作者 → 夏雪草
'’【notice】''
この作品は官能小説です。また、♂×♂、過度な性的被虐の要素ばかりです。閲覧の際は十分ご注意下さい。
「これで——最後だッ!」
波動を込めた俺の一撃が、悪意の塊に突き刺さった。数々の悲劇を生み出したそれは、怨嗟とも歓喜ともとれない声のような音を上げ、やがてゆっくりと宙に溶けるように消えていった。
千里をも見通すこの力で辺りを見渡し、そして立ち込めていた暗雲が晴れていくのを感じて、ようやく俺は己の所業を実感した。
——俺は勇者としての役目を果たしたのだった。
この戦いの始まりは、もう何百年も遡ったある時期だと言う。ある時突然数匹のポケモンが凶暴化し、同じ集落のポケモンを襲い始めた。凶暴化するポケモンは様々だったが、皆一様に“群れから逸れた者”だと言われている。その現象は『野生化』と呼ばれ、民衆を恐怖に突き落とした。
それから暫くは侵略と防衛、討伐と撃退の歴史だった。野生と集落のそれぞれの群れは、襲い、襲われ、防ぎ、攻め返しを繰り返して発展した。野生は野生のままその数を増やし、集落はやがて町へ、街へ、そして国へと進化していった。戦いの中でより技術と文明が発展し、それによって救われる命と救われない命が生まれ、疲弊して……。
そうしてお互いの勢力が拮抗し——そんな時代に、俺は産まれた。
何の変哲もない街に産まれたリオルだった俺は、十五になった誕生日に“天啓”を得た。それは単なる夢だとも思えたが、しかしそこに出てきた見たことのない星型のポケモンは、至極真剣な顔つきで俺に道を示したのだ。
『悪意の元凶を斃し、どうかこの世に平穏を齎してくれ——』
自らをジラーチと名乗ったそのポケモンは、それからも度々夢に出ては俺を導いた。俺はそれに従い、時には反目しつつも、街から街へ転々と旅を続けた。道中で人助けをし、迫りくる野生の群れを撃退し、国を救いもした。いつからか俺は勇者と呼ばれ、そしてその称号に相応しい実力をも身に付けていた。
そして今日、ジラーチに導かれた勇者は、ある遺跡の奥地にて、全ての元凶を打ち倒したのだった。
「——ふぅ……」
しばらく周囲を警戒したが、どうにも敵はいないようで、俺はようやく肩の力を抜いた。長い旅だった。長い旅がようやく終わったのだという実感は、まだ薄い。
ただどうしようもなく堪らなくなって、青々と晴れ渡った空を見上げた。
「……あれは——」
爛爛と輝く太陽とは別にもう一つ輝くものがある。それはふわふわと舞い降りて、俺の目の前で止まった。
その輝きには見覚えがある。この頃は夢の度に会っていた。
「——ジラーチか」
「その通り。……ありがとう、ライユカオン」
そう呼ばれるのも今や少ない。この頃はほとんど勇者とばかり呼ばれていた。それも嫌ではなかったが、やはり本名で呼ばれるのは嬉しい。
「いや……俺にできることをしただけだ。それで……これで本当に解決したのか?」
「そう。君のおかげで悪意の塊は消失した。少しずつだが、野生もその数を減らしていくだろう。……君に頼んで、本当によかった」
ジラーチは涙ぐんで頭を下げた。
漸く実感が伴ってきた。俺はどうやらうまくやれたらしい。
「ああ……この感謝をどうやって表したらいいんだろうか。君は誰にも成し遂げられなかったことをやったんだ」
「何度も言うが、俺は俺にできることをやっただけなんだ。頭を上げてくれ」
「本当に、君という奴は……だからこそ僕は君に頼んだんだよ。お人好しのライユカオン」
ジラーチは未だに目に涙を湛えたまま俺をじっと見つめた。そして、言う。
「……そうだ。せめて僕に、君の願いを一つだけ叶えさせてくれ」
「願い?」
「ああ。何でもいい。僕はこう見えて中々に人智を超えた存在だ。巨額の富を与えることだって、伴侶を設えることだってできる。今まで君には不自由ばかり強いてきたんだ。世界が平和になった今、君には何か、したいことはないのかい?」
「したいこと……」
その言葉に、俺の脳裏にはある一つの欲望が浮かんできた。ずっと抑え込んできた欲望だ。
言いづらいが……意を決して口を開く。
「……何でもいい、と言ったよな?」
「ああ。かなりの無茶は叶えられるよ。なんなら死後生まれ変わらせることだって僕ならできる」
「今すぐ俺の姿を変えることは?」
「えっ……まあ、できるけど」
「そうか、なら——」
「——無力な子供になって誰かの慰み物になりたい!」
「……は?」
「無理やり性処理に使われてゴミのように捨てられたい。ぐっちゃぐちゃに犯されたい。卑猥で下劣極まりない言葉で罵倒されたり詰られたりしたい。性奴隷以下の性処理具になりたい!」
「えぇ……」
世界を救ったら褒美として何でも願いを叶えると言われたのでドMの願いを叶えてもらった話
あれほど熱の篭っていたジラーチの眼差しが何故か絶対零度ほど冷たくなった気がする。何故だ。
「……いや、うん。君にそういう欲望があることは知ってたさ。時々そんな夢見てたからね」
「おいおい、覗き見だなんて趣味が悪いな」
「いや、君に分かる? 期待してた勇者にお告げを出しに行ったらえげつない淫夢見てた時の僕の気持ち」
「面白い?」
「いやいやいや……控えめに言って最低中の最低だったからね。何でモンジャラに尻穴を執拗に弄られてる君の姿を見なくちゃいけなかったの、僕」
「いやん」
「いやんじゃないよ、いやんじゃ。しかも君、女の子になる夢も見てたでしょ」
「無理やり襲ってもらえるなら性別は問わない」
「ああそうかい性癖キョダイマックスめ」
何故かジラーチは頭を抱えてしまった。何故だ。お前だって本当は気軽に尻穴とか口にするタイプだろ。
まあ、ジラーチの言いたいことも分からないでもない。どうして勇者とまで称えられた俺がそんな低俗な願望を口にするのか、ということが気になって仕方ないのだろう。
しかし考えてもみてほしい。本来俺はそういう被虐願望のある性質だったのだが、勇者として活動するうちに強大な力を身に着けてしまった。これでは俺を虐められる存在なんていないじゃないか。俺だってもっとアナルを開発してメスイキしたいし、尿道にえげつないビーズブジーを詰められて苦しみたいし、喉奥まで無理やりチンポを突っ込まれてご奉仕させられたいし——
「オーケー、ストップ、ストップだ。君の煩悩がこっちにまで伝わってるから。どうせとんでもなく下品極まりない妄想でもしてるんだろう」
「よく分かってるじゃないか。それで、できるのか? できないのか?」
「ああクソが、できるさ、できるとも。こうなりゃ自棄だ、君のありとあらゆる欲望を吐き出すといい」
「おお、それは興奮するな」
「くっそコイツ……」
どうやら叶えてもらえるらしい。
俺は一つ一つ要素を伝えていった。
「確認……したくないけど、口にも出したくないけど、するよ」
「またそう言って……口は素直じゃないな?」
「黙れ。まず、身体能力を大幅に落とし、君をリオルの姿に戻す。子供となった君は成長することはない」
「ああ、あの頃の体格が丁度いいんだ」
「何に丁度いいのかは聞かないでおくよ」
「昔アナル開発に熱を入れていた時期で——」
「聞かねぇっつってんだから言うな馬鹿! 聞きたくねぇんだよ!」
ふふふ、あの体格なら対応してるアナルパールやディルドが多いんだ。それに、身体が小さくなればそれだけ大きいオモチャが気持ちいいからな。癖に目覚めてからすぐ進化しちゃったから開発は中断することになったけど。
未だ経験は無いが、実際のチンポを突っ込むのもそれぐらいの体格がお互いに気持ちいいだろうし……夢は膨らむぞ、ふふふ。
「……それから、口にするのも悍ましいが、体液で生命活動を維持できるようにする。とは言ってもそれ一つで健康に生きられる訳ではないぞ」
「胸を張ってザーメンが主食と言える。ああ、でもイき死ぬって経験はしてみたいような……」
「脳みそ生殖器のお前には理解できなかったか。ちゃんと理性ある者として恥ずかしくないものを口にしろと言っているんだ。囀るなよ。せめて僕に殺意を抱かせるなクソ淫獣が」
「ど直球だな」
罵倒のレベルが上がってきてちょっとゾクゾクする。
でもしょうがないじゃないか。気持ちいいのが好きなんだから。お前だって好きだろ? な?
「知らない。もうお前なんぞ知らん。僕の知らないところで勝手に幸せになってろ」
「またまたぁ」
「なよなよした若者みたいな言い方するな! 僕のライユカオンを返せ!」
「俺はずっと変わってないんだがな……」
そんな変態を勝手に勇者にしたのはお前と世間だぞ? ん?
ジラーチはそれはそれは重そうに頭を抱えながらその手を俺に突き出した。その手のひらから光が溢れる。
「じゃあな。もう会うことは無いだろう。というか頼むからもう来ないでくれ」
その懇願とも思える言葉と共に光はますます勢いを強め、俺の視界を真白に染める。やがて何も見えなくなり、何も感じなくなっていった。
俺はこれからの生活、もとい性活に胸をときめかせ——
「ん……」
ふと気が付くと俺はどこかの洞窟にいた。はっと気が付き身体を見てみると、俺の体はちゃんとリオルのものになっていた。凄い。地面を蹴っても抉れない! 襲われても抵抗できない! やった!
あー、と声を出してみると、妙に声が高い。声変わり前くらいだろうか。このくらいだと一人称は俺より僕とかの方がそそるかもしれない。あ、それいいな。意識してみよう。
一通り目で身体を確認して、それから最後にそっとアナルに触れてみる。このくらいの頃は既に開発を始めていたはずなのだが、どうも未開発のような具合だった。少し残念な気もするが、いやいや、これから開発していく楽しみができたと思おう。
ちんぽの大きさは体格通り、だろうか。色素沈着もしていない鮮やかな赤色をしている。これが他人のモノだったらいつか可愛がってもらうために可愛がって育ててやるのに。虐めてもらうのが待ち遠しい。
さて、身体を検めた次は辺りを見渡す。洞窟とは言ったものの、床は均され、壁掛けの灯りがあり、そして何より鉄格子で区切られている。世界を救って早々に俺——もとい、『僕』は囚われているようだ。どう見ても牢屋です本当にありがとうございます。
……いや、牢屋で本当にワクワクドキドキムラムラしてるんだよ。この言葉を本当に感謝として言うこともそうそう無いかもしれないな。
などと考えていると、甲高い泣き声と誰かの話し声が聞こえる。咄嗟にまだ寝ているふりをして耳をそばだてると、何とも下卑た僕好みの会話が聞こえてきた。
「おらおら、さっさと入れ」
「やだ、やめろ! 家に帰せよ! この!」
「うるせぇガキだな。痛い目に合いたくなけりゃそいつみてぇに静かにしてろ」
それから、がしゃ、がしゃ、と僕のいる牢屋の戸が開いてまた閉まる音がする。きっと甲高い声の主が僕と同様に囚われたのだろう。ちらと目を開くと、隣には今の僕と同じぐらいの年齢のブイゼルが、顔付きの悪いヘルガーに脅されて泣きながら反抗していた。口ぶりに対してブイゼルの身なりは整っており、それに対比するようにヘルガーの身なりは汚い。
どうやら僕たちは野盗に誘拐されているらしい。このままいくと、労働力としてすぐに、あるいはある程度“調教”されてから、どこぞの奴隷商に売られることになるだろう。
この手の賊は昔からいるし、成敗しても減らない。彼らにも生活があるしな。だからといって犯罪行為を見逃すつもりもないが……丁度いいかもしれない。僕はむくりと起き上がった。
「……こ、ここ、どこ? おじさん誰……?」
「チッ、起きちまったか……まあいい。お前も大人しくしてろ。後で出してやるからな」
「ぼ、僕たちをどうするつもりなの……!?」
「決まってんだろ? 身なりの良いガキは高値で売れるんだよ。世の中にはモノ好きってのもいるもんでな」
自分は非力な子供、そう何度も唱えながら僕は演技を始めた。やはり僕たちは売られる予定らしい。しかも“モノ好き”に売られる——つまり男色家のペド野郎に宛てがわれるという。ワクワクするな?
それを聞いて隣のブイゼルはますます喚きだした。……まあ、自分が少数派だという自覚はあるさ。だから今まで隠して生きてきたんだし。でもこれからは自重するつもりは無いぞ。存分に被虐を楽しんでやるからな。
「ま、殺しゃしねぇから安心しろよな。大事な商品だ、むしろ自分から“おねだり”するようにしてやるから」
「なんの事……?」
「へっ……じゃあな」
そう言いながらヘルガーはニヤリと僕の身体を眺めてから踵を返した。どうやらこのヘルガーも“スキモノ”らしい。いいね。
かく言う僕は「陵辱されてメス堕ちする無知な子供」という設定で行くことに決めた。最初から素直に従ってもいいんだが、しばらくは抗ったり嫌がったりして“お仕置き”されるように動こうと思う。その方が興奮するじゃん?
僕は内心ワクワクしながらその背中を見送った。ブイゼルの泣き声だけが牢屋に響く。……あれ、このブイゼル、見覚えがあるな。
「……ねぇ、君」
「ひっぐ……な、なんだよ」
「きみのお父さんって、もしかして市長さんだったりする?」
「ずずっ……そうだけど、おまえは……?」
やはり。僕が勇者として最後に立ち寄った街の市長がフローゼルだった。そして挨拶に行った時にその息子にも会っていたのだ。本人は僕があの勇者だとは気付きもしないだろうけどな。
その彼がここにいるということは、この洞窟はあの街からそう遠くない所にあるのだろう。そして彼の父親は非常に子煩悩のはずなので……愛息の姿が見えないとなれば今も心配して探して回っていることだろう。そしてあそこの自警団には優秀な奴がいるので……まあ、このアジトもじきに発覚して救出されるんじゃないかと思う。
となれば、僕はこのブイゼルの身柄を心配するより、自分自身の快楽を優先してもいいということになる。うん、決めた。ここで一度虐められよう。
「……おい、聞いてるのか?」
「あ、ごめん。考え事してた」
ブイゼルが困ったように、あるいは怒ったように眉尻を下げるので僕は思考を一時停止して彼と会話をすることにする。いつの間にか彼の涙は止まっていたらしい。
ええと、何を聞かれてたかな。
「それで、何だっけ」
「だからお前、誰なんだよ」
「僕は……リュカ。きみはルーだよね?」
「な、何でおれのこと知ってるんだよ……おれはお前のこと知らないぞ」
とりあえず偽名を決めて名乗る。昔の愛称だ。庶民の間ではこれ自体が割と一般的な名前でもある。ライユカオンという名前はあまりにも有名になりすぎたからな。僕はただのリュカとして惨めに生きていきたい。
ブイゼル——ルーは怪訝な顔をしながらも僕を信用したらしく、追及より辺りの観察を優先した。まあ、一緒に閉じ込められてるんだから疑いはしないよね。
「じゃあ……リュカ、ここから逃げるぞ」
「逃げるって、どうやって?」
「えっと……」
ルーが立ち上がると今の僕より背が高い。それもあってか彼は僕をそこそこ幼いと思っているらしい。年下に呼び捨てにされているこの状況が既にゾクゾクするのだが、それはまあ置いておいて。
正直すぐに助けが来ることは分かりきっているので殊に逃げ出さなくてもいいのだが、ルーとしては一刻も早く脱走したいらしい。若いなー。何でも自分でしたい年頃だもんな。
彼は辺りを更にキョロキョロと見渡して、牢屋の扉を指差した。
「扉の下だ! 地面を掘れば抜け出せる!」
「どうやって掘るの? 僕、穴掘りは苦手だよ。きみは……」
「出来る! 手伝え!」
そう言ってルーは地面を手で掘り始めた。が、その速度は遅々としていて進まない。そりゃ、しっかり踏み固められた地面がそう簡単に掘れるはずがない。それに多分、鉄板ぐらい仕込んであると思うぞ。
僕は彼が掻き出した土を運んでおくけれど、結構音も鳴ってるしすぐバレるとも思う。
「——おい、何してんだお前ら!」
「やべっ」
「オラオラァ! 大人しくしてろっつったろ!」
案の定さっきのヘルガーと新顔のマニューラが音を聞きつけてやって来た。マニューラはいかにも武人顔で、相当に強いのだろうと思われる。騒いでいるのはヘルガーだけだし、もしかするとマニューラの方が立場が上なのかもしれない。というか、あの街近辺の賊はこの前僕が壊滅させて周ったから、今はこの二匹だけで活動していると言われても不思議じゃないな。
「……どうにも痛い目に合わないと分からないと見える」
「ひっ」
「兄貴、こりゃ“教育”が必要ですぜ」
「それはお前が楽しみたいだけだろう……まあいい。好きにしろ。壊すなよ?」
「へへっ、分かってますって」
ようやく口を開いたと思ったらタイプの通り冷酷な声だ。マニューラはそのまま興味を失くしたように去っていった。ヘルガーはさっきの去り際に見せたような厭らしい顔で僕たちを見ている。もっと見てほしい。
ルーはすっかり怯えて後ずさる。これはチャンスだろう。僕は彼を庇って前に出た。
「る、ルーには手を出すな!」
「リュカ! やめろ!」
「はっはっは……いやぁ、いい友情じゃねぇか。気に入った。お前から可愛がってやるよ」
よし、釣れた。
ヘルガーは牢屋を乱暴に開けて僕を引きずり出し、しっかりと牢を閉めてから僕を地面に組み伏せた。いいねいいね、この抵抗できない感じ! 自分より強い雄に支配される感覚! 思わずちんぽが屹立しそうだ。
そんな僕の内心などいざ知らず、ヘルガーは僕の頭を踏みつけた。壊すな、と言われたのを気にしているのか対して痛くはない。もっと強くてもいいのにな……。
「ぐぅっ」
「さっきの威勢のよさはどうしたぁ? ほらほら、逃げてみろよ」
「くそぉ……リュカ……!」
ルーはやたらと心配してくれてるが、そもそもコイツには僕たちを傷付けるつもりがない。商品だからな。この踏みつけも痕にならない程度の強さでしかない。正直プレイの一種みたいなもんだ。
まあ、このひ弱な身体だとそんな優しめの拘束も振りほどけないんだが。あと精神的なダメージは大きい。圧倒的な力の差と屈辱感が僕の鼓動を早くする。
「へっへ……んじゃ、早速“教育”といこうじゃねぇの。ほら、舐めろ」
「うわっ……」
「ひっ……な、何だよ、それ……!」
ヘルガーは僕に馬乗りになって、股間を目の前に突き出してきた。赤黒い立派な肉棒がビクビクとグロテスクに跳ねている。ルーは勃起ちんぽを見るのが初めてらしく怯えた様子だ。
すでに勃起しているコイツのモノは大きく、そして何より臭い。今の僕の顔より長いそれは、恥垢にまみれており、もう何日も洗っていない濃い雄の匂いがする。素晴らしい。いつまでも嗅いでいたいのに身体が勝手に嗅ぐのを拒むのが残念だ。だから僕は演技を続け、憎々しげにヘルガーを睨みつけた。
「だ、誰がそんなものっ……」
「つべこべ言わずに舐めろっつってんだよ。お友達がどうなってもいいのかなぁ?」
ヘルガーはそう言って、ルーに向かって炎を軽く吐き出す。勿論届きすらしないのだが、ルーにとっては目の前まで炎が迫っているように見えたはずだ。案の定彼は腰を抜かしてへたり込んでしまった。
それを見てリュカ少年は怯え、嫌々ながらヘルガーの雄物に手を伸ばす……というわけだ。いやー、こんなチンカス塗れのちんぽなんか舐めたくないんだけどなー、しょうがないなー。でもすぐに舐め始めたら不自然だろうからゆっくり顔を近付ける。
「よーし、それでいいんだ。汚れちまってるから綺麗にしてもらうぜ」
「っ……」
グロテスクな赤の肉棒が軽く突き出され、僕の鼻頭に当たる。強い雄の臭いが鼻孔に直接届く。そしてしばらく纏わり付く。恥垢が鼻に付いたのかも知れない。最高かよ。
僕はそのビクビクと震える美味しそうな熱棒に、そっと舌を滑らせた。
うまく発酵しなかったチーズのような、地上にしばらく上がった海棲生物のような、強烈な生臭さ。汗やら何やらの塩味によって唾液が湧いて出る。脳がその反射を「旨いからだ」と誤認していく。
陰茎自体は硬いソーセージを舐めているような感覚で、ぶっちゃけ味はそんなにない。ただ、口中に残り、そして陰毛からも匂うこの生っぽい雄臭さ、精液臭さが堪らない。さっきまでは匂いに
ゾクゾクしながら恥垢を全部舐め取った辺りでヘルガーは僕の顔にモノを押し付けた。そして僕を嘲笑う。
「へっへ……随分旨そうに舐めるじゃねぇか」
「……お、お前が舐めろって脅すからだろ」
「そりゃそうだ。んじゃ、もっと味わってもらうぜ? 口を開けな」
「んぐっ!?」
そう言うや否や、ヘルガーは僕の口を強引に開けてちんぽを突っ込んだ。太く長い肉棒は喉の手前まで入り込み、僕は口を開けるので精一杯だった。まだ半分しか咥えてないのに顎が外れそうだし、正直息苦しいし、また嘔吐きそうなのだが、この被支配感が堪らない。
初めてのフェラだ。何ならイラマまでしてもらえるかもしれない。実際舌を動かす余裕の無い僕に焦れてか、ヘルガーは勝手に細かく腰を前後している。
「おい、ちゃんと舐めろよ? お友達はちゃんと見てるぞ?」
「ひっ!?」
ヘルガーが徒らに火を吐く。ルーはそれに怯えているのだが、しかしちらりと見てみると、そのへたり込んで放り出された両脚の間から、何か鮮やかな赤色のものが覗いていた。本人は何が何だか分かっていないだろうが、僕たちの淫行を見て興奮しているらしい。いいぞ。
「口を閉めて満遍なく舐めろ。歯は当てるなよ。唾液をよく絡めるんだ」
「んく、んんっ」
そう言いながら彼は僕の頭を両前足で挟んだ。そして自分の腰の動きに合わせて僕の頭を押し付ける。当然男根はより深くまで入り込み、喉を刺激してくる。イラマだ。イラマだ!
僕はその細かいピストンに合わせて舌で包み、唇を締め、少し吸いすらした。先っぽから塩っぱいものが分泌されている。先走りの味だろうか。常識的に考えて不味いはずのそれも、強烈な匂いと味のチンカスに慣れた今では玉露のような極上の一滴に思えた。
初めての口淫だったが、正直思っていたより苦しい。そりゃ気管が塞がれるんだから当然だよな。それが心地良いんだけど。
「お、いいぞ。上手いじゃないか。ほれ、頑張れ頑張れ」
「んぶっ」
ぞんざいな応援と共に肉棒がねじ込まれる。もう僕の口はこいつのちんぽでいっぱいいっぱいだ。鼻先も陰部に押しつぶされて濃い雄の臭いに満たされる。
喉奥まで突っ込まれているから、酸素が足りなくて頭に血が上る感じがする。脳が沸騰したように熱いのは、それに加えて激しく興奮してるからだろうか。もはや僕は勃起も隠さず一心不乱に男茎へ奉仕していた。
そしてとうとうその時がやってくる。
「よーし……零すんじゃねぇ、ぞ!」
「んぐぉっ!?」
ヘルガーが後足で僕の頭をがっちりとホールドする。首の締まる感覚、より咽喉にちんぽが密着する感覚、そして何より股間の雄臭い強烈な匂いと共に、肉棒が膨張し、より固くなる。
これはもしや、と思う間もなく、彼は僕の喉奥へ勢い良く吐精した。
生温い何かが喉にへばりついて咽る。嘔吐いて食道は異物を押し戻そうと流動するが、がっしりと抱え込まれた雄ちんぽに僕なんかの反射が敵うはずもない。そもそもちんぽで塞がってる口まで戻ってきたところで出口なんかないんだけど。
だから僕は為されるがままにザーメンを受け止め、反射的にどうにか逃げ出そうとする身体に鞭打って飲み込む他ないのだ。もっとも、嫌がる身体に反して脳は喜んでいるから、そこまで無理やりと言う訳でもないのだが。
何度か噎せて涙が浮かぶ。しかし噎せるたびに却ってザーメンが飛び散り、あらぬ方向へ飛んでいるらしい。口から排出できないと分かったからか、はたまた僕がちょうど雄ちんぽから唾液でとった出汁を飲み込もうとしていたからか、そこそこの量が鼻に逆流したらしい。鼻に抜ける香り、どころではない精液そのものの強烈な臭いで鼻が満たされる。何か鼻から垂れてきた、と酸欠状態の脳でぼんやり感じて見てみると、僕の黒い鼻先から黄色ばんだ液体が垂れ出てきていた。
初めての精液の味は生苦さと生臭さでぐちゃぐちゃで吐き出しそうなぐらい不味かったが、それが僕には快感だった。絶対に美味しくはないのだが、何故か、美味い、もっと味わいたいと感じる。
僕はすっかり精液の虜になっていた。
ヘルガーはふぅ、と長く息を吐くと、未だにビクビクと跳ねては子種を撒き散らす男根を僕から引き抜く。勿論その過程で僕の顔にも胸にもぶっ掛けられ、ようやく満足な酸素(と言っても全部ザー汁臭い)を取り込んでぐったりしている僕はただただ目を閉じてそれを受け止める器になっていた。気持ちよかったし気持ちいい……。
つーかコイツ、零すなって言ったくせに自分から外に出すのか……いやまあ、その理不尽さが気持ちいいんだけど。折角なら系統特有のそのくそ長い射精全部を僕の中でやり切ってほしかったというか。
ああ、でもこうやってザーメンに塗れてザーメンに溺れる、ってのもこれはこれで快感かも……。
「へへ……お前、才能あるぜ。ここまでされてチンコおっ勃ててら。それとも最初から期待してやがったか?」
ぎくり。見れば白濁の中から僕の真っ赤な性器がこんにちはしていた。僕がこういう気質だってバレたか?
バレて変態だって罵られるのもいいんだが、それってお互いに望んでるんだから和姦にならない? あくまで僕はこいつに性処理に使ってほしいのであって、愛人になりたいわけじゃない。無理やりされるのが気持ちいいんだから。
無理やり滅茶苦茶にしてくれるなら愛人にだってなってやってもよかったんだけど、生憎その役には既に心当たりがあるから必要ない。こいつにはただ行きずりでコキ捨ててほしい。
だからここは……。
「げほ……ふ、ざけるな! そんなわけないだろ、このヘンタイっ!」
「そのヘンタイに口犯されて尻尾振って興奮してんのはお前だろ? 素直になれよ、そしたら売りとばさずに俺が一生可愛がってやるぜ?」
……何だこいつ……何でそう和姦にしたがるんだ? 一生エロペットっていうのも憧れるが、お前にはレイプを求めてるんだよ……なんで分かんないかな。ドMへの理解が足りないな。
仕方ない、もうちょい強く拒絶して——あ、いや、拒絶してるからこそ恭順なペットにしようとしてくるのか? 性奴隷の道も難しいな……。
相変わらずヘルガーはニタニタしながら僕の反応を待ってるし、ルーは恐怖ですっかり固まってるし、このまま黙ってると勝手にペット扱いされそうだし……と僕が悩んでいると、扉の向こう側が俄に騒がしくなってきた。誰かが来たらしい。
僕が扉の方を見るとヘルガーも異変に気付いたらしく、弾かれたように立ち上がって言う。
「ちっ……お前らはそこで大人しく——ぐぼぁっ」
しかしその言葉は途中で途切れる。勢い良く開いた扉から飛び出した何者かに横っ面をぶん殴られたからだ。
さらにそいつは吹っ飛んだヘルガーに馬乗りになって、意識を失うまで殴り続けた後、ようやく僕らに向き直った。
「ああ……こんなに汚されて可哀想に。だがもう大丈夫だ。お兄さんたちが助けに来たからね」
「あっ……フォロジオさん!」
ルーが歓声を上げる。
フォロジオと呼ばれたそいつ——薄橙色の腹部に紺色の背、毛並みは深く、手触りが良い。先ほどまでは首裏から炎を噴出していたが、今は収めてにっかり快活に笑い、優しげな雰囲気を感じる。いわゆるかざんポケモンのバクフーンは、僕の友でもある。お兄さんなんて自称しているようにまだまだ若い。二十年も生きていないはずだ。
その若さで、しかし街の自警団の頭取を務める彼は、役職相応に強い。以前の僕と手合わせしてギリギリ僕が勝つ程度……と言うと凄さが伝わらないかもしれない。タイプ相性があったとは言えども世界を救った勇者と同じくらいの実力、と言えばいいだろうか。
あと、特筆すべき情報として、彼の性癖が挙げられるけどー……これは後でいいかな。今は大人しく助けられよう。
腰が抜けて立てない様子を見せてやると、フォロ——僕は彼と、ライ、フォロ、と気さくに呼び合う仲だった——は僕を担ぎ上げ、精液塗れの顔をそっと拭うと、ルーも連れて洞窟を後にした。
「フォロジオさん、そいつ、リュカって言うんだけど、オレを庇ってそんな目に……」
「そうか……リュカ、よく頑張ったな。偉いぞ。ルーも気に病むなよ、悪いのはあいつらだからな」
まずは洗いにいこうな、と言ってフォロは近場の川へ僕を運んで、そっと川べりに下ろした。脚が川に晒される。火照った身体に冷たい水が気持ちいい。
僕が顔や身体を洗っている間にフォロが火を起こしてくれていた。隣に座ってありがたく暖を取らせてもらう。こういう時炎タイプって便利だよな……。
「よーし、綺麗になったな」
「うん……その、ありがとう……ございます」
か弱いリュカ少年は助けてくれた恩人への礼を忘れない。上目遣いにおずおずと礼を言えば、フォロは少しばかり驚いたように目を見開いてから、にっかりと笑って僕の頭を撫でた。炎タイプらしく温かい手が心地良い。
そう言えば頭を撫でられることなんて久しくなかったな……この機会に、世界を救うために消費された時間を取り戻すのもいいのかもしれない。
「……さて、街に帰るぞ」
「うん」
フォロは笑顔のまま僕の手を取って立たせた。ルーも同じように立ち上がって、僕を気遣う様子を見せながら歩き始めた。
……リオルである僕には分かる。僕が上目遣いをした時、フォロの心拍がどきんと跳ねたことが。今も少しそわそわして、しかし自制しているのか何とか取り繕っていることが。
こいつなら、僕の望みの大部分を叶えてくれるはずだ。
街はそう遠くはなかった。自警団の面々が賊らを連行するのを尻目にしてフォロに連れられた詰所の中では、年嵩のフローゼルが追い詰められた様子で待っており、ルーを見留めた瞬間立ち上がって息子を迎えた。感動的な再会だなぁ。息子さんは身体に関しては無事なので安心してほしい。目の前であんなの見せてちょっと“癖”は歪んだかもしれないが。
市長であるそのフローゼルはフォロに涙ながらに感謝を尽くして帰っていった。ルーは僕のことをチラチラと気にしている様子だったので、また会ったら遊んでね、と言うと満面の笑顔で手を振ってくれた。次に会った時は大人の遊びを教えてやるからな。
そしてルーを帰した次は僕、だけど……。
「リュカ。お前、家は?」
「ありません」
事実だ。リュカ少年に戸籍は無い。そもそもライユカオンの両親はもうこの世にいないし、旅に出る時に住居は引き払ったので、本当の意味で僕の家はないのだ。嘘は吐いてないぞ。
そんな僕の返答にフォロは困った様子で頬を掻いた。多分孤児だとか思われてるんじゃないかな。野生化の影響でそういう境遇になる子供は少なくない。
あー、そうか、と相槌を打ったフォロに僕は畳み掛けた。
「あの、お兄さんの家に行っちゃ駄目ですか……?」
「えっ、俺の家かい?」
「少しの間でいいので……」
フォロは曖昧にあー、だの、んー、だのと言っていたが、僕が上目遣いで見つめると、頬を掻き僕の頭を撫でて、いいぞ、と言った。よしよし。
「じゃあもうちっと待ってな。連れてってやる」
「はぁい」
フォロは独り暮らしだ。詰め所から少し離れた町中に、親から受け継いだらしい一軒家がある。旅をしていた頃に泊まらせてもらったことがあるけど、2階建てで敷地も広い豪邸だ。
1匹じゃ持て余しているだろうそんな豪邸に彼が住んでいることは街の皆が知っている。しかし、そこに地下室があることは、本当にごく一部の者しか知らない。フォロが隠しているからな。
さて、そんな彼の家に着いてから、僕は早々に正体を打ち明けることにした。
「ところで僕、ライユカオンなんだけど」
「ふぉぶぁっ……」
フォロは水差しから注いだ水を口にしたところらしかった。悪いことしたかな。変な声を上げてからごほごほと咳き込み、胸をドンドンと叩いてから、彼は大層驚いた様子で僕を見た。
「いや、いや……え?」
「うん。フォロの友人のライユカオンだよ」
「え、いや、おま……え!?」
「信じがたいならー……ここの地下。目隠しと手錠と足枷、それから首輪とハーネス」
フォロはぱくぱくと口を開閉させて、それからもう一度水をじっくり時間をかけて飲んでから、深く息を吸った。
「……本当にライなのか?」
「正真正銘、世界を救ってきた勇者だぜ」
「何でそんな姿になってる?」
「世界を救ったご褒美に願いを叶えてもらった」
「その、願い、とは」
「非力な慰みものになりたい!」
「ああ……確かにお前はライ本人らしいな……」
ジュナイパーの如く矢継ぎ早に問いただすと、彼は一度天を仰いだ後にぼそりと呟いた。僕のこの特殊な癖を打ち明けたのは彼くらいだし、彼の隠された癖を知っているのも僕くらいだからね。
フォロは長く息を吐くと、頭をぼりぼりと掻いてから、僕の頭をくしゃりと撫でた。
「……ま、色々言いたいことはあるがな。まずは……よくやってくれた! そしてよく帰ってきた! 心配してたんだぜ」
「……うん。ただいま」
そしてにっかりと快活な笑み。彼のトレードマークだ。僕も同じように笑って、それから彼と拳を軽くぶつけた。
フォロが言うには、僕が世界を救ってから半年ほどが経過していたらしい。つまり、僕が勇者としてこの街を出発してからリオルとして現れるまでの間、勇者ライユカオンは行方不明となっていたという。それを友人たる彼は心底心配してくれていたようだ。くすぐったいけど嬉しいね、こういうの。
「……で、お前がやり遂げてくれてから。新たな野生化は起こってない。だが、野生化してねぇ盗賊が増えてな……」
「今日のあいつらみたいな?」
「そうそう。流石に権力者の身内を狙う馬鹿は珍しいけどな」
まあ、リスクしかないもんな。身代金でも強いるつもりだったんだろうか。
おかげで仕事が増えちまってな、とフォロはぼやく。最近は詰め所に泊まり込むことも多いらしい。なら、と僕は口を開く。
「あのさ、これからなんだけど」
「ああ……お前、どうするんだ?」
「もしよければ、しばらくここに置いてほしい。家の手入れとかはするよ」
「お、そりゃいいな。勿論いいぜ」
よし。フォロは気さくに頷いた。これで生活には困らなくなったな。
じゃあ……早速、家主の“手入れ”といこうかな?
「——ふぉっ!? おま、なに……!?」
「何って、そんなに忙しいなら溜まってるんだろうなーと思って」
僕は彼の股間に手を伸ばし、そこに鎮座ましますご立派様をぐにぐにと弄った。初めは柔らかかったそれは次第に大きく硬く熱くなる。今日2本目の男根だが、体格の関係か1本目より少し大きいように思う。
睾丸はずっしりと重く、先のヘルガーのモノ程ではないが雄の匂いと汚れを纏っている。僕の腕ほどある大きさのモノがビクビクと震える様子を見ると、ぐちゃぐちゃにしてほしくてゾクゾクするし愛おしい。
「フォロだって、初めて僕を見たとき期待しただろ?」
「いや、しかしだな……お前はライで、俺の親友で……」
「でも今はマゾヒストな少年リュカでもあるんだよ。……サディストでショタコンのフォロジオ?」
すぐにでも襲ってくるかと思って少々煽ってやったのだが、予想に反してフォロは俯き、長く息を吐いて、少し黙った。
彼の陰茎を弄りながら僕が様子を窺うと、フォロは僕をそっと引き剥がして——。
「まったく……お前は本当に面白いことを言うなぁ」
「本気だったんだけど?」
いかにも愉快なものを見たという顔で笑って僕を両手で掴み上げた。うーん。断られちゃったか。
伝わる波動を見るにムラムラはしてくれたらしいんだけど、流石に顔見知りは嫌だったのかな。僕は気にしないんだけどなー……。
それじゃあ街の娼館にでも雇ってもらうかな、と考えたところで、フォロはきゅっとその手に力を入れた。身体の自由が無くなるし、少し息苦しい。
唐突なことに僕が目を白黒させていると、彼は満面の笑みのまま……いや、もっと恐ろしい……獲物を見る鋭い眼差しで僕の耳に囁いた。
「ケツ穴洗って地下室に来い。決定権はお前にねぇぞ」
「はっ…………ひゃい……」
ぎょっとするほど低くドスの効いた声。強く抑えられ逃げられない身体。僕を獲物と定めたことが分かる恐ろしい目つき。
命の危機すら感じる状況にゾクゾクと興奮した僕を、急に興味を失くしたかのようにぞんざいに放り落として、そのまま一瞥することもなくフォロはずんずんと歩き去ってしまった。先に地下室へと向かったのだろう。
一方の僕はへたり込んで中々立てずにいたのだけど、勿論逃げるつもりなんてサラサラ無い。これから一体どんな快楽が待っているのかの期待を胸に、そそり立つ逸物と共に何とか立ち上がって、よろよろと浴室へと向かったのだった。
頭から水を被り、桶いっぱいの湯で身体を清める。これだけ水が使えるのは街が豊かな証拠でもある。まあ、そんな街にも薄暗いところはある訳なんだが。
この家の主であり自警団の団長でもあるフォロジオは、街の皆に慕われる青年だ。物腰は柔らかく、快活で、時折見せる団長としての苦悩も、竹を割ったような口調も、まさに人格者と呼ぶに相応しいと言える。子供人気も女性人気も高い。おまけに実力もあって強いとくれば男性人気も高まるというもの。実は芸術面にも秀でていて、彼が即興で描いてやった絵は街の子供によく喜ばれている。
誰が思うだろうか。そんな彼はその実、他者の苦悶の表情に興奮する生粋のサディストであり、特に少年の悲痛であられもない姿に特にエクスタシーを覚えるような、酷い酷い変態だと。
しかし表の顔が彼の演技というわけでもない。彼は市民の平和を心底願って自警団に入ったし、子供に手を出すような卑劣な輩に憤慨する正義感を確かに持ち合わせている。だが確かに、少年が暴行を受けている様にどうしょうもない昂ぶりを感じるのも彼の一面だ。彼の団長という地位は、生来の能力の高さはもちろんだが、それ以上にサディストであるが故の観察眼に依るところが大きいのだ。
そういったチグハグな性質を彼は苦しみながら抱えている。そしてその捌け口が、この家の地下にある道具の数々なのである。
昔、つまり僕がまだ勇者ライユカオンとして旅をしていた頃。旅の終着点に最も近いこの街の酒場で“俺”と彼は出会った。“俺”が勇者だと知った彼は、始めはただ当面の宿を貸してくれる程度の距離感だった。
しかしある時、彼の波動がいつもより低い位置にあることに気付いた。ここで“俺”は初めてこの家に地下があることを知ったのだが、それを何の気も無しに彼に尋ねると、彼の鼓動が一気に早まった。不審に思ってもう少し問い詰めてみると、素面では話せないとばかりに酒を呷ってから、物置から階段が続いていた地下を見せてくれたのだった。
そこにあったのは数々の性的加虐グッズと、過去に救出したのであろう少年らの姿を描いた紙。あられもない格好で涙を浮かべる少年の絵と、いくら豊かな街とは言えどこれだけの量を揃えるには苦労しただろうと思われるほどの道具の中、彼は自分がどうしようもない変態であることを懺悔するように“俺”に明かした。
一方の“俺”は勿論他言なんてしないと誓った。それから、彼がそうしてくれたように、こちらも性嗜好を打ち明けた。当然のようにその道具の数々に興奮していた。残念ながら彼の性愛対象は少年に限られていたし、“俺”は抵抗できない無力感に興奮を覚える質だったので、ここでの関係性というのは伸びなかったのだが。
だって、その時の“俺”は本当に力が強くて、手枷足枷も簡単に引きちぎれたろうし、そもそも快楽や苦痛によるただの反射で相手を傷付けかねないぐらいだったんだ。だからフォロに“俺”の相手はできないと思ったし、彼も“俺”に欲情することはなかった。
ただ、そう安々とは明かせない性癖を共有した仲として、“俺”たちはそれまでよりずっと仲良くなった。彼にしてみても、自分が異常ではあるもののそう珍しいものでもない、と受け入れることでどうにかやっていく決心がついたらしい。嗜好は隠し、実物に手を出さない代わりに、それを恥じることも負い目に感じることもなくしたそうだ。いい話だな。
今日、僕が盗賊に襲われた(襲わせた、とも言える)とき、そこがこの街に近いと分かって僕は閃いたのだ。すなわち、今この姿であればフォロジオに例の地下で “可愛がって”もらえるのでは、と。
フォロは抑えていた欲求を開放して発散できる。僕は虐めてもらえて満足できる。両得の案だと思ってたんだけど……一つ誤算というか。
正直、フォロがあそこまで乗り気だと思ってなかった、というべきか……想像以上にゾクゾクしたというか。嬉しい誤算ではあるんだけど、ちょっとドキドキが収まらなくて、水を被っても僕のちんこが勃起したまんまで落ち着かない。あと、ちょっと触ってみたら思ったより気持ちよくてびっくりしてしまった。新しい身体は敏感だ。いや、期待で甘イキしてるんじゃないかとも思えるんだけど。
リオルになってから一度も排泄してないから綺麗だとは思うんだけど、一応尻穴を念入りに洗ってから、高鳴りでおかしくなってしまいそうな胸を抑えて地下への階段を降りる。そして重厚な扉を少し苦労しながら押し開けると、そこではフォロが背を向けて道具の手入れをしているようだった。以前より増えた道具に加え、部屋の中央には大きなベッドと側付けの机が一つずつ置いてある。
入ってきた僕に気が付いてこちらを見た彼の、恍惚とした猟奇的で愉悦的な眼差しと言ったら! 思わずちんぽが跳ねる。
そんな僕を見てフォロはますますその笑みを深め、その手に首輪を持って僕に歩み寄った。
「よしよし。逃げずに来たな」
「はひ……!」
本能が彼に逆らってはいけないと警鐘を鳴らし、自ずと敬語が出てしまう。恐怖と期待で尻尾がブンブンと揺れている自覚はある。
フォロはその手にしていた首輪を僕に取り付け、ジャラ、と鳴る鎖のリードを引っ張って僕を地下室の中央へと連れた。
「まずは……その生意気なモンに分からせてやろう」
ベッドの足に首輪のリードを結びつけ、僕をベッドに仰向けに倒してフォロが最初に手にしたのは、細長い金属の棒のようなものだった。10cmほどの長さのそれはよく見れば緩やかに凹凸しており、ともすれば工芸品とも取れそうだが、それが何なのかは僕も見た覚えがある。尿道ブジー……つまり、ちんこに挿入する棒だ。
フォロはそのブジーと僕のペニスの鈴口に丹念に潤滑剤を塗って(これだけでちょっとイきそうになった)、僕の胴体を右手で抑えつけると、そっと、尿道にブジーを滑り込ませた。
「んぎっ……!」
「おー、入ってく入ってく。面白えモンだなぁ」
ボコボコとした物が普段排出するのみの管に侵入する異物感。粒の1つ1つが尿道を広げる内側からのあまりにも強い刺激。そういったものに僕が苦悶の声を上げているのに対し、フォロは陰茎に棒が飲み込まれていく様子を楽しげに眺めては笑う。
ゆっくりと、じっくりとその責苦は続いた。想像以上の不自由感に僕が涙さえ浮かべながら歯を食いしばって耐えていると、不意に唐突な快感が襲ってきて、思わず身体がびくりと跳ねる。そしてすぐにブジーの挿入が止まった。ようやく全部入ったのかと思って股間を見ると、フォロは僕の顔を見てにやりと笑って、まだ少しだけ長さに余裕がある様子のブジーを、とん、と軽くつついた。
「——うああぁっ!?」
瞬間、脳天を突き抜けるように激烈な刺激が僕を襲う。身を捩り、腰を浮かせてその強すぎる快楽から逃れようとするが、生憎身体はフォロに押さえつけられている。ペニスだけがブンブンと震えて、その先に伸びるブジーとともに視界を横切った、と思うが、何分目がチカチカと眩みもして本当にそうか定かじゃない。
いや、これ、やばい。やばいやつだ。何をされたのか全く脳が理解してくれない。ただ、とんでもない快感と射精感はあるのに、普通なら平均以上の量を放出しているくらいの快楽なのに、僕のちんこはただ震えるだけで吐精してくれない。ブジーで栓をされているからなのか、変な弄られ方をしたからなのか、それも分からない。
ただただ、長い長い快感に息をするのも忘れて身体を強張らせ、何時間も経ったように思われる程してから、ようやくその波が去って僕は粗い息と共に身体を弛緩させた。さっきは浮かぶ程度だった涙が明確に流れ落ちて行き、その後を汗が追った。
「っ、かっ、はっ……はっ……」
「随分いい反応するじゃねーの。そういうの好きだぜ、俺」
彼はケラケラと笑って僕の身体から手を離す。そして僕が息を整えている間には既に次の道具を手にしていた。
「ま、まって、いま、なに……」
「ん? 何って……ほれ。前立腺を押してやっただけだよ。まさかこんなもんでバテてんじゃねえよな?」
まあバテても続けるがな、と笑ってから彼は僕をひっくり返してうつ伏せにした。そこから尻尾が掴み上げられ、尻だけを上げる姿勢——俗に言うレパルダスのポーズにされる。恥ずかしさを感じつつも力なく僕がなすがままにされていると、尻尾を掴まれたままで隠すものがない僕の恥部……肛門に、何か冷たいものが塗布された。
「ひぁっ」
「力は抜いとけよ」
見えないが感覚から察するに指で潤滑油を塗りたくられているらしい。器用に尻肉を広げながら肛門をなぞるようにして指を滑らせているようで、彼の高い体温と冷たい潤滑油が妙な擽ったさを産んだ。あと純粋に緊張でうまく力が抜けない。
「おい、力抜けって。指も入らねぇぞ」
「だ、だって……」
僕が弱々しく声を上げると、フォロは一つため息をついてから、よりたっぷりと潤滑油を指に付け——無理やり僕の菊門をこじ開けた。
「うお、キッツいな。お前これ自分で解してねぇのかよ」
「そっ……そんな時間なかったし……」
「ったく……ま、開発する楽しみってことにしてやるよ」
そう乱暴に言いながら彼はその指をどんどん深く突き刺していく。ぐにぐにと複雑な動きをしながら熱い熱い指で肛内がかき乱される。その強い異物感と仄かに感じる快感が僕の脳を溶かしていく。
少し慣れてきて僕がなんとか肛門の力を抜いていくと、ぐちゅ、と音を立てながら指の動きが激しくなる。いつの間にか彼は挿入する指を2本に増やしていた。ぐに、と広げられ、そうそう露出しない腸の終着点が外気に晒されるのが分かる。
「良い色してるぜ。めちゃくちゃにしてやりたいピンクだ」
そろそろ行けるか、とフォロは独りごちて、新たに何かを手に取ったようだった。ぴちゃ、と粘性のある水音が微かに聞こえたかと思うと、次の瞬間には僕のアナルに硬い弾性の何かが充てがわれていた。
それが何か、分からない僕じゃない。前の身体の時にも入れたことぐらいある。でも、その時はもっと解していたし、何よりこんな大きさじゃなかったし——。
「ちょ、まっ」
「そーら気張れよ」
「ひぎゃっ」
僕のか細い懇願などまるで気にせず、一気にずりゅ、とそれ——自分の拳大ほどあるアナルプラグが挿入された。
痛い。苦しい。でも気持ちいい。僕の身体には、いや、そもそも解し始めのアナルに入れるにはあまりにも大きく硬質なアナルプラグは、丸みを帯びた三角錐の底面に引き抜くための取っ手が付いているらしく、痛さと衝撃で強張ったアナルは引き締まってむしろそれを排出できないようにしている。
それでも気持ちいいと感じるのは、あまりに太いそれが尿道のブジーと共に前立腺を刺激しているからなのだろう。形が合っていないからか的確には押し潰してくれないプラグは、むしろじわじわと快楽が蓄積する媚毒めいて僕を責め立てた。
苦しいと身体が訴えているのに快感は押し寄せる。気持ちいいのに射精はできない。情けない悲鳴を上げても手心は加えてもらえない。これ以上ない“しあわせ”を僕は思わず広角を上げて噛み締めた。
「……ちっと大きかったか? まあいいか。気持ちいいよな?」
「ひゃい、ひゃい!」
「よーし。んじゃあそろそろこっちを満足させてくれよな」
フォロは僕の頭を掴んで持ち上げ、ベッドに腰掛けさせた。プラグがまた違った圧迫感を与えてくるし、腸がそれに反応してぐるぐると小さく唸る。ちらと見れば、ブジーは未だその存在を雄弁に主張し、僕の尿道をしかと堰き止めていた。
そんな僕の視界に赤黒い何かが映り込む。はっとして前を見ると、ちょうど顔の前にフォロの立派な陰茎が突き出される形になっていた。いや、でかすぎる……咥えられるかも分からないほど大きい。
「ちょ、フォロ……」
「“主人”に向かって生意気な口だな?」
「むぐっ」
フォロの目つきが鋭くなり、その大きすぎる陰茎が鼻先に押し付けられる。濃い雄の臭い。僕を支配してくれる絶対的強者の性器。ペニスに対して愛しさどころか敬愛さえ抱くような錯覚。いや、錯覚じゃないかも。
押し付けられる怒張。身動きをとるたびにじゃらりと鳴る首輪。そして強調された“主人”という言葉。それらは苦悶に塗れて外れかけていた僕のスイッチを完全に入れ直した。
「ごっ……ご主人、さまっ」
「おう」
「ご主人さまの、おちんぽに、ご奉仕、させていただきますっ」
「それでいいんだ。やれ」
やった。“ご主人さま”の期待に添えた。その上ご奉仕させてもらえるなんて。
僕はドクドクと熱く脈打つご主人さまのおちんぽに頬ずりして、先端に口づけした。既に先走り液が溢れていたのでそれも吸い取る。汗と汚れとカウパーの合わさったしょっぱさが僕を虜にする。
溜まってるって言ってたのにここまで待たせたんだ。早く気持ちよくなって貰わなきゃ。
「れろ……はむ……」
両手を添え、先端から根本まで満遍なく舐め回す。美味しい。ずっと舐めていたい。
湧いて出てくる唾液を塗りたくるようにすれば、滑りの良さが気持ちいいのかご主人さまのおちんぽが跳ねる。
玉袋も舐めたり咥えたりしてみると、おちんぽはびくんと反応して僕の顔に擦り付けられる。それがどうにも愛おしくて、僕はその大きすぎるおちんぽを口に咥えた。
太さは無理すれば咥えられないほどじゃないけれど、あまりにも長い。苦しくない程度にすると3分の1ほどしか収まらないのだ。根本の方は手で扱いて何とかご奉仕しようとするけれど、歯を当てないようにしているのもあって、我ながら動きがぎこちないと思う。
それでもご主人さまは僕の頭に手を置いて息を荒くし始めていた。感じてくれているんだ。ビクビクとだんだん早く脈動していくおちんぽからもそれが窺える。上目遣いで顔を見てみると、それに気付いたご主人さまは頭をそっと撫でてくれた。
「わり、我慢できねぇや」
「んぶぉっ!?」
かと思えばその手は後頭部に伸び、自分の股間にグイグイ押し付けるように動いた。ご主人さまは喉奥が刺激されて
反射で逃げようとする体は抑えられていて動かない。ただ僕は股間の蒸れた雄の臭いと上手く吸えない酸素によって意識を朦朧としながら、吐き気に耐え涙を浮かべつつ、ただ喉奥でオナニーしてもらっていた。
そう、これはもはやご奉仕ではなく、オナホ扱いだった。それがこの上なく僕の気分を高揚させた。
「あー……やべ、出るわ」
ゴリゴリと喉を抉られ続け、もうどれだけの時間そうしていたか分からない頃、不意にご主人さまがそう言ったかと思うと、これまでで一番強く頭を股間へ抑えつけられて、息もできず訳も分からないまま僕は食道に射精されることとなった。
一層強くおちんぽが痙攣して跳ね、大量の精液が放たれる。身体が全力で逃れようとして咽てもお構いなし。それまでの激しいストロークが何だったのかと思うほど強く固定され、逆流する余地もなく胃の中にどろりと濃い子種がびゅるびゅると注がれた。
息もできず、目を剥いて吐精を受け入れていると、出し切ったらしいおちんぽが少々その強度を落とし、そしてゆっくりと引き抜かれた。新鮮な空気を求めて咳き込んだが、吐く息が全部精液の匂いだ。堪らない。
息を整えながらご主人さまを見ると、彼は既に息を整え終わったようで、身体を完全に弛緩させてから、おちんぽに視線を落としてすぐに僕ににやりと笑った。
「残ってるぞ」
その一言の意図が分からない僕じゃない。見ればご主人さまのおちんぽは少々元気を失っているものの、まだまだ平常時の大きさとは言えず、そして何より先端から白く美味しそうな液体が溢れ出ていた。僕は酸欠でふらつく身体に鞭打って再びご主人さまの股間に顔を埋め、残った精液を舐め取ることにした。
「んむ……ちゅ……」
「うぉっ……いい眺めだ」
ご主人さまの精液は苦く生臭かったが、不思議と不味くは感じない。昼に賊に飲まされたのは随分と不味くて、それはそれでそんなものを飲まされる快感があったのだが、ご主人さまのはむしろ進んで味わいたいと思えた。
尿道から最後の一滴をちゅ、と吸い取ると、おちんぽはいつの間にやらすっかり硬さを取り戻し、再びの絶頂を今か今かと跳ねて待っているようだった。
一度口を離して顔を窺い見る。するとご主人さまは、満足気に僕の首根っこを掴んで、僕をベッドではなく床にうつ伏せの状態で寝かせた。地下室の固められた地面が熱い身体を冷やす。
この体勢で何をされるんだろう、と僕が不審に思ったところで、地面に映る影が、ご主人様が脚を振り上げている様を教えてくれた。
「——ふっ!」
「がぁっ!?」
その直後襲い掛かる衝撃。そして遅れて理解する快感、絶頂。どうやら僕のアナルに入ったままのプラグをご主人さまが踏み抜いたようだ。もっとも、それを理解したのは真っ白にぶっ飛んだ僕の思考が戻ってきた数十秒後なんだけど。
前立腺その他諸々を潰され僕がよだれを垂らしながら全身を痙攣させる様子を見て、ご主人さまは楽しんでいるらしかった。特に、ブジーが刺さっているため一滴も射精できないままピクピクと跳ねる僕のペニスを、ご主人さまは非常に愉しげに撫でる。僕はまた制御できない快楽を与えられる玩具になっていて、その事実が僕の興奮を殊更に煽った。
それからまた持ち上げられて、今度はベッドに寝かされる。そしてアナルプラグが掴まれたかと思うと、グリグリと捻り回しながらそれがゆっくりと引き抜かれた。
「あぁっ……うぁ……あーっ……」
排泄にも似た感覚のそれは、しかし排泄には伴わないほどの激しい快感を僕に齎す。声を上げながら快楽から逃れようと身体を捩ると、すぐさま大きい手で胴を押さえられた。全身で菊門が拡張される感覚を味わうはめになり、もうずっと込み上げたままの射精感は限界に近いのだが、しかしブジーがみっちりと詰まった尿道からは何も出せない。
そんな生き地獄とも言えそうな状況は、アナルプラグが山場を過ぎするりと抜けるまで続いた。息も絶え絶えで肛内に冷たい空気が入る感覚に戸惑う僕に対して、ご主人さまは抜けたプラグを眺めながら、おー、と気の抜けたような感心したような声を上げた。
「いやぁ……こんなん本当に入るもんなんだなぁ」
そんな感想まで溢してからご主人さまは抜いたそれを放り捨て、ぽっかりと開いているらしい僕の肛門を更にぐいぐいと引っ張って広げる。そして大きく姿勢を変え、僕を抱える形でベッドに腰掛けた。
ご主人さまのおちんぽの根本に跨るような形になり、尿道に棒が刺さってぼこぼことしている僕のちんこと熱く脈動するご主人さまのおちんぽが対比される。圧倒的な雄としての格の違いを見せ付けられているようで興奮する。
ご主人さまはおちんぽを僕の方へ倒し、胴体に密着させた。先っぽがおおよそ僕の胃ほどまで届いている。
「入れるとここまで届くんだなぁ」
「はひっ……」
何とか咥えられるかどうか、といった太さのそれを胃まで貫かれる想像をして、非常に興奮したものの、それと同時に恐怖もまた覚える。というか、そんなことされたら普通に死ぬと思う。
「あ、あのっ……これ、入れちゃったら僕、死んじゃう……」
だからせめてもう少し慣らしてからにしてね、という意図を込めて顔を引き攣らせながら僕が言うと、フォロは少々意外そうな顔で、少し悩んでから頷いた。良かった。流石に初日に死にたくはない。
「まあ、そうだよな」
「え、へへ……」
「じゃあ残念だけどー……——」
ご主人さま——フォロが僕の胴を両手で掴んで持ち上げる。下ろされるのだろうと思って、まずブジーを抜いてくれと言おうとして——。
「——死んでもらうしかねぇな!」
「があああっ!?」
——貫かれた。フォロは持ち上げた僕を勢い良く振り下ろし、雄物でもって僕を貫いたのだ。無理矢理こじ開けられた菊門は悲鳴を上げ、腹はその初めての圧迫感と異物感に震える。痛さで涙が溢れる。
苦しい。勢い良く振り下ろされて吐き気すらする。半ばまでしか入っていない男根が僕を突き上げた衝撃もそれを助長する。
そう、半ばまでしか入っていないのだ。今なおフォロは腰をぐねぐねと動かしてどうにか奥へ奥へと入り込もうとしてくるのだ。実際、少しずつまた僕の中に彼の逸物が飲み込まれていく。そのたびにアナルがジンジンと痛むのだが、フォロの手は止まらなかった。
「なーんか勘違いしてるよなぁ? お前に、拒否権は、ねぇんだよ」
「がっ……はっ……ごめっ……ゆるっ……じ……」
「ああ、リュカ、お前ホント可愛いなぁ! 全身で頑張って生きてるのが分かるぜ! あと3発分ぐらいは辛抱してくれよな!」
ぐいぐいと腹の中が押し広げられ、その怒張が8割ほど侵入した。
苦しい。痛い。思考が纏まらない。こんなの、こんなの——最高じゃないか!
僕のことなんか考えずにただ自分が気持ちよくなるために使ってもらってる! やめてくれと懇願しても聞いてもらえない! ただ性処理をするためのオナホ扱い! 僕が思い描いた通りの最っ高の状況だ!
もう胴体が掴まれていなくても身体がちんぽを包み込んで離さない。それに気付いたのか、“ご主人さま”は僕の脚を掴んで、勢い良く引き下げると同時に腰を突き上げた。ぬちゅん、と恐らく腸液と思われる液体が鈍く水音を立てて、僕の尻肉と彼の下腹部が密着した。
「リュカは凄いなぁ、性奴隷にもオナホにもなれるんだもんな。心臓が頑張ってトクトク動いてるのが分かるぜ」
「ひゅっ……かひゅ……」
「苦しいか? そんなことねぇよな? 嬉しくってたまんねぇよなぁ? ちんこびんっびんだもんな」
肺が変に押されているのか息がうまくできない。酸素を上手く取り込めない危機感が僕の頭をぼかし、死に瀕して子孫を残そうとする本能が逸物を精一杯反らせる。鼓動は明らかに早い。小刻みにピコピコと揺れる僕のペニスは、本来であればこみ上げた精を存分に放っていただろうに、尿道に詰められた異物によってただただ赤く腫れ上がるだけでいる。
ご主人さまはそんな僕のちんこを見て笑い、片手でちんこを握り、もう片手でブジーに指を掛けた。
興奮と酸欠で上手くものを考えられない僕がそれをぼんやりと見ていると、ご主人さまはきゅっと握る手に力を込め、ブジーを勢い良く抜いた。
「こおっ、おおおぉぉぉっ!?」
「おぉー。派手にぶっ放すじゃねぇか。ガキらしい新鮮ぷりぷりなザーメンだな」
その瞬間、ぞりゅぞりゅと尿道を擦られた快感はとてつもなく、比喩でなく目の前が真っ白になった。背筋を今まで生きてきて一度も感じたことのないような感覚が走り抜け、脳髄を強く打ち付けたように思える。この身体になって初めての射精は、生きてきた中で最も勢いと衝撃のあるものだった。
しかもたちの悪いことに、その快感が中々失せない。先程脊椎を激しく貫いた淫楽はそのくせねっとりと纏わりつき、僕を放さないのだ。陰茎から迸る精も止まらず、碌に動かない身を捩って、あるいは手足を固く伸ばして痙攣させて耐えるしかない。
すごい。こんなの。きいてない。
「トンじまったか? そんなに気持ちよかったならこっちとしても遊んだ甲斐があったってもんだよな」
「ぉ……っ……」
「でもよ、俺のこと忘れてもらっちゃ困るんだわ」
「お、ご、おおおっ!」
いくら経っても収まらない、甘い無間地獄に僕が溺れていると、意識の遠くからご主人さまの声が聞こえた。しかし反応できずにいると、腹の中を掻き出されるような異常な感覚によって僕は現実に引き戻される。戦場で死にかけた時にも出したことのないような下劣な声を出してしまったが、どうやらご主人さまは僕を物理的に持ち上げているらしい。眩む目で見るとご主人さまの手とおちんぽの2点で僕は支えられていた。
頭がクラクラする上にまだ快楽が襲ってくるのだが、そんな僕の感覚がまだ確かなら、ご主人さまのおちんぽのカリ首までが引き抜かれているらしい。
「お、起きてるじゃねえか。まあぶっ飛んでようがやるこたぁ変わんねぇけど」
「はっ……はっ……」
少し息がしやすくなって思考が整ってくると、これから何をされるのかが容易に想像できる。だってご主人さまはまだアナルに射精してないんだ。
でも僕の方は殆ど限界で、今だって小便を漏らしたかのように射精してるのに、これ以上何かされたら、本当に、死ぬかも——
「分かるな? 今からお前の腹ん中、俺のちんこでぐっちゃぐちゃにかき混ぜてやるぜ」
「はぃっ、はいっ!」
——死ぬかもしれないというのに、その魅力的な誘惑に抗えない。僕は笑みすら浮かべて、尻尾と精を撒き散らすちんぽを振って頷いた。
するとご主人さまは今まで腰掛けていたベッドから立ち上がり、僕をおちんぽに延長させたまま、向きと姿勢を変えた。僕がベッドの縁にうつ伏せに設置された形になる。腕と頭に手を置かれ固定された。
そしてほんの数ミリ腰が引かれたかと思うと——まるで遠慮を知らない抽挿が始まった。
「ご、お、ほ、おぉぉ!」
「うおっ! お前ん中、キッツキツでサイッコーに気持ちいいぜ!」
ずりゅ、ごりゅ、と前立腺を始めとした何かが押し潰される。ぴちゃんぴちゃんと体液に塗れたグチョグチョの毛皮が触れ合う音が響く。文字通り腹の中を掻き回されて、直腸の肉が掻き出されて、ご主人さまの太いのが出入りするたびに僕のちんぽも壊れたように弱く幼いザーメンをとろとろと漏らし続けた。
腹が突き上げられて、口から声にならない悲鳴と共に空気が漏れ出る。内腑が引き戻されて口から勝手に空気が入ってくる。呼吸すら自分の意志でできない無力さが、性処理して頂いている悦びと蕩けあって僕の脳を満たす。
「まずは! 1発!」
「ぎいぃっ! ごぉっ! おおぉぉぉっ!!」
ご主人さまの動きが一層激しくなって、ずん、とその雄槍が僕を深くまで刺し貫いたと同時、腸内を何かが凄い勢いで満たしていくのが分かった。精液だ。ご主人さまの精液だ!
深く入り込んでいるにも関わらず、射精を始めたご主人さまはグニグニとおちんぽを動かして、何とかより奥まで精液を注ぎ込もうとしているようだった、上手く息ができず口をパクパクさせるだけの時間が続いた僕だったが、それが分かるととてつもなく嬉しくなって、アナルがきゅんと疼くように感じた。
「うっ……くぅ……! 搾り取ってくれるじゃねぇの」
「っ……っ……!」
無意識のうちに腰もうねり、ご主人さまの大切な精液を一滴たりとも残すまいとアナルが勝手に動く。もはや性器のようで、ケツマンコなんて下品な俗語があるが、今の僕の尻は正しくそれだった。
でも自惚れちゃいけない。ご主人さまにとって僕は性奴隷でありオナホなのだ。性奴隷としてはケツマンコでいいだろうけど、オナホの僕が使って頂いているのはザーメンコキ捨て用の穴であり、精液貯蓄庫なのだから。肝に銘じておかなくちゃ——。
「へへ、まだ吸い付いてら。チンコ丸々飲み込んで離さねぇとか……リュカは偉いな、性奴隷にもオナホにも、チンコそのものにもなれるんだな?」
——僕が、ご主人さまのおちんぽに?
ご主人さまが息を整えながら立ち上がるが、硬いままでまだまだ熱い肉棒さまはしっかりと僕の深くまで入り込んでいる。僕の菊門がきゅうきゅうと締め付けているのもあって太いそれはそう簡単に抜けるものでもない。僕はご主人さまのおちんぽだけを支えに手足を浮かせていた。
ご主人さまが僕の腹を撫でる。その真裏まで届いている亀頭がぴくんと反応する。
確かに身体中の空洞を精液で満たされつつあって、股間にぶら下がっておちんぽと一緒に痙攣する僕は、もはや生物でなくただの性器と言えるかもしれない。
それって……なんて光栄なことだろう!
僕の反応を窺ったらしいご主人さまは、僕が彼のおちんぽになれたことを喜んで笑っているのを見て、より一層怒張を滾らせたらしい。僕の身体ごとびくんと跳ねる。
「まだまだ余裕そうだな?」
正直余裕なんて欠片もないんだけど、ご主人さまは僕を強引にがしりと握って、ついでに捻って僕の顔が見えるように回してから、三度僕をベッドに押し付けた。僕の汗と涙と涎と精液でべちゃべちゃのそこにグイグイと抑えられるだけで僕のちんぽが反応する。
ご主人さまはそれはそれは興奮しているらしかった。首筋から溢れる炎の勢いで分かる。彼の下腹部に覆われているのに僕の近くまで炎が舞ってくる。それだけ僕で愉しんで、悦んでくれているんだ。
僕は腹が精液で満たされると同時、胸が言いようのない幸福感に満たされて、それで——目の前が真っ白になった。
気が付くと朝だった。不覚なことに途中で気絶していたようだ。あの後どんな心躍る扱いをしてもらっていたのか覚えていないのが口惜しい。……と言ってもはっきりと覚えているのはアナルに挿入されたところぐらいまでなんだけど。それから先は朧気に、屈辱的で素晴らしい体験をしたように思う。
ここは、ご主人さま……フォロの住居の2階にある客間らしい。昔も使わせてもらった記憶がある。ベッドに寝かされて寝起きの頭でぼんやりと目をやると、身体は綺麗になっていた。まるで何事もなかったかのようだが、何事もなかったにしては腹の中が妙に満たされている感じがする。あと呼気が生臭い。
びっくりするぐらいふらつく足で立ち上がって部屋を出ると、丁度こちらへ歩いてくるフォロを見つけた。
「おはよ」
「おう、おはよう。身体の調子はどうだ?」
「すっごいふらふらする。けどまあ、元気なうちに入ると思うよ」
僕が正直にそう言うと、フォロは心底安心した様子で、そりゃあ良かった、と言う。
どうにも、最後には僕は白目を剥きながら痙攣して息も碌にせず昏倒していたらしい。更には興が乗ったフォロの炎がとうとうベッドシーツに引火して、いくらか火傷もしかけていたとか。
「やりすぎちまったかと焦ったぜ」
「まあ、治してくれたんでしょ? 身体も洗ってくれたみたいだし。死んでないならむしろ歓迎だよ」
僕が冗談半分本心半分で言うと彼は僕の頭に手を置いて粗雑に、しかし温かく撫で。
それから、ぐっと力を込めて僕の頭を股座に埋めさせた。
「——っ!?」
「そう言ってくれると助かるよ。旧友兼オナペットがいなくなると朝勃ち収めるのも一苦労でなぁ。サクッと頼むわ」
そう言いながら彼はそのご立派さまをムクムクと屹立させ、無理矢理に僕の口へとぶち込んだ。うまく状況が理解できなかった僕だが、一度口にペニスが突っ込まれたら本能レベルでご奉仕してしまう。
廊下で何の情緒もなく始めさせられた口淫は案外すんなり終わり、口中に精液が放たれる。昨日あんなに出したと言うのに、その量は衰えを知らないようだった。
というか昨日は喉に直接出されたから分からなかったけど、口内に出されると……受け止めきれない……。
「んぶぇっ」
「おいおい、しっかりしてくれよ。全く……」
間の抜けた弟に対するような気楽さで彼は呟く。僕はというと精一杯飲み込もうとするのだけど、自力で飲み込むには“ご主人さま”の精液は粘性が強くて中々飲み込めない。
結局その半分ほどを零した僕がおちんぽから口を離すと、ご主人さまはすっきりとした顔で笑顔で言った。
「これからは毎朝の処理もしてくれよな」
「ふぁ、ふぁぃ」
「んじゃ、仕事行ってくる。朝は用意してあるから適当に食ってくれ。夕方には帰ってくるから、晩飯とケツ穴の準備、頼んだぜ」
「ん、く……わ、分かった」
どうにか口に残った分を胃に収めた僕が頷くと、フォロはありがとな、と言って僕の頭を撫で、それと、と続けた。
「ちゃんとその零した分も飲むんだぞー。じゃあな」
「んぶぇっ」
そう言うが否や、フォロは僕の頭を精液溜まりに押し付けた。鼻孔いっぱいにご主人さまの雄の匂いが入り込む。それどころか精液自体が一部入り込む。
じんと痛む鼻を抑え、興奮に打ち震える自らのペニスを扱きながら、僕は歩き去っていくフォロに何とか行ってらっしゃいと声を掛けたのだった。
そうして僕の理想の被虐生活が始まった。
その日の晩は僕が用意した夕食にご主人さまが精液を加えて食べさせてくれた。それからまたアナルをぽっかりと開いて閉じなくなるまで使ってもらって、尻に絵の具で『ご主人さま専用便器』なんて卑猥な落書きもしてもらった。次の朝は寝てるところにおちんぽを突っ込んでもらった。
いつの頃からかは貞操帯を付けられ、ご主人さまの許可なく射精することもできなくなった。まあ、元からただ扱いただけじゃイきづらくなってたんだけど。外に出る時も付けっぱなしだから、腰布をさらに付けて隠さなきゃいけないのが難点かな。
ともあれ、毎日のように朝勃ちちんぽをお世話し、仕事終わりの疲れマラにご奉仕し、僕は順調に性奴隷ライフを満喫していた。
と言っても、僕と彼は単なる主従の関係ではない。僕はただ“ご主人さま”の性処理に使って頂いているだけで、彼にそのつもりが無いときは依然旧友のフォロとライだ。彼に悩みがあれば聞いてやるし、僕も困ったら彼を頼る。僕らの間に節度は少々無いかもしれないが、信頼はそこそこにある、つもりだ。
「ところで僕、日中暇なんだよね」
「アナニーばっかしてるじゃねぇか。ルー坊とは会わねぇのか?」
「会うよ。会って年下扱いしてもらうけど、僕、中身がコレだしさ……ルーに合わせて遊ぶの、ちょっとキツい」
「何ならルー坊に虐めてもらえばいいじゃねぇか」
「それは流石に良心が咎めるんだけどー……まあ、いずれね、いずれ。……今でもしゃぶるくらいなら許されるかなぁ」
いつの間にやら世間は子供が外で遊んでも不安のないようになっていた。昔の僕が世界を救った甲斐があったってもんだよね。
僕が頑張って平和にした世界なんだ。僕はもう自分の思うままに生きるぞ。
「と、そうじゃなくて。前から考えてたことがあるんだよ。この街、娼館あったよね? 男娼って雇ってるかな」
「あー、そうだな。孤児が食い扶持稼ぐために顔出し無しでケツだけ出してやってるとこはあるぜ。もちろんアングラだが」
「お尻弄ってもらえるなら行こうかなって」
「やめとけやめとけ。とんでもねぇ金が入ったと思ったら排泄できねぇぐらいぐちゃぐちゃにされたー、なんてよく聞く話だぜ」
「最高じゃん! 行ってくるわ」
「待て待て待て。せめて救命手段は用意しとけ。オボンとか」
「……オボンをアナルに入れといたら勝手に壊してくれるかな? 効率的じゃない?」
「お前すげぇよ。流石世界を救った勇者サマは発想が違ぇや」
スイッチが入ってない僕らは大体こんな感じの会話をしてる。うーん、悪くないと思ったんだけどな。薬効のある木の実を入れといたら、腸液でふやけて、突っ込まれたデカチンで潰されて、回復、みたいな……。
「……あのよ。ケツにオボンぶち込んでるお前を想像したらよ。ちょっと興奮してきたんだが」
「えぇ……今どこにいると思ってるの? さっき何発も出して、賢者モードになって身体洗ってる最中だよね?」
「いやぁ、尻からザーメン垂らしてるお前がエロくてなぁ……で、いいよな?」
「駄目って言ってもヤるでしょ。……ちなみに、駄目って言ったら?」
「そうだな。無理矢理ぶち犯した上で1週間ソレ外すの禁止、とかどうだ?」
ソレ、と言って彼は僕の逸物を固く覆う貞操帯を指差す。何だかんだ毎晩外してもらって気持ちよく射精はできていたけれど……それが1週間、つけっぱなし……?
「……それ、最高。駄目、今日はもう入れないでー」
「よーし、お望み通り可愛がってやるからな。泣いても許さんし気絶したら顔射で叩き起こすぞ」
「んひゃ……ひゃい、ごしゅじんしゃま!」
数十分前までそうされていたためか前戯も無くアナルにペニスが宛てがわれる。すっかり縦割れになったアナルはすんなりと開き、肉棒をにゅるりと飲み込んだ。
湯船に顔を沈められたり乳首を力任せに引っ張られたりしながら“ご主人さま”に犯して頂いて、やっぱりもうしばらく娼館に雇われるのはナシでいいかな、と僕は思うのだった。
「よし、出すぞ!」
「はひぃっ!」
しあわせな夜はまだまだ終わらない。
僕は精一杯アナルを広げて、幸せを噛みしめるのだった。
世界を救ったら褒美として願いを叶えると言われたのでドMの願いを叶えてもらった話
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