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キョウダイヤイバ の履歴(No.2)


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過激な戦闘、小水、♂×♂の描写があります、苦手な方はご注意ください
※某不思議のダンジョンの設定が一部登場しますが、深く考えずに「そういう設定」程度の認識でお楽しみください



  薔薇が咲きます 大切にしましょう

written by 慧斗





 ダンジョンにおいてモンスターハウスというのは特に気が抜けない。
 こういう場合「切り抜ける」か「ぶち壊し抜ける」の二択なんだろうが、俺の場合は「切り抜ける」一択だなと一匹笑って前腕の鞘からアシガタナを抜いて中段に構える。
 マイダスと2匹ずつ分担するような陣形を取りつつ吹雪を発動、等倍1匹と半減2匹だがケンホロウは倒した。シャンデラの煉獄を躱しつつ返しのハイドロポンプで炎塊を突き破り戦闘不能にする。
「シュベルト、こっちに来て!」
 遠距離攻撃手段に乏しいマイダスには形勢不利だったかなんて考える余裕すら俺にはなかった。
 怒りに任せてアシガタナを引っ掴み、交戦中のエンブオーとオノノクスめがけて槍投げの要領で投擲する。
 アシガタナは透明な空間に突き刺さり、透明だったカクレオンの腹を横から割いていた。
「店長、僕のピアノ…」
 重症で錯乱しているカクレオンの腹に食い込んだままのアシガタナを引き抜き胴切りで両断、想定外の弱さ*1に驚きつつも交戦中のマイダスを救援すべく隣のマスに移動する。
 敵を視認した瞬間、憎きアホ面が脳裏にフラッシュバックしてその場で叫びたくなるほどの辛さと怒りに襲われる。
「よくも俺のマイダスを、このドグサレが!!」
 感情に任せたアシガタナの刺突が全身を高速で突いていく。
「遅くなってごめん、もう大丈夫だ…」
「ありがとう、シュベルト後ろ…!」
 振り返るまでもなく、爆炎の音に敵のフレアドライブだと察する。
「了解!」
 シェルブレードとフレアドライブが一瞬で交錯、エンブオーの肉塊に捌方向からの斬撃が走り炎ごと切り裂いたのを確認して、とどめの玖撃で胴に風穴を開け刺し貫いたアシガタナを鞘に収める。全員撃破完了。

「行こうぜマイダス、この部屋の階段がラストだ」
「うん。でも、最近のシュベルト、なんか様子変じゃない?何か辛いことある?」
 マイダスは本当キバゴの頃から変わらない。純粋で優しく見えて本質を見逃さない。
「…後で話聞いてくれる?」
 オノノクスになっても澄んだ目が頷いてくれたことに内心救われたような気持ちで二体だけの部屋を抜けた。


キョウダイヤイバ




「そっか、久しぶりにこっちへ来てくれたのは嬉しいけど、シュベルトもあっちの世界で大変だったんだね…」
 絶賛開拓中のパラダイス手前に鎮座する一軒家、俺たちがミジュマルとキバゴだった頃なら広すぎるぐらいだが、その広さを満喫する暇もない程の激戦続きでやっと氷触体を倒したら今度はマイダスやこの世界とさようなら。マイダスのおかげでこの世界に行き来できる様になったけど、開拓に奔走してたらいつの間にかダイケンキとオノノクスのデカめな雄の二匹暮らし。
 見知らぬキバゴに名前を聞かれて、咄嗟に好きなロボットの名前を入れようとしたら六文字入れられなくて仕方なくランスロットから武器の名前だったシュベルトに変えたのも遠い昔。
 あの頃はまだ漢字も読めなかったけど、いつの間にか漢文に苦戦する段階にいた。
 俺だけがニンゲンの世界で時間をふかし続けて、少しずつ色んな重圧に耐えられなくなって、唯一の救済を求めて引き出しのカッターナイフを手に取ろうとした時、引き出しの底に忘れかけていたもう一つの救済にすがるようにこの世界に戻ってきた。


「おかえりシュベルト、一緒に頑張ろうね!」
 二つの時間軸は互いに干渉しないのか、最後に会った時と変わらないマイダスを見た時、思わず目からハイドロポンプになりかけたが、こらえるを発動して平静を装ってみた。
 けれどもマイダスには全部お見通しだったという訳か…

「あっちの世界で辛いことがあるなら元気になるまで逃げてもいいんだよ、でも逃げっぱなしにはしちゃダメだからね…?」
 オノノクスになっても優しさは1ミリも変わってないし、けれども本質からは目を背けず向き合っていく勇気をくれる、そんな背中を撫でてくれる手とぬくもりを前にハイドロポンプとまでは行かなくても、水の波動程度は流していた。
「マイダス、ありがとな…」
「いいんだよ。シュベルトは僕にとって大事な友達だし、それこそ兄弟みたいな感じだから…」

 そこまで言いかけて、撫でる手と体温が離れていく。
「どうしよ、また変になっちゃってる…」
 俺から距離を取って背を向けたまま、マイダスは何かを心配そうに見ている。
「マイダス、どっか具合でも悪いのか?」
「ううん、そんなのじゃないよ。それよりさ、明日は依頼も開拓もお休みして、久々にでこぼこ山に行かない?」
 俺に背中を向けたままのマイダスから突然持ち掛けられた提案に思考を張り巡らせる。
 具合は悪くなさそうだし詮索も今はしないけど、あいつ何か隠してるっぽいな?

「でこぼこ山って言ったら、ここの近くにある橋の迂回ルートになってるダンジョン?」
「そうだよ、僕とシュベルトが出会って最初に行ったダンジョンだよ。橋壊れてて…」
「あぁ、そういや橋壊れてたっけな。確かあのダンジョンではあの時…」
 なんか注目ポイントがすれ違う感じを覚えつつも、二つ返事で提案をOKして相変わらず背中を向けたままのマイダスと共に藁に寝転がった。

「兄弟、か… マイダスは俺の兄弟だとしたら、兄と弟のどっちなんだろうな…?」
 寝息の返事に一匹苦笑して、素数でメリープを数えて眠ることにしたが、113の次を考えてるうちに思考はそこで途切れた…


 マイダスから「今日も頑張ろうね!」の一言を聞いて始まる朝。
 スターミーのサルベージや畑を一通り確認した後、管理役のヌオーさんに軽く挨拶してから依頼を持たずに二匹だけで十字路へと歩く。
 依頼ゲートじゃない場所からダンジョンへ入ることがかえって新鮮に思える中で、行き先を「でこぼこ山」に選択して十字路奥へと進んでいく。
「でこぼこ山に来るの久々だね、でもやっぱり橋直ってないや…」
「一度ドッコラーさん達に相談してみようぜ、多分他の仕事放り出して直してくれそう…」
 そんな雑談をしている時点で俺もマイダスも始めから橋を渡って奥に行くつもりはなかったのは共通らしい。
 あの日のことを思い出すなら道筋が逆でもダンジョンを探索するに限る。
 5階層ダンジョンでも半分はダンジョン要素薄いし、出てくる敵だって今じゃダメージすら受けないような強さ。
 今となってはダンジョンの探索というより散歩だが、あの頃は本当に大冒険だった…
「何というか、俺もマイダスも強くなったよな…」
「そうだね、シュベルトはあの頃も強かったけど今はもっと強いよね!」
「そうか?あの頃はミジュマル、というよりポケモンに慣れてなかったからな…」
「一生懸命なところはシュベルトのいい所だもんね、だから僕より強いのかな?」
 オノノクスになって余計つぶらな瞳になってるのに、そんな純粋な眼で褒めながら見つめないでくれ…
「マイダスに助けて貰ってる部分は大きいけどな、現にあの時だって…」
 照れ隠しのつもりが触れたくない思い出を口に出しかけて中断する。
「あぁ、一緒におしっこした時のこと?懐かしいね」
「やっぱ覚えてたんだ、恥ずかしいからあんま触れたくないんだけどな…」
 気恥ずかしさをごまかすように完全に踏破した階層の階段を移動した…


 初めてのダンジョンに挑んだ時、ぼくはだんだんおしっこがしたくなってきていた。
 慣れないダンジョンとバトルへの緊張か、水鉄砲に失敗して逆に水を飲みすぎたのか分からないけど、お腹の下の方がむずむずする感じと苦しさはだんだん無視できなくなってきた…
 こんなダンジョンにトイレなんてあるはずもないし、こっそりしちゃおうにもマイダスに笑われちゃいそうだし、何より他のポケモンがいっぱいだし…
「シュベルト、次の階を抜ければもうすぐだよ!」
「…う、うん」
 マイダスは優しいけど、ぼくがおしっこ我慢できないなんて知ったらきっと笑われちゃうよね…

「シュベルト、後ろ!」
「…うん、分かった!」
 マイダスに言われてようやく後ろのコロモリに気づいたけど、もう両手でホタチを使えない。片手でほんのり濡れてきた縦の線を押さえないと漏れちゃいそうで、だけどもコロモリを倒さないと危ないから、一か八か投げつけて倒した。
 でももう、ダンジョン抜けるまで、我慢できないよ…

「シュベルト、大丈夫?」
 ホタチを拾ってくれたマイダスが心配そうに覗き込んでくる。けれどもホタチを受け取る片手も離せない…
「もしかして、おしっこしたいの?」
 隠していたことが簡単に気づかれて、きっとからかわれちゃうんだと思ったら、思わずうなずいちゃった…
「そうだったんだね。今ポケモンもいないし、“僕からかわないから”ここでしていいよ!」
 マイダスの指差す先には岩肌の壁があって、確かにポケモンもいない。
 からかわないって言葉を信じていいのか不安だけど、漏らしちゃうよりいいよね…
 縦の線の中でおちんちんがどうなってるか考える暇もないまま急いで壁の方を向いたら、いっぱい我慢してたおしっこが勢いよく飛び出した。
 手でおちんちんを持ってないけど、縦の線の真ん中からピンクのおちんちんの先っぽが飛び出しておしっこを出している。今までとは違うけど、我慢してる時のむずむずするような苦しさとおしっこする時の気持ちよさは同じだった。
 しばらくおしっこしていると、もう一つ隣でおしっこの音が聞こえてきて、横を見るとマイダスも僕と同じようにおしっこをしていた。
「えへへ、実は僕もおしっこ我慢してたんだ。でも言い出すのが恥ずかしかったけど、シュベルトが気持ちよさそうにしてるの見たらぼくもしたくなっちゃった」
 心の中で、色んな不安や怖さが一気に壊れていくのを感じた。
 笑顔で話してくれたマイダスを見てると何だか笑顔になってきて、おしっこも終わったのにおちんちんの先っぽをお互い出しっぱなしでしばらく笑い合っていた…


 なんか鮮明すぎて回想というよりもう一度再体験した気分。
 今は恥ずかしいけど、あの時からマイダスが心から信じられる大切な友達になったんだっけ…
 熱い友情譚、いややっぱ年頃で思い返すと恥ずかしさが勝ってしまう…
「恥ずかしい記憶でも鮮明に覚えてるもんだな…」
「恥ずかしがらなくてもいいんだよ、だって僕は“からかわないから”って約束したからね」
 独り言へのリプに振り返ると、つぶらな瞳は真剣そのものだった。
 マイダスは約束を大事にする奴だけど、そんなことまで覚えて守ろうとするなんてな…
「そうだったな。本当、この世界で最初に出会えたのがマイダスで良かった…」
「ん?」
「何でもないよ、それより早く次の階層に行こう!」


 次の階層では特にセルフオマージュなイベントが起こることもなく、森の中のこぢんまりした空間に到着していた。
「ここって確か…」
「そうだよ、ここにシュベルトが倒れてたんだ」
「そうか、見覚えのある景色だと思ったら納得だな…」
 ポケモンもいないようなこの空間に倒れていた俺が、たまたま通りかかったマイダスに見つけられた。
 文章には簡単に書いてしまえるけど、この出会いは今思えば奇跡でしかないんだな…

「ありがとうマイダス。俺を見つけてくれて、俺と友達でいてくれて…」
 感謝、口に出さずにはいられない。これこそ言葉なんかじゃ足りないけど、この瞬間で伝えなければ一生後悔しそうな気さえした…
「僕からもありがとう。独りぼっちだった僕と友達になってくれて、僕の夢のために一緒に戦ってくれる友達でいてくれて…」
 マイダスからの返事に心が満たされていく。初めて出会ったこの場所だからこそ、俺もマイダスも自分の心に素直になれてしまうのかもしれない。
「良かった。シュベルト何か様子変だったけど、やっぱりここに来たら元気になったね!」
 また純真な笑顔で思わず顔が赤くなっていく。別に悪い気はしないけど、俺だってマイダスを赤面させなきゃなんか悔しいんだよな…

「そういえば昨日、兄弟みたいな感じとか言ってたっけな?」
「えっ? いや、それはその、兄弟ぐらい絆が強いとかそういう意味合いで…」
 純真な笑顔がわたわたし始めた。正直可愛いと思ってしまったがもうひと押し行くか。
「俺にはあっちでもこっちでも兄弟なんていないけど、マイダスは兄弟みたいな存在だと思う。弟みたいに守らなきゃって思わされることもあれば、お兄ちゃんっぽい感じ優しくされるのも嫌いじゃないから、どっちが年上かは考えないけどな…」

「…」

 …っておい、何で俺が赤面してるんだ。これ言ってること実質告白も同然なのに調子乗って言い過ぎた、最悪だ、この世界に恥ずかしい記憶がもう一つ爆誕しちまっt

「僕も、シュベルトのこと本当の兄弟みたいに思ってるよ」
 黒歴史追加に焦る俺を知ってか知らずか、マイダスは頬を染めたままはっきり言った。
「シュベルトは恥ずかしがり屋さんだし色々抱え込んじゃうから、僕がお兄ちゃんみたいに助けてあげたいって思ったりもするけど、僕だってバトルの時にシュベルトに助けてもらってばっかりだし、決戦前のシュベルトがお兄ちゃんみたいに見えたから…」
「決戦前?あれ倒す時何かシュベルトに…」
「そうじゃないよ、ほら、みんなを説得しに行ったけど誰も信じてくれなかった時に…」
 …そういえばそんなこともあったな。
 決戦前に事態をみんなに伝えてもスワンナぐらいしか信じてくれず、マイダスはこらえきれずに夜中、泣いてしまった。
 俺も正直焦ってどうすればいいか分からなかったけど、そっと背中を撫でて色々言ったんだっけな…
 俺には何気ない瞬間でも、マイダスは大事な記憶として覚えててくれたのか…
「あの時シュベルト言ってくれたんだ、『一緒にチーム組んだだろ?僕は絶対マイダスを信じてるし一緒に戦い抜く』って…」
「…」
「だから、あの時から、僕はシュベルトが好きなんだ!友達としても、兄弟としても、うまく言えないけど、とにかく大切で大好きなんだ…!」


 涙目でのマイダスの心の叫びに体が無意識に動き、仰向けの斧に剣が覆いかぶさっていた。
「俺も、マイダスのこと、好きだ。上手く言えないけど、マイダスが大切な存在なのは俺も同じだ…」
 お互い勢いで後にも退けないままに心の内を叫んでいく中で、ついに互いを思う気持ちは友達や兄弟のエリアを抜け出していたらしい…
 しばらく事実を噛みしめていたが、やがて斧がゆっくりと持ち上がる。

 斧と剣の刃が触れ合い、交わった。


「えへへ、またお揃いになっちゃったね」
 マイダスは意外とアグレッシブな所あることを忘れていた。軽く触れただけの唇から余韻が抜けない。
「ああ、そうだな…」
 ふと下腹の方に押し当てられる感覚がある。俺のじゃない以上これは間違いなく…
「マイダス、お前まさか…」
「う、うん… シュベルトのこと考えると、なんかおちんちんがこんなになっちゃうんだ…」
 マイダスの下腹からは、桃色に濡れた柄が姿を見せていた。
 そうか、マイダスはこんな現象の理由とか知らないんだよな…
 ごめんマイダス、ちょっと好奇心を抑えられない…!

「確かに、あんま誰かに見せるものじゃないけど、それは病気じゃないから大丈夫だ」
「そうなの…? でもおしっこしたい時みたいな感じだけど違うし、変なんだ…」
「確かにおしっこと感覚似てるけど、卵作る成分が出るだけだから自然現象だ、大丈夫だよ…」
 不安そうなマイダスに、雄の成長を教えることになるとはな…
 どこか優越感のような、それでいてマイダスの反応がいちいち可愛い…

「卵は雌ポケモンと作るけど、すっきりするだけなら雄同士でもできるんだぜ」
「そうなの…? シュベルト、すっきりするやり方知ってるの?」
「あぁ、誰かにするのは初めてだけどな…」

 マイダスの屈強な体から覗くピンクの柄にそっと触れる。
「んっ、おちんちんなんて触っちゃ汚いよ…」
「マイダスのだから特別だよ、誰もいないからここですっきりしてみようぜ」
 仰向けのまま抵抗もしないマイダスの柄を、制御できるようになった水で少し濡らした手で撫でていく。
 ダイケンキの姿で抜いたことどころか柄を触った事すらないけど、マイダスの反応を見ながら気持ちよさそうな場所を中心に撫でていく。
「シュベルト、なんかおしっこしたくなってきちゃったよ…」
「感覚似てるけど我慢しなくていいからな、いっぱい出して気持ちよくなってよ…!」
 尿意に似た感覚は本当に射る感覚に似ている。それを合図に撫でる動きから扱くような動きに変えてスパートを上げていく。
「シュベルト、本当におしっこ出ちゃうから、かかっちゃうよ…!」
「我慢せずいっぱい出していいんだぜ、ほら、しぃーっ」
 必死に俺を気遣う姿が可愛くて、いたずらのつもりでおしっこを手伝う要領で囁いてみた瞬間、手の中の柄が震え始めた。これは数瞬のうちに出るか…!

「出るよっ…!」
 限界宣言を言い終わらないうちにマイダスの柄から初めての白い弾丸が勢いよく放たれた。


「…いっぱい出たな、すっきりできたか?」
「うん。恥ずかしかったけど、気持ちよかったよ…」
 マイダスの柄はさっき程の勢いはないが、まだ元気そうにしている。
 まるで、あの時と似てる、な…⁉

 考え事にふけっていた瞬間、今度は俺の視界が回転して覗き込むマイダスが見える。
「…マイダス?」
「今度は僕がシュベルトを気持ちよくしてあげる番だね。ほら、シュベルトのおちんちんもさっきの僕と同じだよ…」
 言われて下腹を見ると、完全に戦闘態勢に入って先走りに濡れた柄が縦のスリットから覗いていた。
 そして、純真な眼をしながらも意思を貫くようなマイダスの瞳に、これからどうなるか検討がついてしまった…

「俺も慣れてないからお手柔らかに頼むぜ…」
「優しくするけど、我慢しないでね…」
 マイダスの唾液に濡れた手が俺の柄にゆっくりと伸びて、やさしくしっかり掴んだ。
「んっ…!」
 ダイケンキでの快感は想像以上だった。もう人間に戻ることを考えられないかも…
 そのまま柄を撫でるように扱かれていく。先走って快感待ちだったのもあって、どんどん尿意にも似た射精感がこみ上げてくる。
 しかも、マイダスも俺の反応を見ながら気持ちよかった場所を重点的に扱いてくれるから、マイダスの時よりもさらに早くその時が来そうになる…
「マイダス、そろそろ出そうだから気を付けとけよ…」
「いいよ、我慢しないでいっぱい出してすっきりしてね」
 ぶっかけないように言ったつもりがマイダスの心に火をつけたらしい。
 俺より上手いんじゃないかってレベルの扱かれる快感が全身を突き抜けた。

「マイダス、もう、出ちまう…!」
「いいよ、いっぱいしーしーしてね」
 予想外の一言に全身がぞくぞくするような感覚が突き抜けた直後、ダイケンキの姿では初めての、白いハイドロポンプを柄から勢いよく飛ばしていた…


「初めてやってみたけど、気持ちよかった?」
 息の荒いまま、マイダスの質問にうなずいて返す。
「ありがとうな。でも最後のって、言う必要あったか…?」
「どうだろう?僕はシュベルトに言ってもらったの、すごく不思議な感じで気持ちよかったから、僕も言ってあげようと思って!」
「…なるほど、そういうことね」
 どうやら、今後こんな事する時はフィニッシュをうっかり口外できなくなったけど、気持ちよかったならそれもいいかもな…

 心に込み上げるプラスの感情、その中身を考えるのが妙に照れくさくて、今度は俺から、剣の刃を斧の刃にそっと重ねた。



「今日は救助の依頼が来てるから、それを受けようか!」
 翌日、変わらず純真な笑顔で依頼を選んで俺に見せてくる。
 その笑顔のすぐそばでいられるなら、俺はパラダイスを完成させることだって、どんな依頼でもできそうな気がした。
「もちろんだ、救助が最優先なのはマイダスのポリシーだもんな」
 アシガタナと顎の斧を研ぎ合わせて準備完了。
 俺の心に斧があるように、マイダスの心に剣があると嬉しいが、輝く勇気がある以上確かに閉じ込めてくれていると信じたい。
 もうしばらくここにいるつもりだけど、マイダスの言う通りいずれはもう一つの世界でも頑張らなくちゃいけないだろう。
 でも怖くない。切り札は自分だけだとしても、もう俺は一匹じゃないんだ…!


「今日も頑張ろうね、シュベルト!」
「ああ、頑張ろうぜ、マイダス!」



 救助依頼をこなすべく、剣と斧、若きダイケンキとオノノクスは兄弟で創られた刃のようにフルスロットルでゲートに飛び込んだ。


*1 経験者諸兄も違和感を抱かれただろうが、何故ここまで弱かったのかは想像に任せます

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