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偉そうなメイドと俺 の変更点


クリスマスイブに合わせたSSのつもりが既に2日延。
おまけにまだ現在進行形で執筆中。
クリスマスどころか年内中に書き切ることが出来るかどうかすら不明。
by705
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「主人! 朝食が出来たから起きろ!」
 けたたましくドアが叩かれる。正直言って全然寝足りない。
 昨夜は実況スレに張り付いていたせいで、寝るのが3時を回ってしまった。出来ることなら後6時間は寝ていたいところだ。
「んー……後5分……」
 駄目だ。自然と瞼が降りてくる。もう一眠り……
 直後、文字通りドアが蹴り破られた。粉々になった木製ドアには目も止めず、ルカリオが再度声をかける。
「最終警告だ。起きろ」
「……んー……」
 頼む。寝かせてくれ。マジで眠い。
「そうか、死にたいか」
 ……静かになった。やっとこれで寝られ
「波動弾」
 冷酷に言い放たれたそれに激しく嫌な気配を感じた。しかし目を開けるよりも先に、脇腹に激痛が走った。
「ドフゥ!!!」
 ベットから跳び落ちた。突き落とされたと言った方が正しいかもしれない。
「これで目覚めないのなら何発でもくれてやるが?」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
 ただでさえ冬で寒いのに、ルカリオのせいで寒気が倍増した。元を辿れば俺が全て悪いが。
 彼女、ルカリオは俺の専属メイドだ。俺の意思で頼んだ訳ではないのだがな。事の起こりは約9ヶ月前だった。
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 その日は日曜だった。週5〜6で仕事をし、残りの土日はじっくりとパソコンをやる日々。代わり映えの無い生活だが、俺は別段つまらないと思ったことはなかった。
 とにかく、その日曜も普段と変わらずにパソコンをやっていた。
「『>>223
いいからwwwwww回線で首吊って死ねよwwwwww』で書き込み……っと」
 にやけながら「書き込む」のボタンをクリックした。端から見れば、パソコンを見ながら1人でニヤニヤしている様子は気持ち悪いかもしれないが、他人に見られる訳でもないし、特に問題は無い。
 その時、玄関からチャイムが聞こえた。
「ん? 誰か来たようだ」
 内心「これ死亡フラグじゃね?」と思いながらも、玄関のドアを開けた。
 そこに立っていたのは、俺より少し背が高いルカリオだった。一目見て雌だということは分かった。それ以外の事は全く分からない。初対面だから当たり前だが。
「マグマラシというのはお前だな?」
「……はあ、そうですが」
 初対面という割に口調は随分厳しい。仮にこのルカリオが俺より年上だとしても、敬語くらいは使うのが常識ではないのだろうか。自分もあまり言葉遣いに自信は無いのでとやかく言わないが。
 それにしても、このルカリオはさっきからキョロキョロ見回して、何がしたいのだろうか。
「……ふむ、気に入った。
今日からここに雇われるとしよう」
「……は?」
 今なんつった? 雇われる? どーゆーこと?
「分からないか?
私が今日からこの家のメイドになってやる、と言うのだ」
 メイドって、あの「お帰りなさいませ ご主人様(はぁと」とか言うあれ? イメージ違うなあ……
「では、邪魔させてもらう」
「いやいやちょっと! 普通こういうのは、雇い主である俺が決める事なのでは?」
「関係ない」
「えええー?」
 何と言うご都合主義。下剋上始まったなコレ。
「まあ待て。物は相談だ。
部屋と食事を保証してくれるなら年中無休で働く。
それに、月給は1万で結構。これでどうだ?」
 破格過ぎる。年収12万で結構だと!? 俺の年収の約1/70ジャマイカ。確かにこの家はかなりの部屋が余っているし、台所事情も良くない。好条件過ぎる。ドッキリか何かではないだろうか。
「確かに得ですが……しかし……」
「何か?」
「……いえ、何も……」
 ぶっちゃけ言おう。このメイドさん怖い。殴り掛かってきそうとかでなく、目付きとかが怖い。
「では、決まりだな」
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 そして今に至る。
 このメイドさん、態度こそいただけないが、腕はかなり良い。通常なら4、5人くらいのメイドが必要と思われる仕事を1人で難無く熟す。これならこんな辺鄙な家よりも、どこか巨大な屋敷で働いた方が良いのではないのだろうか。その方が収入も余程良いだろうに。
「どうかしたか?」
「いえ、何も」
「なら朝食を食え。冷めて不味くなる」
「はあ。では……」
 ロメの実を使ったシチュー。メイドさんの得意な料理の1つらしい。メイドさんの料理を食べるうちに、どれもこれも得意料理だろうと感じてきたけど。
「ところでメイドさん。
その言葉遣いはどうにかなりませんか?」
「うむ?」
「いや、家に客が来た時とかに、メイドがタメ口で主人が敬語じゃあ、俺のメンツが丸潰れですよ」
「仕事を熟していれば問題は無いと思うが?」
「いや、それでもどうしても、ということがあるでしょう。
丁寧語くらい使えませんか?」
「うむ……
……あ、あー……おー……」
 どうやら悪戦苦闘しているようだ。何をそんなに苦戦するんだ。
「……うん、無理だ」
「はいい!?」
「遜る理由が見付からない」
「……はあ……」
 一応俺が主人なんだがな……反論はあるが、多分言うだけ無駄だろう。
「時に主人、今日はどうするつもりだ」
「今日は少し街まで行こうかと思いまして。
家のこと頼みますよ」
「ふむ、ゆっくりしてくるがいい。
その分こっちも徹底して仕事が出来る」
 腕と仕事の徹底ぶりは良いんだよな。後は言葉遣いが……まあいいやもう。

 30分後。
「それじゃ、行ってきます」
「うむ、ゆっくりしてこい」
 望みとしては、微笑みながら「いってらっしゃいませご主人様」とか言って欲しいんだけどな……そんな設定は2次でしかありえないか。
 そういや今日は24日か。チャンスがあるとすれば今日しか無いな。

「ねーねーさーくんまってー」
「言われなくてもまつよたっちゃん」
 うっわバカップル……家出て早々に出くわすのは想定の範囲外だぜ。往来でいちゃつくんじゃねーよ見苦しい。しかもサナギラスとオオタチとか釣り合わねーコンビ。気持ち悪いな。リア充死ね。氏ねじゃなくて死ね。ったく……
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 ドアが閉まる。それと同時に溜息を吐く私。実質立場は逆転しているが、メイドと主人という関係を覆すことは出来ない。故に逆らえないし、自分の意見も言えない。
 しかし少しでも気を許すと、メイドが主人に想いを伝えてしまう自信がある。だから私はこの口調を保っている。
 正直言うと、私は彼に一目惚れだった。上からこの屋敷で働けとの命令が下った時は抗議をしたものだ。さほど大きくない屋敷とはいえ、たった1人で働けというのだから当然だ。
 確かに私は組織の中ではかなり腕が上の部類で、調理や掃除等あらゆる面で優秀だったが、それは仲間がいたからこそだ。
 支給額を自ら決めて良いとはいえ(勿論常識の範囲内で)、流石に仲間がいないとなるとその負担は計り知れない。過労でぶっ倒れてやる。当初はそう思っていた。
 しかし、彼の姿を見た瞬間にその考えは吹き飛んだ。何故かは分からないが不思議とやる気が起きた。雇って欲しいとの思いが暴走し、勢いで月給1万で良いとまで言ってしまった。
 金に関しては、貧乏だった昔に貪るように見ていた黄〇伝説のおかげで普通にやり繰り出来ている。
 とはいっても寝る場所は確保出来ており、電気料金等も私が負担する訳ではないため食費だけを考えれば十分だが。しかし〇金伝説は食費をも極力切り詰めているためおおいに役立った。最近は自分なりに考えた節約方法を実施しているが、元は全て黄金〇説のおかげだ。ありがとう、黄金伝〇。
 ……と、そんな話ではなかった。今は仕事を優先せねば。
 ほう、今日はクリスマスイヴか。ならば今日くらいは奮発しても良いだろう。
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「これとこれと……これもかな」
 やっぱりタマムシデパートはクリスマス商品でごった返しているな。それと比例してカップル共もごった返しているがな。
 しかし、バカップル共はなんで人目を気にせずいちゃいちゃするんだ。見ていて不快窮まりない。中には通路を塞ぐようにじゃれあっている阿呆までいる。そういう奴らを見ると殺意さえ沸いてくる。
 あ? 童貞乙? うっせえ。どうせ俺は彼女いない歴=年齢ですよーだ。
 さて、買うものはこれくらいだっけか。
「おいっす」
「……おー」
 誰かと振り向くと、友人のガーディがいた。そういや半年前、コイツに女が出来てからは全く会ってなかった。
「お前こんなところに1人で何やってんのけ?」
「何って、買い物以外に何がある」
「多分お前だけだぜ? ここに1人でいるの。
つーかお前彼女作れよ。いい女紹介してやっからさ」
「お前のは信用ならん。」
「うわ、ひっでえ。
この俺を信用しないとは、お前は女を見る目が無いのか」
「お前のセンスがズレてるだけだ。
何だこの前のブスは」
「ブスとはなんだ! マジで女を見る目が無いな。
そんなんでお前、この3次元という空間で生きていけるのか」
「うるっせえ。2次こそ至高だ。3次にゃ興味ねえ」
「あれぇ? それともあれかな? 俺に嫉妬ですか〜?」
 あー苛つく。人目が無ければ絶対締め上げているんだが。そのうちシバいてやる。
「そういや、お前に彼女の事教えてなかったな」
「あ、はじめまして。ポニータといいます」
「……ども」
 結構可愛い。コイツには勿体ないくらいだ。てかこの娘本当にコイツの彼女? 釣りじゃね? コイツがどっかから掻っ払ってきたんじゃね?
「そうだ、タマゴは大丈夫だろうね?」
「ええ、ちゃんとケースに入れたわよ」
 え……タマゴ?
「ちょま……お前……ヤった?」
「たりめーよ。多分俺の知ってる奴でチェリーボーイなのはお前だけだぞ」
「……マジですか」
 別に俺は一生チェリーボーイでもいいけどな。
「……なあ、孔子のこんな話を知ってるか?」
 へえ、ガーディも孔子とか知ってるんだな。
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弟子「先生、処女を貴重だと思う男は多いです」
孔子「その通りだ」
弟子「しかし逆に童貞は女に気持ち悪がられます」
孔子「確かに」
弟子「おかしいじゃないですか、何故このような意識の違いが生まれるのですか」
孔子「それは一度も侵入を許していない砦は頼もしく、
  一度も侵入に成功しない兵士は頼りないからだ」
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「……何が言いたい」
 まさかこのコピペをこいつの口から聞くことになるとは。
「よーするにチェリーボーイって気持ち悪い事なんだなーって。
チェリーボーイが許されるのは小学生までとも言うし」
「……ちょっと表出ろや」
 その後、タマムシデパートの裏に連れていってフルボッコにしようとしたが、奴が隙を見て逃げ出した。
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