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作者:遅れてきた仮面の分厚い人
ソラ・ユデアガールは、イッシュ地方のトレーナーであった。ライバルであるインゲン・オブ・ジョイソイとは何度も衝突しながらイッシュ地方を駆け抜け、その実力から公認ジム付きのジムトレーナー*1の内定も決まった、将来を約束されたトレーナーであった。
ポケモンを貰う前から大層腕っぷしの強かった彼は、ポケモンと拳で語り合っては絆を深め、そのたぐいまれな戦闘センスと、ポケモンに好かれる豪胆な性格、そしてポケモンを引っ張るにふさわしい身体能力で、瞬く間にジムを制覇していった。
だが、彼には誰にも言えない秘密があった。彼が好かれる理由の一つは、ただポケモン拳で語り合い、自ら率先して強くなるその姿勢のみならず、ポケモンとの秘め事を行い、『性欲』を満たすことによってポケモンを手懐けていたのだ。
と、言ってもそれはポケモンを手懐けようと思っての行動ではなく、ポケモンと人間、互いの合意の上で愛し合った結果である。夜な夜なテントの中、裸になってポケモンと愛を語り合う行為がそのポケモンを強くそして仲良くするきっかけとなったのだ。しかし、同時にそれは彼の破滅へとつながった。
ある日、いつものようにテントの中でジャローダと絡み合っていると、何やら外が騒がしくなる。情事に水を差されたような気がして、鬱陶しいと思いながらも無視していると、突然テントを突き破ってくるポケモンに遭遇した。
裸のまま、慌てて構えると、どうにもそれはエルフーンの葉っぱカッターによるものらしい。先ほど騒がしかったのは、捕まえたばかりのエルフーンが言うことを聞かず、振り回されていた女性トレーナーが大声で叫んでいたようで。
ソラはそのトレーナーにがっつり裸を見られてしまった。まぁ、それは問題ない。テントの中で裸になっていようと犯罪性はないし、覗いてきたのはむしろ相手トレーナーの方である。テントの弁償も含めて、ソラのほうがお金をもらって謝ってもらう案件だ。
だが、現実はそうはならなかった。このイッシュ地方では、ポケモンとの性交は違法だった。それでも、誰に迷惑をかけているわけでもないし、その場面をもしも誰かが目撃したとしても、ポケモンだって楽しんでいる風なのは見てわかる。
だから見て見ぬふりをしてくれれば問題はなかったのだが……このトレーナーはとある宗教を強烈に信仰しており、その宗教はポケモンと人間の性交を禁じていた。
「貴方……ポケモンと何をやっているのよ、汚らわしい!」
女は謝るよりも先にそう言ってソラを非難し、あまつさえ警察に通報した。時は、邪悪な指導者からたもとを別った新生プラズマ団のおかげで、ポケモンに対する虐待が問題視されていた時期だったのが悪かった。
この当時、ポケモンとの性交は当事者の状況を一切考慮せずに虐待とされてしまうように法律が整備されており、たとえどれだけポケモンが懐いていたとしても、彼のしたことは犯罪なのだ。
その裁判の最中、彼のライバルであったインゲンは「ソラが虐待なんてするわけはない」、と何度も彼のことを弁護した。裁判官に対して、「よく見なさい! あれが虐待されてポケモンの態度かどうか! あんたの目と耳は何のためにある!? サイキッカーじゃなくてもわかるでしょ!?」と、大声を張り上げもした。しかし、判決は覆ることなく、ソラは裁判で散々争った結果も空しく有罪となった。
その結果、ソラは刑務所に入れられる事こそなかったものの、罰金を課せられ、手持ちのポケモンとは全て決別させられることとなったのである。当然、ジムリーダーの夢は断たれた。下手に強豪選手であり将来有望だった事が仇となって、その悪名は消すことの出来ないネットタトゥーとなり、家族からも追放同然に縁切りを宣言されてしまった。
そうしてすべてを失い、途方に暮れたソラに救いの手を差し伸べたのはインゲンであった。
「なんだよインゲン……俺を笑いにでも来たか?」
裁判の最中も、裁判を終えてからも食事もまともに喉を通らず、トレーニングにも身が入らなかったためにすっかりやつれ、おまけにやさぐれたソラは、インゲンに対してとげとげしい態度を取った。
「そんなわけないでしょ。あんたのポケモンが寂しがって仕方ないのよ。何とかしなさい」
しかし、インゲンはいつも通りの態度。それがさらにソラの怒りを加速させる。
「出来るわけないだろ!? 俺はポケモンを所持することを禁止されたんだぞ!」
怒りのままに怒鳴りつけるソラだが、インゲンは顔色一つ変えない。
「それはこの地方での話でしょ? パスポート持ってなくてもアローラなら行けるし、アローラならばポケモンとの性交は合法……ま、『今は違法になってないだけ』かもしれないけれど。そこなら貴方のポケモンを返してあげられる。だから、この地方からとっとと出ていきなさい」
「……そっか、その手が!」
インゲンの提案にソラは目の色を変えた。
「今、あんたの分も毎日トレーニングしていたんだからね? 負担がすごいんだから、さっさとあんたにつき返したいのよ。なんなら、今からパスポートを取って、別の地方に行くでもいい。どんな手段でもいいから、ここじゃない別の地法に行って、あんたのポケモンはさっさと引き取りなさい」
「……それは構わないけれど。例え法律上許されていても、そんなことをしたらお前も、この地方に居られないんじゃないのか? 少なくとも、ジムリーダーどころかジムトレーナーすら……」
「そのことなら問題ないわ。私、ポケモン協会のお偉いさんにツバ吐きかけてきたから。公認ジムのトレーナ契約書も破り捨てて来ちゃった。もう私、この地方にいるつもりはないから」
「マジ……かよ、何やってるんだお前!?」
「だってぇ、言いたくはないけれど……私だってあんたと同じだし。ポケモンとよろしくやってたのよ……それをSNSでぶっちゃけたものだから、もう大炎上してるのよ。私を批判してるやつらも暇だよね、誰かに迷惑かけたわけでもないのに」
「えぇ、マジかよ……お前も?」
インゲンもまたポケモンと性交をしている。そんなカミングアウトをされ、ソラは眉間にしわを寄せた。
「だから、それをポケモンの反応を見もせずに虐待だなんだとわめきたてる奴がいる地方なんぞ、私はお断り。いい機会よ! クソ喰らえだわ」
実際のところ、彼の行動を問題視しているのは、ポケモンと一緒に暮らしてきた者よりも、むしろポケモンを所持していない者たちばかりであった。だからなのだろう、ジムリーダーと四天王とチャンピオン。計13人中9人はソラのことを擁護していた。
『それもまた愛のカタチ。いいじゃないか』。『ポケモンを知らない人間がポケモンの代弁者を気取るとは滑稽だね』。『是非、書いている本の参考にしたい!』とか、そんな感じで。ポケモンが嫌がっていないならいいじゃないか、と。
ただ、そんな擁護の声よりも、心無い声を優先して処分を下す者が上の立場にいるということに変わりはなく、ソラはこの地方を見限る以外の選択肢は頭になかった。
この一件から、二人はアローラへ渡り、そこで島めぐりを行った。まだアローラが独立した一つの国であった頃の文化が残っているこの地方では、彼の起こした事件は大きな問題にされず、それもまた一つのトレーナーのあり方だと認められた。そして、長い旅の末にZリングとZクリスタルを貰い、再びトレーナーとして大成した。
しかしながら、二人は一部の人間からは認められても、良く思わない人間が多数いた。アローラでトレーナーズスクールの講師を始めても、昔の裁判の話を持ち出すヒステリックな保護者などから反対にあい挫折。バトルロイヤルのファイターにもなったが、スポンサーがつかずに生活は厳しく。
少年少女から、長い旅を経て大人になった二人が流れ着いたのは、世界を渡り歩き、大小さまざまな大会で入賞してはその賞金で食いつなぐ、刹那の日々であった。
その過程で、時にホウエンでメガストーンを授かり、つい最近はパルデアでテラスタルオーブを授かり、様々な地方大会で入手や優勝を繰り返していった。しかしながら優秀なトレーナーと言えど、スポンサー無しで、地方大会の賞金だけで食べていけるかどうかといえば、生活は厳しかった。大きな大会では、さすがにその地方のチャンピオンをはじめとする強豪トレーナーに賞金をかっさらわれてしまう。
何年経っても生活は厳しく、時にはポケモンとともに日雇いバイト、ポケモンの育成代行で食つなぐ日もあった。ソラとインゲン、二人は互角の実力を持つライバルということもあり、同じ大会に出場しては潰し合ってしまい、どちらかが賞金にありつけないなんて事体も何度か発生した。
イッシュにいたときから喧嘩ばかりして、言い争った挙句に最後はポケモンバトルで勝負をつける。そんなことを繰り返していた喧嘩友達ともいえる二人の仲は、旅を続けるごとに悪くなり(ある意味仲良しだが)、顔を合わせてからバトルまでのスピードはどんどん早くなるばかり。それでも二人はライバルで、どちらかがケガや病気をした時など、困ったときは助け合うのだから、人の関係というのはよくわからないものであった。
そんな彼らに救いの手が差し伸べられたのは、イッシュを出てから7年後の事であった。
そこで二人に『AVに出演してもらえば、スポンサー企業として君たちを支援する』……と、かなりとんでもない話を持ち掛けてきたのであった。
まさに、捨てる神あれば拾う神あり。ソラは『ポケモンのために』と、あまり悩むことなく契約書にサインをした。インゲンも三日ほど悩んで、そろそろポケモンたちに楽をさせてやりたいからと、契約書にサインをした。まだポケモンとの性交が違法となっていないし、そうなる世間的な動きも見えない日本だからこそできるAVの撮影は、とてもうまくいった。
バトルでポケモンと心を一つに出来る二人は、性交においてもポケモンと身も心も一つにして取り組んだ。ポケモンも人間もリラックスして行われるその情事は、他の男優や女優では味わえない臨場感があると評判で、マニアックな界隈では非常に高い評価を得ていった。
ファンがソラとインゲンを好きになるのは二人と、ポケモンの顔だ。元々の顔が整っているから、という意味ではなく、『表情』がとても楽しそうで、だからこそ安心して見ていられるとか。その人気は日本にとどまらず、海外でも特別なサイトを用いて売買されるほど。
こうして、二人は若いころ思い描いていた形とは大きく違う形ではあったが、人生に成功を収めたのであった。
二人は今も世界中の大会を渡り歩いては賞金を稼いでいるし、顔を合わせると喧嘩ばかりだが、今はもうお金に困ることはなくなっていた。AVの出演料、スポンサー料、そして大会の賞金。ポケモンの食事やトレーニング、体調管理も金の力で改善したことで、大会で残せる成績も少し良くなった。
そんな折、二人に新しい企画が舞い込んできた。
ポケモンとともに汗を流し、ポケモンセンターの宿舎で休憩中のソラに、スポンサー企業のプロデューサーからの電話が鳴り響く。
「いやぁ、ソラさん。先日撮影した『タチなネコとニャンニャンしたい!2』売れてますよ! マスカーニャとの熱い交わりが、男が女の子に犯されているみたいで興奮するとか、いつもと一味違うキャスティングが受けたみたいで!」
「あぁ、俺の方でも見たよ。レビューも好感触でいい感じだ。だが、『次はゼラオラがいい』って感想にはまいったな……用意出来るか? あんなの、エオス地方のやつくらいしか見たことねえぞ?」
「無理です! ゼラオラは幻のポケモンですよ! うちみたいなAVメーカーじゃとてもとても……」
「だよなぁ。じゃあ次は、レパルダスあたりがいいかな?」
「おぉ、いいですね! やる気なら、ポケモン育成のほうも依頼しておきますよ?」
「いや、いい。レパルダスならイッシュで捕まえた子がいる。その子に撮影に出てもらおう。俺の手持ちだし、気心知れてる相手のほうが、視聴者にもいいだろう?」
「おー、いいですねぇ! ですが、その前にちょっと新しい企画がございまして……」
「ほう、どんな企画だ?」
プロデューサーの持ち込んだ話に興味を示し、ソラは声色を変える。
「SNSにですね、シコったことのあるポケモンだけで戦うPBS(ポケモンバトルシミュレーター)という謎の企画があったんですよ」
「そりゃ、なんとも言えない企画だな……」
「えぇ、サーナイトとか人間に近い体型のポケモンや、ルカリオのように人と親しみやすいポケモンが人気の中、勝つためにわざわざメタグロスをおかずにシコったなどという人もいて」
「そりゃ本末転倒じゃねえか?」
メタグロスというのはなかなかに特殊な性癖だが、無理してそれを行ったというエピソードにソラは苦笑する。
「中には冗談なのか本気なのか、クレッフィやロトムで抜いたという人も……ともかく、その人の性癖が垣間見える、とても面白い企画だったみたいです」
「ふーむ……つまり俺達にもそれをやれってことか?」
「さすが、察しがいいですね。シミュレーターと違って、伝説のポケモンなど気軽を用意するということは難しいですが、ポケモンを用意し、そして性交する様子を撮影する。そこまで含めてトレーナーの実力ということで……題して『セックスしたポケモンのみ繰り出せるダブルバトル!』……まぁ、そのまんまですね。こういうのは分かりやすいほうがいいんです」
「なるほど、面白そうだ」
「でしたら、対戦相手の方からも了承をいただけましたら、後で契約書を送ります。詳しい打ち合わせもその時に!」
「おう、楽しみにしてるぞ!」
こうして、軽い気持ちで受けたこの企画。それがプロデューサーの予想しない展開に進むことになるのである。
インゲンがポケモンとともに瞑想とヨガをしている時に、その電話は来た。インゲンはサイコパワーでそれを引き寄せると、ヨガの手を休めることなくその電話を取る。
「どうしました、プロデューサー」
「いやぁ、先日の『エロリ博士のエッチな研究。大人のポケモンスリープはいかが?』がすっごい売れてて、その報告です」
「あらぁ、さすが私ね。まだエゴサしていないけれど、どんな感じかしら?」
「『最高に抜ける』とか、『エッチ過ぎて一日で一気に見られなかった。精子が足りない』とか、みんな楽しんでくれたようです」
「ふふ、当然ね。私が出て、有能なプロデュースがあって、スタッフもみんなやる気に満ち溢れているから。また、いい仕事をしましょうね」
「えぇ、もちろんですとも! それで、インゲンさんに新しい企画のお話があるのですが……」
「ほう、どんな企画かしら? 私が輝ける企画なんでしょうね?」
新しいお仕事の話と聞いて、インゲンは目つきを変える。
「SNSにですね、シコったことのあるポケモンだけで戦うPBSという謎の企画があったんですよ」
「あぁ、知ってるわ。世の中には面白いことを考える人がいるものよね。女性の私は参加できないのかしらってちょっと気になっちゃったのよ。女はシコれないもの」
「あはは、そこはまぁ、ディルド的なものを使えば参加していいんじゃないですかね? しかし、すでに知っておられるのでしたら、話しが早い。その新しい企画といいますのも、そのSNSで行われたバトルをリアルで再現しようと思いまして。題して『セックスしたポケモンのみ繰り出せるダブルバトル!』……まぁ、そのまんまですね。こういうのは分かりやすいほうがいいんです」
「ドストレートでわかりやすくていいじゃない」
インゲンはプロデューサーが持ち込んだ企画に笑みをこぼした。
「対戦相手からはすでに了承を得ているので、もしインゲンさんがよければ、早速web契約書を送らせていただきますが」
「うん、面白いじゃない。要するに、ポケモンとのセックスを撮影して、そのポケモンで戦えばいいんでしょう? 早速契約書を送って頂戴」
「かしこまりました。この電話が終わったら早速メッセージを送ります」
「はーい」
そうして電話を切った後、数分後には契約書へのリンクが添付されたメッセージが送られてくる。インゲンはヨガを一通り終えた後にそのメッセージに既読をつける。
ダブルバトルのルールは、全てのポケモンを50レベルに合わせてのフラットバトル。6匹の手持ちを持ち寄り、事前に対戦相手に手持ちを見せあった後に、そこから4匹を選出する、いわゆる見せ合いバトル。アイテムとポケモンの種族の重複は不可。繰り出すポケモンに制限はないが、セックスしていることが条件である。
メッセージには契約書へのリンクの他に、今回会社側で用意しているポケモンもリストアップされていた。なんでも、今回撮影に出演していただけるポケモンたちは、元々バトルファクトリーやポケモンスクールといった施設で、バトルを体験させるために飼育されていたポケモンたちがメインらしい。
しかし、年齢的に一日に何度もバトルをするのがきつくなったもので、バトル用のポケモンとしては引退し、他の企業に引き取られていったり、里親に引き取られていったポケモン達だ。もちろん、一日に何度もバトルというのは無理でも、2.3回のバトル程度ならまだまだ十分に可能らしい。
インゲンにはインテレオンやジャラランガ、ルカリオといったスタイリッシュで格好いいポケモンとの絡みの需要が多く、今回もスタッフが選んだリストにはウェーニバルやジュナイパーといった格好いいポケモンがラインナップされている。
他にも、ブリムオンやフラージェスとのレズプレイだったり、メタモンやモジャンボといった変わり種も用意されている。この中から好きなポケモンを選んでダブルバトルに挑め、ということらしい。
そのカタログを見ながら、ふと対戦相手が明らかになっていないことに気づき、インゲンはメッセージを送る。
『ところで、私の対戦相手って誰かしら?』
『貴女と同じ、AV俳優としてもトレーナーとしても優秀なソラ・ユデアガールさんですよ。お二人とも、ポケモン専門のAV俳優ですから、男優や女優としての絡みがないので、この企画で絡ませたら面白いかなって!』
『なるほど、把握しました』
メッセージを送り終えてインゲンは呟く。
「へぇ、あいつか……じゃあ負けるわけにはいかないわね」
プロデューサーから告げられた名前を聞いてインゲンは空気を変えた。
『ところで質問なんですが、プロデューサー。自分のポケモンを撮影に出してもいいかしら? ほら、私、珍しいポケモンも持っていますし、盛り上がるかも!』
『確かに! インゲンさん、伝説のポケモン持ってますもんね! いいですねぇ! ちょっと検討してみます』
インゲンの提案にプロデューサーは乗り気だ。メッセージを送り終えたインゲンは真顔になると、そっと独り言をつぶやいた。
「……さて、どうするか」
『対戦相手からの了承が取れました。web契約書を送りますので、ご確認をお願いします。』
『また、今回の企画で出演していただけそうなポケモンのリストを送ります。好きなポケモンを選んでください』
二つのメッセージが届く。出演していただけそうなポケモンには、雌雄問わず色んなポケモンがずらりと並んでいる。この世界には色んな性癖の人がいる。雄のサーナイトが男に犯されるのが好きな人もいれば、逆に雄のサーナイトが人間の男を犯すのが好きな人もいる。
ソラはポケモン限定だが男も女も、受けも攻めもこなせるため、色んな需要に応えることが可能だ。それゆえ、逞しいポケモン、いかついポケモン、イケメンなポケモン、可愛いポケモン、美しいポケモン、艶めかしいポケモン、より取り見取りだ。
この中からファンの好みそうなポケモンや、シチュエーションに思いを張り巡らせつつ、ソラは重要なことに気づく。
『すみません、そういえば対戦相手は誰になりますか? ほら、初心者相手だとあんまり本気出しちゃ可哀そうだし』
『あぁ、その点はご心配なく。トレーナーとしてもAV俳優としても貴方のライバルである、インゲンさんですよ。全力を出しちゃって大丈夫です』
『なるほど! じゃあ本気出してもよさそうですね!』
『そうじゃないと盛り上がりませんからね。あと、3匹までなら自分の手持ちを撮影に誘っても大丈夫です! インゲンさんは、自分の手持ちの珍しいポケモンを使うと張り切ってましたよ。確か彼女、クレセリア持ってましたし、期待しちゃうなぁ』
『なるほどな。じゃあ俺も、自由なポケモンを抱かせてもらうぜ』
『是非そうしてください。楽しみにしています』
メッセージのやり取りを終え、ソラはため息をつく。
「あの女……負けねえぞ」
「どうも、撮影担当のレンズです! これからよろしくお願いします!」
「やー、ソラ君。今回もいい作品作っちゃうよ!」
「あなたなら安心してポケモンを預けられます。可愛がってあげてくださいね」
カメラマンのレンズ、監督のエダ、そしてポケモンブリーダーのエンドウに囲まれるようにして、ソラは撮影現場に到着する。
今日は企画のポケモンの一匹目、ガオガエンの撮影だ。
「しかし、ガオガエンの雄かぁ。ソラ君ってば『タチなネコ』の一作目で抱かれたポケモンを、今度は抱き返すつもりだなんて、面白いこと考えるじゃない」
エダ監督は上機嫌でソラを褒める。ソラを出したAVはハズレがないため、監督はソラに甘々だ。事あるごとに褒めてくる。
「視聴者からの要望も多かったからな。やはり、タチなネコもいいが、ネコなネコというのも需要がある! ただ、今回の子はあの時の子とは別個体だから、抱き返すというのはちょっと違う感じもするな……」
そんな監督に悪い気はしなかったが、少々大袈裟すぎるなと一歩引いてしまうソラであった。
「細かいことはいいじゃない? どう、エンドウちゃん。ガオガエンの様子は?」
「もちろん、完璧。エンニュートのフェロモンを100倍に薄めた香水を嗅がせて上げれば気分も高まるわ。撮影の時、本番につなげるために利用して頂戴。ソラさん、可愛がってあげてくださいね」
このエンドウという女性は、性的な用途のポケモンを育てることに関してはスペシャリスト。公言こそされていないが、ネットの世界ではポケモンと性交をしたい人間が一番最初に目にする名前と言っても過言ではない。
今までバトル一辺倒で生きてきたポケモンであろうと簡単に骨抜きにしてしまい、しかしバトルの腕も衰えることなく維持する彼女の手腕は、一番最初に目にする名前であると同時に、よほどのコネが無ければ彼女に依頼をすることなど出来ない高嶺の花である。部下も優秀で、彼女の下には20人の部下と100のポケモンが存在するという化け物ブリーダーだ。
そんな彼女は、撮影の際にもしもポケモンが暴れたときなどに制御する役割も負っている。ソラは一度もそんな事態を起こしたことはなかったが、女優や男優が未熟な時や、カメラマンや音声、監督などが刺激してしまって、ポケモンがそういうことになってしまう事故は年に数回あると聞く。
ソラにならば『安心してポケモンを預けられます』とはそういうことだった。彼とインゲンは、トレーナーとして培った知識と経験のおかげで、ポケモンの扱いが飛びぬけて上手いのである。
「それでは、早速カメラを回しましょ! レンズ、照明に音声もスタンバイはOK?」
監督に尋ねられて、皆が親指を立ててハイと答える。ソラは深呼吸をして気持ちを撮影モードに切り替えた。
「はい、皆さんこんばんは。今回も、俺の作品を購入していただいてありがとうな! 感想はきちんと見てる、励みになってるぜ!」
ベッドに座りながらソラは挨拶する。
「さて、今回の企画はセックスしたポケモンだけを使えるダブルバトルってことなので……いつもはやらないが、ポケモントレーナーとしての視点からポケモンを語っていくぜ。
まず最初のポケモンはガオガエンだ。このポケモンは、アローラ地方という場所では最初に貰えるポケモンとして親しまれている。目立ちたがり屋で好戦的。自分勝手な戦い方で、場が盛り上がれば盛り上がるほど闘志を燃やすが、ギャラリーがしらけているとやる気を失ってしまう気分屋な一面もある。
だが子供好きという意外な一面も持っているポケモンだけあって、子供のトレーナーだと大人よりも制御しやすいところもあるんだ。大人だとその自由奔放な性格に振り回されることも多いだろうけれど、それさえ乗り越えれば頼れる相棒として役立ってくれるだろうな。そんな性質があるから、始めてポケモンに触れる子供に譲るならピッタリなポケモンだ。
そんなガオガエンの対戦での性能だが、猛火の特性で追い詰められてから本領を発揮するというのもロマンがあるが、もう一つの特性……そう、威嚇だ。まけんきとか勝ち気。あと、天邪鬼なんかの特性には注意しなきゃいけないものの、ダブルバトルなな相手二匹の攻撃力を下げることもできる、中々優秀な特性だ。
剣の舞を舞って直接殴っても強いし、その逞しい体で敵の攻撃を受けてからのリベンジも熱い。いかにもなパワータイプな見た目にたがわない、パワフルな戦い方が得意な一方で、実は悪タイプらしくサポーターとしても優秀なんだ。
だからまぁ、パーティーの構成を見ただけじゃ、ガオガエンが何をしてくるか、どんなことが得意そうかを見るのは至難の業だ。俺だって多少は分かるようになってきたが、今でもパッと見でサポーターか、特殊アタッカーか、物理アタッカーか……見分けられる確率は70%超えないくらいだな。まぁ、ガオガエンに限った話じゃないが、一種のポケモンであっても育て方は大きく分けて数通りあることが当たり前だし、細かく分けたら無限大だ。
同じポケモンを、さらに同じレベルに合わせても勝てないってときは、色んな技を覚えさせてみたり、一度トレーニング方法を変えて素早さ重視にするとか、攻撃重視にするとか、見直してみるといいかもな。これに関してはすべてのポケモンに対して同じことが言えるから、トレーナーを目指すなら是非心に刻んでほしい……さて、そんなガオガエンだが、好戦的な性格ということもあって、逆に戦って上下関係をわからせてやると、素直に従ってくれることも多い。
とはいえ、ガオガエンと殴りあったりなんかしたら、普通の人間はボコボコに叩きのめされるだろうから、そこは注意だな! 鍛えていない良い子は決してガオガエンに殴り掛かっちゃだめだぜ! でも良い子はこんなAV見ないか! さて、こんなところで、実際にご対面してみようじゃないか」
ソラは彼女から手渡されたゴージャスボールからガオガエンを出すと、人間の中ではかなり体格のいいソラですら見下ろすほどのガオガエンが出てくる。小さなころからバトル施設で飼われていただけあって、百戦錬磨の風格を醸し出しているガオガエンだが、どんなトレーナーの指示にも従うことが求められる施設のポケモンだけあって、どこか優しく人当たりの良さそうな雰囲気もある。
「よう! 今日は俺がお前のパートナーになるぜ。よろしくな!」
そう言ってソラが手を出せば、ガオガエンはハイタッチをするようにこちらの手をはたく。やはり、随分人慣れしているようだ。
「まぁ、パートナーって言っても、今日は戦いじゃないんだ。今日は撮影でなぁ……バトル施設で働いていたんなら、人に見られることは慣れてるんだろ? 人に見られながらのセックスはやったことあるか?」
言いながらソラはガオガエンの逞しい胸板を触る。落ち着き払っているのか、まだ鼓動は正常だ。
「お前がよければ今すぐおっぱじめたいところが。どうする? 戦うのが好きなら戦ってやってもいいが、ベッドの上での戦いが好きならそっちでもいい」
そう問うと、ガオガエンは一歩下がると、不敵な笑みを浮かべ、手をこまねいて挑発するようなしぐさを見せる。
「おう、やる気のようだな。だが今は生憎は今ポケモンを持ってねぇ。俺が直接行かせてもらうぜ」
ソラがAVデビューをした時、人気を博した理由はこれである。好戦的なポケモンと性行為をする前は、そのポケモンと戦い、拳で語り合う。そしてその強さは下手なポケモンよりもよっぽど強力。殴り合い、心を通じあったポケモンと交わる姿にカリスマを感じた視聴者が、一目ぼれするような形でファンになった者も多い。
「あら、危ないからみんな下がりましょ!」
監督が警告する。ソラがベッドから、広い撮影部屋の中心に移動している間に、カメラマンも音声も照明も技が当たらない場所へと非難を始めた。
世の中、オノノクスとレスリングをするような人間や、カイリキーを相手にスパーリングを行うような人間もいる。ソラもそういう人間の一人であるが、一般人がポケモンとの戦闘に巻き込まれればタダでは済まない。
ガオガエンの大ぶりな攻撃をいなしたソラは、前へ踏み込むと同時に鳩尾へボディーブローを叩き込む。鋼のように鍛えたガオガエンの筋肉も、その筋肉の鎧が薄いところを突かれればダメージは隠しきれない。
腕を振り回して相手を引きはがそうとするガオガエンから一旦離れたソラを追いかけるようにして、再度ガオガエンは拳を振り上げる。ガオガエンも、人間相手だからと舐め切っていたことを改め、今度は隙をなるべく少なくした小ぶりのパンチ。
ソラは負けじと突っ込み、筋肉が厚く、骨も丈夫な肩でそれを受け止めると、相手の足を掬い上げて地面に転がしてしまう。
「痛ってぇ! でもこれならどうよ?」
怪力から繰り出されるパンチを受けた痛みが肩に走るが、こっちは相手の関節を取ることが出来た。関節技を使うポケモンは少なく、今のところ国際試合で繰り出せるのはオトスパスくらいなものであり、ほとんどのポケモンは関節技に慣れていない。転がしたガオガエンの足を抱きかかえ、軽くひねってやればあら不思議。
関節技を使ったことも使われたこともないガオガエンは即座に痛みを訴え叫び声をあげた。腰のベルトから炎を吐きさすこともできないし、全身を炎で包んで攻撃しようにも、ソラの腕前ならばその前に関節や靱帯を破壊出来ると、ガオガエンも本能で悟った。
荒い息をつきながら、関節を壊される恐怖に怯えて動けないでいる。
「ふう、ベッドの上の格闘技の前に、いい運動も出来たかな? 俺の勝ちってことで、今日は楽しませてもらうぜ……」
結局、挑発を仕掛けたガオガエンがあっさり負けてしまうという恥ずかしい結果に終わり、ソラはガオガエンの関節を解くと、彼の手を握って立ち上がらせてベッドに招く。
「えー、視聴者の皆さん。俺が先攻撃受けたところ、すでに結構腫れてて青あざも出来ている。重ねて言うが、ポケモンと仲良くなるために、拳で語り合う方法は下手に真似するんじゃないぞ?」
カメラマンのレンズはソラが見せつけた肩の腫れをズームで映しながら苦笑する。あんなこと誰が真似するものかと。
ソラはベッドまでガオガエンの手を引くと、またガオガエンを押し倒す。さっき運動したのもあって心臓の鼓動は高く、強く脈打っている。だが、ベッドに寝転がってしばらくしてもその高鳴る鼓動が鳴りやまないところを見ると、その鼓動は運動のせいだけではないのだろう。投げ捨てるようにして衣服を脱ぎ捨て、炎タイプの高い体温を感じさせるガオガエンの胸板にのしかかり、マウントポジションを取った。
エンドウが仕込んだポケモンだけあって、セックスのスイッチが入るのも早い。こういうことにはもう慣れてしまっているのだろう、人間が何をしてほしいかなんとなくわかっているようだ。
ソラはエンドウからもらったエンニュートのフェロモンを薄めた香水を胸に吹きかけ、その匂いで気分を盛り上げてやれば、後はもう流れで何とかなるだろう。
喉を撫でてやると、進化する前から変わらない、ゴロゴロという音を立てて気持ちよさそうな顔をする。いつもは強面なガオガエンだが、こうしてベッドの上で撫でてやればエネコやニャースと変わらない。
こうしてリラックスさせているうちに、エンニュートのフェロモンも徐々に体に馴染んでいって、先ほどまで自己主張はほとんどしていなかった彼のイチモツは少しずつ膨らんでいく。そうして湧き上がるムラムラとした気分を、ガオガエン自身自覚し始めたのだろう。
エンドウの教育の賜物で、相手押さえつけたり、力強く抱き着いて人を傷つけかねないような行為は自重しているが、尻尾が、足の指が、拳が、疼いている事を存分にアピールしている。
ソラはガオガエンの胸の上から移動すると、撫でる場所を顎から下へ、くすぐるようにして徐々に下半身のほうへとやる。物欲しげなイチモツが、ようやく触ってもらえるのだろうかと、ピクンと跳ねる。
「ダメだぜ、今回はお前はネコちゃんになるんだ。きちんとニャンニャン鳴いてもらわないと」
ソラはガオガエンのイチモツには触れてやらない。不服そうに疼いているそれを放っておいて、ソラは蓋が外されたままのローションを手に取り、ガオガエンの肛門に手をかけた。エンドウの話によれば、この個体は後ろの穴も開発済みという。エンドウは女性なので、当然道具を使ったり、別の雄ポケモンに犯させたりと、そうやって開発させているそうだ。
ローションで滑る指で体内に侵入され、その冷たさにガオガエンはビクンと体を震わせた。しかしながら、ガオガエンの体温が徐々に指に移っていき、温度の違いはすぐになくなっていく。そうこうしているうちに、体内をまさぐる指は二本、三本と増えていく。指は根元まで入り込み、体の奥の方までくすぐられる感覚に、ガオガエンはイチモツも、体も悶えている。
その色っぽい仕草からは、耐えがたいくすぐったさと、耐えがたい疼き。もっとしてほしい感覚と、勘弁してほしい感覚。矛盾した感覚に翻弄されているのが伺えた。十分に下半身がほぐれたことを確認したソラは、ガオガエンの口に軽くキスをすると、自身のイチモツにローションを塗りたくって、ガオガエンの腰回りを掴む。
その際、イチモツを一瞬だけ摘まんでやったら、ガオガエンは一瞬嬉しそうな顔をした。だが、撫でるだけ。ガオガエンの思い通りにしてしまったら楽しくないし、下手に射精させて満足させてしまったら、気分が盛り上がらなくなってしまう。
性欲は高めて、しかし射精はさせず。それが長くセックスを楽しむ秘訣。もどかしい気分も、そのためのスパイスだ。射精をお預けされて、送られてくるのは肛門から伝わる淡くもどかしい快感ばかり。気持ちいけれど物足りない、そんな気分がガオガエンの表情から痛いほど伝わって来る。
カメラマンはガオガエンの顔をアップで写し、その悩ましげな表情を見逃さないようカメラに収める。
『もうちょっと粘って、視聴者を楽しませてあげて!』
監督の指示が飛ぶ。後で編集で消される指示に従い、ソラは睾丸付近に力を込めて射精を我慢。ガオガエンをひたすら攻め続けた。やがて、ガオガエンは喉の奥からゴロゴロという声を上げ始める。後ろの穴を弄られるだけで性感が高まり、もう限界の様子。
監督が『フィニッシュ決めちゃって!』と指示を出した。
「随分といい顔してるじゃねえか! 今出してやるから待ってろよ!」
監督に対して『了解』と言う代わりに、ソラはガオガエンに声をかけると、彼のイチモツを握り、自分の射精とタイミングを合わせてガオガエンを攻め抜いた。
先ほどまで、何度も何度も腰を打ち付けて五月蠅かった室内は嘘のように静かになる。
「ふう……どうだい、気持ちよかったか? お前、中々感触もいいし反応も悪くないからな……機会があったらまた遊ぼうぜ」
射精を終えたばかりで方針中のガオガエンに向かってそう囁きかける。熱が冷めたガオガエンは少し恥ずかしそうにして顔をそむけたてしまう。それを撫でるソラの手を映しながら、撮影は終了した。
「ソラ君! 良かったよー!」
撮影が終わり、監督がご満悦で全裸のソラへと寄ってくる。
「どうも! やはりガチムチのポケモンはいいですね。見た目はもちろんですが、締まりが全然違う。今までの俺の作品の傾向から察するに、これは売れるって確信出来ますね」
「本当よ本当! レンズ君も撮影ご苦労様ね! 貴方の腕はとってもいいから、仕上がりは期待出来るわね」
「はい! 光栄です! ソラさんの作品は俺もファンの一人なので、自分で満足できるようなもの、撮れるように日々研究してますんで!」
撮影も終わり、スタッフたちは和やかな雰囲気で談笑を始める。この時点ではまだ平和だった……まだ。
「インゲンさん、今日もよろしくお願いします! ファン第0号のダイナの名にかけて、最高の作品を作り上げましょう!」
彼は、インゲンのファン第0号を自称する馴染みのカメラマン、ダイナ。『0』という数字は、公式にファン1号が誕生する前、つまり彼女のAVが世に出回る前の、撮影中から彼女のファンであったことに由来する。もっとも、その場合はプロデューサーのほうがそう名乗るにはふさわしいのだが、細かいことはともかく、彼がインゲンに向ける憧れは本物だ。
「ダイナさん、今回もよろしくね!」
インゲンは彼に笑顔で手を振ると、今回の企画のためにポケモンを用意してくれたブリーダー、エンドウと監督のササゲにも頭を下げる。
「やーエンドウさん、今日のポケモンはどんな具合ですか? 最高の撮影が出来そう?」
監督のササゲがエンドウに尋ねる。
「問題なく。私はもちろん、今までいたバトル施設のブリーダーや、そこに訪れたお客様たちがこの子をかわいがってくれておりましたので。今日の子はもちろん、他の子もインゲンさんに満足していただけるようないい子たちばかりです。
この子は、闘争心と人当たりの良さはバトル施設にいたときのまま。私がそこから、性への積極性を、十二分に成長させました」
「やー楽しみ! それじゃ、打ち合わせ通り……インゲンさん。今日も願いしますね! やー! 今日も頑張るぞぉ!」
ササゲに促され、インゲンは微笑んだ。
「はーい。まずは、撮影に協力してもらうポケモンの解説からでしたね」
ふふん、と笑みを浮かべながら、インゲンは深呼吸をして気分を撮影モードに切り替える。監督はダイナや音声スタッフに指示を出し、すぐに撮影は始まった。
「全世界のインゲンファンの皆様、おはよう、こんにちはこんばんは」
ベッドに腰かけながらインゲンはカメラに向かってにこやかに話しかける。
「今日は、この商品のタイトル通り、セックスしたポケモンだけを使えるダブルバトルのための、撮影をしております! ただ、今回はセックスとか、性的なことばかりでなく、一応バトル企画でもあるので、ポケモンをバトル視点から見たときの解説もお願いされてるんです。今はフリーのポケモントレーナーをやっておりますが、これでも昔はジムリーダーを目指しておりましたからね。
人に教えるのは得意なつもりなので、どんと任されました! そういうわけで、まず最初のポケモン、ソウブレイズの解説をしますね。
ソウブレイズは、両腕の先が剣になっている見た目からわかる通り、物理攻撃が得意なポケモンです。カルボウというポケモンに、ノロイノヨロイをを使用することで進化する姿ですね。この剣は感情の高ぶりによって大きくなります。おちんちんみたいでかわいいと思います。
特に注目すべきは、ソウブレイズが操る炎は、相手の生命エネルギーを吸い取る能力を持つということ。ソウブレイズだけが使える技、無念の剣は、相手を炎で攻撃しつつ、体力の回復まで出来る、とても強力な技なんですよ。剣の舞と組み合わせれば敵なし!
特に、剣の舞と特性の砕ける鎧と組み合わせれば、素早く動いて強力に切り刻む! シングルバトルならば敵うものなしの無双の強さを誇ります。あとは、鋼、虫、草、氷タイプなどの炎タイプに弱いポケモンをあえて配置して、交換することにより貰い火の特性のポケモンで受けるといった作戦もいいですし、それを警戒させて炎タイプの攻撃を躊躇させるのもいいですね。まぁ、もちろんそんな机上の空論なんて当たり前のように崩されるのがポケモンバトル。
コンボを考えるのも、打ち破り方を考えるのも、打ち破られないような対策を考えるのも、どれも楽しいものですね。皆さんも、色んなポケモンの色んなコンボを考えてバトルに挑戦してみたらきっと楽しいですよ。
炎タイプのポケモンにはありがちな戦法ですが、読み合いに自信がある方はぜひ試してみてください。では、そんなポケモン、ソウブレイズと実際にご対面してみましょう」
インゲンはそう言ってボールからソウブレイズを繰り出す。今回の個体は雄の個体、元々は勇敢な性格で、バトル施設の引退後は夜間警備の仕事などにつくという進路もあったそうだ。ただ、勇敢ながら少し甘えん坊な一面もあるそうだ。バトル施設にいた頃は、オフの時は施設のブリーダーの隣に寄り添い撫でられるのが好きだったということから、エンドウが性的に見込みのある子だと引き取った経緯がある。
モンスターボールから繰り出されたソウブレイズは、未知の場所で数人の人間に囲まれていたために、状況を確認しようと周囲を見回して警戒するが、良く見知った顔であるエンドウがこの場にいたことや、監督やカメラマンも含め、危険な人間でなさそうなので徐々に落ち着いた様子を見せた。
やはり、人に慣れている個体はこういう時に状況把握が早くて助かる。インゲンが手招きをすると、ソウブレイズは目を輝かせて近づいてくる。随分と人に愛されて育てられた様子で、撫でてほしそうに顔を近づけてきた。インゲンは彼を抱きしめながら膝枕に導き、そこで目を閉じながら至福の時を過ごすソウブレイズをじっくりゆっくりと撫でる。
体温は人間と比べるとかなり高いが、それでもリラックスしているため火傷することはない。頭だけを撫でるだけでは退屈になったインゲンは、一度撫でるのを中断してベッドの上にソウブレイズを引き寄せる。
ソウブレイズはぴょんとベッドの上に飛び乗り、四つん這いになってインゲンと目線を合わせる。『まだ撫でてくれるんだよね?』とでも言いたげなその純粋な目にインゲンは思わず微笑んだ。バトル施設を引退しているのだから、それなりの年のはずなのだが、まだまだ子供のようである、
気が済むまで撫でてあげると、ソウブレイズはまるで子供のようにギュッと縋りついてくる。寒い冬ならばこのまま湯たんぽ代わりに抱いて寝るだけでも幸せな気持ちになりそうだ。腕の刃は小さく、リラックスしていることがよくわかる。
頬や顎、頭頂部を撫でていた手を、徐々に体の下側へと移していく。胸やわき腹を撫でていると、少しくすぐったそうに体を捩るが、表情はとても嬉しそうだ。言葉を話しこそしないものの、本当に子供のような無邪気な仕草に感じる。
こんな子が、少し前まではバトル施設で毎日バリバリ戦闘していたというのだから、人はもちろんポケモンも見た目によらないものである。インゲンはソウブレイズに覆いかぶさり、全身を密着させる。服越しに彼の鼓動や息遣いが伝わってくる。
『そこでキスよ!』
という監督の指示に従い口づけをすると、暖かな吐息がインゲンに吹きかけられる。人間のように舌を絡めてくることはないが、ソウブレイズも口づけするような人間は何を求めているかというのはなんとなくわかっているようで、舌を絡める代わりにインゲンの顔をぺろりと舐めた。
シルエットは人に近い形状なのに、犬系のポケモンのような対応で、それがまた可愛い。ただ、そんな子供のような、犬のような反応が出来るのも、大切なところに触れるまでの話だった。股間を守るプレートをめくりあげ、普段は触れられることのない場所を触る。
その意味をどれだけ理解しているのか、ソウブレイズはピクリと体を震わせる。その時点ではまだ偶然触れただけかもと思い、羽目を外すような真似はしなかったが、ねちっこく触ってやると、『これは誘われているのだ』と理解したのか、インゲンのことをぎゅっと抱きしめる。そのまま、インゲンが覆いかぶさっていた体勢から、無理やり上下を反転させると、股間を押し付けて体をゆすり始めた。
どうやらソウブレイズは完全にその気になったらしい、さっきまでとろんとした目だったのに、今は少し獣の目というべきか、それとも雄の目というべきか。目つきに明らかに親愛以外のものが現れている。
「ダメだよ、我慢しなきゃ。人間はポケモンほど準備が早くないんだから」
インゲンはソウブレイズをたしなめると、彼を手で制してお座りさせる。さすがにバトル施設で長年人と接してきたポケモンだ、発情した状態であってもきちんということを聞くだけの自制心が育っている。うずうずして体がかすかに動いているが、その仕草もまた愛おしい。
『そろそろ服を脱いで』
と、監督から指示が飛ぶ。インゲンはその指示に従いストリップショーを見せつけるかのようにソウブレイズの目の前で服を脱いでいく。じっくりゆっくり、焦らすように、シャツを脱ぎ、ブラを脱いで上半身の裸体を晒して一度彼を胸の谷間に埋めた。その状態で何度か撫でた後、ズボン、パンツをそれぞれ1分ほどかけてゆっくりゆっくりと脱ぎ終えた。
エンドウとの事前の打ち合わせでは、ソウブレイズには『目の前で服を脱ぐこと』を、人間が交尾を誘う時のシグナルであることを教えていたという。股間を刺激された後、ゆっくり時間をかけて服を脱ぐという行為に、ソウブレイズも大層どぎまぎしたことだろう。普段は鎧の下に隠れているイチモツが自己主張している。
「お待たせ」
インゲンはそう言ってソウブレイズの鎧をちぎり取る*2を押し倒し、口づけする。股間を押し付けるようにして、体を密着させていると、それだけで脈動しているのがわかるようだ。
さっきよりも体温が高まったソウブレイズの体をいやらしく撫でてあげれば、すぐにでも挿入を開始したそうな物欲しそうな顔。さすがエンドウが育てたポケモン、どれだけ性欲に突き動かされても、許可が出なければ一線は越えようとしない。
ソウブレイズは指が剣なので、女性器をほぐすのは危なっかしくてできない。インゲンはソウブレイズを片手で抱きしめながら、女性器に指を突っ込み、解していく。見えてはいないが、愛液が分泌されるに従い、雌の匂いが濃くなっていくことでソウブレイズは興奮を増している。
ソウブレイズは舐めるように匂いを嗅ぎ始め、集中し過ぎて涎が流れているのにも気づかずに目をらんらんと輝かせるどころか、本当に蝋燭のように目が燃え始めた。火傷しそうな暑さに苦笑しつつ、体の準備を進めていく。
いつかじりつかれてもおかしくないほどソウブレイズの欲求を昂らせたところで、監督からもゴーサインが出たため、インゲンはようやく自分の体をほぐすのをやめる。
インゲンはゆるりと体を離すと、ガチガチに勃起したソウブレイズのイチモツをそっと握り、自身の秘所へと導いた。ついに交尾を許可されたことをことを理解したソウブレイズはインゲンにとびかかる。ソウブレイズは両腕の剣を炎で包み込み、インゲンの体を傷つけないように掴みかかった。
剣を包む炎は、火傷しそうな見た目のわりに熱くない。むしろ尖った剣を保護するように包み、インゲンを傷つけないよう守っている。そうして、インゲンの体を押さえつけたソウブレイズは、充血して熱く滾っているイチモツを挿入する。
今まで我慢を続けていたソウブレイズは、欲望のままにインゲンの体をむさぼり始める。人間には真似するのが難しいような激しい腰使い。最初こそ余裕を見せていたインゲンだが、疲れ知らずなポケモンの攻めに耐え切れず、少しずつ喘ぎ声が漏れ始める。
編集で後から入れることも多い喘ぎ声と違い、喚きたてるような激しさのない、甘く誘うような喘ぎ声。正常位で向かい合いながら絡み合う二人の呼吸のリズムが段々と一体化していく。体の動きがかみ合うようになれば、快感は二倍、気分も二倍はアガる。
インゲンの表情はより甘く、ソウブレイズの表情にも変化が見え、それが動画を盛り上げる。ただ、快感も気分もアガるということは、逆に言えばそれだけ終わるのも早くなってしまう。人間の男優と比べれば、ポケモンの男優というのは融通が利かないもので、ソウブレイズは耐え切れずに射精してしまった。
こればっかりはいかに優秀なインゲンやエンドウといったトレーナー、ブリーダーであってもどうしようもできない。たとえ撮影中であっても制御しきれないこと。それもポケモンとセックスをすることの魅力、という風に解釈するしかない。
もちろん、あまりにも早く終わってしまうと、AVを購入したお客様の気分が乗り切る前に終わってしまうので、そればっかりは編集や監督の腕の見せ所だし、撮影もこれだけでは終わらないのだ。
射精し、精魂出し切ったソウブレイズは、余韻に浸る間もなく正気に戻って、本能的に周囲の警戒をしていた。ここに敵はいないというのに、野生の本能がそうさせるのだろうか。そんなソウブレイズの後ろからインゲンが抱きしめると、ソウブレイズは少し照れくさそうに首を振った。
「やー! いい感じよインゲンちゃん! ソウブレイズもお疲れ様! 編集が楽しみだわ」
「お褒めの言葉、ありがとうございます。ふふ、ソウブレイズかわいい……また一緒に撮影したいわ」
インゲンも、最初の撮影は滞りなく終わった。最初は選別するポケモンは無難だったのだ。どちらも。
二匹目のポケモンの撮影。今日もポケモンブリーダーのエンドウが育てたポケモンであり、ミミロップの雄が撮影相手だ。
ミミロップはその容姿から雌の需要が一部の界隈に人気が高いが、男の娘という概念が世間に浸透してくるうちに、雄の方にもきちんと需要が生まれるようになったポケモンである。
ソラのような屈強な男が小さなポケモンとの性行為を行うというのは、小児性愛的なフェチを刺激されるために根強い人気がある。さらに今回はただのミミロップではなく、どこから借りてきたのか監督がミミロップナイトをレンタルしてきたため、メガシンカする事も可能だ。
そのため、画面に映るソラは首にキーストーンをあしらったチョーカーを着用している。ちなみにこちらはソラの私物である。
「さて、今回紹介するポケモンのミミロップだが、このミミロップというポケモンは、一定数がマイナス特性の『ぶきよう』という特性を持っている。この特性がまた厄介でね、持たせた道具の効果を無くしてしまうんだ。いつもは美味しく食べられている木の実ですら戦闘中は食べられなくなってしまう始末でね、デメリットしかない特性……ってわけでもなく、これがまた面白い使い方があるんだ。
と、いうのもミミロップはこだわりスカーフやこだわりメガネといったデメリットのあるアイテムすらその効果を消してしまう。それを利用して、こだわり系のアイテムを装備しながら普通に殴り合い戦うことも可能なんだ。
それのなんの意味があるんだ? って思った人も多いだろうが、ミミロップはすり替えという技があるため、普通に殴りあうか、それともこだわりアイテムで相手を機能停止に追い込むという戦術が可能だ。たとえば、初手でリフレクターや光の壁を張ってくるようなポケモンを、永遠に光の壁しかできないようにさせられたら痛快だな。
あとは、仲間づくりで相手も不器用にしてしまうなんてのもいいかもしれない。俺はトレーナーとしては天邪鬼でリーフストームをぶっ放すジャローダを所持しているが、ジャローダの特性を不器用にされたら発狂ものだな。そんな面白い戦い方が可能なんだ。
もちろん、メガミミロップにメガシンカさせて、力で殴り飛ばすのもあり、メロメロボディで異性を誘惑するもよし。普通に柔軟の特性で戦うもよし。メガシンカさせないなら、豊富な補助技でサポートするのが向いているポケモンといったところだ。
そうそう、メロメロボディは人間相手には効果はないはずなんだが、それでもこの体型に魅力を感じてしまう人は男女問わず多い。ただ、気を付けないといけないのは、ミミロップって糞がまだ消化の途中みたいなものなので、よく自分の糞を食べたりしてるんだ。だからキスする前に歯磨きはさせておけ」
ソラはそう言って苦笑する。
「ちょっと、ソラ君! そういうことは言わなくていいから!」
「え、あ、はい! すみません、後で編集でカットしてください」
「当たり前でしょう! まったくもう」
ソラのちょっと汚い発言に監督はため息をつく。確かに、特殊性癖の人間でもない限り触れないほうがよかったかなと、ソラは反省しつつ、深呼吸して気を取り直す。
「では、実際にミミロップと対面してみようか」
そう言ってソラはベッドから立ち上がるとミミロップを繰り出す。
「あー……見ての通り、ミミロップは懐かせることで進化するポケモンなので、懐くまではそっけないところがあるんだ。この子とは撮影の前に一度顔合わせはしているんだが、今もミミロップは俺じゃなくって、画面外にいる主人を見ているな……。まぁ、でもそういうところも可愛いんだがな。大丈夫、俺なら今からでも懐かせられる」
ソラは苦笑しながらそう言って、ミミロップに触れる。
「ただ、この子は以前、トレーナースクールのポケモンで、人慣れはしてる。可愛いポケモンなので、ポケモンに触れるのが初めての子でも親しみやすいのがスクールで選ばれた理由なんだろうな。ちなみにその頃から何度もメガシンカしている。トレーナーとの絆がないと非常に暴力的になってしまうメガミミロップの姿になっても、暴れたい欲求を抑えて行動できるほどメガシンカに慣れているとか」
言いながら、ソラはミミロップにメガストーンを渡す。
「というわけで、一戦交えてみるか。メガシンカしたポケモンの強さはとんでもないので、勝てるかどうかは分からないが、やはり拳を交えるのが、言葉が通じないポケモンと一番わかりやすい会話だ」
ソラは首元のキーストーンに触れ、ミミロップのメガシンカを促す。ミミロップはメガシンカするのが楽しいのか、光に包まれる前から笑みを浮かべており、光が収まりメガミミロップとなってからは、ボクシングのように体をゆすってファイティングポーズを取りつつ笑っていた。
ソラはベッドを破壊しないよう、小走りでベッドから離れて広い撮影部屋の真ん中のほうへと移動する。
「さぁ、来い! ミミロップ! 俺が遊んでやるぜ!」
そう挑発してやると、ミミロップは強烈なネコ騙しでソラを攻撃する。ソラは体の大きさを活かし、地面に寝転がるようにしてオープンガードポジションを取り、猫騙しを防ぐ。そして、相手に足を向けることで攻めあぐねさせ、ソラは相手の動きを探る。だが、ミミロップも戦いなれた百戦錬磨だ。
トレーナーの指示がなくとも的確な判断が可能で、目を潤ませ、内またになりながらきゅんとする顔でこちらを見つめてくる。
「キュウン……」
と切なげな声を出したミミロップに、ソラは思わず魅入ってしまい、その次の瞬間に叩きつけられる蹴りに反応が一瞬遅れてしまった。反撃する前に足に強烈なローキックを叩き込まれ、ソラは苦痛で顔をゆがめる。誰が覚えさせた動きなのやらミミロップは目の下に指をあて、舌を出してあっかんべーをして挑発している。
猫騙しに甘えるにローキック……現時点でわかっているだけでもミミロップは何とも様々な技を使えるようで、待ちの体勢で勝負に挑んではジリ貧になることは分かった。
ソラは地面に手をつき、回し蹴りで攻撃しながら起き上がる。ジャンプしてそれを避けたミミロップは、そのまま天井を蹴って急降下、ソラを踏みつけようとする。一撃でノックアウトされかねないその攻撃を避けたソラは、ミミロップの間合いの外からパンチで攻撃するが、ミミロップは巨大な耳でそれをいなし、懐に入り込んで抱き着き、じゃれついてくる。
じゃれつく、と言うと文字面はかわいいのだが、ミミロップのそれは言い換えればマウントポジション。犬系のポケモンが主人を押し倒して顔を舐めるならばほほえましい光景だが、相手は一方的に体重を乗せた攻撃が出来る。対して寝転がっているソラは攻撃された時に衝撃の逃げ場がないため、圧倒的に不利な状況となってしまう。ミミロップはソラの体をしっかりと足で挟みこみ、マウントポジションを崩されないようバランスを取ると、ソラの両手首を押さえこんで、耳でソラの顔を何度も殴打し始めた。
だが、ミミロップは好戦的になって、熱くなったのがまずかった。前のめりになっているミミロップの尻を蹴り、尻が浮いたところソブリッジを行いバランスを崩させる。そこから足を絡めて関節技に移行するつもりが、ミミロップはその柔軟な体で関節技が極まる前にするりと脱出すると、ソラの体を蹴り飛ばして立ち上がった。
ほぼノーダメージのままファイティングポーズをとっていたミミロップだが、ソラが立ち上がるのもやっとな様子を見ると、今度は構えを解いていつでも打って来いとばかりに両手を広げた。ソラが腰を落としてわき腹にボディーブローを叩き込もうとするが、ミミロップは後ろを向いて尻でそれを受けるとともに、鋼と化した尻尾で襲い掛かってきた。
丸くて小さな尻尾だが、全体重を込めたアイアンテールの威力は半端なものではなく、カウンター気味に放たれたこともあり、ソラはそのままノックアウト。この戦い、ミミロップの完全勝利である。
メガシンカしているとはいえ、見事な強さであった。
顔が腫れ、口の中が鉄の味になるほど出血しているソラを見下ろし、ミミロップはメガシンカを解除して通常の状態に戻る。勝負は一方的なものであったが、それはメガシンカの力に頼ったものであり、本来の自分では勝てる相手ではないことも理解しているようで、拳を交えたソラに対して敬意を感じている様子。
ミミロップはソラのそばに膝をつくと、いつくしむように彼の体を撫でた。
「やれやれ……やっぱりメガシンカポケモンは強いなぁ」
ソラはどこからかマゴの実を取り出してそれを食し体力を回復させる。人間にはポケモンほどの回復は望めないため、画面外に控えていたタブンネに目配せをし、癒しの願いをかけてもらった。
そうして体力を回復してから(当然編集で省略されてる)撮影が再開される。ミミロップは先ほどのそっけない態度より、幾分か態度を軟化させていた。やはり、拳で語り合ったら友達なのだ。ソラがベッドに座りながらミミロップを出すと、彼はソラが近くにいるにもかかわらず、ベッドの上に寝転がってのんびりとする姿を見せる。どうやら、拳を交えたソラのことは他人ではなく、そばにいても大丈夫な存在に格上げしたらしい。
まだ、隣にいたいとか密着したいとか、それくらいに気を許されているわけではないものの、この短時間でここまで懐かせたのはソラのカリスマ性と、ポケモン相手にも恐れることなく向かっていける身体能力の賜物だ。
ここからさらに仲良くなってもらうには、やはり触れることから許してもらう必要がある。ソラはミミロップに触れると、彼の耳に櫛を当てて、その滑らかな体毛を梳き始める。毛づくろいに気分を良くしたのか、ミミロップはソラのスキンシップを鬱陶しいと思うことなく身を任せる。
静かな空間で、お互いの息遣いばかりが聞こえる、穏やかな時間が流れる。撮影部屋は雑音が入らないようにするために静かなため、静かすぎるほど音がない。編集するときにはBGMの一つでもつくことだろう。
そうして、大きな両耳に櫛を入れ終わったら、ソラはミミロップを優しく抱きしめた。ミミロップは嫌がらなかった。
さて、ここまで来てしまえば、後は発情させるだけである。ミミロップは性欲の強い種族、ここまで密着させてしまえばその気にさせるのはそんなに難しい事でもない。
監督のエダからのカンペで『そろそろ発情させちゃえ』との指示が飛んでいる。そうさせてもらおう。まずはエンニュートのフェロモンを薄めた香水を吹きかけ、ポケモンの敏感な花に訴えかけさせ、その後はミミロップをうつぶせに寝かせ、ソラはマッサージと全身の毛づくろいを同時に行う。このミミロップの特性は不器用だが、個体によっては柔軟の特性を持つ者もいるくらいに体の柔らかい種族である。その柔軟性を維持するために、筋肉や関節のマッサージ、ストレッチは欠かせない。
性的快感ではないが、気持ちが良いのだろう。ミミロップは目を閉じ、完全にリラックスした様子で寝そべっている。このまま続けていれば寝てしまうだろう。それならそれでいい。背中のマッサージならば眠れても、股間をマッサージされて寝ていられるポケモンはそう多くないだろう。
背中、腰と丁寧にほぐし、太ももやふくらはぎ、足の裏も揉んでやる。よほど気持ちよいのか、文句を言ったり嫌がったりする様子もなく身を任せている。足を開かせ、尻を揉み始めてもミミロップは特に反応を示さなかったが、仰向けにひっくり返し、ぎゅっとイチモツを握る。
メロメロボディの特性を持つだけあって、性には貪欲な種族である。握りしめ、軽く上下にゆすってやれば、さっきまで眠そうだった彼は、その眠気を吹っ飛ばして目を見開くと、ソラに抱き着いてくる。ふわふわの体毛が服越しにも感じられ、良いシャンプーを使っているのだろう、いい香りもする。
発情のスイッチが入ったミミロップは、ソラに対してマーキングするかのように体をこすりつけ、キスをするように唾液をまぶす。さっき一瞬触れただけだというのに、スイッチが入るのが早すぎるくらいだ。
このままではすぐにでも射精してすっきりしてしまいそうなので、ソラはミミロップを押さえつけ、足を絡めて動きを封じた。
「悪いな、AV男優がベッドの上で負けるわけにはいかねえんだ」
映像の取れ高のためにも、勝手に興奮して勝手に射精されてしまうようなつまらない終わり方じゃ視聴者が満足しない。ミミロップを押さえつけ、我慢させたほうが視聴者の受けは確実に良くなる。
ガオガエンもお預けは辛そうだったが、こっちはもっとお預けが辛そうだ。何とか脱出しようと力を込めているが、生憎体から火を出すとかでもしなければ、そう簡単に寝技から逃げられるものではない。
ソラは足に関節技を掛けたまましばらくミミロップを押さえつけて落ち着かせる。ミミロップがすっかり萎えてしまい、気も抜けた頃を見計らって体勢を変えて覆いかぶさり、手にローションをつけてミミロップのアナルを解しにかかる。
トレーナースクールを引退してからというもの、こっちの経験もそれなりに積んでいるらしく、指を突っ込まれた時こそ体をこわばらせたものの、ミミロップはすぐに指を受け入れた。
アナルで受けることも随分と気に入っているのだろうか、射精の欲求をお預けされても、もう暴れることはしなかった。そうして、後ろの穴を弄られながら、キュウキュウと小さく鳴き声を上げるようになる。尻の大きい体型も相まって、まるでメスを相手にしているかのような錯覚を味わうも、股間にある雄の象徴はどうしようもなく滾っている。指を二本、三本と増やして、十分にほぐし終わったら、ソラはローションでべたべたになった手でズボンを脱ぎ、パンツを脱ぎ、いそいそとコンドームを着用し、すっかりと待ちくたびれているミミロップにイチモツを見せつける。
さっきから我慢させられっぱなしなミミロップは、『早くしてくれ』とばかりに物欲しそうな顔。ソラは今の表情をカメラがちゃんと捉えているか気にしながら、ミミロップのアナルにイチモツを突き入れた。そこから数秒遅れて、体の中から刺激を受けたミミロップのイチモツが急速に元気を取り戻していく。
ピンと屹立したイチモツは、ソラが行うピストン運動に合わせてメトロノームの様に揺られ、時折快感に酔いしれて痙攣する。ソラに体内を攻められてよほど気持ちいいのだろう、キュンキュンとあえいでいる。時折体を震わせながら体を縮こまらせたり、足をばたつかせようとしたり。
気持ちよさに突き動かされるまま力いっぱい暴れてしまわないよう、堪えているのが見て取れて愛おしい。そんなミミロップに『ご褒美をあげるように』、と監督からの指令が飛んだ。ソラは監督の指示に促されるままにミミロップのイチモツを握り、上下に扱いて刺激する。
アナルセックスによる内部からの刺激だけでは射精するには足りなかったミミロップだが、ダブルで刺激を受けてしまえばもうたまらない。普通のセックスでは到底味わえないような両側からの刺激で、射精へのカウントダウンは急激に早まっていく。
そんなミミロップの限界を様子見しながら、ソラも自身の動きを加速させた。視聴者が最も盛り上がるのは、二人が同時にイクことだ。もちろん、AVなんかは編集でそれっぽく見せているだけで、実際に同時に射精していることは少ないが、ポケモンは別。
よほど完璧に教育されたポケモンでもなければ、興奮してしまうと、射精しない限りは収まらない。暴走した性欲というものはそれほどに強い欲求だ。
だから、射精したり、女性の場合もイッたりする光景は大体ポケモンに合わせて行っている演技だ。今回も同じで、ソラはまだまだ射精まで程遠いくらいだが、ミミロップが限界を迎えたために、これで終わりだ。
「よし! ソラ君いい感じ! これなら視聴者も大満足だよ。じゃあ、次はメガシンカして攻守交代だ」
それでも、監督がご満悦になるくらいには取れ高も上々。これだけでも商品としてはありだが、何と言ってもミミロップはメガシンカが可能なポケモンである。普通のミミロップとは違ったセクシーな見た目だが、強さに見合うだけの攻撃的な印象も強い。
今度はその見た目通り、セックスでも攻めに転じてもらうというわけだ。きっと視聴者も満足してくれることだろう。
撮影をしばらく休止する間、ソラはミミロップを撫でて甘えさせてあげる。拳を交え、尾を交え、それですっかり気を許したらしいミミロップは、甘えているうちに疲れてしまったのか眠り始めている。穏やかで可愛らしい寝姿を見ていると、射精したふりで終わらせたせいもあって、またムラムラと欲求が沸き上がってきてしまう。
ミミロップの睡眠時間はそう長くないのですぐに目覚めるだろうから、その時は満足するまで楽しませてもらおうと、ソラもミミロップに合わせて目を閉じた。
40分の仮眠の後、ミミロップが目覚めたところで、また撮影の開始である。ベッドの上に寝かせたミミロップの下半身を撫でる。普段は触られない尻も股間も撫でられると、落ち着いていた性欲もすぐさま再燃してしまい、ミミロップはすぐに興奮して体をこすりつけてきた。
そんな逸る気持ちを、今回は抑えなくてもいい。ソラはミミロップをメガシンカさせ、彼を強化する。好戦的な性格は、戦闘中じゃなくても発揮されるらしく、性欲が増した状態でメガシンカしたミミロップは、さらに血走った目でこちらを見ている。
進化をすると、ポケモンが戸惑うのは外見的な、動作を伴う違いだけじゃない。ホルモンバランスが変わり、欲望や欲求が数秒前と打って変わってめちゃくちゃになることで戸惑うこともよくある。
今のミミロップがそれだ。メガシンカによって湧き出る普段とは比べ物にならない欲求が性欲に傾倒してしまい、放っておけば押さえきれない衝動が暴力へ変わってしまうだろう。すぐにでもその暴走しかねない性欲を収められるよう、ソラは体のほうはある程度慣らしておいてある。
少しの時間も待てない暴れたミミロップへ、導くようにイチモツを握り誘導すると、それはもう食べられるんじゃないかという勢いで覆いかぶさられた。ソラのアナルに自身のイチモツを挿入すると、ミミロップは夢中で腰を振り始めた。
慣らしていなければ、切れ痔じゃ済まなかったであろう勢いおいで腰をふるもんだから、快感を感じるよりも、体内から圧迫されたり、体に伝わる衝撃からくる苦しみが勝るくらいだ。だが、そんな乱暴なセックスのままに射精し、満足したミミロップのやり遂げたような笑顔は、見ていると中々来るものがあった。
メガシンカしても賢者タイムはあるようで、射精を終えたミミロップはさすがに落ち着いたようだ。ここで攻守交代させてもらおうと、体を起こしてひっくり返してやると、以外にもミミロップは抵抗せずに、むしろ来いよとばかりに顎をしゃくらせる。
ソラは早速ローションを塗りたくり、ミミロップのアナルへと挿入する。メガシンカでより洗練されたミミロップの体は、締め付け具合も良好になっており、締め付け具合も、強すぎず弱過ぎずちょうどいい。ソラは人間らしく、視聴者に魅せることを意識して気を使いながらのプレイこそ忘れなかったが、気を抜いてしまえば監督のGOサインが出る前にイッてしまいそうだ。監督の指示通りに動けないAV男優なんてプロ失格だと自信を叱咤し、気を抜けないプレイをしながら、余裕で楽しんでいる風なミミロップの顔を眺めていると、ようやく監督からのGOサインが出る。力を籠めぐっとこらえていた射精を解放すると、安どのため息が漏れた。肩の荷が下りた充足感とともに、射精の快感を味わっていると、それを受け止めているミミロップは、まだまだいけるとばかりに目をらんらんと輝かせている。
人間だったらこんなに早く二回戦へと行くことなんて出来ないのだが、ポケモンの回復力というのは本当に侮れないもので。まだ余韻に浸っている最中、それも相手がメガシンカ中ということもあり、ソラは先ほどとは逆にひっくり返されてしまう。
「やっべ……メガシンカしたポケモン舐めてたわ」
思わぬアクシデントが起こってしまったが、どうしたものかと監督のほうを見てみると、続行してとの指令が下ってしまった。どうやらこれは受け入れるしかないようだと、ソラは苦笑しながら指示に応じるのであった……
「やー! それじゃインゲンちゃん、ダイナちゃん! 撮影開始しちゃって!」
カメラを回される前はベッドに座って瞑想していたインゲンは、カメラを回すという合図に従い、目を開いてベッドから立ち上がる。
「皆さん、おはよう、こんにちはこんばんは! 今日は最初からボールから出した状態でご対面しております。今日の相手は見ての通り、雌のクエスパトラです!」
インゲンはひらひらとした豪華なドレスを身にまとい、カメラ目線で愛想を振りまいていく。相手となるクエスパトラの羽と似たようなデザインで、とても優雅だ。本来ならば、雄のポケモンと交わる動画と、雌のポケモンと交わる動画。そう言った趣味嗜好の別れそうなものは基本的に同じ作品に収録することはないのだが、今回は企画の性質上同じ作品に収録される。そうである。後で個別バージョンの発売もされるが、真っ先に見られるのはダブルバトルまで含めて収録される完全版だとか。
「それで皆さん……とってもかわいくて優雅なポケモンだと思いませんか? 鳥っぽい見た目にたがわず、飛行グループのポケモンではあるんですけれど、まぁ空は飛べないし、むしろ走るのが得意なポケモンなんですけれどね。この子、砂漠での移動手段として育成されていたのですが、ちょっと好戦的過ぎて、乗ってる最中に野生のポケモンに喧嘩を売ってしまうから手放さざるを得なかったとか。
そんなポケモンでも手懐けてしまうエンドウさんは本当にブリーダーとしての腕前が尊敬に値しますね。ポケモンと仲良くなることに関してだけなら、この人を上回る人間は数えるほどしか知りません」
そう言ってインゲンはクエスパトラの首を撫でる。クエスパトラは心地よさそうだ。
「元々クエスパトラは、この個体に限らず野生でも飼育下でも気性の荒いポケモンではあるんですが、人に良く慣れさせて、そのうえでお腹もすいていなければそこまで攻撃的になることはありません。まー、それでも下手に怒らせたり刺激をしたり、目の前を野生のポケモンにウロチョロされれば、興奮して強力な脚で蹴ってきます。この子も、ちょっと血の気が多くて一般人には扱いづらいですね。
蹴る、と言ってもクエスパトラの場合、蹴りなんてのはむしろ手加減で、本気を出すとサイコパワーでとんでもない攻撃をしてくるんですよね。この企画で私がクエスパトラをチョイスしたのもそのサイコパワーが魅力的に思ったからなんです」
インゲンはクエスパトラの背中を撫でる。好戦的な性格とはいっても、戦う相手のいない室内では、ヒラヒラのフリルが優雅なドレスを思わせる毛並みが特徴の美しいポケモンである。
「何と言っても、クエスパトラの得意技といえばルミナコリジョン。精神にも作用する特殊な光を放って攻撃して、体にダメージを与えるのみならず、特防もがくっと下げることが出来るんですよ。
クエスパトラの特性が『加速』なら、特防が下がったところを畳みかけられて速攻ノックアウトも可能です。このルミナコリジョンという技だけでも強力なクエスパトラですが、他にも強みはありまして……お見通しで相手の持ち物を見切ることも可能ですが、もう一つ、クエスパトラの専売特許ともいえるのが『便乗』の特性です。
この特性、相手が強化された時に自分も強化されるという特性でしてね。相手が鉄壁を使えばクエスパトラも防御力がグーンと上がり、相手が蝶の舞いを使えば、クエスパトラも特攻と特防と素早さが上がります。つまり、クエスパトラの前では下手に変化技を積めないんですよ!
さらにさらに注目すべきは、相手が殻を破るやのろいを使った際、相手は耐久や素早さが下がることになりますが、その下がる効果はクエスパトラには適用されないんですよ、ずるいですねー。だから、たとえば味方が相手ポケモンにおだてることで、混乱させつつ特攻を上げるようなことがありますが、それでクエスパトラを強化することも同時に可能なんですよ。
まぁ、色々と悪いことのできるこの特性を持っておきながら、クエスパトラはバトンタッチまで使えるから質が悪いですね。加速バトンと言えばテッカニンやバシャーモでも出来ますが、クエスパトラは特殊型が主流なので差別化は容易ですし、便乗なら場合によっては物理型にもバトンを渡せるのが最大の強みです。
ルミナコリジョンで殴りに行ってよし、便乗で相手の詰み技を躊躇させてよし、加速バトンしてよし……正直、クエスパトラはなにをしてくるかわからないので、相手にすると怖い事仕方のないポケモンですよ。逆に言えば相手にしたら、とにかく余計なことをしないうちにぶちのめしたいポケモンですね。
今日のお相手はそんなポケモンです。ほら、カメラさんのほう向いてあげてね」
そう指示を出すと、クエスパトラはカメラのほうをまっすぐに見つめる。ターコイズブルーの瞳がじっとカメラを睨むので、カメラマンのダイナはついつい委縮して一歩下がってしまった。
「可愛いけれどすごい眼力……中々絵になる子ね。よーし、それじゃあインゲンちゃん。紹介も終わったことだし、そろそろ始めちゃってくれるかしら?」
「はーい、監督! 始めちゃいまーす」
監督に促されるまま、インゲンはダイナにアイコンタクトを出した。
インゲンは着用していたドレスをサイコパワーでひらひらと揺らめかせながらダンスをする。クエスパトラ同士が求愛のために行うダンスを模したものだが、今回はそれだけでなくテレパシーも駆使してクエスパトラを誘惑する。
クエスパトラはエスパータイプだけあって、意思の疎通には身振り手振りや鳴き声のみならず、テレパシーも重要な情報伝達手段だ。舞を見せながら、『素敵な遊びをしましょう?』と何度も呼び掛ける。その呼びかけが強ければ強いほど、相手は素敵だという認識になり求愛も成功しやすい。今回は女性同士なのだが、例え同性であっても強いサイコパワーを持つ者相手には惹かれるのである。
とはいえ、今は発情期ではないので、あくまで興味を持っただけ。まだ交尾をする気にはなれていない。クエスパトラは、興味深げにトコトコと歩いてきて、ぐい、と首を曲げて近づけてくる。
インゲンの頭を撫でるようにして顎をくっつけてきた動作を見るに、どうやらテレパシーのやり取りだけでインゲンの事は気に入ってくれたようで。テレパシーで通じ合う事が出来たら、後はそこまで難しい仕事じゃない。
インゲンはクエスパトラを優しく抱きしめ、テレパシーを飛ばす。『貴方のことをもてなしたい、貴方のことを楽しませたい』、という意志をクエスパトラに伝える。雄のクエスパトラは、求愛の際は『交尾したい』『気持ちよくなりたい』『卵を作りたい』などと、かなり直球のテレパシーを送る。そんなガサツな雄に比べれば、人間であるインゲンが送るテレパシーは、ポケモンからしてみれば大層特異な物に感じたことだろう。
心地よい感情を向けてくれるインゲンのテレパシーに、クエスパトラはうんうんと頷きながら受け入れている。インゲンはテレパシーはそのままに、クエスパトラの体をゆっくり撫で続けるとともに、クエスパトラの呼吸に合わせて体をゆっくり揺らす。
「そう、そのままゆっくり。深呼吸して……目を閉じて、楽にして……」
インゲンはテレパシーを続けながらも、あえて言葉で話しかける。クエスパトラはエスパータイプなだけあって、テレパシーを受け入れることに関しては容量が大きく、インゲンのテレパシーを長く受け止めていても頭痛や意識がもうろうとするなどといった症状は出ない。むしろ、テレパシーを受け入れながら体を愛撫される感触を楽しむ余裕すらあるほどだ。
色んなポケモンのケアを十数年、毎日のように繰り返してきたインゲンの手さばきはそれはもう気持ちよく、クエスパトラはすっかり骨抜きにされる。もう、クエスパトラは眠っているのか起きているのか、非常に曖昧になっていた。はた目にはトリマーがポケモンを毛づくろいしているのと変わら居ない光景のため、現在ダイナが撮影している映像は少しばかり退屈ともいえる。
ただ、毛づくろいで気を逸らしているうちに、インゲンは少しずつクエスパトラに催眠術を仕掛けている。戦闘には使えないような時間がかかる催眠術だが、それだけに気付かないくらいにゆったりと仕込むことが出来る。
毛づくろいをして、体を揺らしたり、言葉を掛けたり。そうして極限までリラックスしたクエスパトラは警戒を忘れ、インゲンの発情を促すメッセージをじんわりと受け入れてしまっている。
気付けば、もう抗う事が出来ないくらいに発情させられ、無意識のうちにクエスパトラはインゲンに体のあらゆる部分ををこすりつけてしまっていた。それでもインゲンが今まで以上のことをしないため、ついには自分から生殖器をさらけ出し、押し付ける始末。
クエスパトラは飛行グループにしては珍しく、雄にイチモツがついている種族だ。それだけに、同じグループのポケモン同士で交尾をする際には割と問題も生みやすいのだが、交尾の感覚が人間から見れて近く感じられるというのは、AVを撮るうえでは都合がいい。
「やー。いい感じよインゲンちゃん。いい調子じゃない。そろそろクエスパトラを気持ちよくしてあげなさい」
監督に促され、インゲンはクスパトラに優しく囁きかけ、首を優しく引っ張ってベッドへと導く。脚を折り、ふかふかのベッドにちょこんと座ったクエスパトラの尻を撫でながら、インゲンはベッドの脇においてあった小さめのバイブとローションを念力で手繰り寄せて、彼女の入り口を撫でるように押し付ける。
ポケモン同士での交尾は慣らす間もなく入れてしまうが、もちろんインゲンはそんなことはしない。クエスパトラの体が傷つかないよう、壊れないようにゆっくりと生殖器周りをなぞり、熱を持たせてほぐしていく。
ゆっくりと催眠術を仕掛けられ、心はとろけ切り、陰部は充血し。疼いてたまらない。そんな状況でじらされたクエスパトラはいかにも辛そうだ。ただ、あえて小さいバイブを選んだのだから、慣らすために時間は必要ない。ゆっくりと挿入して、胎内に沈めていったバイブのスイッチを入れて振動させる。
甲高い鳴き声とともに、強いサイコパワーの波動が漏れて、ベッドのシーツや髪の毛などがざわざわと波打った。どうやら、発情期でもないというのに、通常の交尾ではありえないくらいに感じているらしい。しかし、今使用しているのはまだ一回り小さめのバイブだけ。
このままもう少しほぐしてあげたら、一回り大きなバイブで、もう少し激しめに攻められる。そんなことも知らず、体を小刻みに動かしながらクエスパトラは性的快感を味わい、鳴き声を上げ続ける。そうして、オーガズムに達してしまったのか、荒い息をつきながら首を前に萎れさせている。
そこに畳みかけるように、一回り大きめのバイブを手繰り寄せたインゲンが、クエスパトラの性器にずぶりと沈みこませた。先ほど以上のサイコパワーの波動が漏れ、周囲の人間は踏ん張らないと倒れてしまいそうな力が周囲に漏れるが、インゲンは至近距離でそれを浴びたにもかかわらず、平然と涼しい顔をしている。インゲンは手元が狂わないよう、クエスパトラを怪我させないよう、ゆっくりと攻め続けた。
手を使って器用に行われるピストン運動に加え、バイブは先端がうねうねと動き、加えてその名の通り振動する。三通りの刺激に翻弄されたクエスパトラは、荒い息をつきながら下半身周りを痙攣させている。その様子の淫靡なこと。余裕がなくて、時折痙攣するようにサイコパワーの波動が漏れ出してしまい、そのたびに画面は五月蠅くなっているが、クエスパトラが感じていることがよくわかるので、視聴者のウケも良さそうだ。
そうして、ひときわ大きなサイコパワーの波動で、結局一度も使わなかったベッドの上の枕がひっくり返るほどの衝撃が巻き起こる。インゲンが手を止めると、今度こそ精魂尽き果てたのかクエスパトラは体力を消耗しきって動かなくなってしまった。
インゲンはクエスパトラの体を拭いてあげると、疲れ切ったクエスパトラをゆっくりと休ませてあげた。今回、インゲンはセクシーな映像を撮るどころか服を脱いですらいないが、こういう風に一方的にポケモンを性的に攻めるのもまた、彼女の動画の人気コンテンツである。
彼女のファンには人間の裸に興味がなかったり、あったとしてもポケモンへの交尾に比べれば興味が薄かったりするため、これでも大いにウケるのである。
「やー、いいじゃない! インゲンちゃん! 今回もきっといい作品に仕上がるわ! ダイナちゃん、撮影はばっちりかしら?」
「もちろん、インゲンさんのファン0号として、ばっちりと! 編集が楽しみですね!」
こうして、クエスパトラの撮影は終わり、次の撮影の打ち合わせが始まるのであった。
ソラがベッドの端に座り、カメラ目線でスタンバイをした状態で撮影が始まる。
「さて、今回のお相手となっていただけるポケモンだが、みんな大好きむっちむちな体型が売りのニドクインだ。このポケモン、地面、毒タイプのポケモンで、雄と雌で大きく容姿が違うポケモンであり、ポケモンの中では珍しく雌雄で別の名がつけられていることはみなさんご存じの事だろう。
さて、このポケモンの強みだが……何と言っても技が器用なことが挙げられる。物理技ならば、格闘、悪、三色パンチに、タイプ一致の地震や毒づきなど。
そして特殊技は、なぜか地面タイプの癖に10万ボルトやら、自身の弱点タイプの冷凍ビームといった攻撃も平然と使えるうえに、タイプ一致技も豊富。波乗りに龍の波導やシャドーボールまで使えて、まさに技のデパートといったところだな。
特性は闘争心。同性には厳しく、異性には甘いなんてちょっとかわいい特性で、それは人間相手にも表れて、魅力的な威勢の前ではデレデレになるんだ。
つがいになるニドキングなんかは四六時中険しい顔をしているけれど、長年連れ添ったニドクインの前では顔が緩むって話だぜ。同じ特性で同じタマゴグループのオノノクスだとどうなるんだろうな?
そしてもう一つの特性の毒のとげだが……この特性、ちょっと使いにくいところがあるんだよなぁ。と、言うのもニドクインが苦手とする氷、水、エスパータイプは相手に触らない特殊技が多いし、地面タイプも一番のメイン技の地震であるなど、相手に触れることがない技が多いからな。まぁ、それでもニドクインはそれなりの耐久はあるから使いようはいくらでもある。
で、もう一つ珍しい特性になるんだが、力ずくという特性もある。これがなぁ、無茶苦茶強力なんだ。この特性を持っているポケモンに命の珠を持たせて、追加効果のある技を使わせると、攻撃の威力が命の珠と特性の効果のダブルで上昇しつつ、命の珠による反動で命を削られる効果まで無効化しちまうんだ。
だから、とんでもない火力で攻撃しているのにデメリットがないという、まさしくチートスキルと化してしまうんだ。ま、それに関しては同じ特性を持っているポケモンにはだいたい当てはまるし……攻撃力が高いからと言って勝てるもんじゃないのがポケモンバトルだ。火力は高いし、器用だけれど、だからと言って過信し過ぎないようにな。
と、いうわけで、そろそろご対面と行くか。ただ、今回はその……この子の特性は闘争心じゃないから、戦いとなったら異性でも手加減はしないけれど……それでも異性と戦うのはあんまり好まない個体だからさ。だから、いつものような拳で語り合う奴は無し、な? 俺としてはこう、拳で語り合うのが一番ポケモンと仲良くなれるから、ちょっと不満なんだけれどなー」
ソラは苦笑しながらポケモンを出す。モンスターボールから出てきたニドクインはにっこりと笑みを浮かべながら、太い尻尾を持ち上げてソラの方へ歩いてくる。
「見ての通り、この子はこんなにも人懐っこい。バトル施設で働いていたころは、男の子からも人気があったらしい。そのくせ、戦いとなるときっちり暴れまわってたんだ。昔の動画を見せてもらったが、中々に怪獣らしい怪獣をしてたぜ。ちなみに女の子トレーナーには塩対応だそうだ。現金な奴だな」
頭を撫でてほしいのか、ニドクインは床に座り込むと、ベッドの端に座るソラの膝の上に顎をのっける。ソラは微笑みながらその頭を撫でてあげた。
「まぁ、エンドウさんをもってしても、同性だったからあんまり懐かれなかったそうだ。だから、男性の部下のほうが上手く教育したって話でね。それでも同性相手だからと言って攻撃的な様子は全然見せないみたいなのが、この子の穏やかな性格を感じさせるな。
ポケモンとわかりあう方法に正解はない。自分の拳で戦ってみたり、抱きしめてみたり、毛づくろいをしてみたり、一緒に自転車で並走してみたり、エサを与えてみたり。歌を歌ったり踊ることで絆を深められるポケモンもいる。
セックスもその方法の一つ。そうやって様々な方法でポケモン知ろうとする姿勢があれば、きっとどんなポケモンとでも仲良くなれるはずだ。これはブリーダーのエンドウさんはもちろん、俺もこれまでの体験を通して深く心に刻まれている事実だ。
もしも、ポケモンが懐いてくれなくて困っているトレーナーやブリーダーがこの動画を見ていたら、一つの方法だけじゃなく、色んな方法でポケモンと心を通わせることを試してみるといい。皆が努力して、あらゆる方法をポケモンに示してみれば、きっとポケモンもそれに応えてくれるはずだ。では、こんなところで……始めていこうか」
ソラは言うなり、頭を撫でているニドクインをいったんどけて、ベッドから床に座り込む。そうして視点を同じ高さにすると、その状態でニドクインの体を撫でる。最初は顎や肩といった当たり障りのないところ。ニドクインはどこを撫でられてもうれしそうだが、微妙に体を動かしてここを撫でてほしいとアピールしてくる。
ソラは顔が緩み切ったニドクインの欲求に応えつつ、彼女を大いにリラックスさせていく。
「そうそう、ニドクインというポケモンは、進化することで生殖能力が失われてしまうんだ。ただ、野生下ではそんなこともなくって、むしろニドクインに進化してからのほうが卵を作っていたりもするもんで、研究者は頭をひねるばかりなんだとか」
ソラはニドクインを撫でながらそんな解説をする。
「飼育下と野生下、その二つにどんな関係があるのかとか、世界中の研究者が研究しているんだが、いまだに結論とか出てないわけで……これがわかれば、繁殖方法がわかっていない伝説のポケモンも繁殖する方法がわかるかもしれないとか、研究者の間ではまことしやかに語られているんだけれど、色んな論文が書かれているのに全然結論が出ていなくてねぇ……いつか、トレーナーのポケモンでも生殖できるようになるといいよな。
だが、卵は作れなくても、エッチなことはできる。それを今から視聴者の皆さんに見せつけてやるからな。ティッシュは用意しておけよ!」
長い話を終えたソラは、胸やわきの下など、普段触れられることのない場所をまさぐる。胸や腹に関してはニドクインも大した反応はしなかったが、普段触れられ慣れていない場所を触れられると敏感になってしまうのは人もポケモンも同じ。脇を触られた時は、彼女もびくりと体を震わせた。
しかしながら、最初は驚いてもすぐに慣れる。少しばかりこそばゆい感覚がありながらも、段々と触れられる感覚を受け入れ始めて愛撫に身を任せるニドクイン。合間合間に彼女は自分から体をこすりつけたり(もちろんトゲが触れない位置を)ソラの顔を舐めてきたりと、向こうから愛情表現をしてくる。
バトル施設を引退してエンドウに引き取られた彼女は、すでに何度か人間の男性の相手もしてきたそうで、それゆえに自分と交尾したがる男性の態度というのも理解しているらしい。そして、そういった男性が何をすれば喜ぶのか、より自分を好いてくれるのか? 彼女は経験や指導によりきちんと理解しているようだ。
男を経験したニドクインの妖艶な仕草は、こんなAVの制作に喜んで参加するような監督も、カメラを回しているレンズにも効果は抜群で、撮影中だというのに、思わずつばを飲み込むほど。指示を飛ばす必要もないくらいに甘く、心地よい二人の営みに、スタッフたちは静かにカメラを回し続ける。
やがて、ソラが導く間もなく、ニドクインは立ち上がり、ベットに上って背を向ける。人間と違って、正常位なんかで交尾に臨んでしまえば、ベッドのシーツがズタズタになってしまう。それを防ぐためにも後ろからの交尾が基本だ。
ソラからはニドクインの表情は見づらくなるが、カメラマンはもちろん、ベッドや天井にもカメラは仕込まれているため、視聴者から見る分には問題ない。
さて、太い尻尾を持ち上げ、雄を受け入れる仕草を見せたニドクインのあられもない姿を前に、ソラは優しく彼女の尻を撫でる。普段から地面の草やら小石やらで擦れているせいか、尻を触られても脇に比べたら反応は乏しいくらいだったが、生殖器周りを触れられたときは体が動いた。しつこく触れば、どんどんその気になっていく。
そうして雄を受け入れる事に決めたニドクインの下半身は充血して弾力を増し、粘液を出して滑りを良くしている。一目で雄を誘っているとわかるその見た目にたがわず、指を入れただけでもキュウキュウと締め付けて雄を搾り取ろうとしていた。温かく、滑りがいいのにしっかり捉えて離さない。
指だけでもわかるその名器ぶりに、ソラは思わず舌なめずり。深爪にして、さらに指サックも併用して女性器を傷つけないよう配慮した指を3本駆使して彼女の中をゆっくりとかき回した。
胎内をこすり、揉み、体の内側と外側からツボを押すように両手で挟みこんでみたり。単純なセックスでは到底得られないような、強く満足感も高い快感。攻めの見た目はそこまで激しくないのに、ニドクインは人間の女性には出せないくらいに低い唸り声をあげてぶるぶると震えてしまっている。
人間の男性にはイチモツの大きさを自慢し、『この巨根があれば女はイチコロだ』などとうそぶく輩もいるが、相手を性的に楽しませるためには、指があれば十分だ。イチモツの大きさで女性を楽しませられるなど思い上がりだと、画面の向こうの男たちに見せつけるように、ソラはニドクインへのもてなしを加速していく。
唸り声をあげて体を振り乱し、緩んだ顔を晒すニドクインの淫らな姿に、ソラのズボンの下で膨らむイチモツがきつくなるのを感じた。だが、監督からまだ挿入の指示は出ていないし、打ち合わせでもまだ挿入の予定はないため、ぐっとこらえてニドクインだけが善がり狂う状況を耐える。
しばらく続けているうちにニドクインも激しすぎる快感にさすがに耐えきれなくなったのか、体を捩ってソラの指から逃れてしまった。ソラはそれを無理に追わず、尻尾を撫でて彼女をいたわると、疲れ、蕩け切った彼女の顔を眺めながら小休止をする。
「よし、いい感じ。私が口出しするまでもなかったな。じゃあソラ君、少し休んだら今度は本番だ」
「了解です!」
ニドクインを休ませる間、ソラは棘のない部分を優しく撫でる。どこまで理解しているかはわからないが、かわいいだとか、とても色っぽいだとか、誉め言葉を次々と投げかけてあげると、ニドクインは嬉しそうに微笑んでくれた。
そうして呼吸を整えたニドクインにオボンのみを食べさせると、体力が回復したおかげもあってか、ソラにやんわりと抱き着いて体をこすりつける。わりと疲れさせたつもりだったソラは、ポケモンの回復力を鑑みても中々強い性欲を持った個体だなと苦笑する。
ソラは監督やカメラマンに合図を出して撮影を再開させる。熱が冷めないうちに二回目をやっておいた方が取れ高もいいだろう。先ほどのように、しばらくは彼女を撫でたり、指でかき回したりと、ニドクインのくすぶっていた熱を呼び覚ます行動を行ったソラだが、ソラが触れ始めて一分もしないうちにニドクインは熱を取り戻した。
あの低い唸り声が聞こえ、再び彼女の胎内は雄を喜ばせる力を取り戻す。少し早いが、ソラは監督にアイコンタクトをとる。
「まぁ、いいだろ。やっちゃえ」
と、監督がGOサインを出したため、今までずっと着衣していたソラはズボンとパンツをゆっくりと脱ぎ去り、膨れ上がっていたイチモツを解放する。雄の匂いが溢れだしたことを感じたニドクインは熱っぽい視線をソラに向けた。その表情は『来て』とでも言いたげだ。
ソラコンドームを着用の後、ニドクインをいたわるように撫でてあげてから、極上の具合となった彼女の割れ目にイチモツを沈める。期待した通りの快感に包まれ、押し寄せる衝動のまま腰を振りたい欲求に逆らいながら、魅せるための性交を始めた。
規則正しく、力強く、常人だったら疲れてしまうような動きを延々と繰り返す。幸か不幸かニドクインは絶倫だ。ニドクインに合わせて射精しなきゃいけない、ということはなく、ニドクイン与えられれば与えられただけ楽しんでくれそうだ。ソラはニドクインよりも、監督の気が済むまでピストン運動を繰り返す。内心、もうそろそろ終わらせたいと思っていても、歯を食いしばって耐えつつ、監督のGOサインが来たときは、やっと肩の力が抜けると思いながら、ニドクインの中で存分に果てた。
ニドクインはといえば、賢者タイム中で一息ついているソラを見て『あら、終わり?』とでも言いたげだ。ニドクイン自身はまだまだいけるらしいが、疲れていることを感じ取ってくれたのか、それ以上求めてくるようなことはなかった。今度は彼女がソラをいたわるように、のっそりと向き直ると、ソラを抱きしめてくれた。
つくづく人懐っこいポケモンに、撮影だけで終わるのがもったいなく感じるソラであった。
「モンモン……ミナサン、オハヨウ、コンニチハコンバンハ」
「はい、というわけで、私の隣にいる私のような何かが、今日の相手となるポケモンでございます! よろしくお願いします!」
「ヨロシクオネガイシマス!」
にこやかに挨拶するインゲン、と、インゲン。一方はメタモンなのだが、その変身は完璧で、服も完璧に再現しているうえに目も点になったりしていないため、喋らなければどちらが本物かわからないほどである。
「まぁ、メタモンの基本的な性質はもはや語るまでもないですね。メタモンは目の前にいるポケモンそっくりに変身し、同じ能力を使用することができるポケモンです。まぁ、生命力だけは擬態できませんけれどねー。
あと、目の前にいるポケモン……と、言いましたが、人間はもちろん石やら家具やらにも変身することができるので、睡眠をとるときにはよく石に変身してる姿を確認されています。
あと、メタモンといえばどんなタマゴグループのポケモンとも卵を作れることも特徴の一つですね。まぁ、伝説のポケモンと呼ばれるような個体数の少ないポケモンにはその法則は当てはまらないのですが……それはあくまで人間の管理下にある状態の話で、野生ではどこかで子供を作っているのかもしれませんね。
さて、そんなメタモンの戦闘面での性能ですが、やばいです。まずメタモンは、相手のポケモンの能力上昇をコピーすることができます。つまり、剣の舞を積んだポケモンに擬態すれば、攻撃力が上がった状態から戦うことが出来て、ドわすれを積んだ状態のポケモンに擬態すれば特防が上がった状態で戦い始めることができます。
とはいえ、それじゃ互角の条件ですので、返り討ちにあうことは少なくありません。ですが、有利な状況で戦う事も可能です。たとえば、威張るを使って相手のポケモンを混乱させつつ攻撃力をあげた状態に擬態しても、メタモンが変身するのは攻撃力が上がっているけれど混乱していない状態のポケモンなんですよ。
あと、麻痺とか火傷状態のポケモンに変身しても、それは反映しないんですよ。何がやばいって、メガシンカしたポケモンに擬態することもできますからね。だから、たとえば威張って混乱させられて、攻撃力も上がった状態に、さらに麻痺させたメガシンカしたポケモンに擬態したら、メタモンはメガシンカした姿で攻撃力が上がったまま電磁波も混乱もなくそのまま大暴れ……なんてことも出来ます。そうなったらもう止める手段はありません……と、言いたいところですが、メタモンは体力が少ないので案外止められちゃうのが悲しいところですね。
以上のように、メタモンというポケモンは無限のポテンシャルを持っています。それこそ、相手が伝説のポケモンを持っていても、その上を行くことが可能なポケモンですので、メタモンを見たらまず自己強化をするのも躊躇ってしまう気持ちになりますね。
メタモンを使って戦うトレーナーの動画はPikatubeにいくらでもありますので、是非参考にしてみてください! 私も、メタモンと戦って痛い目を見た回数は1回や2回じゃないので、敵にすると嫌いなポケモンですが、戦略の考察しがいのある良いポケモンです。
こうやって、鏡代わりに自分の姿を見るのも楽しいですしね。ね、メタモン?」
インゲンは長いポケモンの説明を終えると、隣のメタモンを軽く肘で小突く。
「ネ、メタモン?」
メタモンはインゲンの真似をして喋って見せる。その光景を見て、カメラマンのダイナは推しが二人いるような光景に興奮していたのだが、カメラの向こう側の視聴者は知る由もない事だろう。
「さーて、見ての通り私に擬態したメタモンですが、このままプレイを始めちゃうと、一卵性双生児のレズプレイと変わらないんですよね……いや、その気になれば、私と全く同じ姿でちんちん生やしてもらうことも出来るんですが、そういうマニアックなプレイはあまり求められていなさそうなのが難点で。いやまぁ、もしかしたら普通にポケモンと交わることのほうがよっぽどマニアックかもしれませんがね!
なので、監督との協議の結果、今回はメタモンに一方の性別しか存在しないポケモンをTS*3させるという方向でやってみることになりました。いや、私としてはメタモンそのままの姿でも良かったんですけれどね……こう、最近は男の娘とか流行ってますし、女性的な見た目の……サーナイトとかマスカーニャの雄とかも人気じゃないですか?
なので、雌しか存在しないポケモンの雄の姿で、という方向に固まりまして……はい、それではもう一つのボールを取り出しまして、と」
インゲンは苦笑しながらもう一つのボールを取り出す。そのボールのデザインは、翡翠を思わせる鮮やかな緑色のボール。投げた先に現れたポケモンは全体的にバレリーナのような姿をした、草タイプに見えるポケモンであった。
「えっと、雌だけのポケモンというのは、絶滅種のドレディア、リージョンフォルムです」
原種の、パニエを入れたスカートのように膨らんだ体型とは違い、しゅっとした細身で、レオタードを着用しているように見えるドレディア。目つきは原種と比べてきつい印象のあるつり目で、桃色の花弁と足が美しい。画面の向こうには伝わらないが、その香りは嗅ぐものを鼓舞する力があるそうだ。
「なんでも、かつてシンオウ地方に生息していたのですが、環境の変化で一度は絶滅したそうなのです。しかし、シンオウ地方を開拓したギンガ団という組織の、調査隊や畑作隊の隊員が、毎日気温と天候、風向きなどを記録してくれたおかげで環境の再現が出来て……それで、町の区画一つが収まるような巨大な実験所で生まれたのがこのポケモンです。
このドレディアから産まれるチュリネは普通のチュリネで、研究室の外で育てると普通のドレディアになってしまい、逆に普通のドレディアから生まれてチュリネでも、育てるとこちらの姿になってしまううらしく……この子もその研究の一環で生まれた子です。進化の原理を調べる上ではもう用済みになってしまったので、里親としてエンドウさんが引き取ったんだそうで。すごいコネ持ってますよね。それじゃあ、メタモン、この子の雄に変身してくれるかしら?」
「イイヨー」
メタモンはそう答えて、インゲンの姿の擬態を解いたかと思えば、指示通りにドレディアに変身する。ただし、今回は生殖をする際と同じ、相手の逆の性別に変身させる。
「でぃでぃ……」
「どれどれ?」
変身したメタモンを見て、ドレディアは興味深げに近寄り、顔をまじまじと観察する。彼女は研究室から外に出て間もなく、まだメタモンにもゾロアークにも出会ったことはなく、こうして相手と似た姿に化ける能力を持ったポケモンは未知の存在だ。
「あら、ダメよ、ドレディアちゃん。この子、割と性欲旺盛な子らしいから、迂闊に近づくと卵作られちゃうわ」
「でぃ?」
インゲンにそう言われても、ドレディアはピンと来ていない様子。そもそも、ドレディアは前述のとおり雌しかいない。それだけに、同種にはほとんど警戒心を抱かないのである。雌同士でのレイプなど、野生ではまずありえないことだから。
だが、目の前のドレディアは、メタモンが変身した雄である。無理やり交尾に持ち込むような乱暴な個体ではないが、それでも妙な交流が行われれば今後同種と出会った際、コミュニケーションに支障をきたしかねない。
「ごめんね、今日は貴方の姿を借りるだけだったのよ」
インゲンはそう言ってドレディアをボールに戻し、エンドウへと返却する。
「すみませんね、こんなことに貴重なポケモンを呼んでしまって」
「いえいえ、インゲンさんのAVは私も楽しみにしておりますので」
エンドウはボールを受け取りながらそう言って微笑む。この様子もカメラは捉えていたが、編集で消される可能性は大である。気を取り直してドレディアに変身したメタモンに向き直る。
実物を見ながら変身しているため、顔は本物そっくりで見分けはつきそうにない。小学校低学年ほどの身長しかないドレディアの頭についている花弁に顔を近づけると、良い香りはそのままだった。鼻を近づけ深呼吸をしているとこのまま押し倒してしまいたい気分になる。
原種のドレディアの匂いを嗅ぐと、逆に押し倒されたくなる気分となることを思えば、近縁種であっても正反対の性質になるのは不思議なものだとしみじみ思う。
ともあれ、カメラは今も回り続けている。このメタモンは性欲の旺盛な個体だし、ドレディアの逆の性別に変身したということは、交尾をする気満々ということである。交尾する気満々なメタモンが相手ということは、インゲンの方から何かをする必要もなく、いずれ性欲を発散させようと行動してくるだろう。
しかし、メタモンにされるがまま、というのも悪くはないが、やはり鼓舞する香りで押し倒したい気分になっている以上、インゲンはその衝動に従うことを選んで、ドレディアの葉っぱで出来たてをつまみ、ベッドへと導き、座らせる。
メタモンはドレディアの姿でベッドの端にちょこんと座り、インゲンを見上げて笑う。これから何するのか、期待に満ちたまなざしがとても可愛らしい。そのままさらにメタモンの体を軽く押して、ベッドの真ん中へと案内すると、メタモンはそれに黙って従い、ベッドの上であおむけになった。
引き締まった美脚……恥じらうように閉じた股が煽情的だ。根元は真っ白だが、先端に近づくにつれてうっすら桃色が出て、足首は美しいピンク、つま先は雄蕊のような鮮やかな山吹色。
インゲンは足首から太ももまで、くすぐるような力加減でそっと撫でる。むずがゆそうに足を震わせたが、顔は嬉しそうなのでそのまま続行する。指を一本から二本、三本、四本と増やしながら何度も美しい足を往復させると、本来のドレディアにはついているはずのないものがむくむくと立ち上がる。
ドレディアには雌しかいない。だというのに股間にそそり立つイチモツ。脚と同じように根元は白いが先端に行くにつれてピンクに色づいているため、遠目に見れば花のようだ。実は香りに関しても花のようで、人間や他のポケモンのようなえぐみや悪臭はなく、虫タイプのポケモンに好まれそうだ。
「やー、インゲンさん! その綺麗な雄蕊をフェラしてあげて」
監督が指示を出すので、インゲンはそれに従いそっと、口で咥えてみる。甘い香りと味が口の中一杯に広がる。ドレディアの花から作ったミツハニーの甘い蜜が売れるわけがよくわかる。原種の味と違って少し刺激的。ハーブティーよりもレモンやハチミツと合わせて温かくして飲むととてもあいそうだ。
ドレディアには本来ついているはずもないものだが、イチモツにはきちんと神経も通っており、蜜も分泌する。完璧に機能しているらしい。インゲンが口に咥え、舌と唇でまさぐるたび、その絶妙な力加減にもじもじしながらメタモンは感じているようだ。
そのたびに少しずつにじみ出るカウパー液は、小さいころにツツジの花をとって蜜を味わった記憶がよみがえり、どんどん吸いたくなってくる。口で食むのみならず、手に唾をたっぷりとつけて上下に擦り、メタモンの射精を促していく。そうしてメタモンは限界を迎えたのか、仰向けのまま射精する。
やはり草タイプのポケモンの味はとてもいい。もちろん、草タイプでもポケモンによってはとても味わえたものじゃない種、臭みのある種もいるが、美味しいポケモンはとことん味が良い。他のタイプならば飲むのに躊躇するその味も、まるでメイプルシロップやアガベを薄めたような、さらりとしたのど越し。
色んなポケモンを抱いてきたインゲンではあるが、今までで一番いい味だったかもしれない。一方メタモンは、射精を終えてやり遂げたような顔をして穏やかな息をつき、ベッドにおいてあったオボンの実を食べて体力を回復していた。本来ならばこのまま少し休ませるべきなのだけれど、先ほどからドレディアの香りを嗅ぎ続けた影響だろうか、インゲンは性欲が収まりそうにない。
「監督、気分が乗ってきたのでアドリブ掛けますね」
「やー! インゲンちゃん、やる気じゃない! オッケーよ、存分にやりなさい」
インゲンは監督に許可を取ると、自身の上着に手をかけていく。
「メタモンちゃん、もう終わり?」
インゲンはそう言って、メタモンの前で見る見るうちに裸体を晒す。勃起も収まり、萎えてしまったメタモンはその様子をじっと見ていたが、インゲンが一糸まとわぬ姿になったところで、メタモンはサイコパワーで無理やり抱き起された。
そうして、インゲンが彼に何をさせるのかといえば、逆の奉仕である。ドレディアの顔をしたメタモンを自身の性器へと導き、
「舐めて」
と、半ば命令口調で告げる。メタモンの頭をかるく掴んで導くと、彼は逆らうことなく指示を全うする。真っ白な顔から花弁のような可愛らしい舌。それで、メタモンが奉仕を始める。メタモンもインゲンと同じく百戦錬磨だ。こういうことをさせるとその経験が活きるのか、舌遣いはとてもうまい。
初めて変身したであろうドレディアの体でも、問題なく使いこなしてインゲンを気持ちよくさせている。思わず顔が緩んだり、甘い声を出しそうになるのを堪え、インゲンは平然とした様子を装いながらその奉仕を見下ろす。
監督に言われたわけではないが、今回は終始攻め、女性優位で進めたほうが視聴者のウケもいいだろうと考えての演技である。
そうこうしているうちに、ポケモンの回復力とオボンのみのおかげでメタモンのイチモツは復活していた。
「よし、よく頑張ったね。じゃ、ご褒美」
インゲンはメタモンの頭を撫でる、嬉しそうな表情で見上げるメタモンを再び仰向けにすると、インゲンはメタモンのイチモツにコンドームを着用させると、すっかり準備が出来上がった体で、彼の上にのしかかる。そそり立ったイチモツはインゲンの胎内に吸い込まれた。温かく、甘く、強く、ねっとりとした肉の壁に包まれたメタモンのイチモツは、その心地よさに思わず腰を突き動かしたくなるが、背中を逸らして腰を突き出そうとしても、インゲンはそれを手で制す。
「動いちゃダメ。我慢できない子はダメよ?」
そう言って、インゲンはメタモンの上にまたがりながら、腕を上から押さえつける。困惑するメタモンの気持ちをよそに、インゲンは尻で『の』の字を書くように体をゆすり始めた。人間ごとき、ドレディアに変身したメタモンならば、その気になれば払いのけられなくもないが。しかし相手はサイキッカー。草・格闘タイプの姿では少々分が悪いし、インゲンの威圧感もすごいせいか、メタモンは自発的に動くことが出来なかった。
そうして黙っていても送られてくる刺激に、下半身の快感はどんどん強まっていく。先ほど口で抜いてもらったときもそうだが、メタモンはされるがままだ。耐え切れずに彼女の中に本日二回目の射精をしてしまう。強い快感に思わず歯を食いしばり、足を震わせてメタモンはその至福の瞬間を味わう……が。射精によるイチモツの痙攣が収まり、メタモンの気分も急速に落ち込んだというのに、それでもインゲンは体をゆするのをやめない。射精させられたばかりで、触られるとくすぐったくてたまらないイチモツをなおも刺激されて、メタモンは嫌そうに体を捩ったが、インゲンのサイコパワーがそうはさせなかった。
くすぐったさに身を捩るメタモンと、それを押さえつけるインゲン。メタモンの惨めで滑稽な姿に、M男性は共感し、Sな攻め側はご満悦だ。そうして、彼女の中でイチモツが完全に萎えるまで、無理やりな攻めは続いた。押さえつけるために体力とサイコパワーを使ってすっかり汗をかいたインゲンは、やり遂げた仕事に満足しながらため息をつく。
「メタモン……前からバトルで使ってみたかったのよね。実戦の時はよろしくね」
押さえつけられたまま暴れようとして、クタクタになったメタモンは、ドレディアの変身を解いて紫のいつもの姿に戻っていた。その光景をカメラに押さえると、監督は今回の撮影も成功したことを確信するのであった。
いつものように、ベッドのふちに座った状態から撮影が始まる。
「えー、監督やプロデューサーとの協議の結果だが、今回企画するダブルバトルでは、レンタルポケモンは最低でも3匹以上入れるようにというルールで最終的に決まった。つまり、今まではエンドウさんからのレンタルポケモンを入れて来たが、ここから先は俺のポケモンとセックスすることで、ダブルバトルに俺のポケモンを参加させようと思う。俺のポケモンとセックスするところを見てみたいってファンの声も今まで度々もらっていたからな。一番の相棒のジャローダを除けば、セックスの映像は初公開することになる。
で、今回紹介するのは……俺がメインで使用しているパーティーの1人、ウーラオスだ! あいつとの出会い、いつだったかPikatubeの放送で話した通り。俺が山で修行中に、ボロボロになっていたダクマを発見したんだ。傷からして、無謀にもバンギラスに挑んで返り討ちに遭った感じでしてね。
持っていたヒールボールでその子を捕まえて、応急処置をした後沢山木の実を食べさせていたら、懐かれてそのまま正式に俺のポケモンになった……という経緯だ。ウーラオスはとても珍しいポケモンだ。その進化前であるダクマを見つけられたのは本当に偶然としか言いようがない幸運で、ボロボロで死にかけた彼女を見たときは、大きな声では言えないけれど少し心が踊ったりもしたもんだ。
……だが、まぁ。俺としちゃ、あいつと出会うのは運命だったと思ってるぜ? 格闘タイプなだけあって好戦的で喧嘩好きで、鍛錬好き。そしてプライドは高く意志の強いポケモンだけあって、弱いトレーナーの命令なんて聞いちゃくれない。その辺のトレーナーじゃ、たとえ同じようにダクマを捕まえたとしても、ウーラオスに進化したころには手が付けられなくなるか、もしくは進化させるまで手放さずにいることすら難しかったろうな。俺はまぁ、散々見せた通り、ポケモンと殴りあえるだけのフィジカルがある。
そんな俺だから、ダクマだった彼女も、俺の背中を目指して鍛え、やがて連撃の型に進化して肩を並べ、そして俺を追い越して、山の無法者のバンギラスを1人で倒すまでに成長した……まぁ、格闘タイプとバンギラスじゃ相性がいいから当然なんだけれどな」
ソラは昔を懐かしみながら苦笑する。
「そんなウーラオスの特徴だが、何と言っても『守る』ことで時間を稼いだりするような消極的な相手を許さない、不可視の拳という特性だ。あまりに速すぎる上に、視線を誘導しつつ攻撃することで、見えない拳を作り出す。ギルガルドやドヒドイデ、ブリガロンといった堅い守りを持つポケモンの技すら無効化して拳を強引に届かせる。
そして、その特性に加えて専用技もえげつない。ウーラオスには二つの型があるが、連撃の型は水流連打、そして一撃の型は暗黒強打。どっちも、必ず急所にあたる……というか、当たった場所が全て急所になる技だ。
つまり、鉄壁やバリアーといった技を積んでいようと、守りに徹しようと、甘えて攻撃力を下げようと、ウーラオスはそれらをすべて打ち砕いでぶちのめす。文句なしに強力で凶悪なポケモンだ。
ま、凶悪と言ってもだ。基本的に弱い相手には、よほど刺激したりしない限りは捕食以外じゃ手を出すことはない温厚なポケモンだ。腹が減っている時に出会ったら弱いポケモンでも容赦なく胃袋へ招待されちまうけれどな。あ、優しいとはいっても、ダメな主人に従うような『甘さ』はないぞ? だから、普通のトレーナーには従わないと思う。
さて、こいつ特有の技以外に関しては……正直格闘タイプとしては普通だな! ビルドアップや剣の舞、鉄壁などで能力を底上げすることができ、いわゆる三色パンチなんて呼ばれる炎、雷、冷凍パンチも覚える。思念の頭突きにボディプレスも使えるなど全身が凶器なポケモンだ。そのまま殴っても強いし、強化して殴ってももちろん強い……けれど、特性と専用技以外は本当に普通だから、あんまり解説のしようがない。
ただ、連撃の型は悪タイプの技を全然覚えないのがネックだな。地獄突きとか、噛み砕くとか、シャドーパンチでも覚えてくれればエスパータイプへのけん制も出来るんだが……そこまで望むのは贅沢ってもんか。
消極的な戦い方を許さない、敵の戦法をぶっ壊す破壊力。それがこのポケモンの魅力だ。さぁて、実際に対面と行こうじゃないか」
解説を終えたソラは、早速桃色のボールからウーラオスを繰り出す。
「ベアクア!」
「紹介しよう。これが俺のウーラオス、名前はウルサだ。見ろよこの逞しい胸板、むっちむちの太もも。男でも女でも魅力的だな。それにこの前掛けみたいな股間の体毛も、スカートのようにめくりたくなる欲求を搔き立てる。強さについては解説したとおりだが、この見た目も一級品のポケモンだな」
ソラはウーラオスの尻を撫でながら、自分のポケモンをカメラに向かって自慢する。ウーラオスはソラと何年も連れ添ったポケモンだけあって、どこを触られても彼女は気にするどころか嬉しそうだ。
「えっと、多分この辺に編集さんがいれてくれると思うけれど、こいつとはPikatubeで何度も戦っているところを見せている。今日も事前に戦ってコテンパンにやられた後で……タブンネに治療してもらってから撮影に臨んでいる」
ソラは何もない場所を指さしながら編集の仕事を増やす。ウーラオスとは本当に何度も戦っているのだが、そのたびに負け続けているのが彼の日常だ。ウーラオスに進化してからしばらくの間は彼女よりも強かったのだが、それも今は昔の話。
しかしながら、すっかりソラより強くなった今でも、ウーラオスは彼への尊敬も恩も忘れておらず、彼の前では険しい顔も忘れてしまうほどだ。
「それじゃ、始めよう。おいで、ウルサ」
ボールから出された直後は仁王立ちで佇みながら口を結んでいたが、おいでと呼ばれると嬉しそうにソラの隣に座り、じゃれつき始めた。肩に抱き着き甘えるさまは、まるで子犬系のポケモンのようだが、体格に関して言えば逞しいソラよりもさらに一回り、縦にも横にも逞しい。
丸太のような太ももと腕に首。鋼よりも固い拳に、岩盤のような胸板。先ほどソラが言ったように、全身が凶器なポケモンだが、見方を変えればどこもむっちむちで肉付きがいい。ウーラオスに甘えられるのもそこそこに、ソラは彼女をベッドに寝かせると、固くこわばった筋肉に指圧でマッサージをしていく。
先ほども言った通り、二人は戦ったりトレーニングをした後で、撮影前だというのに少し疲れた状態だ。その疲れを溶かし、ほぐし、癒すように指圧と手もみと、ストレッチを繰り返してやる。
ウーラオスはポケモンバトルの最中に撮影されるのは慣れたことなので、カメラマンや監督などに警戒することはない。だが、いま彼女が見せているのは、いつものバトル前の険しくもりりしい表情ではなく、緩み切った表情で、涎まで垂らしている。今までカメラでとらえたことの無いような彼女の表情に、カメラマンのレンズは撮影しながら魅入ってしまう。
筋肉をほぐし、腱を伸ばし、関節の歪みを直し、30分かけてストレッチを見せつけている間に、ウーラオスは安心しきって眠ってしまった。すっかり目を閉じ熟睡している彼女の背中を眺めながら、ソラは彼女の尻を執拗に撫でる。ウーラオスはかすかに意識を取り戻し、うとうとしたまま尻への愛撫を受け入れていたが、ソラは今回はあまり我慢せずに、そのまま股の間に手を伸ばし、彼女の割れ目をくすぐり始める。
普段は前掛けのような体毛に隠され、誰にも触れられることがないため、軽く触れられただけでもそのまま寝続けるには刺激が強い。何かの間違いですぐに手を離したのならば、ウーラオスもそのまま眠り続けることが出来たろうが、ソラはしつこく触り続けるだけじゃなく、肉をつまんだり、毛を引っ張ったり、意地悪な方法で彼女を刺激するものだから、ウーラオスも眠っていられなくなった。
彼女は寝返りを打つと、ソラをその太くたくましい腕で抱きしめる。胸板に押し付けられると、マッサージとストレッチで血行が良くなり、体温も上がったことで彼女の香りが肺一杯に蓄えられる。食べている食事もいいものになったおかげか、獣臭さはかなり抑えられ、代わりに石鹸のいい匂いがする。
「いやぁ、いい匂いだ。それに、これはちょっと音声さんでも難しいと思うけれど、鼓動の音が直に感じられてすごく心地いい。録音できる聴診器でもあればよかったかもな」
ソラは抱きしめられた感想を述べながら彼女の広い体を存分に撫でる。ウーラオスは抱きしめて主人を独占し、主人の愛撫を独占し、ご満悦の様子。抱きしめられ、彼女に温められ続けたソラは、段々と気分も盛り上がってきたのか彼女の抱擁を振りほどくと、服を全て脱ぎ始める。
待ってましたとばかりにウーラオスはソラを押し倒すと、喰われるんじゃないかと思うほどに乱暴な口づけ、というよりは甘噛みをする。鋭い牙で傷つけないよう、しかし自分の所有物だと刻みつけるように確実に、念入りに、ソラを唾液まみれにマーキングする。
スイッチの入った彼女は何ともまぁ荒々しいもので、発情期でもないというのに童貞の男子を脳裏に思浮かべるほど積極的だ。主人のソラのほうがたじたじになるほど。
そんな乱暴なウーラオスの求愛行動を身に受けながら、ソラは足で彼女の秘所を愛撫する。押しつぶされたうえに乱暴に抱きしめられている今、大きな体に手は届かないためにそうするしかないのだけれど、足で愛撫されるこれがなかなか気持ちいいのか、ウーラオスは時折足を震わせ、腰が抜けてしまっている。
ついに立っていられなくなったのか、ウーラオスは完全にソラに体重を預け、頬ずりをし始めた。彼女がヘタレたところで、攻守交代だ。ウーラオスの巨体を持ち上げ、マウントポジションで見下ろしてから、キスをお返ししてやる。鋭い牙の並んだ口に舌を突っ込んでやれば、ウーラオスは分厚い舌でそれを出迎えた。
大量の唾液を交換し合い、熱い口づけを終えたら、今度は下の口に挨拶だ。仰向けの彼女の割れた腹筋にまたがったまま、開かれたまたの間にある前掛けのような体毛をめくり、すっかり蒸れあがった彼女の割れ目に指を突き入れた。
温かく充血した彼女の粘膜はもうすっかり濡れている。体格が大きいこともあり、もう挿入したところで問題なさそうなくらいだが、そこは視聴者を楽しませるためにも、焦らしは必要だ。
指でねちっこく、ゆっくりと彼女の中をかき回し、時には外側からも下腹部を押して、ツボを刺激したり。彼女が『気持ちいい』などと言葉にすることはないが、時折唸り声を上げたり、足の指をこすりあわせたりしているのが、快感に酔いしれている証拠だ。
その証拠を楽しみながら、ソラは彼女の体の上から降りると、秘所をまさぐる手は止めないままに彼女の胸板を撫で、頬ずりをする。そんなソラを、幼子を褒めるような手つきでウーラオスが頭を撫でる。胸の上下が激しくなっているあたり、運動しているわけでもないのに興奮が高まっていることは明らかだ。
頬ずりのついでに心臓の音を確かめてみれば、五月蠅いくらいに高鳴る鼓動。そろそろいい頃だろうと、監督のほうをちらりと見ると、監督はソラにゴーサインを出した。
監督からゴーサインをいただいたソラはコンドームを着用の後、ウーラオスに口づけをしてから、彼女を正常位で犯し始めた。淫靡に濡れ、熟れた接合部も、とろけ切った彼女の表情も余すことなく見ることができる視点で、ひたすらに彼女のことを攻め立てる。彼女の鼓動を確かめるように右手を胸板に置くソラと、その右手にすがるように自身の手を添えるウーラオス。撮影されているにもかかわらず、バリアでも張ったように二人の空間を作り上げられ、その近寄りがたい雰囲気の中、カメラマンのレンズは申し訳なさそうに、二人を邪魔しないように位置取りを変え、最適な角度、最適な画角で二人の情事をカメラに収めていく。
「あぁ、やっぱりお前はかわいいな。最高だ」
甘い言葉を囁くと、ウーラオスは無邪気に頷き笑う。わざとらしい喘ぎ声は上げないが、時折漏れる低い唸り声はソラの愛情が届いている証拠。人間のAVに慣れた者には、ウーラオスの喘ぎ声は恐ろしい唸り声にしか聞こえないが、ソラの演じるAVに慣れた者にとっては、この唸り声も興奮のためのスパイスだ。
ソラの余った左手は下腹部を押したり、秘所周りをなぞったり摘まんだり、ウーラオスを楽しませるために神経を注いでおり、カメラはその様子もきっちりと捉えていく。
そうこうしているうちに、ウーラオスが先にイッてしまった。足を痙攣させ、顎を反らし、背中をこわばらせる。彼女の秘所はソラのイチモツをぎゅうぎゅうに締め付けているのだけれど、映像からはそれが伝わらないのは残念なところだ。
その反応のエロさ、そして締め付けが強くなったことによる物理的な要因で、ソラも彼女に一歩遅れて搾り取られてしまう。自然と腰の動きは止まり、大きなため息とともに精液を吐き出すと、静寂が訪れた。
まだ快感の余韻に浸っているウーラオスを見下ろしながら、ソラは彼女の頬を撫でるウーラオスは微笑んで両手を広げて、「飛び込んできて」とジェスチャーをするので、ソラは遠慮なく彼女の大きな胸板に飛び込んで目を閉じた。
その日は、ベッドではなく、大人が足を伸ばしてもお互いの足が触れないくらいに広く、大きなお風呂の中で撮影を開始する。インゲンも露出度の高いビキニを着用しており、たとえ今から何のポケモンが出てくるかを知らなくとも、水タイプのポケモンが出てくることはなんとなく想像できる開始状態だ。
「はい、今日は趣向を変えて、ベッドではなくお風呂での撮影になります。恐らく後々完成するAVのパッケージでわかるとは思うんですが、この企画で自分のポケモンをバトルに入れたくなりまして……それで、プロデューサーや監督と話し合って、自分のポケモンは3体までバトルに使っていいことになったんですよね。ですので、ここから先はレンタルポケモンではなく、私のポケモンとのセックスを皆様に公開しちゃいます。まず最初は、ヤドキングです」
インゲンは言いながら、水をサイコパワーで拾い上げて空中に浮かせる。水を使った撮影であることをアピールするためであろうが、その行動に特に意味はなさそうだ。
「さて、ヤドキングというポケモンですが、このポケモンは間抜けポケモンだなんて呼ばれていたヤドンのころから一変して、とっても賢いポケモンに進化しています。なんでも、頭に噛みついているシェルダーの毒が、ヤドン頭を活性化させているおかげだとか。
普通に喋って人間と意思疎通ができる個体もいるって言うんだから驚きですよね。そんなヤドキングはサポーターとしても、アタッカーとしてもなかなかの力を持ちます。
まずはサポーターとしてなのですが、鈍感の特性を持つがゆえに挑発や威嚇を効かなくする特性が有能です。まぁ、ヤドキングに威嚇はあんまり意味ないんですけれどね。でも、挑発を受けて止まらないサポーターというのはそれだけでポイント高いですね。
そしてもう一つは再生力。この特性は、ボールの中にひっこめるときに体力を回復する特性なのですが、入れ替え戦には有利ですし、ヤドキング専用の技、寒いギャグとの相性も良好です。
最後に、マイペースの特性ですが、これは混乱や威嚇を無効にします。そのおかげでヤドキングに威張る事で攻撃力を上げつつ、混乱しないという味方のサポートがあれば、物理アタッカーにもなれちゃうんです。威張るで攻撃力を上げれば、ヤドキングの貧弱な攻撃力でもそこそこの威力になりますし、そうなると威嚇で攻撃力が下がらないのはとってもいいですね。
まぁ、ヤドキングでマイペース威張るの戦略をやるくらいなら、ブニャットとかデカヌチャンでやったほうがよっぽどいいと思いますけれど、意外性を突くってのも戦略では常套手段ですよね。相手の意表を突くのが好きならやってみてもいいと思います。
そして、肝心の補助技ですが、エスパータイプだけあってやれることは豊富です。あくび、癒しの波導、寒いギャグ、リフレクターに光の壁、電磁波にスキルスワップ、より取り見取りです。そうそう、このポケモン自身も『いばる』を使えるので、先ほどのように味方を強化するのもいいかもです。あとは攻撃技だけれど、冷や水なんかもサポーターとして悪くないです。
シングルバトルならどわすれや瞑想をして、要塞となってからアシストパワーで相手を木っ端みじんに吹っ飛ばすのもいいですね。パルデアなんかでは、瞑想してからのアシストパワーにより、テラスタルレイドでアタッカーとしての需要もあるそうなんですよ。
さぁ、そんなヤドキングの戦いの魅力を語ったところで、実際に対面してみましょう」
インゲンはダイブボールをサイコパワーで引き寄せると、改めてそのボールを投げてヤドキングを繰り出す。ヤドンのものとは打って変わって、間の抜けていない顔となったヤドキングがお風呂の中にざぶんと入り、水しぶきを立てる。それがカメラや服にかからないよう、簡易的なバリアを張って、何事もなかったかのようにインゲンは続ける。
「さて、困ったことにこの子の特性なんですが……私の戦いを見ている人ならわかるように、『鈍感』の特性なんですよね。戦闘中に誘惑してもメロメロにしても通用しないのですが、戦闘中じゃなくてもそんなに誘惑が通じないんですよ。ですから、そんな時は特性を変えてしまいましょう。普段は自分の適当なポケモンとスキルスワップするんですが、今回は撮影を盛り上げるためにちょっと別のポケモンにお邪魔してもらいます」
インゲンはモンスターボールを手に取ると、中のポケモンを繰り出す。
「えーと、この子はエンドウさんからの借り物のポケモンなんですが、エネコロロですね。特性はメロメロボディです。濡れるのは嫌いなので、お風呂の外に出しまして、そしてスキルスワップをしてもらいます」
残念ながら、このエネコロロは今回は撮影の補助にちょっと使うくらいである。目当ての特性をヤドキングがスキルスワップしたら、早々に役目を終えて、ボールの中に戻されスタッフに回収されてしまった。
ともあれ、これでヤドキングはメロメロボディになったわけだ。
「見てください、メロメロボディをスキルスワップしたあのヤドキングを。スタッフのカメラに上目遣いで誘惑してます。まぁ、雄なんですけれど! そして、彼女の貝殻から粘液が漏れ出ています。あ、彼女って頭に噛みついているシェルダーのことですよ? ラブラブカップルですね、はい。
ヤドキング本体のもじもじとした恥じらうような顔、無知なショタを思わせるあざといポーズ……女として、ちょっとそそります。まぁ、無知どころかヤドキングはセックスの事なんて知り尽くしてますけれどね?
さて、カメラの向こうの皆さんには伝わらないでしょうが、今のヤドランはとても魅力的なオーラと、カメラではとらえられない発情を促す催眠波、そしてメスを引き寄せる匂いを放っています。さすがのメロメロボディ、この場にいる女は私だけだから、スタッフには通じないと思うと、ちょっともったいない気分です。
こんな言い方もなんですけれど、メロメロボディのポケモンを独り占めするのってもったいないと私思うんですよね……うふふ。画面の向こうに伝わらないのは本当にもったいないので、皆さんももし機会があったら……なんて、難しいことは分かっていますけれどね。
メロメロボディの子を抱くのは、本当にいい経験になるので、機会を作ってみたほうがいいと思います」
インゲンは勝ち誇ったような笑みを浮かべ、ヤドキングに抱き着く。ヤドキングはそんなインゲンを、大事そうに抱きしめる。大きなヤドキングに抱きしめられながら、インゲンは彼の口をキスでふさいだ。そうでもしないと、この距離で寒いギャグを飛ばしてくることがあるので、場が凍りかねないか心配だからである。
「布団が吹っ飛んだ」とか、「隣の家に囲いが出来たってねぇ、かっこいい!」とか、どこで覚えたかもわからないギャグを飛ばされるので、聞かされるこっちはたまったものじゃない。
ただ、ヤドキングも口づけをしている間は何もしゃべらないし、脳を近づけることで主人が何を欲しているのかを察して、応じるように熱い口づけをしてくれるため、キスというのは実に効率的だった。今日はメロメロボディの影響もあってか、口づけはいつも以上にテクニシャンだ。サイキッカー同士の口づけなので、何をすると一番喜ぶかを探り探りでアップデートしていくため、最初はつたなかった彼の技術はどんどん上がり、今や彼のテクは他のポケモンとは比べ物にならない。
インゲンは口の中から溶かされそうなほど、甘いキスに翻弄させられる。眠いわけでもないのに目がトロンとまどろんだような表情となり、主導権はどちらかというとヤドキングに握られてしまう形になる。
すっかり骨抜きにされたインゲンが口を離すと、ヤドキングは彼女を抱きしめたまま、耳に内緒話を囁く。
「たのしい? だいすきだよ、ごしゅじん」
このヤドキングはカタコトながら人間の言葉を話すことができる。インゲンは特攻を下げられながら、その甘い甘い内緒話に耳が幸せになっていった。油断しているところに耳を舐められ、インゲンが怯んだところに、ヤドキングはサイコパワーで水着のホックを外して、インゲンを脱がしてしまう。
賢いポケモンだけあって、服の脱がし方もきちんと心得ているわけだ。まだブラを脱がされただけで、下半身部分こそあらわになっていないが、突然胸をさらけ出されてインゲンも困惑する。ヤドキングとは、何度も体を重ねている。それだけに、今まで彼がここまで積極的になったことはなく、困惑してしまう。今日のヤドキングは今までとはまるで性格が違うようだ。
もしかしたらそれは、インゲンがメロメロボディに当てられて興奮している状況に合わせてくれているからなのかもしれない。ヤドキングは賢いポケモンだ、主人がいつも以上に発情したら、それに合わせて積極的に行動するくらいのことはするかもしれない。
そう考察はしてみたインゲンだが、今のこの状況をどうにかできるはずもなく、メロメロボディによる興奮は収まるどころか、インゲンをさらに熱く昂らせてしまう。
先日、クエスパトラに対してインゲンがやったような、気付かれないほど少しずつ性的興奮を頭に刷り込むという方法を、計らずもヤドキングがやってしまったというわけだ。
もう止めることはできなかった。抱擁を解かれ、風呂に浮かべられたインゲンは顔が熱く茹ったように赤くなり、とろんとした目でヤドキングを見上げたまま。抵抗する気力を削がれたインゲンは、ヤドキングにされるがままの状態になってしまう。丸っこい手で触れられるたびに幸せがあふれ出し、体が喜びに打ち震える。ヤドキングのイチモツはすでにギンギンに張りつめているが、賢い彼は理性的で、インゲンに襲い掛かるようなことはせずに、彼女の体をいたわるように愛撫をする。
監督がインゲンに指示を下すも、インゲンは頭がぼうっとしてあまり聞こえていないようだ。戦闘中のポケモンですら骨抜きにされてしまうメロメロボディだ、匂いなどに鈍感な人間でも、長くその魔性に当てられてしまえば、骨抜きになってしまうのは同じである。
あれよあれよという間に、インゲンは下の水着まで奪われ裸体をカメラの前に晒すことになる。カメラがどんなものか理解しているのか、ヤドキングはサイコパワーでインゲンを浮かせると、見せつけるように彼女の秘所に指を入れ、綺麗に陰毛を剃られた彼女の下半身を弄り倒した。
インゲンの下半身はすでにとろけ切り、太いヤドキングの指も難なく受け入れてしまう。そこから流れ落ちる液体は、水タイプのヤドキングが出したものか、それとも彼女自身のものか。ヤドキングは頭を指でなぞり、シェルダーの毒を少量掬い取ると、それをインゲンの粘膜に刷り込んだ。
毒、といえばネガティブなイメージがわくが、毒も少量ならば薬、薬も多量ならば毒とは言ったものだ。その毒は意識をはっきりさせ、脳を活性化させる力もある。適切に少量の毒を盛られたインゲンは、さらに脳がすっきりと目覚め、体が敏感となり、ヤドキングの攻めでイッてしまった。
全身を震わせるほどの快感で意識が朦朧としたところで、ヤドキングはさすがに攻めるのを止めた。少しは休ませないと、ご主人が傷ついてしまうと自制心を働かせたようだ。癒しの波導を全身にかけてあげて、インゲンの体力を回復させている。
ただ、インゲンの激しかった呼吸が少し落ち着いてきたとみるや、ヤドキングは監督のほうを得意げに一瞥したかと思うと、インゲンとの交尾を始めた。
まだコンドームを着けていない。理性ではそう言って止めるべきだとわかっているインゲンだが、メロメロボディに当てられた彼女は、その言葉を飲み込み、彼に生で抱かれたい、などと思ってしまう。本能まで深く犯されたインゲンはヤドキングに抱かれる幸せをただただ享受し続けるメスとなりさがる。
こんなインゲン見たことない。それだけにカメラマンのダイナも、監督のササゲも困惑してしまうが、これはこれで新鮮で面白い。当初の構想からは大きく外れ、全編アドリブみたいな状況になってしまっているが、新しい扉を一つ開いたかもしれない。
ヤドキングは人間のそれよりもはるかにゆっくり、スローペースな腰使いでインゲンを犯していた。ヤドンの進化系らしいじれったいくらいのその動きだが、インゲンはしっかりと気持ちよくなって、あまい視線でヤドキングを見上げ続ける。
フィナーレは、ヤドキングがインゲンと結合してから十分ほど経ってからの事。ゆっくりと動いていたヤドキングが少しばかり加速したと思ったら、数秒後にはぴたりと止まって、気持ちよさそうに口をぽかんと開けていた。
穏やかな攻めでも、先ほどの媚毒のおかげで、インゲンは激しい快感に常に体を振るわせており、疲れきっている。交尾を終えたヤドキングは、そんなインゲンをいたわるように抱きかかえると、その腕の中で癒しの波導で彼女を包み込むのであった。
今日は、いつもの撮影とは装いが違い、ソラは汗で黄ばんだシャツとトランクスという、いくら撮影の季節が夏とはいえ、みっともない恰好で撮影が始まる。
「えーと……今回はだな、今までとは趣向の違う撮影をする。いや、監督やプロデューサーには止められたんだけれどな、俺はどうしても出したいポケモンがいるから、と。いや、監督にはな、『二つの顎を持つ、フェアリータイプのポケモンと撮影したい』って事前に話したら、ちゃんと許可をもらったんだけれどな―……なぜか*4実物を見たら突然反対しだしてしまって、困ったもんだぜ。
だから、俺は監督を説得したんだ。こう、抱きしめるように説得して、そしたらその、首を縦に振ったので、許可が出たということで、撮影を開始したんだ。
まぁ、その後監督はお疲れなのか、眠ってしまっているので、今回の撮影は監督無しで、音声とカメラマンと照明などの、スタッフだけで行くことになる! だが、ベテランスタッフぞろいだから大丈夫だ!」
ソラは何やら不穏なことを口走りつつ、撮影の開始をカメラの前で宣言する。彼の言う説得とは、実を言うとチョークスリーパーという、いわゆる首締めの一種なのである。それを説得というかどうかはさておき、監督が首を縦に振ったのと、気絶しているのは本当だ。
スタッフも引いていたが、唯一カメラマンのレンズだけはノリノリで「さすがソラさんです! AV男優としても、トレーナーとしても妥協しない! 一生ついていきます!」とのこと。
「さて、視聴者の皆様にはわからないだろうが、今の俺はとても臭い! 少し離れているカメラマンや照明さんですらわかるくらいには臭い。俺自身も臭くて鼻がおかしくなりそうだ。
それに、食べるものにもこだわったもんでな……ニンニクとかタマネギとか、ユリ科の植物をたくさん食べててね。その状態で汗をかいたシャツやパンツを洗いもせずにいるので、まぁ、こんな状態で人に会えないな。カードゲームショップにも行けねぇ。
なんでかって、このAVを購入した人にはわかっている事だろうが、今日紹介するポケモンがマタドガスだからなんだよなー……緑と黒い色の、毒・フェアリータイプの子だ。
このポケモンは、浮遊の特性が強い。毒タイプのポケモンといえば、地面タイプの攻撃に弱いわけだが、しかしながらマタドガスはその弱点を無効化できる。それは紫色の原種も、この緑の亜種も変わらない。
しかし、マタドガスはもう一つの特性も強力だ。その特性の名前は、化学変化ガス。このポケモンが場に出ているだけで、他のポケモンは特性を無効化されてしまう。どういうことかと言えば、たとえばガオガエンの威嚇は発動しない。メガミミロップのノーマルや格闘技は通常通りゴーストタイプに当たらなくなる。ニドクインの技は威力が下がるし、命の珠のデメリットも無視できない。ウーラオスの技は守るを突破できないというわけだ。
味方の特性を封じてしまうのはデメリットだが、メリットはもちろん相手の特性を封じてしまうこと。対戦相手がどんなポケモンを使ってくるのか、今の時点では俺は知らないわけだが……見せあいバトルで嫌な特性を持ったポケモンが来たら、存分に使わせてもらうわけだ。逆に俺がジャローダに使われたら発狂ものだがな!
そして、特性が消えるということは、デメリットのある特性も消せるということだ。たとえばそれはケッキングだったり、アーケルスだったり……マイナスな特性を持っているポケモンは多くないが、マタドガスとケッキングを組み合わせるトレーナーは少なくない。
技に関してだが、毒タイプらしくクリアスモッグは使えるしアシッドボムなんかも強力。特殊技が得意なニドクインと組ませれば、攻撃を食らって立って居られる奴はいないだろうな……鋼タイプ以外!
メインウェポンはワンダースチームとマジカルシャインなどのフェアリーわざと、ヘドロ爆弾などが採用されやすいが、マタドガスはあんまり攻撃力の高いポケモンじゃないもんでな。それに物理も特殊もそんなに変わらないくらいの性能だから、アタッカーとして使うならどちらでもいいかもしれない。
ただ、アシッドボムがある分特殊に軍配は上がるかな? って感じだ。特殊技なら炎タイプや電気タイプの技も使えるから、サブウエポンも最低限は揃っていると言っていいだろう。
まぁ、でもこいつはアタッカーとしてよりはサポーターとして立ち回ったほうがいいんじゃないかな? 置き土産や大爆発で自己退場も出来るし、クリアスモッグも相手の詰み技を無効化する手段として優秀、アシッドボムも攻撃技というよりは補助技に近い。毒びしなんかも使えるし、しかもそれが浮遊の特性を持つポケモンにも効いちゃうんだから笑いが止まらないな。
そうそう、あのサーフゴーですらこいつの前では状態異常にさせられるぜ。毒にはできないけれどな。戦線を崩壊させるためにあらゆる嫌がらせが出来るという点では、今の悪臭に塗れた俺くらい、嫌なポケモンと言えるな。ははは」
ソラは自身の悪臭を自嘲しながら続ける。
「そうそう、これは戦闘の性能とは関係ないんだが、実はこのマタドガスが吐き出すガスは無害どころか、綺麗な空気なんだ。口周りに溜まっている靄のようなガスは吸い込んだら即病院行きだが、頭の上の煙突のような、シルクハットのような部分から吐かれるガスは、浄化されている。
だから、そろそろそいつを出して、俺のこの激烈な悪臭を吸収してもらわないと……スタッフが吐いちまう。と、いうわけで出てこい!」
そう言ってソラはハイパーボールからマタドガスを繰り出した。と、同時に灰皿の上にタバコを置いて、それに点火する。たちまち白煙が立ち上り、マタドガスは嬉しそうにそれを吸いに行った。
緑のマタドガスは本体だけで1.2メートル。煙突のような部分も含めれば3メートルと、非常に大きい。ポケモンは小さくなる分にはある程度サイズをコントロール出来るため、現在そうしてもらっている。
「こいつの名前はニコルっていってな、性別は雄。ガラル地方のエンジンシティスタジアムで出会ったんだ。喫煙スペースの上でぷかぷか浮きながら、フィルターを通していないタバコの副流煙を吸っていてな。エンジンシティといえば工業が盛んな街だもんで、昔は空気が汚れて、マタドガスが大量発生していたんだが……今じゃ環境への意識が高まってすっかりマタドガスが好む汚い空気はなくなってしまったんだ。
野生でこいつが生息する場所は、沼地などで汚泥からメタンガスが発生するような場所だけになっちまっている。そんな時代に、野生のポケモンが街に迷い込んだ形だったんだが、タバコを吸っている人間に近寄ってはその煙を吸う姿が観光客に人気になってたんだが、口周りの靄を誤って吸ってしまって、病院おくりになる観光客が後を絶たなくてな。喫煙スペースの看板には5ヶ国語で注意を書いているってのに、説明を読まない奴は本当に読まなくてなぁ……まぁ、それで俺が引き取る形でゲットした、というわけだ。
今でもこいつはタバコ好きでね、特にタールやニコチンが多い、体に悪い奴のほうが好きなんだ。今吸わせている奴は、タバコ会社が悪ふざけで作ったポケモン用の代物で、たった一本のタバコにタールが70㎎も含まれているんだと。やべえもん吸ってるなぁ。
でも、以外と売れているらしい。色んな需要があるもんなんだな。さて……ポケモンの説明も終わったところで、そろそろ始めるか。ニコル、来いよ」
ソラがマタドガスに声をかけると、マタドガスはソラの胸へと飛び込んでくる。他のポケモンにとっては悪臭であろう現在のソラだが、マタドガスにとってそれはむしろご褒美。深呼吸してそれを味わっている。
腕をいっぱいに広げて抱きしめる間、ソラは緑の靄を吸わないように細心の注意を払いながらマタドガスの下半身にある、ドクロマークのような模様を撫でる。Xの字に交差する模様の下にマタドガスの性器はある。これは雌も雄も同じで、撫でることで交尾の準備が整うのは、他のポケモンと変わらない。
雄なので、撫でてやればにょきりと、どす黒いイチモツが顔を出す。そのイチモツに直接触れるのはまだあとだ。相手がマタドガスであろうと、ソラは手を抜かない。画面の向こう側の視聴者が楽しめるよう、時間をかけて撮影を続けるのだ。
手始めにマタドガスを勃起させたソラは、抱いているうちにすっかりと大きくなった自身のイチモツをマタドガスの前に差し出す。マタドガスはしばらくそれをじっと見ていたが、入浴もせず、垢も落とさず、蒸れやすい場所であるため雑菌も繁殖し放題。そんな思わず顔をしかめるような悪臭を放つ物体を目にして、二つあるマタドガスの顔は我先にと飛びついた。
ソラは事前に、「ダブルフェラとかエロいだろ!? それを二つの顎を持つポケモンにやってもらおうと思っていて」と監督に話を通していて、監督も『それはいいな』と頷いていた。マタドガスは監督が思い描いていたポケモンではないようだが、それでもダブルフェラがエロイことには依然変わりないのである。誰が何と言おうと変わりないのである。
カメラマンのレンズも、目の前で繰り広げられるエッチな光景に、思わず近づきズームする。鼻を突くような悪臭を堪能しながら、雑菌塗れの股間を夢中でお掃除フェラする双子のマタドガス。いつも不機嫌そうなマタドガスの顔が、今は心なしか笑顔のように見える。
ポケモンを題材にした特殊性癖向けのAVは数多くあるが、それでもマタドガスのものなんてお目にかかることは皆無である。この表情をとれただけでも価値がある。ソラのファンであるレンズは、いずれ伝説居なるであろうこの光景をとれたことを誇りに思いながらカメラを回し続けるのだ。それが、特殊性癖が集まるソラのファンの中でも異質な考えであることはさておいて。
さて、マタドガスはといえば、美味しそうにソラにイチモツをしゃぶり、股間周りを舐め、ご満悦だった。体の不要な角質をラブカスに食べさせるような健康法もあると聞くが、マタドガスにそういうことをさせるのも悪くないかもしれない。
マタドガスにも楽しんでもらえて何よりだが、フェラご奉仕で愉しませてもらった以上、ソラが今度はマタドガスに奉仕するのが筋というものである。ソラは腕にゴム手袋を装着、排水溝のぬめりなどから採取したぬめぬめを、砂糖水でさらに繁殖させた自家製のヘドロを(触りたくない)たっぷりと塗り付け、マタドガスの二本ある性器を同時に刺激する。
普通のポケモンなら顔をしかめそうな匂いと製法の特製ローションだが、バイ菌が繁殖しているような不衛生なものほど好むマタドガスという種族には、むしろこれで心地よいらしい。
その種続がら、あまり他のポケモンとの交流もされず、交尾などの機会に恵まれなかったマタドガスだ、ヌルヌルの汚濁にイチモツを刺激されると、あまりにも久々だったおかげもあってか長く持たずに、ほぼ同時に射精してしまう。
汚物に塗れたマタドガスの体内だが排出される精液には当然ながら毒は含まれていない。不定形グループ、たとえばサーナイトなんかとも卵を作ることができるため、きちんと清潔にしていれば飲んでしまっても大丈夫である。とても飲みたくはないが。
「随分と情けないじゃないか? ご無沙汰過ぎて敏感になっちまったか?」
ソラに煽られたマタドガスは恥ずかしそうに顔をそむけた。
「いっちょ前に照れてやがる」
ソラは言いながらマタドガスの頭を撫でた。精液や雑菌塗れのヌメヌメがつくのを嫌がらないか、といえばそういうことを嫌がるポケモンではないので大丈夫である。
「それじゃ、今度は俺の番だぜ。あー……人間にとってはあまりイメージが沸きづらいが、マタドガスの排泄器官。つまるところ肛門に当たる部分は頭についているんだ。原種の、紫のマタドガスもそうなんだが、この亜種の場合はさらにそれが発達してまるでシルクハットや煙突みたいになっているんだな。
オクタンやカラマネロなんかがそうだが、頭に足がついている種族もいるし、虫タイプに多いんだが、前足に味覚がある奴もいる。全く、ポケモンというのは面白いもんだ。と、言うわけで今から俺が攻めるのはここだ。世の中には脳を犯すなんてジャンルもあるみたいだが、疑似的にそんな感じの気分を味わえるかもな」
この話を前振りにしたところで、ソラはゴム手袋にヌメヌメを追加し、マタドガスの煙突部分に腕を突っ込んだ。いわゆるフィストファックというものだが、元から太い器官であるおかげか苦しそうにする様子はない。
もちろん、排泄器官なのでふさぎ続けるのは良くないが、一時的に内部を擦るくらいどうってこともないだろうと試してみれば反応は上々だ。そこは攻撃されれば致命傷になりかねない急所であるため、最初は顔を引きつらせていたが、今まで長年レギュラーとして連れ添ってきたご主人のソラがすることなのだから……と、身を任せていると、それが案外気持ちがいいことに気づいたようだ。
腕をいっぱいに突っ込まれて、普段は綺麗な空気が通り抜けていくだけの器官の内部を撫でられる感覚は。尿道ファックやらアナルセックスやら、アブノーマルではあるが、やる人間がいるということはそれが気持ちいいということ。そしてそれが気持ちいいのは人間でもマタドガスでも変わらないようだ。
二つの顔がどちらも不満にならないように交互に攻め続けていると、出したばかりのマタドガスのイチモツは、十数分のうちに回復してきた。やはり、随分ご無沙汰なだけあって相当溜まっていたらしい。
「なんだよ、お盛んだなぁ……中学生じゃないんだから。まぁいい、お前の前に俺が楽しませてもらうぜ」
ソラは一度ゴム手袋を廃棄すると、一度撮影を休止して厳重にハンドソープで手を洗い、ぶ厚めのコンドームを着用して、再びゴム手袋を着用する。その間の時間は編集に何とかしてもらうように頼みつつ、一瞬で用意したかのようなさりげなさで撮影を再開。
「じゃあ、行くぜ!」
と、マタドガスの煙突部分にイチモツを突っ込んだ。煙突のような排泄器官だが、骨のように固い物質で出来ているわけではなく、ゴムチューブのように柔らかく、掴んでしまえば簡単に変形させることもできる。ガバガバ過ぎる穴のように見えるが、ちゃんと変形させてオナホ代わりに使えば、悪くない感触だ。
適度に柔らかく、そして湿っており、先ほどのヌメヌメが簡単には乾かないので、長い時間攻めていられる。マタドガスは主人にアナルの(?)処女を奪われるも、むしろなんだかうれしそうな顔をして攻めに身を任せていたが、そのうち気分が乗ってきたのか、自分でも顔を揺らしながらソラの動きに合わせ始めた。
「お? いいぞ、その調子だ」
ソラがその動きを褒めると、マタドガスは一層嬉しそうにしてその動きを加速させ、ソラの射精を促した。やがて限界が来てソラがコンドームの中に射精する。賢者タイムとなり、肩で息をしているソラを見ると、マタドガスは次は僕の番だとばかりにゆっくりと体を寄せてきた。
「ふぅ……わかってるよ。続き、やるぞ!」
こうして撮影は続く。室内には浄化しきれない悪臭と戦う必要があるので、レンズを除くスタッフたちは眉を顰めるのであった。
「やー、いや……小っちゃくて可愛い草タイプのポケモンって聞いていたけれど、待って。そもそもそれ、ポケモンなの!?」
インゲンが提示したポケモンを見て、ササゲ監督は顔を曇らせていた。
「ポケモンです! この子は私がアローラで初めて開催されたポケモンリーグに出場した時、同時期に異世界からやってきたポケモン。通称ウルトラビーストに分類されたポケモンです!」
真っ白な折り紙と、熨斗を合わせたヒトガタの式神を思わせる容姿のポケモン、カミツルギ。30センチメートルほどの身長しかなく、二足歩行であるためイーブイよりも小さいポケモンだ。可愛いといえば可愛いのだが、そのかわいさはイーブイやピカチュウのそれとは大分違う。どう見てもAVには向いていない。
「いや、待って待って! そもそもこの子、AVに出演というか、交尾することはできるの?」
「出来ます! カントーのポケモン研究の第一人者、マサキさんの論文によれば、カミツルギ二体が一緒に自身の体を研いでいたら、研いだ後の白濁した汁が細胞分裂していたのを確認したって! そのうち二体が4㎜まで成長したけれど、その時点で死んでしまったって書いてましたけれど」
「やー、それ交尾って言わない!」
インゲンの言葉を聞いて監督は冷静に否定するが、インゲンはさらに上からそれを否定する。
「そうです、交尾ではありません……ですが、たとえばSMもののAVで、拘束された男性が鞭でひっぱたかれるのもエロス。足コキなどで射精させられてもエロス。おしっこを顔面にかけられても、それもまたエロス! 陰毛を剃ったり、体に落書きをするのもまたエロス。
ならば、ポケモンの刃を研いであげるのもエロスではありませんか? キリキザン、ギルガルド、エアームド、ソウブレイズ……エロスに満ちているはずです」
「やー、ないない、それはない」
熱弁するインゲンに、監督は冷かな視線を向けるだがしかし、この程度で退くインゲンではない。ソラに勝つためには、エンドウさんから貸してもらえる見た目がAVに映えるようなポケモンだけでは難しい。
「監督、私の目を見て話してください!」
「ん……?」
インゲンに言われ、監督が彼女の目を見たが最後。
「そうだね、よく考えたら研ぐのもエロスだね。よし、撮影しよう」
監督はそう言って、死んだ目をしながら撮影を了承するのであった。サイキッカーの目を迂闊に間近で見てはいけない。
「みなさーん! おはようございます、こんにちはこんばんは! 今日は、なんとエーテル財団研究所カントー支部にお邪魔しております! AV撮影にこんなところに来ることになるとは思いませんでした」
インゲンはいつもとは違う、白衣にマスク、頭髪飛散防止用の帽子に極薄の手袋という研究員か医者のような姿でカメラの前に立つ。映ってこそいないが、カメラマンのダイナも同じ姿だ。
「と、言うのはですね、今日紹介するのが、こちらにいるカミツルギというポケモンでして、そのポケモンの繁殖の実験に関する質問をエーテル財団に行ったら、流れでここに呼ばれまして……カミツルギを持っているトレーナーがあんまりにも少ないから、繁殖に関する実験を行うなら学術的に価値があるって言われてしまいましてね。
えー……まぁ、学術的な意義に関しては後で、おまけコーナーあたりで語ることにして、とりあえずはこのポケモンの対戦での性能について語りましょう。
このカミツルギというポケモンですが、おかしいです。極端すぎるほどに高い攻撃能力……この紙のように薄い体は岩を叩き割るのではなく、斬ることができます。鋭さはもちろん、体が軽い分スピードも中々のもので、大抵のポケモンはカミツルギに攻撃する前にぶった切られます。
そのうえで、防御力も高いんです。こんな紙みたいな体ですが、だからこそ……舞い散る木の葉を殴ろうとしても難しいように、攻撃の衝撃を全て殺してしまうんですよね。空中を舞うビニール袋を破るのは難しいですよね。
そんなわけで、カミツルギの物理面は非の打ちどころがありません。最強と言っても過言じゃないレベルです。代わりに、弱点もとんでもなく大きくて、まずは特防がクソです。さらに、草・鋼タイプというタイプ相性のせいか、ヒトカゲのひのこですら消し炭にされてしまう程度の耐久力しかありません。
なので、いかにカミツルギを守るか、もしくはやられる前にやるか、それか物理を受けるか……それこそがカミツルギを有効に役立てる秘訣ですね。このポケモンの技ですが、見た目通り斬撃系の技が得意です。リーフブレード、葉っぱカッター、辻斬り、サイコカッター等々急所に当たりやすいので、ピントレンズを持たせたり、気合だめをバトンタッチで渡してみたりしたら、当たる場所が全て急所になってしまうほどの鋭さを得る事が出来ますね。
聖なるつるぎやシザークロスも使えるので、パーティーとのバランスに悩んだら入れてみるのもいいですね……肝心の鋼タイプの技は……まぁ、スマートホーンとか、ですかね。困ったことに鋼技に関しては貧弱なんですよね。いつか、鋼タイプの斬撃技が覚えられればいいんですけれど。巨獣斬とか使えたらなぁ……」
インゲンはそう言って苦笑すると、紺色の球体に金色の爪のような飾りと、蜘蛛の巣のような模様がついたボールを取り出し、中からポケモンを繰り出す。
「では、そろそろご対面といきましょう! 出ておいで、カーミラ」
トレーナーとしてのインゲンを知っているものならばともかく、AV女優としてのインゲンしか知らぬ者には未知のポケモンとなるカミツルギが光を伴ってボールから現れる。
紙で出来た人形のような見た目のそれは、ふわりふわりと浮かびながらインゲンの周りで戯れている。インゲンは手ではなく指先でカミツルギを撫でるようにしてじゃれさせつつ、話を続ける。
「さて、このカミツルギの繁殖方法ですが、とある研究所でカミツルギ二匹に砥石を与えたら、二匹で一緒に体を研いでいる姿が見られたとか。そのあと、研いで白く濁った水が妙な淀み方をしていたので調べてみたところ、何とカミツルギの細胞が分裂、繁殖していく様子が確認できたそうで……しかし、一緒に研ぐ様子を確認できたのは二回きり。そしてそのどちらも、細胞が成長途中で育たなくなってしまったとかですが……そう、カミツルギの交尾とは二匹の個体が同じ砥石で自身の体を研ぐこと! と、いうわけなので、今日はカミツルギの体を研ぐとともに、私も用意した刃を研ぐことにします。
と、言ってもですね。私は人間、キリキザンやエルレイドみたく、自前の刃はもっていませんでしたが……フーディンがサイコパワーでスプーンを生み出すのと同じ原理で、作ってきました! サイコパワーで作ったナイフですから、これはもう私の体の一部と言っても過言じゃないですね! これを研げば、それは立派な交尾です!」
そう言ってインゲンが提示したのは、食事に使うような柄も刃も一体化した一つの金属でできたようなナイフだ。
「では、早速研いでいきましょう! まずは、#350の粗い砥石から……この砥石はすでに水に十分つけておりますので、すぐに使うことが出来ます。おいで、カーミラ」
インゲンは自分の手にカミツルギを引き寄せると、濡れた砥石につけて彼の刃を研ぎ始める。
「男性の皆さんは、ほぼ全員の方がマスターベーション……いわゆる手コキなんてものをすることがあると思いますが、それを女性にやらせる、なんて性癖もありますよね。それと同じようにですね、カミツルギも自分の体を自分で研ぐことが出来るのですが、私がこうやって手を貸してあげると、喜んでくれまして……人もポケモンも同じなんだなぁというのがよくわかります。今これをご覧になっている方は、自分のおちんちんを女性に扱かれている光景を思い浮かべていることでしょう!
画面の皆様には伝わらないとは思いますが、私はサイキッカーなので他人の気持ちには敏感なんですが、こう、今カミツルギはとっても喜んでいますね。撫でられるだけでもうれしいのに、マスターベーションに付き合ってくれるだなんて最高っていう感覚なんでしょうか?
人間とカミツルギでは生態が違い過ぎて、感覚はどんなものに例えればいいかはよくわかりませんが、こうやって身を任せてくれるということはすなわち、喜んでいるということは間違いないと思っていいのでしょう。しかし、考えてみるとですね……私達人間のする交尾というものは『気持ちいいからやりたい』という原動力が生まれるわけじゃないですか。
カミツルギは気持ちよくなるだけじゃなく、研ぐことで切れ味を取り戻して強くなるという利点もあり、さらに子供出来るということは一石三鳥ということになりますね。エロスというのは神秘のみならず、合理性にも満ち溢れています」
スーッ、スーッとカミツルギの包丁を研ぐ音が聞こえる中、インゲンは楽しげに語って場を持たせようとする。
「さて、次は私が作った自家製の包丁を研いでいきましょう。この包丁を作るために、フーディンに弟子入りしましてね……何とか形だけでもナイフっぽく仕上げるために二日ほどかかっちゃいました。身体的には疲れていないんですけれど、かなり脳を酷使しましてね……作り終えた次の日は夕方まで起き上がることが出来ませんでしたね」
饒舌に語るインゲン。しかしながら、研いでいるうちに話題も尽きていき、#350から#1000。#1000から#3000、#6000、#15000と、きめ細かな砥石へと移り変わるうち、インゲンはどんどん無言になっていく。ほぼ固定カメラのためにマイクと照明のスタッフも帰ってしまい、カメラマン以外のスタッフも帰ってしまっても、真っ白い研究室の一室で、ただひたすらにカミツルギと自身のナイフの研糞を混ぜ合わせながら研いでいく。
砥石のきめが細かくなるごとに音は静かになり、呼吸音も聞こえるほどにあたりは静まり返る。気付けば日付が変わってしまっていたが、それだけ時間をかけた刃の仕上がりは素晴らしいものであった。
「えー、恐らく、製品版ではカットされていると思いますが、研ぎ終わりました。見てください……私の髪の毛、乗せただけで切れました。男性スタッフからもっらったヒゲも、息を吹きかけただけで切れちゃいます……そして、見てください。
先ほど、カーミラちゃんの切れ味も確認してみたのですが、廃棄する予定だった硫酸用の瓶が、まるで野菜の様に輪切りにされています。固くて脆いはずのガラス素材だというのに、こんな、1ミリメートルほどの輪っかを量産させられており……。今のこの子に切れないものはありませんよいやぁ、徹夜した甲斐がありました……疲れた」
はぁっとインゲンはため息をついて座り込む。
「それで、子供なんですが……見てください! 私がサイコパワーで作ったナイフと、カミツルギの研糞を合わせた結果ですね、こちらの顕微鏡の画面に映っていますように、細胞が活動している様子が見られるんですよ……すごくないですか? この子たちが無事成長したら、論文がいくつも書けるくらいの快挙です! まぁ、そんな感じなんですけれど……今はちょっと、眠いですね」
インゲンは項垂れる。この後すぐに撮影は終了し、その間は研究所の職員が細胞の活動状況を監視したのであるが、やはり成長途中でカミツルギの幼生体は分裂をやめて死亡してしまった。
やはりカミツルギが二体いなければダメなのか、それともほかの原因なのかはわからないが、細胞分裂まで行っていたということは、少なくとも今回の行為がカミツルギの生殖において完全に間違いというわけではないということだ。
カミツルギがいた世界は、澄んだ水と美しい竹藪のある世界だったという。この世界でもそういった環境を再現すればでなら繁殖は可能かもしれない。
今回の動画をとるうえで、研究員たちは様々な考察と学びを得た。カミツルギが自主的にこういった行動をとらなくとも、信頼関係を築いたトレーナーが促せば生殖行動をしてくれるということ。必ずしもカミツルギが二体いなくても子供を作れる可能性があることなど……悲しいのは、この行為にエロスを感じることが出来るかどうかは無関係だということであった。
「……ダメ、ダメだって! そもそもこいつ、生殖とかしないでしょう!?」
「そうでもない。このポケモンはきちんと子供を作ったという伝説がある……俺は、その伝説を再現する! 子作りこそがAVの原点ならば、これもまたAVの新たなる境地だ!」
今回もソラは監督と揉めている。今回ソラが連れてきたポケモンはレジギガス。巨人のような姿をした白いポケモンだ。
「ちなみに、今回はレジスチルを生み出す予定だぜ」
「そもそもレジギガスからレジスチルを生み出すって何を考えているんだ! 誰得ですか!?」
「何言っているんだプロデューサー! SNSを見渡してみれば、スチル絵を褒めたり書いてもっらったりしてる書き込みがいくらでも見つけるぞ! レジスチルの絵はそれほど人気ってことだ!」
「スチル絵ってそういう意味じゃねーですから!!」
ちなみに、スチル絵とは動きのない一枚絵のことで、エロゲーや恋愛ゲーなどで使われる用語である。もちろん、ソラは正しい意味を分かったうえで使っている。
「それにほら、こいつフレンドリーなポケモンで、握手とか好きなんですよ……ほら、アトラス。監督と握手してやれ」
そう促されるままにアトラス、という名のレジギガスは監督と握手……というか、ソフビ人形か何かのように手の中に収めてしまう。
「いや、これは握手ではなく握りつぶすという技で……」
「そうですか! まだこのアトラス君がフレンドリーでエッチで、次世代のAVを切り開いていく存在だとわかりませんか! だったら、もっと握手だ!」
ソラの指示に従い、レジギガスは監督を締め付ける力を強くする
「ぐおぉぉぉ……わ、わかった。この子が友好的なのはよくわかったから……この子で撮影をしよう……」
「よし、わかってくれたみたいですね! よし、アトラス! 監督との握手は終わりだ!」
握りつぶされそうになり、命の危険を感じた監督は、そう言うしかなかった。監督が折れた*5ことで、レジギガスの手のひらから解放されたが、気が抜けてしまったためか監督はその場に座りこんでしまった。
「この企画……セックスしたポケモンで戦うため企画なのに、勝つためにどんなポケモンとでもセックスする企画になってる……」
半ば暴走しているソラの背中を見ながら、監督は項垂れるのであった。
今回は山道を歩きながら撮影がスタートする。あまりについていけないと判断したのか、今回は照明もマイクも逃げ出してしまい、カメラマンのレンズ以外のスタッフはついて来てくれなかった。今回は普段はライドポケモンとしても使用しているゴーゴートを荷物持ちに連れている。
「さて、今日はホウエン地方のえんとつ山にお邪魔させてもらっているぜ! 今回も監督不在だが、張り切って撮影するぜ! 今回はこんな野外での撮影になるんだが……実は野外でのAV撮影なんて初めてだから緊張してる。と、言うのも今から紹介するポケモンとの関係で野外でやることになってるんだがな……さて、今回紹介するポケモンは、レジギガス。
シンオウの若きタワータイクーン、ジュンの手持ちとして有名だな。このポケモンなんだが……ぶっちゃけシングルじゃ活躍はさせづらい。弱いってわけじゃないんだぞ? むしろ強い、ノーマルタイプじゃ最強クラスだと思う。圧倒的な攻撃力に高い耐久性、暴れさせたら手が付けられない。
なのに何故こんな評価を濁したような発言をするかというと、最大の弱点であるスロースタートという特性が原因だ。と、言うのもこの特性、バトルが始まってからしばらくの間は調子が出ないというものでな。本気を出す前にやられたり、本気を出すころにはボロボロということがよくあるからだ。そのため、シングルバトルではかなり活躍させづらく……まぁ、デスカーンのミイラとか、そういう特性の補助があっても上手くいくかどうか。
じゃあ、どうすればいいかって? 当然、ダブルバトルで使えばいい。先に紹介したミミロップの仲間づくりや、マタドガスの化学変化ガスなんかが候補だな。肝っ玉をスキルスワップさせれば、こいつの攻撃はゴーストにもあたるようになるから強いぞ。
さっきも言った通り、特性さえなければこいつはぶっちゃけ最強クラスだ。そして、もしもマタドガスと一緒に出たら、相手は特性が使えなくなる。こっちは最強、あっちは弱体化……そういう状況を作り出すこともできるってわけだ。
もちろん、毎回いうことではあるが、だから勝てるってわけじゃない。当然、レジギガスは格闘タイプの攻撃には弱いし、甘えられたりでもしたら、さすがの攻撃力も型無しだ。あと、こいつを今紹介するってことは、俺がマタドガスとレジギガスを並べて出すということも、相手は当然想定しているわけだが……それを警戒し過ぎて、他の対策がおろそかになってしまっては意味がない。
よく『ジムリーダーはタイプ統一しているから弱い』なんてことを言う奴はいるが、あえてわかりやすい弱点を見せつけてくことで、その弱点を突こうとしてきた相手を返り討ちにするという戦略は基本中の基本だ。
当然、レジギガスとマタドガスの並びだっていくらでも突破方法があるが……ま、簡単にはやらせねえよ。対策の対策だって考えておくのがトレーナーの役割だからな。
さぁ、紹介も終わったところで、出てこい、アトラス!」
「レジジジ ジジジ ジ レジ!」
ソラがダークボールを投げると、中からレジギガスが元気よく現れる
「おう、やる気満々だな!」
「なんて言っているんですかねぇ……『お腹空いた』とか?」
今日は監督不在で、しかも野外撮影ということもあってか、カメラマンのレンズはつい気が抜けてぼやいてしまう。
「んー……多分、『ご主人おはよう』とかじゃないかな?*6」
「なるほど……!」
「さぁ、そんなことはともかくとして、今日はこの火山でやることを説明する。そもそも、今回のレジギガスも監督はAV撮影に出すことは反対してたんだ……こいつは見た目がエロくないとか、そもそも交尾しないとか、な。
だが、そんなことは問題か!? 否、問題ない。俺は色んな性癖のやつを知っている……男が触手に巻き付かれている絵でしか抜けない奴。戦艦を擬人化した女性がアーボックに巻き付かれている絵*7でしか抜けない奴。女性を石化させたり、風船のように膨らませた絵じゃないと抜けない奴。ドラゴンとブロロロームの交わりでしか抜けない奴……そんな様々な奴がいる以上、レジギガスが子作りしている光景でしか抜けない奴だっているはずだ。
誰かの地雷は誰かの推し。捨てる神あれば拾う神あり! 俺達は神になるぞ!」
「それ神になってるんですか!?」
「あぁ、神になってる。行くぞ! まずはマグマのそばだ! 暑さでカメラがやられちゃうと思うから、近づきすぎるなよ!」
「は、はい……ソラさんが行くのなら、このカメラマンのレンズ! 命を懸けてお供します!」
そうして、山道の途中から、レジギガスとともに火山の頂上を目指していく。レジギガスとすれ違った他の登山客は茫然としたり、写真を撮ったりと反応はさまざまである。
「さて、このレジギガスとともに火山にあるマグマを目指して何をするのかといえば……そう、生命の創造だ。元々、セックスというのは生命の創造から始まり、そこからフェラチオだとかアナルセックスだとか、SMプレイだのなんだのと色々な方向へと派生していった。
だが、そんな特殊プレイもいいが、たまには原点に返って生命の創造を行う。それこそがAVの本質ってことだ……今回作るのはレジスチル。太古の昔、レジギガスは神と戦い破れ、その後に自分の姿に似せた子供達を作ったと言われている。ホウエン地方ではアイス、ロック、スチルが有名ではあるが、ガラル地方なんかにはレジエレキやレジドラコなんてのもいるぜ!
そして、マグマから作られたのがレジスチル……作り方は……手探りで進めてくしかないが、ジョウトにある、アルフの遺跡調査チームの報告によれば、レジギガスはアンノーンが死して残した石板を利用することで、ポケモンを作ることが出来るとか。
必要な石板はS、T、E、E、Lの石板で、これは事前に集めてきている……さて。そうこうはなしているうちに火口についてしまったな……すごい熱気だ。これ以上はカメラマンに近づけさせるのは危険だから、俺とレジギガスで行かせてもらう……」
遠隔マイクをつけ、一人解説しながらソラは火口付近まで荷物を持って降りていっては引き返し、また荷物を持って降りていく事を繰り返す。
「よし、行くぞまずは、火山のマグマを採集する。これはポケモンと一緒に、確実かつ安全に行う。よし、やってくれ」
ソラが協力を要請したのは、ランクルス。害意のある攻撃でなければよほどのことではダメージを受けない特性のため、こう言ったマグマで傷を負うことはまずない頼れるポケモンだ。
「そうして集めたマグマを耐熱性のある鍋に投入する」
ランクルスにサイコパワーで拾ってもらったマグマを鍋に入れてもらうと、次はその鍋に金属を投入していった。
「次に少量のクロム。そして微量のマグネシウム、アルミニウム、銅、モリブデン、そして流星の滝で採取した隕石のかけらを投入して、混ぜる!
冷えて固まらないように、鍋は常に温める。だが、ここは山だから気圧が低く火力は低くなる。そのため、高所でも火力を確保できるバーニンガ岩と呼ばれる白い燃料石で熱し続けるんだ……さぁ、力を合わせて頑張るぞ!」
ソラが解説している横で、レジギガスは鍋に入れた棒を回し始めた。鉄さえ溶ける温度ゆえにレジギガスも長くはその場に居られず、耐熱スーツを着たソラ、ランクルスのサイコパワーと、かわるがわる混ぜる作業をローテーションしていく。
「そして、良く混ざったらアンノーンの石板を投入し、さらに混ぜる……」
ソラの声が疲れている。持ってきた飲み水の消費量も半端なものではない。さらに数分かけて混ぜ合わせた後、今度はそれを形作る作業だ。この作業は、どんなものも握りつぶす強靭な手を持っているレジギガスが一人で行うことになる。
「レレレレ レレレ ジレジジジ レレレ ジレジジ ジジ ジレレ ジジジ ジレジ レジレジジ レジ ジジ レジジジレ……」
「ソラさん! レジギガスがなんか言ってますよ? 『俺がやらなきゃいけないの?』とか言ってませんか?」
「多分、『任せてください! 俺も子供が欲しいんで!』とかそんな感じだと思う!*8」
「なるほど、頼もしいですね!」
そんなカメラマンとの会話を挟みながら、ソラはレジギガスが無限の握力でマグマと金属の混合物をヒトガタに作り直す行程を見守る。赤熱した塊、レジギガスの肉が焦げる匂い、掌が焼ける痛みにも負けず、レジギガスは粘土をこねるようにレジスチルの形を整える。
誰に教えられなくとも蜘蛛系のポケモンが巣を作るように、ビーダルがダムを作るように、ミツハニーが六角形の巣を作るように、ソラも教えた覚えはないのに、レジギガスが作り出したレジスチルは、いつかテレビの中継やポケモン図鑑で見た形とそっくりに仕上がっている。やはり、子供の作り方は遺伝子に刻まれているらしい。
そうして作られたレジスチルの原型に、さらにソラはスレッジハンマーを取り出して、叩きつける。
「こうして、ハンマーでたたいて……出来た金属塊の形を微調整し、金属から不純物や微細な隙間を取り除く! とにかく、叩く! 叩きまくって丈夫で粘り強いレジスチルを作るんだ!」
ソラは汗をまき散らしながら解説をする。ゴッゴッという鉄塊を叩く音が、ソラのハンマーとレジギガスのパンチで奏でられ、赤熱した塊は少しずつ温度を下げ、やがて熱を失った。そこでようやく叩くのをやめ、ソラはポケモンとともに協力してこれからレジスチルになるものを、火口付近から涼しい場所へ引き上げていった。あたりはすっかり夜……火山灰の隙間から見える星空が美しい。
「……お、おい、レンズ! 見てみろ、これ……このレジスチル、かすかに動いていねえか? 地面が揺れているわけでもないのに、手の先が震えて……」
ソラに言われてレンズがカメラをズームさせると、確かに僅かながらレジスチルの指先が震えるように動き、そして顔の部分にあけた穴からかすかに発光している。
「やる前は少し不安だったが……やはりレジギガスも子供を作れる! これが俺の新しいAVだ!」
まだ立ち上がって動くことは出来ないが、ソラとレジギガス、二人で協力して作ったレジギガスは、命を得て動き出そうとしている。そう思うと心が踊り、思わずソラは大きな声を上げた。
「ソラさん、最高です! 感動です! 俺、ソラさんのAVを撮影できて幸せです!」
レンズもまた、ソラと一緒に大いに心を躍らせた。レジギガスは体力を使い果たしたのか、彫像のように固まって動かなくなっている。
残念ながら、レジスチルは一夜明けた頃には光を失い、力尽きたように横たわっていた。だが、レジギガスに甘えるように手を伸ばした姿になるまでの映像をカメラは捉えている。
何が悪かったのだろうか? もしかしたら食事でも与えればレジスチルは生き延びたのだろうか。それとも、まだこのレジスチルは死んでおらず、産まれてすぐに長い休眠状態に入っただけなのか、それはわからない。だが、一つだけ確かなことがあるとすれば、ソラは新しいAVの境地を開いたのである。誰がこんなものに性的興奮を覚えるのかについてはさておいて……。
ソラはこのレジスチルになりかけたものを持ち帰り、もしかしたら動くかもしれないその日を夢見るのであった。
「やー……待って、私は草が大好きなカタツムリって聞いていたんだけれど、この化け物は何? ヌメルゴンじゃないの」
インゲンは今回も揉めていた。と、言うのもササゲ監督には今回のポケモンを、草が大好きなカタツムリと説明していたのである。ヌメルゴンのことだと思っていた監督はびっくり仰天、そのポケモンは災厄ポケモンのチオンジェンなのだから。
「草は好きですよ! 草が好きすぎて、この子が現れた場所は、この子を中心としたなわばり以外は不毛の土地と化すくらいです!」
「それ、食糧的な意味で好きってことじゃない!?」
「ヌメルゴンの草食の特性だって、食糧的な意味ですから大丈夫です!」
「やー、規模が違うでしょ!」
「よし、監督! 私の目を見てください」
「もうその手にはかからないわよ!」
またも催眠術で監督を思い通りにしようとするインゲン。しかし、そうはさせるかと監督は目を瞑る。なので、インゲンは監督の耳元に囁く。
「従え……私の声を聞け……さぁ、素直になりなさい」
目を閉じていた分、聴覚が鋭敏になっていた監督は、あっさりとその言葉に乗せられたサイコパワーに心を乱されてしまい……。
「やー、そうね。このポケモンは魅力的なポケモンだから、撮影しましょう」
前回と同じ状況になってしまうのであった。インゲンもソラと同じ、AVを撮ったポケモンで戦うのではなく、勝てるポケモンで戦うためにAVを撮るような状況となってしまっている。
「さぁ、皆さんおはようございます! こんにちはこんばんは! 今回は野外で失礼します」
インゲンは今回。野外から撮影をスタートする。
「こうして野外で撮影をスタートするのはですね、色々理由はあるんですが……その、今回紹介するポケモンが関係しております。今回のポケモンはチオンジェン。トレーナーとしての私を知っている人からすれば馴染みのあるポケモンでしょうが、枯葉の塊に幾多もの木簡を巻きつけたカタツムリのような見た目のポケモンですね!
彼との出会いは3年前……世界中に酷い伝染病が流行ったときに、中国で行われた冬季ワールドワイドポケモンリーグ……中国の政府は、リーグを行う最中に伝染病が蔓延していては国の威信にかかわると考え、極端な隔離政策を行っておりました。
感染者は一ヶ所の収容所に集められ、ロクな治療もされずにたくさん死んでいったり、病気で死ぬことはなくても、家に閉じ込められたまま餓死するなんて事件もあったと言います。そんな収容所の近くに建っていた骨とう品店があるのですが、そこにあったカタツムリ型の木簡を並べるための彫像……それに死んでいった病人達や餓死者の憎しみが合わさった結果、産まれちゃったんですよね、こいつが。
たまたま私が近くにいたのでゲットしましたが、その……病人を強制連行して収容施設へと叩き込む政府の職員が6人ほどミイラみたいな状態になって死んでまして。つまり、やばいポケモンです。なので、政府から口止めのために大金と、『こんなポケモンは最初からいなかった』ってことにされて、連れていくことを命じられて今ここにいます……あれ、これ言っちゃいけない奴だったか? まぁいいか……すみません、編集さん。今の消しといてください」
ちなみに撮影スタッフだが、同じ説明をしたら怖がって逃げてしまい、残ったスタッフはカメラマンのダイナだけである。
「最初のころは、いやもう……カゲボウズやオーロンゲが沢山よってきて困ったものですが、今はサーナイトやトゲキッスに近づいても逃げられることはなくなったので、多分大丈夫です!
さて、このポケモンの性能ですが、まずはとてつもない丈夫さです。このポケモン、自分以外の攻撃を下げる能力がありまして……しかも、『威嚇』と違って無効化されたり、まけんきや勝ち気の特性が反映されることもありません。その特性を持っているうえに、素の防御力はそれなりに高く、特防も高水準。
そして草タイプ特有の再生能力……ヤドリギの種や根を張る、ギガドレインなどもあり、タイプ弱点さえ突かれなければ要塞となるだけのポテンシャルを秘めています。ただ、タイプが草・悪と……割と弱点が多い構成なのが少し辛いところですね。特に、下手に格闘タイプとかを相手にしていると、とんぼ返りが平然と飛んできたりするので厄介です。物理の高耐久もさすがに虫タイプには型無しですね。
また、それだけ耐久が高い分、攻撃は貧弱とまではいきませんが、イマイチ物足りないですが……バークアウトで相手の耐久を下げたり、カタストロフィという技で相手の体力を半減させたり、相手が剣の舞などして来たら、その攻撃力を逆に利用してイカサマを仕掛けるのもいいでしょう。
そんな感じで悪タイプと草タイプのいいところと悪いところを備えたポケモンですので、いくらでも嫌がらせが効くポケモンです。壁を張ったり、花粉ダンゴで味方を回復したり、シングルでもダブルでも活躍できるポテンシャルがあるポケモンと言えますね。
弱点に関しては、今回のルールではテラスタルが許可されているので、それでタイプを変えてみたり、あとはダブルバトルなら水浸しの技を使ってみるなんてのもいいかもしれません。さて、紹介はそんなところで……実際に対面してみましょう」
そう言ってインゲンはゴージャスボールを取り出し、中からチオンジェンを繰り出す。
「カキシルス!」
「このジェーンちゃんですが、とっても賢いポケモンなんですよね。何と、文字が書けるんです……えー、たとえば……『アマルスが 7匹いると 余るっす』みんなもポケモンゲットじゃぞー! と、言うとですね」
「カキシルス」
インゲンの呼びかけに応じて、チオンジェンは体から蔓を伸ばし、自身のどす黒い体液で、体中に巻き付いた木簡の一つに文字を書いた。全てひらがなではあるが『あまるすが ななひきいると あまるっす』と、間違うことなく書き記している。
「おぉ、さすがインゲンさんのポケモンですね。でも、なんかダジャレだし……今夏なのに、アマルスは冬の季語ですし、もっと季節感があったほうがよくないですか?」
「い、いいじゃない! これ、先日ヤドキングが繰り出した寒いギャグなんだから」
「なるほど……じゃあ、俺も一句読んでみますね。えー……『キマワリを 眺め背中の 日焼け跡』。これはですね、昔キマワリが大好きで仕方ない友人が故郷にいたんです。キマワリってほら、太陽を常に眺めているポケモンじゃないですか? だから、キマワリの顔を眺めていると、自然と背中ばっかり日焼け跡が残っちゃいまして……ちょっと自閉症気味の子だったようで、段々と学校にも通わなくなって……今はその子、どうしているかなと思いながら読んだ句なんです。季語は日焼けとキマワリで、とあるポケモン俳句で入選した作品なんですよね」
と、ダイナは自慢気に話をするのだが、返ってきた答えは無慈悲なもので……
「知るか、カス」
と、チオンジェンは言う。
「この子、辛辣ですねえ……」
「ごめんなさい。ジェーンちゃん、私以外にはあんまり懐かなくて……まぁ、ともかく、撮影を始めましょう。さて、今回は、このチオンジェンからエロスを見出します……巷では、SMプレイの中には羞恥プレイというのがありましてね。M側の体に落書きするというものがありますよね。たとえばM女性が相手なら、『淫乱メス豚』とか『肉便器』とか『雌穴』みたいな下品な言葉を体に落書きして……つまり、体への落書きはエロス!」
「よく意味がわからないけれど、さすがです! インゲンさん! ファン0号として誇らしいです!」
「そして、そのエロスから私達は、新しいチオンジェンを生み出そうと思っています。実はネットオークションで、このチオンジェンの元となった木簡を並べておくための彫像のレプリカが見つかったんですよね。なんでも、このポケモンの元になったのは古代の王族に送られた宝だとかで、とても素晴らしい香木から作られた木簡と、それを飾るための見事な彫像なんだとか。
レプリカからポケモンが生まれるのかという疑問についてですが、ジュペッタは色んな人形から産まれるし、ポットデスは有名陶芸家の作品ではなく、贋作からでも産まれるので大丈夫です! 気持ちがこもっていれば産まれます! 多分!
そのための木簡は、このチオンジェンが森を枯らして作った、貪るツタの木を切って作ったものを使用します。竹が成長して困っていた人の依頼を聞いて竹を枯らすためにこの子の能力を使ったんですが、中々木材の質としては悪くないんですよね。一瞬で成長させているから年輪もなく、その分変形しにくく使いやすいんだとか。ただ、チオンジェンという災厄の象徴ともいえるポケモンから生まれた木材なもんで、あんまりにも不吉過ぎて誰も欲しがりませんけれど、オカルトマニアの一部や、カルト宗教家が買ってくれたりもしたんですよ」
インゲンはあらかじめ、カミツルギのカーミラと一緒に作った木簡を見せて微笑む。
「さて、この木簡に、心のこもった恨み節を書いてもらうために訪れたのは、このパチンコ店です……このパチンコ店、出玉が渋いと評判でしてね……しかも、この辺の地区は治安が悪く、自転車を置いておくとすぐ盗まれる魔境だとか、いまだに中学生や高校生が毎日のように暴力事件を起こしているとかで、そう言う場所だからか、何も考えずに愉しめるパチンコに手を出して依存症になってしまう人が多いんだとか。
ここなら、毎日のように店員への罵倒が聞けるという噂です。少し待ってみましょう……」
そうしてしばらく経った後、パチンコ店から一人の男が現れる。
「糞野郎が! 確率操作してるだろ! 死ね! ゴミ出玉! 二度と来るかこんな店!」
恨み節をまき散らし、明らかに機嫌の悪い男。明らかに近づきがたい男だが、チオンジェンはそれを指さし……
「スキ」
と言う。よし来たとインゲンは歩きだし、話しかけた。
「すみません、ちょっといいですか?」
「ああん!? なんだてめぇ、話しかけんな! 俺は生活費がなくなってイライラしてんだ!」
「まぁ、そう言わずに。じつは今、この木簡に恨み節を書いていただいた方に、お金を差し上げておりまして……この木簡にお店に対してでもなんでもいいので、恨み節を書いていただきませんか? 2000円の報酬です」
男は金がなかったのだろう、お金を貰えると聞いて表情が少し落ち着く。相変わらず怒りの表情ではあったが、さっきよりは幾分かましだ。
「……書くだけでいいのか?」
「えぇ、是非。書き込めるだけ書いちゃってください」
そんなわけで、男が書いた内容は『出玉の確率を内部で弄ってるんじゃねえよ! お前らのせいで今月の生活費がなくなったぞ! これじゃ家賃も払えねえ! どうしてくれんだ!』というものだった。
それを書き終えた男は、2000円を握り締めてまたお店に入っていってしまった……。
「二度と来るか、とは一体……」
男の後姿を見送りながら、インゲンは呟くのであった。
そうして数分後……
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! あの野郎、俺の台をグラエナ*9しやがってぇぇぇぇぇぇ! 俺の台で当てやがってぇぇぇぇぇ! 糞が! 糞が!」
「スキ」
「あ、もう一回書きます?」
「書く!」
そうして、男は新しい木簡に恨み節を書き記すと、2000円を握り締め、また店内へと向かっていく。
「……依存症って怖いなぁ」
「パチンコやめられないんですかねぇ」
その後ろ姿を見送りながら、インゲンとササゲは苦笑するのであった。
そして数十分後
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! あたり来たのに連チャン*10無しで単発あたりで終了とかふざけんじゃねぇぇぇぇぇぇ!」
どうやらあの後握りしめた2000円で、男は奇跡的に大当たりを引いたようだが、そこで帰らずに続けてしまったがために、せっかくの神が与えた救済も全て無駄になってしまったようだ。
「スキ」
「書かせろ!」
男はインゲンが持っていた木簡と筆ペンを奪い、恨み節を書き込むが……
「金よこせ!」
「あ、もう貴方は無しで……キリがないから」
何度も同じ人間の恨み節を書くのはどうかと思ったインゲンにお金を渡すことは拒否されてしまう。
「ちくしょぉぉぉぉ!」
激昂した男はインゲンに向かって木簡を投げつけるが、インゲンはその木簡を避け、サイコパワーで男を浮き上がらせる。
「死にたいの?」
「希死? 希死?」
彼持つ怨みの感情は好きだが、主人に手を出したことは万死に値すると判断したチオンジェンも不穏なことを言い出した。
「ひ、ご、ごめんなさい……命だけは……」
「ま、いいわ、怪我してないし。ジェーンちゃんも、手を出さないで」
そう言ってインゲンは男を地面に降ろし、ため息をついた。
「さて、そろそろ次に向かいましょう」
パチンコ店で得られる怨みの感情もいいが、他にもいい場所には目をつけている。インゲンはダイナを伴って別の場所へと移動する。
「さーて、次に来たのは、地元では有名な縁切り神社です。この神社はですね、繁華街にほど近い場所に建てられておりまして……厄介な客にストーカーをされた風俗嬢、キャバ嬢、ホストなどが、客と縁を切ることを祈願しに来たりする、由緒正しい神社です。『自分と誰かの縁切り』はもちろん、『誰かと誰かの縁切り』もお願い出来るんです。
何とですね、この縁切り神社、ジェーンちゃんが作った密林の木材を買い取ってくれた神社の一つでもありまして。嬉しいところですね! この神社の評判が上がったのはここ1年半ほどなのですが、その一年半前というのが木材を購入した時期と重なっていまして……『不倫した挙句に子供を連れて間男と逃げていった元妻が事故で死んだ! 子供は近所の人に預けてたみたいで無事だったそうだから今から迎えに行く!』とか、『30歳過ぎてニートやってた弟が脳卒中で死んだ! 神社すげぇ』とか……まぁ、多分そう言うことです。
さて、そういうわけなのでそれではここに来る参拝客に話しかけてみましょう!」
そう言ってインゲンは神社の中へと突撃する。神社には縁切りしたい人間の事を書く(個人名は書いても書かなくてもいい)絵馬が売られており、安い杉の木材で作られた絵馬と、チオンジェンの木材で作られた年輪のない絵馬では実に10倍以上価格が違う。
「スキ スキ スキ スキ」
神社に近づくと、チオンジェンは酷く興奮しているようだった。どうにも、吊り下げられた絵馬には素敵な想いがこもっているらしく、所狭しと飾られる絵馬に目を輝かせている。特に、チオンジェンが生み出した木材に染み付いた念は強いらしく、当然、『素敵』という評価はチオンジェンから見ての話なので、他のポケモンにはおぞまし感情でしかないのだが。
「あら、ジェーンちゃんが大喜びしてますね……あ、ちょっと、自分の血で絵馬に縁切りしたい相手のことを書いているあちらの女性に話を聞いてみましょう。すみませーん! 実はですね……現在私達、とある企画で、木簡に怨みの感情が込めて書いてもらっておりまして……協力してくれた方には金一封を差し上げておりましてですね」
インゲンは女性に、木簡に恨み節を書いてもらっている旨を説明する。すると、女性はお金がもらえるならと了承し、インゲンが持ってきた木簡に恨み節を書いてくれた。それも手首の傷から流れる自分の血で。
「私がアキラ君にふさわしい女なのに……あのババア、金持ってるからって私のアキラ君とデートしやがって……私がアキラ君を支えるのに……私がアキラ君を支えてきたのに……金の力で私のアキラ君を独占して……」
「あの、アキラ君って……どんな人なんですか?」
「アルタイルってお店で働いているホストです……いつかお金を貯めて、美容室を建てる夢があるって……資格の勉強しながら働いてるんです」
「そ、そう……頑張って支えてあげてね……あと、貴方痩せているから、このお金でいいもの食べてね……野菜とかお肉とか。モーモーミルクも」
「ダメ。このお金は彼を支えるために使うから……ありがと」
「あー……そうですか。お大事に……」
女性は、枯れ木のような体を引きずるようにして去っていった。
「あの子、体壊したらそのアキラ君を支えられなくなると思うけれど、長い目で見てないわねぇ……そもそも、騙されてそうだけれど」
「あそこまで自分を追い込むような子、何言っても聞きそうにないから、あれ以上言わなかったのは正解ですかねぇ」
その女性を見送りながら、二人は何もできない無力さを嚙み締めていた。
次に現れたのは身なりのいい年配の女性だ。チオンジェンはその女性を見るなり、「スキ」と蔓で指さし言う。その女性に話しかけてみると、女性はこう言った。
「ふうん、この神社の木材を作った子ねぇ……なら、お金はいらないわ。どうせいくらでもあるもの。そんなことよりも私は若さが欲しい……若さが憎い。糞、あの女! 若いからってアキラ君の正妻を気取りやがって……あの女、私達のことを『金がないとアキラ君に相手してもらえない人達』扱いして、『今はプライベートでーす。アキラ君と一緒にいたいなら、私にお小遣ちょーだい』だなんて勝ち誇った顔をしやがって……あの女、名前も知らないけれど許せない……縁切りさせてやる……絶対に。この絵馬、貴方の木材からできたんでしょ? じゃあ、その木材に書かせてもらうわ……代わりに私の想いを届けて頂戴……」
年配の女性はそう言って『若いからって調子に乗るなよ子娘』とぶつぶつ言いながら、達筆な文字で書き記す。
「頼んだわよ……チオンジェンのお嬢ちゃん。貴方の木材で作った絵馬は効果が強いっていうし、貴方の作った木簡ならあの女も呪いが降りかかるはず……」
「スキ」
そうして年配の女性は去っていく。
次は、ハゲかかった年配の男性だ。随分と深いため息をついている。
「実は、お恥ずかしい話……私の娘が風俗嬢をやっているのですが、どうもアキラとかいう評判の悪いホストの男のヒモを養っているようで。娘のことは、男で一つで育てて、甘えさせることも、贅沢をさせてやることも出来なかった負い目があります。だから、風俗嬢を辞めろとは言えません。
ですが、アキラとか言う男はあまりに評判が悪い。せめてそいつとは縁を切れるように、ここにお参りに来たんです」
「な、なるほど……」
「このポケモンが神社で使われている木簡の素材を作った子ですか。なら、木簡にアキラと別れるように思いを込めて書けば、何か起こりそうですね……」
その次に来たのは、真面目そうなサラリーマン風の男性であった。
「アキラとかいうホストに妻がはまって借金までしていて……妻もホストも、完全に縁切りしてやりたくてここに来ました」
「あ、はい」
こんな調子で色々な人間の呪詛を木簡に書き記してもらったが、何か見えない力に引き寄せられているかのように、アキラという名のホストに関係する縁切り依頼が集中していた。絵馬の代わりに書かれた縁切り依頼は、良質な怨みが込められているため、チオンジェンはとても大事そうにぎゅっと抱きしめていた。
「……アキラ君、いつか刺されるんじゃないかしら?」
「死期!」
「ホストって大変ですねぇ」
縁切りをしたい人たちの後姿を見送りながら、二人はため息をつくのであった。
そんなこんなで、その後も色んな所を回りながら大量の木簡に恨み節を書いてもらった二人は、雑草が生え放題で放置された広大な空き地へと移動する。ここは定期的にレンタルゴーゴート放牧して草の処理を行うような場所なので、万一新しいチオンジェンが産まれても、ここの草木を枯らして困る人間はいないというわけだ。
「さて、5日かけて集めたこの木簡……これをカタツムリの彫像にセットしていきます……これらの恨み節は全て、ジェーンちゃんが怨みを抱えているにと感じた人に書いてもらったものなので。いい恨み籠っている事でしょう。
これをセットすることで、新しいチオンジェンが産まれる……そうしたらそれは、立派な生命の神秘です。つまり、エロス!」
「よくわからないけれど、きっとそれもエロスですね!」
インゲンとカメラマンのダイナは固唾をのんで、チオンジェンの彫像に作った木簡を一枚ずつはめ込んでいく。最初は軽い違和感だったが、まず最初にインゲンがそのまがまがしい気配に気づく。遅れて、ダイナもまた彫像に産まれつつあるまがまがしい気配に気付き、思わず距離を取ってしまった。カメラとライトは彫像に向け続けているが、そこには黒い靄のようなものが立ち込めている。何かあっても、インゲンのポケモンは強力。今回は手持ちの虫タイプや、炎タイプ、フェアリータイプを連れてきている。ねじ伏せることは可能だとわかっていても、その威圧感には近くいることを耐えられないほどの恐怖心を抱かせ、ダイナはさらに下がる。
インゲンも胸騒ぎを堪えて全ての木簡をはめ終えた。すると、広がりつつあった黒い靄は、中心部にへと集まってゆき、靄というよりは黒い球となる。その球が黒い波紋を周囲に振りまくと、半径4メートルほどの草花が見る見るうちに枯れ、彫像もガタガタと揺れ始めた。狙い通り、このまま新しいチオンジェンが産まれるかと思いきや、期待に反して黒い球は彫像の中には入っていかず、あろうことかインゲンに襲い掛かり、彼女を覆い尽くそうとしてきた。
「くっ……だ、だめ……」
黒い球の動きに反応しきれなかったインゲンは、怨みから生まれた黒い塊に体を乗っ取られそうになるが……
「危機……隙……キス」
と、声を上げたチオンジェンに蔓で抱きしめられると、あまりに大胆なディープキスをさせられた。インゲンに取り憑いていた黒い靄は、すべてチオンジェンの中に吸収される。一連の出来事に、インゲンは腰を抜かしてその場にへたり込む。
「あ、危なかった……」
「大丈夫ですか! インゲンさん!」
「うん……ジェーンがいなかったら死んでたかも……でも、多分大丈夫」
久々に感じた恐怖に目を潤ませながら見上げると、チオンジェンはインゲンを見下ろしながら彼女に蔓を伸ばし言った。
「スキ」
「ありがとう」
いくらポケモンに関してはプロでも、呪術の素人がこんな儀式をするなど危ないことだと思い知ったインゲンだが、恐らくあと一歩でチオンジェンがもう一匹産まれる所まで攻めれたような気がする。真似をする人間がいないかは心配だが、AVを見る人は基本的には18歳以上だから大丈夫だろうと、インゲンは今回の内容を封印せずに、これもまた子作りの一つの形、生命の神秘でありエロスであるとして記録を残すことにした。
しかし、今回は何が悪かったのだろうか? やはり彫像がレプリカではいけなかったのか、それとも恨みの質に問題があったのか。今はまだそれを考えるべきではないが、いずれはそれらも解決していくことだろう……
そうして、6匹全ての撮影を終えた二人は、決戦の地となるキタカミの里*11にて、ポケモンとともにスタンバイをしていた。
手元には、相手のポケモンの情報。と、言っても種族と性別のみしかわからず、どんな道具を持っているのか、特性や技構成、重点的に鍛えた能力は何か? それらは一切わからない。レベルは50レベルに合わせてあるため、特定のポケモンが強いということはなく、純粋に戦略で勝負することになる。また、特性や性格、技などがわかりかねないということで、お互いのAVの撮影風景も見ていない。
まぁ、後半三匹のポケモンはお互いがよく知っているポケモンなので、その配慮は無用なのだが。
今回のルールは種族を見せあった上で、6体のポケモンの中から4体選び、バトルに選出するオーソドックスなルールだが、メガシンカとZ技とテラスタルのどれか一つを使うこともできるため、考えることは多い。だというのに、相手のメンバーを見せられてから5分でメンバーを選ばなければいけないのだから、素早い判断が求められた。
カミツルギ:その圧倒的な素早さと攻撃力で敵を圧倒する。シンプルな高速アタッカー。キーの実持ちで味方に威張るを打ってもらう事も可能 対ウーラオスにおけるメタであり、ジャローダ相手にはシザークロスを使うつもりだったんだけれど……そういえばジャローダはすでに一度撮影してたわね。それで出なかったのかしら? いや、単純に私が対策してくるのを読んでいたのかも……
ともかく、今はいないポケモンの事なんて考えても仕方がないわ。この子はビーストブースト無しでも強力なポケモンだけれど、ちょっと不安。ガオガエンは特殊型でも物理型でもきつそうね。
私の元々の手持ち。
特性:ビーストブースト
道具:キーの実
技:リーフブレード シザークロス サイコカッター 聖なる剣
テラスタル:草
ヤドキング♂:威張るをカミツルギに打つ他、敵の攻撃力を強化することで、場合によっては間接的に変わり者メタモンや便乗クエスパトラの強化に使用する。ウーラオスが出てきたら下手に倒さず電磁波と威張るで機能停止させつつメタモンに代わりもので変身してもらうつもり。
ガオガエンが挑発して来ても止まらないのはありがたいけれど、マタドガスが怖いわね……いや、それならそれでサイコキネシスで攻撃すればいいか。ガオガエンへの打点は一切ないけれど、他の子に任せるしかないわね。
道具:広角レンズ
特性:鈍感
技:電磁波 威張る サイコキネシス 癒しの波導
テラスタル:水
クエスパトラ♀:まさかの物理型クエスパトラ。ヤドキングが威張るで敵を強化することで、敵を叩き潰す。相手が悪だくみや瞑想を積むのを躊躇して、剣の舞などを積ませることでそれを逆手に取る戦法。ソラの相棒であるジャローダも、同時に便乗の特性でこいつが強化されてしまうことを警戒させ、出しにくくなるというジャローダに対するメタなのに、なぜかマタドガスが出て困惑しっぱなしよ。
相手が特殊方面を強化してもバトンタッチがあるため腐らない……けれど、便乗の特性をどこまで発動させられるかしら?
特性:便乗
道具:格闘Z
技:イカサマ 思念の頭突き バトンタッチ けたぐり
テラスタル:悪
チオンジェン:カタストロフィで相手の耐久を無視して攻撃しつつ、壁を張って味方をサポートする。耐久よりに体を鍛えており、シングルでもダブルでも圧倒的体力で生き残る子よ。ただ、相手に格闘タイプが多いのが気になるわね。格闘タイプのジムリーダーを目指していただけあって、やはり悪タイプは出しづらいかも。
特性:災いのお札
道具:光の粘土
技:リフレクター カタストロフィ ヤドリギの種 バークアウト
テラスタル:草
メタモン:あえてヤドキングに物理型の敵を強化させて、その能力をコピーして戦う。レンタルポケモン。物理型の強力なポケモンを想定しており、特にウーラオスなどを想定していたが、ジャローダでも二回程リーフストームを打ったあたりで変身すれば、そのままやり返せるという作戦だったんだけれど……正直読みが甘すぎた。
残念ながらジャローダは見せあいにすら出なかったけれど、メガミミロップ相手になら出せるかしら……? それにしても、マタドガスのせいで変わり者が発動せず、変身する間もなくぶちのめされそうなのが怖いわね。
特性:かわりもの
道具:気合のタスキ
テラスタル:ノーマル
ソウブレイズ♂:あえて炎や蟲弱点のポケモンを多くしているため、その弱点補完ね。レンタルポケモン。特性が貰い火であり、炎に弱いポケモンをあえて配置することで炎タイプの攻撃を誘う。たとえ4体のうち1体に選出しなくとも、控えにこいつがいるというだけで炎技を躊躇させられると踏んでいるけれど……ガオガエンがきついわね。
特性:もらいび
道具:たべのこし
技:剣の舞 無念の剣 シャドークロー かわらわり
テラスタル:炎
「なんでマタギガスがいるのよ……セックスしたポケモンしか出せないルールだから絶対に出てくるわけないし、なんならジャローダが絶対に来るって思ったのに! 頭おかしいんじゃないの!? ウーラオスは読めたけれど……
くそ! メタモンとクエスパトラが出しにくいじゃないのよ! うーん……メガ枠はミミロップのみか。クチートが出てこないのは良かった……」
インゲンはソラのポケモンを見て思いっきり愚痴を漏らす。その様子を撮影しながら、カメラマンのダイナは苦笑していた。
ガオガエン♂→マタドガスとともにだし、威嚇、バークアウトや捨て台詞で相手を弱らせるサポーター。インゲンの本来の手持ちであるクレセリアを意識したものなんだけれど、今回はクレセリアでないのかぁ……だがまぁ、カミツルギが怖すぎる。特性ガードがあればマタドガスと一緒に出しても威嚇は発動するし、カミツルギ対策でこいつを入れておこう。威嚇の特性はあいつに刺さるしな。
ソウブレイズの貰い火だけは警戒しなきゃだが、まぁ……マタドガスと一緒に出せば、大きな問題はあるまい。ダメージはほとんど与えられなくとも、強化はされない。
道具:特性ガード
特性:威嚇
技:バークアウト、捨て台詞、炎の渦、ちょうはつ
テラスタル:炎
マタドガス(ガラル)♂→化学変化ガスの特性で相手の特性を消し、戦線を崩壊させながら立ち回る。俺自身の手持ちだが、ルール上こいつが出てくるわけが無いと思われていたっぽいな。メタモンとかクエスパトラとか、特性ありきのポケモンが多い印象だし……なら、こいつは入れておくべきだな。
道具:黒いヘドロ
特性:化学変化ガス
技:守る どくびし クリアスモッグ 熱風
テラスタル:毒
レジギガス:ガオガエンが整えた場に君臨して暴れまわる。基本的にはマタドガスとともに戦わせるが、場合によってはミミロップに仲間づくりをお願いする事も視野に入れよう。俺の手持ちだが、インゲンはまるで警戒していなかったっぽいな……ケケケ。
道具:ヘヴィメタル
技:握りつぶす ヘビーボンバー ヒートスタンプ ドレインパンチ
テラスタル:ノーマル
ミミロップ♂:メガシンカを利用して暴れまわる物理アタッカー 場合によってはレジギガスのサポートも行うし、メガシンカせずに相手の特性を変えることもする。チオンジェンやソウブレイズなんかはこいつのおかげで出しにくくなるだろう。
道具:ミミロップナイト
特性:ぶきよう
技:おんがえし 跳び膝蹴り 仲間づくり 猫騙し
テラスタル:ノーマル
ウーラオス♀:鉄壁で耐え抜き、水流連打でいかなる敵も急所を貫いて叩き潰す。水タイプが効きづらいポケモンはボディプレスで何とかする。俺の手持ちだし、インゲンからは警戒されていたみたいだな。是非とも出してあげたいところだが、ちょっとカミツルギが怖いな……斬撃系の技が多いから、もしもピントレンズなんて持ってやがったら、鉄壁も無意味になる可能性が高いし。
道具:ゴツゴツメット
特性:不可視の拳
技:水流連打 鉄壁 ボディプレス いわなだれ
テラスタル:格闘
ニドクイン♀:唯一の特殊アタッカー。どの技も強力だが、マタドガスを出すなら、弱点が被ってしまうこいつは出しにくいかな。ヤドキングも少し怖い。
道具:命の珠
特性:力づく
技:大地の力 ヘドロ爆弾 冷凍ビーム 十万ボルト
テラスタル:毒
「チオンジェンに……カミツルギ? インゲンのやつ、正気かよ!? しかし、クレセリアが来ると思ったが、出ないのか。まぁ相性は悪くないか……うーん、虫タイプの一匹でも入れときゃ良かったな……だが、カミツルギが出てくるとは思わなかったが、クレセリア対策に入れていたガオガエンは刺さりそうだ……どうするか」
ソラもインゲンのポケモンには正気を疑ったが、幸いなことにタイプ相性はともかく、特性の関係でマタドガスが刺さりまくるために悪くなさそうだ。彼を撮影中のレンズは、「ソラさんも人のこと言えない気がする……」と、いう言葉が浮かんだが、心の中にそっとしまっていた。
そうして、選ばれたポケモンを手に、二人はとキタカミセンターと呼ばれる、お祭り会場や祭事の会場として使われる場所で並び立った。
「中々面白いポケモンを揃えてきたじゃねえか? 一体どんな内容のAVを撮ったんだ? まさかカミツルギの攻めにアンアン喘ぎ声でも上げてやがったか? ケツが4つに割れてないか心配だぜ」
「あらぁ、そっちこそ。どんなAV撮ったか知らないけれどレジギガスにアナルガバガバにされてないか心配だわ。ちゃんとウンチ我慢できる? マタドガスに好かれて臭くなってない?」
「ほざけ……今日はお前をほえ面かかせてやるからな!」
「それはこっちのセリフ! AVの売り上げでも、この勝負でも、あんたに勝って見せる!」
そんなやる気でみなぎっている二人の売り言葉に買い言葉。二人は一応プロトレーナーとはいえ、そこまで世界ランクで上位というわけでもないし、AV女優として有名とはいってもたかが知れている。そのため地元の人間は、テラスタルバトルをするためにわざわざ田舎までやってきた変わり者のバトルと思って、面白がりながら戦いの始まりを待っていた。
「それでは、両者構えて! 勝負開始!」
審判の合図とともに勝負が始まる。カメラマンのレンズやダイナ、そしてドローンロトムが見守る中、ダブルバトルは始まった。
ソラのポケモンはガオガエンとマタドガス。インゲンのポケモンはカミツルギとヤドキング。インゲンは相手のマタドガスを警戒した結果、特性に頼らずとも強いポケモンを狙って繰り出した。とりあえず、相手はガオガエンを出したが、威嚇は来ないはず。そのためカミツルギの攻撃で畳みかけてやる……そう思ったのだが、現実はそうはいかなかった。
ガオガエンがボールから出るや否や、威嚇してきたためにカミツルギが委縮してしまったのだ。
「なぜ……」インゲンが思わず声を上げる。なぜかと言えば、ガオガエンが特性ガードと呼ばれる道具を着用していたからだ。この道具を着用していれば、特性が変えられることはない。化学変化ガスの効果も通じないのだ。
「ガオガエン! その紙に炎の渦 マタドガスは守れ!」
ソラの指示が飛ぶ。インゲンはガオガエンの威嚇に判断が遅れ、致命的なミスをした。
「カミツルギ、サイコカッター! ヤドキングはサイコキネシス!」
あまりに厄介なマタドガスを先に仕留めるべきと判断したインゲンは、焦るあまりにその隙を突かれて攻撃をすべて無効化されてしまう。
「マタドガスはいるだけで役に立つんだ。簡単には殺らせねーぞ! ガオガエン、ヤドキングに捨て台詞! マタドガスはどくびしだ!」
カミツルギは炎の中にとらわれる。何とか直撃は避けたが、ただでさえ炎に弱いカミツルギにはほぼ致命的な一撃だ。放っておいてもやれると判断したソラは、一旦ガオガエンに退かせて、控えのポケモンに交代する。
「く……カミツルギは引き続きサイコカッター、ヤドキングもサイコキネシス!」
カミツルギは炎の渦にとらわれながら、何とかマタドガスに一撃を加える。しかしながら、マタドガスは死にかけのカミツルギが放ったその攻撃など、余裕で受け止めてしまい、それを見送りながらカミツルギは力なく地面に落ちていった。パートナーだったガオガエンはそのまま捨て台詞を吐いて逃げてしまい。ヤドキングの攻撃力を下げてしまう。
そのおかげで、マタドガスは傷を負いながらもいまだ健在。厄介な特性は残り続けてしまった。
「焦りすぎだぜ、インゲン。お前の悪い癖だ!」
レジギガスが降臨してしまった。それも、割と最悪な形で。マタドガスは次のターンもその気になれば守って時間を稼げるし、レジギガスは最初からフルパワーである。
「インゲン選手! カミツルギが戦闘不能になりましたので、次のポケモンを出してください!」
審判に促され、インゲンは歯を食いしばりながら次のポケモン、クエスパトラを繰り出す。クエスパトラは出した瞬間に毒に侵され、顔をしかめてしまった。
「それでは試合を再開します」
その合図とともに、二人は待ってましたとばかりに指示を下した。
「レジギガス、クエスパトラを握りつぶせ! マタドガスはもう一回毒びし!」
「クエスパトラ、マタドガスに思念の頭突き! ヤドキングはレジギガスに電磁波!」
マタドガスがもう一度守るとは考えず、今回は何かしら攻撃してくるだろう。そのインゲンの読みは合っていた。これならばクエスパトラの攻撃は通る。
「なぁ!?」
インゲンの指示にソラは驚いた。特殊で育てたほうがいいクエスパトラに物理攻撃だなんて、中々酔狂なことをするもんだ、と。ともあれ、マタドガスは倒されガスが消えた。
レジギガスは、思念の頭突きを終えたクエスパトラを巨大な手で捕らえるも、スロースタートの特性でその力は半減してしまい、さらに麻痺も貰ってしまう。だからと言って弱いというわけじゃないのがレジギガスの恐ろしいところだが……
「俺の次のポケモンはこいつだ! メガシンカしてヤドキングにおんがえし! レジギガスはそのまま握りしめたまま、ヤドキングをぶん殴ってやれ!」
そう言ってソラが出したのは、ミミロップだ。出すや否やメガシンカしたミミロップは、目をらんらんと輝かせてヤドキングに襲い掛かる。レジギガスには、そのままクエスパトラを握りつぶさんとする指示を出す。
「クエスパトラ、頭突きで振りほどきなさい。何度でもやってやりなさい! ヤドキングはミミロップに威張る!」
インゲンは不利を悟り、勝負に出る。そして、ソラはインゲンの狙いを理解した。インゲンのクエスパトラが物理型なのは、味方の威張るによってソラのポケモンの攻撃力を上げさせ、それに便乗してクエスパトラも攻撃力を上げるためだ。そして、ミミロップの攻撃力を上げるということはつまり、残るポケモンは恐らくメタモン。攻撃力が大幅に上がったメガミミロップに変身でもされたらたまったものじゃない。
ミミロップはヤドキングに攻撃を当てたし、レジギガスも握りつぶされたまま苦し紛れに出した思念の頭突きにひるむことはせず、麻痺した体はむしろ、手を開く方向ではなく閉じる方向へとレジギガスを導いてしまい、逆にクエスパトラは苦しむ結果となった。しかし、クエスパトラを握りしめたままヤドキングに殴りかかるレジギガスだが、麻痺で鈍ったその攻撃はヤドキングに当たらなかった。ヤドキングはミミロップの攻撃を耐え抜いたうえで、ミミロップ相手に威張り散らした。
それを見たミミロップは怒りのあまり攻撃力が上がり、しかし冷静な判断が出来ない精神状態となる。同時にクエスパトラは便乗し攻撃力が上がってしまった。
「クエスパトラ! Z技いくわ! レジギガスに全力無双激烈拳(?)。ヤドキングは引き続き威張る!」
「レジギガスは手を緩めるな! ミミロップは……退け!」
威張るで強化されたミミロップをメタモンに利用されてはまずい、と判断したソラはミミロップを手持ちに戻す。レジギガスは手を緩めないようにと固く握りしめていたつもりだったが、Z技にはさすがに分が悪かった。インゲンが格闘Zの舞を踊るに合わせて、クエスパトラに簡単に振りほどかれ、便乗で強化された蹴りの応酬(拳を使う技なのに)で叩きのめされ、倒れ伏してしまう。
「レレレ ジジジ レレレ……」
せっかくキタカミの里まで来たというのに、Z技が使われたことでテラスタルが使われることはなくなってしまった……何のために来たのかと言いたいところだが、まだポケモンバトルが盛り上がっておらず、まともなスタジアムもないパルデアでしか使えないルールのために、二人ともテラスタルのタイプを変更するほどのポケモンを持っていないのである。
もっとテラスタルバトルが盛り上がらないことには、どんな地方でも使えるZ技やメガシンカに軍配が上がるのは仕方のないことなのだ。
バトルのほうはといえば、メガミミロップの代わりにもう一度フィールド上にガオガエンが現れ、威嚇する。もうクエスパトラはZ技は使えない、だが、ガオガエンは出てきて早々に威張るを使われたため、便乗して攻撃力を上げたクエスパトラはすでに三段階上昇といったところ。中々厄介な状況だが、散々握りつぶされ、毒も回って、もうクエスパトラは満身創痍であまり長くは戦えないだろう。
ソラは、クエスパトラのZ技でレジギガスがやられてしまったので、頭を冷やしたメガミミロップを出した。
「ミミロップ、猫騙し! ガオガエン! バークアウトだ!」
「クエスパトラ、けたぐり! ヤドキングはミミロップに電磁波!」
このガオガエン、実はサポート特化である。そのため、威張るで攻撃力を上げられたはいいが、困ったことにその攻撃力を持て余してしまうという困った状況だ。しかも厄介なことに、この時ガオガエンは威張ってきたヤドキングをぶん殴ってやろうと、指示を無視して走っていって転んでしまった。威張られて完全に頭に血が上っている。結果、ミミロップの猫騙しで怯んだクエスパトラはそのまま毒で倒れ、ヤドキングはメガミミロップに電磁波当てることに成功してしまう。
そして、インゲンの最後のポケモンは、ソラの読み通りメタモンだった。メタモンはメガミミロップの健常な姿に変身。麻痺していない状態で本物と戦うことになる。
お互い、ポケモンは弱っている。
「ミミロップ! 偽物を跳び膝蹴りで仕留めろ! ガオガエンはバークアウト!」
「メタモン、ガオガエンをぶちのめしなさい! ヤドキングはミミロップにサイコキネシス!」
ソラとインゲンの指示が飛び交う。メガミミロップに変身したメタモンはガオガエンを跳び膝蹴りの一撃で仕留めたが、自身もまたメガミミロップの跳び膝蹴りでわき腹を叩かれ、一撃のもとに叩き伏せられた。一方、メガミミロップはヤドキングの攻撃を耐え抜くと、怒りに満ちた目でヤドキングを睨みつける。ソラの指示を待つことなく、ヤドキングが次の行動を出す前に、恩返しで叩きのめし、何とか勝利をもぎ取った。
もしも麻痺で狙いを外したり、行動不能になってしまえば勝敗は逆だったろう。運も味方したソラの勝利であった。
「インゲン選手のポケモンが全滅したため、この勝負、ソラ選手の勝利となります!」
白熱した勝負。それも、見たことがないような伝説のポケモンが眼前に現れたおかげか、試合を観戦していたキタカミの里の住民は大いに沸き立った。
「……負けたわ。受け取りなさい」
インゲンは叫びたい衝動を堪えつつ、ソラに賞金を渡し、握手をする。ソラは差し出された手を取り、固く握手すると、小さくため息をついて笑顔を見せた。
「今回は俺の勝ちだ。だが、冷や冷やしたぜ。同じ状況になっても負けないように対策を考えておく……なるほど、クエスパトラを物理で使う……色々悪いことが出来るんだな」
「次は私が勝つ……大会で出会ったらひねり潰してやるから覚悟しなさいよ。それにしてもマタドガスと特性ガード……なるほど、そんな使い方もあるのね……」
いがみ合ってはいるものの、敗者に対して酷い言葉をかけることはなく、また勝者に対して言い訳をするでもなく、二人は勝負を終えた。エンドウさんにレンタルしたポケモンを返却したら、勝っても負けても、すぐに考えるのは次のバトルの事。昔故郷にいた四天王の言葉通りなら、二人はとてもいい勝負師であり、とてもいいライバルなのであった。
そうして、勝負を終えて数週間後。発売されたAVの評価はといえば、言うまでもなく賛否両論であった。
4匹目までは見た目がよく、AV映えするポケモンだったのに、5匹目と6匹目は本来のコンセプトを忘れたかのように、マタドガスのようなゲテモノなポケモンだったり、そもそもあれがエロなのかといえば首をひねるようなポケモンであったため、「そういう企画じゃねーから!」という声も多数であった。
だが逆に、勝つために全力を尽くしたからこそ、まともなAVでは絶対に選ばれないようなポケモンのAVが作られたのもまた事実。普段見ないポケモンのAVを見られたことに対して好意的なレビューも少なくはない。前半のものを含む、好意的なレビューをいくつか抜粋して、この物語を締めくくろう。
ソウブレイズ
・総大将さん(21歳、男性)星5
『ソウブレイズのチャプターを見て、うちの彼女が「こんなものみるんじゃない」と土下座して怒ってきました。4針縫いました』
クエスパトラ
・トリマニアデビルさん(24歳、女性)星5
『鳥のお尻……エッチで素晴らしいです』
メタモン
・ハニートーストさん(42歳、男性)星5
『男の娘……いいですよね。私もドレディアの♂とセックスしたい……』
ヤドキング
・フィールさん(31歳、男性)星5
『いつもとは違うインゲンさんに興奮しました』
カミツルギ
・総大将さん(21歳、男性)星5
『カミツルギのチャプターを見て、うちの彼女が土下座して同じことをしてほしいって頼んできました! 7針縫いました!』
・事案さん(年齢未選択、性別未選択)星5
『トイデ! トイデ!』
・コシマエさん(19歳 男性)星5
『ふーん、エッジじゃん』
チオンジェン
・モーモーミルク注がれ隊(年齢未選択、性別未選択)
星5『ソソルー!』
・飯 由衣さん(年齢未選択、性別未選択)星5
『ミ タ ヨ』
・オカルトママさん(31歳、女性)星5
『今度、同じ方法でチオンジェンを作ってみたいと思います。成功するといいなぁ……』
ガオガエン
・たっちゃんさん(24歳、男性)星5
『ガオガエンがあんなにいかついのにネコチャンになっているのがとっても良かったです』
ミミロップ
・いきなりウサケツ(年齢未選択、女性)星5
『太ももがセクシーすぎて、私もあの太ももに挟まれたくなっちゃいます』
ニドクイン
・トーマさん(22歳、男性)
『熟女はいいぞ。女の魅力が詰まってる』
ウーラオス
・ばんえいウマ息子(26歳、男性)
『ガチムチ筋肉女子の魅力をわかってくれる人がいて嬉しい。あの前掛けをめくるシーンで最高に興奮しました』
マタドガス(ガラル)
・アルトさん(25歳、男性)星5『私は小さい頃から喘息で苦しんでおり、そんな私を見かねて父がガラルのマタドガスを取り寄せてきてくれたんです。そいつのおかげで私は咳に苦しむことも少なくなり、ずっと身近私を支えてくれたポケモンでした。そのマタドガスの魅力を伝えてくれる人がいてとても嬉しいです! 今度私も彼女を……マタドガスを抱いてみようと思います!』
レジギガス
・アイスさん(年齢未選択、性別未選択)星5
『・・ー・・ ・ー・ーー ー・・ー・ ー・ーーー ・・ー・ 』
・エレキさん(年齢未選択、性別未選択)星5
『ー・・ ・・・ー ー・ ・・ー・ ー・・ー・ ーーーー ・・ー ・ーー ・ーー・ ・ー・ーー ・・ー ー・・ー ーーー ー・ ・ー・ー・ ・ー・ーー ーーー・ー ーー・ー ・ー・・・ ・ーー ー・ー・ ・ー・・ ・ー・ー・ ーー・ー・ ・ーー ーー・ー・ ー・・ー ーーー・ー 』
・鉱物マニアさん(33歳、女性)星5
『レジスチルを作るとか、とても素敵な話しじゃないですか! 今回は失敗しちゃったけれど、でも鉄を叩く工程とかとてもエッチでした! 私も一緒に叩きたくなるほど……もう言葉じゃ表せないほど素敵です! もう一回レジ系の子を作る機会があったら。見学したいくらいです!』
批判的なコメントも多かったが、ちゃんと好意的なコメントもついている。途中から暴走気味だったこの企画も、捨てる神あれば拾う神あり。誰かの推しは誰かの地雷。その言葉通り、物好きにはたまらない結果となったのである。
それだけに、新規の層を獲得できたという見方もあるため、プロデューサーと監督は暴走した二人をきつく咎めることは出来ず……それからというもの、このAVメーカーはジバコイルだとかアノホラグサだとか、マニアックなポケモンと絡むAVを発売するようになったのである。
それもまた、物好きから小ヒットを得られているのだから、人の好みとはわからないものである。
めでたしめでたし。
まずは、投稿に送れてしまい申し訳ありません。
それでも4票いただけた事は純粋にありがたいです。これを糧にしてまた執筆に励んでゆきたいと思います。
ソラ・インゲン両者とも魅力的な人物で、エンタメとしてとても楽しい作品でした。
「いつものようにテントの中でジャローダと絡み合っていると」「サイコパワーでそれを引き寄せると」など、とんでもないことをさらりと書いてある点で、序盤からとても惹かれましたし、主人公二人だけでなくポケモンたちもモブ含め魅力たっぷりに描かれていたため、似た展開が繰り返される長編でありながらも飽きることがなく、素晴らしかったです。カミツルギ・レジギガスのエッチシーン(?)では、誕生してすぐ死んでしまう生物に、物の哀れも感じて愛おしかったですね。
少し気になったのはメガシンカ・Zわざ以外に持ち物がバトルに介在していなかった点でしょうか。特に、ギガスドガスではマタドガスがパーティの軸になるため、タスキや回復実、たべのこし等の道具を持たせてマタドガスの生存ターンを伸ばし、わかりやすい脅威となるレジギガスには状態異常が雨あられと飛んでくるのでラムを持たせるのが主流です。そのあたりに触れられていなかったのは「ガチバトル」と題している上でやや気になりました。 (2023/12/17(日) 14:15)
Twitterでメタグロスの件を見て以来、どうしてもそれをもとにしたネタをやってみたくなり、こんな形になりました。最初はレジギガスを出すことを考えていましたが、連鎖的にマタドガスも出すことになってしまったのは幸か不幸か……
カミツルギやレジギガスに関しては、一応公式でタマゴが出来ていないために、あのような形となってしまいました。いつかはジュン伝説も増やせるようになればいいのですが……
バトルの点については非常に申し訳ない気持ちでいっぱいです。大幅に遅れてしまったがために、もっと書くべき情報が大量にありましたが、色々限界が来てしまいました。加筆修正で少しはましになったかと思いますが、ゲームの主人公と違ってどんなポケモンとでも仲良く慣れるわけではないので、タイプの偏りがあったりするのは大目に見てください。
純粋にこのスピード感とノリが好き (2023/12/18(月) 07:39)
ありがとうございます
大分遅れていたけれど、その分の凄い濃厚な性を叩きつけられてこれは投票せざるを得ない (2023/12/18(月) 23:26)
やはりレジギガスもカミツルギもチオンジェンも、エッチですね! 性癖の新しい扉を開けますね!
☆☆☆☆☆(星5)抜いたことのあるポケモンでしか繰り出せないバトルでえげつないのを使われて負けるというネットで有名なコピペをこんな面白い形でアレンジされるとは……。登場するポケモンの数も多く一見すると読みきれるかなぁと心配になるくらいの文章量でしたが、それを感じさせない文章のうまさに加えて先が気になる展開の数々に一気に読破してしまいました! 欠点があげるとすれば、このAVがどこにも売られてないことでしょうか (2023/12/23(土) 22:24)
私もこのAVが欲しいです。特にウーラオスあたりを見たいですね……
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