#include(第十三回短編小説大会情報窓,notitle) 作者:[[仮面の厚さには自信があります>リング]] #contents **ウィロー博士のレポート:9月22日 [#a84KFyR] **ウィロー博士のレポート:9月22日 [#2kCSyZe] &color(silver){その日、私は野外でポケモンの生態調査中、生態調査に協力してくれているトレーナーたちから次々と報告を受けた。}; &color(silver){『チコリータの大発生で、色違いのゲット報告かな?』と、弟子たちの無邪気なゲット報告を心待ちにしていた私に舞い込んできた知らせは、まさに青天の霹靂であった。}; &color(silver){トレーナーたちから寄せられた報告は、新種のポケモンであった。黄金色の、ナットを思わせる頭部と、その中心にある黒い眼球のような物体。そしてメタモンやベトベターを思わせる液状の体。しかし、そのポケモンは正体が不明で、誰も名前すらも知らないという。}; &color(silver){さらに驚くべきは、そのポケモンは本物がどこにも存在しないということだ。ゲットした個体はすべてメタモンが変身したもので、肝心の本物を捕まえたポケモンは皆無。Pikatubeなどの動画サイトや、各種SNSなどを覗いても、『正体はメタモンだった』という報告はついに聞かなかった。}; 「ねぇ、ねぇ。君、メタモン?」 ある日、見慣れないポケモンがメタモンのもとに歩み寄る。黄金色の頭部に、メタモンによく似た流動的な下半身。 「何、君? 見慣れない姿だねぇ」 メタモンは早速その姿を真似て見た。こんな珍しい生物見たことがない、仲間に自慢してやるんだと。 「わぁ、やっぱりメタモンだ。ねぇ、君。僕の子供を産んでよ」 「へ? いきなり? 僕も、発情期でもないのに初対面の人とそんなことするのはちょっとなー……」 「君の答えは聞いていないんだよ」 「え、ちょ」 突然目が座ったその謎のポケモンは、自分と同じ姿に変化したメタモンへと襲い掛かる。流体金族同士、ぐちょぐちょと混ざり合いながら行われたその交尾は、メタモンが一方的に蹂躙され、されるがままになっていた。 謎のポケモンは交尾が終わると早々に立ち去ってしまい、その後、その姿を見た者は誰もいない。 「うぅ……もうお嫁にいけない……」 欲望のままにレイプされたメタモンは、非常に憔悴しながらその場に立ち尽くす。 「おい、大丈夫かよ? 何があった?」 メタモン同士はあまり仲が良くなく、交尾の相性も合わないが。しかし、何か同族に危険があった際の情報交換くらいは行われる。 「この姿をしたポケモンに襲われたの……仲間たちにも伝えて、このポケモンはケダモノだって……」 「いきなり俺たちを襲うポケモンか……俺たちメタモンがあらゆるポケモンと卵を作れるのを知っているのかもしれないな……よし、そうと決まれば仲間にも周知するか。あとは、人間たちにも注意喚起をしておいたほうがよさそうだ。 ポケモンレンジャーとかいうのが駆除してくれるかもしれねぇ」 かくして、メタモンたちが謎のポケモンを人間たちに伝える作業が始まった。しかし、奇妙なことにそれは海を越え、ほかの地方であっても同様に同じことが行われていたそうだ。 それが意味するところは、ぞの謎のポケモンは、すでに世界中のメタモンを襲っているということであった。 **ウィロー博士のレポート:9月25日 [#kxu8L1p] **ウィロー博士のレポート:9月25日 [#PDO21Jb] &color(silver){私はメタモンが見たことのないポケモンに変身したことをオーキド博士に伝えた。その際、Pikatubeに上げられた動画や、数々の写真を送ると、オーキド博士はメルタンという名前を思い出して、古い文献を取り出した。}; &color(silver){その文献は、3000年前の壁画に描かれたポケモンの絵を復元したもので、余りに古すぎるために存在したかどうかすら定かではなかったポケモンである。オーキド博士が取り出したその文献には、メルタンがどんなポケモンだったかについての記載はなく、人間にとって有害だったのか、それとも有用だったのかすらわからない、非常に頼りないものであった。}; **ウィロー博士のレポート:9月26日 [#P9PTxpb] **ウィロー博士のレポート:9月26日 [#0eUXmBv] &color(silver){オーキド博士は、古い文献のことを調べるために、専門家との連絡を取る。『アローラ』という軽快な挨拶とともに電話に出た女性、シロナに、3000年ほど前の文明について調べている知り合いがいないか、聞いてみたそうだ。シロナもまた、SNSを賑わせたメルタンに対して興味を抱いていたようで、彼女は知り合いの考古学者を多数紹介してくれた。生体が手に入らない以上、メルタンがどんなポケモンかを調べるのはもはや生物学というよりは考古学の領域であった。}; **ウィロー博士のレポート:10月1日 [#J3hL27J] **ウィロー博士のレポート:10月1日 [#bg254aN] &color(silver){私は、なぜメルタンがあれから目撃報告がないのかを考えた。そして、なぜメタモンの前だけに姿を見せたのか。やはりそれは、メタモンが繁殖するために効率が良いという事をメルタンは知っていたのではないかと考えるのが一番分かりやすい答えであった。しかし、メルタンに変身したメタモンは世界中で確認されていた。つまり、メルタンは世界中で同時期に復活し、なおかつそのすべてがメタモンにのみ接触したという事であろうか。もし、その仮定が現実のものであれば、メルタンの知能はとても高いものと推測出来る。}; **ウィロー博士のレポート:10月10日 [#VoN9emq] **ウィロー博士のレポート:10月10日 [#FtUk94l] &color(silver){そんなおり、私は師であるオーキド博士から、文献と同じ場所にあったという不思議な箱を譲り受けた。不思議な箱は、研究室で開いても錆びた金属の塊が入っているだけであるが、野外で開くことにより、その中からメルタンが飛び出すという性質を持っていた。}; &color(silver){これにより、メルタンの生体を得ることができた私は、その研究を急激に加速させることができた。オーキド博士は論文を書こうと張り切るが、論文というか、文章を書くのがが苦手な私は少し眉をひそめて苦笑していた。}; 「はぁい、ダンバル。元気かい?」 「なんだこいつ……」 その日、メルタンはダンバルの前にも姿を見せた。ダンバル生まれて始めて目にしたダンバルに抱いた感情は、吐き気がするほどの嫌悪感と、身の毛もよだつようなおぞましい本能的恐怖。 「あ、あー……逃げよ」 メルタンと出会ったダンバルは、その姿を見ると本能的に湧き上がる危機感や恐怖から、誰に何を教えられるでもなくその場から足早に立ち去った。 「……まぁ、いいか。ダンバルはまだまだいるさ」 メルタンは独り言ちて、再び歩き出す。時を経た今ならば、、メルタンへの恐怖を知らないダンバルもいるはずだ。 「ねぇねぇ、君はダンバル? 僕はメルタン」 そうして、何回目の挑戦だろうかメルタンはダンバルに何度も話しかけては逃げられていたが、探せばいるものだ。好奇心旺盛で、恐怖という感情が希薄な個体が。 「君、何? 始めてみたなぁ」 この時、ダンバルが思ったのは『大きくないからあんまり強くなさそうだし、何かあっても逃げればいいや』である。恐怖や危険を察知する本能が希薄であっても、大きくて強そうな相手からは逃げる。メルタンの小さく、人畜無害そうな見た目が幸いしたというところか。 「僕ねー、メルタン。君たちと友達になりたいんだ」 「友達?」 「そう、友達。まずは握手しようよ」 「ん?」 ダンバルには手なんてないが。そんなことはともかくとしてダンバルは疑問を覚えつつもお尻の爪をメルタンに向ける。すると、ひやりとしたメルタンの感触と、そこから広がってくる強烈な快感。 まだ、交尾どころか自慰の快感すら知らないダンバルにはあまりに甘美な快感が、尻から、全身へと広がっていく。気持ちよさに我を見失いそうになりながら身を任せていると、メルタンはどこかへと消えてしまっていた。 「メルタンはどこ? さっきの気持ちいいのは何?」 「気持ちよかった?」 「誰?」 ダンバルの頭の中に声が響く。メルタンの声だった。 「僕だよ、メルタンだよ。友達になってくれた子には、お礼として気持ちよくしてあげるの」 「じゃあ、さっきのは君のおかげなの?」 「うん。僕と君はもう友達、だから、ほかの子とも友達になりたいな。もし、君が協力してくれるのなら、僕は君のことをもっと気持ちよくしてあげるよ?」 「本当? じゃあ、僕は仲間を友達に誘うね」 「うん。そしたら、もっと気持ちよくしてあげるからねー」 ダンバルの体色はメルタンに似た銀色の体と、黄金色の爪。要するにダンバルの色違いとそっくりな容姿になっていることだ。 メルタンがダンバルを友達に選んだのも、それが理由だ。ダンバルを自身の体でコーティングしても、擬態できるから。他のダンバルに近づくことも容易なのだ。 **ウィロー博士のレポート:10月11日 [#h97jHqj] **ウィロー博士のレポート:10月11日 [#zrUoce4] &color(silver){私は、さっそくメルタンの生態を観察し始めた。メルタンは流体金属のような体を持ち、その体が触れた金属はまるでバターのようにとろりと溶けていく。そして、とかしたそれを食料として成長するようだ。個体によって大きさもまちまちだが、やはり大きな個体ほど大飯ぐらいのようだ。そのせいで食器や研究機材まで食べられてしまったのだから、性質が悪い。}; &color(silver){しかしながら、今でこそ金属製品は日常のあらゆる場所に存在するが、3000年前は金属など貴重だったはずだ。では、メルタンは3000年前はどのようなものを食べていたのか? 地面などに眠っている酸化鉄などを食べていたのかもしれないが、メルタンはあまり錆びた金属には興味を示さなかった。それならば、恐らくは鋼タイプのポケモンたちを餌にしていたのではないかという推測が立つ。}; &color(silver){そういえば、最近はダンバルの挙動が落ち着いておらず、徐々に山岳地から市街地のほうへと移動するダンバルが増えており、近々ダンバルが人里近くに大量発生するという予報が出ている。その日に、メルタンの反応を調べてみるのもいいかもしれないと、私は考えた。}; 「ねえねえ、君?」 一度寄生されたダンバルは、その後仲間のダンバルに話しかけ、自分の体を擦り付けた。そうして銀色の流体金属を擦り付けられたダンバルは、最初こそ小さな疼きがあるくらいであったが、徐々にそれは身もだえするような快感と、恍惚とした気分を与えられる。気付けば頭の中に知らない誰かの声が鳴り響き、その声に従って、自分もまた寄生される幸せなダンバルを増やしていった。 **ウィロー博士のレポート:10月21日 [#w03cWrs] **ウィロー博士のレポート:10月21日 [#IXJPoMn] &color(silver){この日は、ダンバルの大量発生の日。私のもとで活動するトレーナーたちも、沢山のダンバルを捕まえては、不要な個体を私のもとに送ってきた。そうして送られてきたダンバルとメルタンを接触させてみる。すると、ダンバルは突然おびえたように逃げ出そうとした。生態系を破壊しないために、逃げたダンバルはすぐさまボールの中に収納したが、ほかのダンバルも似たような反応を繰り返すばかりだった。}; &color(silver){そんな時、色違いのダンバルが送られてきた。それをさっそくボールの外に出してみると、色違いのダンバルは突然妙な声を上げ始め、白目をむいて地面に横たわってしまった。}; &color(silver){私は何が起こったのかと、メディカルチェックを行ったが、その結果には大いに驚いた。ダンバルは苦しんでいるのではなく、気持ち良くなっているというスキャンデータが得られたからだ。いうなれば、ダンバルは麻薬を服用している状態だ。それも、ちょっとやそっとの麻薬ではなく、飛び切り強烈な麻薬のようで、数値を見る限りは得られる快感は交尾の何十倍にもなるだろう。}; &color(silver){そのダンバルの様子をしばらく見守っていると、徐々にダンバルの体は溶けてゆき、そこから三匹のメルタンが現れた。どうも、この色違いのポケモンはメルタンに寄生されていたようだ。}; &color(silver){しかし、この反応は色違いのダンバルすべてに見られるものではない。メルタンが寄生して色違いのようになった個体と、もともと本当に色違いの個体、どちらも存在するようだ。すでに不思議な箱から復活させたメルタンと合わせて、大量の個体も手に入ったことだ。これからの研究もさらに面白くなりそうだ。}; ダンバルの大発生を先導したのは、ほかならぬメルタンであった。『山岳地帯は危ないぞ、人里に逃げよう』と、仲間たちに触れ回ったのだ。 ダンバルは、体内の磁力を用いて仲間とコミュニケーションをとる。メルタンも、体内で生み出した電気の力を用いて磁力を生み出し、それで交信することが可能だ。ダンバル達は、メルタンのそれを仲間の真摯な訴えと誤認して、人里を目指した。 **ウィロー博士のレポート:10月22日 [#ZPTIhgQ] **ウィロー博士のレポート:10月22日 [#VvkQAe8] &color(silver){トレーナーたちから送られてきたポケモンはダンバルのみであったので、ためしにメタングに進化させて、メルタンを前にした時の反応を見た。ダンバルの頃はみな一様にメルタンから逃げていたが、進化したメタングは激しい敵意をあらわにして、サイコキネシスでメルタンをなぎ倒していた。驚くべきは、サイコキネシスやラスターカノンといった特殊攻撃しか使用しないことである。まるで触れたら死ぬとでも言いたいかのように、決して近づくことをしない。本能的にメルタンを恐れているという事が分かる。もしも、メルタンに触れてしまった場合、ダンバル達はどうなるのだろうか?}; &color(silver){しかし、メルタンはこのままではとても弱い。ダンバルには簡単に逃げられてしまうし、メタグロスどころかメタングですら簡単に倒せてしまう相手だ。これでは、野生で暮らすには少々物足りないような気がしてならない。さらなるフォルムチェンジや、進化系などがあるのだろうかという推測を立てていると、考古学者たちからの連絡が届いた。}; &color(silver){メルタンには、その親玉ともいうべき巨大な個体、メルメタルと呼ばれるものがあるらしい。それがどのような条件によって生まれるのかはわからない。テンガン山などのような磁性の強い場所で進化させるか、あるいはただ闇雲にレベルアップさせるだけでいいのか、懐かせるか、もしくはダンバルのように個体同士を引き合わせるか……}; **ウィロー博士のレポート:10月24日 [#7ipvcuI] **ウィロー博士のレポート:10月24日 [#VF16tXf] &color(silver){オーキド博士との通信中に、メルタンがメルメタルへと進化した。結論から言えば、メルタンの進化条件は、メタグロスと同じく、メルタン同士を引き合わせ、合体させることであった。その数、およそ100体ほど。我ながらたくさん集めたものである。}; &color(silver){考古学者からの文献の解読も進むにつれて、このポケモンの研究はさらに加速しそうだ。オーキド博士は、50年前にリグレーとオーベムが突如現れた時の興奮を思い出すと言って張り切っている。}; &color(silver){さて、考古学者からの解読結果についてだが、なんでもメルメタルは鉄を生み出す存在として崇めたたえられていたらしい。生み出された鉄はまさに財産となり、人々はコイルやコドラをメルメタルにささげることで見返りとして包丁や剣などをつくてもらっていたのだとか。}; **ウィロー博士のレポート:10月26日 [#xpziWK4] **ウィロー博士のレポート:10月26日 [#LGogHqO] &color(silver){ところで、考古学者からさらに解読が進んだとの報を受けた。メルタンがあの不思議な箱に入っていたわけとは、当時メルメタルが作った武器のおかげで、人々が戦う力を得たことが原因とされている。メルタンによってもたらされた鉄の武器は争いを引き起こし、そしてポケモンを狩る力を得たことで、徐々に自然のバランスが崩れていったという。カロスではその戦いが国をも飲み込むほどとなり、シンオウでは鉄の武器を得た人間が獲物を狩りつくしてしまったと。}; &color(silver){そのほかの地方でも鉄の武器は人を狂わせ、戦いに駆り立てたという。人を狂わせ、争いを引き起こしたメルメタルは、国が衰退するに従い忌み嫌われるようになったとともに、そうして人が減り、鋼タイプのポケモンが減ったことで、腹をすかせたメルメタルは作った鉄の道具を再度吸収し、自らの血肉にしたという。}; &color(silver){そうなってしまったら、もはやメルメタルは人にとって有害だったのかもしれない。メルメタルは不思議な箱の中に封印され、その後3000年間眠っていたのだろう。だが、考古学者は笑っていた。今は鉄の武器を持っていても何の自慢にもならない、むしろ鼻で笑われるだけだと。今の時代、鉛玉のほうがどんな剣よりもよほど強いのだから、今のメルメタルにはレアなポケモン以上の価値はないだろうと。}; 人里に集まったダンバルは、メルタンにとっては良い狩場であった。メルタンに寄生されたダンバルは、人里の路地裏で仲間をかくまうふりをしたり、面白いものがあると誘っては、メルタンにそのダンバルを襲わせる。 そのたびに、寄生されたダンバルはご褒美として気持ちよくさせてもらった。ダンバルはもはや理性をなくして、幸福な仲間を作るために奔走する操り人形となり下がった。 しかし、彼らは大発生の後に、忽然と姿を消した。ほんのひとかけらほどメルタンの体細胞を擦り付ければ、大発生の目的の一つは果たしたことになるからだ。 「角が疼く……嫌な予感がする……」 トキワシティに住むトレーナー、ヒタチの手持ちであるアブソル、ディザは最近……特にダンバル大発生の日から角が疼いて仕方なかった。何か事あるごとに角を研ぐようになっていて、全身の体毛が逆立つような怖気も感じて、毎日が落ち着かない。 ダンバルの大発生。ヒタチはそれに興奮して、沢山のダンバルを捕獲し、そのうちの四匹を組み合わせて銀色のメタグロスに育てていたが、そのメタグロス、ディザはなぜか好きになれないのだ。あいつを見ていると、危険な予感がしてならない。最初は足が気に食わないくらいだったが、今はもう全身が気に食わない。 二日前からはどうもマサラタウンのほうから嫌な予感がしていたし、ストレスで夜も眠れない。地震とも火山の噴火とも台風とも違う、この謎の疼きには、ディザ自身も困惑していた。 ほかのアブソルはどうなのだろうと気になっていると、目の前に、銀色の巨人が現れた。白髪の老人が連れているその巨大な人影を見ると、こらえきれない怒りがこみあげて、気付けばディザは駆け出し、その巨人の喉元めがけて研ぎ澄まされた角の刃を振りぬいた。 見た目から鋼タイプだというのは予想がついていた……が、その刃は驚くほどに抵抗なく喉をやすやすと切り裂き、殺した……と、思ったが。 「うーん……何するのぉ?」 その銀色の巨人は平然としている。白髪の老人が慌てながら銀色の巨人ことを見ているし、ディザのトレーナーは慌ててディザをボールの中に収納した。 **ウィロー博士のレポート:10月28日 [#bCgQX1o] **ウィロー博士のレポート:10月28日 [#C89aVbR] &color(silver){ダンバルが再度の大発生という報告が舞い込んでくる。いったい何が起こったのか定かではないがもしもこれがメルタンの出現と関係があるのだとすれば、ダンバルにとってメルタンは天敵であり、メルタンの出現が、ダンバルにとってはよほど都合が悪いということなのだろう。}; &color(silver){それと、オーキド博士から連絡を受けたのだが、メルメタルの食料を買うためにトキワシティのホームセンターへと歩いていると、トレーナーに連れられた道行くアブソルに全身の体毛を逆立てられながら威嚇をされたり、ひどいときには攻撃してくる個体もいたそうだ。}; メルタンは、今度は寄生したダンバル達に、再度人里へと舞い戻るよう指示し、そこで人間たちに掴まるよう命令した。これで、世界中に自身の巣を広げる準備は整った。 **ウィロー博士のレポート:11月8日 [#4ZgcNIU] **ウィロー博士のレポート:11月8日 [#7VHRcDQ] &color(silver){シロナから、ジガルデの姿を最近良く見かけるようになったと連絡がきた。SNSではアブソルが常にイライラしており、ネイティオは頭を抱えているという。カルト宗教でもはやりそうな状況に、SNSでは世界の終わりが近づいているなどといううわさが流れている。確かに、何かが起こっているとしか思えないが……}; **ウィロー博士のレポート:11月16日 [#rt1kDoG] **ウィロー博士のレポート:11月16日 [#kT4wCy8] &color(silver){SNSを見てみると、世界中のアブソルが一斉に吠え出したそうだ。それが起こったのは日本では午前3時、深夜の時間帯だ。SNSのタイムラインではで『アブソル』が検索トップに躍り出ている。朝起きてみると、人里では停電が相次いでいるらしく、特にこの日本では深夜のうちにそれが起こったから、事態は深刻なレベルで進行している。私は多くの電気タイプのポケモンを連れているから、食料さえ食べさせてさえいれば発電が出来るため問題ないとはいえ、街で生活している人間たちにとっては死活問題だろう。}; &color(silver){停電に関する続報が届いた。先日SNSで話題になった謎のポケモン……つまるところ、メルタンが火力発電所からの送電線を溶かしてしまったらしい。}; &color(silver){それどころか、町中にメルタンがあふれ出し、それを統率するメルメタルの存在がそこかしこで発見されている。}; ダンバルの&ruby(むくろ){骸};が、野山に広がっていた。メタモンに仲間を増やしてもらい、ダンバルに寄生してさらに仲間を増やし。用済みとなったダンバル達は、白目を剥いてそのまま天国へと旅だった。当然、それは野山のみならず、トレーナーのもとに掴まったダンバルも同様である。 増えに増えたメルタンたちは、そのままどこへ行くのか? 決まっている、金属のあるところだった。 ウィロー博士は、今の時代は鉄の刀や槍なんかよりも鉛玉のほうが強いと言っていた。それは確かに真実なのだが、もう一つの真実を彼は忘れている。今の世界は、人間が作った金属に溢れている。それはメルタンやメルメタルにとっては、おとぎ話のお菓子の家が並んでいるようなものだ。 送電線を張っている鉄塔を、その送電線内に通された銅線を、車を、金属製の街灯を、ガードレールを、ゴミ箱を。ひと月前に大発生したダンバルが比べ物にならないほどの大群で押し寄せたメルタンが大量に食べた。 ポケモンレンジャーや一般トレーナーも動員して駆除に当たっているが、、数が多すぎて、どれだけ時間がかかるかもわからないし、かといって熱風や地震を街中で使うことは難しい。そして、メルタンを攻撃するものに対しては、その親玉であるメルメタルが容赦のない攻撃で叩きつぶし、街では凄惨な殺し合いがそこかしこで行われていた。 田舎の誰もいないような場所では『滅びの歌』以外での対処が難しいとされ、ムウマやアブソル、チルタリスといった多数のポケモンが瀕死になりながらも、多くのメルタンを道連れにしているが、それでも数多の送電線が壊されていった。 都会では多数の車が喰らいつくされ使い物にならなくなり、街のオブジェクトはことごとく倒され、公園の遊具も金属製のものは使用不可能となった。マンホールには穴が開き、消火栓からは水が噴き出し、何も知らぬメルタンたちはガスボンベすらも破壊して、自身が発した静電気で発火。周囲に火災と爆発をまき散らした。 人里は破壊され、消防車がやられたため火災の消火もままならない。スマートフォンやタブレットのための電波塔も次々と壊されて、あらゆる場所が電波の圏外となり、ポケモンたちによる必死の消火で局所的な消火は出来ても、大規模な火災がどこで起きているかすら定かではなく、気付いたころには手遅れになっていた。 ポケモンレンジャー達は警察や軍隊と連携を取りながら原子力発電所だけは何としてでも死守しようとしたが、メルタンに給水のための設備が壊されて冷却が不可能となり、発電所はメルトダウンを起こして全世界に放射能がばらまかれた。特にアローラ、ハウオリ原子力発電所の被害は深刻で、アローラ地方全域が、防護スーツ無しでの居住が不可能なレベルで汚染される。それを知る手段も伝える手段もなく、アローラからは放射能物質除染のための実験生物を除く、すべての生物がゆっくりと消えた。残された発電所も同様の運命を辿った。 この星に残されたわずかな人々は、Zを超える性能を持つ新型のポリゴンを開発して宇宙に逃れ、取り残された人々は日々放射線に蝕まれていく体を抱えて星の終焉を見守るばかりであった。 これが、人類の敵と称され、母なる星を滅ぼした大災厄を巻き起こしたメルタンと呼ばれるポケモンの記録である。 #include(第十三回短編小説大会情報窓,notitle) 作者:[[仮面の厚さには自信があります>リング]] #contents **ウィロー博士のレポート:9月22日 [#a84KFyR] &color(silver){その日、私は野外でポケモンの生態調査中、生態調査に協力してくれているトレーナーたちから次々と報告を受けた。}; &color(silver){『チコリータの大発生で、色違いのゲット報告かな?』と、弟子たちの無邪気なゲット報告を心待ちにしていた私に舞い込んできた知らせは、まさに青天の霹靂であった。}; &color(silver){トレーナーたちから寄せられた報告は、新種のポケモンであった。黄金色の、ナットを思わせる頭部と、その中心にある黒い眼球のような物体。そしてメタモンやベトベターを思わせる液状の体。しかし、そのポケモンは正体が不明で、誰も名前すらも知らないという。}; &color(silver){さらに驚くべきは、そのポケモンは本物がどこにも存在しないということだ。ゲットした個体はすべてメタモンが変身したもので、肝心の本物を捕まえたポケモンは皆無。Pikatubeなどの動画サイトや、各種SNSなどを覗いても、『正体はメタモンだった』という報告はついに聞かなかった。}; 「ねぇ、ねぇ。君、メタモン?」 ある日、見慣れないポケモンがメタモンのもとに歩み寄る。黄金色の頭部に、メタモンによく似た流動的な下半身。 「何、君? 見慣れない姿だねぇ」 メタモンは早速その姿を真似て見た。こんな珍しい生物見たことがない、仲間に自慢してやるんだと。 「わぁ、やっぱりメタモンだ。ねぇ、君。僕の子供を産んでよ」 「へ? いきなり? 僕も、発情期でもないのに初対面の人とそんなことするのはちょっとなー……」 「君の答えは聞いていないんだよ」 「え、ちょ」 突然目が座ったその謎のポケモンは、自分と同じ姿に変化したメタモンへと襲い掛かる。流体金族同士、ぐちょぐちょと混ざり合いながら行われたその交尾は、メタモンが一方的に蹂躙され、されるがままになっていた。 謎のポケモンは交尾が終わると早々に立ち去ってしまい、その後、その姿を見た者は誰もいない。 「うぅ……もうお嫁にいけない……」 欲望のままにレイプされたメタモンは、非常に憔悴しながらその場に立ち尽くす。 「おい、大丈夫かよ? 何があった?」 メタモン同士はあまり仲が良くなく、交尾の相性も合わないが。しかし、何か同族に危険があった際の情報交換くらいは行われる。 「この姿をしたポケモンに襲われたの……仲間たちにも伝えて、このポケモンはケダモノだって……」 「いきなり俺たちを襲うポケモンか……俺たちメタモンがあらゆるポケモンと卵を作れるのを知っているのかもしれないな……よし、そうと決まれば仲間にも周知するか。あとは、人間たちにも注意喚起をしておいたほうがよさそうだ。 ポケモンレンジャーとかいうのが駆除してくれるかもしれねぇ」 かくして、メタモンたちが謎のポケモンを人間たちに伝える作業が始まった。しかし、奇妙なことにそれは海を越え、ほかの地方であっても同様に同じことが行われていたそうだ。 それが意味するところは、ぞの謎のポケモンは、すでに世界中のメタモンを襲っているということであった。 **ウィロー博士のレポート:9月25日 [#kxu8L1p] &color(silver){私はメタモンが見たことのないポケモンに変身したことをオーキド博士に伝えた。その際、Pikatubeに上げられた動画や、数々の写真を送ると、オーキド博士はメルタンという名前を思い出して、古い文献を取り出した。}; &color(silver){その文献は、3000年前の壁画に描かれたポケモンの絵を復元したもので、余りに古すぎるために存在したかどうかすら定かではなかったポケモンである。オーキド博士が取り出したその文献には、メルタンがどんなポケモンだったかについての記載はなく、人間にとって有害だったのか、それとも有用だったのかすらわからない、非常に頼りないものであった。}; **ウィロー博士のレポート:9月26日 [#P9PTxpb] &color(silver){オーキド博士は、古い文献のことを調べるために、専門家との連絡を取る。『アローラ』という軽快な挨拶とともに電話に出た女性、シロナに、3000年ほど前の文明について調べている知り合いがいないか、聞いてみたそうだ。シロナもまた、SNSを賑わせたメルタンに対して興味を抱いていたようで、彼女は知り合いの考古学者を多数紹介してくれた。生体が手に入らない以上、メルタンがどんなポケモンかを調べるのはもはや生物学というよりは考古学の領域であった。}; **ウィロー博士のレポート:10月1日 [#J3hL27J] &color(silver){私は、なぜメルタンがあれから目撃報告がないのかを考えた。そして、なぜメタモンの前だけに姿を見せたのか。やはりそれは、メタモンが繁殖するために効率が良いという事をメルタンは知っていたのではないかと考えるのが一番分かりやすい答えであった。しかし、メルタンに変身したメタモンは世界中で確認されていた。つまり、メルタンは世界中で同時期に復活し、なおかつそのすべてがメタモンにのみ接触したという事であろうか。もし、その仮定が現実のものであれば、メルタンの知能はとても高いものと推測出来る。}; **ウィロー博士のレポート:10月10日 [#VoN9emq] &color(silver){そんなおり、私は師であるオーキド博士から、文献と同じ場所にあったという不思議な箱を譲り受けた。不思議な箱は、研究室で開いても錆びた金属の塊が入っているだけであるが、野外で開くことにより、その中からメルタンが飛び出すという性質を持っていた。}; &color(silver){これにより、メルタンの生体を得ることができた私は、その研究を急激に加速させることができた。オーキド博士は論文を書こうと張り切るが、論文というか、文章を書くのがが苦手な私は少し眉をひそめて苦笑していた。}; 「はぁい、ダンバル。元気かい?」 「なんだこいつ……」 その日、メルタンはダンバルの前にも姿を見せた。ダンバル生まれて始めて目にしたダンバルに抱いた感情は、吐き気がするほどの嫌悪感と、身の毛もよだつようなおぞましい本能的恐怖。 「あ、あー……逃げよ」 メルタンと出会ったダンバルは、その姿を見ると本能的に湧き上がる危機感や恐怖から、誰に何を教えられるでもなくその場から足早に立ち去った。 「……まぁ、いいか。ダンバルはまだまだいるさ」 メルタンは独り言ちて、再び歩き出す。時を経た今ならば、、メルタンへの恐怖を知らないダンバルもいるはずだ。 「ねぇねぇ、君はダンバル? 僕はメルタン」 そうして、何回目の挑戦だろうかメルタンはダンバルに何度も話しかけては逃げられていたが、探せばいるものだ。好奇心旺盛で、恐怖という感情が希薄な個体が。 「君、何? 始めてみたなぁ」 この時、ダンバルが思ったのは『大きくないからあんまり強くなさそうだし、何かあっても逃げればいいや』である。恐怖や危険を察知する本能が希薄であっても、大きくて強そうな相手からは逃げる。メルタンの小さく、人畜無害そうな見た目が幸いしたというところか。 「僕ねー、メルタン。君たちと友達になりたいんだ」 「友達?」 「そう、友達。まずは握手しようよ」 「ん?」 ダンバルには手なんてないが。そんなことはともかくとしてダンバルは疑問を覚えつつもお尻の爪をメルタンに向ける。すると、ひやりとしたメルタンの感触と、そこから広がってくる強烈な快感。 まだ、交尾どころか自慰の快感すら知らないダンバルにはあまりに甘美な快感が、尻から、全身へと広がっていく。気持ちよさに我を見失いそうになりながら身を任せていると、メルタンはどこかへと消えてしまっていた。 「メルタンはどこ? さっきの気持ちいいのは何?」 「気持ちよかった?」 「誰?」 ダンバルの頭の中に声が響く。メルタンの声だった。 「僕だよ、メルタンだよ。友達になってくれた子には、お礼として気持ちよくしてあげるの」 「じゃあ、さっきのは君のおかげなの?」 「うん。僕と君はもう友達、だから、ほかの子とも友達になりたいな。もし、君が協力してくれるのなら、僕は君のことをもっと気持ちよくしてあげるよ?」 「本当? じゃあ、僕は仲間を友達に誘うね」 「うん。そしたら、もっと気持ちよくしてあげるからねー」 ダンバルの体色はメルタンに似た銀色の体と、黄金色の爪。要するにダンバルの色違いとそっくりな容姿になっていることだ。 メルタンがダンバルを友達に選んだのも、それが理由だ。ダンバルを自身の体でコーティングしても、擬態できるから。他のダンバルに近づくことも容易なのだ。 **ウィロー博士のレポート:10月11日 [#h97jHqj] &color(silver){私は、さっそくメルタンの生態を観察し始めた。メルタンは流体金属のような体を持ち、その体が触れた金属はまるでバターのようにとろりと溶けていく。そして、とかしたそれを食料として成長するようだ。個体によって大きさもまちまちだが、やはり大きな個体ほど大飯ぐらいのようだ。そのせいで食器や研究機材まで食べられてしまったのだから、性質が悪い。}; &color(silver){しかしながら、今でこそ金属製品は日常のあらゆる場所に存在するが、3000年前は金属など貴重だったはずだ。では、メルタンは3000年前はどのようなものを食べていたのか? 地面などに眠っている酸化鉄などを食べていたのかもしれないが、メルタンはあまり錆びた金属には興味を示さなかった。それならば、恐らくは鋼タイプのポケモンたちを餌にしていたのではないかという推測が立つ。}; &color(silver){そういえば、最近はダンバルの挙動が落ち着いておらず、徐々に山岳地から市街地のほうへと移動するダンバルが増えており、近々ダンバルが人里近くに大量発生するという予報が出ている。その日に、メルタンの反応を調べてみるのもいいかもしれないと、私は考えた。}; 「ねえねえ、君?」 一度寄生されたダンバルは、その後仲間のダンバルに話しかけ、自分の体を擦り付けた。そうして銀色の流体金属を擦り付けられたダンバルは、最初こそ小さな疼きがあるくらいであったが、徐々にそれは身もだえするような快感と、恍惚とした気分を与えられる。気付けば頭の中に知らない誰かの声が鳴り響き、その声に従って、自分もまた寄生される幸せなダンバルを増やしていった。 **ウィロー博士のレポート:10月21日 [#w03cWrs] &color(silver){この日は、ダンバルの大量発生の日。私のもとで活動するトレーナーたちも、沢山のダンバルを捕まえては、不要な個体を私のもとに送ってきた。そうして送られてきたダンバルとメルタンを接触させてみる。すると、ダンバルは突然おびえたように逃げ出そうとした。生態系を破壊しないために、逃げたダンバルはすぐさまボールの中に収納したが、ほかのダンバルも似たような反応を繰り返すばかりだった。}; &color(silver){そんな時、色違いのダンバルが送られてきた。それをさっそくボールの外に出してみると、色違いのダンバルは突然妙な声を上げ始め、白目をむいて地面に横たわってしまった。}; &color(silver){私は何が起こったのかと、メディカルチェックを行ったが、その結果には大いに驚いた。ダンバルは苦しんでいるのではなく、気持ち良くなっているというスキャンデータが得られたからだ。いうなれば、ダンバルは麻薬を服用している状態だ。それも、ちょっとやそっとの麻薬ではなく、飛び切り強烈な麻薬のようで、数値を見る限りは得られる快感は交尾の何十倍にもなるだろう。}; &color(silver){そのダンバルの様子をしばらく見守っていると、徐々にダンバルの体は溶けてゆき、そこから三匹のメルタンが現れた。どうも、この色違いのポケモンはメルタンに寄生されていたようだ。}; &color(silver){しかし、この反応は色違いのダンバルすべてに見られるものではない。メルタンが寄生して色違いのようになった個体と、もともと本当に色違いの個体、どちらも存在するようだ。すでに不思議な箱から復活させたメルタンと合わせて、大量の個体も手に入ったことだ。これからの研究もさらに面白くなりそうだ。}; ダンバルの大発生を先導したのは、ほかならぬメルタンであった。『山岳地帯は危ないぞ、人里に逃げよう』と、仲間たちに触れ回ったのだ。 ダンバルは、体内の磁力を用いて仲間とコミュニケーションをとる。メルタンも、体内で生み出した電気の力を用いて磁力を生み出し、それで交信することが可能だ。ダンバル達は、メルタンのそれを仲間の真摯な訴えと誤認して、人里を目指した。 **ウィロー博士のレポート:10月22日 [#ZPTIhgQ] &color(silver){トレーナーたちから送られてきたポケモンはダンバルのみであったので、ためしにメタングに進化させて、メルタンを前にした時の反応を見た。ダンバルの頃はみな一様にメルタンから逃げていたが、進化したメタングは激しい敵意をあらわにして、サイコキネシスでメルタンをなぎ倒していた。驚くべきは、サイコキネシスやラスターカノンといった特殊攻撃しか使用しないことである。まるで触れたら死ぬとでも言いたいかのように、決して近づくことをしない。本能的にメルタンを恐れているという事が分かる。もしも、メルタンに触れてしまった場合、ダンバル達はどうなるのだろうか?}; &color(silver){しかし、メルタンはこのままではとても弱い。ダンバルには簡単に逃げられてしまうし、メタグロスどころかメタングですら簡単に倒せてしまう相手だ。これでは、野生で暮らすには少々物足りないような気がしてならない。さらなるフォルムチェンジや、進化系などがあるのだろうかという推測を立てていると、考古学者たちからの連絡が届いた。}; &color(silver){メルタンには、その親玉ともいうべき巨大な個体、メルメタルと呼ばれるものがあるらしい。それがどのような条件によって生まれるのかはわからない。テンガン山などのような磁性の強い場所で進化させるか、あるいはただ闇雲にレベルアップさせるだけでいいのか、懐かせるか、もしくはダンバルのように個体同士を引き合わせるか……}; **ウィロー博士のレポート:10月24日 [#7ipvcuI] &color(silver){オーキド博士との通信中に、メルタンがメルメタルへと進化した。結論から言えば、メルタンの進化条件は、メタグロスと同じく、メルタン同士を引き合わせ、合体させることであった。その数、およそ100体ほど。我ながらたくさん集めたものである。}; &color(silver){考古学者からの文献の解読も進むにつれて、このポケモンの研究はさらに加速しそうだ。オーキド博士は、50年前にリグレーとオーベムが突如現れた時の興奮を思い出すと言って張り切っている。}; &color(silver){さて、考古学者からの解読結果についてだが、なんでもメルメタルは鉄を生み出す存在として崇めたたえられていたらしい。生み出された鉄はまさに財産となり、人々はコイルやコドラをメルメタルにささげることで見返りとして包丁や剣などをつくてもらっていたのだとか。}; **ウィロー博士のレポート:10月26日 [#xpziWK4] &color(silver){ところで、考古学者からさらに解読が進んだとの報を受けた。メルタンがあの不思議な箱に入っていたわけとは、当時メルメタルが作った武器のおかげで、人々が戦う力を得たことが原因とされている。メルタンによってもたらされた鉄の武器は争いを引き起こし、そしてポケモンを狩る力を得たことで、徐々に自然のバランスが崩れていったという。カロスではその戦いが国をも飲み込むほどとなり、シンオウでは鉄の武器を得た人間が獲物を狩りつくしてしまったと。}; &color(silver){そのほかの地方でも鉄の武器は人を狂わせ、戦いに駆り立てたという。人を狂わせ、争いを引き起こしたメルメタルは、国が衰退するに従い忌み嫌われるようになったとともに、そうして人が減り、鋼タイプのポケモンが減ったことで、腹をすかせたメルメタルは作った鉄の道具を再度吸収し、自らの血肉にしたという。}; &color(silver){そうなってしまったら、もはやメルメタルは人にとって有害だったのかもしれない。メルメタルは不思議な箱の中に封印され、その後3000年間眠っていたのだろう。だが、考古学者は笑っていた。今は鉄の武器を持っていても何の自慢にもならない、むしろ鼻で笑われるだけだと。今の時代、鉛玉のほうがどんな剣よりもよほど強いのだから、今のメルメタルにはレアなポケモン以上の価値はないだろうと。}; 人里に集まったダンバルは、メルタンにとっては良い狩場であった。メルタンに寄生されたダンバルは、人里の路地裏で仲間をかくまうふりをしたり、面白いものがあると誘っては、メルタンにそのダンバルを襲わせる。 そのたびに、寄生されたダンバルはご褒美として気持ちよくさせてもらった。ダンバルはもはや理性をなくして、幸福な仲間を作るために奔走する操り人形となり下がった。 しかし、彼らは大発生の後に、忽然と姿を消した。ほんのひとかけらほどメルタンの体細胞を擦り付ければ、大発生の目的の一つは果たしたことになるからだ。 「角が疼く……嫌な予感がする……」 トキワシティに住むトレーナー、ヒタチの手持ちであるアブソル、ディザは最近……特にダンバル大発生の日から角が疼いて仕方なかった。何か事あるごとに角を研ぐようになっていて、全身の体毛が逆立つような怖気も感じて、毎日が落ち着かない。 ダンバルの大発生。ヒタチはそれに興奮して、沢山のダンバルを捕獲し、そのうちの四匹を組み合わせて銀色のメタグロスに育てていたが、そのメタグロス、ディザはなぜか好きになれないのだ。あいつを見ていると、危険な予感がしてならない。最初は足が気に食わないくらいだったが、今はもう全身が気に食わない。 二日前からはどうもマサラタウンのほうから嫌な予感がしていたし、ストレスで夜も眠れない。地震とも火山の噴火とも台風とも違う、この謎の疼きには、ディザ自身も困惑していた。 ほかのアブソルはどうなのだろうと気になっていると、目の前に、銀色の巨人が現れた。白髪の老人が連れているその巨大な人影を見ると、こらえきれない怒りがこみあげて、気付けばディザは駆け出し、その巨人の喉元めがけて研ぎ澄まされた角の刃を振りぬいた。 見た目から鋼タイプだというのは予想がついていた……が、その刃は驚くほどに抵抗なく喉をやすやすと切り裂き、殺した……と、思ったが。 「うーん……何するのぉ?」 その銀色の巨人は平然としている。白髪の老人が慌てながら銀色の巨人ことを見ているし、ディザのトレーナーは慌ててディザをボールの中に収納した。 **ウィロー博士のレポート:10月28日 [#bCgQX1o] &color(silver){ダンバルが再度の大発生という報告が舞い込んでくる。いったい何が起こったのか定かではないがもしもこれがメルタンの出現と関係があるのだとすれば、ダンバルにとってメルタンは天敵であり、メルタンの出現が、ダンバルにとってはよほど都合が悪いということなのだろう。}; &color(silver){それと、オーキド博士から連絡を受けたのだが、メルメタルの食料を買うためにトキワシティのホームセンターへと歩いていると、トレーナーに連れられた道行くアブソルに全身の体毛を逆立てられながら威嚇をされたり、ひどいときには攻撃してくる個体もいたそうだ。}; メルタンは、今度は寄生したダンバル達に、再度人里へと舞い戻るよう指示し、そこで人間たちに掴まるよう命令した。これで、世界中に自身の巣を広げる準備は整った。 **ウィロー博士のレポート:11月8日 [#4ZgcNIU] &color(silver){シロナから、ジガルデの姿を最近良く見かけるようになったと連絡がきた。SNSではアブソルが常にイライラしており、ネイティオは頭を抱えているという。カルト宗教でもはやりそうな状況に、SNSでは世界の終わりが近づいているなどといううわさが流れている。確かに、何かが起こっているとしか思えないが……}; **ウィロー博士のレポート:11月16日 [#rt1kDoG] &color(silver){SNSを見てみると、世界中のアブソルが一斉に吠え出したそうだ。それが起こったのは日本では午前3時、深夜の時間帯だ。SNSのタイムラインではで『アブソル』が検索トップに躍り出ている。朝起きてみると、人里では停電が相次いでいるらしく、特にこの日本では深夜のうちにそれが起こったから、事態は深刻なレベルで進行している。私は多くの電気タイプのポケモンを連れているから、食料さえ食べさせてさえいれば発電が出来るため問題ないとはいえ、街で生活している人間たちにとっては死活問題だろう。}; &color(silver){停電に関する続報が届いた。先日SNSで話題になった謎のポケモン……つまるところ、メルタンが火力発電所からの送電線を溶かしてしまったらしい。}; &color(silver){それどころか、町中にメルタンがあふれ出し、それを統率するメルメタルの存在がそこかしこで発見されている。}; ダンバルの&ruby(むくろ){骸};が、野山に広がっていた。メタモンに仲間を増やしてもらい、ダンバルに寄生してさらに仲間を増やし。用済みとなったダンバル達は、白目を剥いてそのまま天国へと旅だった。当然、それは野山のみならず、トレーナーのもとに掴まったダンバルも同様である。 増えに増えたメルタンたちは、そのままどこへ行くのか? 決まっている、金属のあるところだった。 ウィロー博士は、今の時代は鉄の刀や槍なんかよりも鉛玉のほうが強いと言っていた。それは確かに真実なのだが、もう一つの真実を彼は忘れている。今の世界は、人間が作った金属に溢れている。それはメルタンやメルメタルにとっては、おとぎ話のお菓子の家が並んでいるようなものだ。 送電線を張っている鉄塔を、その送電線内に通された銅線を、車を、金属製の街灯を、ガードレールを、ゴミ箱を。ひと月前に大発生したダンバルが比べ物にならないほどの大群で押し寄せたメルタンが大量に食べた。 ポケモンレンジャーや一般トレーナーも動員して駆除に当たっているが、、数が多すぎて、どれだけ時間がかかるかもわからないし、かといって熱風や地震を街中で使うことは難しい。そして、メルタンを攻撃するものに対しては、その親玉であるメルメタルが容赦のない攻撃で叩きつぶし、街では凄惨な殺し合いがそこかしこで行われていた。 田舎の誰もいないような場所では『滅びの歌』以外での対処が難しいとされ、ムウマやアブソル、チルタリスといった多数のポケモンが瀕死になりながらも、多くのメルタンを道連れにしているが、それでも数多の送電線が壊されていった。 都会では多数の車が喰らいつくされ使い物にならなくなり、街のオブジェクトはことごとく倒され、公園の遊具も金属製のものは使用不可能となった。マンホールには穴が開き、消火栓からは水が噴き出し、何も知らぬメルタンたちはガスボンベすらも破壊して、自身が発した静電気で発火。周囲に火災と爆発をまき散らした。 人里は破壊され、消防車がやられたため火災の消火もままならない。スマートフォンやタブレットのための電波塔も次々と壊されて、あらゆる場所が電波の圏外となり、ポケモンたちによる必死の消火で局所的な消火は出来ても、大規模な火災がどこで起きているかすら定かではなく、気付いたころには手遅れになっていた。 ポケモンレンジャー達は警察や軍隊と連携を取りながら原子力発電所だけは何としてでも死守しようとしたが、メルタンに給水のための設備が壊されて冷却が不可能となり、発電所はメルトダウンを起こして全世界に放射能がばらまかれた。特にアローラ、ハウオリ原子力発電所の被害は深刻で、アローラ地方全域が、防護スーツ無しでの居住が不可能なレベルで汚染される。それを知る手段も伝える手段もなく、アローラからは放射能物質除染のための実験生物を除く、すべての生物がゆっくりと消えた。残された発電所も同様の運命を辿った。 この星に残されたわずかな人々は、Zを超える性能を持つ新型のポリゴンを開発して宇宙に逃れ、取り残された人々は日々放射線に蝕まれていく体を抱えて星の終焉を見守るばかりであった。 これが、人類の敵と称され、母なる星を滅ぼした大災厄を巻き起こしたメルタンと呼ばれるポケモンの記録である。 #include(第十三回短編小説大会情報窓,notitle) 作者:[[仮面の厚さには自信があります>リング]] #contents **ウィロー博士のレポート:9月22日 [#a84KFyR] &color(silver){その日、私は野外でポケモンの生態調査中、生態調査に協力してくれているトレーナーたちから次々と報告を受けた。}; &color(silver){『チコリータの大発生で、色違いのゲット報告かな?』と、弟子たちの無邪気なゲット報告を心待ちにしていた私に舞い込んできた知らせは、まさに青天の霹靂であった。}; &color(silver){トレーナーたちから寄せられた報告は、新種のポケモンであった。黄金色の、ナットを思わせる頭部と、その中心にある黒い眼球のような物体。そしてメタモンやベトベターを思わせる液状の体。しかし、そのポケモンは正体が不明で、誰も名前すらも知らないという。}; &color(silver){さらに驚くべきは、そのポケモンは本物がどこにも存在しないということだ。ゲットした個体はすべてメタモンが変身したもので、肝心の本物を捕まえたポケモンは皆無。Pikatubeなどの動画サイトや、各種SNSなどを覗いても、『正体はメタモンだった』という報告はついに聞かなかった。}; 「ねぇ、ねぇ。君、メタモン?」 ある日、見慣れないポケモンがメタモンのもとに歩み寄る。黄金色の頭部に、メタモンによく似た流動的な下半身。 「何、君? 見慣れない姿だねぇ」 メタモンは早速その姿を真似て見た。こんな珍しい生物見たことがない、仲間に自慢してやるんだと。 「わぁ、やっぱりメタモンだ。ねぇ、君。僕の子供を産んでよ」 「へ? いきなり? 僕も、発情期でもないのに初対面の人とそんなことするのはちょっとなー……」 「君の答えは聞いていないんだよ」 「え、ちょ」 突然目が座ったその謎のポケモンは、自分と同じ姿に変化したメタモンへと襲い掛かる。流体金族同士、ぐちょぐちょと混ざり合いながら行われたその交尾は、メタモンが一方的に蹂躙され、されるがままになっていた。 謎のポケモンは交尾が終わると早々に立ち去ってしまい、その後、その姿を見た者は誰もいない。 「うぅ……もうお嫁にいけない……」 欲望のままにレイプされたメタモンは、非常に憔悴しながらその場に立ち尽くす。 「おい、大丈夫かよ? 何があった?」 メタモン同士はあまり仲が良くなく、交尾の相性も合わないが。しかし、何か同族に危険があった際の情報交換くらいは行われる。 「この姿をしたポケモンに襲われたの……仲間たちにも伝えて、このポケモンはケダモノだって……」 「いきなり俺たちを襲うポケモンか……俺たちメタモンがあらゆるポケモンと卵を作れるのを知っているのかもしれないな……よし、そうと決まれば仲間にも周知するか。あとは、人間たちにも注意喚起をしておいたほうがよさそうだ。 ポケモンレンジャーとかいうのが駆除してくれるかもしれねぇ」 かくして、メタモンたちが謎のポケモンを人間たちに伝える作業が始まった。しかし、奇妙なことにそれは海を越え、ほかの地方であっても同様に同じことが行われていたそうだ。 それが意味するところは、ぞの謎のポケモンは、すでに世界中のメタモンを襲っているということであった。 **ウィロー博士のレポート:9月25日 [#kxu8L1p] &color(silver){私はメタモンが見たことのないポケモンに変身したことをオーキド博士に伝えた。その際、Pikatubeに上げられた動画や、数々の写真を送ると、オーキド博士はメルタンという名前を思い出して、古い文献を取り出した。}; &color(silver){その文献は、3000年前の壁画に描かれたポケモンの絵を復元したもので、余りに古すぎるために存在したかどうかすら定かではなかったポケモンである。オーキド博士が取り出したその文献には、メルタンがどんなポケモンだったかについての記載はなく、人間にとって有害だったのか、それとも有用だったのかすらわからない、非常に頼りないものであった。}; **ウィロー博士のレポート:9月26日 [#P9PTxpb] &color(silver){オーキド博士は、古い文献のことを調べるために、専門家との連絡を取る。『アローラ』という軽快な挨拶とともに電話に出た女性、シロナに、3000年ほど前の文明について調べている知り合いがいないか、聞いてみたそうだ。シロナもまた、SNSを賑わせたメルタンに対して興味を抱いていたようで、彼女は知り合いの考古学者を多数紹介してくれた。生体が手に入らない以上、メルタンがどんなポケモンかを調べるのはもはや生物学というよりは考古学の領域であった。}; **ウィロー博士のレポート:10月1日 [#J3hL27J] &color(silver){私は、なぜメルタンがあれから目撃報告がないのかを考えた。そして、なぜメタモンの前だけに姿を見せたのか。やはりそれは、メタモンが繁殖するために効率が良いという事をメルタンは知っていたのではないかと考えるのが一番分かりやすい答えであった。しかし、メルタンに変身したメタモンは世界中で確認されていた。つまり、メルタンは世界中で同時期に復活し、なおかつそのすべてがメタモンにのみ接触したという事であろうか。もし、その仮定が現実のものであれば、メルタンの知能はとても高いものと推測出来る。}; **ウィロー博士のレポート:10月10日 [#VoN9emq] &color(silver){そんなおり、私は師であるオーキド博士から、文献と同じ場所にあったという不思議な箱を譲り受けた。不思議な箱は、研究室で開いても錆びた金属の塊が入っているだけであるが、野外で開くことにより、その中からメルタンが飛び出すという性質を持っていた。}; &color(silver){これにより、メルタンの生体を得ることができた私は、その研究を急激に加速させることができた。オーキド博士は論文を書こうと張り切るが、論文というか、文章を書くのがが苦手な私は少し眉をひそめて苦笑していた。}; 「はぁい、ダンバル。元気かい?」 「なんだこいつ……」 その日、メルタンはダンバルの前にも姿を見せた。ダンバル生まれて始めて目にしたダンバルに抱いた感情は、吐き気がするほどの嫌悪感と、身の毛もよだつようなおぞましい本能的恐怖。 「あ、あー……逃げよ」 メルタンと出会ったダンバルは、その姿を見ると本能的に湧き上がる危機感や恐怖から、誰に何を教えられるでもなくその場から足早に立ち去った。 「……まぁ、いいか。ダンバルはまだまだいるさ」 メルタンは独り言ちて、再び歩き出す。時を経た今ならば、、メルタンへの恐怖を知らないダンバルもいるはずだ。 「ねぇねぇ、君はダンバル? 僕はメルタン」 そうして、何回目の挑戦だろうかメルタンはダンバルに何度も話しかけては逃げられていたが、探せばいるものだ。好奇心旺盛で、恐怖という感情が希薄な個体が。 「君、何? 始めてみたなぁ」 この時、ダンバルが思ったのは『大きくないからあんまり強くなさそうだし、何かあっても逃げればいいや』である。恐怖や危険を察知する本能が希薄であっても、大きくて強そうな相手からは逃げる。メルタンの小さく、人畜無害そうな見た目が幸いしたというところか。 「僕ねー、メルタン。君たちと友達になりたいんだ」 「友達?」 「そう、友達。まずは握手しようよ」 「ん?」 ダンバルには手なんてないが。そんなことはともかくとしてダンバルは疑問を覚えつつもお尻の爪をメルタンに向ける。すると、ひやりとしたメルタンの感触と、そこから広がってくる強烈な快感。 まだ、交尾どころか自慰の快感すら知らないダンバルにはあまりに甘美な快感が、尻から、全身へと広がっていく。気持ちよさに我を見失いそうになりながら身を任せていると、メルタンはどこかへと消えてしまっていた。 「メルタンはどこ? さっきの気持ちいいのは何?」 「気持ちよかった?」 「誰?」 ダンバルの頭の中に声が響く。メルタンの声だった。 「僕だよ、メルタンだよ。友達になってくれた子には、お礼として気持ちよくしてあげるの」 「じゃあ、さっきのは君のおかげなの?」 「うん。僕と君はもう友達、だから、ほかの子とも友達になりたいな。もし、君が協力してくれるのなら、僕は君のことをもっと気持ちよくしてあげるよ?」 「本当? じゃあ、僕は仲間を友達に誘うね」 「うん。そしたら、もっと気持ちよくしてあげるからねー」 ダンバルの体色はメルタンに似た銀色の体と、黄金色の爪。要するにダンバルの色違いとそっくりな容姿になっていることだ。 メルタンがダンバルを友達に選んだのも、それが理由だ。ダンバルを自身の体でコーティングしても、擬態できるから。他のダンバルに近づくことも容易なのだ。 **ウィロー博士のレポート:10月11日 [#h97jHqj] &color(silver){私は、さっそくメルタンの生態を観察し始めた。メルタンは流体金属のような体を持ち、その体が触れた金属はまるでバターのようにとろりと溶けていく。そして、とかしたそれを食料として成長するようだ。個体によって大きさもまちまちだが、やはり大きな個体ほど大飯ぐらいのようだ。そのせいで食器や研究機材まで食べられてしまったのだから、性質が悪い。}; &color(silver){しかしながら、今でこそ金属製品は日常のあらゆる場所に存在するが、3000年前は金属など貴重だったはずだ。では、メルタンは3000年前はどのようなものを食べていたのか? 地面などに眠っている酸化鉄などを食べていたのかもしれないが、メルタンはあまり錆びた金属には興味を示さなかった。それならば、恐らくは鋼タイプのポケモンたちを餌にしていたのではないかという推測が立つ。}; &color(silver){そういえば、最近はダンバルの挙動が落ち着いておらず、徐々に山岳地から市街地のほうへと移動するダンバルが増えており、近々ダンバルが人里近くに大量発生するという予報が出ている。その日に、メルタンの反応を調べてみるのもいいかもしれないと、私は考えた。}; 「ねえねえ、君?」 一度寄生されたダンバルは、その後仲間のダンバルに話しかけ、自分の体を擦り付けた。そうして銀色の流体金属を擦り付けられたダンバルは、最初こそ小さな疼きがあるくらいであったが、徐々にそれは身もだえするような快感と、恍惚とした気分を与えられる。気付けば頭の中に知らない誰かの声が鳴り響き、その声に従って、自分もまた寄生される幸せなダンバルを増やしていった。 **ウィロー博士のレポート:10月21日 [#w03cWrs] &color(silver){この日は、ダンバルの大量発生の日。私のもとで活動するトレーナーたちも、沢山のダンバルを捕まえては、不要な個体を私のもとに送ってきた。そうして送られてきたダンバルとメルタンを接触させてみる。すると、ダンバルは突然おびえたように逃げ出そうとした。生態系を破壊しないために、逃げたダンバルはすぐさまボールの中に収納したが、ほかのダンバルも似たような反応を繰り返すばかりだった。}; &color(silver){そんな時、色違いのダンバルが送られてきた。それをさっそくボールの外に出してみると、色違いのダンバルは突然妙な声を上げ始め、白目をむいて地面に横たわってしまった。}; &color(silver){私は何が起こったのかと、メディカルチェックを行ったが、その結果には大いに驚いた。ダンバルは苦しんでいるのではなく、気持ち良くなっているというスキャンデータが得られたからだ。いうなれば、ダンバルは麻薬を服用している状態だ。それも、ちょっとやそっとの麻薬ではなく、飛び切り強烈な麻薬のようで、数値を見る限りは得られる快感は交尾の何十倍にもなるだろう。}; &color(silver){そのダンバルの様子をしばらく見守っていると、徐々にダンバルの体は溶けてゆき、そこから三匹のメルタンが現れた。どうも、この色違いのポケモンはメルタンに寄生されていたようだ。}; &color(silver){しかし、この反応は色違いのダンバルすべてに見られるものではない。メルタンが寄生して色違いのようになった個体と、もともと本当に色違いの個体、どちらも存在するようだ。すでに不思議な箱から復活させたメルタンと合わせて、大量の個体も手に入ったことだ。これからの研究もさらに面白くなりそうだ。}; ダンバルの大発生を先導したのは、ほかならぬメルタンであった。『山岳地帯は危ないぞ、人里に逃げよう』と、仲間たちに触れ回ったのだ。 ダンバルは、体内の磁力を用いて仲間とコミュニケーションをとる。メルタンも、体内で生み出した電気の力を用いて磁力を生み出し、それで交信することが可能だ。ダンバル達は、メルタンのそれを仲間の真摯な訴えと誤認して、人里を目指した。 **ウィロー博士のレポート:10月22日 [#ZPTIhgQ] &color(silver){トレーナーたちから送られてきたポケモンはダンバルのみであったので、ためしにメタングに進化させて、メルタンを前にした時の反応を見た。ダンバルの頃はみな一様にメルタンから逃げていたが、進化したメタングは激しい敵意をあらわにして、サイコキネシスでメルタンをなぎ倒していた。驚くべきは、サイコキネシスやラスターカノンといった特殊攻撃しか使用しないことである。まるで触れたら死ぬとでも言いたいかのように、決して近づくことをしない。本能的にメルタンを恐れているという事が分かる。もしも、メルタンに触れてしまった場合、ダンバル達はどうなるのだろうか?}; &color(silver){しかし、メルタンはこのままではとても弱い。ダンバルには簡単に逃げられてしまうし、メタグロスどころかメタングですら簡単に倒せてしまう相手だ。これでは、野生で暮らすには少々物足りないような気がしてならない。さらなるフォルムチェンジや、進化系などがあるのだろうかという推測を立てていると、考古学者たちからの連絡が届いた。}; &color(silver){メルタンには、その親玉ともいうべき巨大な個体、メルメタルと呼ばれるものがあるらしい。それがどのような条件によって生まれるのかはわからない。テンガン山などのような磁性の強い場所で進化させるか、あるいはただ闇雲にレベルアップさせるだけでいいのか、懐かせるか、もしくはダンバルのように個体同士を引き合わせるか……}; **ウィロー博士のレポート:10月24日 [#7ipvcuI] &color(silver){オーキド博士との通信中に、メルタンがメルメタルへと進化した。結論から言えば、メルタンの進化条件は、メタグロスと同じく、メルタン同士を引き合わせ、合体させることであった。その数、およそ100体ほど。我ながらたくさん集めたものである。}; &color(silver){考古学者からの文献の解読も進むにつれて、このポケモンの研究はさらに加速しそうだ。オーキド博士は、50年前にリグレーとオーベムが突如現れた時の興奮を思い出すと言って張り切っている。}; &color(silver){さて、考古学者からの解読結果についてだが、なんでもメルメタルは鉄を生み出す存在として崇めたたえられていたらしい。生み出された鉄はまさに財産となり、人々はコイルやコドラをメルメタルにささげることで見返りとして包丁や剣などをつくてもらっていたのだとか。}; **ウィロー博士のレポート:10月26日 [#xpziWK4] &color(silver){ところで、考古学者からさらに解読が進んだとの報を受けた。メルタンがあの不思議な箱に入っていたわけとは、当時メルメタルが作った武器のおかげで、人々が戦う力を得たことが原因とされている。メルタンによってもたらされた鉄の武器は争いを引き起こし、そしてポケモンを狩る力を得たことで、徐々に自然のバランスが崩れていったという。カロスではその戦いが国をも飲み込むほどとなり、シンオウでは鉄の武器を得た人間が獲物を狩りつくしてしまったと。}; &color(silver){そのほかの地方でも鉄の武器は人を狂わせ、戦いに駆り立てたという。人を狂わせ、争いを引き起こしたメルメタルは、国が衰退するに従い忌み嫌われるようになったとともに、そうして人が減り、鋼タイプのポケモンが減ったことで、腹をすかせたメルメタルは作った鉄の道具を再度吸収し、自らの血肉にしたという。}; &color(silver){そうなってしまったら、もはやメルメタルは人にとって有害だったのかもしれない。メルメタルは不思議な箱の中に封印され、その後3000年間眠っていたのだろう。だが、考古学者は笑っていた。今は鉄の武器を持っていても何の自慢にもならない、むしろ鼻で笑われるだけだと。今の時代、鉛玉のほうがどんな剣よりもよほど強いのだから、今のメルメタルにはレアなポケモン以上の価値はないだろうと。}; 人里に集まったダンバルは、メルタンにとっては良い狩場であった。メルタンに寄生されたダンバルは、人里の路地裏で仲間をかくまうふりをしたり、面白いものがあると誘っては、メルタンにそのダンバルを襲わせる。 そのたびに、寄生されたダンバルはご褒美として気持ちよくさせてもらった。ダンバルはもはや理性をなくして、幸福な仲間を作るために奔走する操り人形となり下がった。 しかし、彼らは大発生の後に、忽然と姿を消した。ほんのひとかけらほどメルタンの体細胞を擦り付ければ、大発生の目的の一つは果たしたことになるからだ。 「角が疼く……嫌な予感がする……」 トキワシティに住むトレーナー、ヒタチの手持ちであるアブソル、ディザは最近……特にダンバル大発生の日から角が疼いて仕方なかった。何か事あるごとに角を研ぐようになっていて、全身の体毛が逆立つような怖気も感じて、毎日が落ち着かない。 ダンバルの大発生。ヒタチはそれに興奮して、沢山のダンバルを捕獲し、そのうちの四匹を組み合わせて銀色のメタグロスに育てていたが、そのメタグロス、ディザはなぜか好きになれないのだ。あいつを見ていると、危険な予感がしてならない。最初は足が気に食わないくらいだったが、今はもう全身が気に食わない。 二日前からはどうもマサラタウンのほうから嫌な予感がしていたし、ストレスで夜も眠れない。地震とも火山の噴火とも台風とも違う、この謎の疼きには、ディザ自身も困惑していた。 ほかのアブソルはどうなのだろうと気になっていると、目の前に、銀色の巨人が現れた。白髪の老人が連れているその巨大な人影を見ると、こらえきれない怒りがこみあげて、気付けばディザは駆け出し、その巨人の喉元めがけて研ぎ澄まされた角の刃を振りぬいた。 見た目から鋼タイプだというのは予想がついていた……が、その刃は驚くほどに抵抗なく喉をやすやすと切り裂き、殺した……と、思ったが。 「うーん……何するのぉ?」 その銀色の巨人は平然としている。白髪の老人が慌てながら銀色の巨人ことを見ているし、ディザのトレーナーは慌ててディザをボールの中に収納した。 **ウィロー博士のレポート:10月28日 [#bCgQX1o] &color(silver){ダンバルが再度の大発生という報告が舞い込んでくる。いったい何が起こったのか定かではないがもしもこれがメルタンの出現と関係があるのだとすれば、ダンバルにとってメルタンは天敵であり、メルタンの出現が、ダンバルにとってはよほど都合が悪いということなのだろう。}; &color(silver){それと、オーキド博士から連絡を受けたのだが、メルメタルの食料を買うためにトキワシティのホームセンターへと歩いていると、トレーナーに連れられた道行くアブソルに全身の体毛を逆立てられながら威嚇をされたり、ひどいときには攻撃してくる個体もいたそうだ。}; メルタンは、今度は寄生したダンバル達に、再度人里へと舞い戻るよう指示し、そこで人間たちに掴まるよう命令した。これで、世界中に自身の巣を広げる準備は整った。 **ウィロー博士のレポート:11月8日 [#4ZgcNIU] &color(silver){シロナから、ジガルデの姿を最近良く見かけるようになったと連絡がきた。SNSではアブソルが常にイライラしており、ネイティオは頭を抱えているという。カルト宗教でもはやりそうな状況に、SNSでは世界の終わりが近づいているなどといううわさが流れている。確かに、何かが起こっているとしか思えないが……}; **ウィロー博士のレポート:11月16日 [#rt1kDoG] &color(silver){SNSを見てみると、世界中のアブソルが一斉に吠え出したそうだ。それが起こったのは日本では午前3時、深夜の時間帯だ。SNSのタイムラインではで『アブソル』が検索トップに躍り出ている。朝起きてみると、人里では停電が相次いでいるらしく、特にこの日本では深夜のうちにそれが起こったから、事態は深刻なレベルで進行している。私は多くの電気タイプのポケモンを連れているから、食料さえ食べさせてさえいれば発電が出来るため問題ないとはいえ、街で生活している人間たちにとっては死活問題だろう。}; &color(silver){停電に関する続報が届いた。先日SNSで話題になった謎のポケモン……つまるところ、メルタンが火力発電所からの送電線を溶かしてしまったらしい。}; &color(silver){それどころか、町中にメルタンがあふれ出し、それを統率するメルメタルの存在がそこかしこで発見されている。}; ダンバルの&ruby(むくろ){骸};が、野山に広がっていた。メタモンに仲間を増やしてもらい、ダンバルに寄生してさらに仲間を増やし。用済みとなったダンバル達は、白目を剥いてそのまま天国へと旅だった。当然、それは野山のみならず、トレーナーのもとに掴まったダンバルも同様である。 増えに増えたメルタンたちは、そのままどこへ行くのか? 決まっている、金属のあるところだった。 ウィロー博士は、今の時代は鉄の刀や槍なんかよりも鉛玉のほうが強いと言っていた。それは確かに真実なのだが、もう一つの真実を彼は忘れている。今の世界は、人間が作った金属に溢れている。それはメルタンやメルメタルにとっては、おとぎ話のお菓子の家が並んでいるようなものだ。 送電線を張っている鉄塔を、その送電線内に通された銅線を、車を、金属製の街灯を、ガードレールを、ゴミ箱を。ひと月前に大発生したダンバルが比べ物にならないほどの大群で押し寄せたメルタンが大量に食べた。 ポケモンレンジャーや一般トレーナーも動員して駆除に当たっているが、、数が多すぎて、どれだけ時間がかかるかもわからないし、かといって熱風や地震を街中で使うことは難しい。そして、メルタンを攻撃するものに対しては、その親玉であるメルメタルが容赦のない攻撃で叩きつぶし、街では凄惨な殺し合いがそこかしこで行われていた。 田舎の誰もいないような場所では『滅びの歌』以外での対処が難しいとされ、ムウマやアブソル、チルタリスといった多数のポケモンが瀕死になりながらも、多くのメルタンを道連れにしているが、それでも数多の送電線が壊されていった。 都会では多数の車が喰らいつくされ使い物にならなくなり、街のオブジェクトはことごとく倒され、公園の遊具も金属製のものは使用不可能となった。マンホールには穴が開き、消火栓からは水が噴き出し、何も知らぬメルタンたちはガスボンベすらも破壊して、自身が発した静電気で発火。周囲に火災と爆発をまき散らした。 人里は破壊され、消防車がやられたため火災の消火もままならない。スマートフォンやタブレットのための電波塔も次々と壊されて、あらゆる場所が電波の圏外となり、ポケモンたちによる必死の消火で局所的な消火は出来ても、大規模な火災がどこで起きているかすら定かではなく、気付いたころには手遅れになっていた。 ポケモンレンジャー達は警察や軍隊と連携を取りながら原子力発電所だけは何としてでも死守しようとしたが、メルタンに給水のための設備が壊されて冷却が不可能となり、発電所はメルトダウンを起こして全世界に放射能がばらまかれた。特にアローラ、ハウオリ原子力発電所の被害は深刻で、アローラ地方全域が、防護スーツ無しでの居住が不可能なレベルで汚染される。それを知る手段も伝える手段もなく、アローラからは放射能物質除染のための実験生物を除く、すべての生物がゆっくりと消えた。残された発電所も同様の運命を辿った。 この星に残されたわずかな人々は、Zを超える性能を持つ新型のポリゴンを開発して宇宙に逃れ、取り残された人々は日々放射線に蝕まれていく体を抱えて星の終焉を見守るばかりであった。 これが、人類の敵と称され、母なる星を滅ぼした大災厄を巻き起こしたメルタンと呼ばれるポケモンの記録である。 **解説 [#JwfKV2F] **解説 [#YTRKtF9] 9月22日→ポケモンGOにおけるチコリータが大発生するイベント、チコリータデイ。この日、謎のポケモンが出現し、バグではないかと疑われていた。 謎のポケモンの正体はすべてメタモンであり、謎のポケモンそのものはタイプも名前も全くの未知の存在であった。当然、ツイッターやよyoutubeなどでも多数取り上げられていた。 9月25日→ポケモンの公式サイトから、[[オーキド博士とウィロー博士の対談の様子>https://www.youtube.com/watch?v=MT1J_cEELR8&list=PLBE2D9BnJJUqq4s3nFy-OLQaVcZBdSkDG]]が動画としてアップされた日。明らかに二人の絵柄が違うけれど、きっとオーキド博士はVtuberのアバターか何かを使って話しているのでしょう。ところで博士……少し、声変わりました? 10月10日→[[2回目の動画>https://www.youtube.com/watch?v=_lJMVL8cz1k]]が公開された日。また、[[特別映像>https://www.youtube.com/watch?v=OqQit0JrdFQ&t=57s]]も公開されている。ポケモンGOにはもともと個体差がついているゲームだが、特別映像では個体差による大きさに違いがあるのがとても分かりやすい。ちなみに、特別映像の家は、少女の家らしい……こんなのを家に入れて大丈夫なのだろうか? 10月21日→ポケモンGOにおけるダンバル大発生のイベントが行われた日。メルタンが発生した後にこれは不穏すぎやしませんかね……このお話のタイトルになっているこの日、作者はダンバルデイに公式が何かをやらかすのを期待していました。結果何も起こりませんでした、なぜ!!!!!!! 10月24日→[[メルタンに関わる最後の動画>https://www.youtube.com/watch?v=vGjf9WjRxjE&t=119s]]が公開された日。研究道具が解かされたのも、ここで実際に口にしている。 10月26日→足が気に食わないというのは、メタグロス本体ではなく合体したダンバルにメルタンがくっ付いていたため。数日で全身が寄生されたようである 10月28日→ダンバルデイであまりに多くのトレーナーが参加したため、サーバがパンクして通信障害が発生したため、公式がもう一度ダンバルデイをやってくれました。2回目のダンバルデイもせっかくなので、物語に追加しました。 11月16日→Let's go イーブイ、ピカチュウの発売日。 ハウオリシティに原子力発電所なんてないって? このお話に登場するアローラ地方は君の知っているアローラ地方ではないのです。詳しくは『ウルトラビルディング』で検索しましょう キャプション文→[[どう見てもこれです、本当にありがとうございました>https://www.nicovideo.jp/watch/sm34017073]]。滑らかにとろけるし、キラキラに光る(色違い的な意味で)し、口の中に広がるので…… **あとがき [#ZNJK5iW] いやぁ、今回も分厚い仮面でした! と言いたいところですが、今回はツイッターでネタをつぶやきすぎてたのでツイッターをやっている方には正体がバレバレでしたね。 と、いうのも、メルタンで何かを書きたいと思ったときに、ちょうどよいテーマで大会が開催されたので、もう好き放題やってしまおうかと思ったのです。全部管理人さんが悪いのです。 **あとがき [#kVKUuiw] 今回のお話、最初は人間が築き上げた文明破壊されるところで終わりにしようと思ったのですが、よく考えると、原子力発電所をやられたらどうしようもないよなぁと思いつつ、そういえば原子力発電所と言えばウルトラビルディング……と、思い出した結果、このような結末になりました。 ウルトラビルディングの世界が荒廃した理由は放射能汚染っぽい気がしますが、それが戦争によるものなのか事故によるものなのかもわかりません。戦争だとすれば、戦争が起こったことを言及しないのはおかしい気がしますし……かといって事故だとしても、世界中で同時に事故なんて起こるわけもありません。 しかし、メルタンは世界中で同時に発生していますし、こいつらなら世界中の原子力発電所を攻撃することも可能かと思いまして。それでも世界中が住めなくなるというレベルにはならないと思われますが、その世界は原子力発電所がとても多い世界だったのか……真相は闇の中ですね。 それでは、以下に感想へのコメントを返します ・実に……あの人です…… (2018/12/02(日) 20:10) いいいいいいいいったいだだだだ誰のことなんでしょうねぇ……? きききっと皆目見当もつかないでしょうね、ほ、本当はわかっていない癖にこんな思わせぶりなことを言っちゃってぇ、いけない子ねぇ ・衝撃のエントリーコメントから、かなりシリアスで練り込まれている本文。 エントリーコメントも嘘をいっていないですからね。思わず口ずさんでしまうこのセンスに脱帽します。 上手く言えないのですが、まだ登場したてのメルタンでここまで生態を描けるのが凄くて、 描写もリアルで最後までワクワクして読み進めることができました。 テーマにもピッタリの、素晴らしい作品をありがとうございました。 (2018/12/02(日) 22:23) ありがとうございます。メルタンが現れた時は、ポケモンGOにアブソルデイやジガルデデイが来てくれないかなと思っていましたが、まさかのダンバルデイだったために彼らに犠牲になってもらいました。 ・メルタンの発見や、コミュニティーデー、ウルトラビルディングなど、本家の様々なイベントを絡ませていてとても面白かったです。メルタン恐ろしい子… (2018/12/02(日) 23:02) 今の時代だからこそ、恐ろしいというのが本当に恐ろしいのです。100年前ならいろいろなものが台無しになっていたとしても、放射能汚染はおこらなかったろろうに…… ・日記形式というのが斬新でよかったです。 (2018/12/02(日) 23:59) たまに私はやってしまう形式です。徐々に状況がやばくなっていく気がするのが好きなんです。 コメント 投票ページのコメント以外に何かありましたらよろしくお願いします。 #pcomment(,,below); **あとがき [#ZNJK5iW] いやぁ、今回も分厚い仮面でした! と言いたいところですが、今回はツイッターでネタをつぶやきすぎてたのでツイッターをやっている方には正体がバレバレでしたね。 と、いうのも、メルタンで何かを書きたいと思ったときに、ちょうどよいテーマで大会が開催されたので、もう好き放題やってしまおうかと思ったのです。全部管理人さんが悪いのです。 今回のお話、最初は人間が築き上げた文明破壊されるところで終わりにしようと思ったのですが、よく考えると、原子力発電所をやられたらどうしようもないよなぁと思いつつ、そういえば原子力発電所と言えばウルトラビルディング……と、思い出した結果、このような結末になりました。 ウルトラビルディングの世界が荒廃した理由は放射能汚染っぽい気がしますが、それが戦争によるものなのか事故によるものなのかもわかりません。戦争だとすれば、戦争が起こったことを言及しないのはおかしい気がしますし……かといって事故だとしても、世界中で同時に事故なんて起こるわけもありません。 しかし、メルタンは世界中で同時に発生していますし、こいつらなら世界中の原子力発電所を攻撃することも可能かと思いまして。それでも世界中が住めなくなるというレベルにはならないと思われますが、その世界は原子力発電所がとても多い世界だったのか……真相は闇の中ですね。 それでは、以下に感想へのコメントを返します ・実に……あの人です…… (2018/12/02(日) 20:10) いいいいいいいいったいだだだだ誰のことなんでしょうねぇ……? きききっと皆目見当もつかないでしょうね、ほ、本当はわかっていない癖にこんな思わせぶりなことを言っちゃってぇ、いけない子ねぇ ・衝撃のエントリーコメントから、かなりシリアスで練り込まれている本文。 エントリーコメントも嘘をいっていないですからね。思わず口ずさんでしまうこのセンスに脱帽します。 上手く言えないのですが、まだ登場したてのメルタンでここまで生態を描けるのが凄くて、 描写もリアルで最後までワクワクして読み進めることができました。 テーマにもピッタリの、素晴らしい作品をありがとうございました。 (2018/12/02(日) 22:23) ありがとうございます。メルタンが現れた時は、ポケモンGOにアブソルデイやジガルデデイが来てくれないかなと思っていましたが、まさかのダンバルデイだったために彼らに犠牲になってもらいました。 ・メルタンの発見や、コミュニティーデー、ウルトラビルディングなど、本家の様々なイベントを絡ませていてとても面白かったです。メルタン恐ろしい子… (2018/12/02(日) 23:02) 今の時代だからこそ、恐ろしいというのが本当に恐ろしいのです。100年前ならいろいろなものが台無しになっていたとしても、放射能汚染はおこらなかったろろうに…… ・日記形式というのが斬新でよかったです。 (2018/12/02(日) 23:59) たまに私はやってしまう形式です。徐々に状況がやばくなっていく気がするのが好きなんです。 コメント 投票ページのコメント以外に何かありましたらよろしくお願いします。 #pcomment(,,below); **あとがき [#ZNJK5iW] いやぁ、今回も分厚い仮面でした! と言いたいところですが、今回はツイッターでネタをつぶやきすぎてたのでツイッターをやっている方には正体がバレバレでしたね。 と、いうのも、メルタンで何かを書きたいと思ったときに、ちょうどよいテーマで大会が開催されたので、もう好き放題やってしまおうかと思ったのです。全部管理人さんが悪いのです。 今回のお話、最初は人間が築き上げた文明破壊されるところで終わりにしようと思ったのですが、よく考えると、原子力発電所をやられたらどうしようもないよなぁと思いつつ、そういえば原子力発電所と言えばウルトラビルディング……と、思い出した結果、このような結末になりました。 ウルトラビルディングの世界が荒廃した理由は放射能汚染っぽい気がしますが、それが戦争によるものなのか事故によるものなのかもわかりません。戦争だとすれば、戦争が起こったことを言及しないのはおかしい気がしますし……かといって事故だとしても、世界中で同時に事故なんて起こるわけもありません。 しかし、メルタンは世界中で同時に発生していますし、こいつらなら世界中の原子力発電所を攻撃することも可能かと思いまして。それでも世界中が住めなくなるというレベルにはならないと思われますが、その世界は原子力発電所がとても多い世界だったのか……真相は闇の中ですね。 それでは、以下に感想へのコメントを返します ・実に……あの人です…… (2018/12/02(日) 20:10) いいいいいいいいったいだだだだ誰のことなんでしょうねぇ……? きききっと皆目見当もつかないでしょうね、ほ、本当はわかっていない癖にこんな思わせぶりなことを言っちゃってぇ、いけない子ねぇ ・衝撃のエントリーコメントから、かなりシリアスで練り込まれている本文。 エントリーコメントも嘘をいっていないですからね。思わず口ずさんでしまうこのセンスに脱帽します。 上手く言えないのですが、まだ登場したてのメルタンでここまで生態を描けるのが凄くて、 描写もリアルで最後までワクワクして読み進めることができました。 テーマにもピッタリの、素晴らしい作品をありがとうございました。 (2018/12/02(日) 22:23) ありがとうございます。メルタンが現れた時は、ポケモンGOにアブソルデイやジガルデデイが来てくれないかなと思っていましたが、まさかのダンバルデイだったために彼らに犠牲になってもらいました。 ・メルタンの発見や、コミュニティーデー、ウルトラビルディングなど、本家の様々なイベントを絡ませていてとても面白かったです。メルタン恐ろしい子… (2018/12/02(日) 23:02) 今の時代だからこそ、恐ろしいというのが本当に恐ろしいのです。100年前ならいろいろなものが台無しになっていたとしても、放射能汚染はおこらなかったろろうに…… ・日記形式というのが斬新でよかったです。 (2018/12/02(日) 23:59) たまに私はやってしまう形式です。徐々に状況がやばくなっていく気がするのが好きなんです。 コメント 投票ページのコメント以外に何かありましたらよろしくお願いします。 #pcomment(,,below);