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:エターナる夢 の変更点


SOSIA(裏)
**エターナる夢 [#kc8d21da]
RIGHT:Written by [[March Hare>三月兎]]

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***0 [#c9064404]

 何日、何ヶ月、何年、あなたのお顔を眺めていても飽きない。
 わたしがこの幸せを手に入れてからどれくらいの時が経っただろうか。
 季節はいつだろう。暑くも寒くもないから春なのか、秋なのか。既に日は高い。朝起きて、なんとなく&ruby(ふたり){二匹};ともベッドから出たくなくて、ずっと抱き合っていた。
 この家にはわたしとあなたしかいない。
 家だけではない。街に出ても、誰にも会いたくないと思えば会わなかった。その気になれば二匹きりの時間を永遠に過ごすこともできるだろう。
 広すぎるランナベールの邸宅はマンションとして貸し出した。その莫大な資産収入はこの陽州の小さな家での生活費を遥かに凌駕している。ハウスワーク以外で働く必要なんてなかった。
「さすがにずっとこうしてるとお腹すいたね」
「わたしはシオンさまを抱いているだけで空腹など忘れてしまいます」
「またそんなこと言っちゃって……僕は食べられないよ?」
「過ぎた我侭を申しました。お食事にいたしましょうか」
「うん」
 わたしはシオンさまにキスをして這い出るようにベッドを下り、力の抜けてしまっている体に気合を入れ直すため自分の頬をパンと叩いた。寝室である八帖の洋間を出ると広々とした二十帖のリビングダイニングキッチンがあって、寝室の隣にはもう一つ和室がある。この家の外見はどう見ても陽州の建築だが、中はシオンさまに快適に過ごしていただくため洋風の要素を取り入れた。わたしとシオンさまだけのためのお家。
「それと、橄欖」
「はい。なんでしょう」
「きみはもう僕の侍女じゃないんだから、そんなに畏まらなくてもいいのに」
「いいえ。貴方さまの妻となった今もわたしのすることは変わりません。想いも、貴方さまへの姿勢も」
「ま、急に変えるのも大変だしね……ゆっくりでいいよ」
 橄欖は黙って頭を垂れて、キッチンへと向かった。
 ブランチの用意にとりかかる前に、まずはお茶を淹れることにした。
 こんな時間までベッドを出なかったので、喉も渇いていることだと思う。
「紅茶と緑茶、どちらになさいますか。それともコーヒーをご所望でしょうか」
 遅れてリビングに入ってきた彼に尋ねる。こんな光景を毎朝繰り返すことができるだけで幸せいっぱいだった。
「紅茶がいいな」
「かしこまりました」
 ポットに入れた水を火にかけ、メニューを考えるべく冷蔵庫を開けた。
 ランナベールで働いていた頃は苦手だったお料理も、少しずつの練習で上達してきたように思う。
 一番大事なのは味覚で、あとは経験さえ積めば技術は上達するものだと姉さんは言っていた。わたしも味覚がおかしいわけではないから、まだ具材の切り方が大雑把だったり火の通し方がわかっていなかったりするけれど、なんとか美味しいと感じていただけるくらいのものは作れるようになった。こうして材料を見て何を作るかを考えられるようになったのも経験を積んだ証拠だ。
 冷蔵庫の中のレタスを見ていると、昨日焼いたパンが残っていたのを思い出した。陽州ではパンがなかなか手に入らないのでパンも手作りである。これも難しかったけれどシオンさまのために習得した。ちょうどベーコンもあって、卵もある。紅茶を淹れるのだから、どうせなら和食を作るよりサンドウィッチにでもしよう。トマトがないのでBLTサンドにはならないけど――卵のTってことで。
 レタスをちぎってベーコンを切っているうちにお湯が湧いたので茶葉を入れて、蒸らして――紅茶を淹れる。キルリアと違って舌先を直接つけるエーフィは熱いままでは飲めないので、急ぐ時は濃い目に淹れて、氷で冷やす。姉さんなどに見せたら茶葉の味がダメになるとか怒られそうだけれど、その姉さんはもういない。
 深いお皿とわたし達が使うカップの間くらいの器に紅茶を注いで、シオンさまの前にお出しした。
「どうぞ」
「ありがと。橄欖は?」
「わたしはお食事の支度がありますので」
「そんな事言わないでさ。喉渇いてるでしょ? 二匹で分けようよ」
 と言ってシオンさまは&ruby(サイコキネシス){念動力};で器を傾け、一気に紅茶を飲み干してしまった。
「えっ、と……その……」
「ほしいんでしょ?」
「え……は、はい……」
 顔が熱くなって、自分でも赤面しているのがわかる。
 シオンさまはお尻をついて座り、後ろ足を大きく開いて前足で付け根を押さえるような姿勢になった。
 分けていただくというのはつまりそういうことで。
 開脚したシオンさまの股に口を近づけて、可愛らしい小振りのものをそっと咥え込んだ。
「ん……ふぁあっ……」
 ぶるぶるっとシオンさまが体を震わせてすぐに、口の中に温かい水が流れこんできた。わたしの喉はそれを喜んで受け入れて渇きを癒してゆく。大好きな彼の体はどんな液体をも蜜の味に変えてしまう。
「ぁ……ふぅ……ぁんっ!」
 口から零さないように全て飲み干して。
 最後にしっかりと吸ったのが少し刺激が強かったらしい。彼は可愛い声を上げてビクンと体を跳ねさせた。
「ごちそうさまでした」
「もう……橄欖は僕の体を通さないとお水も飲まないんだから」
「そ、そんなことはっ」
「ほっぺたがピンク色になってる」
「ぶ、ブランチの用意をさせていただきます!」
 橄欖はすぐに立ち上がってキッチンに戻ったが、その少しいじわるな視線を向けられたままだった。
 そんな視線も嬉しい。
 もう何度も幸せすぎて倒れそうになったけれど倒れるわけにはいかない。二度とあなたにご心配を掛けたくないから。
 どうかこの幸せが永遠に続きますように……

***1 [#xe54ac8a]

 午後は二匹で&ruby(えと){江都};の街に繰り出した。夕方までデートを楽しんで、どこかのお洒落なお店で夕食にして。ずっと二匹で家にいてもわたしは飽きないけれど、シオンさまには外の空気も吸わせてあげないといけない。それにわたしもたくさんのポケモン達にこの美しい旦那さまを自慢したい気持ちもある。
 長い間故郷を離れている間に大陸の文化が陽州にも流入していて、ランナベール中心部で見るような高層建築もちらほら。
「ねーあの屋台何? なんか変わったもの売ってるみたいだけど」
「行ってみましょうか」
 いつもの繁華街をぶらついていた橄欖とシオンは、見慣れない屋台が出ているのに気づいた。
「へいらっしゃい!」
 ねじりはちまきをしたオクタンが半円状に凹んだ鉄板に流し込んだ生地を焼いているようだ。屋台の暖簾には「たこやき」の文字。
 よく見ると生地の真ん中にぶつ切りのタコが、ネギや天かす、紅生姜などいろいろな薬味が入っている。
「これは……?」
「&ruby(かんざか){神坂};名物のたこやきや! 江都モンには珍しいやろー。こうしてな、くるっと……」
 と、オクタンは三本ほどの足に長い串を持ち、生地をひっくり返し始めた。半円状の生地は表面だけが焼けていて中はまだ生なので、ひっくり返すとちょうど球体になる。なかなか可愛らしい見た目をしている。
「わーすごい! 橄欖買ってー」
 と、シオンさまが甘えた声ですり寄って来た。当然ノーの選択肢などない。イエスとイエスの二択である。
「八個入りを下さい」
「へいまいどあり! 可愛らしい旦那はんやのう!」
「は、はい……ありがとうございます」
 ほめられてつい俯いてしまいながらも、素直にお礼の言葉が口をついて出た。シオンさまがほめられるのは自分がほめられるよりも嬉しい。
「そこはちょっとくらい否定しようよ。こっちが恥ずかしいよ」
「申し訳ありません。ですが……」
「おもろいやっちゃのう! ほれ、一個オマケしといたるわ! 二百円な」
 オクタンの店主は優しい笑みを浮かべながら九つのたこやきを長方形の紙皿に並べてソースとマヨネーズをかけ、鰹節と青海苔を散らし、二本の爪楊枝を挿して手渡してくれた。橄欖は財布から二百円を取り出して店主に支払った。
「まいどあり。熱いから気ぃつけや。特に別嬪はんのエーフィの兄ちゃん」
「別嬪さんと兄ちゃんって表現は合わないと思うんですけど」
「何言うてんねん、こうバチコーンと合っとるやないか! よう愛されとるみたいやけどその娘も大事にしたりや!」
「はい。僕の大切な奥さんですから」
 僕の大切な奥さん。なんて甘美な響き。わたしはそんな言葉をあなたの声で聞けるだけで胸が破裂して爆散してしまいそうです。
「橄欖?」
「は、は、はい! も、申し訳ありません!」
「そこのベンチに座って食べよ?」
「そ、そうですね。それが良いと思います」
 一瞬我を忘れていた。もうこんなことが一日中続くと精神衛生上良くないのではないかと思うくらい。
 シオンさまと結ばれてから何年も時が流れたような感覚はあるのだけれど、二匹とも年は取っていないし、一日が濃すぎて長く感じているだけなのかもしれない。
 橄欖はベンチに腰掛け、シオンさまは体を横たえた。
「熱いですから冷ましますね」
 食欲を刺激する匂いを湯気と共に放っているたこやきをふー、ふーと冷まして、シオンさまのお口に運ぶまで、この短いながらの至福の時。
 シオンさまがぱくっと真ん丸いたこやきを口に含む時の表情。仕草。
「おいひぃ、けど、熱、まらあふいよぉ」
 目に涙を溜めてはふはふやっている姿も可愛い。ときめきは期限つきだなんていうけど、そんなのは嘘だ。
 わたしの胸は永久にときめきつづけるのだ。
「……ごめんなさい! 大丈夫ですか?」
 今はシオンさまの心配が先だ。ときめいている場合ではない。
「何とか舌はヤケドせずに済んだから、大丈夫かな。橄欖には僕が食べさせてあげるね」

「それはっ……わたしがシオンさまにそのようなことをしていただくわけには」
「だって橄欖の奢りだし、それくらいしないとバチが当たるよー」
 シオンさまは器用に前足の指と指の間で爪楊枝を挟み、たこやきを橄欖の口元に差し出した。
「ほら。あーんして」
 ああああああああああああああ幸せすぎる……! わたし、幸せです! 神様ありがとうございます!
 内心で神さまに最大限に感謝しながら、シオンさまがわたしのために爪楊枝を持ってシオンさまがわたしのためにたこやきを挿してシオンさまがわたしのために差し出してくださったつまり自動的にこの世で最も美味しいことが保証されるたこやきを口に入れた。
 ソースの香りとマヨネーズのまろやかさ、鰹と青海苔の風味。ふわりとした食感の生地の中はトロリとしていて、最後にタコが歯ごたえを与えてくれる。その全ての組み合わせがどれも喧嘩することなく互いを引き立て、絶妙なコンビネーションでこのたこやきという一つの食べ物を形作っていた。それが一口にすべて凝縮されているなんて、神坂のポケモンはすばらしい。爪楊枝で挿すという発想は神がかり的だ。エーフィのような前足でも使うことができるなんて。
「幸せになりますね……!」
「でしょ?」
 こうして一つずつお互いに食べさせ合いっこをするというバカップルぶりを演出した後、街の散策を再開。
 アクセサリー店に入ったり、カフェで休憩したりして。
 気づけば辺りはすっかり夜の帳を下ろしていた。
「夕食はどうしましょう?」
 レストラン街の様相も昔とは変わって、大陸の洋食や華州国の中華料理を専門とするお店も増えた。
「んーと、お寿司がいいな」
 西洋のポケモンが陽州料理でいちばん好きなのはお寿司なのだとか。シオンさまもその例に漏れずお寿司は大好きらしい。陽州の血を半分引いているので、なおいっそう口に合いやすいのかもしれない。
「ではいつもの江都前寿司のお店に行きましょうか」
「うん!」
 通行&ruby(ポケ){人};達の目にわたしたちはどう映っているのだろう。
 元は侍女と主人で、わたしが年上で、彼を甘やかして。そんな関係だけれど、わたしは童顔だし一進化のまま止まっているから、逆に見えるかもしれない。そうすると変に思われたりしていないだろうか。シオンさまがダメな&ruby(おとこ){牡};の仔に見えたりしたら悲しい。こんなに素敵なお方なのに。
 でも仮にシオンさまが一年や二年早く生まれていてもわたしが遅く生まれていても、この関係は変わらなかっただろう。
 この関係はいつから?
 彼との出会いはよく覚えていない。どうしてか思い出せない。
 そんな大切なことを忘れてしまうなんて、と一時は自分を責めもしたが、大切なのは今ここにある現実だと気づいた。
 もう一つ、大切な何かを忘れているような気もするのだけれど。
 わたしとシオンさまの関係の上で大事なこと。
 考え込むと側頭部に痛みを感じるので、考えないほうがいいと思う。
 今日も明日も明後日も、わたしは彼との日々を過ごすんだ。
***2 [#ka66673e]

 飲み過ぎて酔ってしまったシオンさまをおぶって、家への道を歩いていた。
「ふにゃあ……あの泡盛ってお酒、すごくきついんだねぇ」
「陽州の南にある龍球という小国のお酒で、とてもアルコール度数が高いことで有名です」
「先に言ってよ、もー」
「申し訳ありませんでした」
 シオンさまはお酒に強いなんて豪語しているが、実際そこまでではないみたいだ。普通のポケモンより少し強いくらいで、限度を超えるとこの通りである。
 酔いつぶれたシオンさまをこうしておぶったり抱っこして帰ることは初めてではない。
「ねーかんらーん」
 だから、だいたいいつものパターンで予想がつく。
「はい」
 一応先を促してみる。
「おしっこしたーい」
「……もう少しで家に着きますのでどうか我慢なさってください」
 だから今日は急ぎ足で家に向かっていたのだ。
 前に抱っこして帰る途中でおもらしをされた時は大変だった。別にシオンさまの聖す――いえおしっこが体にかかるのは歓げ――いえ厭わないのですが、何せずぶ濡れの状態で夜の街を歩いたものだから風邪を引いてしまって、その後数日間シオンさまに多大にご迷惑をお掛けすることになってしまった。シオンさまは自業自得だから、なんて気遣って下さったけれど、同じ失敗は繰り返さない。
「うー。我慢しすぎておなか苦しいー」
「そ、そんなに……? どうしてもっと早く言ってくださらなかったのですか」
「だってぇ……恥ずかしかったんだもん!」
「と、とにかくあと少しの辛抱ですので」
 家まではもうすぐだ。この道をまっすぐ歩いて、酒屋の角を右に曲がったところがわたし達の家。
 シオンさまをあまり揺らさないように、なおかつ早足で。走るわけにはいかない。
 早く。
 早く。
 早く。
 早く……?
 おかしい。酒屋がいつまで経っても見えない。
「かんらーんまだー?」
「いえ、もう少しのはずなのですが……」
 後ろを振り返ってみる。
 通り過ぎたというわけではないし、道も間違っていない。さっき曲がってきた角が随分と近いような気もするけれど。
 距離の感覚がどうもおかしい。現実なのに、まるで現実感がないみたい。
「もうげんかーい。もーれーちゃーうー」
「も、もう少しですから!」
 このままではわたしの背中が大ピンチだ。でも、いくらなんでもシオンさまを道端に放り出すわけにはいかない。
 もう距離はないはずだ。一か八か、走ることにした。
 全・力・疾・走。
 酒屋が見えた。なんだ。やっぱりすぐそこだったんだ。
 右に曲がり、家の玄関前で急ブレーキ。鍵を取り出すと同時に、背中がとても温かくなった。
「ふぇっ、ひ、いやぁ……ぁあ……」
「シオンさま……」
 膀胱の中に限界まで溜め込んだシオンさまのおしっこが出尽くして橄欖の背中を濡らし、腰の衣、そして脚を伝って足元に水溜まりを作るまで、鍵を持ったまま立ち尽くすしかなかった。

***3 [#rea7672b]

 早速シオンさまをお風呂に入れてあげた。
 いつもはお風呂の中でもふざけあったりするのだけれど、今日は疲れているので二匹とも大人しかった。
 お風呂から上がって、シオンさまが酔いが覚めるまでリビングのソファで体を横たえている間に、橄欖は寝具を整えておいた。
「今夜は橄欖の部屋がいいな」
「はい……お疲れとは存じますが、今夜は寝かせませんから」
 暗黙の了解で、シオンさまのベッドで寝る時はシオンさまが、橄欖の部屋で寝る時は橄欖がリードすることになっている。途中からは大して変わらないようにも思うけれど、気分の問題だ。
「では……わたしだけのお姫様で王子様なあなたを、わたしだけの世界へご招待いたします」
 シオンさまの体を抱き上げて仰向けにし、軽くキスをしてゆっくり歩みを進める。こうしてリビングから和室へ向かう間の胸の高鳴りは何物にも換えがたい。わたしにすべてを委ねるシオンさまの態度も表情もいとおしくてたまらない。早く、早くと急かす自分を抑えつけながら、余裕ぶった笑みを彼に向けながら、ゆっくりと。
 和室に入って引き戸を閉め、敷いておいた布団の前でシオンさまの姿勢を変えさせて、頭を肩に乗せて片手で抱いた。シオンさまが後ろ脚でわたしの体にしがみつくように抱くので、ほぼ密着状態だ。頭が爆発しそうなくらい気持ちが高まってしまって、掛け布団をめくってシオンさまをそこに寝かせるだけでも名残惜しかった。すぐにでも始めたい気持ちを堪えるのが大変だった。
「心のご準備はよろしいですか?」
「準備も何も……橄欖の好きにして。僕はきみのものなんだから」
 そんなことを言われると。
 もう抑えるのは無理です。
 わたしはシオンさまの上に覆いかぶさりつつ、胸をぺろりと舐めて後ろ脚の付け根を軽くさすってあげた。
「ふぁっ、ん……」
 感じやすいシオンさまはそれだけでかわいらしい声を上げて身をよじる。彼の体を抱き、優しく愛撫を続けながら、掛け布団を引き上げた。二匹が布団の中に包まると、とても温かい。橄欖にはない毛皮はすべすべしていてビロードみたいで気持ちいい。左手で抱き寄せながら、右手はシオンさまの股の下。一番敏感な場所は直接触らずにそっと優しく。
「はっ、ふ、ぅうん……ぁっ……」
「良いのですよシオンさま……わたしの手で……」
 だんだん激しく。シオンさまの先から蜜が溢れ出してきた。それを衣の裾で拭いてあげると、体をぴくんと跳ねさせる。そろそろ限界が近そうだ。
「どうぞ……果ててください……!」
「ぁっ、あっ、ぁっ、いっ、ぁ、ああああああぁぁあ……!」
 橄欖の手が腿から股の下に到達したとき、シオンさまは体を反らせながら、我慢しきれずに放尿した。二股の掌の間から漏れ出してすぐに橄欖のお腹から脚、衣の裾と布団を濡らしてゆく。
「こんなに早く噴いてしまわれるなんて……わたしをもう少し楽しませてはくださいませんか?」
「ふぇえ……そんなこと言ったってぇ……」
 放心状態の彼はだらしなく口を開けて、下からは淫靡な液体を溢れさせ続ける。わたしはそんなシオンさまの何もかもがいとおしくて、彼の目に溜まった涙を舐めて、それからディープなキスをしながら、シオンさまが落ち着くまでぎゅっと抱きしめていた。
「涙のお味はいかがですか?」
「それ喩えだから……本当に味をみるものじゃなくて……」
「ああ、それにしても……」
 橄欖はシオンさまの股の間に手を滑りこませた。エーフィの体毛は毛足が短いとはいえ、これだけ大量におもらしをしてしまうとさすがに温かく湿っている。橄欖の衣や布団は言わずもがな。
「わたしのお布団の中はおしっこをするところではありませんと何度も申し上げているのに……」
「……させたのはきみでしょ」
「わたしはただシオンさまに気持ちよくなっていただきたかっただけです」
「きもちよすぎておしっこでちゃうのっ」
「わたしはそのようなことは一度もありませんが」
「とっとにかく僕は悪くないもん!」
「悪いとは申し上げていませんよ。わたしはシオンさまのおしっこでしたらむしろ喜んで。だってわたしの大好きなシオンさまですよ。そのシオンさまのお体の、それも血液から作られたお水ですよ! それをすてるなんてとんでもない! ですよ!」
「いくら&ruby(ふたり){二匹};きりでも恥ずかしいからやめて……」

***5 [#sae5dd02]

 ゥラウンドトゥー! ファイッ!
 ぐしょぐしょになってしまった布団から出てシオンさまのお腹と後ろ脚をタオルで拭いてあげて、自分の衣を絞ってから全身を拭いて、休憩を挟んだあと畳の上で襲いかかった。
「シオンさま、まだお休みの時間ではありませんよ……」
「ふぇえー」
 馬乗りになって飾り毛を撫でるように梳いて、文句を垂れる口をふさいだ。舌を突き入れて首を抱く。
「ぷぁ……は、むっ……んんっ……ちゅ……」
「ん、ふぁっ、は……か、かんら……はぅ……んっ」
 絡み合う舌先が互いの口腔を踊り狂い、とろけるような感覚が後頭部まで突き抜ける。わたし、まるで肉を貪る獣みたい。シオンさまを求めつづけて――いつまでも満たされなくて。手を伸ばせど掴めぬ蜃気楼。この舌の感覚は本物? あなたのぬくもりは。もっとあなたが欲しい。ぜんぜん足りない。
「ぷはっ……はぁ、はぁ……シオンさま……」
 顔を上げると、どちらのものともつかない唾液が橄欖の口から垂れてシオンさまの頬に落ちた。
「はぁ、ふぅ……橄欖、激しすぎ……」
「キスだけでこんな風になってしまうのですか……シオンさまは敏感すぎます」
「だってぇ……橄欖が上手なんだもん」
「あなたと結ばれてから何度体を重ねたか数え切れませんから、当然です」
 橄欖は一度腰を上げてシオンさまの横にひざまずいた。
「まだ、終わりじゃないの……?」
「たったの一度達した程度では足りないでしょう?」
「や、僕は十分……気持ち良かったし……」
「いいえ、わたしが足りないのです。シオンさまに一度潮を噴かせた程度では全然足りません。何のために、先程ご休憩の折にお水をたっぷりと飲ませて差し上げたと思っていらっしゃるのですか」
「うう……まだ早いよぉ」
「くくくっ、腕が鳴りますね……!」
 右手でシオンさまの腿の付け根をさすりながら、胸に舌を這わせる。
「ひぁあっ……う……」
 細かな毛の下に並んだかわいらしい乳首を舐める度に彼の体が反応する。橄欖は舌と手の動き止めずに正座したまま少しずつ移動して、シオンさまの右後脚を跨いで、股の間まで辿りついた。舌は体毛の奥から顔を覗かせた桃色の蕾のような柱を登って裏側から降り、会陰部にキスして一度顔を上げた。溢れ出したとろとろの蜜がそこまで垂れていた。
「はぅああっ! ん、ふぁ……!」
「マッサージを続けますね」
 両手でわき腹を撫でながら、自分のお腹をシオンさまの股に押し付けた。そうやってすりすりと動かしていると、性別が逆転したみたいな気分になって不思議な気分になってくる。
「らめっ、か、かんらぁんっ……!」
「そうですか? では優しくして差し上げます」
 揉みほぐすようにお腹や腿を愛撫して、彼の先からじんわりと染み出してくる蜜が垂れそうになったら時々舐めてあげる。シオンさまは可愛い嬌声を上げながら、徐々に気分がリラックスしてきたようだった。
「ふぁ、ぁ……気持ちいいよぅ……あぁああん……」
 小振りなソレの周りや足の付け根、下腹部からお尻の方まで、丁寧に、優しく。シオンさまの体に触れ、声を聞いているだけでわたしは胸がいっぱいになって、頭を全部彼が埋め尽くして。わたしの方も、シオンさまの蜜とはほど遠い、ただ嫌らしいだけの液体が太ももをつたっているのだった。
「はぁああぁぁぅ……橄欖も……なんか出てるよ……?」
「いえ、これは……見なかったことに……」
「橄欖もおもらししてるじゃない……」
「違います。断じて違います。わたしは必ずシオンさまと枕を共にする前にトイレは済ませています」
「じゃあ、何……? にゃ、ぁ、ぁ、……ぼ、僕をマッサージしてるのに……橄欖が気持ち良くなっちゃったの……?」
 そうです。当たり前じゃないですか。シオンさまが気持ち良さそうにしていて、わたしがシオンさまを気持ち良くさせているんだって考えただけでわたしはもう。
 でも今日はわたしがリードしなきゃいけないから、シオンさまの誘導には乗らない。
「それで、どうですか? したくなってきましたか?」
「橄欖のひんやりした手で、刺激されて……やぁんっ、ちょ、ちょっと変な感じ……したくなってきた、かも……」
「効果があったようで嬉しいです」
 橄欖はまた同じようにマッサージを再開した。布団の上ではないので体が冷えるせいもあるかもしれないが、わたしのマッサージでシオンさまの膀胱にはだんだんお水が溜まっているみたいだ。
 続けること十数分。
「や、んぁ、ふぇ……かーん、らんぁっう……そろそろ……限界……かも」
「ではそろそろ……くくく……リラックスして下さいませ」
 一度姿勢を正して、シオンさまの会陰部をペロリと舐めた。
「ぅぁっ……」
「リラックス、リラックスです、シオンさま」
「う、うん……でもっ、ひゃ、あぁぁ……」
 痛くないように裏側からそっと自分のお腹を押しつけて、さすってあげて。
 ぱっと起き上がったその瞬間。
「ゃあああああぁぁぁぁ……」
 力の抜けた声とは裏腹に、橄欖の顔めがけてぷしゃぁぁぁぁぁぁっと勢い良くおしっこが飛んできた。
「ひ、ぅうぁ……気持ちいいよぉ……」
 中腰のまま呆然としているわたしの髪や上半身を、この世で最も綺麗で、しかし橄欖に淫靡な悦楽を与える聖水がみるみる濡らしてゆく。
 さすがに目に入ると痛いので目は閉じて、下からのシャワーを浴びながら、口を開けて喉を潤したりもして。
 ここまで長時間続けてきた愛撫の成果を、一分の至福の時に浸っていた。
 シャワーが止まってから、橄欖はゆっくりと瞼を上げた。
「橄欖……僕のおしっこでびしょ濡れだよ……」
 恍惚とした表情のシオンさまが後ろ脚を開いたまま、こちらを見ていた。その姿にまた正気を失いそうになりながらも、言葉を返す。
「光栄の限りです……シオンさまは気持ち良くなれましたか……?」
「橄欖のおかげですっごく気持ち良かった……」
「嬉しいです」
「でもさ、これ」
 シオンさまは力なく笑って橄欖の足元を見た。
「畳、大丈夫かな……」
 ご安心を。
 あなたはわたしに全てをお任せくだされば良いのですから。

&size(18){         ◇};

 シオンさまはあのまま気持ちよさそうに眠ってしまわれたので、畳をめくって外に干しておくことにした。それから自分の髪や衣も乾かさないといけない。
 ドライヤーを手に髪を乾かしながら、橄欖は今夜のことを思い返していた。
 いくら愛を育んでも満たされなくて、気づけばそればかり考えている自分がいる。牡の仔の一番敏感なところを直接刺激してはいけないとか、どのあたりをどんなふうに愛撫してあげたらいいのか、繰り返すうちにほとんどわかってしまった。だから、もう考えることはないはずなのだ。
 そのはず、なのだけれど。
「何か……」
 大事なことを忘れている。当たり前のことなのに思い出せない。いまどきは仔供でも知っているかもしれない。それなのにわたしは。
 でも、彼の安らかな寝顔に目をやるとすぐにどうでも良くなってしまう。
 これではいけない。いけないのに。
「シオンさま」
 橄欖は眠るシオンを起こさないように抱き上げてソファに寝かせ、新しい毛布を持ってきて掛けてあげた。
 そうして布団に一緒にもぐり込んだ。さすがに疲れていてすぐに意識はすぐに闇に落ちた。

***6 [#pd837789]

「七、六、五……」
 シオンさまの声が聞こえてきて、目覚めつつあることを自覚した。いつの間にか朝だ。
「四、三……」
 なんて幸せな朝なのでしょう。彼の声で目が覚めるなんて。
「二、一」
 胸のあたりに柔らかな重みを感じる。どいやらシオンさまがわたしの上に跨がって座っているらしかった。
「アウトー」
 目を開けないと。シオンさまより後で起きるなんて妻として失格だ。
 意識はまだ覚醒していないまどろみの中、彼の言葉の意味を受け取るのに時間がかかってしまった。
 何のカウントダウンなんだろう、とようやく考えたその時、目を閉じたままのわたしの顔に水がかけられた。
 ただの水ではない。温かいし、シオンさまの匂いがする――

&size(18){         ◇};

 話は数分前に戻る。
 まどろみの中で、言葉を聞いたような記憶。
「ねーかんらーんおきてよー」
 珍しく先に目を覚ましたシオンさまがわたしを起こそうとしていた。
「主人が起きてるのにまだ寝てるなんて僕の奥さん失格なんだからねっ」
 布団を取り上げられて、朝の冷たい空気が肌を刺した。が、それでもわたしの意識はまだ覚醒には至らなかった。
「うー……」
「もう、しょうがないなあ……」
 シオンさまは良からぬことを考えついて、わたしの上に跨がったらしい。これがわたしには逆効果で、シオンさまの体が布団の代わりになって寒さを和らげてくれていた。
「あと十秒以内に起きなかったらこのままおしっこしちゃうんだからねっ」
 などと宣言されてもわたしは言葉の意味を認識できていなかった。シオンさまはそのまま数秒間待ってくれたみたいだけど、橄欖の反応がないのでカウントダウンを開始した――
「……じゅーぅ、きゅーぅ、はーーーぁち」
 ――ここで冒頭へと続くわけである。
 普通なら冗談で済ませることを本気でやるのがシオンさまの怖いところで、可愛いところでもあり。
「起きろー」
「ふぇっ、ひゃ……シオンさま、ひどいですっ」
「だって橄欖が起きないんだもん……」
「だ、だからってこんなこと」
 昨夜敷いたばかりの新しい布団なのに。
「橄欖は顔を洗う手間が省けるし目も覚めるし、僕はすっきりするし、一石三鳥だと思うんだけどな」
「お洗濯が増えるじゃないですかっ」
「あ、そっか」
「シオンさまのせいで毎日大変なのですから……それにずっとこうしてると起き上がれません」
「はーい。じゃ僕は自分のベッドどもう一眠りしとくから、朝ごはんできたら起こしてね」
「……わかりました」
 またしても波乱の一日の幕開けだった。これまでにもひどい朝はあったけれど、今回がいちばんひどい。
 外が寒くて布団から出られなかったからと、布団の中でわたしに抱きついたままおしっこをしたこともあったし、ただでさえ夜中にシオンさまのおねしょで起こされることも多い。
 とにかく、朝食を作らないと。体がおしっこでびしょ濡れなのでまずドライヤーで乾かして、わたしは構わないけどシオンさまに食べさせるものだから、手を綺麗に洗ってから準備を始めた。
 パンをトーストして、スクランブルエッグを作り、コーヒーを淹れて、あとは林檎を剥いた。豪華でも質素でもない、まあこれくらいなら丁度いいだろう。
 準備ができたのでシオンさまを起こすことにした。
「シオンさま、朝食ができましたよ」
「んー……わかったぁ……」
 眠い目を擦りながら、ベッドからのそのそとはい出てくる姿もかわいらしい。思わず頬を緩ませていると、急に素早い動きで橄欖に飛び掛かってきた。
「だっこ」
「ひゃっ……!」
 なんとか反応して、抱きとめた。本当に甘えん坊さんなのだから。
「……シオンさま、朝食が冷めてしまう前に食べましょう?」
「連れてって」
「わかりました」
 シオンさまは今日は特に橄欖に甘えてくる。そのまま朝ごはんを食べさせてあげることになったが、それからとりあえず洗い物、お洗濯までは平和に進んだ。
 波乱はそのあとである。
「かんらーん」
「何ですか?」
「喉渇いたりしてない?」
「いえ……今は結構です」
「そう? じゃあどうしよう……」
 シオンさまは体をクネクネさせながら困った顔で橄欖を見つめてくる。後足を変に閉じているところも可愛い。可愛いすぎですシオンさま。
「あの」
 シオンさまが恥ずかしそうにおしっこを我慢しているところをずっと見ていたい気分ではあったけれど、本人は辛そうなのでさすがにそうもいかない。お手洗いに行くように、と言うつもりだったのだが。
「えーいっ」
「きゃ……!」
 シオンさまが突然俊敏な動きでわたしに抱きついてきた。なんとか倒れずに受け止めたが、次の瞬間、一体どうしてこんなにたくさん出るの、と言わんばかりの大洪水がわたしの体に浴びせられた。
「シ、シオンさまっ」
「ああんっ……きもちいいよぉ……」
「おしっこはお手洗いでしてくださらないと困りますっ」
「だってぇ……ひとりでしても気持ち良くなれないんだもん」
「そうかもしれませんが……」
「ほんとは喜んでるくせにぃ」
「そ、それはシオンさまのお体から出てきたお水ですから……そういうことではなくてですね。後片づけが大変ではありませんか」
「えー、僕のお世話は橄欖の仕事でしょ?」
「……それを言われると返す言葉もありません」
 その日からだんだんシオンさまの行動がエスカレートしはじめた。
 朝の事件から数時間後、お昼を食べて片付けが終わり、ソファの上でくつろいでいる時。
「ねえ……だっこして」
「はい」
 急にシオンさまが体をすり寄せて甘えてきたので、抱き合う格好で膝の上に乗せてあげた。
「橄欖……だめ……ふぁあっ」
「ひゃっ……シオンさま、ちょっと……」
 シオンさまが後足をひらいて橄欖に抱きついてきた時になんとなく予感はしていた。時間もちょうどそのくらいだし、案の定だった。
 本日二度目、いや三度目だ。シオンさまの何かのスイッチが入ってしまったのか。
「いいでしょぉ。橄欖も好きなんだからぁ」
「ソ、ソファの上ですし……」
 橄欖の衣で吸収しきれなかったおしっこがソファやクッションを濡らしてゆく。目の前にはとても気持ちよさそうに放尿するシオンさまのお顔があって、お腹から足にかけて温かさと湿った感覚が駆け抜けている。鼻をくすぐるシオンさまの匂いが、わたしに考えることをやめさせようとする。
「シオンさまの……あぁ……」
「ほーら橄欖も悦んでるー」
 否定できないのが悔しい。この後の片付けはすごく大変だけれど、実は至福の雑用だったりもして。
 わたしって本当にいけないポケモンだ。シオンさまにおしっこを浴びせられて嬉しいなんて。
 ちょっぴりSなシオンさま。大好きです。
「ほんとに僕のこと好き?」
 ええ。当たり前じゃないですか。
「……わたしの心を?」
 偶然だろうか。変な感覚。これは、本来あるべき姿ではなく――
 ――逆、なのではないか。
 わたしが忘れていた大切なこと。
「ふええ……橄欖?」
「わたしの膝の上でおしっこ……気持ち良かったですか?」
「うん」
 違う。シオンさまは本当はこんなこと言ったりしないはずだ。わたしにこんなことなんてしてくれない。
「シオンさま……」
 終わらせたくない。終わらせたくないけど。
 ここまでおかしくなっちゃったらいくらわたしでも気づいてしまう。
 わたしには、キルリアには、感情を受信する角があったということを。
 あまりに不完全で矛盾だらけ。この世界には本物の感情が存在しない。それはつまり、随分と長く暮らしてきたようだけれど、実はほんの一瞬の出来事。一瞬は永遠で、永遠は一瞬に変わる。時の流れを決めるのはわたしの意識だから、そう。


 ――夢、なんだ。

***7 [#xcbbc3cc]

「あ、橄欖が目を開けた!」
 数年は離れていた世界のはずなのに、見慣れた天井がその形を整えていくに従って、わたしは現実を認識し始めた。
「良かったー」
「良かったじゃないよ! きみの悪戯で橄欖が永久に目覚めなかったらどうしてくれたんだよ!」
「橄欖姉ちゃんほどの精神力があれば大丈夫だと思ったんだけどなー」
 そうか。ぜんぶ&ruby(ムウマ){夢魔};の三太くんの仕業ってわけ。
 シオンさまの安堵の心と、三太くんの焦燥が伝わってくる。わたしに幸せな夢を見せてくれたことを感謝するべきか、それとも。
「……?」
 ベッドから体を起こそうとして、全身が濡れていることに気がついた。あれは全て夢のはず、なのだけれど。
「橄欖……えっと……」
 シオンさまが気まずそうに近づいてくる。
 心を読むのは簡単だから、言わなくてもわかった。
 わかってしまうと死にたくなった。
 わたしがうわ言で求めていたらしい。シオンさまに、その……
「ご、ごめん。ほんとにどうしようもなくて、三太くんが橄欖の寝言に従ったら目覚めるかもって言ったから……」
「……ね、寝ている間のことは聞かなかったことにしてくださいませんか?」
 やはり三太くんに感謝すべき要素などなさそうだ。
「でもほんとに目覚めたんだねー。びっくりした、紫苑兄ちゃんがトイレに行ってくるって言ったら、『わたしの上で……して……』とかなんと」
 三太くんが意識を保っていられたのはそこまでだった。
「か、橄欖……」
「失礼を承知で申し上げます。三太くんとお話があるので、席を外していただけませんか」
「ほ、ほどほどにね」


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 -Fin-

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***なかがき [#eda51ae9]
まだ序盤なのですよー
できるだけえっちなの100ぱーせんとですすめたいです
読者さんは飽きちゃうかもしれませんけど自己満足ですし←
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***コメント [#m6745f25]
#pcomment(:コメント/エターナる夢)

IP:114.51.81.198 TIME:"2011-12-30 (金) 02:59:01" REFERER:"http://pokestory.rejec.net/main/index.php?cmd=edit&page=%3A%E3%82%A8%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%82%8B%E5%A4%A2&id=eda51ae9" USER_AGENT:"Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; GTB7.2; .NET CLR 1.1.4322; InfoPath.1; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.0.4506.2152; .NET CLR 3.5.30729; Sleipnir/2.9.9)"

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