ゆめのともだち
目次
思わぬ光景にティニは唖然としていた。
今現在、目の前には自分以外のビクティニ達が居る。 ティニと対面するその一人ははにかんだ様子であり、そしてもう一人は観るからに悪戯好きそうな気配ではあるが──いずれともその顔にはティニに会えたことの喜びがその笑顔には表れていた。
『初めましてティニ! ボクはアルノ、ずっと会いたかったよ!』
唐突な自己紹介をするなり、待ちわびたように抱き着いてきては頬を寄せてくるそのビクティニ・アルノを、ティニもまた訳も分からずに受け止める。
そんな激しい抱擁の傍らからは、
『えへへ、はじめまして♪ ぼくはエルチって言うんだ。ぼくも会いたかった~♡』
もう一人のビクティニであるエルチもまた擦り寄ってきては、広げた両腕でアルノ共々にティニを抱き包んだ。
そんな二人のビクティニから極めて親密なアプローチを受けてもしかし、
「え、えっとぉ……なんで二人は僕のこと知ってるの?」
ティニはただ当惑もしきりに尋ね返す。いかんせん状況が全く把握できない。
そとそもここがどこで、いつ自分はどうやってここに辿り着いたものかも分からないのだ。
取りあえず敵意の無い二人に応えながら身を委ねるティニにもしかし、一頻りその抱擁を堪能したアルノ達はようやく身を離すと正面からティを見つめ直した。
改めて確認するアルノの目鼻立ちは、なるほど同種のビクティニとはいえティニとは差異が見られた。
耳周りの毛並みが豊髪であり、さながらそれは前髪のようなシルエットを印象付ける。
瞳の輪郭にも精悍さが窺え、真っ先に抱擁をしてきた先の行動と併せるに、アルノは思考よりも行動が先に来るタイプのようである。
一方で、上目遣いに朗らかな微笑みを向けてくるエルチは両性的だ。
襟足の毛並みが長く伸びて肩に触れるその毛並みの印象もあってか女性的な第一印象を抱かせた。
先の抱擁の際にもアルノ共々ティニを抱き包んでくれた接し方からにも、どこか母性すら感じさせる包容力があって、動のアルノに対しさながらエルチは静という両対極のイメージをティニに印象付けた。
そんな二人を前に、だからといって未だ何の現状も理解できずに困惑しきりなティニを見つめると、アルノとエルチは再び微笑む。
やがて、
『ぼく達ね、ティニと遊びたくてやって来たんだぁ』
『そうだよ。ボク達、ティニに会えるのを本当に楽しみにしてたんだから♪』
「ぼ、僕と……遊びたいの?」
その目的を聞かされても何ら現状の説明や理解にも至れないティニではあったが、それでもしかし自分を求めて会いに来てくれたという事実は嬉しかった。
「うん、いいよ♪ それじゃみんなで遊ぼう」
ティニもまたこれ以上の詮索は野暮だと割り切ると、この状況を楽しむことに決めた。
しかしながら次のアルノの言葉とそして、これより始まる展開に再びティニは度肝を抜かれることとなる。
『本当ッ? やったー♪ じゃあさ、最初はキスしようよ♡』
まるで追いかけっこでも持ち掛けるように提案されるアルノの言葉を理解しかねティニは固まる。
「き、キス? それってどんな遊びなの?」
『ティニ、知らないの? キスって、唇同士をくっつけて舐めっこしたりするんだよ』
エルチの返事になおさら当惑の度合いが深まる。その答えは凡そティニの知る『キス』の概要そのままであるからこそなおさらに混乱した。
そうしてどう振舞ったらいいのか分からず、依然として立ち尽くしたままアルノとエルチを交互に見遣るティニを前に、
『じゃあ、最初はぼく達がやってみせるからよく見ててね』
『ちっとも難しくなんかないよ♪』
二人は互いの頬を寄せ合うと左右対称にウィンクなどして微笑んでみせる。
そうして改めて向き合うアルノとエルチを前にして、
──わ、わわッ……本当にキスしちゃうの? 僕の目の前でッ?
強く戸惑いつつもしかし、生来の好奇心も手伝ってはその展開を見守るティニではあったが……事態はそんなティニが想像していたものを遥かに超えるスケールで展開されていくこととなる。
向き合ったアルノとエルチは半ばに口を開いて、舌先を吐き出させたかと思うと──次の瞬間には、その舌先同士を激しく絡ませ合わせるのだった。
ティニの知る『キス』とはごく親しい間柄の男女が互いの頬や首筋に軽く唇を押し付けるものであり、はたまた親密の度合いが深まれば唇同士を正面から押し付け合ったりするもの……程度の認識であった。
しかしながら今目の前で繰り広げられているそれは、そんなティニが知るどんなキスにも当てはまらない内容で展開されている。
アルノとエルチから伸ばされた舌同士は蛇の交尾さながら螺旋に絡まりあっては、唾液を介す水音を絶え間なく奏でていた。
その音はこのキスという行為だけに留まらず、今までに聞いたどんなに生理音よりも粘着質な響きを漏らし、かつ粘度の違う唾液同士が絡まり合い舌上において撹拌される眺めはもはやグロテスクにすら感じられたほどだ。
だがそんな光景にもしかし………
「あ、あ………うわぁ」
依然として抱きすくめられた姿勢のティニは、斯様に目の前で繰り広げられるアルノとエルチによるディープキスから目が離せずにいた。
確かにそれは衝撃的な眺めではあったが、不思議とそれへ嫌悪を覚えることはなかった。
それどころかお互いに瞳を閉じてはこのキスに感じ入っている二人を見るにつけ……
──アルノもエルチも、なんか気持ち良さそう……
得も言えぬ謎の興奮すら覚えるティニは、我知らずのうちに鼓動を高鳴らせてもいく。
暫しして口先を窄めさせ、互いの口中に充ちる唾液を存分に吸い上げた二人の唇は、舌鼓さながらに音を弾けさせてはようやくに離れた。
事後の鼻息も荒く舌先を吐き出したまま呼吸を荒らげる二人の眺めにティニは、自身の中にある正体不明の興奮が強く刺激されるのを覚えた。
『えへへ、どう? こんな感じでするんだけど』
改めて二人の視線が向いたかと思おうと、先ほど以上に目を輝かせながらアルノが訪ねてくる。
「う、うん……その、リードしてもらえるなら出来ると思う……」
そんな二人の温度差に気圧されながらおずおずと頷くティニに対しエルチは妖艶に微笑み、そしてアルノは仔犬然とした笑顔を表情一杯に咲かせる。
『大丈夫だよ! 任せてッ♡ あとさ、ティニってキスするの初めて?』
「えっとぉ、たぶんそうだと思うけど………」
『本当ぉ!? やったー、それじゃティニの初めてもらっちゃうね♡』
歓喜の声を上げたアルノは間髪入れずして顔を寄せると、そのままティニの唇を奪った。
ファーストキスであったことの感慨に浸る間もなく奪われてしまったが、遊びやスポーツ感覚も強いアルノの振る舞いも相成ってか、眺めていた時に感じた罪悪感や喪失感をティニは覚えずに済んだ。
アルノからのキスは最初、幾度もティニの上唇を咥え込んでは引っ張ると言った動作を繰り返した。
そんな悪戯気のあるアルノに対抗するようティニも彼の下唇を咥え込んで前歯に挟んでやると、その反応が楽しいのかアルノはコロコロと笑う。
そうして息継ぎに二人の唇が離れるや、今度はエルチが進み出してきてはティの唇と塞いだ。
こちらは唇同士が触れ合うなり、伸びだしてきた舌先が侵入してきてはティニの口中において舌全体を絡め取る。
さながら先ほどアルノとエルチが交わしていたキスを再現するそれに、ティニも見様見真似で舌全体をくねらせてはそれに応えてみせる。
今までに吟味したどんな食べ物にもない他者の舌の感触は、滑らかにぬめりを帯びつつも表皮のざらつきを感じさせる未知の感触をティニに憶えさせた。
舌や口中を食事以外の目的で使用しているという非日常感に、やがてはティニの頭にも靄がかかっていく。
今行われている行為に何一つ理解など及ばなくとも、
──僕……今、すごいエッチなことしてるんじゃ………
そこはかとなく一連の行為が性的なものに由来するであろうことを感じ取っては、徐々にティニも興奮の度合いを高めていった。
エルチとの濃厚なキスに興じていると、突如として自分達のものではない何かがあの独特の滑りを帯びては侵入し、絡まり合うエルチとティニとの舌の間に割り込んできた。
それに驚いて目を見開くとティニと、一方で全てを理解していると言った感じではれぼったい瞼の瞳を向けるエルチの視線の先には──同じくに鼻先を寄せて頬を触れ合わせてきたアルノがイタズラっぽく笑っていた。
言葉など何一つなくただ互いの吐息と唾液を飲み込む際の喉のうねり、そして粘着質な撹拌音を響かせながら三人の舌は幾重にも絡み合い、そして互いの唾液とを交換した。
──なんだろう……頭ボーってしてきた……
当初は二人の動きを真似ようと意識していたティニの思考はいつしか曖昧なものとなり、今はただ受動的に交互に絡みついてくる二人の舌へ対応するのみとなっていた。
今までに体感したことも無い感覚に陥りつつあることを理解しつつもそこに恐怖は無く、むしろ時の許す限りにこの行為に興じていたいとすら感じていたティニはしかし──ある瞬間を期に現実世界へと引き戻されることとなる。
「ん、んッ………んぅ?」
その時、不意に腹部へと何かが押し当てられる感触を覚えた。
最初は触れる程度に当たってきたそれは、先端が濡れているのか毛並と地肌に僅かな冷感を覚えさせる。
そしてそれは見る間に肥大を始めては、今やティニの腹部を圧迫するまでに巨大化を果たしていた。
「んんぅ~……ぷはッ。な、なにコレッ?」
驚愕のあまり思わずキスを振りほどいては、それが生じているであろう己達の体を見下ろすティニ。
密着した三人の毛並の中に、まるで異質となる蛇然としたそれが二つ、その先端を天に突きあげていた。
『ふふふ……ティニのキスが上手だから大きくなっちゃった♡』
『へへ~、すごいだろティニ』
その状況を前に、ティニと反してはどこか得意げなエルチとアルノ。
やがて二人の体が離れ、改めてティニの前に晒された物は……──
「ふえ……な、なにこれぇ……ッ?」
アルノとエルチの股間より赤く屹立した、二本のペニスに他ならなかった。
『それじゃあ今度はチンチンで遊ぼうね、ティニ♡』
「ち、チンチンで……?」
鼻息荒く寄り添ってきては瞳を輝かせるアルノを前にティニは困惑もしきりだ。
『ペニス』を使用する遊戯など、ティニの想像力ではどう考えても理解が及ばない。
「だ、だってチンチンってオシッコするところだよ? どうやって遊ぶの?」
当然のようにその疑問を投げかけてくるティニを前に、依然として微笑んだまま見守っていたエルチのペニスが大きくひとつ跳ね上がる。
『ティニ、知らないの? チンチンはオシッコ以外にも、気持ちよく遊ぶための部分なんだよ♡』
「気持ち良く、なるの? よく分かんない……」
『もー、しょうがないなぁ~。それじゃあぼく達で教えてあげるね♡』
鼻を鳴らしつつもどこか嬉し気なエルチに対し、傍らのアルノもまた喜びを抑えきれないといった笑顔で大きく頷く。
「それじゃ最初はティニのチンチンも大きくしちゃおう!」
そうして依然戸惑い続けるティニの前に二人は四つん這いとなって迫ると、その股間に鼻先を突き付けては毛並みの中へと僅かに潜らせる。
そこから音を立てて何かを嗅ぎ取ろうと躍起になる二人の鼻息に晒されては、
「あ、あうぅ……なんか怖いよぉ……」
『大丈夫だよティニ! ボク達に任せて!』
『すぐ楽しくなるからね~♡』
楽しげな二人をよそに、ティニはそこへ背徳的な何かを感じ取っていた。
それでも戸惑うい続けるティニはその瞬間──思いもかけない感触を股間に覚えては、針で刺されたよう両肩を跳ね上がらせる。
それこそは……
『くんくんくん……へへ~、はっけ~ん♡』
誰でもないアルノの唇がティニのペニスの先端に触れたから他ならなかった。
そこから躊躇なくそれを口中へ咥え込んでは、そこを舌先で舐り回してくる感触に、
「んひゃあ!? な、なにしてるのぉ!?」
思わずティニは声を上げる。
その反応もティニにしてみれば当り前のことで、従来は排尿に使われるはずの不浄な器官を、こともあろうアルノが口にしてしまっているからだ。
その認識があるからこそ驚愕のすぐ後には戦慄すら覚えてしまうティニをしかし、一方のアルノは依然として口中で咥え込んだペニスを飴玉のように舐め転がしなら見上げた。
そうして一際愛し気にその先端へ唇を吸い付けさせて離すと、
『汚くなんかないよ? チンチンは食べちゃってもいい部分なんだから♡』
見上げるアルノはさも当然と言わんばかりに天真爛漫な笑顔を咲かせる。
そして計ったよう隣のエルチと顔を合わせては思惑ありげにその顔へ笑みを広げると、
『じゃあさ、ティニもボク達のチンチン食べてみなよ♪』
『すっごい美味しいよ♡』
ティニを前に立ち上がるや、二人は屹立したペニスをその前に晒す。
「……え? えぇッ? えええ~ッ?」
それを前に、二人のペニスを交互に目で追っては困惑の甚だしく困惑するティニ。
同族であるにもかかわらず、アルノとエルチのペニスはそれぞれにその形状が異なっていた。
先細りで茎全体を包皮から剥き出しては血の滴るような赤身を晒すアルノに比べ、エルチのそれは先端に亀頭を有するマイクさながらの形である。
それらペニスがまるでアルノやエルチとは別生物のよう時折りその身を引くつかせては、その先端から玉露のような腺液を滲ませていた。
そんなある種の蠱惑的ですらある眺めに、
──おつゆがキラキラしてる……それに不思議な匂い………
当初の困惑も忘れそれに見入るティニを前に、アルノは先細りの先端をさらにその鼻先へ突き付けた。
『舐めてみなよ♪ 絶対に美味しいからさ♡』
その言葉におずおずと視線を上げればそこには興奮も露に下瞼を上ずらせたアルノの期待に満ちた顔があった。
そして中てられるその視線に促されるようやがて……ティニは伸ばした舌先をペニスの裏筋へと押し当ててしまう。
ヌルリとした感触が舌上に伝わった。
先のキスの際に絡め合わせた舌同士の感触にも似てるが、こちらの方が表面にざらつきが無く舌触りが滑らかである。
発色の良い赤身からキャンディを連想していたティニは、舌上に広がる強い塩味に驚いては目を見開いた。
それでもしかしペニスからの腺液を吟味し、そしてそれを嚥下した次には──
「ん、ん、んッ……んう……ッ」
ティニは自ずから頭を前後させてはアルノのそれをしゃぶることに夢中になっていた。
『ふわぁ~……ティニのお口、気持ちいい~……想像以上だよぉ♡』
いつしか奉仕するティニの後ろ頭に両手を添えては忘我するアルノに対し、その隣のエルチもまた肩を押し付けるように身を寄せてはティニの鼻先に自身のペニスも晒す。
『ティニ~、ぼくのもペロペロしてぇ♡ こっちのチンチンだって美味しいよ?』
依然としてアルノのそれを咥え込んだまま、ティニは鼻息も荒く差し出されたエルチのペニスを流し目に見やる。
そうして口に取っていたアルノのペニスを解放するや──次の瞬間には得物を空中キャッチする動物さながらに、ティニは一切の躊躇もなくエルチのペニスもまた咥え込んでしまうのだった。
ペニスから滲み出した腺液が口中へ染み入るように広がる。
淡い塩気の中に仄かな苦みを含ませたそれが前後する腰の動きによって唾液と撹拌されると、さながらその味わいはスポーツドリンクのそれをティニに連想させた。
──チンチンのおつゆ……エルチのチンチン、美味しいかも………
同性のペニスをしゃぶるという非日常への興奮に煽られ、もはやティニは無心でそれをしゃぶり続ける。
その最中、
『もー、エルチばっかりずるいよぉ! ぼくにも返して!』
先にティニへ口取りさせていたアルノが憤慨した様子で身を寄せてくると、依然口中にエルチのそれを収めたままの鼻先へ自身のペニスをも突き付けてくる。
先細りの先端でティニの鼻孔の淵をなぞりそこへ腺液を擦り付けると、
「ん、んんぅ~……ッ!」
そこから発せられる香りに、半ば強制的に発情を促されてはティニも声を上げた。
アルノのペニスの香りに反応して会陰の奥に激しい収束感が生じると同時、ティニのペニスもまた勃起を促されては、その柔毛の毛並みの下から先細りの先端を覗かせた。
──食べたい……アルノのチンチンも食べたいよぉ……ッ
もはや自我とは思えぬ衝動に駆られアルノのペニスを握りしめると、ティニは今までしゃぶり続けていたエルチのそこから口を放し、今度はアルノの物を迎え入れた。
『んあぁ、すごいよティニ……ッ! そんなに吸われたらチンチン壊れちゃうぅ……♡』
『本当にチンチン舐めるの初めて? ティニ、エッチ過ぎだよぉ♡』
普段、『性』といった事柄に関心や馴染が無いだけに、一度それを覚えたティニの反応は貪欲であすらあった。
二人の種類も違うペニスを味わいたいと交互にそれをしゃぶり分けては吟味し、遂にはその二本を同時に味わいたい衝動に駆られては大きく吐き出したベロの上にペニスの先端二つを集結させ、その先からにじみ出る腺液を同時に舌上において拡散させる。
そんなティニの痴態を前にし、刺激を受けたアルノとエルチもまた不意な絶頂へ急激に快感の鞭を入れられた。
『うわあぁ、イッちゃう!? 何も知らないティニにイカされちゃうぅ……♡』
『の、飲んでぇ♡ ティニのお口にミルク出すから、全部のんでぇ♡♡』
抗いようもないその衝動にアルノとエルチは身を仰け反らせると同時──その先端を突き合わせていたペニスからは射精が為され、赤い舌上において純白の筋が二本交差をしては、ティニの口中に思いの丈をぶちまけた。
──なにこれ!? お口にオシッコされちゃったの……!?
一方で何の予備知識もないティニは、突如として口中に発生した射精に驚いては目を剥く。
とはいえしかし、今も開け放たれたティニの口へと発射され続ける体液は明らかに自分のよく知る尿のそれとは違った。
粘性の高いそれが舌の上に乗ると、むしろティニは液体というよりはゼリー状の何かが触れた知覚を得る。
体内から放出されるものでそこまでの粘度を持つものと言えば鼻汁のそれではあるが、なおも二人のペニスから排出されているものは、それよりももっと粘着質で、そして独特の風味を湛えたものであった。
──変な匂いする……草っぽい青臭さなのに海の匂いもして……
『ティニ! ティニッ♡ うわあぁ、一杯でちゃうぅ♡♡』
『くうッ♡ ぼく、ティニのお口にせーし出しちゃってるぅ……♡』
その一方で今も依然とし射精を続けるアルノとエルチは、斯様に冷静なティニとは裏腹に肉体の衝動を抑えきれぬと言った言動を見せる。
痛みに耐えるよう眉元を強(こわ)くしかめるアルノと、かたや完全に脱力もしきりで一切の表情も保てなくなっているエルチの顔つきは対照的ではあったが、どちらも等しく快楽に支配されては忘我の極みに達している様子であった。
やがて根元をから強く握りしめた指々の輪を徐々に先端へと絞り上げていっては、尿道から滲む最後の一滴をティの鼻先へと垂らすと……ようやくに二人の射精を終わった。
そうして改めて見下ろすそこには……
『はぁはぁ……アハハ♪ ティニの顔、せーしでドロドロになっちゃったね♡』
『ふふ……でもすっごく可愛いよ♡ ティニはせーしが良く似合うね♡』
舌の姿見えなくなるほどアルノとエルチの精液を口中に溜めた口元はもとより、頬や鼻周りを始め、その顔面を隈なく汚されては依然微動だにしないティニの顔がそこにはあった。
思いの限りに射精した二人もまたよほど興奮していたのであろう、打ち出された精液は当初の目標である口中を大きく外れ、もはやティニの顔面を袈裟に横断しては長く伸びた精液の跡をそこに残していた。
斯様にしてペニスからの発射物によって顔面を隈なく汚されたティニではあったが……舌や顔の表皮から感じられる精液の感触と、そしてそれらから醸される匂いと味わいにはティニもまた謎の興奮を掻き立てられてやまなかった。
──お口の中にアルノとエルチのオシッコがある………
無意識に舌を動かすと、重みを感じる液体の中に混じった半固形のそれらが撹拌される感触がよりダイレクトに伝わり、なおかつそこから醸されるか香りもまた直に鼻孔を突き抜けてはより一層にティニを忘我させた。
──どれもこれも初めての感じなのに、みんなドキドキするよぉ……
この時ティニの胸中にはある衝動が芽生えていた。
突如として思い付いたそれの実行を頭では異なことと否定しつつも、肉体の中に根付く本能は何よりも強くそれを求めてならない。
そして最後には本能が勝る。
アルノとエルチが見守る中、見せつける様に開け放っていた唇を閉じると──
『わぁ!?』
『あは♡』
ティニは口中に溜まっていた二人の精液を一息に飲み下してしまうのだった。
唾液と共に撹拌されていたことも手伝ってか、二人の精液は留まることなく嚥下された。
そのひと固まりが胃に落ち、そして止めていた呼吸を整えるよう小さくため息をつくとそれは小さなゲップとなって漏れ出し、思わずティニも口元を抑える。
そんなティニを目の当たりにし、
『ウソ? ホントに飲んじゃったの!? ボクらのせーし、飲んでくれたのッ?』
『うわぁ……嬉しすぎるぅ♡』
温度差も甚だしく沸き上がったのはアルノとエルチであった。
顔を寄せては興奮も露に目を輝かせてくる二人に対し、
「う、うん……飲んじゃったぁ。でも変な味だね」
一方のティニはまだ戸惑いしきりといった塩梅である。
『ぼくのせーし、不味かった……?』
「ううん、そんなこと無いよ。慣れてないから驚いちゃっただけ」
『それでもすごいよティニ♪ 最初は咳き込んじゃったりして上手く飲めないんだから。才能あるねッ♡』
語り掛けながらにエルチとアルノの手がティの体に這わされる。
やがてそんな二人の手は……
『それに……ティニの準備も万端だね♡』
『ッ!? あうぅ……!』
ティニの前面においてすっかり勃起しては屹立したそのペニスを、二人は合わせ鏡のよう左右から掌同士で挟み込んだ。
敏感な粘膜への接触に反応して声を上げるティニは同時、そんな自分の肉体の変化に戸惑いを隠せない。
二人程の大きさではないにせよ、自分の体からも赤身を剥き出した先細りのペニスが伸び出している様を見ることは、我が事ながら今までに体験したことも無い現象であった。
「これ……本当に僕のチンチンなの?」
『そうだよ♡ その証拠にぃ……こうするとちゃんと感じるでしょ?』
戸惑うティニの反応を楽しみながら不意にエルチの手が収束してはペニスを絡めとり、そこからすくい上げるよう右掌で包み込むと僅かに前後へ扱く動きを展開させた。
「きゃッ!? だ、ダメ! ムズムズするぅ……!」
『あはは、感度も良さそうだね♡ それじゃ……そろそろティニもチンチンで遊ぼっか?』
ティニの反応を前にし、微笑むアルノの瞼が眠たげに下りてはその表情に妖艶さを満たす。
やがて一同を前に尻もちをついて足を天に向けると、アルノは両膝の裏を抱えては開脚し、自身の股間を晒した。
『ぼくの穴に入れてみなよ? すっごく気持ちよくなれるよ♡』
そうして屹立したペニス越しに視線を向けてくるアルノを前に、またしても驚きを露にしたのティニだった。
「あ、穴って……そこ、お尻じゃないの!?」
『ふふ、ティニって本当に何も知らないんだね♡ お尻ってウンチするところだけだと思ってたの?』
驚愕のティニをよそに、開帳するアルノの傍らに跪いたエルチはそんな尻の中央を指先でなぞり始める。
毛並もふくよかな臀部から生じた両翼のその中央に指先が埋まると、
『くぅんッ♡ 指きた……♡』
それに反応してアルノが高い声を上げる。
瞬間的な痛みのそれを感じさせる声にもしかし、エルチの指先は無遠慮に旋回してはアルノの肛門そこを掻き回すような動きを展開した。
やがては撹拌するその動きに粘着質な水音が混じり出し、立て揃えた指も二本に増やしては直線的に出し入れのピストンを敢行して後、勢いよくそれを抜き取るや──
『きゃうぅぅんッッ♡♡』
『ほ~ら……アルノのお花が咲いちゃったぁ♡』
ティニとエルチの眼前には……内部より肉を盛り上がらせては、バラや椿の蕾よろしくに腸壁をはみ出させたアルノのアナルが露とされた。
「だ、大丈夫なのコレッ? すっごく真っ赤でなんか痛そうだけど……」
『そんなこと無いよ。気持ち良くなるとこうなっちゃうんだもん♪ ねぇー、アルノ?』
真剣な面持ちのティニとは対照的に楽し気な笑顔のエルチは、そう語りかけながら無遠慮に指二本を再び根元までねじ込んだ。
『くうぅぅぅん……ッ♡ はぁはぁ……気持ちいいよぉ……ティニも、触ってぇ……♡』
なかば手荒いその扱いにもしかし、アルノは快感と期待に呆けた涙目の笑顔をティニへ向けるとそんなおねだりをする。
痴態を晒しているとも取れるアルノからの視線にもしかし、ティニは心の奥底が強くざわつくのを感じた。
──なんだろう……イケナイ事って分かってるのに、すごくワクワクする……
おそらくは初めて生じたであろう性的なその昂りに心捉われたまま、ティニもまたおずおずと伸ばした指先をアルノのアナルへと添わせる。
指先に当たる腸壁の柔肉が心地良い弾力を以て押し返してくる。
それをさらに押さえつけるよう指先に力を咥えると、
『きゃうぅん♡ ティニの指が来たァッ♡♡』
突如としてその抵抗が消えると同時、ティニの指先はその中頃までアルノの肉蕾の中へ埋まってしまうのだった。
それと同時、
「うわぁ‥…すっごい熱い」
指先を包み込んだ直腸越しに伝わるアルノの体温にティニは目を剥いた。
さらには襞状に凝縮された粘膜が腸液を帯びて指に絡まり付いてくる感触に興奮もまた覚えると、ティニは誰に教わるでもなく挿入させた指のピストンを始めていく。
『んぅッ、くぅんッ♡ ティニのゆび……きもち、いいよぉ……♡』
斯様な愛撫を受けるアルノもまた自身から突き出すよう腰を前後させると、ティニの動きに連動してはより深くその指を受け入れようと躍起になる。
いつしかティニの指はその全体が根元まで埋まり、場には放屁にも似た粘着音が一定のリズムを刻んでは鳴り響き出していた。
その中において愛撫を続けるティニはとある考えが──ある種の『願望』にも近いその想いが沸き起あがっては、興奮を帯びた体をそわそわと落ち着かなくさせていた。
疼く肉体を沈めるよう呼吸を荒く大きくさせては、自身の股間に残る左手を強く押し付けては耐える様子のティニへと、
『知ってるティニ……この中にね、チンチン入れるとすっごく気持ちいいんだよ……♡』
背後から近づいてきては体全体で抱きすくめたエルチは同時、そこから回した両腕をティの股間へと回した。
そうしてその手の中に、すっかり濡れ咲いては光沢を返すティニのペニスを外気へと剥き出してしまうと、摘まみ上げたそれを揉みしだくようにして刺激した。
「きゃうぅッ!? はぁはぁ……これを、入れちゃうの……?」
その事についてはティニもまた、薄々と勘づいてはいた。
むしろ生物としての本能が互いの粘膜を絡ませ合いたいと、強く心に訴えてやまなかったのだ……それこそは、アルノのこの肉壺の中へとペニスを挿入してしまう願望を。
それを理解し、そして誘うよう……
『じゃあ、入れちゃおっか? 男の子同士で交尾しちゃおー♡』
エルチはティニを断ち膝にして導くと、依然として両掌に収めたペニスをアルノの前へと誘導する。
『はやくぅ……♡ ティニ……早く入れてぇ……♡♡』
一方で、泣き出しそうな表情の中にも期待を込めた熱視線を送ってきてはか細くおねだりを促してくるアルノ。
やがてティニは身をのりだし、自身の先端を僅かにアルノのアナルへと触れわせると、
『一気に貫いちゃえ♡』
背後から抱きしめてきては密着するエルチの助けも借り──……
『ふわあぁぁぁッッ♡』
そのティニのペニスは一思いに、アルノの胎(なか)へと挿入されてしまうのだった。
もはや自分の意思などは介在させず、さながらペニスそれに操られているかのようティニは腰を打ち付け続けた。
アルノを下に両手をついて体を支えると、正常位の体位で快感の赴くままに拙いピストンを敢行するティニ──一方でアルノもまた深く挿入されて茎全体が収まると、意識してか腸壁で隙間なく包み込んでは表皮を蠕動させてペニス全体を締めつける。
そうして蛸の吸盤さながらに吸い付かれたそれを引き抜く際には、それら内壁に敏感な粘膜を扱き上げられる快感にティニも声を上げた。
「ふわぁ~、なにこれぇ? 力が抜けるぅ……チンチンがむずむずして苦しいよぉ……!」
未知のそれら感覚に苛まれては苦し気に声を上げるティニもしかし、肉体はもはやそんな主の苦しみも他所にいっそうピストンを速めてすらいた。
『んあんぅ♡ ティニすごいよぉ……すっごく力強くって、初めてだなんて思えないぃ……♡♡』
一方で斯様なティニからの責めを享受するアルノもまた歓喜の声を上げる。
それに呼応するよう腸壁は蠕動を激しくしては内包したペニスを締め上げ、そしてその感覚に晒されるティニにはなおさらに悲痛な声を上げさせるのだった。
そんな獣の如き二人を前にして……
『ふふ……そろそろぼくも仲間に入れて♡』
エルチはティニの後ろにつけるや、腰元の両翼に手を添える。
そうして荒々しくもその根元をワシ掴んでしまうやそれを左右に引き広げては、柔毛に埋もれた臀部の谷間を目下に開帳させた。
「あんッ、痛い! エルチ、何するのぉ!?」
敏感な翼への感触に声を上げるティニをよそに、もはやこの時のエルチにはそれらティニの反応などは微塵として目に入ってなどいない。
期待のあまりに笑みが隠せない視線の先には先ほどから閉じつ開きつをしている臀部の割れ目があり……
『ふふふ……見つけた~♡』
そしてさらにその下に隠れるティニのアナルそれをエルチは見つめていた。
視線をその標的一点へ定めたままエルチは自身のペニスもまた激しくしごきだす。
そうして鈴口から溢れ出させた腺液を以て存分に亀頭全体を潤滑させると、その先端を柔毛の中に差し込む。
そしてエルチの思惑通り、亀頭がアナルの粘膜に着地して腺液による液体の冷感を覚えさせると、
「わッ? はわわ……エルチ、もしかして!?」
その感覚にティニは目を剥いた。
もはやエルチが何を企んでいるのかは火を見るよりも明らかだ。それこそは今現在、自分がアルノへと為なしていることに他ならない。
それを理解するからこそ、
「ま、待ってエルチ! 僕には無理だよぉ!」
ティニもまた必死の様子で懇願をする。
同時に身を捩じらせてはこの状況から逃れようとするも──
『あんッ……えへへ、逃がさないよティニ……♡』
依然として挿入していたアルノのアナルが一際激しく締めつけてきては、ペニス越しにティの動きを緊縛する。
それに驚いて視線を向けてくるティニをアルノもまた正面から抱き留めてしまうと、二人は互いの胸を合わせたまま一体となりティニはエルチの前へ無防備な尻を突き出す姿勢となった。
『はぁはぁ♡ いくよぉ、ティニ……ティニのばーじん貰っちゃうね……♡』
「い、いやぁ! こわいッ、やめてぇ!」
ペニスの根元に手を添えては先端を揺り動かし、漏れた腺液を潤滑液代わりにティニのアナルへ擦り付けるなどしていたエルチもいよいよ以てその標的を定めると、強くその先端を押し付けた。
途端、肛門に生じたその圧迫感とそして間口から染み込んでくるペニスからの腺液がじわりと腸壁に滲んでくる感覚にティニもまた、
──あぁ……僕もチンチン入れられちゃう……おしり、貫かれちゃう………
無自覚ながら覚悟を、そしてささやかな期待を胸に抱く。
そしてその刹那、突如として直腸に焼けるような物体が生じる圧迫感を感じると同時──エルチのペニスは遂にティのアナルを貫通してしまうのだった。
「ぎゃうぅぅッ……痛い! いたいよぉ!」
今までに感じたことも無いような肛門への拡張感──そして挿入後もそこから生じるひりつくような感触に思わず声を上げて身を仰け反らせるティニにもしかし、背後から乗り上げたエルチの侵入は止まらない。
『だ、大丈夫だよティニ……リラックスして………んあぁ、ティニの中すっごく気持ちいいよぉ……ッッ♡♡』
「お゛ッ……あお゛ぉぉ……ッほんとうに、ダメぇぇ………ッ!」
そうして遂にペニスの全体が収まり、その仕上げとばかり一際強く腰を打ち付けて臀部を弾かせると、ティニもようやくに終わったそれを脱力しては組み敷くアルノの上に全体重を預ける。
『あ……あは♡ すごいよぉ、あんなに可愛かったティニのアナルがぼくのチンチンの形になっちゃってる♡』
一方で達成感に浸るエルチは、目下に広がる惨状に対し熱に呆けた顔を妖艶に微笑ませては連結された自分達の体を見下ろしていた。
毛並から肉を盛り上がらせた肛門の淵は、挿入されたペニスの茎によって真円に広げられてはまるで、それが排泄器官であるのか疑わしいほどの変貌を遂げていた。
そしてそれに伴う苦しみに対し、
「お゛ッ……んお゛………ぎぃいいぃ……ッ」
依然として頭を項垂れては、波のよう押しては引く感覚の奔流に苛まれながら動物の如くに咳き込むような嗚咽を上げ続けるティニではあったが……
──あれ……なんだろう? ヒリヒリして苦しいのに、なんか気持ちいい……?
同時、自身の体に湧き上がるその新たな感覚に強い戸惑いもまた覚えていた。
満足なほぐしも経ずに敢行された挿入は確かにティニの肛門をこじ開けては癒着していた腸壁も貫いていたが、そこに感じる痛みと熱は徐々に肉体に馴染んでは苦痛以外の感覚もまたティニ憶えさせてもいた。
さながら痒みを掻き毟る時に感じるような痛痒感とそして快感……それを自覚した時ティニは自然に、
──もうちょっとだけ……痛くしてほしいかも………
自身でも思いもかけない変化をティニは受け入れ始めていた。
「ね、ねぇ……ちょっとだけ、動いてもいいよ? ゆっくりおしり、こすってほしいな……」
依然として荒い呼吸のまま、背越しに痛みと疲労によって涙の生じた目でおねだりするティニ──に対してその瞬間、最後に一筋残っていたエルチの理性は完全に断ち切られてしまう。
そして今しがた自重を求められたにもかかわらずに、
『ッ~……ティニッ♡』
「きゃんッ!? いたいーッ」
エルチは懇親の力を込めて腰元を打ち付けた。
そしてそこからは元の朗らかなエルチの性格が嘘のよう力強く、そして飢えを慰めるが如くに苛烈なピストンを展開するのだった。
「だ、ダメェ……! それ痛い………ッいたいのぉ!」
豹変するエルチのハードファックに涙ながらの停止を懇願するも、そんなティニの言動はそのいちいちがエルチの興奮を煽る材料でしかならない。
『あ~……ティニのお尻、気持ち良すぎだよ~♡ こんなに気持ちいい穴を今までウンチの為にしか使わなかったなんてもったいなさすぎたね♡♡』
『もう! ティニは初めてなんだから優しくしてあげなきゃダメだよエルチ。ほらほらティニ、ぼくとキスすれば落ち着くよ♡』
「んぎゃう! んがうッ!? んぎゅ~~~~……ッ‼」
後背位から押し込むように犯してくるエルチのペニスに苛まれながら、さらには組み敷いたアルノからのディープキスで呼吸口を塞がれると、酸欠と痛みから来る譫妄感にティニは意識を朦朧とさせる。
しかしながらその中においても……
──あれ……お尻が痺れてきたら、何だか我慢できそうな感じしてきた………
幸か不幸か徐々に肉体は今の状況に馴染み始め、依然ハードに犯され続けるティニであってもしかし、必ずしも苦しみだけを享受する展開ではなくなっていた。
背後からペニスを押し込まれる際に肛門の淵全体で茎を感じる摩擦感と、そして引き抜かれる際に覚える排泄にも似た喪失感の繰り返しは、何とも感覚に緩急をつけてはティニを悦ばせるかのようである。
突き上げるに際しエルチの体重が掛けられると、同時にアルノに挿入していた自身のペニスもまた深く彼の中へ入り込んでは、直腸の更に奥底に在る未知の粘膜に対する感触をティニ憶えさせた。
そうして二人に挟まれる肉体が完全に同調を果たし、受容する脳もまた快感を見出しては心身ともにセックスの為だけの肉体へと塗り替えられるや、
「あうう……気持ち、いいよぉ………お尻もチンチンもきもちいいよぉー♡」
痛み・苦しみ・羞恥──ティニはこれまでに抑制されていた感覚の全てを解放するや、顔を振り上げては新たに目覚めた悦びを声にして叫ぶのだった。
途端、ティニの動きは能動性を増す。
突き穿ってくるエルチの動きに呼応して自身からも腰を突き出すとより深く強くピストンを受け止め、そしてその勢いのままに身を沈めては組み敷いたアルノのアナルもまた貫く。
『うわぁぁん! ティニ、すごいよぉッ♡ 二人分の体重で押し潰されちゃうぅ♡♡』
「ごめんねッ……アルノ、ごめんね! でも、気持ち良くって体が止まんないよぉ♡」
『あはは、遂にティニも目覚めちゃったね♪ それじゃ……もっともーっと気持ち良くしてあげる♡』
この状況においてもまだ手加減をしていたエルチはいよいよ以て、3人での交尾に本腰を入れた。
四つん這いになるティニの体に対して直交にまじわっていた体を起こすと、それまではただ前後に出し入れするばかりであったピストンに角度を持たせる。
そうして再びそこから腰を突き入れるや……
「ひぐぅッ!? んあぁぁぁぁんぅぅッッ♡♡」
これまでとは全く違うその感覚にティニは身を仰け反らせては声を上げる。
自分やアルノの物とは違う亀頭を有したエルチのペニスは、深くティニの直腸に沈み込むと、その先端を以て腸壁越しに前立腺を激しく潰しては刺激をした。
それにより今までは直腸に対してた平行に出入りしていた感覚は、今に至っては強く腸壁を突きえぐってと、まさに暴れるような動きを見せ始めたのだ。
『あ、あああ……ティニのお尻の中、本当に気持ちいい………ッ』
いつしかエルチもまたティニの背中に乗り上がっては胸元を密着させると、ペニスを介して伝わる快感と熱にうなされてはただ無心に腰を打ち付け続けた。
もはや三者三様に呻きを押し殺しては吐息だけを交わらせるセックスは、快感などではない拷問に身を浴しているかのような様相すらある。
その中で遂に──
『あぁ……もう、ダメェ………イッちゃう……ティニのお尻でイッちゃうぅぅ……ッ♡』
エルチが限界を迎えた。
「はぁはぁ……い、イク? どこにイッちゃう、のぉ……?」
その言葉を理解しかねてはティニも唯一残った理性でそれを聞き返すが、もはやラストスパートに向けてピストンに集中するエルチにその声が届くことはなった。
そして同時にその言葉の真意が性的絶頂を示すものであり、ひいては先ほど同様の射精を意味するものであることをティニもまた本能で察すると、
「い、いいよ……出してッ。エルチのせーし、僕のお尻の中にいっぱい出してぇッ♡」
自覚と同時に込み上がる期待と悦びに突き動かされては、ティニも超えの限りにエルチへと応えていた。
それを受け次の瞬間──
『イクッ……イク、ああああああぁッ! ティニ、中に出すよッ♡♡』
一際強く腰を打ち付け、もはや押し潰した腸壁もろともその腹を突き破らん勢いで胎内を突き潰したエルチのペニスから噴射するかの勢いで射精がなされた。
「んぎぃぃッ! 熱いぃぃッ♡♡♡」
『んうぅ、僕の持ってるせーし全部出しちゃうんだからね……妊娠しちゃえ……ッ♡』
押し付けられる亀頭が肉越しにティニの前立腺を押し潰しながらそこへ精液を拭きあげては染み込ませてくる勢いと感触に、さながらティニは体内において間歇泉が吹き上がるかの如き熱を覚える。
そしてさらにはその刺激に後ろ押されるようにして、
「僕もイク……イッちゃう……せーし、出るよぉぉ……ッッ♡♡」
『あん♡ ティニのせーし、僕のお腹にも来たぁ♡♡』
間髪入れずしてティニもまた射精を果たす。
この日において二発目となるそれは、間を置かずして射精されたにもかかわらず初精の際と変わらぬ量と勢いをアルノの直腸内に放出しては瞬く間に胎内の隙間を埋めていく。
下腹において染み入るよう湧き上がる熱と、そしてそれを放出しているティニを確認してはアルノは辛抱堪らなくなってそう唇を奪った。
「んむぅッ!? んッ、んぅッ♡ んぅ~ッ♡ んうぅ~……ッッ♡♡」
『んッ♡ んッ♡ んんぅぅ~~~~~♡♡』
ただでさえ慣れぬ運動と射精を強いられては呼吸もままならないティニを、それでもアルノはその呼吸器を塞いでは存分に挿入した舌先を暴れさせてはティニの口内を蹂躙する。
もはや快感とも苦しみともつかぬ感覚に晒されては瞼を剥き、屠殺される家畜さながらの野太い声を上げるティニの痴態を目の当たりに、
──ティニのえっち顔サイコー……♡ せーしも似合っててメチャクチャ可愛い……♡
元の可憐なギャップも手伝い、今のティニはこれ以上に無く淫靡かつ愛くるしいものとしてアルノのめには映る目に映る。
そんな涙と精液に彩られたティニの悲痛な表情に視覚的刺激に煽られた次の瞬間──
『んぎゅぅッッッ♡♡♡』
アルノもまた強くティニを抱きしめては絶頂し、果てた。
正常位で抱き合うティニとの腹部に挟み込まれていたアルノのペニスが跳ね上がるや、
「ふわッ? おなか熱いッ……♡ アルノも、イッちゃった、のぉ……?」
そこから吹き上がった精液は密着する二人の肉壁に灼熱感を広げる。
胎内からはエルチが、そして表皮からはアルノの精液による熱を以て挟み込まれ、
──こんな憶えちゃったら……もうこのことしか考えられなくなっちゃうよぉ………
ティニは昨日までの自分とは違うポケモンに書き換えられてしまうかのような感覚に陥っていた。
斯様にしてとりとめもなく絶頂後の余韻に思考を空転させていると、やがては時差を置いて追いついた疲労が全身に回ってはティニを心地良い眠りの中へと誘い始めた。
『はぁはぁ……アレ? ティニ、もう眠くなっちゃった?』
『えー、もっと遊ぼうよー。ティニのせーしもいっぱい飲みたかったのにー』
そんなティニを上下に挟んだエルチとアルノもそれぞれにティニの顔へ頬を寄せては、徒にそこへキスなどして労わり、そして励ます。
しかし、
「う、うん……ごめん、ねぇ………なんだか疲れちゃって……」
遊びたい気持ちはティニも山々ではあるのだが、如何せん肉体は別個の生物のように言うことを聞いてくれない。
やがてはその意識も途切れ途切れになり始めるのを確認すると、アルノとエルチも苦笑い気に鼻を鳴らした。
『じゃあ次回はもっとたくさん遊ぼ♪ この次はボクのオモチャもいっぱい持ってきてあげるからさ』
『おやすみティニ……この次はぼくのお尻の中にも入れさせてあげるね♡』
ティニの頬や額を問わず、挟み込む二人はそれぞれに愛情を込めたキスや愛撫を以て一連の遊びの終わりを告げる。
それにすら満足に応えられないまま──疲労困憊であったティニ意識もやがては暗転した。
そうして完全にそれが途絶えてしまうその瞬間……
──ごめんね……アルノ、エルチ……また会おうね………大好きだよ……
ティニもまた精一杯に二人のことを想っては、しばしの別れを惜しむのだった。
寝起きに際し、あまりにも体に疲労が残っていたことから……
「うぅ~……昨日、何かあったかなあ?」
しばしベッドに ぎょうが したまま、ティニは先日来の行動を振り返っていた。
昨晩もいつも通りに店の手伝いを済ませ、風呂と食事を経た後、午後10時前には恙無く就寝した。
別段仕事が多忙であった訳でもなければ激しい運動をしたつもりもなく、省みる昨日のルーチンに目立った乱れはなかったように思えた。
しかしながら今ティニをベッドに沈み込ませている重力たるや……
「バザールの翌日だってこんなにはならなかったのにぃ……」
もはや原因不明のそれを測りかねてはティニもため息を重ねるしかない。
しかしながら反面、その疲労はけっして不快を覚えさせるようなものではなかった。
脱力しきった状態(コンディション)はどこか入浴直後のリラックスにも似ては、それに浸るティニをどこまでも安らかな心地にもさせている。
そして同時に、
「なんか……夢も見てたような気がするなあ」
不意にそんなことを思い出しては、ティニも閉じた瞼の裏にその内容を思い起こそうとする。
とはいえしかし夢の常として、結局は明確にそれを再生することは叶わなかった。
それでもしかし、断片的に印象付いているシーンもいくつかあった。
それは自分と同年代の、しかも同じ種類のポケモン達と遊んだというものである。
そのおぼろげな景色の中で、ティニ達3人はそれは楽しい一時を過ごしたのだ。
いつ果てるともなく遊んで、そして別れに際しては再会を約束したことを思い出す。
その瞬間、
「アルノ……エルチ………」
名前と思しき単語が浮かび上がっては、それを呟くティニの意識を明瞭とさせる。
「そうだ、アルノとエルチ……また会おうって約束したんだ」
イタズラっぽい笑顔と、そして朗らかに微笑む少年達の姿が脳裏には甦った。
結局は何をして遊んでいたのかまでは思い出すこと叶わなかったが、しかしティニにはそれで十分だった。
仰向けに寝転がったままティニは両手を掲げ、ひろげた指々を絡ませたり組ませたりしてはしばし心穏やかな時を過ごした。
そうして最後にはその両掌を組み合わせると、
「──またいつか、いっしょに遊ぼうね」
ティニはそう呟いては小さく微笑む。
その瞬間、夢の彼方に佇む二人の友人がこちらへ振り返る姿を夢想する。
ティニの語りかけに反応しては大きく頷いてくれるそんアルノとエルチの姿を──ティニを心のどこかで確かに見たように感じた。
【 ゆめのともだち・完 】
後日──この一件が原因であるか定かではないが、ティニは『とある肉体の変化』とも言うべき生理現象に悩まされることとなる。
そしてその解決に別なる友人の助けを借りては、更なるトラブルの解決に翻弄されることとなるわけではあるが……──
それはまた、別のエピソードに。
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