仲間は空を願い、速さを願い、強き身体…強さを願う。
「おい、…ばけっ…、倒せ!俺た…のテリトリーだろ!相性を…!」
群れの中でそれが、選べる選択であって、ほんとの自由な意思選択なのだろうか。
「迷い込んだ…害は与えない…す…閉鎖的ですね…私か…は何も…」
強さに結び付く願いがすべてだと思っていた。それ以外の憧れと願いを見つけるまで。
「この異種族がっ!我ら一族を愚弄するな!」「劣る異種が!滅びは内ではない外からもちこまれる!」「一族の強さの証明こそ繁栄の証だ!」
群れで強いリザードンたちが一匹に対して攻撃をしようと息を吸い込む、見せしめでテリトリー外に生かして捨て置くという目的が、もはや潰して燃えカスも残さない卑怯でも生かしておかないという目的に変わってしまっていた。
しかし、私は独り立ち前の子供、大人たちのそんなやり方が正しいのも知らなく群れの中で戦う時は1対1、自分たち以外の他種を倒すならこういう戦いもあるものだという認識だった。
「言いたいことはわかりましたが、私には関係のないこと…見せしめにするため…一人では無理だから多数ですか…目的を見失いそれですか…底が知れますね…んっ!」
「な、お前やめ…!」「なんだこいつ!この!だがぁ!?」「あなた…こっちは敵じゃ!」
吸い込んだ息を一斉に放ち最高火力で焼き殺そうとする瞬間、相手の上空に光源が出現すると相手を狙い放つ炎の口火があらぬ方向、味方やめちゃくちゃな方へと噴出されて相手に対して標準が定まらない攻撃など、容易くよけら味方から被弾していない相手に光のビームみたいな攻撃を当てて私たちの群れの者たちは立てなくその地に倒されていった。
あとから知ったが、相手が出した光源でそこにいたはずの相手が一瞬で距離を詰めてきた、こちらに対して使えるなんて聞いたことのない水技を使おうとしたなど、聞けば化かされたような状態の者が大半だったらしい。
「すごい…全然汚れてないし…みんな倒されちゃった…」
白く透き通り光るような体には煤一つ、焦げ跡も付けずほこりを払うように倒した群れの中を通りながら離れたところで隠れ見ていた私と目が合うと乾いたような笑いをみせた。
そして大きい声ではないが、口の動きでとかすかに聞こえる声で『あとはよろしく』と言ったかと思うと足早に去っていった。
私は少しぼーっとそれを眺めていたがハッとして、群れにいるほかの仲間を急いで呼びに走った。幸い私たちのテリトリーのこの土地はほかのポケ達は近寄らないためすぐに呼びに行けた。
大人たちは負傷している者たちを巣まで連れ帰って、群れで話し合いが始まっている。
リザードの私は話には案の定入れないためまだ小さい兄弟たちと大人しく寝床に入れられた。
どうしよう、凄いかっこ良かったんだけど…いつも威張っている群れで強い雄や雌を全部のして命取られそうになってるのに何あの強者…。すごくドキドキする異種なのに…。お母さんがお父さん決めた時強かったからとか強いほうがいいって…相手…リザードンじゃなくてキュウコンだよぉ…。
あのような戦いを見られて私は寝床の中で頭を抱えてわけもわからない悶々とする感情をどこにぶつけていいかわからずグシュグシュと握りしめては落ちつこうとしながら私の中で一つの結論が出た。
私は同族の強い強さにあこがれを抱く感情などは分からず流されて目指していた、しかし本物の憧れはあのかっこいいキュウコンであれが本当の憧れだと心の底で燃え上がるような感情だった。
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