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美味しい木の実 の変更点


※&color(red){この小説にはvore表現が含まれています};※

 たくさんのポケモンが棲む恵み豊かな森に、一匹のピカチュウがいました。
 ある日美味しい木の実の話を風の噂で聞き、決して入ってはいけないと言われている森の奥へ飛び込んでいきました。
そこは木々が深く生い茂り日が届かず、日中も暗くじめじめしているので皆に怖がられていました。
最初は恐る恐る歩を進めていたピカチュウでしたが、敵がいないことを確認すると、鼻歌を歌いながらスキップして進みました。
話に聞いた美味しい木の実が成っている木を目指し、奥へ奥へと入っていきます。

 もうすぐ開けた場所に出ようかとしたその時、ふにゅっとした感触に違和感を覚えて足元を見ると、薄紫色の長い紐のようなものがありました。
視線を先にやると、アーボが顔を真っ赤にして怒っています。どうやら彼の尻尾を踏んづけてしまっていたようです。
 ピカチュウはまずいと思ったのか慌てて逃げ出そうとしましたが、地の利を知り素早く動き回るアーボに尻尾を噛まれてしまいました。

 噛まれた箇所からじわりじわりと毒が回り、抜け出ようにも同じ景色ばかり続くのでとうとうめまいを起こし、低く呻いてピカチュウは倒れてしまいました。
それをじっと待っていたアーボはまた尻尾に齧りつき、今度はぎゅっと強く毒を流し込んで逃げられないようにします。
身体がどくどく早く脈を打ち危険信号を出すも、痺れて動けないピカチュウはアーボのなすがまま。長い時間をかけてゆっくりじっくりあむあむ飲み込まれていきました。

 やがて頭まですっぽり飲み込んで、アーボはとっても満足そう。
飲み込まれたピカチュウはというと、ぬるぬると生暖かく狭く、おまけにひどい匂いのする空間で溶けるのをただ待つだけでした。
自慢のギザギザ尻尾は歪な形になり、小さな足の指はもう数本なくなりつつあり、電撃を浴びせようにもどこにも力が入りません。
けれど、どうしてでしょう。不思議な安心感を得ていました。段々毒に蝕まれるのも溶けていくのも気持ちよくなってきて、最期は笑みを浮かべて、ピカチュウは消化されていきました。

 ここは恵み豊かな森。美味しい木の実が育つのは、木の周辺にナワバリを持つアーボの副産物がいい肥料になっているからだそう。

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