刃物の本質は、純粋な暴力であり、同時に他者から認められた証である、と考えております。自由に振るうことを許されたからこそ、物事に刃を持ち込むという選択肢が生まれ、使わないことで精神的な余裕ができる。そういった、言語化しづらいお守りを想定しております。なので当然、他者に傷を可視化させるための用法もあることでしょう。本当にどうしようもなければ、その目的で用いられることもあるでしょう。そう思います。

SexとGenderのどちらにより嫌悪しているか、を、この主人公が明確に把握するのは、大変難しいことであると思いますが、それがどの程度難しいのか、などは、私自身、想像さえ困難です。漠然としたものしか思い浮かびません。これに関してはまだ勉強の足りない部分が多いですし、リングさんのほうがずっと詳しそうに感じます。

刃の対である抱擁の物語、というのはあまり考えておりませんでした。しかし、エルレイドさんのやいばポケモンに対して、サーナイトさんのほうようポケモンがあるわけですし、無意識下ではテーマとして存在したのかもしれません。その見解を言語化できるのはとても素晴らしいことと感じます。なるほど。
どのような集団においても、その『抱擁』は差こそあれど、存在することでしょう。そこに貴賤はないのではないか、と思います。

色々と思うことがありましたようで幸いです。ありがとうございました! -- [[某妖精]] &epoch{1541004921,comment_date};


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